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JP4954030B2 - 洗浄媒体及びそれを使用する乾式洗浄装置 - Google Patents

洗浄媒体及びそれを使用する乾式洗浄装置 Download PDF

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Description

この発明は、例えば複写機やレーザプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置で用いられるトナーが付着した比較的複雑な形状の部品等の各種洗浄対象物に付着した塵埃や粉体を、水や溶剤を使わずに除去する固体洗浄媒体及びそれを用いる乾式洗浄装置、特に、被洗浄体を連続投入して処理して作業性の向上を図ることに関するものである。
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の事務機器メーカでは、資源循環型社会実現のために使用済みの製品や各種ユニットをユーザから回収後に分解・清掃・再組立し、部品として再使用したり、樹脂材料として利用したりするリサイクル活動を積極的に行っている。これらの製品や各種ユニットに使用されている部品を再利用するためには、分解した部品やユニットに付着している微粒子粉体であるトナーを除去して清浄化する工程が必要であり、清浄化に必要なコストや環境負荷を減らすことが大きな課題となっている。
この部品やユニットに付着したトナー等の汚れを除去するために水や溶剤を使用した湿式の洗浄方法があるが、この洗浄方法ではトナー等を含んだ廃液の処理及び洗浄後の乾燥処理のエネルギー消費などにおいて環境上及び省エネルギー対策上、コスト上昇の原因となる場合がある。
また、エアブローによる乾式洗浄方法の場合、付着力の強いトナーに対しては洗浄能力が十分ではなく、人手によるウェス拭きなどの後工程が必要なため、清浄化は製品リユース・リサイクルにおけるボトルネック工程の1つとなっている。さらに、ドライアイスを使ったブラスト洗浄では、ドライアイスを大量に消費するためランニングコストが高く環境負荷も大きいという問題がある。
これらの問題を解決するため、特許文献1に示された乾式洗浄装置は、帯電性の洗浄対象物を弾性変形可能な接触部材とともに回転円筒内で撹拌しながら除電して洗浄対象物に付着している塵埃の付着力を弱めて除去するようにしている。
また、特許文献2に示すように、スチールやアルミ、ステンレスの小球又は線材を細かく切断した小片を被処理物に対して噴射して洗浄対象物から付着物を分離する方法や、特許文献3に示すように、粒状固体を高速空気流に混入させて樹脂製容器の表面に衝突させて樹脂製容器の汚れを除去するようなショットブラスト法も使用されている。
さらに、特許文献4に示された乾式洗浄方法は、微粒子を吸着する粒子状洗浄媒体を被洗浄容器内に導入し、洗浄ノズルを被洗浄容器の開口部に差し込み、洗浄容器内に高速空気流を吹き込み洗浄ノズルから排気して洗浄容器内で洗浄媒体を吹き上げ、吹き上げた粒子状洗浄媒体で洗浄容器内面に付着している微粒子を除去し、洗浄ノズルの先端部のメッシュに洗浄媒体を衝突させて、洗浄媒体に吸着している微粒子を分離させて濾過することにより洗浄媒体を再生し、再生した洗浄媒体を空気流で再び吹き上げて繰り返し洗浄するようにしている。
また、特許文献5には、特許文献4に開示されている装置に加えて、洗浄媒体の飛翔と洗浄媒体の吸引による再生を同時に行う構成も提案されている。
また、特許文献6〜10には、洗浄対象物に傷を付けにくくする、あるいは洗浄対象物の洗浄による変形を防ぐために柔軟な洗浄媒体を使用するブラスト洗浄方法も提案されている。
さらに、特許文献11には、洗浄効率を向上させるために薄片状の洗浄媒体を使用する洗浄方法も提案されている。
特開2003−122123号公報 特開2005−193958号公報 特許2889547号公報 特許3468995号公報 特開2005−329292号公報 特開2004−106100号公報 特開昭60−188123号公報 特開平04−059087号公報 実用新案登録第2515833号公報 特開平07−088446号公報 特開2007−29945号公報
特許文献1に示された乾式洗浄装置は、撹拌による接触部材と洗浄対象物の接触力は十分とはいえず、付着力の強い塵埃の除去は困難であるという問題がある。
特許文献2に示された乾式洗浄装置においては、洗浄品質を高めるには洗浄媒体の清浄度を高める必要があるが、旋回気流による遠心分離作用(サイクロン方式)では、分離性能が不十分であった。また、洗浄品質をより高めるにはトナーを吸着した洗浄媒体を何度も入れ替える必要があり、洗浄効率が悪く大量の洗浄媒体が必要であるという問題があった。
特許文献3や特許文献4に示された乾式洗浄装置は、洗浄媒体として金属の小球や線材を細かく切断した小片又は粒状固体を用いているため、洗浄対象物の汚れを除去するだけでなく、洗浄対象物の表面を削り取って梨地状に荒らしてしまい、洗浄による対象物への傷が許されない場合には適用できなかった。
特許文献5に示された乾式洗浄装置は、洗浄媒体の飛翔と洗浄媒体の吸引による再生を同時に行っており、容器内の洗浄のような小規模の容積に対して有効な手段であるが、洗浄媒体の飛翔のエネルギーが分散されるため、洗浄対象を投入し移動させるような容積の大きな洗浄槽内においては、洗浄媒体が飛翔せず滞留してしまうよどみが発生して洗浄媒体の飛翔と再生が行われにくくなり洗浄能力が低下する可能性がある。
特許文献6〜10に示された乾式洗浄装置は、洗浄に必要な時間が長く、また、付着力が強い付着粒子に対しては十分な洗浄ができないという問題があった。
特許文献11に示された乾式洗浄装置は、洗浄工程において洗浄媒体と洗浄槽壁が付着し、洗浄に寄与する洗浄媒体の量を減少させ洗浄効率を低下させるという問題があった。また、洗浄後の洗浄対象物からの洗浄媒体除去工程において洗浄媒体と洗浄対象物が付着していて、洗浄媒体の除去に関わる作業時間を増加させるという問題があった。さらに、洗浄対象物の継ぎ目、接合部や洗浄槽内の継ぎ目、接合部に洗浄媒体が挟まって、同様の問題を引き起こすことがあった。
この発明は、このような問題を改善し、乾式洗浄媒体の運動速度と清浄度とを高めることにより洗浄品質と洗浄効率とを向上させるとともに、特に、複雑な形状の部品であっても、傷付けたり洗浄残しを発生したりすることなく乾式洗浄可能な洗浄媒体及びそれを用いる乾式洗浄装置を提供することを目的とするものである。
また、洗浄後の洗浄対象物に付着した洗浄媒体の除去を容易にして、洗浄に関わる作業時間の短縮を実現することを目的とする。
この発明の洗浄媒体は、洗浄槽内で気流により飛翔させて洗浄対象物に衝突させて該洗浄対象物に付着している付着物を除去するために用いられる洗浄媒体であって、前記洗浄媒体は、洗浄対象物に接触する外面と洗浄対象物に接触しない内面とを有し、前記洗浄媒体の内面に外部からの気流が入り込む筒状の形状で、かつ可撓性を有し、前記洗浄媒体が前記洗浄対象物に対して接触あるいは衝突した際に撓むことを特徴とする。
前記洗浄媒体は、筒状に形成されていることを特徴とする。
また、前記筒の形状は円筒形で形成されたり、多角形で形成されていることを特徴とする。
前記筒の側面と少なくとも一方の開口面とのなす角が鋭角で形成されたり、前記筒の一方の開口径が他方の開口径よりも小さく形成されたり、前記筒の側面に折り目を有することが望ましい。
また、前記筒の側面に可撓性の薄片を有すると良い。
前記洗浄媒体は、一方に開口部を有する袋状に形成されていることを特徴とする。
また、前記袋の形状は円錐形で形成されたり、角錐形で形成されていることを特徴とする。
前記袋の側面に折り目を有することが望ましい。
さらに、前記洗浄媒体は、帯電防止機能を有する材料で構成されたり、内面の少なくとも一部が強磁性体で被覆されていたり、光が透過可能な材質で形成し、内面の少なくとも一部が自発光する物質又は光を反射する物質で被覆されていることが望ましい。
この発明の乾式洗浄装置は、前記いずれかに記載の洗浄媒体を用いるものであり、洗浄槽内で高速気流により飛翔させる循環用気流発生手段と、前記飛翔した洗浄媒体を高速気流により洗浄対象物に衝突させて洗浄対象物に付着した付着物を除去する洗浄媒体加速手段と、前記洗浄対象物に衝突した前記洗浄媒体に付着した付着物を吸引して除去して前記洗浄媒体を再生する洗浄媒体再生手段とを備えたことを特徴とする。
この発明は、洗浄対象物に接触する外面と洗浄対象物に接触しない内面を有し、内面に外部からの気流が入り込む筒状の形状でかつ可撓性を有する洗浄媒体を洗浄槽内で気流により飛翔させて洗浄対象物に衝突させる際に洗浄媒体が撓むことで洗浄対象物に付着している付着物を除去する。これにより、一度の衝突での接触面積が大きくなることで洗浄効率を高めることができるとともに、洗浄対象物に衝突したときの接触力が大きくなると洗浄媒体が撓んで力を逃がすから、洗浄対象物を傷付けないで済み、洗浄対象物を安定して洗浄して再利用することができ、省エネルギーを図ることができる。また、洗浄後の洗浄対象物に付着した洗浄媒体の除去を容易にする。
図1はこの発明の洗浄媒体の構成を示す斜視図である。図に示すように、洗浄媒体1は筒状に形成され可撓性を有し、図2に示すように、高速気流2より流動して洗浄対象物3に付着したトナー等の各種粉塵等の付着物4を除去するものである。この洗浄媒体1の材質、重さ、大きさ、形状等は、洗浄対象物3の形状や材質等の特性、洗浄対象物3に付着している付着物4の粒径や付着強さ等の特性に応じて決定される。
この洗浄媒体1が飛翔するための気流を生成する送風手段は、洗浄対象物3の固定位置より所定の距離だけ離れた位置に配置されている。この送風手段としては、ブロー手段、圧縮空気源、エアチューブ、エアブローノズル、噴霧装置等を用いることができる。送風手段による気流2の生成方法としては洗浄媒体1が飛翔可能であればどのような方法でもよく、気体と混合した状態で洗浄媒体1を吐出する構成としても良いし、気体の吹き出し口にあらかじめ洗浄媒体1を配置する構成としても良い。
このように送風手段の作動により気流2が生成される際に、気流2の流路上に存在する多数の洗浄媒体1が気流に乗って飛翔し、飛翔した多数の洗浄媒体1の多くは洗浄対象物3に接触あるいは衝突して洗浄対象物3から付着物4を掻き落として洗浄対象物3の表面の洗浄が行われる。したがってブラシやワイヤ、スクレーパ等のように固定支持された洗浄手段とは異なり洗浄媒体1が流体として挙動するため、洗浄対象物3の隅々まで洗浄媒体1が侵入することにより洗浄効果を向上することができる。
この洗浄媒体1を飛翔させる気流2を発生する送風手段として圧縮空気源に接続されたエアブローノズルを用いることにより、高速の気流2を生成することができ、洗浄対象物3の洗浄能力を高めることができる。また、気流2の速度を高めることにより洗浄媒体1が洗浄対象物3に接触する頻度が上昇するため、洗浄対象物3の洗浄時間を短縮することができ洗浄効率を向上することができる。
このように洗浄対象物3を洗浄する洗浄媒体1は可撓性を有し、洗浄対象物3に対して接触あるいは衝突した際に撓むことが可能であることにより、洗浄対象物3に与える衝撃を低減できるとともに洗浄効率を高めることができる。また、洗浄媒体1が可撓性を有することにより、洗浄対象物3に対する接触力が大きくなると、図2に示すように、洗浄媒体1が撓んで力を逃がすため、一般的なブラストショット材やバレル研磨用のメディア材のように必要以上の力で洗浄対象物3に衝突して洗浄対象物3を傷付けてしまうといった不具合の発生を防止することができる。また、洗浄対象物3に対する接触あるいは衝突時に洗浄媒体1が撓んで非弾性衝突となり、衝突時における洗浄媒体1の跳ね返りが生じにくくなることにより洗浄媒体1が洗浄対象物3の広い面積に接触することができ、洗浄媒体1が洗浄対象物3から多くの付着物4を除去して洗浄効率を高めることができる。
また、洗浄媒体1として筒状に形成され可撓性を有するものを用いることにより、他の形状の洗浄媒体を用いた場合に比して飛躍的に洗浄性能を向上することができる。この理由としては、気流2への追従性(高速飛翔と複雑な運動)及び接触あるいは衝突時のエッジ作用、滑り接触、撓み作用などの挙動が他の形状の洗浄媒体よりも優れていたためであると考えられる。
この気流2への追従性について説明する。筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1は、投影面積が大きい方向に気流の力が作用した場合、空気抵抗に対する質量が非常に小さいため気流によって容易に加速されて高速飛翔し、また投影面積が小さい方向に気流の力が作用した場合、空気抵抗が小さいことから高速運動が長距離維持される。洗浄媒体1が高速であるほど、その保有エネルギーが大きくなり、洗浄対象物3に接触したときに作用する力が大きくなり、洗浄品質を向上することができるとともに洗浄対象物3に接触する頻度が増加して洗浄効率を向上することができる。また、筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1は姿勢によって空気抵抗が大きく変化するため、気流2に沿って動くだけではなく急に方向を変える等の複雑な運動が可能である。洗浄対象物3の周辺には高速である気流2の作用によって乱気流が発生するが、質量に比して空気抵抗を受け易い筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1は乱気流への追従性が高く、乱気流の渦によって自転しながら回転しつつ洗浄対象物3に対して繰り返しの接触が可能であるため、比較的複雑な形状の洗浄対象物3の洗浄においても高い洗浄能力及び洗浄効率を得ることができる。
次に、接触あるいは衝突時の挙動について説明する。筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1が、図2に示すように、その端部から洗浄対象物3に衝突した場合には、衝突力がそのエッジに集中するために質量が小さいにも拘らず付着物4の除去に必要な力を得ることができる。また、筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1の場合には衝突力が大きくなると撓んで力を逃がすため、空気から受ける粘性抵抗が大きく作用して非弾性衝突となり洗浄対象物3との接触時間が長くなって洗浄能力を向上することができる。さらに、筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1では衝突時の跳ね返りが起こりにくく、斜め衝突の場合は、図2に示すように、洗浄対象物3に対して滑り接触するため、洗浄媒体1が洗浄対象物3の広い面積に接触して洗浄対象物3から多くの付着物4を除去することができ洗浄効率を高めることができる。
これに対して一般的なショット材や弾性スポンジでは衝突時に跳ね返りが生じ易く、洗浄対象物3への衝突時における接触効率が筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1に比べて低い。さらに、筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1では、接触あるいは衝突時の滑り接触による掻き取り作用及び摺擦作用により付着物4に対して接触面に平行な力を作用させ易い。一般に、付着物4に対しては付着面に垂直な向に力を作用させるよりも付着面に平行な方向に力を作用さる方が小さな力で付着物4を分離できることが知られている。これに対し、従来知られている粒状のスポンジや粒状の発泡体では、可撓性を有するために変形可能であって衝突時に洗浄対象物3の広い面積に接触することはできるが、跳ね返りや転がりが生じ易いことから滑り接触による掻き取り作用及び摺擦作用を得ることはできず、付着物4を洗浄対象物3から分離するための剪断力が得られないことから、付着力の強い付着物4に対する洗浄能力が筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1よりも劣ることになる。
以上説明した作用により筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1が他の洗浄媒体よりも比較的複雑な形状の洗浄対象物3に対しても洗浄能力及び洗浄効率が高い理由であると考えられ、これらは従来のブラストショット材やバレル研磨用のメディア材、粒状のスポンジや粒状の発泡体にはない画期的な特徴である。
この筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1の形状としては、側面の面積1〜1000mm、肉厚1〜500μm程度、材質としては例えば樹脂チューブ、熱可塑性エラストマチューブ、ゴムチューブ、布筒、紙筒、金属筒等が適当であるがこの限りではなく、上述したように洗浄対象物3の形状や材質等の特性、洗浄対象物3に付着している付着物の粒径や付着強さ等の特性に応じて適宜決定される。
また、洗浄媒体1としては、可撓性を有するものであれば様々な材質のものを使用することができるが、撓むことによる非弾性衝突により洗浄効率を高めるためには、ASTM D882によるヤング率が4GPa以下であることが望ましい。また、滑り接触による掻き取り時の抵抗に耐えるためにはヤング率が0.2GPa以上であることが望ましい。例えば、一般的な樹脂チューブを用いた場合には柔軟性及び耐久性があるため、洗浄対象物3を傷付けることなく長期間繰り返し使用することが可能となり、さらにポリエチレンであれば安価でありコストダウンを図ることができる。また、洗浄対象物3に複数種類の付着物4が付着している場合には、複数の材質を用いることにより洗浄の役割分担を行うことができる。例えば樹脂チューブでは油脂汚れを吸着除去することは苦手であるが、吸着物が少ないために乾式で再生を行い易い。これとは逆に布では油脂汚れを吸着除去することは得意であるが、乾式で再生しにくいために繰り返しの使用には耐えられない。特に洗浄媒体1を繰り返し使用する場合にはその機械的強度が要求されるため、紙や布は不利となり樹脂や金属は有利となる。また、金属については、繰り返しの応力を受けると塑性変形してしまうという問題点があるため、樹脂チューブ、熱可塑性エラストマチューブ、ゴム等のミクロな高分子が絡まり合いあるいは結合した集合体のものが有利となる。特に樹脂チューブは熱可塑性エラストマあるいはゴムに比して洗浄対象物3に非弾性衝突し易いため、洗浄効率的にも有利である。このように、それぞれの材質によって洗浄対象物3に対する洗浄能力が異なるため、いろいろな材質が混在した洗浄媒体1を用いることにより、総合的な洗浄能力を高めることができる。
ここで、気流2により飛翔する洗浄媒体1を用いた場合に発生する問題として、洗浄中に洗浄媒体1が洗浄槽の壁面や洗浄対象物3及び他の洗浄媒体1との摩擦により帯電するという問題がある。特に、洗浄時間の短縮のために洗浄媒体1を高速で飛翔させるほど摩擦の頻度が高まり短時間で帯電量が増加する。これにより洗浄媒体1と洗浄槽壁あるいは洗浄対象物3が静電力で付着してしまう場合がある。特に板状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1pの場合は、洗浄媒体1pの形状が相手側の形状に追随できるため、図3に示すように、洗浄媒体1pの面と洗浄槽壁面あるいは洗浄対象物3の表面が密着してしまう場合がある。このように一度密着してしまうと、洗浄媒体1pと洗浄槽壁面あるいは洗浄対象物3の表面との間には気流2が入り込める隙間が減少してしまうためコロナ放電式の除電手段で除電しようとしても洗浄媒体1pと洗浄槽壁面あるいは洗浄対象物3の表面との間にイオンが入り込み難く除電が困難な状態となってしまう。この結果、洗浄媒体1pと洗浄槽壁あるいは洗浄対象物3は付着したままの状態となってしまう。
また、前記とは別に、図4(a)と(b)に示すように、洗浄対象物3の継ぎ目や接合部5aや、洗浄槽内の継ぎ目や接合部に隙間5があると、そこに洗浄媒体1pが挟まり込む場合がある。
これにより洗浄工程においては洗浄に寄与する洗浄媒体1pの量が減少してしまい洗浄効率が低下し洗浄時間が長くかかってしまう。また、洗浄後の洗浄対象物3からの洗浄媒体1pを除去する工程においては洗浄媒体除去作業の時間が長くかかってしまう。
このような問題を解決するために、筒状の洗浄媒体1を使用し、筒の内面にも気流2が入り込むことができるようにして、前記のように洗浄媒体1の付着や挟まりが生じても筒の内面に入り込んだ気流2により洗浄媒体1を再飛翔可能としている。
すなわち、洗浄工程においては、図5に示すように、筒状に形成した洗浄媒体1と洗浄槽壁が付着していても、筒の内面にも気流2が入り込むことができる。この筒の内面に入り込んだ気流2が洗浄媒体1と洗浄槽壁面との間を引き離す力が静電引力に打ち勝つと洗浄媒体1と壁面が離れ、洗浄媒体1が再飛翔可能となる。したがって洗浄に寄与する洗浄媒体1の量を減少させることがなくなり洗浄効率を維持することが可能となる。また、コロナ放電式の除電手段を併用することにより洗浄槽壁面に接している側の洗浄媒体1表面にイオンを送り込み除電することにより、洗浄媒体1の再飛翔効果を高めることが可能となる。
また、図6に示すように、筒状に形成した洗浄媒体1が洗浄対象物3の継ぎ目、接合部や洗浄槽内の継ぎ目、接合部の隙間5に挟まっても、継ぎ目や接合部から露出している洗浄媒体1の筒内面に気流が当たることにより洗浄媒体1が再飛翔して蓄積が進むことを防ぐ。
また、洗浄後の洗浄対象物3からの洗浄媒体1を除去する工程においては、洗浄媒体1と洗浄対象物3が付着していても、洗浄媒体1の筒内面に向かう気流を発生させ、気流が洗浄媒体1と洗浄対象物3表面との間を引き離す力が静電引力に打ち勝つと洗浄媒体1が洗浄対象物3から離れ、洗浄媒体1を洗浄対象物3から容易に除去することができる。また、コロナ放電式の除電手段を併用することにより洗浄対象物3に接している側の洗浄媒体1表面にイオンを送り込み除電することにより、洗浄媒体の除去効果を高めることができる。
このようにして、洗浄工程においては洗浄に寄与する洗浄媒体1の量が減少させることがなく、かつ洗浄対象物3の隙間に蓄積した洗浄媒体1が洗浄対象物3へのあらたな洗浄媒体1の入射を遮蔽してしまうことがなく、洗浄効率を維持することが可能となる。また、洗浄後の洗浄対象物3からの洗浄媒体除去工程においても、洗浄媒体1の筒内面に向かう気流を発生させ、洗浄媒体1に気流を当てることにより洗浄媒体1を再飛翔させ、容易に洗浄媒体を除去することが可能となる。
この洗浄媒体1の再飛翔を容易にするため、洗浄媒体1の幅は洗浄対象物3の継ぎ目や接合部、洗浄槽内の継ぎ目や接合部にある隙間の幅あるいは深さよりも大きくあれば特に制限されない。また、洗浄媒体1の作製方法としては、チューブ又は筒を所定の長さに切断して洗浄媒体1を作製することができる。
この筒状の洗浄媒体1は可撓性を有する限り様々な形状のものが使用でき、図1に示すような円筒のほかに、図7(a)〜(c)に示すように、三角筒、四角筒、六角筒等の多角筒のものを使用することが可能である。特に円筒の場合、常に同じ姿勢で洗浄対象物3に対して衝突するので、洗浄結果のばらつきが小さくなるという効果がある。また、多角筒の場合、直線的なエッジを長く取ることができ、洗浄対象物3との接触面積を大きく取れることにより洗浄能力を向上することができる。
また、図8(a)〜(c)に示すように、切り口が斜めになったような、筒の少なくとも一方の端面に鋭角となる箇所を有する形状とすることにより、鋭角部6が洗浄対象物3の凹凸や溝部に入り込むことができ、洗浄残りを少なくすることができる。このように、洗浄媒体1の形状によって洗浄対象物3に対する洗浄能力が異なるため、いろいろな形状が混在した洗浄媒体1を用いることにより総合的な洗浄能力を高めることができる。
また、図9(a),(b)に示すように、洗浄媒体1の筒の一方の開口径を他方の開口径よりも小さくしても良い。この一方の開口径を他方の開口径よりも小さくした洗浄媒体1を使用することにより、開口径が小さい側で凹凸部を洗浄し、開口径が大きい側で広いエリアを洗浄することができ、1種類の洗浄媒体1で総合的な洗浄能力を高めることができる。この洗浄媒体1の作製方法としては、例えば、熱収縮する素材で形成されたチューブ又は筒を所定の長さに切断した後、一方の開口部のみを局所加熱して開口径を小さくすれば良い。
さらに、図10に示すように、洗浄媒体1となる筒の側面に折り目7を有しても良い。この側面に折り目7を有する洗浄媒体1を使用することにより、折り目7の部分で凹凸や溝部を洗浄することができる。また、洗浄対象物3との衝突時に折り目7の部分をきっかけとして筒がつぶれやすくなっているため、洗浄対象物3を傷付けてしまうことを防止できるとともに非弾性衝突により洗浄効率を高めることができる。この洗浄媒体1の作製方法としては、例えば、チューブ又は筒を一旦折って側面に折り目を付けた後に所定の長さに切断すれば良い。
また、図11(a),(b)に示すように、洗浄媒体1となる筒の側面に可撓性の薄片8を設けても良い。このように筒の側面に可撓性の薄片8を有する洗浄媒体1を使用することにより、可撓性の薄片8の部分で凹凸や溝部を洗浄することができる。この可撓性の薄片8の形状、寸法、配置は洗浄媒体1全体の可撓性を損なうものでなければどのようなものでも構わない。この洗浄媒体1の作製方法としては、例えば図12(a)に示すように、テープ状の原材料9をスペーサ10を挟んで配置し、両側を溶着した後に、(b)に示すように、所定の長さに切断して形成する方法が挙げられる。
前記説明では筒状に形成された洗浄媒体1で洗浄対象物3に付着した付着物4を除去する場合について説明したが、一方に開口部を有する袋状に形成された洗浄媒体1aを使用して洗浄対象物3に付着した付着物4を除去しても良い。
図13は袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aの構成を示す斜視図である。この洗浄媒体1aは、図14に示すように、一方に開口部を有する円錐状に形成され、高速気流2より流動して洗浄対象物3に付着したトナー等の各種粉塵等の付着物4を除去するものである。この洗浄媒体1aの材質、重さ、大きさ、形状等は、洗浄対象物3の形状や材質等の特性、洗浄対象物3に付着している付着物4の粒径や付着強さ等の特性に応じて決定される。この袋状に形成された洗浄媒体1aは、筒状に形成された洗浄媒体1と比べて開口部から内部に入り込んだ気流が外部に逃げないため、より飛翔し易くなる。
この洗浄媒体1aが飛翔するための気流を生成する送風手段は、洗浄対象物3の固定位置より所定の距離だけ離れた位置に配置されている。この送風手段としては、ブロー手段、圧縮空気源、エアチューブ、エアブローノズル、噴霧装置等を用いることができる。送風手段による気流2の生成方法としては洗浄媒体1aが飛翔可能であればどのような方法でもよく、気体と混合した状態で洗浄媒体1aを吐出する構成としても良いし、気体の吹き出し口にあらかじめ洗浄媒体1を配置する構成としても良い。
このように送風手段の作動により気流2が生成される際に、気流2の流路上に存在する多数の洗浄媒体1aが気流に乗って飛翔し、飛翔した多数の洗浄媒体1aの多くは洗浄対象物3に接触あるいは衝突して洗浄対象物3から付着物4を掻き落として洗浄対象物3の表面の洗浄が行われる。したがってブラシやワイヤ、スクレーパ等のように固定支持された洗浄手段とは異なり洗浄媒体1aが流体として挙動するため、洗浄対象物3の隅々まで洗浄媒体1aが侵入することにより洗浄効果を向上することができる。
この洗浄媒体1aを飛翔させる気流2を発生する送風手段として圧縮空気源に接続されたエアブローノズルを用いることにより、高速の気流2を生成することができ、洗浄対象物3の洗浄能力を高めることができる。また、気流2の速度を高めることにより洗浄媒体1aが洗浄対象物3に接触する頻度が上昇するため、洗浄対象物3の洗浄時間を短縮することができ洗浄効率を向上することができる。
このように洗浄対象物3を洗浄する洗浄媒体1aは可撓性を有し、洗浄対象物3に対して接触あるいは衝突した際に撓むことが可能であることにより、洗浄対象物3に与える衝撃を低減できるとともに洗浄効率を高めることができる。また、洗浄媒体1aが可撓性を有することにより、洗浄対象物3に対する接触力が大きくなると、図14に示すように、洗浄媒体1aが撓んで力を逃がすため、一般的なブラストショット材やバレル研磨用のメディア材のように必要以上の力で洗浄対象物3に衝突して洗浄対象物3を傷付けてしまうといった不具合の発生を防止することができる。また、洗浄対象物3に対する接触あるいは衝突時に洗浄媒体1aが撓んで非弾性衝突となり、衝突時における洗浄媒体1aの跳ね返りが生じにくくなることにより洗浄媒体1aが洗浄対象物3の広い面積に接触することができ、洗浄媒体1aが洗浄対象物3から多くの付着物4を除去して洗浄効率を高めることができる。
また、洗浄媒体1aとして袋状に形成され可撓性を有するものを用いることにより、他の形状の洗浄媒体を用いた場合に比して飛躍的に洗浄性能を向上することができる。この理由としては、気流2への追従性(高速飛翔と複雑な運動)及び接触あるいは衝突時のエッジ作用、滑り接触、撓み作用などの挙動が他の形状の洗浄媒体よりも、より優れていたためであると考えられる。
この気流2への追従性について説明する。袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aは、開口部側から気流の力が作用した場合、気流によって容易に加速されて高速飛翔し、高速運動が長距離維持される。洗浄媒体1aが高速であるほど、その保有エネルギーが大きくなり、洗浄対象物3に接触したときに作用する力が大きくなり、洗浄品質を向上することができるとともに洗浄対象物3に接触する頻度が増加して洗浄効率を向上することができる。また、袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aは姿勢によって空気抵抗が大きく変化するため、気流2に沿って動くだけではなく急に方向を変える等の複雑な運動が可能である。洗浄対象物3の周辺には高速である気流2の作用によって乱気流が発生するが、袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aは乱気流への追従性が高く、乱気流の渦によって自転しながら回転しつつ洗浄対象物3に対して繰り返しの接触が可能であるため、比較的複雑な形状の洗浄対象物3の洗浄においても高い洗浄能力及び洗浄効率を得ることができる。
次に、接触あるいは衝突時の挙動について説明する。袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aが、図14に示すように、その端部から洗浄対象物3に衝突した場合には、衝突力がそのエッジに集中するために質量が小さいにも拘らず付着物4の除去に必要な力を得ることができる。また、袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aの場合には衝突力が大きくなると撓んで力を逃がすため、空気から受ける粘性抵抗が大きく作用して非弾性衝突となり洗浄対象物3との接触時間が長くなって洗浄能力を向上することができる。さらに、袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aでは衝突時の跳ね返りが起こりにくく、斜め衝突の場合は、図14に示すように、洗浄対象物3に対して滑り接触するため、洗浄媒体1aが洗浄対象物3の広い面積に接触して洗浄対象物3から多くの付着物4を除去することができ洗浄効率を高めることができる。
さらに、袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aでは、接触あるいは衝突時の滑り接触による掻き取り作用及び摺擦作用により付着物4に対して接触面に平行な力を作用させ易い。
以上説明した作用により袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aが他の洗浄媒体よりも比較的複雑な形状の洗浄対象物3に対しても洗浄能力及び洗浄効率が高い理由であると考えられ、これらは従来のブラストショット材やバレル研磨用のメディア材、粒状のスポンジや粒状の発泡体にはない画期的な特徴である。
この袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aの形状としては、側面の面積1〜1000mm、肉厚1〜500μm程度、材質としては例えば樹脂チューブ、熱可塑性エラストマチューブ、ゴムチューブ、布筒、紙筒、金属筒等が適当であるがこの限りではなく、上述したように洗浄対象物3の形状や材質等の特性、洗浄対象物3に付着している付着物の粒径や付着強さ等の特性に応じて適宜決定される。
また、洗浄媒体1aとしては、可撓性を有するものであれば様々な材質のものを使用することができるが、撓むことによる非弾性衝突により洗浄効率を高めるためには、ASTM D882によるヤング率が4GPa以下であることが望ましい。また、滑り接触による掻き取り時の抵抗に耐えるためにはヤング率が0.2GPa以上であることが望ましい。例えば、一般的な樹脂チューブを用いた場合には柔軟性及び耐久性があるため、洗浄対象物3を傷付けることなく長期間繰り返し使用することが可能となり、さらにポリエチレンであれば安価でありコストダウンを図ることができる。また、洗浄対象物3に複数種類の付着物4が付着している場合には、複数の材質を用いることにより洗浄の役割分担を行うことができる。例えば樹脂チューブでは油脂汚れを吸着除去することは苦手であるが、吸着物が少ないために乾式で再生を行い易い。これとは逆に布では油脂汚れを吸着除去することは得意であるが、乾式で再生しにくいために繰り返しの使用には耐えられない。特に洗浄媒体1を繰り返し使用する場合にはその機械的強度が要求されるため、紙や布は不利となり樹脂や金属は有利となる。また、金属については、繰り返しの応力を受けると塑性変形してしまうという問題点があるため、樹脂チューブ、熱可塑性エラストマチューブ、ゴム等のミクロな高分子が絡まり合いあるいは結合した集合体のものが有利となる。特に樹脂チューブは熱可塑性エラストマあるいはゴムに比して洗浄対象物3に非弾性衝突し易いため、洗浄効率的にも有利である。このように、それぞれの材質によって洗浄対象物3に対する洗浄能力が異なるため、いろいろな材質が混在した洗浄媒体1aを用いることにより、総合的な洗浄能力を高めることができる。
また、袋状に形成した洗浄媒体1aの場合は、洗浄工程において、図15に示すように、洗浄媒体1aと洗浄槽壁が付着していても、袋の内面にも気流2が入り込むことができる。この袋の内面に入り込んだ気流2が洗浄媒体1aと洗浄槽壁面との間を引き離す力が静電引力に打ち勝つと洗浄媒体1aと壁面が離れ、洗浄媒体1aが再飛翔可能となる。したがって洗浄に寄与する洗浄媒体1aの量を減少させることがなくなり洗浄効率を維持することが可能となる。また、コロナ放電式の除電手段を併用することにより洗浄槽壁面に接している側の洗浄媒体1a表面にイオンを送り込み除電することにより、洗浄媒体1aの再飛翔効果を高めることが可能となる。
また、図16に示すように、袋状に形成した洗浄媒体1aが洗浄対象物3の継ぎ目、接合部や洗浄槽内の継ぎ目、接合部の隙間5に挟まっても、継ぎ目や接合部から露出している洗浄媒体1aの開口部から気流が入り込んで洗浄媒体1aが再飛翔して蓄積が進むことを防ぐ。
また、洗浄後の洗浄対象物3からの洗浄媒体1aを除去する工程においては、洗浄媒体1aと洗浄対象物3が付着していても、洗浄媒体1aの開口部から内部に向かう気流を発生させ、気流が洗浄媒体1aと洗浄対象物3表面との間を引き離す力が静電引力に打ち勝つと洗浄媒体1aが洗浄対象物3から離れ、洗浄媒体1aを洗浄対象物3から容易に除去することができる。また、コロナ放電式の除電手段を併用することにより洗浄対象物3に接している側の洗浄媒体1a表面にイオンを送り込み除電することにより、洗浄媒体の除去効果を高めることができる。
このようにして、洗浄工程においては洗浄に寄与する洗浄媒体1aの量が減少させることがなく、かつ洗浄対象物3の隙間に蓄積した洗浄媒体1aが洗浄対象物3へのあらたな洗浄媒体1aの入射を遮蔽してしまうことがなく、洗浄効率を維持することが可能となる。また、洗浄後の洗浄対象物3からの洗浄媒体除去工程においても、洗浄媒体1aの開口部から内部に向かう気流を発生させ、洗浄媒体1aに気流を当てることにより洗浄媒体1aを再飛翔させ、容易に洗浄媒体1aを除去することが可能となる。
この洗浄媒体1の再飛翔を容易にするため、洗浄媒体1aの幅は洗浄対象物3の継ぎ目や接合部、洗浄槽内の継ぎ目や接合部にある隙間の幅あるいは深さよりも大きくあれば特に制限されない。また、洗浄媒体1aの作製方法としては、例えば図17に示すように、シート状素材100を複数の突起部101を有するプレス型102,103によりプレス成形して作製する方法が挙げられる。また、プレス成形以外にも真空成形、圧空成形等の他の方法で作製しても構わない。
この袋状の洗浄媒体1aは可撓性を有する限り様々な形状のものが使用でき、図13に示すような円錐状のほかに、図18(a)〜(c)に示すように、三角錐、四角錐等の多角錐のものを使用することが可能である。特に円錐の場合、常に同じ姿勢で洗浄対象物3に対して衝突するので、洗浄結果のばらつきが小さくなるという効果がある。また、多角錐の場合、直線的なエッジを長く取ることができ、洗浄対象物3との接触面積を大きく取れることにより洗浄能力を向上することができる。
さらに、図19に示すように、洗浄媒体1aとなる袋の側面に折り目7を有しても良い。この側面に折り目7を有する洗浄媒体1を使用することにより、折り目7の部分で凹凸や溝部を洗浄することができる。また、洗浄対象物3との衝突時に折り目7の部分をきっかけとして袋がつぶれやすくなっているため、洗浄対象物3を傷付けてしまうことを防止できるとともに非弾性衝突により洗浄効率を高めることができる。この洗浄媒体1aの作製方法としては、前記のようにシート状素材100からプレス成形して作製した後に折り目をつける方法等が挙げられる。
この洗浄媒体1,1aを構成する材質としては帯電防止能を有するものであることが望ましい。そして有効な帯電防止効果を得るためには洗浄媒体1,1aの表面抵抗を1010Ω/□以下にすると良い。洗浄媒体1,1aが金属製の場合は、それ自体で帯電防止能を有するが、特に洗浄媒体1,1aを樹脂で形成した場合の帯電防止技術はおおまかに練り込みタイプとコーティングタイプ及びこの2つを組み合わせた3つに分類される。
練り込みタイプは、帯電防止剤を樹脂に事前に練り込んで製膜を行ったものであり、無延伸タイプと2軸延伸タイプ、インフレーションタイプがある。帯電防止剤としては、イオン電導を利用する場合には、公知の界面活性剤(アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性タイプ)や親水性高分子が使用可能である。また、電子伝導を利用する場合には、導電フィラーとして公知の金属粒子、導電性粒子(導電性カーボン、酸化物半導体等)、導電性高分子が使用可能である。コーティングタイプは、製膜後に帯電防止剤をその表面にコーティング処理を行って帯電防止効果を持つ層を構成するものであり、帯電防止剤としては、水性、油性、有機系、無機系、高分子系等の公知のものの中から塗工適正のあるものが使用可能である。膜厚は通常サブミクロンであるが、効果のあるものは0.1μm以下の場合もある。
このような洗浄媒体1,1aを使用することにより、摩擦による帯電量の増加を抑制できるため、洗浄媒体1,1aを洗浄槽壁あるいは洗浄対象物3に付着させている静電力が弱められる。したがって洗浄媒体1,1aと洗浄槽壁あるいは洗浄対象物3との分離のための気流2が少なくて済むこととなり、気流発生のためのユーティリティーの規模を小さくすることができ、さらにエネルギー消費量の低減につながる。この場合もコロナ放電式の除電手段を併用することにより効果を高めることが可能となる。
また、洗浄媒体1,1aの内面の少なくとも一部を強磁性体で被覆しても良い。例えば鉄、γ−酸化鉄、コバルト被着酸化鉄等の磁性粉をバインダとなる合成樹脂と一緒に洗浄媒体1の筒の内面に塗布したもの、あるいはコバルトを外面に蒸着したのちに筒を裏返しにしたものが挙げられる。そのほかにも磁石により吸引可能な材料で膜状に形成する手段を有する材料であれば内面被覆用強磁性体として使用可能である。この洗浄媒体1,1aの場合には磁力発生手段により磁力を発生させることにより洗浄媒体1,1aを洗浄槽壁あるいは洗浄対象物3から引き離す方向の力を与えることが可能となる。また、洗浄後の洗浄対象物3からの洗浄媒体除去工程において、洗浄媒体1,1aが洗浄対象物3に付着したり挟まったりしていても、永久磁石や電磁石等の磁力発生手段により磁力を発生させることによって、洗浄媒体1,1aの内面に入り込んだ気流2が洗浄媒体1,1aと洗浄対象物3との間を引き離す力に磁力も加わり、静電引力に打ち勝つと洗浄媒体1,1aと洗浄対象物3が離れて洗浄媒体1,1aは再飛翔可能となる。したがって洗浄媒体1,1aと洗浄槽壁あるいは洗浄対象物3との分離のための気流が少なくて済み、気流発生のためのユーティリティーの規模を小さくでき、よりエネルギー消費量の低減を図ることができる。この場合も、コロナ放電式の除電手段を併用することにより効果を高めることが可能となる。なお、洗浄媒体1,1a内面の磁性体は洗浄対象物3には直接接触しないので洗浄対象物3を磁性体で汚染しないで済む。
さらに、洗浄媒体1,1a内面の少なくとも一部が自発光する物質あるいは光を反射する物質で被覆し、洗浄媒体1,1aを自発光する物質あるいは光を反射する物質からの光が透過可能な材質で形成しても良い。例えば、蓄光性を有する材料で洗浄媒体1,1a内面の少なくとも一部を被覆し、洗浄する前に顔料に紫外光を照射しておくことにより洗浄媒体1,1aは自発光する。これにより洗浄対象物3に洗浄媒体1,1aが残留していても、洗浄媒体1,1aからの光を検知することにより残留している洗浄媒体1,1aを速やかに発見することができる。また、この洗浄媒体1,1aはトナー等の付着物4の付着量によって光が遮られ、光検出手段で検出される光量が変化する。したがって洗浄した後の洗浄媒体1,1aにおける光量の変化の度合により、その洗浄媒体1,1aの汚れ状態や洗浄工程の進行状態を検知することができる。また、蛍光性を有する材料で洗浄媒体1,1a内面の少なくとも一部を被覆した場合は、光検出時に紫外光を照射して可視光のみを検出することにより、光を反射する物質で洗浄媒体1,1a内面の少なくとも一部を被覆した場合は、光検出時に光を照射しその反射光を検出することにより、同様に洗浄媒体1,1aの汚れ状態や洗浄工程の進行状態を検知することができる。なお、洗浄媒体1,1a内面の自発光する物質あるいは光を反射する物質は洗浄対象物3には直接接触しないので洗浄対象物3を自発光する物質あるいは光を反射する物質で汚染しないで済む。
次に、例えば洗浄媒体1あるいは洗浄媒体1a(以下、洗浄媒体1という)を用いる乾式洗浄装置について説明する。図20と図21は乾式洗浄装置11の構成を示し、図20は乾式洗浄装置11の正面断面図、図21は乾式洗浄装置11の側面要部断面図である。図に示すように、乾式洗浄装置11は、洗浄槽12と円筒型のメッシュ13とタイプ1のノズル14とコーナーブロック15とタイプ2のノズル16とタイプ2のノズル回転用モータ17とタイプ2のノズル移動用モータ18とワーク保持手段19とワーク水平回転用モータ20とワーク揺動用モータ21とタイミングベルト22,23と伝達用ギア24及び揺動リンク機構25を有する。
洗浄槽12は、洗浄対象物3及び洗浄媒体1(いずれも図示せず)を収容する箱形状に形成され、上部に設けられた蓋12aを開閉して洗浄対象物3の出し入れを行う。そしてタイプ1として用いられる洗浄媒体浮上拡散機能を有したノズル14からの気流によって洗浄媒体1が浮上しやすいように、図21に示すように、底面12bと壁面12cとの接続部に直角コーナーや鋭角コーナーがないほうが望ましく、コーナーブロック15を設けて底面12bと壁面12cとの接続部を鈍角ないし滑らかに接続して、底面12bに向けて吹き付けられた気流は洗浄媒体1を壁面12cに沿って持ち上げる上昇気流となるようにしている。したがって洗浄槽12底面に落下した洗浄媒体1を容易に浮遊拡散させることができる。ここで洗浄槽12の底面12bに、図22の部分断面図に示すように、複数の円筒曲面からなるR溝あるいは凹曲面からなる窪み12dを形成し、タイプ1のノズル14の気流を底面12bに向けて吹き付けるように構成すると良い。このように構成することにより、底面12bに設けられたR溝あるいは窪み12dに沿って上昇気流が発生し、洗浄槽12の底面12bに落下した洗浄媒体1を浮上拡散させる効果が高まり、大量の洗浄媒体1を洗浄対象物3に衝突させ、効率的に洗浄することができる。この凹曲面としては、球面の一部、あるいは回転楕円体面の一部等、必要に応じて任意のものが採用し得る。
洗浄槽12の一方の壁面12cには洗浄対象物3から除去された付着物4を洗浄槽12から排出するための排気口12eが設けられている。この排気口12eはフィルタと集塵機等(不図示)に接続されている。この排気口12eに洗浄媒体1が洗浄槽12から排出されてしまうのを防止するため円筒状のメッシュ13が設けられている。この円筒型のメッシュ13は洗浄対象物3から除去した粉塵等の付着物4は通過可能だが、洗浄媒体1は通過できない大きさの開口部を多数備えた金網等で形成し、通気抵抗が小さく、付着物4が付着しにくいものが好適である。この円筒型のメッシュ13に洗浄媒体1が吸い寄せられ接触する際に、洗浄媒体1に付着した粉塵等の付着物4は擦り落とされたり叩き落とされて洗浄媒体1から分離し、円筒型のメッシュ13を通過して排気口12eより洗浄槽12外へ排出される。
タイプ1のノズル14は円筒型のメッシュ13の閉塞防止と洗浄媒体浮上拡散の機能を兼ねている。すなわち、洗浄媒体1を洗浄槽12内に浮上拡散させるため、中空円筒の軸方向に沿って多数の小孔を形成したエアブローノズルで形成されている。このノズル14は、ノズル位置姿勢変更手段を備え、洗浄動作中にモータ(不図示)によって駆動されて回転または往復揺動し、回転継手を介して圧縮空気が供給され、図21の矢印Aで示すように回転させると、矢印Bで示すノズル14からの噴出し空気流によって、洗浄槽12のすべての場所に気流を作用さることができ、洗浄槽底面12bに落下した洗浄媒体1を洗浄槽底面12bおよび壁面12cに沿って矢印Cで示すように再び洗浄槽12内に舞い上がらせることができる。したがって洗浄槽12内の特定の場所に洗浄媒体1が溜まって浮上拡散しなくなることを防止できる。また、ノズル14は円筒型のメッシュ13の内側に設置され、円筒型のメッシュ13に吸い寄せられて集まった洗浄媒体1を再び洗浄槽12内に分散させる機能も兼ね備えている。すなわち、円筒型のメッシュ13に洗浄媒体1が吸い寄せられて貼り付き、メッシュ13が完全に閉塞されてしまうのを防止する。
タイプ2のノズル16は、洗浄媒体加速と洗浄媒体浮上拡散の機能を兼ねている。このタイプ2のノズル16は、洗浄槽12内に浮上拡散した洗浄媒体1を洗浄対象物3に向けて加速するため洗浄槽12内に多数配置されている。このノズル16としては一般的なエアブローノズルを使用しても良いが、多数のノズル16の使用による空気消費量を抑えるため、コアンダ効果を利用した噴射ノズルを用いるのが望ましい。コアンダ効果を利用したエアノズルの場合、消費流量の数倍〜十数倍の気流を発生させることができ、少ない空気消費量で大量の洗浄媒体1を加速することができる。コアンダ効果を利用した噴射ノズルの例としては各種の公知例があり、図23にその一例を示す。図23に示すように、大口径の吸引口161を有する吸引部162と、吸引部162の出口側の外周部に設けられた圧縮空気供給口163を有する吐出部164を有し、圧縮空気供給口163から供給して吐出部164の吐出口165に向けて生じる高速空気流により吸引部162から空気流を吸い込み、圧縮空気供給口163から供給した圧縮空気量の数倍〜十倍の空気量を吐出口165から吐出させる。このノズル16の内部を洗浄媒体1が通過するので、洗浄媒体1を効率よく確実に加速することができる。このように洗浄媒体1が効率よく加速されるため、少ない供給空気量であっても必要な洗浄能力を得ることができる。また、供給空気量が同じであれば、一般的なエアブローノズルよりも高い洗浄能力が得られる。また、タイプ2のノズル16の場合、タイプ1のノズル14と違ってノズル16と洗浄対象物3の間を遮るものがないため、加速された気流及び洗浄媒体1のエネルギーを洗浄対象物3に直接作用させることができ、高い付着物4の除去能力すなわち洗浄能力を得ることができる。また、ノズル16にノズル位置姿勢を変更してノズルの吹き付け位置及び吹き付け方向の少なくともどちらかを変化させることにより、洗浄ムラをなくしてより短時間で洗浄を終えることができる。
このタイプ2のノズル16のノズル位置姿勢を変更するため、図20と図21に示すように、洗浄槽底面12b及び側面12cに配置されたノズル16はノズル回転モータ17によって回転または首振り動作を行い、図21に示すように、洗浄槽蓋部12aに配置されたノズル16はノズル移動モータ(不図示)によって直線的に往復移動を行う。このノズル16を回転する回転機構の例を図24に示す。洗浄槽底面12b及び側面12cに配置されたノズル16は回転継手24に連結された中空のノズル回転軸25により保持されている。ノズル回転軸25にはタイミングプーリ26を有し、このタイミングプーリ26はノズル回転モータ17により回転するタイミングベルト27が巻き回されている。そして圧縮空気を圧縮空気供給パイプ28から回転継手24と中空のノズル回転軸25を通してノズル16に供給しながらノズル回転モータ17を駆動することにより、ノズル16は首振りあるいは回転動作を行う。したがってノズル16の移動や回転、配置変更を自由に行うことができる。
ワーク保持手段19は、洗浄対象物3を保持するためのワークホルダ19aを回転軸19bに例えば5個有する。ワーク保持手段19は回転自在な中空軸29により保持され、洗浄槽底部12bに取り付けられたワーク水平回転用モータ20の回転トルクがタイミングベルト22を介して中空軸29に伝達されてワーク保持手段19を水平面内に回転させる。また、ワーク揺動用モータ21のトルクはタイミングベルト23を介して中空軸29内に有する同軸シャフト30に伝達され、伝達ギア24と揺動リンク機構25を介し、図20の矢印Dで示すようにワークホルダ19aを揺動させる。このようにワークホルダ19aの姿勢変化が2自由度以上あることにより、洗浄対象物3に対してさまざまな角度から洗浄媒体1を作用させることができ、複雑な形状の洗浄対象物3でもムラなく短時間で洗浄することができる。
この乾式洗浄装置11で洗浄媒体1により洗浄対象物3から付着物4を除去して洗浄するときの動作を工程順に説明する。
洗浄媒体の浮上拡散・加速衝突工程
(1) 洗浄槽12の洗浄媒体1を投入し、ワーク保持手段19に洗浄対象物3を取り付けた状態で洗浄槽12の蓋12aを閉じた状態で洗浄槽底面12bに向けられたノズル14とノズル16に圧縮空気を供給して洗浄槽12の底面12bに落下していた洗浄媒体1を洗浄槽底面12bと壁面12cに沿って上昇して浮遊拡散させる。
(2) 図25の模式図に示すように、洗浄対象物3に向けられたノズル16に圧縮空気を供給して洗浄槽12内に浮遊している洗浄媒体1を加速して例えば10m/sの高速で、洗浄対象物3に衝突させる。
(3) 洗浄対象物3に向けられたノズル16を首振り又は往復動させ、ノズル16の位置と姿勢(吹き付け方向)を変化させて洗浄対象物3の全面をムラなく洗浄する。このノズル16の位置又は姿勢(吹き付け位置、方向)が変化することにより、1つのノズル16で洗浄媒体1の浮上拡散機能と加速衝突の両機能を発揮させることができる。
(4) さらに、ワーク保持手段19の水平回転とワークホルダ19aの揺動を行ない、ノズル16と洗浄対象物3との位置関係を変化させて洗浄媒体1を洗浄対象物3の全面にムラなく接触衝突させる。
洗浄媒体の接触による洗浄工程
(5) 洗浄媒体1が洗浄対象物3に高速で接触又は衝突することにより、洗浄対象物3に付着している付着物4を叩き落とす。叩き落とされた付着物4は円筒型のメッシュ13を通過して排気口12eへ向かう気流の流れに乗って円筒型のメッシュ13内を通って洗浄槽12から排出される。
(6) また、洗浄対象物3と洗浄媒体1の接触又は衝突により、洗浄対象物3に付着していた付着物4の一部は洗浄媒体1に付着する。この洗浄媒体1は排気口12eへ向かう気流の流れに乗って円筒型のメッシュ13に吸い寄せられる。
洗浄媒体に付着した粉塵の除去工程
(7) 円筒型のメッシュ13に吸い寄せられた洗浄媒体1はメッシュ13に接触・衝突して洗浄媒体1に付着している付着物4は洗浄媒体1から分離されて洗浄槽12より排出される。なお、メッシュ13の近傍に、除電手段(例えば、イオン化された空気を生成するイオナイザ)を設けても良い。このように除電手段で洗浄媒体1を除電することにより、洗浄媒体1と付着物4との静電気的引力が弱まり、付着物4がより分離しやすくなる。
(8) 排気口12eからの吸引作用によってメッシュ13に貼り付いている洗浄媒体1はノズル14の回転により再び洗浄槽12内に拡散する。
この工程を繰り返すことにより、洗浄媒体1を洗浄槽12内で循環させながら洗浄対象物4から付着物4を効果的に除去することができる。また、比較的付着力が強く、エアブローのみでは除去しにくい粉塵であっても、高速で飛翔する洗浄媒体1が接触・衝突することによって洗浄対象物3から分離することができる。さらに、洗浄媒体1に付着している付着物4は、円筒型のメッシュ13で効果的に除去され、洗浄媒体1の清浄度が常に保たれるため、洗浄媒体1に付着している付着物4が洗浄対象物3に再付着することがなく、高い洗浄品質を得ることができる。
ここで前記工程(1)と工程(2)を交互に行っても良いし、同時に行っても良い。交互に行った場合、洗浄媒体1の浮上拡散と洗浄媒体1の加速で同時に圧縮空気を使用しないため、圧縮空気供給能力が限られている場合にも十分な洗浄媒体1の浮上拡散効果と加速効果を得ることができる。また、圧縮空気供給能力が十分にある場合には、洗浄媒体1の浮上拡散と加速を同時に行なうことにより、大量の洗浄媒体1を容易に供給することができ、短時間で洗浄対象物3を洗浄できるとともに洗浄ムラも小さくすることができる。
ここで洗浄媒体1を飛翔させて洗浄中に、洗浄媒体1が洗浄槽12の壁面12cや洗浄対象物3や他の洗浄媒体1との摩擦により帯電するという問題がある。特に、洗浄時間の短縮のために洗浄媒体1を高速で飛翔させるほど摩擦の頻度が高まり短時間で帯電量が増加する。これにより、洗浄媒体1が洗浄槽壁面12cあるいは洗浄対象物3が静電力で付着してしまう。特に可撓性を有する洗浄媒体1の場合は、洗浄媒体1の形状が相手側の形状に追随できるため、洗浄媒体1の面と洗浄槽壁面12cあるいは洗浄対象物3の表面が密着してしまう。一度密着してしまうと、洗浄媒体1と洗浄槽壁面12cあるいは洗浄対象物3との間には気流が入り込める隙間がなくなってしまうためコロナ放電式の除電手段で除電しようとしても洗浄媒体1と洗浄槽壁面12cあるいは洗浄対象物3との間にイオンが入り込めず除電が困難な状態となってしまう。その結果、洗浄媒体1と洗浄槽壁12cあるいは洗浄対象物3は付着したままの状態となってしまう。これにより、洗浄工程においては洗浄に寄与する洗浄媒体1の量が減少してしまい洗浄効率が低下し洗浄時間が長くかかってしまう。また、洗浄後の洗浄対象物3からの洗浄媒体除去工程においては洗浄媒体除去作業の時間が長くかかってしまう。そこで図1と図7〜図11のいずれかに示す洗浄媒体1や、図13と図18あるいは図19のいずれかに示す洗浄媒体1を使用することにより、洗浄媒体1が洗浄槽壁12c等に付着していても、内面にも気流が入り込み、内面に入り込んだ気流が洗浄媒体1と洗浄槽壁面12c等との間を引き離す力が静電引力に打ち勝つと洗浄媒体1を洗浄槽壁面12c等から離して再飛翔することができる。したがって洗浄に寄与する洗浄媒体1の量を減少させることがなくなり洗浄効率を維持することができる。また、洗浄槽壁面12cにコロナ放電式の除電手段を設け、洗浄槽壁面12cに接している側の洗浄媒体1表面にイオンを送り込み除電することにより、効果を高めることができる。また、可撓性を有する洗浄媒体1を用いることにより高い洗浄品質と洗浄効率が得られ、洗浄対象物3を傷つけることもないという優れた効果を発揮できる。
また、ワーク保持手段19を水平回転させ、洗浄対象物3を保持したワークホルダ19aを揺動するとともに洗浄対象物3に向けられたノズル16を首振り又は往復動させ、ノズル16の位置と姿勢(吹き付け方向)を変化させることにより洗浄対象物3のすべての面にさまざまな方向から洗浄媒体1を衝突・接触させることができ、複雑な形状の洗浄対象物3であっても洗浄ムラが小さく、短時間で洗浄することができる。このほかに、さらに自由度を1つ付け加えて、洗浄対象物3を保持したワーク保持手段19をゆっくり上下に移動させても良い。
ここでノズル16が回転・移動する場合について説明したが、吹き付け方向と位置が異なる多くのノズル16を設けて、各ノズル16を切り替えて使用することにより、ノズル16を回転・移動する場合と同様な作用を果たすことができる。
次に可撓性を有する洗浄媒体1を用いる他の乾式洗浄装置11aについて説明する。第2の乾式乾燥装置11aは、図26に示すように、洗浄槽41と循環用気流発生手段42と洗浄媒体加速手段43及び洗浄媒体再生手段44を有する。
洗浄槽41は、ほぼ直方体状の中空体で形成され、上面に洗浄対象物3を投入する洗浄対象物投入口45を有し、底部が開口して形成され、洗浄対象物投入口45と開閉自在な蓋46が設けられ、底部の開口部に洗浄媒体再生手段44が設けられている。この洗浄槽41の一方の側面の内壁面の一部には、図27に示すように、循環用気流発生手段42が設けられ、両側面と底面及び上面の内壁面で循環用気流の循環経路を形成している。この循環用気流の循環経路を形成する内壁面の角部は、図27(a)に示すように、R形状又は図27(b)に示すように、一定角度θで接続して、循環用気流を効率よく循環させるように形成されている。この一定角度θを120度〜150度にすることにより、循環用気流に与える抵抗を小さくして循環させることができる。
循環用気流発生手段42は、例えば図23に示すコアンダ効果を利用した噴射ノズルを使用することにより、一般的なエアブローノズルを用いる場合と比べて消費する圧縮空気量を減らしてより少ないエネルギーで洗浄媒体を循環させることができるとともに洗浄槽41内部の負圧を容易に保ち、洗浄槽41外への粉塵等の漏出を防止することができる。なお、圧縮空気の代わりに窒素ガスや二酸化炭素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスなど各種気体を供給しても良い。このの循環用気流発生手段42は、洗浄槽41の循環用気流の循環経路を形成する一方の側壁の底部近傍に吸引口を上にして吐出口を下にして配置されている。
洗浄媒体加速手段43は、図26に示すように、循環用気流の循環経路を形成する内壁面を直交する表面にアレイ状の複数の加速ノズル431aを有し、加速ノズル431aが設けられた壁面と対向する裏面にアレイ状の複数の加速ノズル431bを有し、コンプレッサーや圧力タンク等の圧縮空気源から供給される圧縮空気を各加速ノズル431から洗浄槽41内に噴出させて洗浄媒体1を洗浄対象物3に衝突させる。この加速ノズル431a,431bとしては循環用気流発生手段42と同様な噴出ノズルを使用すると良い。
洗浄媒体再生手段44は、図28(a)の斜視図と(b)の部分断面図に示すように、洗浄槽41の底部内壁に配置された分離部材441とフード442で閉空間を形成し、形成した閉空間がホース等の吸引管47により負圧発生源を有する集塵装置に接続され、フード442の内部を負圧にする。分離部材441は気体や粉体を通過させるが洗浄媒体1が通り抜けられない小孔やスリット443を多数有し、例えば金網、プラスチック網、メッシュ、パンチメタル板、スリット板等の多孔性部材で形成され、洗浄対象物3から分離された付着物4と、洗浄対象物3に衝突し磨耗や欠けが生じた洗浄媒体1や長期使用により弾力性が劣化した洗浄媒体1を排出する。
この乾式洗浄装置11aの制御装置50には、図29のブロック図と図30(a),(b)の配管系統図に示すように、加圧気体供給装置56から循環用気流発生手段42に供給する圧縮空気の送気管の導通と非導通を行う気流循環用電磁弁52と、洗浄媒体加速手段43に供給する圧縮空気の送気管の導通と非導通を行う加速用電磁弁53と、洗浄媒体加速手段43の両壁面に設けられた加速ノズル431に供給する圧縮空気を2方向に切り替える加速気流切替制御弁54及び洗浄媒体再生手段44と集塵装置57を連結した吸引管47の導通と非導通を行う再生用電磁弁55がそれぞれ接続され、起動手段52からの駆動信号により各電磁弁の動作を制御する。
この乾式洗浄装置1aにおいてワーク保持手段48に保持された洗浄対象物3をワーク移動手段49で洗浄槽41内に投入し、洗浄槽41内で可撓性を有する洗浄媒体1を循環させて洗浄対象物3に付着したトナー等の付着物4を除去する動作を図31のタイムチャートを参照して説明する。
洗浄槽41に可撓性を有する洗浄媒体1を投入して洗浄媒体再生手段44の分離部材441の上に積み上げた状態でワーク保持手段48に保持された洗浄対象物3をワーク移動手段21で洗浄槽41の被洗浄体投入口45から投入して初期位置に位置決めし、被洗浄体投入口45を蓋46で閉じて洗浄槽41を密閉する。この状態で起動手段51を操作して制御装置50に洗浄開始信号が入力されると、制御装置50はまず気流循環用電磁弁52を開にしてコンプレッサー等の加圧気体供給装置56から循環用気流発生手段42に例えば圧縮空気を供給し、循環用気流発生手段42により洗浄槽41の内壁面の循環経路に沿って流れる循環用気流を発生させる。この循環気流が洗浄媒体再生手段44の分離部材441に沿って流れ、図32(a)に示すように、分離部材441の上に積み上げた筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1に横方向から気流が作用し、図32(b)と(c)に示すように、堆積した洗浄媒体1の上層部から徐々に堆積を崩しながら持ち上げ洗浄槽41の長手方向に沿って運搬して飛翔させる。この洗浄媒体1を飛翔させる循環用気流を循環用気流発生手段42から洗浄槽41内に直接噴出させるから、堆積した洗浄媒体1に大きな衝撃力を与えることができ、循環用気流により堆積した洗浄媒体1を確実に飛翔させることができる。
しかしながら洗浄中に、洗浄媒体1が洗浄槽41の壁面や洗浄対象物3あるいは他の洗浄媒体1との摩擦により帯電するという問題がある。特に、洗浄時間の短縮のために洗浄媒体1を高速で飛翔させるほど摩擦の頻度が高まり短時間で帯電量が増加する。このため洗浄媒体1と洗浄槽41の壁面あるいは洗浄対象物3が静電力で付着してしまう。特に可撓性を有する洗浄媒体1の場合は、洗浄媒体1の形状が相手側の形状に追随できるため、洗浄媒体1の面と洗浄槽41の壁面あるいは洗浄対象物3の表面が密着してしまう。一度密着してしまうと、洗浄媒体1と洗浄槽41の壁面あるいは洗浄対象物3との間には気流が入り込める隙間がなくなってしまうためコロナ放電式の除電手段で除電しようとしても洗浄媒体1と洗浄槽41の壁面あるいは洗浄対象物3との間にイオンが入り込めず除電が困難な状態となってしまう。その結果、洗浄媒体1と洗浄槽21の壁面あるいは洗浄対象物3は付着したままの状態となってしまい、洗浄工程においては洗浄に寄与する洗浄媒体1の量が減少してしまい洗浄効率が低下し洗浄時間が長くかかってしまう。また、洗浄後の洗浄対象物3からの洗浄媒体除去工程においては洗浄媒体除去作業の時間が長くかかってしまう。そこで図1と図7〜図11や、図13と図18あるいは図19のいずれかに示す洗浄媒体1を使用することにより、洗浄媒体1が洗浄槽41の壁面あるいは洗浄対象物3に付着していても、内面にも気流が入り込み、内面に入り込んだ気流が洗浄媒体1と洗浄槽41の壁面あるいは洗浄対象物3との間を引き離す力が静電引力に打ち勝つと洗浄媒体1を洗浄槽41の壁面あるいは洗浄対象物3から離して再飛翔することができる。したがって洗浄に寄与する洗浄媒体1の量を減少させることがなくなり洗浄効率を維持することができる。また、洗浄槽41の壁面にコロナ放電式の除電手段を設け、洗浄槽41の壁面に接している側の洗浄媒体1表面にイオンを送り込み除電することにより、効果を高めることができる。また、洗浄対象物1の継ぎ目、接合部や洗浄槽内の継ぎ目、接合部に洗浄媒体1が挟まっても、継ぎ目や接合部から露出している筒の内面に気流が当たることにより洗浄媒体1が再飛翔し、蓄積が進むことを防ぐ。したがって洗浄工程においては洗浄に寄与する洗浄媒体1の量が減少させることがなく、かつ洗浄対象物3の隙間に蓄積した洗浄媒体1が洗浄対象物3へのあらたな洗浄媒体1の入射を遮蔽してしまうことがなく、洗浄効率を維持することができる。また、洗浄後の洗浄対象物3からの洗浄媒体除去工程においても筒の内面に向かう気流を発生させ、洗浄媒体1に気流を当てることにより洗浄媒体1を再飛翔させ、容易に洗浄媒体を除去することができる。
このように堆積した可撓性を有する洗浄媒体1を気流で搬送して飛翔させる場合、例えば、図33(a)に示すように、分離部材441に堆積した可撓性を有する洗浄媒体1に対し、スリット443からで洗浄媒体1の堆積方向と垂直な気流を作用させた場合、堆積している全ての洗浄媒体1を持ち上げるだけの圧縮空気のエネルギーを必要とし、図33(b)に示すように、洗浄媒体1の堆積量が多くなるほど動かしにくくなる。また、気流を噴出するスリット443直上の洗浄媒体1を動かすことはできても、堆積した可撓性を有する洗浄媒体1の流動性は悪いため、図33(c)に示すように、スリット443の周囲にすり鉢状の傾斜があっても、スリット443の周囲の洗浄媒体1は崩れずにそのまま残ってしまい、堆積した全ての洗浄媒体1を飛翔させることが困難であった。これに対して、循環用気流発生手段42により洗浄槽41の内壁面の循環経路に沿って流れる循環用気流を発生させて分離部材441に堆積した洗浄媒体1の横方向から気流を作用させることにより、少ないエネルギーで堆積した洗浄媒体1を確実に飛翔させることができ、循環用気流発生手段42に供給する圧縮空気量の消費量を低減することができる。また、洗浄媒体1を気流搬送するとき、ダクトやホースを用いて搬送する場合には洗浄媒体1がダクトやホースに詰まるおそれがあるが、洗浄槽41の壁面により循環用気流の循環経路を形成するから、洗浄媒体1が循環経路で詰まるおそれがなく洗浄槽41内に洗浄媒体1を飛翔させることができる。
また、循環用気流を発生する循環用気流発生手段42は洗浄槽41の循環用気流の循環経路を形成する一方の側壁の底部近傍に吸引口を上にして吐出口を下にして配置されているから、吐出口から離れた位置であっても洗浄槽41の底部の分離部材441に堆積した洗浄媒体1に対して底面に沿った強い気流の力を作用させることができ、大量の洗浄媒体1を洗浄槽41の壁面に沿って運ぶことができる。さらに、吸引口に入ってくる洗浄媒体1は分散して空間密度が小さいため吸引口を閉塞することを回避でき、安定して循環用気流を発生することができる。すなわち、吸引口を下に向け、洗浄槽41の底部付近に配置した場合、吸引気流の力は吸引口近傍の洗浄媒体1にしか作用せず、洗浄槽41の底部に溜まっている大量の洗浄媒体1を搬送することは困難であるとともに、堆積している洗浄媒体1が吸引口に大量に吸引された場合、吸引口における洗浄媒体1の空間密度が過剰になり吸引口を閉塞しやすいが、このような問題が生じることを防ぐことができる。
制御装置50はあらかじめ設定された所定時間が経過すると気流循環用電磁弁52を閉にして循環用気流発生手段42で発生している循環用気流を停止させ、図34(a)に示すように、ワーク移動手段49で洗浄対象物3を初期位置から徐々に下降せながら、加速用電磁弁53を開にして加圧気体供給装置56から加速気流切替制御弁54を介して洗浄媒体加速手段43に圧縮空気を供給し、洗浄媒体加速手段43の一方の加速ノズル431aから圧縮空気を噴出させるとともに再生用電子弁55を開にして洗浄媒体再生手段44を集塵装置57と導通させてフード442内を負圧にする。循環用気流発生手段42で発生している循環用気流を停止させると、循環用気流により飛翔した洗浄媒体1は舞い降りる。この舞い降りている洗浄媒体1は加速ノズル431aから噴出している圧縮空気により洗浄対象物3に衝突し、洗浄対象物3の一方の面に付着しているトナー等の付着物4を除去する。
洗浄対象物3から除去された粉塵や洗浄対象物3に衝突して粉塵が付着した洗浄媒体1は重力により落下し、フード442内の負圧により吸気している洗浄媒体再生手段44の分離部材441の上に降り積もる。この分離部材441の上に落下した粉塵及び洗浄媒体1に付着した粉塵はフード442内の負圧によりフード442内に吸引されて集塵装置57に集塵され、粉塵が付着した洗浄媒体1を効率よく再生する。
この加速ノズル431aによる圧縮空気の噴出を所定時間だけ行うと、制御装置50は、加速用電磁弁53と再生用電子弁55を閉にして洗浄媒体加速手段43と洗浄媒体再生手段44の動作を停止する。再生用電子弁55を閉にするとフード442内の負圧は解消し、分離部材441に堆積した洗浄媒体1に対するフード442側の吸引力がなくなり、次の循環用気流により分離部材441から分離される。したがって分離部材441のメッシュ等を洗浄媒体1で覆って封止することはなく、連続的に洗浄媒体1と粉塵を分離することができる。このため洗浄媒体1の交換は必要なく、破損等により減少した洗浄媒体1の分を追加すれば良く、洗浄媒体1を有効に利用することができるとともにメンテナンス性を向上することができる。
その後、再び気流循環用電磁弁52を開にして循環用気流発生手段42により循環用気流を発生させて洗浄媒体再生手段44の分離部材441に堆積して再生された洗浄媒体1を所定時間T1だけ飛翔させた後、加速用電磁弁53と再生用電子弁55を開にして加速気流切替制御弁54を加速ノズル431b側に切り替えて洗浄対象物3からの粉塵除去処理と洗浄媒体1の再生処理を所定時間だけ行う。この洗浄対象物3からの粉塵除去処理と洗浄媒体1の再生処理を所定時間は循環用気流を発生している時間より長く設定し、洗浄対象物3の広い範囲を洗浄できるようにしてある。また、加速ノズル431aと加速ノズル431bから圧縮空気を交互に噴射させるから、加速ノズル431aと加速ノズル431bから噴射する気流が干渉することを防いで、洗浄対象物3に洗浄媒体1を確実に衝突させることができ、洗浄媒体1による洗浄効果を高めることができる。
この循環用気流の発生と洗浄対象物3からの粉塵除去処理と洗浄媒体1の再生処理を、洗浄対象物3を初期位置から徐々に下降せながら繰り返して行い、図34(b)に示すように、洗浄対象物3が折り返し位置に達するとワーク移動手段49は洗浄対象物3の下降を停止して、洗浄対象物3を徐々に上昇させる。制御装置50は洗浄対象物3が徐々に上昇しているときも、循環用気流の発生と洗浄対象物3からの粉塵除去処理と洗浄媒体1の再生処理を交互に繰り返して行い、洗浄対象物3の全面から付着物4を除去する。そして、図34(c)に示すように、洗浄対象物3が上昇端である初期位置に達すると、制御装置50は洗浄動作を停止する。洗浄動作が停止すると、洗浄槽41の蓋46を開いてワーク保持手段48に保持された洗浄対象物3をワーク移動手段49で洗浄槽41から取り出し、新しい洗浄対象物3と交換して再び洗浄動作を開始する。
前記説明では洗浄媒体加速手段43の加速ノズル431a,71bから圧縮空気を交互に噴射させて洗浄対象物3の全面を洗浄した場合について説明したが、図35に示すように、洗浄対象物3に対する加速ノズル431a,431bの噴射角度を調節することにより、加速ノズル431a,431bから圧縮空気を同時に噴射させても良い。また、洗浄対象物3の一方の面にだけ粉塵が付着している場合は加速ノズル431a,431bにいずれか一方から圧縮空気を噴射させれば良い。
また、前記説明では洗浄槽41の平坦な内側面により循環用気流発生手段42で発生する循環用気流の循環経路を形成した場合について説明したが、図36(a)に示すように、循環経路を形成する洗浄槽41の壁面411に循環用気流の流れ方向に沿った複数の角状又は曲面で形成した溝58を設けても良い。この溝58の幅は洗浄媒体1の外径より小さくして、洗浄媒体1が溝58内に落ち込まないようにしておく。このように溝58を設けることにより、洗浄槽41の壁面411と洗浄媒体1の間に空間を形成して壁面411と洗浄媒体1との接触抵抗を低減させることができるとともに、溝58内を循環用気流が流れることにより洗浄媒体1を効率よく運搬して大量の洗浄媒体1を運搬することができる。また、複数の溝58により循環用気流を整流させて乱流が発生しにくくなり気流の力が減衰しにくく効率的に洗浄媒体1を運搬して飛翔させることができ、洗浄効率をより向上することができる。この溝58の高さは気流が通過できれば良く、例えば0.1mmから1mm程度にすると、容易に加工することができる。
また、洗浄槽41の循環用気流の循環経路を形成する壁面411を、図36(b)に示すように、凹形状の湾曲面に形成しても良い。このように循環経路を形成する壁面411を凹形状の湾曲面に形成することにより循環用気流が拡散することを防いで、大量の洗浄媒体1を効率よく運搬して、大量の洗浄媒体1を洗浄槽41内に飛散させて洗浄効率を高めることができる。
さらに、図37(a),(b)に示すように、循環用気流の循環経路を形成する洗浄槽41の上面や上部側面に、洗浄媒体1を洗浄媒体加速手段43の方へ導く気流整流手段59を設けると良い。このように循環用気流の循環経路に気流整流手段59を設けることにより、洗浄媒体1を洗浄媒体加速手段43と洗浄対象物3の間に大量に飛散させることができ、洗浄効果を高めることができる。また、気流整流手段59により流れ方向が変更された洗浄媒体1が洗浄対象物3に直接衝突して洗浄することもできる。この気流整流手段59は洗浄対象物3の形状や位置により気流の流れを変える角度を調整するようにすると良い。
また、洗浄槽41をほぼ直方体に形成せずに、図38(a),(b)に示すように、洗浄槽41の底部に開口を有する傾斜面412を設け、この傾斜面412に洗浄媒体再生手段44を設け、傾斜面412の下端部に循環用気流発生手段42を設け、循環用気流発生手段42から傾斜面412に沿って循環用気流を流すようにしても良い。このように構成すると、洗浄媒体1が洗浄対象物3に衝突して付着物4を除去した後、洗浄媒体再生手段44の分離部材441の上に落ちたとき、循環用気流発生手段42の吐出口の近傍に集まり易く、集まった洗浄媒体1に対して循環用気流発生手段42から循環用気流を発生して洗浄媒体1を運搬することにより、少ない圧縮空気の供給量で大量の洗浄媒体1を運搬することができ、省エネルギー化を図ることができる。また、洗浄媒体1を集める場所として洗浄媒体再生手段44の設置場所を使用することにより、洗浄媒体1の再生時間を長く取ることができ、洗浄媒体1の再生効率を高めることができる。
また、前記説明では循環用気流発生手段42を洗浄槽41に1個設けた場合について説明したが、図39に示すように、洗浄槽41の両側壁の底部近傍に2つの循環用気流発生手段42a,42bを洗浄媒体再生手段44の分離部材441を挟んで対称に配置しても良い。図39においては、2つの循環用気流発生手段42a,42bを洗浄槽41の外部に配置し、吐出口を洗浄槽41の下部に設け、吸引口はダクトホース60を介して洗浄槽41の上部に連結する。この場合、制御装置50は、図40のブロック図に示すように、気流循環用電磁弁52と加速用電磁弁53と加速気流切替制御弁54と再生用電子弁55とともに、図41の配管系統図に示すように、循環用気流発生手段42a,42bに供給する圧縮空気を切り替える循環気流切替制御弁61の動作も制御する。そして洗浄槽41内に循環用気流を発生して洗浄媒体1を飛翔させるとき、制御装置50で循環気流切替制御弁61を制御して循環用気流発生手段42a,42bから交互に循環用気流を発生することにより、洗浄槽41内で洗浄媒体1が溜まって滞留しやすい個所をなくして、洗浄槽41内の洗浄媒体1を有効に洗浄に用いることができ、洗浄媒体1が洗浄対象物3に衝突する頻度が増して効率的に洗浄することができる。また、吸引口をダクトホース60を介して洗浄槽41の上部に連結することにより、洗浄槽41内に上昇気流を発生させることができ、洗浄媒体1の滞空時間を長くして浮遊している洗浄媒体の量を増加し、加速ノズル431a,431bから噴出する圧縮空気により洗浄対象物3に衝突する洗浄媒体1の数を増やして洗浄能力を向上させることができる。また、吸引口をダクトホース60を介して洗浄槽41に連結しても、ダクトホース60は洗浄媒体1の空間密度が小さい洗浄槽41の上側に連結しているから、吸引された洗浄媒体1によりダクトホース60や循環用気流発生手段42a,42bが詰まることを防ぐことができる。
また、前記説明では洗浄槽41に洗浄媒体再生手段44を1個設けた場合について説明したが、洗浄媒体再生手段44を複数個、例えば図42に示すように、洗浄槽41の底部に設けた洗浄媒体再生手段44のほかに洗浄媒体加速手段43のアレイ状の加速ノズル431a,431bの上下に洗浄媒体再生手段44a〜44dを設けても良い。この場合、制御装置50は、図43のブロック図に示すように、気流循環用電磁弁52と加速用電磁弁53と加速気流切替制御弁54と再生用電子弁55と循環気流切替制御弁61とともに、図44の配管系統図に示すように、洗浄媒体再生手段44に対する吸引を切り替える吸引気流切替制御弁62と、洗浄槽41の表面に設けた洗浄媒体再生手段44a,44bと裏面に設けた洗浄媒体再生手段44c,44dに対する吸引を切り替える吸引気流切替制御弁63の動作も制御する。そして、図45に示すように、洗浄槽41の表面に設けた加速ノズル431aから圧縮空気を噴出して洗浄対象物3を洗浄するとき、制御装置50は吸引気流切替制御弁62を洗浄媒体再生手段44に接続するとともに、吸引気流切替制御弁63を裏面に設けた洗浄媒体再生手段44c,44dに接続し、洗浄槽41の裏面に設けた加速ノズル431bから圧縮空気を噴出して洗浄対象物3を洗浄するとき、吸引気流切替制御弁63を表面に設けた洗浄媒体再生手段44a,44bに接続する。このように加速ノズル431aから噴出する圧縮空気により舞い上がった付着物4や洗浄媒体1を洗浄媒体再生手段44c,44dに吸い寄せる。この付着物4や洗浄媒体1を洗浄媒体再生手段44c,44dに吸い寄せるとき、洗浄媒体再生手段44c,44dの吸引流に加えて加速ノズル431aからの気流が付着物4や洗浄媒体1に作用するから、洗浄媒体再生手段44c,44dの分離部材441のメッシュ部における流速を飛躍的に増大することができ、洗浄媒体1に付着している付着物4の除去能力を非常に高くすることができ、洗浄媒体1を確実に再生することができる。また、加速ノズル431aからの圧縮空気の噴出を停止した後、一定タイミングをおいて洗浄媒体再生手段44c,44dの吸引を停止して、洗浄媒体再生手段44c,44dに吸引された洗浄媒体1を洗浄媒体再生手段44c,44dから確実に離すことができる。
また、舞い上がった洗浄媒体1が加速ノズル431a,431bで加速されずに落下してしまう無駄をなくして加速ノズル431a,431bから圧縮空気を噴出しているときに加速ノズル431a,431bと洗浄対象物3の間に大量の洗浄媒体1を供給することができ、洗浄効率を向上することができる。すなわち可撓性を有する洗浄媒体1を洗浄対象物3に衝突させて洗浄する場合、洗浄品質は洗浄媒体1が所定以上の速度で洗浄対象物3に衝突する頻度にほぼ比例する。したがって洗浄媒体1の供給量が増えれば洗浄品質を向上させるとともに洗浄時間を短縮することができ消費エネルギーを低減することができる。
また、加速ノズル431a,431bと洗浄媒体再生手段44a〜44dを使用して粗洗浄を行ってから洗浄媒体1を使用した洗浄を行うこともできる。このように粗洗浄を行う場合の動作を図46のタイムチャートを参照して説明する。
洗浄槽41に可撓性を有する洗浄媒体1を投入して洗浄媒体再生手段44の分離部材441の上に積み上げた状態でワーク保持手段48に保持された洗浄対象物3をワーク移動手段49で洗浄槽41の被洗浄体投入口45から投入して初期位置に位置決めし、被洗浄体投入口45を蓋46で閉じて洗浄槽41を密閉する。この状態で起動手段51を操作して制御装置50に洗浄開始信号が入力されると、制御装置50は加速用電磁弁53を開にして加速気流切替制御弁54を一定周期で切り替えて加速ノズル431a,431bから圧縮空気を交互に噴出させ、加速ノズル431a,431bからの圧縮空気の噴出の切り替えに同期して加圧気流切替制御弁54を切り替えて圧縮空気が噴出している加速ノズル431a,431bと対向する面に設けられた洗浄媒体再生手段44a,44bと洗浄媒体再生手段44c,44dの吸引を切り替える。すなわち洗浄槽41の表面に設けた加速ノズル431aから圧縮空気を噴出しているとき、洗浄槽41の裏面に設けた洗浄媒体再生手段44c,44dで吸引を行う。この動作により加速ノズル431aから噴出した圧縮空気が洗浄対象物3に当たり、洗浄対象物3に付着している付着力の弱い汚れや付着物4は大半除去され、洗浄対象物3は粗洗浄される。その後、循環用気流発生手段42から循環用気流を発生させて、洗浄媒体再生手段44の分離部材441上に堆積している洗浄媒体1を運搬して飛翔させ、飛翔している洗浄媒体1による洗浄を行う。この飛翔している洗浄媒体1による洗浄が終了すると、再び加速ノズル431a,431bから圧縮空気を交互に噴出させ、加速ノズル431a,431bからの圧縮空気の噴出の切り替えに同期して加速気流切替制御弁54を切り替えて圧縮空気が噴出している加速ノズル431a,431bと対向する面に設けられた洗浄媒体再生手段44a,44bと洗浄媒体再生手段44c,44dの吸引を切り替え、洗浄対象物3に静電気で付着した洗浄媒体1を払い落としして洗浄動作を終了して洗浄槽41の蓋46を開きワーク保持手段48に保持された洗浄対象物3をワーク移動手段49で洗浄槽41から取り出し、新しい洗浄対象物3と交換して再び洗浄動作を開始する。このように粗洗浄や洗浄媒体1の払い落とし動作を行うことにより、洗浄速度と洗浄品質を向上することができる。
前記説明では洗浄媒体再生手段44a〜44dを洗浄槽41の表面と裏面に設けた場合について説明したが、図47に示すように、洗浄槽41の底部にV字形に交差して2つの開口を有する傾斜面412を設け、この傾斜面412にそれぞれ洗浄媒体再生手段44を設け、傾斜面412の下端部に循環用気流発生手段42a,42bを設け、循環用気流発生手段42a,42bから傾斜面412に沿って交互に循環用気流を流すようにしても良い。この場合も循環用気流の循環経路を形成する洗浄槽41の上面や上部側面に、洗浄媒体1を洗浄媒体加速手段43の方へ導く気流整流手段59を設けると良い。
このように洗浄媒体1を飛翔させ、飛翔している洗浄媒体1を洗浄対象物3に衝突させて洗浄しているとき、洗浄媒体1は洗浄対象物3に対する衝突により破損して洗浄媒体再生手段44の分離部材441に有するメッシュ部を通って集塵装置57に排出され、洗浄槽41内の洗浄媒体1が減少してくる。洗浄槽41内の洗浄媒体1が減少して洗浄槽41内の飛散量が少なくなると洗浄効果が低減する。また、複数の洗浄対象物3をワーク保持手段48で保持して洗浄槽41に投入して洗浄する場合も有る。そこで、図48に示すように、洗浄槽41内に洗浄媒体飛翔量計測手段64を設け、加速ノズル431a,431bを挟んで上下に一定間隔を置いて洗浄対象物検知手段65a,65bを設けると良い。洗浄媒体飛翔量計測手段64は、例えば図49に示すように、光軸が洗浄媒体1の循環方向に対して直交するように配置された光電センサ641を使用し、洗浄対象物検知手段65a,65bは、例えば投受光部651と反射板652を有する光電センサからなり、投受光部651は洗浄媒体1が干渉しないように洗浄槽41の表面又は裏面に透明窓を介して取り付けられ、反射板652は投受光部651と反対側の内壁面に取り付けられ、光軸が洗浄槽41を横切るように配置されている。この洗浄媒体飛翔量計測手段64と洗浄対象物検知手段65a,65bは、図50のブロック図に示すように制御装置50に接続されている。制御装置50は媒体飛翔量計測手段64である光電センサ641の光軸が遮断された数を計測して一定時間における洗浄媒体1の飛翔量を定量化し、洗浄対象物検知手段65a,65bのいずれか一方で洗浄対象物3を検知したときに洗浄動作を制御する。
この洗浄媒体飛翔量計測手段64と洗浄対象物検知手段65a,65bを洗浄槽41に設けた場合の洗浄動作を図51のタイムチャートを参照して説明する。
図47に示すように、複数の洗浄対象物3をワーク保持手段48で保持して洗浄槽41に投入した後、洗浄開始信号が入力すると循環用気流発生手段42から循環用気流を発生させて洗浄媒体再生手段44の上に堆積している洗浄媒体1を運搬して洗浄槽41内に飛散させる。この飛散している洗浄媒体1の量を媒体飛翔量計測手段64である光電センサ641で検出して制御装置50に入力する。制御装置50は入力した洗浄媒体1の一定時間の飛散量とあらかじめ設定された閾値と比較し、洗浄媒体1の飛散量が閾値を超えている場合は洗浄動作を開始する。また、洗浄媒体1の飛散量が閾値以下の場合は洗浄媒体不足の警報を発生して洗浄動作を停止する。その後、洗浄媒体1をホッパー等から一定量あるいは不足量だけ補給されて再び洗浄開始信号が入力して洗浄媒体1を飛散させたとき洗浄媒体1の飛散量が閾値を超えたら洗浄動作を開始する。
このように洗浄媒体1の飛散量を検出して一定量を超える洗浄媒体1を使用して洗浄を行うから、良好な洗浄品質で洗浄を行うことができる。また、洗浄対象物3に衝突する洗浄媒体1の量は洗浄媒体1の飛散量に比例する。そこで制御装置50は洗浄媒体1の一定時間毎の飛散量から洗浄品質を評価することもできる。さらに、洗浄媒体1の飛散量の変化を記録しておくことにより、洗浄品質を洗浄能力を正確に定量化することができる。
洗浄動作を開始すると、ワーク移動手段49で複数の洗浄対象物3をワーク保持手段48を上から下に移動し、最初の洗浄対象物3が加速ノズル431a,431bの上に配置された洗浄対象物検知手段65aの光軸をさえぎる位置に到達して洗浄対象物検知手段65aから洗浄対象物検知信号が制御装置50に入力すると、制御装置50は洗浄対象物3の移動速度及び洗浄対象物検知手段65aと加速ノズル431a,541bとの距離から洗浄対象物3が加速ノズル431a,431bの位置に到達する時間遅れを加えたタイミングで一方の加速ノズル431aからの圧縮空気の噴出と洗浄媒体再生手段44の吸引動作のタイミングを決定し、そのタイミングで循環用気流を停止させ、加速ノズル431aから圧縮空気を噴出させ、洗浄媒体再生手段44の吸引を開始して最初の洗浄対象物3の洗浄を行う。この状態で洗浄対象物検知手段65aから洗浄対象物検知信号が入力しなくなると、制御装置50は洗浄対象物3の移動速度及び洗浄対象物検知手段65aと加速ノズル431a,431bとの距離から洗浄対象物3が加速ノズル431a,431bの位置に到達する時間遅れを加えたタイミングで加速ノズル431aからの圧縮空気噴出と洗浄媒体再生手段44の吸引を停止し、循環用気流発生手段42から循環用気流を発生させる。この制御を洗浄対象物検知手段65aから洗浄対象物検知信号が入力するたびに繰り返して複数の洗浄対象物3を順次洗浄する。洗浄対象物3が折り返し位置に達して上昇を開始すると、制御装置50は加速ノズル431a,431bの下に配置された洗浄対象物検知手段65bから洗浄対象物検知信号が入力するたびに前記制御を繰り返して加速ノズル431bから圧縮空気を噴射させて、複数の洗浄対象物3の全面を洗浄する。
このように洗浄対象物3の位置に応じて圧縮空気を大量に消費する加速ノズル431a,431bから圧縮空気を噴射するから圧縮空気の使用量を低減して省エネルギーを図ることができる。
前記説明では媒体飛翔量計測手段64として光電センサ641を使用した場合について説明したが、力センサにより洗浄対象物3に対する洗浄媒体1の衝撃力を積算する方法、加重センサを用いたプロセス終了時における重量計測、距離センサ等を用いた洗浄槽41の底部の堆積量計測方法などを使用しても良い。この洗浄媒体1の衝撃力を積算する場合は、積算した衝撃回数から洗浄品質を評価することができる。
また、図52に示すように、ワーク移動手段49とワーク保持手段48の間に、モータやエアシリンダ等でワーク保持手段48を長手方向の軸回りに回転させるワーク姿勢変更手段66を設け、洗浄槽41の循環用気流を形成する一方の側面に洗浄媒体加速手段43としてアレイ状の複数の加速ノズル431を複数組、例えば3組設け、各加速ノズル431の噴射方向が例えば水平方向と上下方向に異なるように配置しても良い。そしてワーク保持手段48で保持して洗浄槽41に投入した洗浄対象物3をワーク姿勢変更手段66で回転させながら上下方向に移動して複数組の加速ノズル431からの圧縮空気の噴射を交互に切り替えて洗浄対象物3を洗浄する。このように洗浄対象物3を回転しながら上下方向に移動して異なる方向から圧縮空気を噴射することにより、複雑な形状の洗浄対象物3の全面を確実に洗浄することができる。
前記説明では洗浄対象物3から除去する付着物4として複写機やレーザプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置装置に使用される乾式トナー(平均粒径5〜10μm程度)を想定しているが、これに限定されるものではなく、一般的な粉体や塵埃付着物の洗浄にも同様に適用することができる。この場合、洗浄対象物3と付着物4の性状に応じて洗浄媒体1の種類と気流の流速、流量を適切の選択すれば良い。例えば、洗浄対象物3が傷つきやすい場合は、洗浄媒体1として樹脂等の柔軟素材で、かつ肉厚の薄い筒状のものを使用することにより、洗浄媒体1が柔軟に撓むので洗浄対象を傷つけないで済む。
まず、乾式洗浄方法によって除去対象となる付着物4であるトナーの付着力による影響を観察するため、複写機のトナーカートリッジにトナーを付着させた後に所定温度で1時間加温し、付着力の異なる3種類のサンプル(付着力弱、付着力中、付着力強)を作成した。このサンプルに付着したトナーを乾式洗浄装置1により洗浄した。送風手段としてはSilvent社製エアノズルSL−920Aを複数配列し、圧縮空気圧は0.2MPaで一定となるように設定してそれぞれ2分間洗浄を行った。
ここで、筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1として次の4種類を使用した。
(1)肉厚30μm、外径5mm、長さ10mmのポリエチレン製円筒
(2)肉厚30μm、外径5mm、長さ10mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製円筒
(3)肉厚100μm、外径5mm、長さ10mmのポリエチレン製円筒
(4)肉厚100μm、外径5mm、長さ10mmのPET製円筒
また、比較例として、
(5)洗浄媒体を使用しないエアブローのみによる乾式洗浄及び洗浄媒体として各種粒状の洗浄媒体を使用した乾式洗浄を行った。各種粒状の洗浄媒体として次の4種類を使用した。
(6)2mm角立方体のナイロン
(7)直径2mmのナイロン球
(8)直径5mmのウレタンスポンジ球
(9)直径5mm、長さ10mmのPET円柱(可撓性なし)
この洗浄結果を下記表1に示す。
Figure 0004954030
表1に示すように、筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1を使用した乾式洗浄方法が、従来の粒状の洗浄媒体を使用した乾式洗浄方法よりも良好な洗浄結果を得られることが明らかである。また、筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体の中では撓みやすい洗浄媒体の方が洗浄結果が良好であった。
次に、洗浄媒体1を繰り返し使用して乾式洗浄を行った際の実験結果を示す。
複写機のトナーカートリッジにトナーを付着させた後に所定温度で1時間加温し、付着力が中のサンプルを作成した。送風手段としてはSilvent社製エアノズルSL−920Aを複数配列し、圧縮空気圧は0.2MPaで一定となるように設定して2分間洗浄を行った。このときサンプル毎に洗浄媒体1を変えることはせず、同一の洗浄媒体1を使用し続けた場合のサンプル処理数の増加に伴う洗浄結果の推移を比較した。ここで筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1として次の5種類を使用した。
(1)肉厚30μm、外径5mm、長さ10mmのポリエチレン製円筒
(2)肉厚30μm、外径5mm、長さ10mmのPET製円筒
(3)肉厚100μm、外径5mm、長さ10mmのナイロン布円筒
(4)肉厚100μm、外径5mm、長さ10mmの紙筒片
(5)肉厚100μm、外径5mm、長さ10mmのアルミ筒片
この洗浄結果を下記表2に示す。
Figure 0004954030
表2に示すように、特に洗浄媒体1の材質が樹脂である場合に、繰り返し使用においては良好な洗浄結果を得られることが判明した。
洗浄能力の違いを明確にするため、複写機のトナーカートリッジにトナーを付着させた後、所定温度で1時間加温し、付着力を増加させた(付着力中)サンプルを作成した。乾式洗浄装置11aで洗浄した。エアブローはSilvent社製エアノズルSL−920Aを複数配列させて使用し、圧縮空気圧は、0.2MPaで一定となるようにしてそれぞれ1分間洗浄を行った。筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1としては次の3種類を使用した。
(1)図1に示す形状で肉厚30μm、外径5mm、長さ10mmのPET製円筒
(2)図5(b)に示す形状で肉厚30μm、5mm角、長さ10mmのPET製四角筒
(3)図9(a)の形状で側面に厚さ30μmの可撓性の薄片を有する肉厚30μm、外径5mm、長さ10mmのPET製円筒
また、比較例として次の6種類の条件で洗浄を行った。
(4)特に厚さ30μm、5mm角のPET製フィルム
(5)洗浄媒体を使用しないエアブローのみによる乾式洗浄
(6)2mm角立方体のナイロン
(7)直径2mmのナイロン球
(8)直径5mmのウレタンスポンジ球
(9)直径5mm、長さ10mmのPET円柱(可撓性なし)
この洗浄結果を下記表3に示す。表3において、トナー洗浄結果の二重丸印は非常に綺麗になっていることを示し一重丸印はほぼ綺麗になっていることを示し、三角印は一部に洗浄残りがあることを示し、ばつ印はほとんど汚れが取れないことを示す。
Figure 0004954030
表3に示すように、筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1を使用する乾式洗浄による結果が従来の乾式洗浄よりも良好な洗浄結果が得られることが明らかである。また、筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1の形状による洗浄結果の優劣は対象項目により異なるため、重要視する項目に応じて、それに適した形状を選択することにより所望の洗浄結果を得ることができる。もちろん異なる形状の筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1を同時に使用したり、あるいは洗浄工程を複数に分けて、各工程毎に洗浄媒体1の形状を変えても良い。
まず、乾式洗浄方法によって除去対象となる付着物4であるトナーの付着力による影響を観察するため、複写機のトナーカートリッジにトナーを付着させた後に所定温度で1時間加温し、付着力の異なる3種類のサンプル(付着力弱、付着力中、付着力強)を作成した。このサンプルに付着したトナーを乾式洗浄装置11aにより洗浄した。送風手段としてはSilvent社製エアノズルSL−920Aを複数配列し、圧縮空気圧は0.2MPaで一定となるように設定してそれぞれ2分間洗浄を行った。
ここで、袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aとして次の4種類を使用した。
(1)肉厚30μm、底面径5mm、長さ10mmのポリエチレン製円錐
(2)肉厚30μm、底面径5mm、長さ10mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製円錐
(3)肉厚100μm、底面径5mm、長さ10mmのポリエチレン製円錐
(4)肉厚100μm、底面径5mm、長さ10mmのPET製円錐
また、比較例として、
(5)洗浄媒体を使用しないエアブローのみによる乾式洗浄及び洗浄媒体として各種粒状の洗浄媒体を使用した乾式洗浄を行った。各種粒状の洗浄媒体として次の4種類を使用した。
(6)2mm角立方体のナイロン
(7)直径2mmのナイロン球
(8)直径5mmのウレタンスポンジ球
(9)底面径5mm、長さ10mmのPET円錐(可撓性なし)
この洗浄結果を下記表4に示す。
Figure 0004954030
表4に示すように、袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aを使用した乾式洗浄方法が、従来の粒状の洗浄媒体を使用した乾式洗浄方法よりも良好な洗浄結果を得られることが明らかである。また、袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aの中では撓みやすい洗浄媒体の方が洗浄結果が良好であった。
次に、袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aを繰り返し使用して乾式洗浄を行った際の実験結果を示す。
複写機のトナーカートリッジにトナーを付着させた後に所定温度で1時間加温し、付着力が中のサンプルを作成した。送風手段としてはSilvent社製エアノズルSL−920Aを複数配列し、圧縮空気圧は0.2MPaで一定となるように設定して2分間洗浄を行った。このときサンプル毎に洗浄媒体1を変えることはせず、同一の洗浄媒体1を使用し続けた場合のサンプル処理数の増加に伴う洗浄結果の推移を比較した。ここで袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aとして次の5種類を使用した。
(1)肉厚30μm、底面径5mm、長さ10mmのポリエチレン製円錐
(2)肉厚30μm、底面径5mm、長さ10mmのPET製円錐
(3)肉厚100μm、底面径5mm、長さ10mmのナイロン布製円錐
(4)肉厚100μm、底面径5mm、長さ10mmの紙製円錐
(5)肉厚100μm、底面径5mm、長さ10mmのアルミ製円錐
この洗浄結果を下記表5に示す。
Figure 0004954030
表5に示すように、特に洗浄媒体1aの材質が樹脂である場合に、繰り返し使用においては良好な洗浄結果を得られることが判明した。
洗浄能力の違いを明確にするため、複写機のトナーカートリッジにトナーを付着させた後、所定温度で1時間加温し、付着力を増加させた(付着力中)サンプルを作成した。乾式洗浄装置11aで洗浄した。エアブローはSilvent社製エアノズルSL−920Aを複数配列させて使用し、圧縮空気圧は、0.2MPaで一定となるようにしてそれぞれ1分間洗浄を行った。袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1としては次の3種類を使用した。
(1)図13に示す形状で肉厚30μm、底面径5mm、長さ10mmのPET製円錐
(2)図18(b)に示す形状で肉厚30μm、底面5mm角、長さ10mmのPET製四角円錐
(3)図19の形状で側面に折り目を有する肉厚30μm、底面径5mm、長さ10mmのPET製円錐
また、比較例として次の6種類の条件で洗浄を行った。
(4)特に厚さ30μm、5mm角のPET製フィルム
(5)洗浄媒体を使用しないエアブローのみによる乾式洗浄
(6)2mm角立方体のナイロン
(7)直径2mmのナイロン球
(8)直径5mmのウレタンスポンジ球
(9)底面径5mm、長さ10mmのPET円錐(可撓性なし)
この洗浄結果を下記表6に示す。表6において、トナー洗浄結果の二重丸印は非常に綺麗になっていることを示し一重丸印はほぼ綺麗になっていることを示し、三角印は一部に洗浄残りがあることを示し、ばつ印はほとんど汚れが取れないことを示す。
Figure 0004954030
表6に示すように、袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aを使用する乾式洗浄による結果が従来の乾式洗浄よりも良好な洗浄結果が得られることが明らかである。また、袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aの形状による洗浄結果の優劣は対象項目により異なるため、重要視する項目に応じて、それに適した形状を選択することにより所望の洗浄結果を得ることができる。もちろん異なる形状の袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体1aを同時に使用したり、あるいは洗浄工程を複数に分けて、各工程毎に洗浄媒体1aの形状を変えても良い。
この発明の洗浄媒体の構成を示す斜視図である。 筒状に形成され可撓性を有する洗浄媒体で洗浄対象物に付着した粉塵等の付着物を除去する状態を示す模式図である。 板状に形成された洗浄媒体が洗浄対象物に付着した状態を示す模式図である。 板状に形成された洗浄媒体が洗浄対象物の隙間に入り込んだ状態を示す模式図である。 筒状に形成された洗浄媒体が洗浄対象物に付着した状態を示す模式図である。 筒状に形成された洗浄媒体が洗浄対象物の隙間に入り込んだ状態を示す模式図である。 角筒状に形成された洗浄媒体を示す斜視図である。 一方の端部に鋭角を有する洗浄媒体を示す斜視図である。 一方の開口径を小さくした洗浄媒体を示す斜視図である。 折り目を有する洗浄媒体を示す斜視図である。 薄片を有する洗浄媒体を示す斜視図である。 薄片を有する洗浄媒体の作製方法を示す模式図である。 袋状に形成された洗浄媒体を示す斜視図である。 袋状に形成され可撓性を有する洗浄媒体で洗浄対象物に付着した粉塵等の付着物を除去する状態を示す模式図である。 袋状に形成された洗浄媒体が洗浄対象物に付着した状態を示す模式図である。 袋状に形成された洗浄媒体が洗浄対象物の隙間に入り込んだ状態を示す模式図である。 袋状に形成された洗浄媒体の作製方法を示す模式図である。 袋の形状が角錐状に形成された洗浄媒体を示す斜視図である。 袋状に形成され、折り目を有する洗浄媒体を示す斜視図である。 乾式洗浄装置の構成を示す正面断面図である。 乾式洗浄装置の構成を示す側面要部断面図である。 洗浄槽の底面の窪みを示す部分断面図である。 ノズルの構成を示す断面図である。 ノズルの回転機構を示す構成図である。 ノズルからの気流で洗浄媒体を洗浄対象物に衝突させる状態を示す模式図である。 第2の乾式洗浄装置の構成図である。 第2の乾式洗浄装置における洗浄槽の形状を示す断面図である。 洗浄媒体再生手段の構成図である。 第2の乾式洗浄装置の駆動制御部の構成を示すブロック図である。 第2の乾式洗浄装置の駆動部の配管系統図である。 第2の乾式洗浄装置の洗浄動作を示すタイムチャートである。 洗浄媒体再生手段に積層された洗浄媒体を循環用気流で運搬する状態を示す模式図である。 積層された洗浄媒体を循環用気流で運搬する比較例を示す模式図である。 洗浄対象物の洗浄動作を示す工程図である。 洗浄媒体加速手段の加速ノズルから噴出する気流で洗浄媒体を洗浄対象物に衝突させる状態を示す模式図である。 循環用気流の循環経路を形成する洗浄槽の内壁面の構成図である。 循環用気流の循環経路に気流整流手段を設けた洗浄槽の断面図である。 底部に傾斜面を設けた洗浄槽の断面図である。 第3の乾式洗浄装置の構成図である。 第3の乾式洗浄装置の駆動制御部の構成を示すブロック図である。 第3の乾式洗浄装置の駆動部の構成を示すブロック図である。 第4の乾式洗浄装置の構成図である。 第4の乾式洗浄装置の駆動制御部の構成を示すブロック図である。 第4の乾式洗浄装置の駆動部の構成を示すブロック図である。 第4の乾式洗浄装置で洗浄媒体を洗浄対象物に衝突させる状態を示す模式図である。 粗洗浄動作と払い落とし動作を含む洗浄動作のタイムチャートである。 第5の乾式洗浄装置の構成図である。 洗浄媒体飛翔量計測手段と洗浄対象物検知手段を有する第6の乾式洗浄装置の概要を示す構成図である。 洗浄媒体飛翔量計測手段を構成する光電センサの構成図である。 洗浄媒体飛翔量計測手段と洗浄対象物検知手段を有する乾式洗浄装置の駆動制御部の構成を示すブロック図である。 第6の乾式洗浄装置の動作を示すタイムチャートである。 第7の乾式洗浄装置の構成図である。
符号の説明
1;洗浄媒体、2;高速気流、3;洗浄対象物、4;付着物、5;隙間、
6;鋭角部、7;折り目、8;薄片、9;テープ状の原材料、10;スペーサ、
11;乾式洗浄装置、12;洗浄槽、13;円筒型のメッシュ、14;ノズル、
15;コーナーブロック、16;ノズル、17;ノズル回転用モータ、
18;ノズル移動用モータ、19;ワーク保持手段、
20;ワーク水平回転用モータ、21;ワーク揺動用モータ
22,23;タイミングベルト,24;伝達用ギア,25;揺動リンク機構,
41;洗浄槽,42;循環用気流発生手段,43;洗浄媒体加速手段,
44;洗浄媒体再生手段。

Claims (15)

  1. 洗浄槽内で気流により飛翔させて洗浄対象物に衝突させて該洗浄対象物に付着している付着物を除去するために用いられる洗浄媒体であって、
    前記洗浄媒体は、
    洗浄対象物に接触する外面と洗浄対象物に接触しない内面とを有し、
    前記洗浄媒体の内面に外部からの気流が入り込む筒状の形状で、かつ可撓性を有し、
    前記洗浄媒体が前記洗浄対象物に対して接触あるいは衝突した際に撓むことを特徴とする洗浄媒体
  2. 求項記載の洗浄媒体であって、
    前記筒の形状が円筒形で形成されていることを特徴とする洗浄媒体。
  3. 請求項記載の洗浄媒体であって、
    前記筒の形状が多角形で形成されていることを特徴とする洗浄媒体。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の洗浄媒体であって、
    前記筒の側面と少なくとも一方の開口面とのなす角が鋭角で形成されていることを特徴とする洗浄媒体。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の洗浄媒体であって、
    前記筒の一方の開口径が他方の開口径よりも小さく形成されていることを特徴とする洗浄媒体。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の洗浄媒体であって、
    前記筒の側面に折り目を有することを特徴とする洗浄媒体。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の洗浄媒体であって、
    前記筒の側面に可撓性の薄片を有することを特徴とする洗浄媒体。
  8. 請求項1記載の洗浄媒体であって、
    前記洗浄媒体は、一方に開口部を有する袋状に形成されていることを特徴とする洗浄媒体。
  9. 請求項記載の洗浄媒体であって、
    前記袋の形状は、円錐形で形成されていることを特徴とする洗浄媒体。
  10. 請求項記載の洗浄媒体であって、
    前記袋の形状は、角錐形で形成されていることを特徴とする洗浄媒体。
  11. 請求項8乃至10のいずれかに記載の洗浄媒体であって、
    前記袋の側面に折り目を有することを特徴とする洗浄媒体。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の洗浄媒体であって、
    前記洗浄媒体は、帯電防止機能を有する材料で構成されていることを特徴とする洗浄媒体。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の洗浄媒体であって、
    前記洗浄媒体は、内面の少なくとも一部が強磁性体で被覆されていることを特徴とする洗浄媒体。
  14. 請求項1乃至11のいずれかに記載の洗浄媒体であって、
    前記洗浄媒体、光が透過可能な材質で形成され、内面の少なくとも一部が自発光する物質又は光を反射する物質で被覆されていることを特徴とする洗浄媒体。
  15. 請求項1乃至14のいずれかに記載の洗浄媒体を用いる乾式洗浄装置であって、
    洗浄槽内で高速気流により飛翔させる循環用気流発生手段と、前記飛翔した洗浄媒体を高速気流により洗浄対象物に衝突させて洗浄対象物に付着した塵や粉体の付着物を除去する洗浄媒体加速手段と、前記洗浄対象物に衝突した前記洗浄媒体に付着した付着物を吸引して除去して前記洗浄媒体を再生する洗浄媒体再生手段とを備えたことを特徴とする乾式洗浄装置。
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