JP4950155B2 - ダイポール水平アレイアンテナ装置 - Google Patents
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しかし、素子間隔を広げることは、サイドローブレベルの劣化をもたらし(図17参照)、また、反射板の左右幅を広げることは、アンテナ全体の大きさを増加させる。一方、この従来の2ダイポールアンテナは、図18にそのVSWR特性を示すように、比帯域25%を満足することができない。
なお、図16および図17の特性は、それぞれ使用周波数帯域の中心周波数f0の1.13倍の周波数(使用周波数帯域の上限周波数)についてのものである。そして、これらの図では、素子間隔の単位として上記中心周波数f0の波長λ0を用いている。
前記第1の給電線路は、前記各分岐線路が前記第2の給電線路の特性インピーダンスの約2倍の特性インピーダンスをそれぞれ有するように形成され、前記調整回路は、前記第1の給電線路の一部の面積が拡大される形態で設けられ、前記第1、第4のダイポール素子は、前記第1の給電線路の分岐点を挟んで対称に配置されるとともに、それらの配置間隔が約0.84λ0に設定され、前記第2、第3のダイポール素子は、前記第1の給電線路の分岐点を挟んで対称に配置されるとともに、それらの配置間隔が約0.42λ0に設定され、前記第1〜第4のダイポール素子および前記第1の給電線路を第1の誘電体基板に形成するとともに、前記第2の給電線路を第2の誘電体基板に形成し、前記第1〜第4のダイポール素子を含む平面に対して垂直な方向にビーム指向性を有するように構成されている。
前記第1の給電線路は、前記各分岐線路が前記第2の給電線路の特性インピーダンスの約2倍の特性インピーダンスをそれぞれ有するように形成され、前記調整回路は、前記第1の給電線路4の一部の面積が拡大される形態で設けられ、前記第1、第4のダイポール素子は、前記第1の給電線路の分岐点を挟んで対称に配置されるとともに、それらの配置間隔が約0.84λ0に設定され、前記第2、第3のダイポール素子は、前記第1の給電線路の分岐点を挟んで対称に配置されるとともに、それらの配置間隔が約0.42λ0に設定され、前記第1〜第4のダイポール素子および前記第1の給電線路を第1の誘電体基板に形成するとともに、前記第2の給電線路を第2の誘電体基板に形成し、前記第1〜第4のダイポール素子を含む平面に対して垂直な方向にビーム指向性を有するように構成されている。
また、第1の給電線路を、その各分岐線路部の特性インピーダンスが該第1の給電線路の分岐点に接続される第2の給電線路の特性インピーダンスの約2倍の特性インピーダンスを有するように形成することにより、比帯域約25%を満足するVSWR特性を実現することが可能になる。
図1は、本発明に係るダイポール水平アレイアンテナ装置の実施形態1を示す斜視図である。なお、この実施形態1に係るダイポール水平アレイアンテナ装置および後述の他の実施形態に係るダイポール水平アレイアンテナ装置は、水平面のビーム幅を約45°にするように構成されている。
このダイポール水平アレイアンテは、誘電体基板1,2を備えている。誘電体基板1には、4個のダイポール素子3−1〜3−4および給電線路4が銅箔等の金属箔によって形成され、また誘電体基板2には、給電線路5が同様の金属箔によって形成されている。
前記給電線路5は、この誘電体基板2の表面に形成された線路導体5aと、この線路導体5aに対向する形態で該誘電体基板2の裏面に形成された線路導体5b(接地線路導体)とによって構成され、図1における上下方向に延びている。この給電線路5の線路導体5aおよび5bは、誘電体基板1に設けられた給電線路4の分岐点4cにおいて該給電線路4の線路導体4aおよび4bにそれぞれ電気的に接続されている。
なお、本実施形態では、給電線路5として特性インピーダンスが50Ωのものを使用している。
すなわち、上記給電線路4は、各分岐線路部の特性インピーダンスが前記誘電体基板に設けられた給電線路5の特性インピーダンスの約2倍になるように構成されている。従って、給電線路5の特性インピーダンスが50Ωである場合、給電線路4の各分岐線路部の特性インピーダンスがそれぞれ約100Ωに固定されることになる。
このアンテナ装置によれば、ダイポール素子3−1〜3−4を水平方向に配列しているので、つまり、水平方向にアレイ化しているので、水平面のビーム幅を狭く(約45°)しているにも拘わらず、サイドローブレベルの劣化を伴うことなく小型化を図ることができる。以下、その理由について説明する。
これに対して、上記実施形態1に係るアンテナ装置によれば、水平方向にアレイ化することによって水平面のビーム幅を狭くしているので、図2に示すように、誘電体基板2を挟んで誘電体基板1に平行する形態で反射板6を配設する場合、サイドローブレベルが該反射板の大きさに依存しなくなる(図3参照)。したがって、小面積の反射板を使用して、サイドローブレベルの劣化を伴うことなく小型化を図ることができる。
図4に本発明に係るダイポール水平アレイアンテナ装置の実施形態2を示す。なお、図4に示す要素のうち、図1に示す要素と同一もしくは共通の要素には、同一もしくは対応する参照番号を付してある。後述する他の実施形態を示す図において同様である。
このアンテナ装置は、図1に示したアンテナ装置のユニットを、図4における左右方向(アンテナ実装時における垂直方向)に2ユニット配列した構成、つまり、図1に示したアンテナ装置を垂直方向に2段配置してアレイ化した構成を有する。
そして、このアンテナ装置では、誘電体基板20にトーナメント形状の給電線路50を構成して、この給電線路50から2ユニットのダイポール素子3−1〜3−4に給電するようにしている。なお、このアンテナ装置には、図3に示す反射板6に対応する反射板60が設けられている。
図5は、本発明に係るダイポール水平アレイアンテナ装置の実施形態3を示す斜視図である。
いま、使用周波数帯域の中心周波数をf0、該使用周波数帯域の下限周波数を0.87f0、該使用周波数帯域の上限周波数を1.13f0とすると、この実施形態2に係るアンテナ装置は、外側のダイポール素子3−1,3−4の長さをそれぞれ約λa(中心周波数f0と下限周波数0.87f0の中間の周波数faの波長)に設定し、内側のダイポール素子3−2,3−3の長さをそれぞれ約λb(中心周波数f0と上限周波数1.13f0の中間の周波数fbの波長)に設定した構成を有する。
なお、ダイポール素子の水平方向アレイ本数を更に増加する場合には、その本数に適合するようにそれらのダイポール素子の共振長を設定すれば良い。
この実施形態3に係るアンテナ装置も、図6に示すように反射板6を併設することができ、また、図7に示すように垂直方向にアレイ化することができる。
図8は、本発明に係るダイポール水平アレイアンテナ装置の実施形態4を示す平面図である。
図5に示したアンテナ装置においては、分岐点4cに近い内側のダイポール素子3−2,3−3の給電振幅が該分岐点4cから離れた外側のダイポール素子3−1,3−4の給電振幅よりも高くなる傾向をもつ。
この内側のダイポール素子3−2,3−3の給電振幅と外側のダイポール素子3−1,3−4の給電振幅との相違は、内側のダイポール素子3−2,3−3の給電点の幅を変化させることで調整可能である。このとき、内側のダイポール素子3−2,3−3全体はVSWR特性を良好にするために適した素子幅を維持する必要がある。
なお、上記の手法は、図1、図2、図4および図6に示したアンテナにも適用することができる。
図9(a)は、図1に示すアンテナ装置と同一構成を有するアンテナ装置を示し、図9(b)は、このアンテナ装置の各ダイポール素子3−1〜3−4の励振方向をそれぞれ示している。
また、図10(a)は、この実施形態5に係るアンテナ装置を示し、図10(b)は、該アンテナ装置の各ダイポール素子3−1〜3−4の励振方向をそれぞれ示している。
図9(a)に示す構成のアンテナ装置においては、内側のダイポール素子3−2(3−3)と外側のダイポール素子3−1(3−4)間の距離によっては、外側のダイポール素子3−1,3−4の給電位相が変化して、水平面の合成指向性が劣化することもあり得る。
この構成によれば、外側のダイポール素子3−1,3−4が逆相給電されて、図10(b)に示すように、該ダイポール素子3−1,3−4の励振方向が内側のダイポール素子3−2,3−3のそれと逆になるので、水平面の合成指向性が改善される。
一方、図14は、図8のアンテナ装置のVSWR特性を示す。この図14から明らかなように、図8に示すアンテナ装置は、0.87f0〜1.13f0という広帯域において比帯域約25%を満足するVSWR特性を有している。これは、給電線路4が前記構成によって周波数特性を持たないことによるものである。
移動体通信の周波数帯域は、広いもので比帯域約17%である。しかし、既存の周波数帯域に新たな周波数帯域が隣接した場合は、2つの周波数帯域を合わせた比帯域が約25%と、さらに広帯域になるため、アンテナ自体を広帯域にする必要がある。図8のアンテナ装置によれば、比帯域約25%を満足するVSWR特性が得られるので、既存の周波数帯域に新たな周波数帯域が隣接する場合でも、これに十分対応することが可能である。
なお、前述した他の実施形態に係る各アンテナ装置も、図11および図12に示す水平面内指向性に準じた良好な水平面内指向性と、図132示すVSWR特性に準じた良好なVSWR特性を得ることが可能である。
2,20 誘電体基板
3−1〜3−4 ダイポール素子
3a,3b 素子導体
4 給電線路
4a,4b 線路導体
4c 分岐点
5,50 給電線路
5a,5b 線路導体
Claims (8)
- 移動体通信システムに設けられる基地局用のダイポール水平アレイアンテナ装置であって、
約1/2λ0(λ0は、使用周波数帯の中心周波数の波長)の長さを有し、長手軸線が垂直に向く形態で水平方向に順次配列する第1、第2、第3および第4のダイポール素子と、
分岐点から前記第1〜第4のダイポール素子の配列方向に分岐し、一方の分岐線路に前記第1、第2のダイポール素子の給電点が接続されるとともに、他方の分岐線路に前記第3、第4のダイポール素子の給電点が接続された第1の給電線路と、
前記第1の給電線路の前記分岐点に接続される第2の給電線路と、
前記第1および第4のダイポール素子の給電点部位からそれぞれ前記第2のダイポール素子および前記第3のダイポール素子側に張出すように設けられた合成指向性調整用の調整回路と、を備え、
前記第1の給電線路は、前記各分岐線路が前記第2の給電線路の特性インピーダンスの約2倍の特性インピーダンスをそれぞれ有するように形成され、
前記調整回路は、前記第1の給電線路の一部の面積が拡大される形態で設けられ、
前記第1、第4のダイポール素子は、前記第1の給電線路の分岐点を挟んで対称に配置されるとともに、それらの配置間隔が約0.84λ0に設定され、
前記第2、第3のダイポール素子は、前記第1の給電線路の分岐点を挟んで対称に配置されるとともに、それらの配置間隔が約0.42λ0に設定され、
前記第1〜第4のダイポール素子および前記第1の給電線路を第1の誘電体基板に形成するとともに、前記第2の給電線路を第2の誘電体基板に形成し、
前記第1〜第4のダイポール素子を含む平面に対して垂直な方向にビーム指向性を有するように構成されていることを特徴とするダイポール水平アレイアンテナ装置。 - 移動体通信システムに設けられる基地局用のダイポール水平アレイアンテナ装置であって、
垂直方向に配列した複数のアンテナユニットを備え、前記複数のアンテナユニットが、
約1/2λ0(λ0は、使用周波数帯の中心周波数の波長)の長さを有し、長手軸線が垂直に向く形態で水平方向に順次配列する第1、第2、第3および第4のダイポール素子と、
分岐点から前記第1〜第4のダイポール素子の配列方向に分岐し、一方の分岐線路に前記第1、第2のダイポール素子の給電点が接続されるとともに、他方の分岐線路に前記第3、第4のダイポール素子の給電点が接続された第1の給電線路と、
前記第1の給電線路の前記分岐点に接続される第2の給電線路と、
前記第1および第4のダイポール素子の給電点部位からそれぞれ前記第2のダイポール素子および前記第3のダイポール素子側に張出すように設けられた合成指向性調整用の調整回路と、を備え、
前記第1の給電線路は、前記各分岐線路が前記第2の給電線路の特性インピーダンスの約2倍の特性インピーダンスをそれぞれ有するように形成され、
前記調整回路は、前記第1の給電線路4の一部の面積が拡大される形態で設けられ、
前記第1、第4のダイポール素子は、前記第1の給電線路の分岐点を挟んで対称に配置されるとともに、それらの配置間隔が約0.84λ0に設定され、
前記第2、第3のダイポール素子は、前記第1の給電線路の分岐点を挟んで対称に配置されるとともに、それらの配置間隔が約0.42λ0に設定され、
前記第1〜第4のダイポール素子および前記第1の給電線路を第1の誘電体基板に形成するとともに、前記第2の給電線路を第2の誘電体基板に形成し、
前記第1〜第4のダイポール素子を含む平面に対して垂直な方向にビーム指向性を有するように構成されていることを特徴とするダイポール水平アレイアンテナ装置。 - 前記複数のアンテナユニットの第1の誘電体基板が連接一体化されるともに、前記複数のアンテナユニットの第2の誘電体基板が連接一体化され、前記複数のアンテナユニットの前記第2の給電線路は、前記連接一体化された第2の誘電体基板においてトーナメント形状の給電線路を構成していることを特徴とする請求項2に記載のダイポール水平アレイアンテナ装置。
- 前記第1〜第4のダイポール素子の内の任意のダイポール素子の長さを所定長増加させ、他の任意のダイポール素子の長さを所定長減少させたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のダイポール水平アレイアンテナ装置。
- 前記第1〜第4のダイポール素子の内、給電振幅を調整すべきダイポール素子をその給電点に向って幅が狭くなるように形成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のダイポール水平アレイアンテナ装置。
- 前記給電点に向って幅が狭くなるように形成したダイポール素子は、前記第2、第3のダイポール素子であることを特徴とする請求項5に記載のダイポール水平アレイアンテナ装置。
- 前記各ダイポール素子の内の所定のダイポール素子を逆相で励振するように構成したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のダイポール水平アレイアンテナ装置。
- 反射板を併設したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のダイポール水平アレイアンテナ装置。
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