JP4186612B2 - 複合操作型電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器の入力操作部に使用されて、操作軸の回転操作、傾倒操作および押圧操作により操作される複合操作型電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の複合操作型電子部品について、図10〜図13を用いて説明する。
【0003】
図10は従来の複合操作型電子部品の正面断面図、図11は分解斜視図である。
【0004】
同図において、1は上底面中央に円形の開口部1Aを有する金属板製のコの字形のカバーで、その上底面内側に開口部1Aの周囲下面を覆うように配された球状凹部体1B、およびこれに重ねて配された樹脂製の四角形の枠体2およびその下面を塞ぐように配された第一接点基板3などを抱持して箱型ケースを形成している。
【0005】
枠体2の中間壁部には中央孔4Aおよび四つの貫通孔4B〜4Eが設けられ、第一接点基板3上には、上記各孔4A〜4Eに対応した位置に、中央固定接点3Aおよび中心から等距離で90°の角度間隔の周辺固定接点3B〜3Eが設けられている。
【0006】
そして、枠体2と第一接点基板3の間には、ラバーシート5および第二接点基板6が挟持され、ラバーシート5には、各頂点部下面に可動接点5Fおよび5G〜5J(5H,5Jは図示せず)を有するドーム状部5Aおよび5B〜5Eが、固定接点3Aおよび3B〜3Eに対応した位置に設けられて、中央押圧スイッチ7Aおよび周辺押圧スイッチ7B〜7E(7C,7Eは図示せず)を形成している。
【0007】
また、第二接点基板6は、上記のドーム状部5B〜5Eを対応する四つの貫通孔にはめ込んで、第一接点基板3との間にラバーシート5を挟み込むと共に、弾性金属薄板からなる弾性接点8Aおよび8Bを有している。
【0008】
さらに、9は樹脂製の回転体で、中央に正六角形の貫通孔9Aを有し、下面には信号接点板10がインサート成形により固定されており、枠体2の中間壁部の貫通孔4Aおよび第二接点基板6の中央孔6Aによって回転可能に保持されて、弾性接点8Aおよび8Bが信号接点板10に弾接することにより回転部品部を形成している。
【0009】
そして、11は棒状の操作軸で、その下端は中心部の水平断面が正六角形である多角形球体11Aとなって、回転体9中央の正六角形の貫通孔9Aに上下動および傾倒可能であるが共回りするように係合すると共に、中央押圧スイッチ7Aのドーム状部5Aの上面に当接しており、一方、上方に伸びた円形の軸部11Bが駆動体12の中央孔12Aを貫通してカバー1の開口部1Aから上方に突出している。
【0010】
また、駆動体12は、平板部の上面中央に、操作軸11下端の多角形球体11Aと同中心である球状突部12Bを有しており、この球状突部12Bがカバー1の開口部1A周囲下面に位置する球状凹部体1Bの球状凹部部分に対し回転傾倒可能に当接するように、中央孔12Aを貫通した操作軸11の軸部11B中間のフランジ部11Cにより支持されている。
【0011】
さらに、駆動体12の平板部の下方には、四つの突起13A〜13D(13Dは図示せず)が設けられ、その下端部がそれぞれ周辺押圧スイッチ7B〜7Eのドーム状部5B〜5Eの上面に当接して、駆動体12および操作軸11を中立位置に保っている。
【0012】
次に、このように構成される複合操作型電子部品の動作について説明する。
【0013】
まず、図10に示す中立位置において、操作軸11の軸部11Bを水平回転させると、下端の多角形球体11Aと共回りするように係合している回転体9が回転させられ、その下面の信号接点板10上を弾性接点8A,8Bが弾接摺動して、回転部品部としての電気信号を発生する。
【0014】
そして、操作軸11の軸部11Bに横方向の押し力を加えて、図12に矢印Xで示す方向に傾倒させると、操作軸11は下端の多角形球体11Aを中心として右方向に回動し、これに伴って軸部11Bの中間に係合している駆動体12がZ方向に回動して傾倒し、下方の突起13Aが周辺押圧スイッチ7Bのドーム状部5Bを下方に押して弾性変形させ、可動接点5Gが固定接点3Bに接触して周辺押圧スイッチ7BをONさせる。
【0015】
この後、軸部11Bに加えた押し力を除くと、ドーム状部5Bがその弾性復元力によって元の形状に復帰すると共に、突起13Aを押し戻して、操作軸11を元の図10の中立位置に復帰させる。
【0016】
また、軸部11Bに下向きの押し力を加えて、図13に矢印Vで示すように下方へ押圧すると、操作軸11下端の多角形球体11Aの下面が中央押圧スイッチ7Aのドーム状部5Aを下方に押して弾性変形させて、可動接点5Fが固定接点3Aに接触して中央押圧スイッチ7AをONさせ、軸部11Bに加えた押し力を除くと元の図10の中立位置に復帰するものであった。
【0017】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
【0018】
【特許文献1】
特開平10−241501号公報
【特許文献2】
特開2000−48681号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の複合操作型電子部品は、操作軸11の回転操作時に、駆動体12の突起13A〜13Dと枠体2の貫通孔4B〜4Eとの隙間分だけ、駆動体12が回転方向に動いて操作する人の手に回転ムラを感じたり、また、操作軸11の多角形球体11Aが上下動および傾倒可能に係合する回転体9の多角形の貫通孔9Aとの係合部に僅かなギャップが設けられているが、このギャップが原因となって操作軸11の回転操作時にアソビ角を生じ、操作する人の手にガタツキとして感じることがあるという課題があった。
【0020】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、操作軸の回転操作時に、操作する人の手に回転ムラやガタツキ等の不快感を感じ難い複合操作型電子部品を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0022】
本発明の請求項1に記載の発明は、周囲下面が球状凹部となった円形開口部を上底面の中央に有し、回転部品部および中央押圧スイッチを下底面の中央に有し、下底面の中心から90°の角度間隔に四つの周辺押圧スイッチを有すると共に、球状凹部の外方に、対向する二つの周辺押圧スイッチを結ぶいずれか一方の中心線に沿って、上底面から下方に突出する二つのボスを有する箱型ケースと、中心に円形貫通孔を有する上面中央の球状突部が箱型ケースの円形開口部周囲下面の球状凹部に対し回転および傾倒可能に当接して係合すると共に、この球状突部の外方に、二つのボスがそれぞれ係合する二つの長孔を有し、更に周辺押圧スイッチの押圧部にそれぞれ当接する四つの突起を外周下面に有し、かつ球状突部下面の円形貫通孔の周囲が、外周が壁部となっている多角形の平面部である駆動体と、回転部品部の回転体の多角形の貫通孔に傾倒および上下動可能であるが共回りするように係合して、下面が中央押圧スイッチの押圧部に当接する、水平断面が多角形である多角形球体を下端に有し、この球体から上方に伸びた円形の軸部が上記駆動体の円形貫通孔と回転および上下動自在に係合して上方に突出すると共に、軸部の中間に設けられたフランジ部の上面が、中央押圧スイッチによる上方への付勢力により、外形が上記駆動体の平面部と同形状である柔軟性を有する摩擦板を挟み付けて上記駆動体の平面部に弾接している操作軸からなる複合操作型電子部品としたものであり、箱型ケースの上底面から突出したボスが駆動体の二つの長孔に係合しているので、操作軸の回転操作時に駆動体が回転方向に動くことが少なく、また、回転操作時には、フランジ部の上面と駆動体の多角形の平面部が柔軟性を有する同形状の摩擦板を介して弾接触し、かつ摩擦板は平面部外周の壁部に回転しないようにはめ込まれているので、安定した回転トルクで滑らかに回転し、操作軸の多角形球体と回転体の多角形の貫通孔との係合部のギャップによるガタツキを操作する人の手に感じ難くなり、不快感を感じないで回転型部品部を動作させることができ、更に、操作軸を傾倒操作して周辺押圧スイッチを、押圧操作して中央押圧スイッチをそれぞれスムーズに動作させることができる複合操作型電子部品を実現できるという作用効果を有する。
【0023】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、箱型ケースの上底面から突出した二つのボスと駆動体の二つの長孔との係合部が、中心線に沿う方向にはボスの両側に大きな隙間があり、中心線に直角方向ではボスの根元側では僅かな隙間で先端側に向けて次第に大きな隙間となっているものであり、操作軸の回転操作時には、二つのボス根元側の僅かな隙間の部分で駆動体が回転方向に動くことを規制し、操作軸を二つのボスを結ぶ中心線の方向に傾倒操作する場合には、ボス両側の大きな隙間の方向に、長孔内でボスが動いて駆動体を傾倒させ、二つのボスを結ぶ中心線に直角な方向に傾倒操作する場合には、ボスの根元側を支点として、次第に隙間が大きくなった先端側が動いて駆動体を傾倒させることができるという作用効果を有する。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、操作軸のフランジ部の上面が摩擦板を挟み付けて駆動体の平面部に弾接するように、中央押圧スイッチと共に上記フランジ部を上方に付勢するばね体を、フランジ部下方の操作軸の周囲に配設したものであり、請求項1に記載の発明による作用に加えて、中立位置における走査軸の上下方向位置が安定すると共に、操作軸の回転操作時における摩擦板の摩擦力が大きくなって、回転トルクおよび回転感触をより安定した状態とすることができるという作用効果を有する。
【0025】
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明において、回転部品部と中央押圧スイッチが一体化されて、個別の電子部品として予め形成されたものであり、本複合操作型電子部品を構成する各機能部品の中でもっとも複雑な部分を予め組み立てて検査をしておくことができるので、複合操作型電子部品全体としての組立てが容易になるという作用効果を有する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図9を用いて説明する。
【0027】
なお、従来の技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0028】
(実施の形態1)
実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1〜3に記載の発明について説明する。
【0029】
図1は本発明の第1の実施の形態による複合操作型電子部品の正面断面図、図2は分解斜視図であり、同図に示すように、基本的な構成は従来の技術の項で説明したものと同じである。
【0030】
すなわち、1は上底面中央に円形の開口部1Aを有する金属板製のコの字形のカバーで、その上底面内側に開口部1Aの周囲下面を覆う球状凹部体21を、両側面間に樹脂製の四角形の枠体2およびその下面を塞ぐように配された第一接点基板3を抱持して箱型ケースを形成している。
【0031】
そして、枠体2の中間壁部には中央孔4Aおよび四つの貫通孔4B〜4Eが設けられ、第一接点基板3上には、各孔4A〜4Eに対応して、中央固定接点3Aおよび中心から等距離で90°の角度間隔の周辺固定接点3B〜3E(3C,3Eは図示せず)が設けられていると共に、枠体2と第一接点基板3の間には、ラバーシート5および第二接点基板6が挟持され、ラバーシート5には、各頂点部下面に可動接点5Fおよび5G〜5J(5H,5Jは図示せず)を有するドーム状部5Aおよび5B〜5E(5C,5Eは図示せず)が、中央固定接点3Aおよび周辺固定接点3B〜3Eに対応した位置に設けられて、中央押圧スイッチ7Aおよび周辺押圧スイッチ7B〜7E(7C,7Eは図示せず)を形成している。
【0032】
また、第二接点基板6は、上記のドーム状部5B〜5Eに対応する四つの貫通孔にはめ込んで、第一接点基板3との間にラバーシート5を挟み込むと共に、弾性金属薄板からなる弾性接点8Aおよび8Bを有しており、枠体2の中間壁部の中央孔4Aおよび第二接点基板6の中央孔6Aにより回転可能に保持された樹脂製の回転体9の下面にインサート成形固定された信号接点板10に、上記弾性接点8Aおよび8Bが弾接して回転部品部を形成している。
【0033】
なお、枠体2の下方に配設された第二接点基板6、ラバーシート5、第一接点基板3と回転体9およびこれらの部材により構成される各押圧スイッチ並びに回転部品部は、従来の技術の場合と全く同じであるので、図2において、これらの部材は一体に組み合わせた状態で示している。
【0034】
そして、22は棒状の操作軸で、その下端は中心部の水平断面が正六角形である多角形球体22Aとなって、回転体9中央の正六角形の貫通孔9Aに上下動および傾倒可能であるが共回りするように係合すると共に、中央押圧スイッチ7Aのドーム状部5Aの上面に当接して上方への付勢がされており、上方に伸びた円形の軸部22Bが駆動体23の中央孔23Aを貫通してカバー1の開口部1Aから上方に突出している。
【0035】
また、駆動体23は、平板部23Cの上面中央に、操作軸22下端の多角形球体22Aと同中心である球状突部23Bを有しており、この球状突部23Bがカバー1の開口部1A周囲下面の球状凹部体21の球状凹部部分に対し回転および傾倒可能に当接するようにして、中央孔23Aを貫通した軸部22B中間の大径のフランジ部22Cにより上方へ付勢・支持され、更に、駆動体23の平板部23Cの下方には、四つの突起24A〜24D(24Dは図示せず)が設けられ、その下端部がそれぞれ周辺押圧スイッチ7B〜7Eのドーム状部5B〜5Eの上面に当接することにより、駆動体23および操作軸22を中立位置に保っていることも従来の技術の場合と同様である。
【0036】
しかし、駆動体23の球状突部23B外方の平板部23Cには、中心に対し対向する二つの突起24Aと24Cすなわち二つの周辺押圧スイッチ7Bと7Dを結ぶ中心線に沿って二つの長孔25A,25Bが設けられ、箱型ケースの上底面を形成する球状凹部体21の平面部から下方に突出した二つのボス26A,26Bが係合していると共に、操作軸22の軸部22B中間のフランジ部22C上面と駆動体23の球状突部23B下面の平面部23Dとの間には、平板リング状の摩擦板27が挟み付けられている。
【0037】
これら二つの長孔25A,25Bと二つのボス26A,26Bとの係合部分および摩擦板27の装着部分の状態を、図1のP−P線における断面図である図3に示す。
【0038】
同図に示すように、二つのボス26A,26Bは円形断面の棒体で、長孔25A,25Bの長手方向の略中央部に係合しており、二つの周辺押圧スイッチ7B,7Dを結ぶ中心線に沿う方向には両側に大きな余裕があり、中心線に直角な方向では僅かな隙間となっている。
【0039】
そして、二つのボス26A,26Bの直径は、図1に示すように、長孔25A,25Bの上端に係合する部分から根元側は一定の大きさで、ここから先端側に向けて次第に細くなっている。
【0040】
また、平板リング状の摩擦板27は、ゴム板やフェルトまたは弾性樹脂板等の柔軟性を有する材料で形成され、図3に示すように、六角形の外径が駆動体23の平面部23D周囲の六角形の壁部内にはめ込まれると共に、中心の円形孔を操作軸22の軸部22Bが貫通している。
【0041】
本実施の形態による複合操作型電子部品は以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
【0042】
まず、図1に示す中立位置において、操作軸22の軸部22Bを水平回転させると、下端の多角形球体22Aと共回りするように係合している回転体9が回転させられ、その下面の信号接点板10上を弾性接点8A,8Bが弾接摺動して、回転部品部としての電気信号を発生する。
【0043】
この時、操作軸22は中央押圧スイッチ7Aのドーム状部5Aによって上方への付勢力を受けているので、大径のフランジ部22Cの上面は摩擦板27を介して駆動体23の平面部23Dに弾接触しながら回転するが、摩擦板27は外径が平面部23Dの周囲の壁部にはめ込まれているので回転せず、フランジ部22Cの上面と摩擦板27の間で滑ることにより安定した回転トルクを生じて滑らかに回転する。
【0044】
これにより、操作軸22の多角形球体22Aと回転体9の貫通孔9Aとの係合部のギャップによるガタツキを、操作する人の手に感じ難くなっている。
【0045】
また、操作軸22のフランジ部22C上面と摩擦板27の間の摩擦力によって駆動体23も回転しようとするが、平板部23Cの二つの長孔25A,25Bに球状凹部体21から突出した二つのボス26A,26Bが僅かな隙間で係合しているので、駆動体23は回転方向には動かない。
【0046】
従って、この複合操作型電子部品を操作する人の手に不快感を感じないで回転部品部を操作することができる。
【0047】
次に、操作軸22の軸部22Bに横方向の押し力を加えて、図4に矢印Xで示す方向に傾倒操作すると、操作軸22は下端の多角形球体22Aを中心として右方向に回動し、これに伴い軸部22Bの中間に係合している駆動体23がZ方向に回動して傾倒し、これにより下方の突起24Aが周辺押圧スイッチ7Bのドーム状部5Bを下方に押して弾性変形させ、可動接点5Gが周辺固定接点3Bに接触して周辺押圧スイッチ7BをONさせる。
【0048】
この後、軸部22Bに加えた押し力を除くと、ドーム状部5Bがその弾性復元力によって元の形状に復帰すると共に、突起24Aを押し戻して、駆動体23および操作軸22を元の図1の中立位置に復帰させる。
【0049】
この時、駆動体23の平板部23Cの長孔25A,25Bに係合した二つのボス26A,26Bは、それぞれの長孔25A,25B内の大きな余裕のある方向において、その係合位置がボス26Aは先端側へボス26Bは根元側へと移動しながら、駆動体23の突起24Aが周辺押圧スイッチ7Bのドーム状部5Bの上面を的確に押すようにガイドする。
【0050】
また、軸部22Bに上記のX方向とは直角な横方向に押し力を加えて傾倒操作する場合には、図1に示す中立位置において長孔25A,25Bとボス26A,26Bがそれぞれ係合している状態において、図5の側面部分断面図に示すように、駆動体23すなわち長孔25A,25Bが傾いて、周辺押圧スイッチ7Cまたは7E(図示せず)をONさせる。
【0051】
この場合、二つのボス26A,26Bの先端側が細くなっているので、駆動体23の長孔25A,25Bは無理なく傾くことができ、この方向への傾倒操作時にも、駆動体23の突起24Bまたは24Dが周辺押圧スイッチ7Cまたは7Eのドーム状部5Cまたは5Eの上面を的確に押すことができる。
【0052】
更に、操作軸22の軸部22Bに下向きの押し力を加えて、図6に矢印Vで示すように下方へ押圧操作すると、操作軸22下端の多角形球体22Aの下面が中央押圧スイッチ7Aのドーム状部5Aを下方に押して弾性変形させて、可動接点5Fが中央固定接点3Aに接触して中央押圧スイッチ7AをONさせ、軸部22Bに加えた押し力を除くと、ドーム状部5Aがその弾性復元力によって元の形状に復帰すると共に、操作軸22を上方へ押し戻して、元の図1の中立位置に復帰させる。
【0053】
この操作軸22の押圧操作時に、駆動体23は下方の四つの突起24A〜24Dが周辺押圧スイッチ7B〜7Eのドーム状部5B〜5Eの上面に当接・支持されていて、下方へは動かない。
【0054】
そして、図7は以上に説明した複合操作型電子部品の他の構成を示す正面断面図である。
【0055】
すなわち、図1の正面断面図に示したものに対し、このものは操作軸28のフランジ部28A下方の軸部28Bの周囲に、フランジ部28Aを上方に付勢するばね体としてのコイルばね29が配設されている。
【0056】
このコイルばね29は、フランジ部28A下面と枠体30の中間壁30Aとの間に挿入され、フランジ部28A上面が摩擦板27を挟み付けて駆動体31の平面部31Aに強く弾接するように配設されたものであり、このような構成とすることによって、図1に示したものよりも中立位置における操作軸28すなわち軸部28Bの上下方向位置が安定すると共に、操作軸28の回転操作時における摩擦板27の摩擦力が大きくなって、回転トルクおよび回転感触をより安定した状態とすることができる。
【0057】
以上のように本実施の形態によれば、箱型ケースの上底面から突出したボス26A,26Bが駆動体23の二つの長孔25A,25Bに係合しているので、操作軸22の回転操作時に駆動体23が回転方向に動くことが少なく、またこの回転操作時に、フランジ部22C上面と駆動体23の多角形の平面部23Dが柔軟性を有する同形状の摩擦板27を介して弾接触し、かつ摩擦板27は平面部23D外周の壁部に回転しないようにはめ込まれているので、安定した回転トルクで滑らかに回転し、操作軸22の多角形球体22Aと回転体9の多角形の貫通孔9Aとの係合部のギャップによるガタツキが操作する人の手に感じ難くなり、不快感を感じないで回転型部品部を動作させることができ、更に、操作軸22を傾倒操作して周辺押圧スイッチ7B〜7Eを、押圧操作して中央押圧スイッチ7Aをそれぞれスムーズに動作させることができる複合操作型電子部品を実現できるものである。
【0058】
(実施の形態2)
実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項4に記載の発明について説明する。
【0059】
なお、実施の形態1と同一構成の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0060】
図8は本発明の第2の実施の形態による複合操作型電子部品の正面断面図であり、同図に示すように、本実施の形態による複合操作型電子部品は上記の実施の形態1によるものに対し、個別の電子部品として予め形成されたものを、各機能部品部として使用している点が異なっている。
【0061】
すなわち、実施の形態1において軸部22Bすなわち操作軸22により直接操作される回転部品部と中央押圧スイッチを、本出願人が提案している特開2000−48681号公報に開示した図9の正面断面図に示すような、中間にフランジ部32Bを有する操作軸32の断面が正六角形の多角形球体32Aを、信号接点板を保持した回転体33中央の六角形の貫通孔33Aに上下動および傾倒可能であるが共回りするように挿通して、その下端部を回転体33の下方に配設された押圧スイッチ部34の駆動板35上面に当接させた、プッシュスイッチ付きの個別の回転型電子部品36として予め形成し、性能検査も実施しておく。
【0062】
そして、図8に示すように、この個別の回転型電子部品36を四つの個別押圧スイッチ37と共にプリント配線基板38上の所定の位置に配設し、その上部に周囲下面が球状凹部となった円形開口部39Aおよび下方へ突出した二つのボス39Bを有するケース39で覆い、その内側に、実施の形態1の場合と同様の駆動体40および摩擦板27を配設するものである。
【0063】
このようにして形成された本実施の形態による複合操作型電子部品は、その構成要素である各機能部品部の中でもっとも複雑である回転部品部を、中央押圧スイッチと組み合わせて予め組み立てて検査をしておくので、複合操作型電子部品全体としての組立てが容易になると共に、実施の形態1によるものと同様の動作をすることができるものにできる。
【0064】
なお、以上の実施の形態1および2の説明において、操作軸22の多角形球体22Aまたは操作軸32の多角形球体32Aの断面形状および、これらが係合する回転体9の貫通孔9Aまたは回転体33の貫通孔33Aはいずれも正六角形であるとしたが、これは正八角形等であってもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、箱型ケースの上底面から突出したボスが駆動体の二つの長孔に係合していて、操作軸の回転操作時に駆動体が回転方向に動くことが少なく、また、回転操作時には、フランジ部の上面と駆動体の多角形の平面部が柔軟性を有する同形状の摩擦板を介して弾接触し、かつ摩擦板は平面部外周の壁部に回転しないようにはめ込まれているので、安定した回転トルクで滑らかに回転し、操作軸の多角形球体と回転体の貫通孔との係合部のギャップによるガタツキが操作する人の手に感じ難くなり、不快感を感じないで回転型部品部を動作させると共に、操作軸を傾倒操作して周辺押圧スイッチを、押圧操作して中央押圧スイッチをそれぞれスムーズに動作させる複合操作型電子部品を実現できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による複合操作型電子部品の正面断面図
【図2】同分解斜視図
【図3】同図1のP−P線における断面図
【図4】同傾倒操作時の正面断面図
【図5】同図4の場合に対して直角な方向に傾倒操作する場合のボス中心線における側面部分断面図
【図6】同押圧操作時の正面断面図
【図7】同他の構成の複合操作型電子部品の正面断面図
【図8】本発明の第2の実施の形態による複合操作型電子部品の正面断面図
【図9】同個別の回転型電子部品の正面断面図
【図10】従来の複合操作型電子部品の正面断面図
【図11】同分解斜視図
【図12】同傾倒操作時の正面断面図
【図13】同押圧操作時の正面断面図
【符号の説明】
1 カバー
1A 開口部
2,30 枠体
3 第一接点基板
3A 中央固定接点
3B〜3E 周辺固定接点
4A,6A,23A 中央孔
4B〜4E,9A,33A 貫通孔
5 ラバーシート
5A〜5E ドーム状部
5F〜5J 可動接点
6 第二接点基板
7A 中央押圧スイッチ
7B〜7E 周辺押圧スイッチ
8A,8B 弾性接点
9,33 回転体
10 信号接点板
21 球状凹部体
22,28,32 操作軸
22A,32A 多角形球体
22B,28B 軸部
22C,28A,32B フランジ部
23,31,40 駆動体
23B 球状突部
23C 平板部
23D,31A 平面部
24A〜24D 突起
25A,25B 長孔
26A,26B,39B ボス
27 摩擦板
29 コイルばね
30A 中間壁
34 押圧スイッチ部
35 駆動板
36 回転型電子部品
37 個別押圧スイッチ
38 プリント配線基板
39 ケース
39A 円形開口部
Claims (4)
- 周囲下面が球状凹部となった円形開口部を上底面の中央に有し、回転部品部および中央押圧スイッチを下底面の中央に有し、この下底面の中心から90°の角度間隔に四つの周辺押圧スイッチを有すると共に、上記球状凹部の外方に、対向する二つの上記周辺押圧スイッチを結ぶいずれか一方の中心線に沿って、上記上底面から下方に突出する二つのボスを有する箱型ケースと、中心に円形貫通孔を有する上面中央の球状突部が上記箱型ケースの円形開口部周囲下面の球状凹部に対し回転および傾倒可能に当接して係合すると共に、この球状突部の外方に、上記二つのボスがそれぞれ係合する二つの長孔を有し、更に上記四つの周辺押圧スイッチの押圧部にそれぞれ当接する四つの突起を外周下面に有し、かつ上記球状突部下面の上記円形貫通孔の周囲が、外周が壁部となっている多角形の平面部である駆動体と、上記回転部品部の回転体の多角形の貫通孔に傾倒および上下動可能であるが共回りするように係合して、下面が上記中央押圧スイッチの押圧部に当接する、水平断面が多角形である多角形球体を下端に有し、この球体から上方に伸びた円形の軸部が上記駆動体の円形貫通孔と回転および上下動自在に係合して上方に突出すると共に、この軸部の中間に設けられたフランジ部の上面が、上記中央押圧スイッチによる上方への付勢力により、外形が上記駆動体の平面部と同形状である柔軟性を有する摩擦板を挟み付けて上記駆動体の平面部に弾接している操作軸からなり、上記摩擦板は、上記壁部内に回転しないようにはめ込まれていることを特徴とする複合操作型電子部品。
- 箱型ケースの上底面から突出した二つのボスと駆動体の二つの長孔との係合部が、中心線に沿う方向には上記ボスの両側に大きな隙間があり、中心線に直角方向では上記ボスの根元側では僅かな隙間で、上記ボスの先端側に向けて次第に大きな隙間となっている請求項1記載の複合操作型電子部品。
- 操作軸のフランジ部の上面が摩擦板を挟み付けて駆動体の平面部に弾接するように、中央押圧スイッチと共に上記フランジ部を上方に付勢するばね体を、上記フランジ部下方の操作軸の周囲に配設した請求項1記載の複合操作型電子部品。
- 回転部品部と中央押圧スイッチが一体化されて、個別の電子部品として予め形成された請求項1記載の複合操作型電子部品。
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