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JP4882842B2 - 多方向入力装置 - Google Patents

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JP4882842B2 JP2007102432A JP2007102432A JP4882842B2 JP 4882842 B2 JP4882842 B2 JP 4882842B2 JP 2007102432 A JP2007102432 A JP 2007102432A JP 2007102432 A JP2007102432 A JP 2007102432A JP 4882842 B2 JP4882842 B2 JP 4882842B2
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Description

本発明は、各種電子機器の入力操作部などに使用される多方向入力装置に関するものである。
近年、各種電子機器の多機能化が進展し、その機器を使用するために配される入力操作部としても、一つの操作つまみを回転操作またはプッシュ操作してそれぞれの入力操作ができ、さらに、その一つの操作つまみを傾倒操作してその傾倒方向への入力操作が可能とされた多方向入力装置が用いられることが多くなってきた。
ここで、従来の多方向入力装置の事例について、図面を用いて説明する。図24は従来の多方向入力装置の断面図、図25は同分解斜視図、図26は同上面図である。
同図において、1はプッシュオンスイッチ付きの回転操作型エンコーダで、そのケース部材とカバー部材により構成された空間内にインクリメンタル式のエンコーダ素子部およびスイッチ素子部を内蔵しており、上記カバー部材の中央位置から上方に突出した操作軸2を回転操作すると、上記エンコーダ素子部から位相差をもつ2相のパルス信号が端子を通じて得られると共に、上記操作軸2を押し下げるとスイッチ素子部が作動して所定の端子間が導通状態に移行するようになっている。
上記回転操作型エンコーダ1は、上面視で正六角形の形状に形成された上基板5上に装着されている。そして、上基板5は、その周囲を取り囲む枠体7の第1揺動軸線M−Mを中心に揺動可能なように、一対の第1支持軸9で支持されている。
また、上記枠体7は、下基板11の上記第1揺動軸線M−Mと直交する位置関係に突出形成された揺動支持部11Aに一対の第2支持軸13で第2揺動軸線N−Nを中心に揺動可能なように支持されている。
そして、上記下基板11上には、上記操作軸2の位置を中心としてそこから等距離の位置に押圧型スイッチ15A〜15Dが90°ピッチで配置されており、各スイッチの操作ボタンに対し上基板5の下面に突出形成された押圧用突部5A〜5Dが各々当接している。また、上基板5下面の押圧用突部5A〜5Dどうしの間の位置にも、それぞれ下方に突出した規制用突部5E〜5Hが設けられている。
従来の多方向入力装置は、以上のように構成され、その使用時には、回転操作型エンコーダ1の操作軸2に一つの操作つまみ17が装着されて搭載状態とされる。続いて、その搭載状態での動作について説明する。
操作つまみ17を回転操作すると、回転操作型エンコーダ1の操作軸2が回転してエンコーダ素子部が作動され、これによりインクリメンタル式のエンコーダ出力が得られる。また、操作つまみ17を垂直下方に押し下げ操作すると、操作つまみ17を介して操作軸2が下方に移動してスイッチ素子部が作動する。
そして、操作つまみ17を各押圧型スイッチ15A〜15Dが配置されている方向に傾倒操作すると、上基板5がその方向に揺動する。例えば、図24に矢印で示すように、操作つまみ17を押圧型スイッチ15Aの配置方向に向けて傾倒操作すると、上基板5は押圧用突部5A側が下がるように揺動していき、下方に下がっていく押圧用突部5Aで押圧型スイッチ15Aの操作ボタンが押し込まれて押圧型スイッチ15Aの状態が切り換わると共に、押圧用突部5Aに隣接して設けられた規制用突部5E、5Hが下基板11上に当接して上基板5の傾倒が停止する。そして、その傾倒操作力を除くと、押圧型スイッチ15Aが元の状態に自己復帰し、その復帰力で押圧用突部5Aが押し戻されて図24の上基板5が水平状態で位置する非操作状態に戻るものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2004−087290号公報
しかしながら、上記従来の多方向入力装置は、操作つまみ17への傾倒操作時に上基板5の揺動動作を可能とするため、上基板5を枠体7に一対の第1支持軸9で揺動可能に支持させ、また、枠体7を下基板11に一対の第2支持軸13で揺動可能に支持させた構成としている。そして、その上基板5上に回転操作型エンコーダ1を装着した構成としているため、操作つまみ17への押し下げ操作時の垂直下方への力を上記支持箇所で受けることとなり、上記垂直下方への押し下げ操作が長期に亘って繰り返して行われる、または傾倒操作が繰り返して行われるなどすると軸支箇所の削れや磨耗が発生して上記軸支箇所の遊びが大きくなることもあるという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、一つの操作つまみに対しての回転操作・押し下げ操作・傾倒操作のそれぞれに応じて所定出力が得られる多方向入力装置において、長期に亘って各操作を行っても遊びの発生が少なく良好な操作状態が維持される多方向入力装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、底部の中央位置に下方開口の凹部形状で形成された接点基板装着部を有すると共に、その接点基板装着部に繋がる中央孔を中心として形成された筒状保持部を中央位置に備え、さらにその筒状保持部から等間隔の周囲位置に横形プッシュスイッチ配置用のスイッチ装着部を有するケース部と、上記スイッチ装着部に装着されたそれぞれの横形プッシュスイッチと、上記接点基板装着部に下方から組み込まれて、その上面中央部分に押圧型スイッチ部を備え、また、その上面周囲位置に回転用固定接点が固定された接点基板と、上記回転用固定接点に係合する摺動子がフランジ部下面に装着され、上記フランジ部中央に上方に突出形成された外形円形の上方円形部が上記ケース部の筒状保持部に回転可能に保持された回転体と、上記回転体の上下に貫通する中央貫通孔に挿通されて配された略棒状で、下方への移動により上記押圧型スイッチ部への押圧操作が可能で、回転時には上記回転体を共回りさせ、さらに自身の傾倒動作が可能なように、その下部外周部の形状が、上面視では正多角形で側面視では断面半球状の多角球体部に形成され、その多角球体部が上記回転体の中央貫通孔の内壁に係合して配された操作軸と、上記操作軸に装着されて上記操作軸の傾倒動作により上記横形プッシュスイッチの操作ボタンを押圧部で押圧する駆動体と、上記ケース部と上記接点基板を結合維持させる結合手段とを備えた多方向入力装置であって、ケース部上を覆う金属カバーが結合手段としてなるように、上記金属カバーの上面部から下方に延出された脚部が、上記ケース部の中間壁部に設けられた結合用貫通孔に挿通されて、下方に突出した上記脚部の先端部で上記接点基板の底面が抱きカシメされて上記ケース部と上記接点基板とが結合維持された多方向入力装置としたものである。
当該構成のものであれば、各操作を繰り返し行っても、遊びなどが大きく発生する箇所もなく、良好な操作状態が維持できるものに実現できるという作用を有すると共に、上面視でケース部の範囲内に部品点数を増やすことなく結合手段を簡素な構成で備えさせたものにでき、その結合状態としても安定したものにできるという作用を有する
以上のように本発明によれば、長期に亘って各操作を行っても遊びの発生が少なく良好な操作状態が維持される多方向入力装置が実現できるという有利な効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図23を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態による多方向入力装置の断面図、図2は同多方向入力装置を分解状態で示した断面図、図3は同下面図、図4は同金属カバーを除いて示した上面図、図5は同ケース部の断面図、図6は同ケース部の下面図、図7は同ケース部の上面図である。
同図において、21は、成形樹脂からなるケース部であり、その底部の中央位置に下方開口の略立方体の凹部形状で形成された接点基板装着部22を有している。そして、その接点基板装着部22の上方位置には、接点基板装着部22と繋がる中央孔23を中心とする筒状保持部24が形成されている。また、上記筒状保持部24から等距離で90°ピッチの上面周囲位置には、横形プッシュスイッチ配置用のスイッチ装着部25がそれぞれ形成されている。そのスイッチ装着部25の底部位置には、貫通する端子用孔部25Aが一対毎で設けられている。
そして、31は、自己復帰タイプの横形プッシュスイッチであり、図8の断面図を用いてその構成を説明すると、当該横形プッシュスイッチ31のスイッチケース31Aは、側方開口の凹部を有し、その凹部内底面に一対の固定接点31Bが配設されていると共に、上記凹部内には、ドーム状に形成された可動接点31Cが収容されている。そして、その可動接点31Cをスイッチケース31A側に向けて押圧するために配された押圧用部材31Dがスイッチケース31Aに対して側方に向けて水平移動可能に配設されており、その押圧用部材31Dの操作ボタン31Eはスイッチケース31A側とは反対側に突出している。また、各固定接点31Bから延出された一対の端子31Fはスイッチケース31Aの下方側に直線状に突出している。
上記構成の横形プッシュスイッチ31は、四つ共に操作ボタン31Eをケース部21の中央側に向けて、ケース部21のスイッチ装着部25に上方から嵌め込まれることによってケース部21に位置決め保持されている。各横形プッシュスイッチ31の端子31Fは、貫通する端子用孔部25Aに挿通されてケース部21の底面位置より下方に突出している。
一方、ケース部21の接点基板装着部22には、ケース部21下方からその凹部形状に応じて略立方体の外形に形成された接点基板41が挿入されて配されている。上記接点基板41は、上面が開口する凹部を有し、その凹部中央位置に押圧型スイッチ部51が構成され、またその周囲位置の凹部底面には、回転用固定接点53が露出して固定されている。
上記押圧型スイッチ部51は、接点基板41の内底面に固定された周辺の第1固定接点51A上に、金属薄板からなるドーム状可動接点51Bの外周下端が常接状態で載せられ、そのドーム部内面に間隔を空けて同じく内底面に固定された中央の第2固定接点51Dが対峙した構成となっており、ドーム状可動接点51Bが、その上方に配されたプッシュ板51Cを介して押圧され上記ドーム部が弾性反転されると、中央の第2固定接点51Dに上記ドーム部内面が接触して第1固定接点51Aと第2固定接点51Dとの間が電気的に接続され、上記押圧力が除かれると、ドーム状可動接点51Bが元の形状に自己復元してプッシュ板51Cを押し戻すと共に、固定接点51A、51D間が再び電気的独立状態に戻るものとなっている。なお、51E、51Fは、それぞれの固定接点51A、51Dから延出されたスイッチ端子である。
上記回転用固定接点53は、図9の接点基板の上面図にも示したように、金属板を、インクリメンタル式エンコーダ出力が得られる接点パターンで打ち抜き形成し、その接点パターンを接点基板41の内底面に露出させるようにして固定することによって構成されている。なお、53A〜53Cは、各接点パターンから導出されたエンコーダ端子である。
そして、上記接点基板41は、その上端面が接点基板装着部22の凹部天面に当接状態になるようにして、ケース部21の接点基板装着部22に収容されて組み込まれている。その状態で接点基板41とケース部21との底面位置は同一面に位置するように設定している。
さらに、上記接点基板41の凹部内には、成形樹脂製の回転体61が配されている。この回転体61は、上記回転用固定接点53に摺接する摺動子55(図11参照)が下面に装着されたフランジ部62と、そのフランジ部62中央に上方に突出形成された外形円形の上方円形部63とを備えると共に、その中央位置に上下に貫通する中央貫通孔65を有する略環状の形状に形成されている。
そして、上記回転体61は、ケース部21に対して回転可能なように、フランジ部62下面外周が接点基板41の内底面に設けられた段部上に載せられると共に、上方円形部63が上述したケース部21の筒状保持部24に下方から挿入されて回転可能に嵌合保持されている。なお、フランジ部62上面には、回転操作時にクリック感触が得られるようにするための凹凸部68が形成されており、そこに弾接するクリックバネ70は、図6に示したように、接点基板装着部22の天面にダボカシメ等によって固定されている。
71は、上記回転体61の中央貫通孔65に挿通されて配された略棒状の操作軸であり、中央貫通孔65の下方位置に配設されている押圧型スイッチ部51のプッシュ板51C上に下端を当接させて配され、また、中央貫通孔65から突出した上部は、筒状保持部24の中央孔23および後述する金属カバー91の非円形中央孔92を挿通して外方に突出している。
この操作軸71は、上下動可能ならびに回転動作が可能で、しかも自身の傾倒動作も可能となるように、図10にも示したように、上記回転体61の中央貫通孔65の内壁に、その下部外周部を係合させて配されている。ここで、その係合部分について説明する。
操作軸71の下部外周部の外形は、図12の側面図および図13の上面図からも判るように、上面視では正六角形で、側面視では上方側が球面形状の断面半球状の多角球体部73に形成されている。なお、その半球状としては、必ずしも半球ではなく、一部のみを切り取った形状であってもよい。
一方、上記回転体61の中央貫通孔65は、その中間高さ位置近傍部分が、上記多角球体部73と同じ内壁形状の係合孔部66に形成されており、さらにその下方位置の中央貫通孔65形状は、大きい径の孔形状で形成されている。なお、上記下方位置の大きい径の孔形状部分に、押圧型スイッチ部51のプッシュ板51Cが配されるようにして押圧型スイッチ部51は位置されている。
そして、操作軸71は、図14にも示すように、係合孔部66に対して多角球体部73が下方から挿入されて係合され、また、上述したようにその下端を押圧型スイッチ部51のプッシュ板51C上に載せて配されている。その配置状態で操作軸71には、上記押圧型スイッチ部51からの上方への付勢力が加わるようにしており、その付勢力によって、係合孔部66および多角球体部73の球面壁同士が当接状態で維持されて操作軸71の中立位置が保たれ、また上方からの押し下げで操作軸71の上下動が可能な構成となっている。
また、上記係合状態で配された操作軸71は、回転方向に対しても上面視正六角形の角部で係合したものとなるため、操作軸71を回転させるとプッシュ板51C上に当接した下端を中心に回転して、上記角部どうしの係合で回転体61を共回りさせることが可能となる。
さらに、上記操作軸71の係合状態のものであれば、操作軸71に傾倒させる力を加えた際に、多角球体部73が係合孔部66に対して回動し、操作軸71の傾倒動作が可能なものともなる。なお、回転体61における中央貫通孔65の上端位置の開口部形状は、操作軸71の所望の傾倒角度量が確保できる形状に形成されている。なお、その傾倒角度を中央貫通孔65の上端位置で規制するようにしてもよい。
そして、上記操作軸71は、多角球体部73上の中間部が断面円形の円柱部75に形成され、その円柱部75は、上述した四つの横形プッシュスイッチ31における各々の操作ボタン31E間の中央位置を通って上方に突出している。
円柱部75には、上記横形プッシュスイッチ31の操作ボタン31Eを押圧するための成形樹脂製の駆動体81が配されている。この駆動体81は、図15の側面図および図16の上面図に示したように、円形の中孔を有する中央円筒部の上端位置から上記中孔を中心として下方円筒状に設けられたスカート部、およびそのスカート部の下方位置に同じく上記中孔を中心とする上面視円形リング形状の押圧部82を有した形状で構成されており、上記中央円筒部の中孔に操作軸71の円柱部75が挿通され、各操作ボタン31Eに対して押圧部82の対応する先端箇所は若干の圧接状態となっている。なお、押圧部82先端においては、上下方向で所定のアールを設けたものとしている。そして、駆動体81を上記のように方向性のない形状としておくと、組み込み作業性が良好であるため好ましい。
91は、ケース部21の上端位置に配された金属カバーであり、その平板状に形成された上面部93によって上記横形プッシュスイッチ31の上端面を位置規制していると共に、上面部93中央に設けられた非円形中央孔92からは、上記操作軸71の上部が外方に突出している。なお、操作軸71の傾倒動作時に操作軸71が非円形中央孔92で案内されるものとすれば操作性に優れるものとなり好ましいが、非円形中央孔92の形状は特に限定されない。
そして、85は、ケース部21の筒状保持部24上に配されたコイルバネであり、その上部は、上述した駆動体81の中央円筒部とスカート部の間の位置に収容されて配され、それら両者を繋ぐ連結部分の天面を上方に付勢している。その付勢力によって、駆動体81は、ゆるやかな球面状に形成された上部部分が、それに応じてゆるやかな球面状に形成されている上記金属カバー91の非円形中央孔92近傍の上面部93位置に当接保持されている。なお、このコイルバネ85は、駆動体81のガタツキなどを低減させることを主な目的として配したものであり、上記のように、押圧部82への付勢力に加えてコイルバネ85からの付勢力も駆動体81に加わる当該構成であれば、操作軸71の操作時に不用意に駆動体81が共回りなどすることを防止するため、操作軸71の中間部と駆動体81の嵌合部分の隙間を所定の大きさで設定しておくことも可能である。
そして、上記金属カバー91は、上記ケース部21と上記接点基板41を結合維持させる結合手段としても機能する部材となっている。
すなわち、金属カバー91の上面部93には、図17の上面図および図18の同右側面図からも判るように、下方に突出する四つの第1脚部95が設けられており、その各第1脚部95が、ケース部21の中間壁部27に上方から底面に突き抜けて設けられた四つの結合用貫通孔29A(図4、図6、図7参照)に挿通されて、その先端が、図3に示したように接点基板41の底面側に曲げカシメされることによって上記ケース部21と上記接点基板41を結合状態としている。上記のように、結合用貫通孔29Aを、スイッチ装着部25どうしの間となる中間壁部27位置に形成すると、スイッチ装着部25どうしの間の位置が有効活用できて外形寸法などの増大もなく、かつ結合用の専用部材を用いるものでもないので、上面視でケース部21の範囲内に部品点数を増やすことなく結合手段が構成されたものにでき好ましい。そして、その結合状態としても非常に安定したものにできる。なお、上記構成とする際には、接点基板41の底面側の各第1脚部95で抱きカシメされる箇所を、各第1脚部95の板厚に応じた深さの窪み状のものとして形成しておくとよい。
そして、金属カバー91には、さらに、上面部93から下方に突出する複数本の第2脚部97が設けられており、それらも同様に、ケース部21の中間壁部27においてスイッチ装着部25どうしの間の中間壁部27位置に形成された補助脚部用貫通孔29B(図4、図6、図7参照)に挿通されてそれらの各先端はケース部21下方に突出している。この第2脚部97は、半田付け強度を向上させるために配したものである。
以上のように本発明による多方向入力装置は構成され、続いてその動作について説明する。
まず、操作軸71を回転操作すると、操作軸71はプッシュ板51C上に下端が当接した状態で自身が回転し、その操作軸71の回転に伴って、多角球体部73が係合孔部66に係合されている回転体61も操作軸71と共回りする。これにより、フランジ部62下面に装着された摺動子55が回転用固定接点53上を摺接して、エンコーダ端子53A〜53Cから所定のインクリメンタル式のエンコーダ出力が得られる。また、その際には、接点基板装着部22の天面に固定されたクリックバネ70のダボ部が、フランジ部62上面に設けられた凹凸部68に弾接するため、クリック感触も同時に得られる。このとき、操作軸71の中間位置に組み合わされた駆動体81が不用意に回転しないように構成しておくと、操作感触が優れたものとなり好ましい。
次に、操作軸71を下方に押し下げ操作すると、駆動体81は移動せず操作軸71のみが下方に移動して、プッシュ板51Cを介して押圧型スイッチ部51に押圧力が加わり、その力が所定の大きさを超えると図19に示したようにドーム状可動接点51Bのドーム部が弾性反転して、接点基板41の第1固定接点51Aと第2固定接点51Dとの間が電気的に接続され、スイッチ端子51E、51F間が導通状態になる。そして、上記操作力を除くと、ドーム状可動接点51Bが元の上方凸形に自己復元してプッシュ板51Cおよび操作軸71を押し上げて、スイッチ端子51E、51F間が電気的に独立した元の図1に示す通常状態に戻る。なお、操作軸71の上方への復帰位置は、操作軸71の多角球体部73が係合孔部66内壁に当接することにより規制される。
次に、操作軸71に対し傾倒させる力を加えると、その下部に設けられた多角球体部73が係合孔部66に対して回動し、操作軸71が傾倒動作する。
このとき、操作軸71の下方位置に設けられた押圧型スイッチ部51にも多少の押圧力が加わるが、その力では作動しない反転動作力のドーム状可動接点51Bを用いた構成の押圧型スイッチ部51としておけば、それによる誤動作を防止することができる。
そして、操作軸71の傾倒動作に応じて駆動体81も同時にコイルバネ85を撓めつつその方向に傾倒移動していき、これによって、傾倒方向側に配されている一つの横形プッシュスイッチ31の操作ボタン31Eが円形リング状で形成された押圧部82の対応箇所で押圧され、図20に示す傾倒操作状態となる。なお、操作軸71の傾倒角度規制は、金属カバー91の非円形中央孔92の端面に操作軸71が当接して停止する構成とすることが好ましい。そして、上記操作軸71の傾倒動作状態では、その方向に応じて配された横形プッシュスイッチ31の固定接点31B間が可動接点31Cを介して導通状態に移行されて一対の端子31F間が導通する。その後、上記傾倒操作力を除くと、上記可動接点31Cが自己復元して上記横形プッシュスイッチ31が元のオフ状態に戻ると共に、その復帰力で駆動体81の押圧部82が押し戻され、さらに上記コイルバネ85の元に戻る復元力も加わって駆動体81および操作軸71は図1に示した中立状態に戻る。
なお、上記の傾倒動作ならびにそこからの復帰動作時においては、駆動体81の上部位置とその上部位置が当接する金属カバー91の上面部93箇所を共にゆるやかな球面状に形成して当接させた構成としているため、スムーズで滑らかな動作状態のものとなる。また、操作軸71と回転体61の係合部分の形状も上記滑らかな動作状態になることに寄与している。
以上のように、当該実施の形態による多方向入力装置は、操作軸71への回転操作・押し下げ操作・傾倒操作のいずれもが可能なものとして実現でき、その使用時には、図21に示したように、操作軸71に一つの操作つまみ99を装着して、その操作つまみ99を介して上記各操作が可能なものとして搭載できる。
そして、当該構成のものは、接点基板41をケース部21の底部位置に組み込んで構成したものであるため、その接点基板41の底面を機器の配線基板上に直接当接させた配置状態で上記配線基板に搭載でき、操作軸71への押し下げ操作時にその押し下げ力を上記配線基板で受けるようにできる。このため、上記押し下げ操作を繰り返して行ったとしても、遊びなどが大きく発生する箇所もなく、従来のものとは異なって良好な操作状態が維持されるものにできる。
さらに、通常状態で操作軸71は押圧型スイッチ部51の付勢力で上方に付勢されて多角球体部73が係合孔部66の内壁に係合された構成としているため、傾倒操作が繰り返されて多角球体部73と係合孔部66の内壁との係合部分に磨耗が生じたとしても、上記付勢力の作用により操作軸71のガタツキは発生し難く、傾倒操作時においても長期に亘って良好な傾倒操作状態が維持されるものとして実現できる。
また、ケース部21に筒状保持部24を一体化しているため、部品点数も少なくて済み、しかもスイッチ装着部25もケース部21に一体化させて、ケース部21と金属カバー91で占める領域内で、回転操作・押し下げ操作・傾倒操作により作動される各部品をそれぞれ位置決めさせて収納配置できるものとしているため、ケース部21に上記各部品を上下方向から組み込むのみで、製造工数が少なく上記各部品同士を高精度に組み合わせて配したものにできるという利点も有する。
また、従来構成のものであれば、傾倒操作時に上基板が揺動して上方に移動する空間を必要とすることに対し、当該構成のものは、そのような空間を必要とせず、ケース部21と金属カバー91で占める領域範囲が確保されていればよいので、この点でも機器側含めて当該構成のものの方が扱い易いものとなる。
以上のように、本発明による多方向入力装置は、一つの操作つまみ99に対しての回転操作・押し下げ操作・傾倒操作のそれぞれに応じて所定出力が得られ、長期に亘って各操作を行っても遊びの発生なども少なく良好な操作状態が維持されるものとして実現することができる。
なお、上記に説明した駆動体81は、スカート部の下方位置に設けられた押圧部82が上面視円形リング形状であるものとして説明したが、他の形状としてもよい。例えば、図22の側面図および図23の上面図に示すように、駆動体100の押圧部101先端が、対応する横形プッシュスイッチ31の操作ボタン31Eの前面に面接触する平面からなる押圧面を有するものとし、対応する横形プッシュスイッチ31の操作ボタン31Eの先端面に対して、その押圧部101を面どうしで当接させる形態とすれば、操作軸71の傾倒操作時に、横形プッシュスイッチ31の作動状態がより安定したものとなる。
なお、当該駆動体100を用いると操作軸71の回転操作時に駆動体100の不用意な回転が確実に防止でき、横形プッシュスイッチ31の操作ボタン31Eに擦れ合うことがなくて良好な回転操作感触が得られるものとして容易に構成できる。なお、当該駆動体100は方向性を有するが、上記のようにその装着方向が決定されるため、図22にも示したように、スカート部に下方側からスリットを入れて所定の弾性を有するアーム状とし、その下方位置に上記押圧部101を側方に突出させて設けたものとして、上記アーム状部分の撓み分を含む傾倒操作角度のものに構成することも可能である。
以上には、操作軸71への回転操作で回転操作型エンコーダが作動される構成のものについて説明した。その回転操作型エンコーダの構成は、上述構成のもののみに限られず、さらには、回転操作型エンコーダの代わりに上記回転操作によって可変抵抗器やロータリースイッチが作動されるものとして構成されていてもよい。また、押圧型スイッチ部51や横形プッシュスイッチ31も上述構成のもののみに限られることもない。
本発明による多方向入力装置は、長期に亘って各操作を行っても遊びの発生が少なく良好な操作状態が維持されるものとして実現できるという特徴を有し、各種電子機器の入力操作部を構成する際などに有用である。
本発明の一実施の形態による多方向入力装置の断面図 同多方向入力装置を分解状態で示した断面図 同下面図 同金属カバーを除いて示した上面図 同ケース部の断面図 同ケース部の下面図 同ケース部の上面図 同横形プッシュスイッチの断面図 同接点基板の上面図 同回転体と操作軸との組み合わせ状態の断面図 同回転体に装着された摺動子の平面図 同操作軸の側面図 同操作軸の上面図 同図10のX−X線における断面図 同駆動体の側面図 同駆動体の上面図 同金属カバーの上面図 同金属カバーの右側面図 同押し下げ操作状態を示す断面図 同傾倒操作状態を示す断面図 同操作つまみを装着した状態での側面図 同他の形状で形成された駆動体の側面図 同他の形状で形成された駆動体の上面図 従来の多方向入力装置の断面図 同分解斜視図 同上面図
符号の説明
21 ケース部
22 接点基板装着部
23 中央孔
24 筒状保持部
25 スイッチ装着部
25A 端子用孔部
27 中間壁部
29A 結合用貫通孔
29B 補助脚部用貫通孔
31 横形プッシュスイッチ
31A 横形プッシュスイッチのスイッチケース
31B 横形プッシュスイッチの固定接点
31C 横形プッシュスイッチの可動接点
31D 横形プッシュスイッチの押圧用部材
31E 横形プッシュスイッチの操作ボタン
31F 横形プッシュスイッチの端子
41 接点基板
51 押圧型スイッチ部
51A 第1固定接点
51B ドーム状可動接点
51C プッシュ板
51D 第2固定接点
51E、51F スイッチ端子
53 回転用固定接点
53A〜53C エンコーダ端子
55 摺動子
61 回転体
62 フランジ部
63 上方円形部
65 中央貫通孔
66 係合孔部
68 凹凸部
70 クリックバネ
71 操作軸
73 多角球体部
75 円柱部
81、100 駆動体
82、101 押圧部
85 コイルバネ
91 金属カバー
92 非円形中央孔
93 上面部
95 第1脚部
97 第2脚部
99 操作つまみ

Claims (1)

  1. 底部の中央位置に下方開口の凹部形状で形成された接点基板装着部を有すると共に、その接点基板装着部に繋がる中央孔を中心として形成された筒状保持部を中央位置に備え、さらにその筒状保持部から等間隔の周囲位置に横形プッシュスイッチ配置用のスイッチ装着部を有するケース部と、上記スイッチ装着部に装着されたそれぞれの横形プッシュスイッチと、上記接点基板装着部に下方から組み込まれて、その上面中央部分に押圧型スイッチ部を備え、また、その上面周囲位置に回転用固定接点が固定された接点基板と、上記回転用固定接点に係合する摺動子がフランジ部下面に装着され、上記フランジ部中央に上方に突出形成された外形円形の上方円形部が上記ケース部の筒状保持部に回転可能に保持された回転体と、上記回転体の上下に貫通する中央貫通孔に挿通されて配された略棒状で、下方への移動により上記押圧型スイッチ部への押圧操作が可能で、回転時には上記回転体を共回りさせ、さらに自身の傾倒動作が可能なように、その下部外周部の形状が、上面視では正多角形で側面視では断面半球状の多角球体部に形成され、その多角球体部が上記回転体の中央貫通孔の内壁に係合して配された操作軸と、上記操作軸に装着されて上記操作軸の傾倒動作により上記横形プッシュスイッチの操作ボタンを押圧部で押圧する駆動体と、上記ケース部と上記接点基板を結合維持させる結合手段とを備えた多方向入力装置であって、ケース部上を覆う金属カバーが結合手段としてなるように、上記金属カバーの上面部から下方に延出された脚部が、上記ケース部の中間壁部に設けられた結合用貫通孔に挿通されて、下方に突出した上記脚部の先端部で上記接点基板の底面が抱きカシメされて上記ケース部と上記接点基板とが結合維持された多方向入力装置。
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