JP4802385B2 - タッチパネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定波長の光線透過性を調整した黄色味補正用として有用な色調補正材料を備えたタッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、画面表示に直接触れることにより、情報を入力できるデバイスとしてタッチパネルが用いられている。これは光を透過する入力装置を液晶表示装置、CRT等の各種ディスプレイ上に配置したものであり、その代表的な形式のひとつとして、透明電極基板2枚を透明導電層が向かい合う様に配置した抵抗膜式タッチパネルがある。
【0003】
抵抗膜式タッチパネル用の透明電極基材として、ガラスもしくは透明樹脂材や各種の熱可塑性高分子フィルムの基材上に、金などの金属や酸化錫を含有するインジウム酸化物(ITO)あるいは酸化亜鉛等の金属酸化物による透明導電層を積層したものが一般的に用いられている。しかし、このようにして得られた透明電極基材は、金属酸化物層の反射および吸収に由来する可視光短波長域の透過率低下による、黄色もしくは茶色の着色が認められることが多い。そのためタッチパネルの下に配置される表示装置の発色を正確に表現することが難しいといった問題があった。
【0004】
この問題を解決するために、透明電極層を多層光学膜と組み合わせる方法が特開平11-286066号公報、特開2000−301648号公報に開示されている。これらの技術は、透明基材に高屈折率層、低屈折率層からなる光学薄膜を形成し、その上に透明導電層を含む光学薄膜として透過光を制御し、着色を抑えることができる。しかし透明導電層と基板の間に薄膜が形成されるため外力に対する耐久性が低下し、また高屈折率層、低屈折率層、透明導電層を積層した構成で透過率制御の光学設計がなされるため、導電層の厚さを変えると効果が現れないなど、使用することによりタッチパネルとしての物理特性や電気特性が変化してしまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は色調補正されたタッチパネルを提供することにある。
【0006】
本発明者らは、前記問題点に鑑み鋭意検討した結果、透明基材表面に特定の色調補正層を形成することにより、タッチパネルの着色を低減できることを見い出し、本発明を完成した。
本発明によれば、透明基材の一方の面に、300〜800nmにおける光線透過率の最大値を示す波長が400〜500nmであり、かつ光線透過率の最大値が90%以上である色調補正層を備え、該色調補正層の反対面に接着層を備えた透過色調補正材料を、該接着層を介してタッチパネルの入力操作を行わない面に接着したことを特徴とするタッチパネルが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる透明基材の材質としては特に限定されるものではないが、例えばガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)共重合体、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリオレフィン(PO)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)等を好ましく挙げることができる。ここでいう透明性とは光線透過率で70%以上であり、より好ましくは80%以上である。
【0008】
透明基材の形状としては特に限定されるものではないが、例えば板状もしくはフィルム状のものが挙げられる。生産性、運搬性の点からフィルム状のものが好ましく挙げられる。フィルムの厚みとしては10〜500μmのものが透明性、作業性の点より好ましく挙げられる。
【0009】
透明導電層は、紫から青色の光である400〜500nmの光に対する反射および吸収が、500〜800nmの光に対するより大きいため透過光が黄色に着色する。本発明の透過色調補正材料は400〜500nmの光に対する透過率を500〜800nmの透過率に対して高くすることにより、透明導電層の透過光のバランスを補正し着色を低減することができる。そのために300ないし800nmにおける最大の光線透過率を示す波長が400ないし500nmであることを要件とし、さらに400ないし450nmであることが好ましい。400ないし500nm以外では色調補正が十分でないだけでなく、さらに着色が強くなる場合があるため好ましくない。また該波長での光線透過率が90%以上であることが必要である。90%未満では十分な透明性を保持することができない。また、該波長における光線透過率と500ないし800nmにおける透過率の平均との差は3〜10%であることが好ましい。透過率の差が3%以下であると色調補正性能が十分でないため好ましくない。
【0010】
前記色調補正層による光線透過率の制御方法は特に限定されず、例えば可視光の特定波長を吸収する色素や光学薄膜による干渉を単独もしくは組み合わせて用いることができる。特に光学薄膜を用いて前記波長域の光線透過率を向上させることが、透明性の観点より好ましい。
前記色素を用いた色調補正層には、前記透過率制御の要件を満たすように公知の色素を1種類、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。また色素をバインダー成分に添加して色調補正層を形成することができる。該バインダー成分は特に限定されず、公知の単量体、重合体等の有機化合物、無機化合物を単独、もしくは混合して用いることができる。
【0011】
前記光学薄膜による色調補正層の構成は透過率制御の要件を満たす限り特に限定されるものではなく、基材上に単層もしくは多層構造として形成することができる。例えば低屈折率層の単層構造、基材から順に高屈折率層および低屈折率層からなる2層構造、中屈折率層、高屈折率層および低屈折率層からなる3層構造、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層および低屈折率層を積層した4層構造が挙げられる。生産性、コスト、光線透過率制御効果の観点より、2層構造のものが好ましく挙げられる。
【0012】
光学薄膜による色調補正層の屈折率はそれぞれ特に限定されるものではなく、必要に応じて選択することができる。例えば低屈折率層はその直下の層より低屈折率であることが必要であり、1.3〜1.55の範囲にあることが好ましい。1.55を超える場合は十分な減反射効果を得ることが難しく、また1.3未満の場合は層を形成するのは現実的に材料の入手性等の点から困難である。さらに、2層構造を有する場合は、高屈折率層は直上に形成される低屈折率層より屈折率を高くすることが必要であるので、その屈折率は1.6〜2.4の範囲内であることが好ましい。1.6未満では十分な減反射効果を得ることが難しく、また2.4を超える層を形成するのは一般的に困難である。
【0013】
本発明において、光学薄膜による色調補正層は従来公知のものでもよく、層の形成方法も限定されない。例えばドライコーティング法、ウェットコーティング法等の方法をとることができる。生産性、コストの面より、特にウェットコート法が好ましい。ウェットコーティングの方法としては公知のもので良く、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法などが代表的なものとして挙げられる。ロールコート法等、連続的に形成できる方法が生産性の点より好ましい。
【0014】
本発明に用いる光学薄膜による色調補正層の光学膜厚ndは透明基材の種類、形状、本層の構成によって異なるが、一層あたり可視光波長と同じ厚みもしくはそれ以下の厚みが好ましい。例えば、2層構造にする場合、高屈折率層の光学膜厚nH・dH=(2m+1)λ/4、低屈折率層の光学膜厚nL・dL=(2l+1)λ/4として設計される。ただしλは光の波長を示し、この場合は400〜500nmとして設計する。またnH、nLはそれぞれ高屈折率層、低屈折率層の屈折率、dH、dLはそれぞれ高屈折率層、低屈折率層の幾何学膜厚であり、m,lは0もしくは1である。
【0015】
高屈折率層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化シラン、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム錫等の金属酸化物が挙げられる。またウェットコート法で形成する場合、前記金属酸化物の超微粒子と有機単量体や重合体の混合物を用いることができる。
【0016】
また微粒子として用いる場合は、その平均粒径が層の厚みを大きく超えないことが好ましく、特に0.1μm以下であることが好ましい。平均粒径が大きくなると、散乱が生じるなど、高屈折率層の透明性が低下するため好ましくない。また必要に応じて微粒子表面を各種カップリング剤等により修飾することができる。各種カップリング剤としては例えば、有機置換された珪素化合物、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン等の金属アルコキシド、有機酸塩等が挙げられる。
【0017】
低屈折率層を構成する材料としては、酸化珪素、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、フッ化セリウム等の無機物や含フッ素有機化合物を単独または混合物として用いることができる。また非フッ素系単量体や重合体をバインダーとして用いることができる。
【0018】
前記の含フッ素有機化合物は特に限定されるものではないが、例えば多官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステル、含フッ素イタコン酸エステル、含フッ素マレイン酸エステル、含フッ素珪素化合物等の単量体、およびそれらの重合体等が挙げられる。単量体としては単官能および多官能の重合性基を有する構造のものが挙げられ、反応性の観点より含フッ素(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。ここで(メタ)アクリルは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。特に多官能含フッ素(メタ)アクリル酸エステルが硬度、屈折率の点より好ましい。これら含フッ素有機化合物を硬化させることにより、低屈折率かつ高硬度の層を形成することができる。
【0019】
前記の単官能含フッ素(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば1−(メタ)アクリロイロキシ−1−パーフルオロアルキルメタン、1−(メタ)アクリロイロキシ−2−パーフルオロアルキルエタン等が挙げられる。パーフルオロアルキル基は炭素数1ないし8の直鎖状、分枝状、環状のものが挙げられる。
【0020】
前記の多官能含フッ素(メタ)アクリル酸エステルとしては、2官能ないし4官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルが好ましく挙げられる。その中で2官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、1,2−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロアルキルブタン、2−ヒドロキシ−1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロアルキル−2’,2’−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、α,ω−ジ(メタ)アクリロイルオキシメチルパーフルオロアルカン等を好ましく挙げることができる。パーフルオロアルキル基は炭素数1ないし11の直鎖状、分枝状、環状のものが、パーフルオロアルカン基は直鎖状のものが好ましく挙げられる。これらのジ(メタ)アクリル酸エステルは、使用に際して単独もしくは混合物として用いることができる。
【0021】
さらに前記の2官能以外の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、3官能および4官能の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。該3官能の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルの例としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシ−1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロアルキル−2’,2’−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート等が挙げられる。パーフルオロアルキル基は炭素数1ないし11の直鎖状、分枝状、環状のものが好ましく挙げられる。
【0022】
また、4官能の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルの例としては、α,β,ψ、ω−テトラ(メタ)アクリロイルオキシ−αH,αH,βH,γH,γH,χH,χH,ψH,ωH,ωH−パーフルオロアルカン等を好ましく挙げることができる。パーフルオロアルカン基は炭素数1ないし14の直鎖状のものが好ましく挙げられる。例えば化学式で表すと次式のようになる。
(M)AA−CH2−CH(−(M)AA)−CH2−(CF2)j−((M)AA−)CH−CH2−(M)AA
(ここで、(M)AAは(メタ)アクリル酸残基、jは1〜14の数を示す。)
使用に際しては、前記の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルは、単独もしくは混合物として用いることができる。
【0023】
前記の含フッ素珪素化合物の具体的な例としては、(1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキル)トリメトキシシラン等を好ましく挙げることができる。パーフルオロアルキル基は炭素数1ないし10の直鎖状、分枝状、環状のものが好ましく挙げられる。
【0024】
前記の含フッ素有機化合物の重合体としては前記の単官能含フッ素単量体の単独重合体、共重合体、もしくはフッ素を含まない単量体との共重合体等の直鎖状重合体、鎖中に炭素環や複素環を含む重合体、環状重合体、櫛型重合体などが挙げられる。
【0025】
前記の非フッ素系単量体としては、公知のものを用いることができる。例えば単官能もしくは多官能の(メタ)アクリル酸エステルやテトラエトキシシラン等の珪素化合物等が挙げられる。
【0026】
高屈折率層、低屈折率層などの色調補正層には前記の化合物以外に本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を含んでも構わない。その他の成分とは特に限定されるものではなく、例えば、無機充填剤、無機または有機顔料、重合体、および重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤、光吸収剤、レベリング剤などの添加剤などが挙げられる。またウェットコーティング法において成膜後乾燥させる限りは、任意の量の溶媒を添加することができる。
【0027】
減反射層はウェットコーティングにより成膜した後、熱や紫外線、電子線などの活性エネルギー線の照射や加熱により硬化反応を行って層を形成することができる。また、活性エネルギー線による硬化反応は窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下にて行うことが好ましい。
【0028】
さらに、透明基材と色調補正層の間に、一層以上の層を形成することができる。この層は無機物、有機物、もしくはこれらの混合物を用いることができる。その厚みは0.005〜20μmが好ましく、層の形成方法は特に限定されない。またこれらの層にはハードコート性、防眩性、ニュートンリング防止、特定波長の光の遮断、層間の密着性の向上等の機能を一種類以上付与することができる。
【0029】
前記の透過色調補正材料はITO等の透明導電層による着色を補正する用途に用いることができる。特に抵抗膜式タッチパネルの透過光の着色を抑える目的に好適である。これらの用途には透過色調補正材料の色調補正層を形成していない面に一層以上の層を介して透明導電層を設けて用いることができる。
【0030】
またあらかじめ色調補正層を形成していない面に接着層を設け、対象物に貼り合せて用いることができる。接着層に用いられる材料としては特に限定されるものではないが、例えば、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤等を挙げることができる。また、この接着層には特定波長の光の遮断、コントラスト向上等の機能を一種類以上付与することができる。
【0031】
例えば抵抗膜式タッチパネルに用いる場合には、接着層を介して直接入力操作を行わない面に貼り合せることが、タッチパネルの入力耐久性に変化を与えないため好ましい。
【0032】
【発明の効果】
本発明に用いる透過色調補正材料は、その他の性能を変化させることなく透明導電層によるタッチパネルの透過光の着色を補正することができ、色調が補正されたタッチパネルが得られる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例に基き更に詳細に説明する。なお、形成した層の屈折率および厚みは以下のように測定した。
(1)屈折率1.49のアクリル板(商品名「デラグラスA」、旭化成工業株式会社製)上に、光学薄膜ndが140nm程度になるように厚さを調整して層を形成した。
(2)アクリル板裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計(「U−best 50」、日本分光株式会社製)により、300〜800nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。
(3)反射スペクトルの560nm付近における反射率の極大値もしくは反射率の極小値を読みとりその値Rから、以下の式により屈折率を計算した。
【0034】
【数1】
【0035】
製造例1(高屈折率層組成物H1)
酸化チタン微粒子平均粒径0.03μmの10重量%エタノール分散液70重量部、バインダーとしてテトラメチロールメタントリアクリレート2重量部、光重合開始剤(商品名「IRGACURE 907」、チバスペシャルティケミカルズ製)0.1重量部を混合し、ウェットコート用高屈折率層組成物H1を作製した。
【0036】
製造例2(低屈折率層組成物L1)
1,2,9,10−テトラアクリロイルオキシ−4,4,5,5,6,6,7,7−オクタフルオロデカン50重量部、シリカ微粒子(商品名「XBA−ST」、日産化学株式会社製)120重量部、2’,2’−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオン酸(2−ヒドロキシ)−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナデカフルオロウンデシル10重量部、ブチルアルコール900重量部、光重合開始剤(商品名「KAYACURE BMS」、日本化薬株式会社製)5重量部を混合し低屈折率層組成物L1を作製した。
【0037】
製造例3(低屈折率層組成物L2)
1,10−ジアクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−オクタデカフルオロデカン70重量部、テトラアクリル酸テトラメチロールメタン20重量部、ブチルアルコール900重量部、光重合開始剤(商品名「KAYACURE BMS」、日本化薬株式会社製)5重量部を混合し低屈折率層組成物L2を調製した。
【0038】
製造例2−1
厚みが100μmのPETフィルム(商品名「A4100」、東洋紡績株式会社製)上に、ディップコーター(杉山元理化学機器株式会社製)により、製造例1にて調製した高屈折率層組成物H1を乾燥膜厚で光学薄膜が110nm程度になるように層の厚さを調整して塗布した後片面の塗布液を拭取り、紫外線照射装置(岩崎電気株式会社製)により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射し硬化した。その上に同様にして、製造例3にて調製した低屈折率層用塗液を乾燥膜厚で光学薄膜が110nm程度になるように調製し塗布、硬化し透過色調補正材料Aを作製した。得られた色調補正材料Aの最大透過率、500〜800nmの平均反射率および透過色差a*、b*を以下のように測定した。結果をそれぞれ表1に示す。
最大透過率:透過色調補正材を分光光度計(「UV−1600」、株式会社島津製作所製)により、300〜800nmの波長の光に対するスペクトルを測定した。分光透過スペクトルより透過率が最も大きくなる波長およびその透過率を読み取った。
500〜800nmの平均透過率:分光透過スペクトルより、500〜800nmの透過率の平均値を計算した。
透過色差:色差計(「SQ2000」、日本電色工業株式会社製)により測定した。
【0039】
【表1】
【0040】
製造例2−2
低屈折率層組成物L1に代えて低屈折率層組成物L2を用いた以外は製造例2−1と同様にして透過色調補正材料Bを作製した。得られた色調補正材料Bの最大透過率、500〜800nmの平均反射率および透過色差a*、b*を製造例2−1と同様に測定した。結果をそれぞれ表1に示す。
【0041】
製造例2−3、2−4
低屈折率層の光学膜厚を330nm程度に調整した以外は製造例2−1と同様にして透過色調補正材料C、Dを作製した。得られた色調補正材料の最大透過率、500〜800nmの平均反射率および透過色差a*、b*を製造例2−1と同様に測定した。結果をそれぞれ表1に示す。
【0042】
製造例2−5、2−6
低屈折率層の光学膜厚を330nm程度、高屈折率層の光学膜厚を330nm程度になるよう調整した以外は製造例2−1と同様にして透過色調補正材料E、Fを作製した。得られた色調補正材料の最大透過率、500〜800nmの平均反射率および透過色差a*、b*を製造例2−1と同様に測定した。結果をそれぞれ表1に示す。
【0043】
比較例1
低屈折率層の光学膜厚を140nm程度、高屈折率層の光学膜厚を140nm程度にした以外は製造例2−1と同様にして透過色調補正材料Gを作製した。得られた色調補正材料の最大透過率、500〜800nmの平均反射率および透過色差a*、b*を製造例2−1と同様に測定した。結果をそれぞれ表1に示した。
【0044】
製造例2−1から2−6において、製造された色調補正材料は最大透過率が90%で、かつ光線透過率の最大値が500〜800nmの平均透過率と比較して3%以上高くなっていることが確認できる。
【0045】
実施例7〜12
製造例2−1〜2−6で作製した透過色調補正材料A〜Fの色調補正層を形成していない面にアクリル系粘着シート(商品名「ノンキャリア」、リンテック株式会社製)をハンドローラーを用いて貼り合わせて接着層付色調補正材料を作製した。100μmのPETフィルムの片面に厚さ3μmのハードコート層、もう一方の面に厚さ15nmのITO薄膜をあらかじめ設けた透明導電フィルムと、厚さ1.5mmのガラスの片面に15nmのITO薄膜をあらかじめ設けた透明導電基材を、ITO薄膜面が向かい合うように配置した抵抗膜式タッチパネルのガラス面に、接着層により透過色調補正材料A〜Fを貼り付けて、色調補正されたタッチパネルを作製した。構成を模式図1に示した。得られたタッチパネルの透過色差a*、b*を製造例2−1と同様に測定した。結果をそれぞれ表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
参考例13
製造例2−1で作製した透過色調補正材料Aをタッチパネル両面に貼り合わせた以外は実施例7〜12と同様にして色調補正されたタッチパネルを作製した。得られたタッチパネルの透過色差a*、b*を製造例2−1と同様に測定した。結果をそれぞれ表2に示す。
【0048】
比較例2
ブランクの材料として、実施例7〜12で用いたタッチパネルの色調補正材料を用いないタッチパネルを作製し、その透過色差a*、b*を製造例2−1と同様に測定した。結果をそれぞれ表2に示す。
【0049】
比較例3
比較例1で作製した色調補正材料Gを用いた以外は参考例13と同様にして色調補正されたタッチパネルを作製した。得られたタッチパネルの透過色差a*、b*を製造例2−1と同様に測定した。結果をそれぞれ表2に示す。
【0050】
表2の結果より、実施例7〜13において、作製した色調補正されたタッチパネルは比較例2のタッチパネルと比べ透過光の黄色味を表す色差b*の値が小さくなっており、色調が補正されていることを示している。一方比較例3で作製したタッチパネルは色差b*の値がより大きくなっており、黄色味が増していることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例7〜12の色調補正材料を用いたタッチパネルの構成模式図である。
【符号の説明】
1.ハードコート層
2.PETフィルム
3.ITO電極層
4.ITO電極層
5.ガラス板
6.接着層
7.PETフィルム
8.高屈折率層
9.低屈折率層
Claims (3)
- 透明基材の一方の面に、300〜800nmにおける光線透過率の最大値を示す波長が400〜500nmであり、かつ光線透過率の最大値が90%以上である色調補正層を備え、該色調補正層の反対面に接着層を備えた透過色調補正材料を、該接着層を介してタッチパネルの入力操作を行わない面に接着したことを特徴とするタッチパネル。
- 色調補正層が直接もしくは1層以上の層を介して、透明基材上に基材側から高屈折率層、低屈折率層の順に積層されている光学薄膜である請求項1に記載のタッチパネル。
- 高屈折率層の屈折率が1.6〜2.4、低屈折率層の屈折率が1.3〜1.55である請求項1または2に記載のタッチパネル。
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