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JP4063358B2 - 積層塗膜の補修方法及び補修用塗料組成物 - Google Patents

積層塗膜の補修方法及び補修用塗料組成物 Download PDF

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JP4063358B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車車体等の外装塗膜等として用いられる積層塗膜の補修方法に関するものであり、詳細にはアルミ粉を含有したメタリック塗膜の上にクリヤ塗膜を積層した積層塗膜の補修方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体用などの塗料として、高い意匠性を付与することができるアルミ粉を含有したメタリック塗料と呼ばれる塗料が知られている。このようなメタリック塗料により、アルミニウム特有の金属光沢を有し、かつ見る角度により反射光量が変化するなどの高い意匠性を有する塗膜を形成することができる。
【0003】
メタリック塗膜の意匠性は、当然のことながら、アルミ粉自体の粒子形状等の影響を大きく受けるものである。従って、メタリック塗膜の意匠性をさらに高めるため、アルミ粉自体の特性改良の検討が進められている。光輝度の鮮明性を高めるため、アルミ粉の端部及び平面を平滑化することが検討されている。
【0004】
中でも、最近、光輝度の鮮明性及び鮮映性をさらに高めたアルミフレーク粉として、「高輝度・方向性(意匠性)アルミ」と呼ばれるアルミ粉(以下、「高輝度アルミ粉」という)が開発されている。このアルミ粉は、アルミ粉の端部及び表面を平滑化し、さらに粒子形状を円板状に近い形状にしたアルミ粉である。例えば、平均粒径D50を約20μm以下にし、アルミ粉の厚みをやや大きく調製したアルミ粉は、優れた鮮映性を与えるアルミ粉として検討されている。
【0005】
自動車車体等の塗装においては、このようなアルミ粉を含有したメタリック塗料を静電塗装した後、その上にウエットオンウエットでクリヤ塗料を塗装して積層塗膜を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
自動車車体等の塗装工程において、上記のようにして形成された積層塗膜に厚みムラやゴミ等の付着がある場合、その塗膜部分を研ぎ出し、補修用塗料を塗装して補修することが必要となる。この補修は、通常手吹きエアースプレー等のスプレー塗装で行われる場合が多い。当然のことながら、このようにして補修された補修部分の塗膜は、補修部分以外の塗膜と同一の外観を呈することが必要である。
【0007】
しかしながら、上述のような高輝度アルミ粉を用いて静電塗装されたメタリック塗膜では、アルミ粉が塗膜中でランダム状態に配向しており、手吹きエアースプレー等により塗装して得られる補修部分の塗膜中の配向と異なる場合があった。このような場合、補修部分の塗膜において、補修部分以外の塗膜のような光輝感が得られず、補修塗膜部分が異なる外観を呈するという問題を生じた。
【0008】
本発明の目的は、上述のような高輝度アルミ粉を用いた場合にも、メタリック塗膜において光輝感などの外観がほぼ同程度となるように補修することができる補修方法及び補修用塗料組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の補修方法は、平均粒径D 50 が10〜30μmであるアルミ粉を塗料中の固形分ベースの濃度(PWC)で3〜20重量%含有したメタリック塗料を静電塗装し、その上にウエットオンウエットでクリヤ塗料を塗装して得られる積層塗膜を補修する方法であり、メタリック塗料に、該メタリック塗料中のアルミ粉の平均粒径D 50 の80%以下で、かつ6〜18μmの範囲である平均粒径 50 を有する小粒径アルミ粉と、シリカ粒子とを、小粒径アルミ粉が補修用塗料の固形分100重量部に対し0.3〜6重量部、シリカ粒子が補修用塗料の固形分100重量部に対し2〜15重量部となるように添加して補修用塗料を調製する工程と、積層塗膜の補修部分を研ぎ出す工程と、研ぎ出した補修部分に上記補修用塗料を塗装する工程と、該塗装工程で得られた塗膜の上にウエットオンウエットでクリヤ塗料を塗装する工程と、補修用塗料の塗膜及びクリヤ塗料の塗膜を硬化させる工程とを備えている。
【0010】
本発明の補修方法によれば、補修用塗料として、メタリック塗料に、該メタリック塗料中のアルミ粉より小さな平均粒径を有する小粒径アルミ粉と、シリカ粒子とを添加して調製される補修用塗料を用いている。このような補修用塗料を用いることにより、スプレー塗装で塗装しても、静電塗装で塗装した場合と同様のランダム状態でアルミ粉を配向させることができる。従って、補修部分のメタリック塗膜において、補修部分以外のメタリック塗膜と同様の色及び光輝感を得ることができる。
【0011】
ここで、アルミ粉を含有するメタリック塗料を静電塗装した場合と、スプレー塗装した場合の塗装塗膜の違いについて説明する。静電塗装では、塗料の吐出量が大きく、かつ静電気の影響もあって、形成される塗膜中のアルミ粉はランダム状態に配向し易い。これに対して、手吹きエアースプレー等のスプレー塗装で塗装する場合には、塗料の吐出量が著しく少ない(例えば静電塗装の吐出量の約1/4程度)ので、アルミ粉は塗膜中において平行な状態に配列し易くなる。従って、同じメタリック塗料を静電塗装で塗装した場合と、スプレー塗装で塗装した場合では、アルミ粉の配向状態が異なる場合があり、光輝感やフリップフロップ性において大きな差が生じる場合がある。このような光輝感やフリップフロップ性の差は、上述のような高輝度アルミ粉を用いた場合に特に顕著になる。フリップフロップ性に関しては、静電塗装した塗膜はアルミ粉の粒子感があり、キラキラした感じであり、ハイライトの位置(塗膜表面に対し法線方向の位置)から見た場合には黒く、シェードの位置(塗膜表面に対し斜め方向の位置)から見た場合には白く見える。これに対し、スプレー塗装した塗膜では、アルミ粉の粒子感がなく、べた塗りしたような感じになり、ハイライトの位置から見た場合には白く、シェードの位置から見た場合には黒く見えるようになってしまう。
【0012】
本発明の補修方法によれば、補修用塗料として、メタリック塗料に小粒径アルミ粉とシリカ粒子とを添加した塗料を用いることにより、手吹きエアースプレー等のスプレー塗装でも、アルミ粉をランダム状態に配向させることができ、静電塗装の塗膜部分と同様の塗膜外観を有する塗膜を形成することができる。
【0013】
また、本発明の補修方法によれば、積層塗膜の形成に用いたメタリック塗料に所定量の小粒径アルミ粉及びシリカ粒子を添加することにより補修用塗料を調製することができるので、煩雑な調色作業を行う必要がなく、従って補修作業を簡便にすることができる。また、仕上がりにばらつきのない補修作業を行うことができる。従って、補修作業の熟練者でなくとも補修作業が可能となる。
【0014】
本発明の補修方法においては、小粒径アルミ粉及びシリカ粒子をそれぞれ塗料またはペーストの形態でメタリック塗料に添加して補修用塗料を調製することが好ましい。
【0015】
本発明の補修用塗料組成物は、平均粒径D 50 が10〜30μmであるアルミ粉を塗料中の固形分ベースの濃度(PWC)で3〜20重量%含有したメタリック塗料を静電塗装し、その上にウエットオンウエットでクリヤ塗料を塗装して得られる積層塗膜のメタリック塗膜部分を補修するための塗料組成物であり、メタリック塗料に、メタリック塗料中のアルミ粉の平均粒径D 50 の80%以下で、かつ6〜18μmの範囲である平均粒径D 50 を有する小粒径アルミ粉と、シリカ粒子とを、小粒径アルミ粉が補修用塗料の固形分100重量部に対し0.3〜6重量部、シリカ粒子が補修用塗料の固形分100重量部に対し2〜15重量部となるように添加して調製されていることを特徴としている。
【0016】
本発明の積層塗膜は、平均粒径D 50 が10〜30μmであるアルミ粉を3〜20重量%(PWC)含有したメタリック塗膜の上にクリヤ塗膜を積層した積層塗膜であって、その一部に補修された補修塗膜部を有する積層塗膜であり、補修塗膜部のメタリック塗膜、補修塗膜部以外のメタリック塗膜を形成するメタリック塗料に、メタリック塗料中のアルミ粉の平均粒径D 50 の80%以下で、かつ6〜18μmの範囲である平均粒径D 50 を有する小粒径アルミ粉と、シリカ粒子とを、小粒径アルミ粉が補修用塗料の固形分100重量部に対し0.3〜6重量部、シリカ粒子が補修用塗料の固形分100重量部に対し2〜15重量部となるように添加して調製した補修用塗料から形成されていることを特徴としている。
【0017】
本発明の積層塗膜においては、補修塗膜部のメタリック塗膜中のアルミ粉が、補修塗膜部以外のメタリック塗膜中のアルミ粉とほぼ同程度のランダム状態で配向していることが好ましい。
【0018】
本発明の物品は、上記本発明の補修方法により補修された積層塗膜、上記本発明の補修用塗料組成物で補修された積層塗膜、または上記本発明の積層塗膜を有する物品である。
【0019】
本発明は、上述のように、静電塗装においてランダム状態に配向し易い高輝度アルミ粉を用いた場合に特に有用である。このような高輝度アルミ粉としては、例えば、塗装工学第29巻No.11(1994)の第442頁〜446頁において、グループD及びグループEとして分類されたアルミ粉が挙げられる。これらの中で、上述のように、平均粒径D50を約20μm以下とし、フレークの厚みをやや大きく調整し、アスペクト比を低くしたアルミ粉が特に鮮明性及び鮮映性において優れている。
【0020】
図4〜図7は、このような高輝度アルミ粉の一例の粒子形態を示す電子顕微鏡写真である。それぞれの拡大倍率は、300倍(図4)、1000倍(図5)、3000倍(図6)、及び10000倍(図7)である。
【0021】
図8〜図11は、一般的なアルミ粉の一例の粒子形態を示す電子顕微鏡写真である。それぞれの拡大倍率は、300倍(図8)、1000倍(図9)、3000倍(図10)、及び10000倍(図11)である。
【0022】
これらの電子顕微鏡写真の比較からも明らかなように、高輝度アルミ粉は、フレーク表面が平滑であり、円板状に近い形状を有している。また、一般的なアルミ粉では、細かい粒子がアルミ粉の表面に付着していることがわかる。
【0023】
本発明において用いるメタリック塗料中のアルミ粉の含有量は、特に限定されるものではないが、塗料中のPWC、すなわち固形分ベースの濃度で、3〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは4〜18重量%、さらに好ましくは5〜15重量%である。アルミ粉の含有量が少なすぎると、アルミ粉特有のメタリック感を十分に付与することができないことがあり、含有量が多すぎると、塗膜の光沢が低下する傾向にある。
【0024】
本発明においてメタリック塗料中に含有されるアルミ粉の平均粒径D50は、特に限定されるものではないが、一般には10〜30μm程度が好ましく、さらには15〜25μm程度が好ましい。
【0025】
本発明において補修用塗料に含有される小粒径アルミ粉は、メタリック塗料中のアルミ粉より小さな平均粒径を有するものであれば特に限定されるものではないが、一般には6〜18μm程度であることが好ましく、メタリック塗料中のアルミ粉の平均粒径に対しては、該アルミ粉の平均粒径の80%以下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは30〜50%の範囲の平均粒径であることが好ましい。なお、アルミ粉及び小粒径アルミ粉の平均粒径D50は、一般的な測定方法により測定されるものであり、例えば、レーザー回折式粒径分布測定装置により測定される値である。
【0026】
本発明において、補修用塗料中の小粒径アルミ粉の好ましい含有量は、後述するように、塗膜の色調により異なるため、塗膜の色調に応じて適宜選定されるが、一般には、補修用塗料の固形分100重量部に対し、0.3〜6重量部の範囲内で選定される。
【0027】
本発明において補修用塗料に含有されるシリカ粒子としては、親水性のシリカ粒子が好ましい。ここで、「親水性」とは、その表面がシリカ粒子自体の表面やその他の無機物の表面であることを意味しており、シランカップリング剤や有機チタネートなどの処理剤で親油性となるように処理が施されていないことを意味している。
【0028】
本発明において用いるシリカ粒子は、SiO2 を主成分とする粒状の粒子であればよく、例えば、スプレードライ法やそれに伴う粉砕・分級などの方法により製造されるシリカ粒子を用いることができる。
【0029】
本発明において用いるシリカ粒子の粒子径としては、一般に2〜100μm程度が好ましく、さらに好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは4〜15μmである。
【0030】
本発明における補修用塗料中のシリカ粒子の好ましい含有量は、後述するように、上記小粒径アルミ粉の含有量と同様、塗膜の色調によって異なる。従って、塗膜の色調に応じて適宜シリカ粒子の含有量が選定されるが、一般には、補修用塗料の固形分100重量部に対し、2〜15重量部の範囲内で選定される。
【0031】
また、本発明においては、メタリック塗料中に、上記シリカ粒子が含有されていてもよい。特に、アルミ粉として上記の高輝度アルミ粉を用いる場合には、このようなシリカ粒子を含有させることにより、塗膜外観のムラを減少させ、メタリック塗膜のフリップフロップ性を高めることができる場合がある。このようなメタリック塗料中のシリカ粒子の好ましい含有量は、樹脂固形分100重量部に対し0.1〜10重量部であり、好ましくは0.3〜7重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。なお、本発明において補修用塗料中のシリカ粒子の含有量は、このようなメタリック塗料中のシリカ粒子の含有量よりも一般的に多くなる。
【0032】
本発明において、補修用塗料の調製を、メタリック塗料に小粒径アルミ粉及びシリカ粒子を添加することにより行う場合、上述のように、小粒径アルミ粉及びシリカ粒子は、それぞれ塗料またはペーストの形態でメタリック塗料に添加されることが好ましい。小粒径アルミ粉を塗料として添加する場合には、該塗料中のアルミ粉以外の配合組成を、メタリック塗料とほぼ同じになるように調製することが好ましい。また、小粒径アルミ粉またはシリカ粒子をペーストとして添加する場合には、溶剤中に分散したペーストまたは溶剤とバインダー中に分散したペーストとすることが好ましい。この場合、使用するバインダーは、メタリック塗料中のバインダーと同じ種類のバインダーであることが好ましい。
【0033】
本発明において用いるアルミ粉及び小粒径アルミ粉は、一般に溶剤中に分散したアルミ粉ペーストとして入手することができる。
本発明においては、補修部分に補修塗料を塗装した後、その上にクリヤ塗料が塗装される。この補修部分に塗装されるクリヤ塗料は、一般に静電塗装のメタリック塗膜の上に塗装されるクリヤ塗料と同様のものが用いられるが、異なる配合組成のクリヤ塗料を用いることも可能である。
【0034】
本発明において、補修対象となる積層塗膜中のメタリック塗膜は、一般に静電塗装により塗装される。静電塗装の方式としては、一般的な静電塗装方式が採用され、例えば、エアー霧化(オートREA)、回転遠心霧化(ベル、マイクロベル)を利用した静電塗装方式が挙げられる。
【0035】
また、メタリック塗膜の上のクリヤ塗膜は、一般的にスプレー塗装により塗装される。
補修部分における補修用塗料の塗装は、手吹きエアースプレーなどのスプレー塗装で行われ、同様に補修部分のクリヤ塗料も手吹きエアースプレーなどのスプレー塗装で行われる。
【0036】
本発明におけるメタリック塗料及び補修用塗料の塗料形態としては有機溶剤型、水性(水溶性、水分散性、エマルジョン)、非水分散型のいずれでもよい。また、メタリック塗料中には、必要により、有機・無機の着色顔料及び/または体質顔料を併用してもよい。
【0037】
また、目的に応じて、架橋樹脂粒子(ミクロゲル)、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤等を用いることができる。
上記架橋樹脂粒子は、塗料系に不溶であってかつ該塗料系に安定に分散する架橋樹脂粒子であり、一般にレオロジーコントロール剤として用いられる。架橋樹脂粒子の含有量としては、塗料中の固形分に対し0.1〜10重量%程度が好ましい。架橋樹脂粒子の含有量が多すぎると、塗膜外観が低下する傾向にある。また架橋樹脂粒子の含有量が少なすぎると、適当な粘性を付与することができない。
【0038】
このような架橋樹脂粒子としては、例えば、特開昭58−129066号公報に開示された重合体微粒子(C)を用いることができる。すなわち、架橋樹脂粒子は、>N−R−Yで示される両性イオン基(式中、Rは置換基を有することもあるC1 〜Cした6 のアルキレンもしくはフェニレン基、Yは−COOHまたは−SO3 H)を有する樹脂の存在下に、水性あるいは有機媒体中で、2種以上のα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体を共重合体させて製造することができる。上記両性イオン基を有する樹脂としては、例えば、ヒドロキシル基含有アミノスルホン酸型の両性イオン化合物の存在下にポリエステル樹脂を合成することにより両性イオン基を導入したポリエステル樹脂が挙げられる。重合させる単量体としては、分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する単量体、または相互に反応し得る基をそれぞれ担持する2種のエチレン性不飽和基を有する単量体の少なくとも1種の架橋性単量体と、架橋性単量体以外の単量体を共重合させる。
【0039】
分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する単量体としては、多価アルコールの重合性不飽和モノカルボン酸エステル、多塩基酸の重合性不飽和アルコールエステル、及び2個以上のビニル基で置換された芳香族化合物などが挙げられる。
【0040】
また、相互に反応し得る基をそれぞれ担持する2種のエチレン性不飽和基を有する単量体としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体などが挙げられる。
【0041】
また、架橋性単量体以外のα,β−エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有単量体;2−ヒドロキシエチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有単量体;アクリル酸アミドなどの重合性アミド;アルキルアクリレートまたはメタクリレート;スチレンなどの重合性芳香族化合物;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン;酢酸ビニルなどのビニル化合物などが挙げられる。
【0042】
本発明において用いるメタリック塗料及び補修用塗料のバインダーとしては、特に限定されるものではないが、一般には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フッ素系樹脂等の塗膜形成樹脂と、アミノ樹脂及び/またはブロックポリイソシアネート化合物などの架橋剤が組み合わせて用いられる。好ましい組成としては、アクリル樹脂とアミノ樹脂及び/またはブロックイソシネート化合物との組み合わせが挙げられる。塗料中の好ましい固形分含有量は、製造時30〜70重量%であり、塗布時10〜50重量%である。また、形成される塗膜の乾燥膜厚は、一般に10〜30μm程度が好ましい。
【0043】
自動車車体等の塗装において、メタリック塗料は、図3に示すように、基材であるリン酸塩処理などの化成処理を施した鋼板1の上に、電着塗装2及び中塗塗装3を施した後に塗装される。メタリック塗膜4の上にはクリヤ塗料が塗装されクリヤ塗膜5が形成される。一般に、クリヤ塗料は、ウェット・オン・ウェットで塗装され、メタリック塗膜4及びクリヤ塗膜5は、いわゆる2コート1ベークの積層塗膜として形成される。
【0044】
中塗塗膜3は、下地欠陥を隠蔽し、上塗塗装後の表面平滑性の確保と耐チッピング性を付与するために形成されるもので、有機系、無機系の各種着色顔料及び体質顔料を含む中塗塗料を用いて塗装される。中塗塗料の着色顔料としては、例えば、有機系のアゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料など、無機系の黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタンなど、また体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等が用いられる。標準的には、カーボンブラックと二酸化チタンを主要顔料としたグレー系中塗塗料が多用されるが、各種着色顔料を組み合わせた、いわゆるカラー中塗塗料を用いることもできる。
【0045】
塗料形態としては、有機溶剤型、水性(水溶性、水分散性、エマルジョン)、非水分散型のいずれでもよい。中塗塗料のバインダーとしては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂などを基本樹脂とし、これにアミノ樹脂や(ブロック)ポリイソシアネート化合物などの架橋剤を混合した樹脂、あるいは常温乾燥で硬化することができる2液型ポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂などを用いることができる。中塗塗料は、このバインダー樹脂と上記の着色顔料を形成塗膜が所望の色相になるように配合して調製されるが、固形分含有量は、製造時30〜70重量%、塗布時10〜50重量%が好ましい。また塗装形成される中塗塗膜の乾燥膜厚は、25〜50μm程度が好ましく、さらに好ましくは30〜40μm程度である。
【0046】
この他、中塗塗料として耐チッピング性プライマーと称するチッピング吸収機能を有する塗料を適用することも可能である。該耐チッピングプライマーは、単独で中塗塗料とされるほか、中塗塗料の前工程及び/または後工程として使用することもできる。
【0047】
クリヤ塗料5に用いる樹脂成分は、上述したメタリック塗料と同系統のものが用いられるが、必要に応じ、透明性を損ねない範囲で着色顔料や各種添加剤成分を配合することができる。クリヤ塗膜は、乾燥膜厚が20〜60μm程度の塗膜層を少なくとも1層形成することが好ましい。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例により詳細に説明する。なお、部及び%は、特に断らない限り、重量部及び重量%を意味する。
【0049】
〔評価塗膜の作製〕
図1を参照して、評価用の補修塗膜の作製について説明する。
リン酸亜鉛処理した厚さ0.8mm、20cm×30cmのダル鋼板1の上に、カチオン電着塗料「パワートップU−50」(日本ペイント社製、カチオン型電着塗料)を、乾燥膜厚20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間焼き付けて電着塗膜2を形成した。次に、得られた電着塗膜2の上に、グレー色の中塗塗料「オルガP−2グレー」(日本ペイント社製、ポリエステル・メラミン樹脂系塗料)を、乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、140℃で20分間焼付け中塗塗膜3を形成した。
【0050】
得られた中塗塗膜3の上に、表1に示す配合Aのメタリック塗料を、乾燥膜厚が15μmとなるように、2ステージでオートREAによりエアー静電塗装した。5分間のインターバルの後、ウエットオンウエットで、クリヤ塗料「スパーラックO−150クリヤ」(日本ペイント社製、アクリル・メラミン樹脂系塗料)を、乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、140℃で20分間焼付け、メタリック塗膜4及びクリヤ塗膜5を形成した。
【0051】
次に、図1に示す補修部分10の領域を、水研ぎにより、図1に示すように勾配がつくように研ぎ出し、補修部分10における中塗塗膜3が露出する程度にまでメタリック塗膜4及びクリヤ塗膜5からなる積層塗膜を除去した。
【0052】
次に、後述する実施例の補修用塗料を用いて、補修部分10の領域を3回に分けて手吹きスプレーで塗り重ね、補修メタリック塗膜11を形成した。補修メタリック塗膜11は、図1に示すようにメタリック塗膜4を少し超える範囲まで形成した。
【0053】
10分間セッティングした後、補修メタリック塗膜11の吹き付け範囲より5〜7cmオーバースプレーするように、クリヤ塗料を吹き付けた。なお、このクリヤ塗料は、クリヤ塗膜5の塗装の際に用いたのと同じクリヤ塗料を用いた。補修部分10以外の領域に飛散した塗料ダストを、溶剤で拭き取った後、10分間放置してセッティングした。その後140℃で20分間焼き付けて補修メタリック塗膜11及び補修クリヤ塗膜12を形成した。
【0054】
〔メタリック塗料の調製〕
表1に示す配合で、メタリック塗料Aを調製した。
【0055】
【表1】
Figure 0004063358
【0056】
〔補修用塗料の調製〕
上記メタリック塗料Aに、表2に示す配合割合で調製したシリカ含有ペーストBと、表3に示す配合割合で調製した小粒径アルミ粉含有塗料Cを、表4に示す配合割合で添加混合して補修用塗料を調製した。
【0057】
【表2】
Figure 0004063358
【0058】
【表3】
Figure 0004063358
【0059】
〔補修塗膜の評価〕
以上のようにしてライトブラウンの淡彩色(L値=75)の評価用塗膜を作製し、補修部分と補修していない部分の塗膜の外観について、目視でフリップフロップ性(FF性)と光輝感(粒子感、キラキラ感)を比較し、以下の基準で評価した。
【0060】
フリップフロップ性
◎:ハイライト部とシェード部の色相(明度)が等しい。
○:シェード部で色相(明度)が若干異なる。
×:ハイライト部とシェード部で色相(明度)が異なる。
【0061】
光輝感
◎:ハイライト部の輝度感が等しい。
○:ハイライト部の輝度感が若干異なる。
×:ハイライト部の輝度感が異なる。
評価結果を表4に示す。なお、表4において配合量は重量部である。
【0062】
【表4】
Figure 0004063358
【0063】
表4の結果から明らかなように、本発明に従い、メタリック塗料に小粒径アルミ粉及びシリカ粒子を添加して調製した補修用塗料を用いることにより、補修していない部分と補修部分の塗膜外観をほぼ一致させることができる。
次に、ダークグレーの濃彩色(L値=54)の塗膜作製用のメタリック塗料及び補修用塗料を調製し、同様にして評価試験を行った。
【0064】
〔メタリック塗料の調製〕
表5に示す配合割合でメタリック塗料Dを調製した。
【0065】
【表5】
Figure 0004063358
【0066】
〔補修用塗料の調製〕
表6及び表7に示す小粒径アルミ粉含有塗料E及びFを調製し、上記メタリック塗料Dに、小粒径アルミ粉含有塗料EまたはFと、表2に示す配合のシリカ粒子含有ペーストBを、表8に示す割合で添加混合し、補修用塗料を調製した。
【0067】
【表6】
Figure 0004063358
【0068】
【表7】
Figure 0004063358
【0069】
〔補修塗膜の評価〕
上記実施例と同様にして補修していない部分と補修部分の塗膜外観を評価し、評価結果を表8に示した。なお、表8において配合量は重量部である。
【0070】
【表8】
Figure 0004063358
【0071】
表8に示す結果から明らかなように、メタリック塗料に小粒径アルミ粉及びシリカ粒子を添加して調製した補修用塗料を用いることにより、補修していない部分と補修部分の塗膜外観をほぼ一致させることができる。
【0072】
表4に示す結果と表8に示す結果の比較から明らかなように、メタリック塗料に配合させる小粒径アルミ粉及びシリカ粒子の好ましい添加量は、塗膜の色調、すなわち塗膜のL値によって異なることがわかる。
【0073】
図2は、種々のL値の塗膜を上記のようにして作製し、フリップフロップ性及び光輝感が◎または○の評価を与える添加量を示すグラフである。図2において上方の細線は上限値を示し、下方の細線は下限値を示し、太線は平均値を示している。また小粒径アルミ粉含有塗料及びシリカ粒子含有ペーストの添加量は、メタリック塗料100重量部に対する重量部で示している。また小粒径アルミ粉含有塗料とシリカ粒子含有ペーストは、それぞれメタリック塗料100重量部に対し同じ重量部となるように添加している。
【0074】
図2から明らかなように、シリカ粒子含有ペーストの好ましい添加量は、塗膜のL値により異なっている。塗膜L値が70以上の淡彩色においては、メタリック塗料100重量部に対し40〜60重量部の添加量が好ましく、塗料L値が50以上70未満の中彩色においては、メタリック塗料100重量部に対し5〜50重量部の添加量が好ましく、塗膜L値が50未満の濃彩色においては、メタリック塗料100重量部に対し1〜10重量部の添加量が好ましい。これらの添加量を超えると補修塗膜部における粒子感が強くなりすぎ、フリップフロップ性が低下する。また、添加量が少なすぎると、フリップフロップ性が高くなりすぎ、補修していない部分の塗膜外観と一致しなくなる。
【0075】
上記の添加量を、シリカ粒子含有ペーストからシリカ粒子に換算すると、メタリック塗料の固形分100重量部に対し、以下のシリカ粒子添加量が好ましいことになる。
【0076】
塗膜L値70以上の淡彩色 :15〜25重量部
塗膜L値50以上70未満の中彩色:2〜20重量部
塗膜L値50未満の濃彩色 :0.2〜4重量部
【0077】
また、補修用塗料の固形分100重量部中のシリカ粒子含有量に換算すると、以下のようになる。
塗膜L値70以上の淡彩色 :5〜15重量部
塗膜L値50以上70未満の中彩色:3〜12重量部
塗膜L値50未満の濃彩色 :2〜7重量部
【0078】
また、小粒径アルミ粉含有塗料の好ましい添加量については、塗膜L値が70以上の淡彩色の場合、メタリック塗料100重量部に対し40〜60重量部の添加量が好ましく、塗膜L値が50以上70未満の中彩色の場合、メタリック塗料100重量部に対し5〜50重量部の添加量が好ましく、塗膜L値が50未満の濃彩色の場合、メタリック塗料100重量部に対し1〜10重量部の添加量が好ましい。これらの添加量の上限値を超えると、粒子感が抑えられすぎ、またこれらの添加量の下限値より低くなると粒子感が高くなりすぎる。
【0079】
小粒径アルミ粉含有塗料の添加量を、小粒径アルミ粉としての添加量に換算すると、メタリック塗料の固形分100重量部に対し、好ましい添加量は以下のようになる。
【0080】
塗膜L値70以上の淡彩色 :7〜12重量部
塗膜L値50以上70未満の中彩色:0.8〜9.5重量部
塗膜L値50未満の濃彩色 :0.1〜2重量部
【0081】
また、補修用塗料中における小粒径アルミ粉の含有量に換算すると、好ましい含有量は補修用塗料の固形分100重量部に対し、以下の通りとなる。
塗膜L値70以上の淡彩色 :2〜6重量部
塗膜L値50以上70未満の中彩色:0.5〜5重量部
塗膜L値50未満の濃彩色 :0.3〜4重量部
【0082】
以上のように、本発明におけるシリカ粒子及び小粒径アルミ粉の好ましい添加量または含有量は、塗膜のL値に応じて選定される
【0083】
また上記実施例では、メタリック塗料中のアルミ粉として高輝度アルミ粉を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、高輝度アルミ粉以外のアルミ粉を用いてもよい。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、メタリック塗膜とクリヤ塗膜からなる積層塗膜の補修において、補修部分と補修していない部分におけるメタリック塗膜の外観をほぼ一致させることができる。
【0085】
また、本発明における補修用塗料は、メタリック塗料に所定量の小粒径アルミ粉及びシリカ粒子を添加することにより調製することができる。従って、従来の煩雑な調色作業が必要なくなり、補修作業を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における積層塗膜を示す断面図。
【図2】本発明の実施例における塗膜のL値と小粒径アルミ粉含有塗料及びシリカ粒子含有ペーストの好ましい添加量との関係を示す図。
【図3】本発明における積層塗膜の一例を示す断面図。
【図4】高輝度アルミ粉の粒子形態を示す電子顕微鏡写真。
【図5】高輝度アルミ粉の粒子形態を示す電子顕微鏡写真。
【図6】高輝度アルミ粉の粒子形態を示す電子顕微鏡写真。
【図7】高輝度アルミ粉の粒子形態を示す電子顕微鏡写真。
【図8】一般的なアルミ粉の粒子形態を示す電子顕微鏡写真。
【図9】一般的なアルミ粉の粒子形態を示す電子顕微鏡写真。
【図10】一般的なアルミ粉の粒子形態を示す電子顕微鏡写真。
【図11】一般的なアルミ粉の粒子形態を示す電子顕微鏡写真。
【符号の説明】
1…鋼板
2…電着塗膜
3…中塗塗膜
4…メタリック塗膜
5…クリヤ塗膜
10…補修部分
11…補修メタリック塗膜
12…補修クリヤ塗膜

Claims (8)

  1. 平均粒径D 50 が10〜30μmであるアルミ粉を塗料中の固形分ベースの濃度(PWC)で3〜20重量%含有したメタリック塗料を静電塗装し、その上にウエットオンウエットでクリヤ塗料を塗装して得られる積層塗膜を補修する方法であって、
    前記メタリック塗料に、前記メタリック塗料中のアルミ粉の平均粒径D 50 の80%以下で、かつ6〜18μmの範囲である平均粒径 50 を有する小粒径アルミ粉と、シリカ粒子とを、小粒径アルミ粉が補修用塗料の固形分100重量部に対し0.3〜6重量部、シリカ粒子が補修用塗料の固形分100重量部に対し2〜15重量部となるように添加して補修用塗料を調製する工程と、
    前記積層塗膜の補修部分を研ぎ出す工程と、
    前記研ぎ出した補修部分に前記補修用塗料を塗装する工程と、
    前記塗装工程で得られた塗膜の上にウエットオンウエットでクリヤ塗料を塗装する工程と、
    前記補修用塗料の塗膜及び前記クリヤ塗料の塗膜を硬化させる工程とを備える積層塗膜の補修方法。
  2. 前記小粒径アルミ粉及び前記シリカ粒子をそれぞれ塗料またはペーストの形態で前記メタリック塗料に添加して補修用塗料を調製することを特徴とする請求項1に記載の積層塗膜の補修方法。
  3. 前記補修用塗料の塗装及び前記クリヤ塗料の塗装をスプレー塗装で行うことを特徴とする請求項1または2に記載の積層塗膜の補修方法。
  4. 平均粒径D 50 が10〜30μmであるアルミ粉を塗料中の固形分ベースの濃度(PWC)で3〜20重量%含有したメタリック塗料を静電塗装し、その上にウエットオンウエットでクリヤ塗料を塗装して得られる積層塗膜のメタリック塗膜部分を補修するための塗料組成物であって、
    前記メタリック塗料に、前記メタリック塗料中のアルミ粉の平均粒径D 50 の80%以下で、かつ6〜18μmの範囲である平均粒径D 50 を有する小粒径アルミ粉と、シリカ粒子とを、小粒径アルミ粉が補修用塗料の固形分100重量部に対し0.3〜6重量部、シリカ粒子が補修用塗料の固形分100重量部に対し2〜15重量部となるように添加して調製されていることを特徴とする補修用塗料組成物。
  5. 記小粒径アルミ粉及び前記シリカ粒子がそれぞれ塗料またはペーストの形態で前記メタリック塗料に添加されていることを特徴とする請求項4に記載の補修用塗料組成物。
  6. 平均粒径D 50 が10〜30μmであるアルミ粉を3〜20重量%(PWC)含有したメタリック塗膜の上にクリヤ塗膜を積層した積層塗膜であって、その一部に補修された補修塗膜部を有する積層塗膜であり、
    前記補修塗膜部のメタリック塗膜、前記補修塗膜部以外のメタリック塗膜を形成するメタリック塗料に、前記メタリック塗料中のアルミ粉の平均粒径D 50 の80%以下で、かつ6〜18μmの範囲である平均粒径D 50 を有する小粒径アルミ粉と、シリカ粒子とを、小粒径アルミ粉が補修用塗料の固形分100重量部に対し0.3〜6重量部、シリカ粒子が補修用塗料の固形分100重量部に対し2〜15重量部となるように添加して調製した補修用塗料から形成されていることを特徴とする積層塗膜。
  7. 請求項1〜3の何れか1項に記載の方法により補修された積層塗膜。
  8. 求項6もしくは7に記載の積層塗膜を有する物品。
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