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JP4801382B2 - 自発光パネル及びその製造方法 - Google Patents

自発光パネル及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自発光パネル及びその製造方法に関するものである。
有機EL(Electroluminescence)パネルに代表される自発光パネルは、携帯電話や薄型テレビ、情報端末等のディスプレイは勿論のこと、車載用機能表示、例えばスピードメータ等のインパネや電化製品の機能表示部、フィルム状ディスプレイへの応用、屋外案内表示または照明への応用が期待され、盛んに開発・研究が進められている。
このような自発光パネルは基板上に自発光素子を複数又は単数配置して形成されるものであり、自発光素子としては、有機EL素子の他に、LED(Light Emitting Diode)、FED(Field Emission Display)等の発光素子を挙げることができる。
自発光素子の構造は、有機EL素子を例にすると、アノード(陽極、正孔注入電極)とカソード(陰極、電子注入電極)との間に有機層(発光層を含み、低分子又は高分子有機材料からなる層)を挟み込んだ構造になっており、アノード,カソードの両電極間に電圧を印加することにより、アノードから有機層内に注入・輸送された正孔とカソードから有機層内に注入・輸送された電子が再結合して、この有機層(発光層)内での再結合によって所望の発光が得られるものである。
このような自発光パネルにおいては、自発光素子の発光特性を維持するために、自発光素子を外気から遮断する封止構造が一般に採用されている。特に有機ELパネルでは、有機層及び電極が大気中の水分や酸素に曝されると有機EL素子の発光特性が劣化することから、有機EL素子を外気から遮断する封止手段を設けることが現状の開発段階では不可欠になっている。
有機ELパネルの封止構造としては、金属製又はガラス製の封止部材と有機EL素子が形成された基板とを貼り合わせて、有機EL素子の周囲に乾燥剤を配備できる封止空間を形成する構造が一般に採用されてきたが、パネルの更なる薄型化や基板上の有機EL素子に対して基板と逆側から光を取り出すトップエミッション方式の採用が検討されるようになり、基板上の有機EL素子を直接封止材料の膜で覆う構造が開発されている。
下記特許文献1には、図1(a)に示すように、基板J1上に第1電極J2,有機化合物層J3,第2電極J4が積層されて素子領域が形成され、その素子領域を覆うように、アモルファス炭化窒素からなる第1保護層J5と無機保護膜(SiN膜)からなる第2保護膜J6を形成したものが示されている。
特開2003−282237号公報
自発光素子を単数又は複数備えた自発光素子部を直接封止材料の膜で覆う構造を採用する場合、従来技術のように、自発光素子部に直接接触する層とその上に形成される層の多層構造を採用することが好ましい。その際、自発光素子部に接触する層(以下、バッファ層という)には、自発光素子部に対して膜形成時に歪み等を与えない応力緩和機能が求められ、また、自発光素子部によって形成される表面の凹凸を平坦化するための機能が求められる。そして、その上に形成される層(以下、バリア層という)には、自発光素子の劣化因子、例えば、水分、酸素、有機材料を含むガス等に対し高い遮断機能と適度の強度が求められる。
このバッファ層とバリア層の形成は、形成パターンに応じた開口を有するマスクを介した成膜によってなされる。この際、バッファ層は自発光素子部全体を覆うようにパターン形成され、バリア層は、バッファ層の全体を覆うように、バッファ層のパターン開口よりやや大きい開口を有するマスクを介して成膜がなされる。
ここで、バッファ層は被成膜面の凹凸を平坦化させる機能を有するものであるから、自発光素子部の凹凸に拘わらずマスクの開口部分には所定厚さの層が形成され、層の端部にはマスクの開口縁に沿って急峻な立ち上がりを有する側端面Je(図1(a)参照)が形成されることになる。これに対して、そのバッファ層の上に成膜されるバリア層は、平坦化されたバッファ層の上面に対しては所望の厚さtsで成膜がなされるが、前述した側端面Jeには所望の厚さに達しない極薄い厚さtdの層が形成されるか、或いは十分な膜形成がなされない部分が生じてしまい、この側端面Jeにおいては十分な水分遮断性能が得られないという問題があった(図1(b)参照、図1(b)は図1(a)におけるA部拡大図)。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、基板上に自発光素子部が形成された自発光パネルにおいて、自発光素子部を直接封止材料の膜(封止膜)で覆う封止構造を採用して、自発光素子の劣化因子に対して十分な遮断性能を確保すること、また、自発光素子部をバッファ層で覆い、その上に自発光素子の劣化因子を遮断する機能を有するバリア層を形成する封止構造において、バッファ層の側端面に対しても十分な厚さのバリア層を形成して、自発光素子に対する劣化因子を十分に遮断する性能を確保すること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明の自発光パネル及びその製造方法は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
[請求項] 基板上に自発光素子部が形成され、該自発光素子部を直接覆う封止膜が形成された自発光パネルであって、前記封止膜は、前記自発光素子部による凹凸を平坦化するバッファ層と該バッファ層上に成膜されて自発光素子の劣化因子を遮断する機能を有するバリア層とを有し、前記自発光素子部の外縁の外側に、前記バッファ層の付着性が低い材料からなる下地層が形成され、該下地層の上に前記バッファ層の外縁部が形成され、前記バッファ層の外縁部は、緩やかな斜面からなる側端面を有し、該側端面上に設定膜厚の前記バリア層が形成され、前記バッファ層は、アクリル系モノマーを重合させた材料を含み、前記下地層は、フェノール系樹脂とメラミン系化合物とを含む材料を含むことを特徴とする。
[請求項5]基板上に自発光素子部が形成され、該自発光素子部を直接覆う封止膜が形成された自発光パネルの製造方法であって、前記封止膜を形成する工程は、前記自発光素子部による凹凸を平坦化するバッファ層を形成する工程と該バッファ層上に成膜されて自発光素子の劣化因子を遮断する機能を有するバリア層を形成する工程とを含む工程であり、前記封止膜を形成する工程に先立って、前記自発光素子部の外縁の外側に、前記バッファ層の付着性が低い材料からなる下地層を形成する工程を有し、該下地層の上に前記バッファ層の外縁部が形成され、前記バッファ層の外縁部は、緩やかな斜面からなる側端面を有し、該側端面上に設定膜厚の前記バリア層が形成され、前記バッファ層は、アクリル系モノマーを重合させた成膜材料によって形成され、前記下地層は、フェノール系樹脂とメラミン系化合物とを含む成膜材料によって形成されることを特徴とする。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図2は本発明の一実施形態に係る自発光パネルの構造を示す説明図である。自発光パネル1は、基板2上に自発光素子部3が形成され、自発光素子部3を直接覆う封止膜4(バッファ層40、バリア層41)が形成された構造を有している。封止膜4を構成するバッファ層40は、自発光素子部3による凹凸を平坦化する機能を少なくとも有しており、必要に応じて自発光素子部3に成膜時の歪みを生じさせない応力緩和機能を有している。また、バリア層41はバッファ層40上に成膜されて自発光素子の劣化因子に対して十分な遮断機能、或いは必要な強度を有するものである。
そして、本発明の実施形態における自発光パネル1では、バッファ層40は、その外縁部40Aにバリア層41が設定された膜厚で成膜可能な緩やかな斜面からなる側端面を有しており、バリア層41が、バッファ層40上の全表面上で設定膜厚tsを有している。
つまり、本発明の実施形態における自発光パネル1では、バッファ層40の外縁部40Aに緩やかな斜面からなる側端面が形成されているので、その上に成膜されるバリア層41は、平坦化されたバッファ層40の上面及び緩やかな斜面で形成された側端面の何れにおいても十分な膜厚の層を形成することができる。したがって、自発光素子部3は、自発光素子の劣化因子を遮断する機能を有するバリア層41の適正な膜厚で全面が覆われていることになり、良好な封止性能を確保することができる。ここでいう緩やかな斜面とは、バッファ層の傾斜面の傾きが5°〜60°の範囲、好ましくは10°〜45°のものをいう。
また、本発明の実施形態に係る自発光パネル1は、基板2上に自発光素子部3が形成され、自発光素子部3を直接覆う封止膜4が形成され、封止膜4は、自発光素子部3による凹凸を平坦化するバッファ層40とバッファ層40上に成膜されて自発光素子の劣化因子を遮断する機能を有するバリア層41とを有し、自発光素子部3の外縁の外側に、バッファ層40の付着性が低い材料からなる下地層5が形成され、下地層5の上にバッファ層40の外縁部40Aが形成されている。
これによると、下地層5の影響を受けて、その上に形成されるバッファ層40の外縁部40Aは層厚が確保できなくなるが、その外縁部40Aに隣接するバッファ層40からの連続性によって、外縁部40Aには緩やかな斜面からなる側端面が形成されることになる。したがって、その側端面上には、適正な厚さのバリア層41を形成することができることになり、バッファ層40上の全面が適正な厚さのバリア層41で覆われ、自発光素子部3は十分な封止性能を得ることができる。
この際、下地層5は、バッファ層40の付着性が低い材料が選択されるが、バッファ層としてアクリル系モノマーを重合させた成膜材料を採用する場合には、下地層5として、フェノール系樹脂とメラミン系化合物とを含む成膜材料を採用することができる。また下地層の材料に、クレゾール系樹脂とメラミン系化合物、ポリシロキサン系樹脂とメラミン系樹脂とを含むような成膜材料やこれら材料に感光剤や光酸発生剤を添加した感光性材料を採用してもよく、バッファ層の材料にエポキシ系モノマーを重合させた成膜材料を採用してもよい。図3は本発明の実施形態に係る自発光パネルの製造方法を説明する説明図である。先ず、同図(a)に示すように、基板2上に、既知の工程で形成される自発光素子部3の形成に先立って、自発光素子部3の外周部の外側に当たる箇所に下地層5を形成する。下地層5の形成には、印刷やフォトリソグラフィ等の各種パターン形成方法を採用することができる。一例としては、下地層5の形成材料として感光性樹脂を採用して、絶縁膜等で自発光素子部3の区画がなされた後に、その外縁の外側にフォトリソグラフィ工程で下地層5のパターンを形成する。
自発光素子部3が形成された後に、同図(b)に示すように、下地層5を含む領域よりやや広めの開口領域Hを有するマスクMを介して、バッファ層40を形成する。この際、下地層5の影響を受けて外縁部40Aに緩やかな斜面からなる側端面が形成されることになる。
次に、同図(c)に示すように、バッファ層40の形成領域を含む開口領域H(H≧H)を有するマスクMを介して、バリア層41を形成する。前述したように、バッファ層40上に形成されるバリア層41は全ての形成範囲で設定された厚さに形成することができる。
以下、本発明のより具体的な実施形態として、有機EL素子からなる自発光素子部3を備えた自発光パネルの製造方法及び構造を、図4及び図5によって説明する。
基板準備工程S1は、基板2に対して、必要に応じて、洗浄、表面処理、表面被覆を行う工程を含み、アクディブ駆動の自発光パネル1を形成する際には、基板2上に駆動素子21(TFT等)を形成する工程、駆動素子21が形成された基板2上に平坦化膜22を形成する工程を含む。
下部電極形成工程S2では、基板準備工程S1を経た基板2上に下部電極30のパターンを形成する。下部電極30は、アクディブ駆動の場合には画素電極として区画されたパターンに形成され、平坦化膜22の接続孔22Aを介して駆動素子21に接続される。また、パッシブ駆動の場合には、下部電極30はストライプ状のパターンとして形成され、同時に引出電極部が形成される。
絶縁膜パターン形成工程S3では、下部電極30上の発光領域を区画し、隣接する下部電極30間を絶縁するように、絶縁膜31のパターンが形成される。絶縁膜31のパターン形成が成されると、発光領域が個々に区画されると共に、自発光素子部3の外縁が区画されることになる。絶縁膜31としては、バッファ層40が付着し易い材料が選択される。またパッシブ駆動の場合や必要に応じて、絶縁膜31のパターン形成後に上部電極を分断する隔壁の形成工程も含める。
下地層形成工程S4では、絶縁膜31によって区画された自発光素子部3の外縁に対して、その外側に下地層5を形成する。下地層5は、前述したようにバッファ層31が付着し難い(付着性の低い)材料が用いられ、バッファ層40の外縁部40Aの形成領域に応じて所望の厚さで形成される。
有機層成膜工程S5では、例えば、正孔輸送層32A,発光層32B,電子輸送層32Cなどからなる有機層32が、絶縁膜31で区画された下部電極30上の発光領域に成膜される。
上部電極形成工程S6では、成膜された有機層32上に上部電極33を成膜する。
バッファ層形成工程S7では、前述したように、マスクMを介してバッファ層40の成膜がなされ、自発光素子部3による凹凸の平坦化がなされると共に、バッファ層40の外縁部40Aに緩やかな斜面からなる側端面が形成される。また、その後の、バリア層形成工程S8では、前述したように、マスクMを介してバリア層41の成膜がなされ、バッファ層40上の全域に設定厚さのバリア層41が形成される。
自発光素子部を構成する有機EL素子について更に説明すると、有機EL素子は、アノード(陽極、正孔注入電極;下部電極30又は上部電極33)とカソード(陰極、電子注入電極;上部電極33又は下部電極30)との間に有機EL機能を有する有機層32を挟み込んだ構造を有しており、両電極に電圧を印加することにより、アノードから有機層30内に注入・輸送された正孔とカソードから有機層内に注入・輸送された電子がこの層内の発光部分(発光層32B)で再結合することで発光を得るものである。
基板2については、基板2側から光を取り出すボトムエミッション構造を採用する場合には、透明性を有する平板状、フィルム状のものが採用され、材質としてはガラス又はプラスチックを用いることができる。封止膜40側から光を取り出すトップエミッション構造を採用する場合には、基板2の透明性は特に要求されない。
下部電極30,上部電極33については、一方が陰極、他方が陽極に設定されることになる。この場合、陽極は仕事関数の高い材料で構成されるのがよく、クロム(Cr),モリブデン(Mo),ニッケル(Ni),白金(Pt)等の金属膜、或いはITO,IZO等の酸化金属膜等による透明導電膜が用いられる。そして、陰極は仕事関数の低い材料で構成されるのがよく、特に、アルカリ金属(Li,Na,K,Rb,Cs),アルカリ土類金属(Be,Mg,Ca,Sr,Ba),希土類金属といった仕事関数の低い金属、その化合物、又はそれらを含む合金を用いることができる。また、下部電極30、上部電極33ともに透明な材料により構成した場合には、光の放出側と反対の電極側に反射膜を設けた構成とすることもできる。
また、下部電極30又は上部電極33から引き出される引出電極は、自発光表示パネル1とそれを駆動するIC,ドライバ等の駆動手段とを接続するために設けられる配線電極であって、好ましくはAg,Cr,Al等の低抵抗金属材料やそれらの合金を用いるのがよい。
一般に、下部電極30と引出電極の形成は、ITO,IZO等の電極材料を蒸着或いはスパッタリング等の方法で成膜し、フォトリソグラフィ法などによってパターン形成がなされる。下部電極30と引出電極(特に低抵抗化の必要な引出電極)に関しては、前述のITO,IZO等の下地にAg,Ag合金,Al,Cr等の低抵抗金属を積層した2層構造にしたもの、或いは、Ag等の保護層としてCu,Cr,Ta等の耐酸化性の高い材料を更に積層した3層構造にしたものを採用することができる。
下部電極30と上部電極33の間に成膜される有機層32としては、下部電極30を陽極、上部電極33を陰極とした場合には、前述したように、正孔輸送層32A/発光層32B/電子輸送層32Cの積層構成が一般的であるが(下部電極30を陰極、上部電極33を陽極とした場合にはその逆の積層順になる)、発光層32B,正孔輸送層32A,電子輸送層32Cはそれぞれ1層だけでなく複数層積層して設けてもよく、正孔輸送層32A,電子輸送層32Cについてはどちらかの層を省略しても、両方の層を省略して発光層32Bのみにしても構わない。また、有機層32としては、正孔注入層,電子注入層,正孔障壁層,電子障壁層等の有機機能層を用途に応じて挿入することができる。
有機層の材料は、有機EL素子の用途に合わせて適宜選択可能である。以下に例を示すがこれらに限定されるものではない。
正孔輸送層32Aとしては、正孔移動度が高い機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。具体例としては、銅フタロシアニン等のポルフィリン化合物、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]−ビフェニル(NPB)等の芳香族第三アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベンゼン等のスチルベン化合物や、トリアゾール誘導体、スチリルアミン化合物等の有機材料が用いられる。また、ポリカーボネート等の高分子中に低分子の正孔輸送用の有機材料を分散させた、高分子分散系の材料も使用できる。好ましくは、ガラス転移温度が封止用樹脂を加熱硬化させる温度より高い材料が好ましく、例えば4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]−ビフェニル(NPB)が挙げられる。
発光層32Bは、公知の発光材料が使用可能であり、具体例としては、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−ビフェニル(DPVBi)等の芳香族ジメチリディン化合物、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン等のスチリルベンゼン化合物、3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等のトリアゾール誘導体、アントラキノン誘導体、フルオレノン誘導体等の蛍光性有機材料、(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)等の蛍光性有機金属化合物、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)系、ポリフルオレン系、ポリビニルカルバゾール(PVK)系等の高分子材料、白金錯体やイリジウム錯体等の三重項励起子からのりん光を発光に利用できる有機材料(特表2001−520450)を使用できる。上述したような発光材料のみから構成したものでもよいし、正孔輸送材料、電子輸送材料、添加剤(ドナー、アクセプター等)または発光性ドーパント等が含有されてもよい。また、これらが高分子材料又は無機材料中に分散されてもよい。
電子輸送層32Cは、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。具体例としては、ニトロ置換フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体等の有機材料、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフタロシアニン等が使用できる。
上記の正孔輸送層32A、発光層32B、電子輸送層32Cは、スピンコーティング法、ディッピング法等の塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法等の印刷法等のウェットプロセス、又は、蒸着法、後述するレーザ転写法等のドライプロセスで形成することができる。
そして、自発光素子部3は、単一の有機EL素子を形成するものであってもよいし、所望のパターン構造を有して複数の画素を構成するものであってもよい。後者の場合には、その表示方式は、単色発光でも2色以上の複数色発光でもよく、特に複数色発光の有機ELパネルを実現するためには、RGBに対応した3種類の発光機能層を形成する方式を含む2色以上の発光機能層を形成する方式(塗り分け方式)、白色や青色等の単色の発光機能層にカラーフィルタや蛍光材料による色変換層を組み合わせた方式(CF方式、CCM方式)、単色の発光機能層の発光エリアに電磁波を照射する等して複数発光を実現する方式(フォトブリーチング方式)、異なる発光色の低分子有機材料を予め異なるフィルム上に成膜してレーザによる熱転写で一つの基板上に転写するレーザ転写方式等によって行うことができる。
自発光素子部3を区画する絶縁膜31については、下部電極30と上部電極33との導通を生じさせない程度の高い絶縁性を有する公知の材料を用いることができ、特に限定されない。
パッシブ駆動の場合で必要となる上部電極33を分断する隔壁については、公知の材料を用いることができ、特に限定されない。
以下に、本発明の実施例を説明する。
[実施例1]ガラス製の基板上に、110nmのITO膜をスパッタ法により成膜した。次に、フォトレジストAZ6112(東京応化工業製)を用いてフォトリソグラフィ法によりストライプ状にITO電極(下部電極)をパターン形成した。
このITO電極(下部電極)が形成された基板1上に、電気絶縁性が高いポジ型レジスト材料(ポリイミド等)を塗布しスピンコート法にて成膜した後、基板を100℃で80秒加熱して溶媒を揮発させ、露光装置でフォトマスクを介して50mJ/cmの照射条件で露光した後、アルカリ水溶液にて現像を行い、処理槽にて300℃で加熱処理し、パターン化された絶縁膜を形成した。
この絶縁膜が形成された基板上に、フェノール系樹脂とメラミン系樹脂を混合したレジスト材料を塗布し、スピンコート法にて成膜し、その後100℃のホットプレート上に基板を置き、90秒間加熱処理して溶媒を揮発させた後、フォトマスクを介して照度100mJ/cmで露光した後、アルカリ性水溶液で現像を行い、自発光素子部の外縁の外側に配置されるように下地層を形成した。
その後、基板を真空槽に投入し、抵抗加熱蒸着で、正孔注入層としてCuPcを25nm、正孔輸送層としてα−NPDを45nm、発光層としてAlqを60nm、電子注入層としてLiFを0.5nmの厚さで、それぞれ抵抗加熱真空成膜した。
その後、真空中にて陰極用のシャドーマスクを施し、ITO電極(下部電極)のストライプ状パターンと直交するように、Al電極(上部電極)を毎秒1nmの速度で100nmの厚さに抵抗加熱真空成膜した。
このようにして基板上に形成された自発光素子部に対して、この自発光素子部を覆うようにマスクを介して光硬化性を有するアクリル系モノマーからなる成膜材料をフラッシュ蒸着し、その後これを光重合させてバッファ層を形成した。バッファ層は自発光素子部の凹凸を平坦化するのに必要な所望の厚さに形成した。その際、前述した下地層上に形成されたバッファ層の外縁部には、緩やかな斜面を有する側端面が形成された。
その後、基板をCVD法成膜用チャンバに移し、PE−CVD法によって、バッファ層上にSiONを1μm成膜してバリア層を形成した。
この実施例では、バリア層はバッファ層上の全領域でほぼ1μmの設定膜厚が得られた。
下地層の上に形成されたバッファ層の外縁部の形状を観察するため、白金とパラジウムからなる断面観察用の保護膜をスパッタ成膜した後、SEM(FILIPS社製)を用い5000倍の倍率で下地層および下地層上にバッファ層を形成した後の外縁部断面写真を撮影した。その写真を図6、図7に示すが、下地層を配置することでバッファ層は緩やかな傾斜からなる側端面を有することを確認できる。
[比較例]これに対して、前述した下地層の材料として、ポリイミド系樹脂を採用して、その他の工程を実施例と同様にして自発光パネルを形成した。実施例1と同様の方法により下地層上にバッファ層を形成した後の外縁部断面写真を撮影した。その写真を図8に示すが、下地層の上に自発光素子部上と同様にバッファ層が形成され、緩やかな斜面を有する側端面を形成することはできないことが確認できる。
以上説明したように、本発明の実施形態及び実施例によると、基板上に自発光素子部が形成された自発光パネルにおいて、自発光素子部を直接封止材料の膜(封止膜)で覆う封止構造を採用して、自発光素子の劣化因子に対して十分な遮断性能を確保することができる。また、自発光素子部をバッファ層で覆い、その上に自発光素子の劣化因子を遮断する機能を有するバリア層を形成する封止構造において、バッファ層の側端面に対しても十分な厚さのバリア層を形成して、自発光素子に対する劣化因子を十分に遮断する性能を確保することができる。
従来技術の説明図である。 本発明の一実施形態に係る自発光パネルの構造を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る自発光パネルの製造方法を説明する説明図である。 本発明の実施形態(有機EL素子を自発光素子部とするもの)に係る自発光パネルの製造方法を説明する説明図である。 本発明の実施形態(有機EL素子を自発光素子部とするもの)に係る自発光パネルの構造を示す説明図である。 本発明の実施例を示す写真である。 本発明の実施例を示す写真である。 本発明の比較例を示す写真である
符号の説明
1 自発光パネル
2 基板
3 自発光素子部
4 封止膜
40 バッファ層
40A 外縁部
41 バリア層
5 下地層

Claims (5)

  1. 基板上に自発光素子部が形成され、該自発光素子部を直接覆う封止膜が形成された自発光パネルであって、
    前記封止膜は、前記自発光素子部による凹凸を平坦化するバッファ層と該バッファ層上に成膜されて自発光素子の劣化因子を遮断する機能を有するバリア層とを有し、
    前記自発光素子部の外縁の外側に、前記バッファ層の付着性が低い材料からなる下地層が形成され、
    該下地層の上に前記バッファ層の外縁部が形成され
    前記バッファ層の外縁部は、緩やかな斜面からなる側端面を有し、該側端面上に設定膜厚の前記バリア層が形成され、
    前記バッファ層は、アクリル系モノマーを重合させた材料を含み、前記下地層は、フェノール系樹脂とメラミン系化合物とを含む材料を含む
    ことを特徴とする自発光パネル。
  2. 前記下地層は、クレゾール系樹脂とメラミン系化合物を含む材料、または、ポリシロキサン系樹脂とメラミン系樹脂を含む材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の自発光パネル。
  3. 前記下地層は、感光性材料を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自発光パネル。
  4. 前記バッファ層は、エポキシ系モノマーを重合させた材料を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の自発光パネル。
  5. 基板上に自発光素子部が形成され、該自発光素子部を直接覆う封止膜が形成された自発光パネルの製造方法であって、
    前記封止膜を形成する工程は、前記自発光素子部による凹凸を平坦化するバッファ層を形成する工程と該バッファ層上に成膜されて自発光素子の劣化因子を遮断する機能を有するバリア層を形成する工程とを含む工程であり、
    前記封止膜を形成する工程に先立って、前記自発光素子部の外縁の外側に、前記バッファ層の付着性が低い材料からなる下地層を形成する工程を有し、
    該下地層の上に前記バッファ層の外縁部が形成され
    前記バッファ層の外縁部は、緩やかな斜面からなる側端面を有し、該側端面上に設定膜厚の前記バリア層が形成され、
    前記バッファ層は、アクリル系モノマーを重合させた成膜材料によって形成され、前記下地層は、フェノール系樹脂とメラミン系化合物とを含む成膜材料によって形成される
    ことを特徴とする自発光パネルの製造方法。
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