JP4884652B2 - 画像表示/画像取込み装置および画像表示/画像取込み方法 - Google Patents
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Description
またこのようなデバイスとして液晶材料を用いた光学素子も提案されており、たとえば以下に示すものが挙げられる。
この例では、等しい大きさの表示用画素と撮像用画素とが、交互に配列されている。そして図4の(a)に示すように、表示用画素によって表示用の画像を形成しているが、撮像用画素の部分が表示用画素と交互に存在するため、表示用画像に抜けが発生し、図4の(b)に示すような良好な表示の画像とはならない。
上部基板を、光路偏向手段で置きかえることも可能である。光偏向手段の構造については後述する。
図5は、画像取り込み時に高解像度化する際の光偏向素子の機能を説明するための図である。ここでは画像取り込み対象物としてオーバーヘッドプロジェクタ用スライド等の、画像を読み込む媒体の背面側から照明して透過光を、画像取込むのに使用する場合を例に示す。光線は自然光もしくは蛍光ランプ等の外部からの光である。
光線aは、画像を取り込むための対象物(画像取込み媒体)を通過後直進し、撮像用画素に到達して画像が取り込まれる(たとえば光電変換されて画像情報が電気信号に変換される)。
図6は、画像取り込み時に高解像度化する際の光偏向素子の機能を説明するための、別の装置構成の図である。ここでは画像取り込み対象物として写真、印刷紙等であり、これらの媒体を照明して得られた反射光に含まれる画像情報を取り込む場合の例を示す。
光偏向手段は、少なくとも一方の内面側が光偏向方向に対応して傾斜してなる領域を有する一対の基板と、両基板間に挟まれたネマティック相よりなる液晶層と、該液晶層に電圧を印加する電極と、を有する光偏向素子よりなる。
図7に本発明の画像表示/画像取込み装置に使用される光偏向素子の構成例を示す。この図に示すように、内面側に鋸歯状部が形成されている一対の透明基板と、この一対の基板間に、たとえばネマティック相の液晶層と、この液晶層への電界を印加するための透明電極と、この透明電極に電圧を印加するための電圧印加手段(図示せず)とを有している。
すなわち、液晶の両側にはこの液晶を充填させて電界印加手段として機能する一対の透明電極が電界印加手段として形成されている。この電極対に電界を印加していない場合には、図示しない配向膜により液晶はホモジニアスな配向(すなわち分子長軸方向を鋸歯形状基板の刻線と平行に向けた状態)をなしている。電界印加により分子長軸は入射光軸と平行に配向する。
一方、電界が印加されない場合には、液晶分子はホモジニアス配向をとるため、入射光の電界方向が分子長軸方向と直交する方向になり、これによって、入射光は異常光として振る舞い、液晶の異常光屈折率と液晶を挟持する基板の屈折率および基板鋸歯部の傾斜角に応じた偏向を受け、光路bに沿って通過することになる。このようにして、印加電界を制御することにより、液晶の分子方向を制御して光偏向を制御し、光路を変更することができる。
このような本発明の本発明の画像表示/画像取込み装置では、図2から図6まで示される表示用画素上に、液晶(光偏向手段の液晶と区別する為、以下、表示用液晶と呼ぶことがある)が備わっており、さらにその上部に偏光フィルム(不図示)が設けられている構成を採ることができる。このような構成を採用することにより、表示用液晶層を通過した光は、直線偏光されている。その通過した光の偏光方向と、図7に示す電界が印加されたときの液晶分子の配向方向とが一致するように、偏向手段を配置することで、たとえば、図3に示すような表示画像の高解像度化と、図6に示す液晶バックライトを用いた取り込み画像の高解像度化を達成することができる。
なぜなら自然光あるいは無偏光の光源による偏向していない光を、画像情報を取り込むための光として使用する場合には、光偏向手段内で光路aの成分と光路bの成分が同時に生じてしまい、その結果、取り込み画像が劣化してしまう。入射光軸と液晶分子長軸方向が平行にある状態では、偏光方向に関係なく常光として振る舞うことになる。この設定によれば、図5に示す構成において、画像取り込み時は撮像用画素数以上の高解像度化は多少落ちるが、画像の劣化を抑制し良質の画像を取り込む画像情報取込み手段が提供可能となる。
図11は、本発明の画像表示/画像情報取込み装置のフレーム、サブフレーム、光偏向手段および画像信号の駆動タイミング関係を示すタイミングチャートを示す。
この図では、1フレーム内に2回光路を切替えるタイミングを示したが、このタイミングの回数をさらに増やして画像表示/画像取り込みを行ってもよい。また特に画像取り込みが動画でなく静止画を対象とする場合には、画像フレームは1回だけで良い。
また本図中、SFはサブフレームを意味し、画像表示手段信号中のFは、フレームを意味する。またクロック信号CLKと同期させる場合、常法に従って、CLKの立上がりまたは立下り時に同期を行なう。
以下、本発明を下記実施例により、さらに詳説する。
<光偏向素子の作製>
石英ガラス基板をドライエッチングにより、傾き角が約15°であり、段差が3μmの鋸歯形状を石英基板上に形成した後、鋸歯状に形成した上に、スパッタによりITO(indium tin oxide)を用いて、約2000Åの厚さに透明電極を形成した。また対向基板として、基板の厚さが1mmのガラス基板を用いた。次に、両基板の対向面上にポリイミド配向剤を約800Åの厚さに塗布した。鋸歯状に表面を形成した基板においては、液晶分子のホモジニアス方向である安定方向(電場を印加しないときの液晶分子がランダムな方向性を示している状態の方向)が、鋸歯状に形成された傾斜領域の傾斜方向に対して垂直な方向(鋸歯の刻線方向)となるように、ラビング法により配向処理を行った。これらの基板を対向させて、液晶層の厚みが平均で10μmになるようにビーズを混入した接着剤を用いてガラス基板周囲を貼り合わせた。2枚の基板間に、波長536nmにおける常光屈折率が1.46であり、異常光屈折率が1.66のネマティック液晶を、注入方向が鋸歯状に形状された面に沿う様に毛管法にて注入し封止した。これらの液晶素子を2組用意し、貼り合せることによって図10に示す光偏向素子を作製した。
作製した光偏向素子に、ファンクションジェネレイターを用いて±10Vの電圧を印加して動作させた。この電圧印加によって、光路が電圧印加されないときに比較して、約0.06mmシフトするのを確認した。
0.12mm間隔で、画素開口0.06mmの表示用画素が配置されている表示装置の表面に上記したようにして作成した光偏向素子を隣接させ、表示のフレームに同期させ、光偏向素子を駆動させて画像表示を行った。同一の表示用画素に、光偏向のサブフレームタイミングに一致(同期)させ、隣接画素の信号を伝送して表示させたところ、表示画素が2倍に高解像度化して視認できた。この部分は、従来装置では、間引かれている部分である。
30μmのピッチで2次元に配列されたCMOS光センサーに、幅0.06mmで、間隔0.12mmで配列された正方形状の開口部を取りつけ、その表面に実施例1で製作した光偏向素子を配置させて画像取り込みを行った。 画像取り込み対象物として、液晶のバックライトにより照明された反射型の印刷物を想定し、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用スライドの背面から全白表示状態の液晶表示装置を用いて照明した。画像取り込みのサブフレーム時間と同期させ、光偏向素子を駆動して画像取りこみを行った後、画像処理によって、光偏向の方向を考慮して各サブフレームの画素を再配置した。その後、画像表示装置によって表示させたところ、表示画素が2倍に高解像度化したことを視認できた。
実施例1で作成した光偏向素子の上部側最外層の鋸歯基板面上に偏光フィルタを設け、オーバーヘッドプロジェクター用スライドを画像取り込み対象物とし、自然光を利用して、実施例2と同様に画像を取りこんだ。取り込まれた画像を、実施例2同様の方法で表示して確認したところ、良好に画像が得られていることを確認した。
Claims (7)
- 画像を表示する為の複数の画素と、画像を取込む為の複数の画素とが、周期的に同一面上に配列した画像表示/画像取込み装置において、
表示または画像取込み面上に光路を替える光路偏向手段が設けられ、
前記画像を表示する為の複数の画素が画像を表示する際に、前記光路偏光手段を作動させることで前記画像を取込む為の複数の画素からも画像が形成されているように見えるようにすることを特徴とする画像表示/画像取込み装置。 - 前記周期的な配列は、表示用画素と撮像用画素とが交互に配列しており、前記光路偏向手段による光路偏向量が前記配列のピッチの略半分であることを特徴とする請求項1に示す画像表示/画像取込み装置。
- 前記光路偏向手段が、少なくとも一方の基板の内面側が光偏向方向に対応して入射光軸から傾斜してなる領域を有する一対の基板間に挟持された液晶層と、該液晶層に電圧を印加する電極と、を有する光偏向素子であることを特徴とする請求項1または請求項2に示す画像表示/画像取込み装置。
- 前記基板間に挟持された液晶層を構成する液晶の分子方向を、画像表示時には時間的に制御して変化させて設定し、画像取り込み時には入射光軸と一致する方向に設定することを特徴とする請求項3に記載の画像表示/取り込み装置。
- 前記光偏向素子の片面に、透過光軸が光偏向方向と平行となるように入力する光の偏向方向を設定する偏光フィルタが設けられた請求項3に記載の画像表示/画像取込み装置。
- 1フレーム期間内に複数回光路を切り替え、前記切替時に同期して前記1フレームの画像情報を表示もしくは取り込むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像表示/画像取込み装置。
- 請求項1〜6に記載の画像表示/画像取込み装置を用いて、1フレーム期間内に複数回光路を切り替え、前記切替時に同期して前記1フレームの画像情報を表示もしくは取り込むことを特徴とする画像表示/画像取込み方法。
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