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JP4947559B2 - 三次元計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、三次元計測装置に関するものである。
一般に、プリント基板上に電子部品を実装する場合、まずプリント基板上に配設された所定の電極パターン上にクリームハンダが印刷される。次に、該クリームハンダの粘性に基づいてプリント基板上に電子部品が仮止めされる。その後、前記プリント基板がリフロー炉へ導かれ、所定のリフロー工程を経ることでハンダ付けが行われる。昨今では、リフロー炉に導かれる前段階においてクリームハンダの印刷状態を検査する必要があり、かかる検査に際して三次元計測装置が用いられることがある。
近年、光を用いたいわゆる非接触式の三次元計測装置が種々提案されており、例えば、位相シフト法を用いた三次元計測装置に関する技術が提案されている。
当該位相シフト法を利用した三次元計測装置においては、光源と正弦波パターンのフィルタとの組み合わせからなる照射手段により、正弦波状(縞状)の光強度分布を有するパターン光を被計測物(この場合プリント基板)に照射する。そして、基板上の点を真上に配置した撮像手段を用いて観測する。撮像手段としては、レンズ及び撮像素子等からなるCCDカメラ等が用いられる。この場合、画面上の計測対象点Pの光の強度Iは下式で与えられる。
I=B+A・cosφ
[但し、B:直流光ノイズ(オフセット成分)、A:正弦波のコントラスト(反射率)、φ:物体の凹凸により与えられる位相]
このとき、パターン光を移動させて、位相を例えば4段階(φ+0、φ+π/2、φ+π、φ+3π/2)に変化させ、これらに対応する強度分布I1、I2、I3、I4をもつ画像を取り込み、下記式に基づいて変調分(高さを導出するための位置情報)θを求める。
θ=arctan{(I4−I2)/(I1−I3)}
この変調分θを用いて、プリント基板上のクリームハンダ等の計測対象点Pの3次元座標(X,Y,Z)が求められ、もって計測対象の三次元形状、特に高さが計測される(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−279329号公報
しかしながら、位相シフト法を利用した従来の三次元計測では、位相を例えば4段階に変化させる場合、各段階に対応する強度分布をもつ4通りの画像データを取得する必要がある。つまり、位相を変化させる度に撮像を行わなければならず、計測位置1箇所につき4回の撮像を行う必要があるため、この間に振動等の外的要因によりプリント基板の位置が載置台等の搬送手段上においてずれてしまうことがある。こうなると、搬送手段のエンコーダ等では正確な位置把握も位置補正もできなくなる。
位相シフト法では4通りの画像データの同一画素(座標)の輝度データを基に高さデータを算出する構成となっているため、上記のように4通りの画像を撮像する途中でプリント基板が一画素分でもずれてしまうと、所定部位の正確な高さが計測できなくなり、測定精度の低下を招くおそれがある。
なお、上記課題は、必ずしもプリント基板上に印刷されたクリームハンダ等の高さ計測に限らず、他の三次元計測装置の分野においても内在するものである。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、位相シフト法を利用した三次元計測を行うにあたり、計測精度の低下を抑制することのできる三次元計測装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
手段1.少なくとも被計測物に対し、縞状の光強度分布を有しかつ複数通りに位相変化させたパターン光を照射可能な照射手段と、
前記パターン光の照射された前記被計測物からの反射光を撮像可能な撮像手段と、
複数通りに位相変化させた前記パターン光を照射して前記撮像手段にて撮像された複数通りの画像データに基づき、位相シフト法により三次元計測を行う画像処理手段とを備えた三次元計測装置であって、
前記照射手段は、
前記パターン光が照射される前記被計測物上の所定エリア内の少なくとも1箇所に対し、光強度及び位相が一定の均一光を照射可能に構成され、
前記画像処理手段は、
前記均一光が照射された特定エリア内にて検出される前記被計測物上の特定対象の位置を特定する特定対象検出手段と、
各画像データ毎に検出される前記特定対象の相対位置関係に基づき、複数通りの画像データ相互間の位置ズレを補正する位置ズレ補正手段と、
前記画像データ相互間の位置ズレ量を基に前記パターン光の位相ズレ量を補正した上で、前記位置ズレを補正した複数通りの画像データに基づき、前記被計測物上の計測対象点における高さ計測を行う演算手段とを備えたことを特徴とする三次元計測装置。
上記手段1によれば、パターン光と合わせて、光強度及び位相が一定の均一光が照射される。これにより、パターン光の縞に邪魔されることなく、当該均一光が照射された特定エリア内にて被計測物上の特定対象、例えばプリント基板上の電極や、マーク、パターンなどを常に同じ態様で捉えることができ、当該特定対象の位置を特定することができる。
これにより、位相シフト法に係る複数通りの画像を撮像する間に被計測物の位置がずれてしまったとしても、本手段では、各画像データ毎に検出された特定対象の相対位置関係に基づき、複数通りの画像データ相互間の位置ズレ、すなわち被計測物の位置ズレを補正することができる。
また、被計測物の位置がずれてしまった場合、計測対象点に照射されるパターン光の縞もその分ずれた縞が照射されることとなる。これに鑑み、本手段では、パターン光の位相ズレ量を補正した上で、被計測物上の計測対象点における高さ計測を行う。
結果として、被計測物の位置ズレにより生じる画像データのズレを演算処理でソフト的に補正することができるため、計測精度の低下を抑制することができる。ひいては、被計測物が検査位置にて完全に停止せず多少揺れている状態においても計測が可能となるため、被計測物が停止するまでの待機時間を短くすることができ、全体として計測時間の短縮化を図ることができる。また、フレキシブル基板などのように完全には停止させることが難しい被計測物を計測する際にも有効である。
手段2.前記均一光が照射される特定エリアを複数備えたことを特徴とする手段1に記載の三次元計測装置。
上記手段2によれば、複数箇所で被計測物上の特定対象を検出することができ、被計測物が回転して位置ズレを起こした場合でも、それを検出することができる。
手段3.前記位置ズレ補正手段は、
前記複数通りの画像データのうちの所定の画像データに係る前記特定対象の位置を基準として、当該特定対象と他の画像データに係る前記特定対象との相対位置関係に基づき、複数通りの画像データ相互間の位置ズレを補正することを特徴とする手段1又は2に記載の三次元計測装置。
上記手段3によれば、所定の画像データに係る特定対象の位置を基準とした特定対象の相対位置関係を基に補正処理を行うことで、少なくとも基準となった所定の画像データに関しては補正処理を行う必要がなく、特定対象の絶対位置との比較により補正処理を行う構成などに比べて、処理の簡素化を図ることができる。
手段4.前記演算手段は、
前記位置ズレ量のうち前記パターン光の縞の方向と直交する方向の成分を基に、前記パターン光の位相ズレ量を算出することを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の三次元計測装置。
上記手段4によれば、位相ズレ量を別途計測しなくともよく、処理の簡素化を図ることができる。
手段5.前記撮像手段の矩形状の撮像視野の各辺に対し、前記パターン光の縞の方向が斜めに交わることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の三次元計測装置。
例えば、短冊状のラインごとに透過率或いは反射率を制御可能な液晶パネルを利用してパターン光及び均一光を照射する構成において、仮に撮像視野の所定辺に対して平行な縞を照射した場合には、一ライン全域を均一光の照射される特定エリアとしなければならない。これに対し、本手段5のように、撮像視野の各辺に対してパターン光の縞の角度を斜めにすれば、均一光の照射される特定エリアを、撮像視野のコーナー部の三角形の領域として設けることができ、その面積を比較的小さくすることができる。結果として、パターン光の照射される領域、すなわち三次元計測可能な領域の面積をより大きく確保することができ、ひいては効率の良い計測を行うことができる。
手段6.前記撮像視野の各辺に対し、前記パターン光の縞の方向が45度で交わることを特徴とする手段5に記載の三次元計測装置。
上記手段6によれば、撮像視野のコーナー部において二等辺三角形状の特定エリアを設定することができ、当該コーナー部で直交する2辺の方向(X方向及びY方向)に対する位置ズレを偏りなく検出することができる。
一実施形態における基板検査装置を模式的に示す概略斜視図である。 基板検査装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)〜(d)は、位相シフトするパターン光等を説明するための模式図である。 (a),(b)は、画像データの位置ズレを説明するための模式図である。 別の実施形態に係るパターン光等を説明するための模式図である。 別の実施形態に係るパターン光等を説明するための模式図である。
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態における三次元計測装置を具備する基板検査装置1を模式的に示す概略構成図である。同図に示すように、基板検査装置1は、クリームハンダの印刷されてなる被計測物としてのプリント基板2を載置するための載置台3と、プリント基板2の表面に対し斜め上方から所定のパターン光を照射するための照射手段としての照明装置4と、プリント基板2上の前記照射された部分を撮像するための撮像手段としてのCCDカメラ5と、基板検査装置1内における各種制御や画像処理、演算処理を実施するための制御装置6とを備えている。制御装置6が本実施形態における画像処理手段を構成する。
照明装置4は、公知の液晶光学シャッターを備えており、プリント基板2に対し、斜め上方から4分の1ピッチづつ位相変化する縞状のパターン光を照射可能となっている。本実施形態では、パターン光が、矩形状のプリント基板2の一対の辺と平行にX軸方向に沿って照射されるよう設定されている。つまり、パターン光の縞が、X軸方向に直交し、かつ、Y軸方向に平行に照射される。
なお、照明装置4において、図示しない光源からの光は光ファイバーにより一対の集光レンズに導かれ、そこで平行光にされる。その平行光が、液晶素子を介して恒温制御装置内に配置された投影レンズに導かれる。そして、投影レンズから4つの位相変化するパターン光が照射される。このように、照明装置4に液晶光学シャッターが使用されていることによって、縞状のパターン光を作成した場合に、その照度が理想的な正弦波に近いものが得られ、これにより、三次元計測の計測分解能が向上するようになっている。また、パターン光の位相シフトの制御を電気的に行うことができ、制御系のコンパクト化を図ることができるようになっている。
また、本実施形態では、図3(a)〜(d)に示すように、パターン光の矩形状の照射エリア50には、その四隅のうち所定の対角線上に並ぶ2つコーナー部において、パターン光の位相変化に影響を受けず常に光強度(輝度)及び位相が一定の均一光が照射される特定エリアとして矩形状の補正エリア51が設けられている。本実施形態では、パターン光の照射エリア50とCCDカメラ5の撮像視野(撮像領域)60とが一致するように設定されている。照射エリア50の一辺の長さは6.0mmに設定されているのに対し、補正エリア51の大きさは、一辺の長さが0.75mmに設定されている。
載置台3には、モータ15,16が設けられており、該モータ15,16が制御装置6により駆動制御されることによって、載置台3上に載置されたプリント基板2が任意の方向(X軸方向及びY軸方向)へスライドさせられるようになっている。かかる構成により、CCDカメラ5の撮像視野60、すなわち検査エリアを移動させることができるようになっている。なお、検査エリアは、CCDカメラ5の撮像視野60の大きさを1単位としてプリント基板2の表面を予め分割しておいた中の1つのエリアである。
次に、制御装置6の電気的構成について説明する。
図2に示すように、制御装置6は、基板検査装置1全体の制御を司るCPU及び入出力インターフェース21、キーボードやマウス、あるいは、タッチパネルで構成される「入力手段」としての入力装置22、CRTや液晶などの表示画面を有する「表示手段」としての表示装置23、CCDカメラ5による撮像に基づく画像データを記憶するための画像データ記憶装置24、各種演算結果を記憶するための演算結果記憶装置25、各種情報を予め記憶しておく設定データ記憶装置26を備えている。なお、これら各装置22〜26は、CPU及び入出力インターフェース21に対し電気的に接続されている。
次に、制御装置6にて実行される三次元計測の処理内容を説明する。
制御装置6は、まずモータ15,16を駆動制御してプリント基板2を移動させ、パターン光の照射エリア50、すなわちCCDカメラ5の撮像視野60をプリント基板2上の所定の検査エリアに合わせる。
次に制御装置6は、照明装置4を駆動制御してパターン光及び均一光の照射を開始させると共に、図3(a)〜(d)に示すように、このパターン光の位相を4分の1(「π/2」)ピッチずつシフトさせて4種類の照射を順次切換制御する。但し、この間、補正エリア51には常に光強度及び位相が一定の均一光が照射され続ける。さらに、制御装置6は、このようにしてパターン光の位相がシフトする照明が行われている間に、CCDカメラ5を駆動制御して、これら各照射ごとに検査エリア(照射エリア50)部分を撮像し、これら4通りの画像データを順次記憶する。
例えば、制御装置6は、位相が「0」の際に撮像された図3(a)に示す画像データを第1画像データとして格納する。同様に、位相が「π/2」の際に撮像された図3(b)に示す画像データを第2画像データとして格納し、位相が「π」の際に撮像された図3(c)に示す画像データを第3画像データとして格納し、位相が「3π/2」の際に撮像された図3(d)に示す画像データを第4画像データとして格納する。
続いて、制御装置6は、格納したこれら4通りの各画像データに基づいて各種画像処理を行う。より詳しくは、先ず均一光が照射された補正エリア51内にて検出されるプリント基板2上の特定対象としてマーク70の位置座標を特定する。この処理の機能が本実施形態における特定対象検出手段を構成する。
次に4通りの画像データのうち、基準とする所定の画像データを決定する。例えば、検出されるマーク70の位置の誤差が最も小さいもの、すなわちマーク70の位置が補正エリア51の中央に最も近い画像データを選出する。そして、当該基準となった画像データに係る上記マーク70の位置座標と、残りの画像データに係るマーク70の位置座標との相対位置関係に基づき、4通りの画像データ相互間の位置ズレ量を算出し、これを補正する。この処理の機能が本実施形態における位置ズレ補正手段を構成する。なお、4通りの画像データ相互間の位置ズレは、プリント基板2の位置ズレに起因して生じるものである。
具体的に、図4(a)に示す第1画像データを取得した後、図4(b)に示す第2画像データを取得するまでの間に、プリント基板2が位置ズレを起こした場合には、パターン光の照射エリア50(CCDカメラ5の撮像視野60)の位置が、第1画像データを撮像した際に対象となった検査エリアの位置(2点鎖線部分参照)からずれた状態となる。
そして、上記補正処理を行う際には、まず第1画像データに係るマーク70の相対位置座標を基準として、第2画像データに係るマーク70の相対位置座標の位置ズレ量(Δx,Δy)を算出する。
続いて、この位置ズレ量(Δx,Δy)を基に、第1画像データと第2画像データの相互間の位置ズレを補正する。同様に第1画像データと第3画像データの相互間の位置ズレ、第1画像データと第4画像データの相互間の位置ズレに関しても同様の処理を行い、複数通りの画像データ相互間の位置ズレを補正する。具体的には、各画像データの各画素の位置座標を再配置し直す。
制御装置6は、位置ズレを補正した4通りの画像データに基づき、背景技術においても説明した公知の位相シフト法によって、各座標(画素)毎の高さ計測を行う。各画素毎に上記処理を繰り返すことで、検査エリア全体についての高さデータを得ることができる。
上述したような位置ズレが生じていない正常時、第1〜第4画像データ上の計測対象点Pの光の強度I1、I2、I3、I4は、下記式(1)〜(4)で与えられる。
I1=Asinθ+B ・・・(1)
I2=Asin(θ+π/2)+B ・・・(2)
I3=Asin(θ+π)+B ・・・(3)
I4=Asin(θ+3π/2)+B ・・・(4)
但し、A:反射率、B:オフセット成分、θ:高さを導出するための位置情報。
そして、これらの式(1)乃至(4)により、下記式(5)が導出される。
θ=arctan{(I1−I3)/(I2−I4)} ・・・(5)
そして、この位置情報θを用いて、プリント基板2上のクリームハンダ等の計測対象点Pの3次元座標(X,Y,Z)が求められ、もって三次元形状、特に高さが計測される。
但し、上述したように計測途中にプリント基板2が位置ズレを起こした場合には、計測対象点Pに照射されるパターン光の縞もその分ずれた縞が照射されることとなる。これに鑑み、本実施形態では、パターン光の位相ズレ量を補正した上で、上記演算処理を行うこととなる。この処理の機能が本実施形態における演算手段を構成する。
位相ズレ量Δφは、位相の進行方向に対するプリント基板2の位置ズレ量であるΔxを基に、下記式(6)により求めることができる。
Δφ=Δx/(T×2π) … (6)
但し、T:縞ピッチ(パターン光の周期)、Δxは位相の進行方向にずれた場合を負とする。
従って、例えば第2画像データに係り、位相ズレ量Δφを補正する場合には、上記式(3)を下記式(3´)として、高さ計測を行うこととなる。
I2=Asin(θ+π/2+Δφ)+B ・・・(3´)
このようにして得られた各検査エリア毎の計測データは、制御装置6の演算結果記憶装置25に格納される。そして、当該検査エリア毎の計測データに基づいて、基準面より高くなったクリームハンダの印刷範囲が検出され、この範囲内での各部位の高さを積分することにより、印刷されたクリームハンダの量が算出される。そして、このようにして求めたクリームハンダの位置、面積、高さ又は量等のデータが予め設定データ記憶装置26に記憶されている基準データと比較判定され、この比較結果が許容範囲内にあるか否かによって、その検査エリアにおけるクリームハンダの印刷状態の良否が判定される。
かかる処理が行われている間に、制御装置6は、モータ15,16を駆動制御してプリント基板2を次の検査エリアへと移動せしめ、以降、上記一連の処理が、全ての検査エリアで繰り返し行われる。
このように、本実施形態の基板検査装置1においては、制御装置6の制御により検査エリアを移動しながら、順次画像処理を行うことにより、プリント基板2上のクリームハンダの高さ計測を含む三次元計測を行い、クリームハンダの印刷状態を高速かつ確実に検査することができるようになっている。
以上詳述したように、本実施形態では、パターン光と合わせて、光強度及び位相が一定の均一光が照射される。これにより、パターン光の縞に邪魔されることなく、当該均一光が照射された補正エリア51内にてプリント基板2上のマーク70を常に同じ態様で捉えることができ、当該マーク70の位置を特定することができる。
これにより、位相シフト法に係る4通りの画像を撮像する間にプリント基板2の位置がずれてしまったとしても、本実施形態では、各画像データ毎に検出されたマーク70の相対位置関係に基づき、4通りの画像データ相互間の位置ズレ、すなわちプリント基板2の位置ズレを補正することができる。
また、プリント基板2の位置がずれてしまった場合、計測対象点Pに照射されるパターン光の縞もその分ずれた縞が照射されることとなるが、本実施形態では、これに鑑み、パターン光の位相ズレ量Δφを補正した上で、プリント基板2上の計測対象点Pにおける高さ計測を行う。
結果として、プリント基板2の位置ズレにより生じる画像データのズレを演算処理でソフト的に補正することができるため、計測精度の低下を抑制することができる。ひいては、プリント基板2が検査位置にて完全に停止せず多少揺れている状態においても計測が可能となるため、プリント基板2が停止するまでの待機時間を短くすることができ、全体として計測時間の短縮化を図ることができる。
尚、上述した実施形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、三次元計測装置を、プリント基板2に印刷形成されたクリームハンダの高さを計測する基板検査装置1に具体化したが、これに限らず、例えば基板上に印刷されたハンダバンプや、基板上に実装された電子部品など、他のものの高さを計測する構成に具体化してもよい。
また、上記実施形態では、プリント基板2について特に言及していないが、プリント基板2がフレキシブル基板など比較的軟らかい材質のものであってもよい。
(b)上記実施形態では、パターン光の照射エリア50とCCDカメラ5の撮像視野60とが一致するように設定されているが、これに限らず、例えば照射エリア50又は撮像視野60のどちらか一方が他方より大きく設定されるようにしてもよい。この際、少なくとも均一光が照射される補正エリア51が撮像視野60内に収まっていればよい。
(c)上記実施形態では、パターン光の矩形状の照射エリア50の四隅のうち所定の対角線上に並ぶ2つコーナー部において、均一光が照射される矩形状の補正エリア51が設けられている。補正エリア51の数、形状、大きさ、位置などは上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、撮像視野60の一辺に沿って補正エリア81が設定された構成としてもよい。また、補正エリア51を1箇所又は3箇所以上設けた構成としてもよい。複数箇所でマーク70を検出することができれば、プリント基板2が回転して位置ズレを起こした場合でも、それを検出することができる。
(d)上記実施形態では、パターン光の縞が、X軸方向に直交しかつY軸方向に平行に照射される。これに限らず、CCDカメラ5の矩形状の撮像視野60の各辺(X軸方向及びY軸方向)に対し、パターン光の縞の方向が斜めに交わる構成としてもよい。
例えば、短冊状のラインごとに透過率或いは反射率を制御可能な液晶パネルを利用してパターン光及び均一光を照射する構成において、図5に示すように、仮に撮像視野60の所定辺に対して平行な縞を照射した場合には、一ライン全域を均一光の照射される補正エリア81としなければならない。これに対し、図6に示すように、撮像視野60の各辺に対してパターン光の縞の角度を斜めにすれば、均一光の照射される補正エリア82を、撮像視野60のコーナー部の三角形の領域として設けることができ、その面積を比較的小さくすることができる。結果として、パターン光の照射される領域、すなわち三次元計測可能な領域の面積をより大きく確保することができる。この際、図6に示すように、撮像視野60の各辺に対し、パターン光の縞の方向が45度で交わることがより好ましい。このようにすれば、撮像視野60のコーナー部において二等辺三角形状の補正エリア82を設定することができ、X軸方向及びY軸方向に対する位置ズレを偏りなく検出することができる。勿論、必ずしも45度という数値に限定されるわけではなく、例えば30度であってもよいし、40度であってもよい。
(d)上記実施形態では、特定対象としてプリント基板2上のマーク70を検出する構成としているが、これに限らず、例えばプリント基板2上の電極やパターンなどを検出する構成としてもよい。また、プリント基板2のCADデータ等を予め記憶しておき、当該データを参照して検査エリア毎に、検出する特定対象を適宜変更する構成としてもよい。
1…基板検査装置、2…プリント基板、4…照明装置、5…CCDカメラ、6…制御装置、50…照射エリア、51…補正エリア、60…撮像視野、70…マーク、Δx,Δy…位置ズレ量、Δφ…位相ズレ量。

Claims (6)

  1. 少なくとも被計測物に対し、縞状の光強度分布を有しかつ複数通りに位相変化させたパターン光を照射可能な照射手段と、
    前記パターン光の照射された前記被計測物からの反射光を撮像可能な撮像手段と、
    複数通りに位相変化させた前記パターン光を照射して前記撮像手段にて撮像された複数通りの画像データに基づき、位相シフト法により三次元計測を行う画像処理手段とを備えた三次元計測装置であって、
    前記照射手段は、
    前記パターン光が照射される前記被計測物上の所定エリア内の少なくとも1箇所に対し、光強度及び位相が一定の均一光を照射可能に構成され、
    前記画像処理手段は、
    前記均一光が照射された特定エリア内にて検出される前記被計測物上の特定対象の位置を特定する特定対象検出手段と、
    各画像データ毎に検出される前記特定対象の相対位置関係に基づき、複数通りの画像データ相互間の位置ズレを補正する位置ズレ補正手段と、
    前記画像データ相互間の位置ズレ量を基に前記パターン光の位相ズレ量を補正した上で、前記位置ズレを補正した複数通りの画像データに基づき、前記被計測物上の計測対象点における高さ計測を行う演算手段とを備えたことを特徴とする三次元計測装置。
  2. 前記均一光が照射される特定エリアを複数備えたことを特徴とする請求項1に記載の三次元計測装置。
  3. 前記位置ズレ補正手段は、
    前記複数通りの画像データのうちの所定の画像データに係る前記特定対象の位置を基準として、当該特定対象と他の画像データに係る前記特定対象との相対位置関係に基づき、複数通りの画像データ相互間の位置ズレを補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元計測装置。
  4. 前記演算手段は、
    前記位置ズレ量のうち前記パターン光の縞の方向と直交する方向の成分を基に、前記パターン光の位相ズレ量を算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の三次元計測装置。
  5. 前記撮像手段の矩形状の撮像視野の各辺に対し、前記パターン光の縞の方向が斜めに交わることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の三次元計測装置。
  6. 前記撮像視野の各辺に対し、前記パターン光の縞の方向が45度で交わることを特徴とする請求項5に記載の三次元計測装置。
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