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JP4830561B2 - 塗装方法及び塗装システム - Google Patents

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Description

本発明は、自動車ボディや自動車部品などの被塗物に光輝性顔料を含まないソリッド塗料を塗装する塗装方法及び塗装システムに関する。
自動車ボディの塗装系は、主として防錆を目的とする下塗り塗装と、防錆のほか上塗り塗膜の密着性や平滑性の向上を目的とする中塗り塗装と、防錆のほか意匠性の向上を目的とする上塗り塗装とで構成される3コート塗装系が一般的である。
上塗り塗装で用いられる塗料には、アルミニウムフレークなどの光輝性顔料を含有したメタリック塗料と、こうした光輝性顔料を含まず着色顔料を含有したソリッド塗料がある。また、中塗り塗料は、上塗りソリッド塗料と同じく、光輝性顔料を含まず着色顔料を含有したソリッド塗料である。
本明細書及び特許請求の範囲では、光輝性顔料を含有しない塗料を、中塗り塗装及び上塗り塗装といった使用される塗装工程に拘らずソリッド塗料と称する。
ところで、上塗り塗装においてソリッド塗料を塗装する場合、下地である中塗り塗膜(薄いグレー色であることが多い。)を隠蔽するだけの膜厚を確保する必要があり、隠蔽力の弱い赤系の塗色においては最低でも15μmの膜厚で塗装しなければならない。同様に、中塗り塗装においても下地である電着塗膜(濃いグレー又は濃いグリーンであることが多い。)を隠蔽するだけの膜厚を確保する必要があり、薄いグレー色である中塗り塗料にあっては最低でも25μmの膜厚で塗装しなければならない。
しかしながら、紫外線透過による塗膜劣化などの塗膜物性を確保するための膜厚は、たとえば上塗り塗膜では8μm程度であり、単に隠蔽力が弱いという理由で上述した膜厚15μmを確保しなければならなかったので、薄膜でも隠蔽力が強い塗装技術の開発が望まれている。
特開2002−256216号公報
本発明は、ソリッド塗料の隠蔽力を向上させ薄膜化が可能な塗装方法及び塗装システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の塗装方法は、光輝性顔料を含まないソリッド塗料に光輝性顔料を含有させた塗料を、塗装面に塗着するときの前記塗料の平均粒径が前記光輝性顔料の平均粒径以下となるように霧化して塗装する第1ステージと、前記第1ステージで形成された塗膜上に前記光輝性顔料を含まないソリッド塗料を霧化塗装する第2ステージと、を有することを特徴とする。
また、本発明の塗装システムは、ベルカップへ塗料を供給する塗料供給系と、前記ベルカップの周速度を調節する周速度調節器と、これら塗料供給系及び周速度調節器を制御する制御手段とを備え、光輝性顔料を含まないソリッド塗料に光輝性顔料を含有させた塗料を、塗装面に塗着するときの前記塗料の平均粒径が前記光輝性顔料の平均粒径以下となるように前記塗料を霧化して塗装する第1ステージに設けられた回転霧化式塗装装置と、前記第1ステージで形成された塗膜上に前記光輝性顔料を含まないソリッド塗料を霧化塗装する、第2ステージに設けられた塗装装置と、を有することを特徴とする。
本発明では、光輝性顔料を含有しないソリッド塗料を塗装するにあたり、このソリッド塗料に光輝性顔料を含有させ、第1ステージにおいてこの塗料を、塗着時の平均粒径が光輝性顔料の平均粒径以下になるように霧化して塗装するので、塗装面において光輝性顔料がほぼ平行に配向することになる。これにより、下地の隠蔽力が向上する。そして、この塗膜の上に本来の光輝性顔料を含まないソリッド塗料を塗装することで、ソリッド塗膜の隠蔽力が向上し、薄膜化を実現することができる。
発明の実施の形態
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は本発明の塗装方法により塗装した積層塗膜の一例を示す塗膜断面図、図2は図1に示す積層塗膜の塗装工程を示すフローチャートである。また、図5は本発明の塗装方法に係る光輝性顔料の一例を示す正面図および側面図、図6は本発明の塗装方法に係る第1ステージでの塗着メカニズムを説明するための模式図である。
本実施形態は、自動車ボディの3コート塗装系の中塗り工程に本発明の塗装方法を適用した例である。
最初に自動車ボディの塗装工程の概要を説明すると、車体ラインで組み立てられたホワイトボディは、まず電着塗装工程に搬入される。この電着塗装工程では、ホワイトボディに付着した油分や鉄粉などを洗浄したのち表面調整およびリン酸亜鉛などの化成皮膜処理が施され、さらに下塗り塗膜を構成する電着塗装が行われる(図2の電着塗装工程)。
ポリアミン樹脂などのエポキシ系樹脂を基体樹脂とする電着塗料が塗布されたボディは、電着乾燥炉に搬入されて、たとえば160〜180℃で15分〜30分焼き付けられ、これにより図1のボディ鋼板11の表面に、膜厚10μm〜35μmの電着塗膜12が形成される(図2の電着焼き付け工程)。電着塗膜12は、ボディ鋼板11の歪や電着塗膜12自体の欠陥を視認し易いようにグレー色又はグリーン色に着色されている。
電着塗膜12が形成されたボディは、図示しないシーリング工程(アンダーコート工程、ストーンガードコート工程を含む。)に送られて、鋼板合わせ目や鋼板エッジ部に防錆または目止めを目的とした塩化ビニル系樹脂製シーリング材が塗布される。また、アンダーコート工程では、タイヤハウスや床裏に塩化ビニル樹脂系の耐チッピング材が塗布され、ストーンガードコート工程では、シルやフェンダなどのボディ外板下部にポリエステル系又はポリウレタン系樹脂製耐チッピング材が塗布される。なお、これらシーリング材や耐チッピング材は専用の乾燥炉または次に述べる中塗り乾燥炉にて硬化することになる。
シーリング材や耐チッピング材が塗布され、内外板に電着塗膜12が形成されたボディは、次に中塗り塗装工程に搬入される。
中塗り塗装工程は、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂などを基体樹脂とし、これに着色顔料や添加剤を添加した塗料原液を溶剤(水系塗料の場合は水)で希釈した中塗り塗料を、電着塗膜12の表面に塗装する工程であるが、本例の中塗り塗装工程は、第1ステージと第2ステージとから構成されている。
まず、第1ステージでは、上述した光輝性顔料を含有しないオリジナルの中塗り塗料に、アルミフレークやマイカ箔などの光輝性顔料を、好ましくは樹脂成分100重量部に対して14重量部以上の含有比率で添加し、この光輝性顔料含有中塗り塗料を、回転霧化式塗装ガンを用いて塗装する。
このとき、光輝性顔料含有中塗り塗料の塗装条件は、電着塗膜12の表面に塗着するときの中塗り塗粒の平均粒径が、光輝性顔料の平均粒径以下となる条件である。
ここで、本例に係る中塗り塗料に含有させる光輝性顔料1は、図5に示すように鱗片状をなすものであり、平面視における実質面積を円2に換算したときの半径Rを本発明にいう平均粒径と定義する。すなわち、本発明に係る光輝性顔料の平均粒径とは、同図に示す厚さtではなく、主面の平均直径Rを意味するものとする。一般的に、自動車用上塗りベース塗料中に含まれる光輝性顔料の平均粒径Rは10〜30μm程度であり、厚みは0.2〜1μm程度である。したがって、含有する鱗片状光輝性顔料の主面の平均直径が20μmであるときは、中塗り塗料の塗着時の粒径を20μm以下に微粒化して塗装する。
ところで、塗料粒子の平均粒径は、塗料の吐出量と回転霧化塗装ガン(霧化頭)の回転数および霧化頭の直径によって制御することができる。塗料の吐出量は膜厚との関係で一定の制限があることから、本例では回転霧化式塗装ガンのベルカップの回転数、厳密には周速度を制御することで、上記の微粒化を実現する。すなわち、本例の第1ステージでは、塗着時の光輝性顔料含有中塗り塗料の平均粒径が鱗片状光輝性顔料の平均粒径以下となるように、ベルカップの周速度を180〜240m/sec(直径50mmのベルカップを用いた場合は回転数70,000〜90,000rpmに相当する。)で制御しながら塗装する。
なお、塗着時の粒径は、レーザー光散乱方式の粒子径測定装置を用いて測定することができる。またこの測定と校正をとった画像処理計測システムを用いることもできる。後者の方法では、ガラス板にフッ素系界面活性剤を薄膜に塗布し、その板を1秒くらいの時間、被塗物表面に暴露する。このようにして捕集した塗料粒子を顕微鏡で拡大してその粒子径を測定することによって容易に測定することができる。本発明においては、このようにして測定した塗料粒子径の重量平均粒径を塗料粒子の平均粒径として用いている。
本例では、アルミフレークやマイカ箔のような鱗片状光輝性顔料を中塗り塗料に含有させ、この塗料を第1ステージにて、5±2μmの膜厚になるように塗装する。このように、塗着時(もしくは塗着直前)の塗料粒子の平均粒径が光輝性顔料の平均粒径よりも小さくすることにより、多量もしくは高速のエアー流れを形成することなく、光輝性顔料を塗装面に平行に配向させることができ、もって下地隠蔽力を高めることができる。
このように、高速のエアー流れがない場合の、塗料の粒子径と光輝性顔料の配向との関係はこれまで知られていなかったが、塗料粒子径が小さく、特に光輝性顔料の平均粒径と同等もしくはそれ以下の粒子径になった場合に、顕著な効果を発揮することから、本発明者らは、塗料粒子径が小さい場合の光輝性顔料の配向には特別な作用があるとの結論に至った。
すなわち、塗料粒子が塗着したときの表面張力が、光輝性顔料の配向を支配する要因であるとの結論である。つまり、微粒化されて飛行途中にある塗料粒子の内部では、光輝性顔料の方向性は定まらず被塗物に対してランダムになっていると予想される。ところが、塗料粒子が塗着した場合には、既に塗着して被塗物表面を覆っている塗料と融合する際に、表面張力によって表面を平滑にする効果があるが、本例の塗装方法によれば、塗着した塗料粒子にほぼ同程度の大きさの鱗片状光輝性顔料が含まれているため、光輝性顔料は表面張力によって塗料表面と平行に引っ張られると推察される。この表面張力による配向では、塗料粒子の衝突速度を高めることで塗料粒子を被塗物表面で押し潰すのと同程度の力が作用していると考えられる。
これに対し、光輝性顔料の平均粒径よりも大きな平均粒径の塗料粒子で塗装した場合には、塗料粒子が表面張力で平滑になるように流動しても、その塗料粒子の内部で光輝性顔料が配向の自由度をある程度有しているため、被塗物の表面と完全には平行にならないと考えられ、これにより光輝性顔料の配向が不十分になると推察される。
また、塗料粒子の平均粒径が光輝性顔料の平均粒径よりもはるかに小さくなった場合には、光輝材が単独で塗着するのと同視できることから、やはり配向が良好になると考えられる。すなわち光輝性顔料が単独で被塗物に塗着する場合には、光輝性顔料は最も広い面、すなわち鱗片状光輝性顔料の主面(平面部)で被塗物に塗着することが最も安定であると考えられ、これにより鱗片の主面が被塗物と平行に配向することになり、光輝性顔料が塗装の全面に敷きつめられた状態となって優れた隠蔽力を示すことになる。
この様子を図6(A)〜(C)に示す。同図において、符号1が鱗片状光輝性顔料、符号3が塗料粒子、符号4が被塗物であり、同図(A)はそれぞれ鱗片状光輝性顔料1を含有する2つの塗料粒子3が被塗物4に向かって飛行している状態を示す。同図(A)の下側の塗料粒子3が被塗物4の表面に到着すると、同図(B)に示すように塗料粒子3が被塗物4の表面に沿ってその表面張力により平滑になろうと流動して放射状に広がる。このとき、塗料粒子3に含まれた光輝性顔料1は、塗料粒子3の粒径が自分の粒径より小さいので塗料粒子3の内部で自由度をもつことができず、光輝性顔料1の主面が被塗物4の表面に沿って動くことになる。そして、同図(C)に示すように、塗料粒子3が被塗物4の表面に広がると光輝性顔料1も被塗物4の表面に平行に配向した状態で塗料粒子3の内部に包含されることになる。このような塗着メカニズムによって、各塗料粒子3が被塗物4の表面に堆積し塗膜を形成するので、光輝性顔料1が被塗物4の表面に平行に配向した塗膜を得ることができる。
図1及び図2に戻り、中塗り塗装工程の第1ステージにて光輝性顔料含有中塗り塗料を上述した条件で塗装したら、ウェットオンウェットで、本来の中塗り塗料を15±2μmの膜厚になるように塗装する。この第2ステージでは、光輝性顔料を含有しないオリジナルの中塗り塗料を、たとえば回転霧化式塗装ガンを用いて、そのベルカップの周速度を、上述した第1ステージよりも小さい、たとえば50〜110m/sec(直径50mmのベルカップを用いた場合は回転数20,000〜40,000rpmに相当する。)で制御しながら塗装する。
なお、この第2ステージは、中塗り塗膜本来の機能、すなわち防錆性能及び上塗り塗膜の密着性能が発揮されれば充分であることから、回転霧化式塗装ガンには何ら限定されず、また回転霧化式塗装ガンを用いて塗装する場合であっても上述したベルカップの回転数は必須の塗装条件ではない。
また、第1ステージにて光輝性顔料含有塗料を塗装したのち、これを焼き付け、硬化塗膜の表面に第2ステージの中塗り塗料を塗装しても良い。
以上の第1ステージと第2ステージを終了したら、図1に示すように電着塗膜12の表面に、5±2μmの光輝性顔料含有中塗り塗膜13Aと、15±2μmの光輝性顔料を含有しない中塗り塗膜13Bが形成されるので、次にボディを中塗り乾燥炉に搬送し、たとえば130〜150℃で15分〜30分通過させることにより、膜厚20±4μmの中塗り塗膜13が形成される(図2の中塗り焼き付け工程)。
上述したとおり、従来の中塗り塗装方法では、濃いグレー又は濃いグリーンである電着塗膜を隠蔽するには最低でも25μmの膜厚が必要とされたが、本例のように第1ステージにて光輝性顔料を含有する中塗り塗料を上記の条件で超微粒化して塗装することで隠蔽力が向上し、これにより約5μm薄膜化することができる。
なお、中塗り焼き付け工程を終了したボディは、上塗りブースに搬送されて上塗り塗料が塗装されたのち(図2の上塗り塗装工程)、上塗り乾燥炉に搬送され、これにより上塗り塗膜14が形成される(図2の上塗り焼き付け工程)。
《第2実施形態》
図3は本発明の塗装方法により塗装した積層塗膜の他の例を示す塗膜断面図、図4は図3に示す積層塗膜の塗装工程を示すフローチャートである。
本実施形態は、自動車ボディの3コート塗装系の上塗り工程に本発明の塗装方法を適用した例であるが、図3に示す電着塗膜12及び図4に示す電着塗装工程および電着焼き付け工程までの実施形態は上述した第1実施形態と同じであるため省略する。
本例の中塗り塗装工程では、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂などを基体樹脂とし、これに着色顔料や添加剤を添加した塗料原液を溶剤(水系塗料の場合は水)で希釈した中塗り塗料を、電着塗膜12の表面に塗装する。そして、ボディを中塗り乾燥炉に搬送し、たとえば130〜150℃で15分〜30分通過させることにより、膜厚25±2μmの中塗り塗膜13を形成する。
なお、この中塗り塗膜13に代えて、上述した第1実施形態の中塗り塗膜13A,13Bを採用しても良い。
本例の上塗り塗装工程は、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂などを基体樹脂とし、これに着色顔料や添加剤を添加した塗料原液を溶剤(水系塗料の場合は水)で希釈したソリッドカラーの上塗り塗料を、中塗り塗膜13の表面に塗装する工程であるが、本例の上塗り塗装工程は、第1ステージと第2ステージとから構成されている。
まず、第1ステージでは、上述した光輝性顔料を含有しないオリジナルの上塗りソリッド塗料に、アルミフレークやマイカ箔などの光輝性顔料を、好ましくは樹脂成分100重量部に対して14重量部以上の含有比率で添加し、この光輝性顔料含有上塗り塗料を、回転霧化式塗装ガンを用いて塗装する。
このとき、光輝性顔料含有上塗り塗料の塗装条件は、中塗り塗膜13の表面に塗着するときの上塗り塗粒の平均粒径が、光輝性顔料の平均粒径以下となる条件である。上記第1実施形態でも説明したが、一般的に、自動車用上塗りベース塗料中に含まれる光輝性顔料の平均粒径Rは10〜30μm程度であり、厚みは0.2〜1μm程度である。したがって、含有する鱗片状光輝性顔料の主面の平均直径が20μmであるときは、上塗り塗料の塗着時の粒径を20μm以下に微粒化して塗装する。また、回転霧化式塗装ガンを用いて塗装する場合には、第1実施形態と同趣旨で、本例の第1ステージでは、塗着時の光輝性顔料含有上塗り塗料の平均粒径が鱗片状光輝性顔料の平均粒径以下となるように、ベルカップの周速度を180〜240m/sec(直径50mmのベルカップを用いた場合は回転数70,000〜90,000rpmに相当する。)で制御しながら塗装する。
本例では、アルミフレークやマイカ箔のような鱗片状光輝性顔料を上塗りソリッド塗料に含有させ、この塗料を第1ステージにて、7±2μmの膜厚になるように塗装する。このように、塗着時(もしくは塗着直前)の塗料粒子の平均粒径が光輝性顔料の平均粒径よりも小さくすることにより、多量もしくは高速のエアー流れを形成することなく、光輝性顔料を塗装面に平行に配向させることができ、もって下地隠蔽力を高めることができる。
図3及び図4に戻り、上塗り塗装工程の第1ステージにて光輝性顔料含有上塗り塗料を上述した条件で塗装したら、ウェットオンウェットで、本来の上塗りソリッド塗料を3±2μmの膜厚になるように塗装する。この第2ステージでは、光輝性顔料を含有しないオリジナルの上塗りソリッド塗料を、たとえば回転霧化式塗装ガンを用いて、そのベルカップの周速度を、上述した第1ステージよりも小さい、たとえば50〜110m/sec(直径50mmのベルカップを用いた場合は回転数20,000〜40,000rpmに相当する。)で制御しながら塗装する。
なお、この第2ステージは、上塗り塗膜本来の機能、すなわち意匠性(色目)及び防錆性能が発揮されれば充分であることから、回転霧化式塗装ガンには何ら限定されず、また回転霧化式塗装ガンを用いて塗装する場合であっても上述したベルカップの回転数は必須の塗装条件ではない。
また、第1ステージにて光輝性顔料含有塗料を塗装したのち、これを焼き付け、硬化塗膜の表面に第2ステージの上塗りソリッド塗料を塗装しても良い。
以上の第1ステージと第2ステージを終了したら、図3に示すように中塗り塗膜13の表面に、7±2μmの光輝性顔料含有上塗り塗膜14Aと、3±2μmの光輝性顔料を含有しない上塗り塗膜14Bが形成されるので、次にボディを上塗り乾燥炉に搬送し、たとえば130〜150℃で15分〜30分通過させることにより、膜厚10±4μmの上塗り塗膜14が形成される(図4の上塗り焼き付け工程)。
上述したとおり、従来の上塗り塗装方法では、グレー色である中塗り塗膜を隠蔽するには最低でも15μmの膜厚が必要とされたが、本例のように第1ステージにて光輝性顔料を含有する上塗り塗料を上記の条件で超微粒化して塗装することで隠蔽力が向上し、これにより約5μm薄膜化することができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
本発明の塗装方法により塗装した積層塗膜の一例を示す塗膜断面図である。 図1に示す積層塗膜の塗装工程を示すフローチャートである。 本発明の塗装方法により塗装した積層塗膜の他の例を示す塗膜断面図である。 図3に示す積層塗膜の塗装工程を示すフローチャートである。 本発明の塗装方法に係る光輝性顔料の一例を示す正面図および側面図である。 本発明の塗装方法に係る第1ステージでの塗着メカニズムを説明するための模式図である。
符号の説明
1…光輝性顔料
3…塗料粒子
4…被塗物
11…鋼板
12…電着塗膜
13…中塗り塗膜
13A…光輝性顔料含有中塗り塗膜
13B…中塗り塗膜
14…上塗り塗膜
14A…光輝性顔料含有上塗り塗膜
14B…上塗り塗膜

Claims (8)

  1. 光輝性顔料を含まないソリッド塗料に光輝性顔料を含有させた塗料を、塗装面に塗着するときの前記塗料の平均粒径が前記光輝性顔料の平均粒径以下となるように霧化して塗装する第1ステージと、
    前記第1ステージで形成された塗膜上に前記光輝性顔料を含まないソリッド塗料を霧化塗装する第2ステージと、を有することを特徴とする塗装方法。
  2. 前記第2ステージにおいて、前記第1ステージの平均粒径より大きい平均粒径となるように前記ソリッド塗料を霧化して塗装することを特徴とする請求項1記載の塗装方法。
  3. 前記第1及び第2ステージにおいて回転霧化式塗装ガンが用いられ、前記第1ステージにおける前記回転霧化式塗装ガンのベルカップの周速度が180〜240m/secであり、前記第2ステージにおける前記回転霧化式塗装ガンのベルカップの周速度が50〜110m/secであることを特徴とする請求項1又は2記載の塗装方法。
  4. 前記第1ステージにおける光輝性顔料含有塗料の樹脂成分100重量部に対する光輝性顔料の含有比率は、14重量部以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の塗装方法。
  5. 前記ソリッド塗料が中塗り塗料であり、前記第1ステージで形成される塗膜の膜厚が5±2μm、前記第2ステージで形成される塗膜の膜厚が15±2μmであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の塗装方法。
  6. 前記ソリッド塗料が上塗り塗料であり、前記第1ステージで形成される塗膜の膜厚が7±2μm、前記第2ステージで形成される塗膜の膜厚が3±2μmであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の塗装方法。
  7. 前記第1ステージにて塗装し、ウェットオンウェットで前記第2ステージにて塗装し、その後、これら第1及び第2ステージで塗装した塗膜を同時に焼き付けることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の塗装方法。
  8. ベルカップへ塗料を供給する塗料供給系と、
    前記ベルカップの周速度を調節する周速度調節器と、
    これら塗料供給系及び周速度調節器を制御する制御手段とを備え、光輝性顔料を含まないソリッド塗料に光輝性顔料を含有させた塗料を、塗装面に塗着するときの前記塗料の平均粒径が前記光輝性顔料の平均粒径以下となるように前記塗料を霧化して塗装する第1ステージに設けられた回転霧化式塗装装置と、
    前記第1ステージで形成された塗膜上に前記光輝性顔料を含まないソリッド塗料を霧化塗装する、第2ステージに設けられた塗装装置と、を有することを特徴とする塗装システム。
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