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JP4872743B2 - 二次電池の状態推定装置 - Google Patents

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Description

この発明は、二次電池の状態推定装置に関し、より特定的には、二次電池の内部状態を電気化学反応に基づいて推定可能な電池モデルに従った二次電池の状態推定装置に関する。
充電可能な二次電池によって負荷へ電源を供給し、かつ必要に応じて当該負荷の運転中にも当該二次電池を充電可能な構成とした電源システムが用いられている。代表的には、二次電池によって駆動される電動機を駆動力源として備えたハイブリッド自動車や電気自動車がこのような電源システムを搭載している。これらの電源システムでは、二次電池の蓄積電力が駆動力源としての電動機の駆動電力として用いられる他、この電動機が回生発電したときの発電電力や、エンジンの回転に伴って発電する発電機の発電電力等によってこの二次電池が充電される。このような電源システムでは、二次電池の状態推定装置に対して、代表的には満充電状態に対する充電率(SOC:State of Charge)を正確に求めることが要求される。
特に、ハイブリッド自動車においては、二次電池が回生電力を受入れられるように、また要求があれば直ちに電動機に対して電力を供給できるようにするために、その充電率は満充電の状態(100%)と、全く充電されていない状態(0%)のおおよそ中間付近(50〜60%)に制御する必要がある。
また、二次電池は過放電または過充電を行なうと電池性能を劣化させ寿命を短くする可能性がある。したがって、上記のように中間的なSOCを制御目標として充放電を繰返し実行するような二次電池の使用形態では、二次電池の充電量を逐次把握して過剰な充放電を制限するような充放電制御を行なう観点からも、二次電池の状態推定を正確に行なう必要性が高い。
二次電池の状態推定として代表的な充電率推定については、たとえば特許文献1(特開2005−37230号公報)に開示されるように、バッテリ電流の積算値に基づいてSOCの変化を推定する手法が用いられている。特に、特許文献1には、電流センサによるバッテリ電流の測定と並行に推定充放電電流の演算を実行し、バッテリ電流を演算することで実測SOCを求める一方で、推定充放電電流を積算することで推定SOCを求める。そして、推定SOCと実測SOCの差であるSOC差の経時変化を積算して積算SOC値を求めて、この積算SOC値が初期値と比較して所定値以上となった場合にバッテリの劣化を検出する。
しかしながら、特許文献1では、推定充放電電流は、内部抵抗、電池電圧および電池入力の間のオーム則に基づく関係式に従って求められる。このため、電池の内部状態を電気化学反応に基づいて正確に推定することが困難である。
また、特許文献2(特開2004−178848号公報)には、二次電池の充電率推定装置として、適用デジタルフィルタを用いて、二次電池の電流および端子電圧の計測値から開路電圧(OCV)を推定し、予め求めた開路電圧および充電率の関係に基づいて充電率を推定する構成が開示されている。
しかしながら、この二次電池の充電率推定装置では、二次電池の内部等価回路モデルとしてローパスフィルタが用いられるので、電気化学反応に寄与する反応関与物質の拡散を
伴う二次電池の内部挙動を正確に推定することが困難である。
このため、非特許文献1では、リチウム電池内部の電気化学反応式を用いた電池モデルについて検討されており、実電池との比較で特性を精度よく表現できることが報告されている。特に、非特許文献1では、二次電池の開路電圧は電極の電解液界面(活物質表面)における局所的なSOCに依存し、その結果、緩和時における電池電圧が活物質内におけるリチウム濃度分布に依存するリチウムの拡散に支配されることが示されている。特に、活物質内での反応関与物質(リチウム)の拡散は、活物質を球として扱った球座標の拡散方程式に支配され、拡散過程における物質の拡散速度は拡散係数により支配されることが開示されている。
特開2005−37230号公報 特開2004−178848号公報 グおよびワン(W.B.Gu and C.Y.Wang)著、「リチウムイオン電池の熱−電気化学結合モデリング(THERMAL-ELECTROCHEMICAL COUPLED MODELING OF A LITHIUM-ION CELL)」、ECS Proceedings Vol.99-25 (1),2000、(米国)、電気化学学会(ECS)、2000年、pp 748-762
上述のように特許文献1および2に示した二次電池の状態推定では、二次電池の電池電圧および電池電流を入出力とするマクロな等価モデルにより二次電池の内部状態を推定することとなるので、反応関与物質の拡散を伴う二次電池の内部状態に基づき高精度の推定を行なうことが困難である。
その一方で、非特許文献1に開示されるように、電池内部での電気化学反応に基づいて反応関与物質の拡散を拡散方程式で表現し、また電池の開放電圧が電極−電解液界面(活物質表面)における局所SOCに依存するとした場合、電池モデルは非線形となるが、より精度よく電池状態を推定することが可能である。しかしながら、非特許文献1に開示されたモデルに従った解析は演算負荷が非常に大きいため、たとえば実機に搭載して、二次電池の使用時にオンラインで状態推定を行なうことが困難である。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、二次電池の内部状態を電気化学反応に基づいて推定可能であり、かつ演算負荷が軽減された電池モデルを用いた、実機搭載に適した二次電池の状態推定装置を提供することである。
この発明による二次電池の状態推定装置は、電気化学反応に寄与する反応物質を内部に含む活物質を含んで構成された第1および第2の電極と、第1および第2の電極間でイオン化した反応物質を伝導するためのイオン伝導体とを備える二次電池の状態推定装置であって、電圧検出器と、拡散推定部と、開放電圧推定部と、電流推定部と、境界条件設定部とを備える。電圧検出器は、第1および第2の電極間の電池電圧を検出する。拡散推定部は、与えられた境界条件に基づいて活物質の内部での反応物質の濃度分布を規定する活物質拡散モデル式に従って、反応物質の濃度分布を推定する。開放電圧推定部は、拡散推定部によって推定された、活物質の電解液との界面での反応物質の濃度に基づいて、第1および第2の電極間の開放電圧を推定する。電流推定部は、電気化学反応に基づく電圧電流関係モデル式に従って二次電池の電池電流密度を推定する。この電圧電流関係モデル式は、開放電圧と、二次電池の電池電流密度に応じて算出される過電圧と、電池電流密度に応じて発生する電圧降下と、電池電圧との間の関係を示す。特に、電流推定部は、電圧検出器によって検出された電池電圧と、開放電圧推定部によって推定された開放電圧と、二次
電池のパラメータ値とを電圧電流関係モデル式に代入することによって、電池電流密度を算出する。境界条件設定部は、電流推定部によって推定された電池電流密度に基づいて界面での反応電流密度を算出し、算出した反応電流密度に従って、活物質拡散モデル式の界面における境界条件を設定する。
上記二次電池の状態推定装置によれば、活物質内における反応物質(代表的にはリチウム電池におけるリチウム)の拡散を活物質拡散モデル式に従って推定するとともに、推定された活物質の電解液界面での反応物質濃度に基づいて推定される開放電圧、測定された電池電圧および、予め求めた二次電池のパラメータ値から二次電池の電池電流密度を推定する簡易化された電圧電流関係モデル式と活物質拡散モデル式との組合せによって、反応物質の濃度分布を推定できる。したがって、簡易化された電圧電流関係モデル式の採用によって演算負荷を軽減した上で、二次電池の内部状態を電気化学反応に基づいて高精度に推定した電池モデル式を実現できる。
好ましくは、二次電池の状態推定装置は、温度検出器と、少なくとも電池温度に応じてパラメータ値を可変に設定するためのパラメータ値設定部とをさらに備える。温度検出器は、二次電池の電池温度を検出する。パラメータ値設定部は、さらに、活物質拡散モデル式中の拡散速度を表わすパラメータ値を、少なくとも電池温度に応じて可変に設定する。
これにより、二次電池の温度に応じて、電池モデル式で使用されるパラメータ値を可変に設定することができるので、電池パラメータの温度依存性を反映して、さらに高精度に二次電池の状態推定を行なうことが可能である。
さらに好ましくは、電圧電流関係モデル式は、電池電流密度およびパラメータ値としての電極単位面積当たりの電気抵抗の積を開放電圧から減算した電圧が、電池電圧に等しいことを示す線形近似式により構成される。パラメータ値設定部は、拡散推定部によって推定された界面での反応物質の濃度および温度検出器によって検出された電池温度に応じて、電気抵抗を可変に設定する。
これにより、線形近似式の適用によって、電池電圧から電池電流密度を推定する電圧電流関係モデル式の演算に収束計算を行なう必要がなくなる。したがって、電圧電流関係モデル式による演算の負荷軽減および安定化を図ることができるので実機搭載に適した電池モデル式を実現できる。
また好ましくは、二次電池の状態推定装置は、電流演算部をさらに備える。電流演算部は、全体の電池電流密度を、電気化学反応に寄与する第1の電流密度と、二次電池内部に生じる電気二重層キャパシタ成分によって生じる第2の電流密度とに分離する。そして、境界条件設定部は、電流演算部により算出された第1の電流密度に基づいて界面での反応電流密度を算出し、かつ、電圧電流関係モデル式において、電圧は、第1の電流密度に基づいて算出される。
このような構成とすることにより、二次電池全体での電池電流成分から電気化学反応に寄与しない電気二重層キャパシタを流れる電流を分離して、活物質拡散モデル式および電圧電流関係モデル式の演算を実行できるので、推定精度を向上させることが可能となる。
さらに好ましくは、二次電池の状態推定装置は、二次電池の電池温度を検出する温度検出器と、少なくとも電池温度に応じてパラメータ値を可変に設定するためのパラメータ値設定部とをさらに備える。そして、電圧電流関係モデル式は、第1の電流密度とパラメータ値としての電極単位面積当たりの第1の電気抵抗との積が電池電圧に等しいことを示す線形近似式および、パラメータ値としての電極単位面積当たりのキャパシタに流れる第2の電流密度が電池電圧の時間変化量に比例した値であること示す式により構成される。さらに、パラメータ値設定部は、拡散推定部によって推定された界面での反応物質の濃度および温度検出器によって検出された電池温度に応じて、第1の電気抵抗を可変に設定するとともに、電池温度に応じて電極単位面積当たりのキャパシタンスを可変に設定する。
これにより、線形近似式の適用によって、電池電圧から電池電流密度を推定する電圧電流関係モデル式の演算に収束計算を行なう必要がなくなる。したがって、電圧電流関係モデル式による演算の負荷軽減および安定化を図ることができるので実機搭載に適した電池モデル式を実現できる。
好ましくは、拡散推定部は、第1および第2の電極のそれぞれについて、極座標により表わされた活物質拡散モデル式を有する。
このような構成とすることにより、第1および第2の電極のそれぞれについて別個の活物質拡散モデルを作成して、電極ごとに反応物質(たとえば、リチウム)の拡散をモデル化することができるので、推定精度を向上させることができる。
また好ましくは、拡散推定部は、第1および第2の電極の間で共通化された、極座標により表わされた活物質拡散モデル式を有する。
このような構成とすることにより、第1および第2の電極間で共通化された活物質拡散モデルを採用するので、演算負荷のさらなる軽減を図ることによって実機搭載にさらに適した電池モデル式を実現できる。
あるいは好ましくは、電圧電流関係モデル式は、活物質および電解液の平均電位と、界面での電気化学反応に伴って発生する過電圧の平均値と、開放電圧との間の関係を示す電圧方程式、ならびに、電池電流密度および過電圧の平均値の間の関係を示す電気化学反応式に基づいて導出される。
さらに好ましくは、電圧電流関係モデル式は、第1および第2の電極の各々において、電極中での電気化学反応が位置依存性を有さずに一様であると仮定して、電極中での活物質および電解液の電位分布を2次関数に簡易化した上で、活物質および電解液の平均電位を求めることにより導出される。
このような構成とすることにより、活物質および電解液の平均電位と、電気化学反応に伴って発生する過電圧と、開放電圧との間の関係を示す電圧方程式ならびに、さらに電池電流密度および過電圧の平均値の間の関係を示す電気化学反応式に基づいて上記電圧電流関係モデル式を導出するので、推定精度を著しく低下させることなく、電気化学反応モデル式の簡易化を図ることができる。
好ましくは、二次電池の状態推定装置は、平均濃度算出部と、第1の充電率推定部とをさらに備える。平均濃度算出部は、拡散推定部によって推定された反応物質の濃度分布に基づいて、活物質内での反応物質の平均濃度を算出する。第1の充電率推定部は、予め求められた平均濃度と二次電池の充電率との対応関係に従って、平均濃度算出部によって算出された平均濃度に基づいて充電率を推定する。
このような構成とすることにより、電極の活物質内での反応物質の平均濃度に応じて二次電池の充電率(SOC)を推定するので、二次電池内部での電気化学反応に基づく状態推定に基づいて、高精度に充電率を推定することができる。
さらに好ましくは、二次電池の状態推定装置は、電流検出器と、第2の充電率推定部と
、第3の充電率推定部をさらに備える。電流検出器は、二次電池の電池電流を検出する。第2の充電率推定部は、電池電流の積算に基づいて二次電池の充電率変化量を推定する。第3の充電率推定部は、第1および第2の充電率推定部による推定結果に基づいて、二次電池の充電率推定値を逐次更新する。さらに、第3の充電率推定部は、充電率推定値の前回値に対して、第2の充電率推定部によって推定された前回値からの充電率変化量と、第1の充電率推定部によって推定された現在の充電率と前回値との間の充電率誤差とを反映して、充電率推定値の現在値を算出する。特に、充電率変化量の反映は、充電率誤差の反映よりも相対的に小さい時定数で行なわれる。
このような構成とすることにより、短時間での推定に対して精度の高い電流測定値の積算に基づく充電率推定と、上述の電池モデルに基づく充電率推定とを組合せることによって、二次電池の充電率を高精度に推定することができる。
またさらに好ましくは、二次電池の状態推定装置は、電流検出器と、第2の充電率推定部と、第3の充電率推定部をさらに備える。電流検出器は、二次電池の電池電流を検出する。第2の充電率推定部は、電池電流の積算に基づいて二次電池の充電率変化量を推定する。第3の充電率推定部は、第1および第2の充電率推定部による推定結果に基づいて、二次電池の充電率推定値を逐次更新する。さらに、第3の充電率推定部は、充電率推定値の前回値に対して、第2の充電率推定部によって推定された前回値からの充電率変化量と、第1の充電率推定部によって推定された現在の充電率と前回値との間の充電率誤差とを反映して、充電率推定値の現在値を算出する。特に、第3の充電率推定部は、電池電流の絶対値が所定値よりも大きい場合、または、二次電池の電池温度が所定温度よりも低い場合には、充電率誤差の反映を中止して、充電率推定値の現在値を算出する。
これにより、電流測定値の積算に基づく充電率推定と、上述の電池モデルに基づく充電率推定とを組合せる構成において、電池モデルによる推定誤差が低下する大電流および/または低温時に、電池モデルの推定誤差によって充電率の推定精度が低下することを防止できる。
さらに好ましくは、二次電池の状態推定装置は、オフセット推定部をさらに備える。オフセット推定部は、電流推定部によって推定された電池電流密度に基づいて電池電流の推定値を算出するとともに、電池電流の推定値と電流検出器による検出値との誤差に基づいて電流検出器のオフセット誤差を推定する。そして、第2の充電率推定部は、オフセット推定部によって推定されたオフセット誤差によって電流検出器による電池電流の検出値を補正するとともに、補正された検出値の積算に基づいて二次電池の充電率の変化量を推定する。
あるいは好ましくは、二次電池の状態推定装置は、電流検出器と、オフセット推定部と、充電率推定部とを備える。電流検出器は、二次電池の電池電流を検出する。オフセット推定部は、電流推定部によって推定された電池電流密度に基づいて電池電流の推定値を算出するとともに、電池電流の推定値と電流検出器による検出値との誤差に基づいて電流検出器のオフセット誤差を推定する。充電率推定部は、オフセット推定部によって推定されたオフセット誤差によって電流検出器による電池電流の検出値を補正するとともに、補正された検出値の積算に基づいて二次電池の充電率の変化量を推定する。
このような構成とすることにより、電池モデルによって推定される電池電流に基づいて電流検出器のオフセットを推定するとともに、オフセットを補正した電流測定値を積算することにより、電流積算に基づく充電率推定の精度を向上させることができる。
この発明によれば、二次電池の内部状態を電気化学反応に基づいて推定可能であり、かつ演算負荷が軽減された電池モデルを用いた、実機搭載に適した二次電池の状態推定装置を実現することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に従う二次電池の状態推定装置が適用される電源システムの構成例を説明する概略ブロック図である。
図1を参照して、電源システム5は、二次電池10と、負荷20と、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成される、バッテリECU50および制御装置60とを備える。各ECUは、代表的には予めプログラムされた所定シーケンスおよび所定演算を実行するためのマイクロコンピュータおよびメモリ(RAM:Random Access Memory,ROM:Read Only Memory等)で構成される。
充放電可能な二次電池10としては、代表的にはリチウムイオン電池が用いられる。リチウムイオン電池は、電池内部、特に電極の活物質内部における反応物質(リチウム)濃度の分布状態によってその出力特性が異なってくるので、本発明の適用に適している。
二次電池10には、電池温度Tbを測定する温度センサ30と、二次電池10の入出力電流Ib(以下、電池電流Ibとも称する)を測定する電流センサ32、ならびに、正極および負極間の端子間電圧Vb(以下、電池電圧Vbとも称する)を測定する電圧センサ34が設けられている。
負荷20は、二次電池10からの出力電力によって駆動される。また、図示しない発電・給電要素が、負荷20に含まれるように設けられる、あるいは、負荷20とは別個に設けられるものとし、二次電池10は、当該発電・給電要素からの充電電流によって充電可能であるものとする。したがって、二次電池10の放電時には電池電流は正(>0)であり、二次電池10の充電時には電池電流は負(<0)である。
バッテリECU50は、二次電池10に設けられたセンサ群30,32,34からの検出値に基づき、以下に詳細に説明する二次電池10の内部状態を電気化学反応に基づいて推定可能な電池モデルに従って、電池状態を示す状態推定値を所定周期毎に逐次算出する。
さらに、バッテリECU50は、算出した状態推定値に基づき、二次電池の充放電制限のための電池情報を生成する。代表的には、電池情報は、満充電状態(100%)に対する充電量(残存容量)を示すSOC(0%〜100%)や、現在許可される充電電力の上限値である入力可能電力Winおよび放電電力の上限値である出力可能電力Woutを含む。
制御装置60は、負荷20への動作要求に基づき、かつ、バッテリECU50からの電池情報を考慮して二次電池10の過充電あるいは過放電が発生しないように充放電制限した上で、負荷20の動作指令を生成する。たとえば、制御装置60は、二次電池10の入出力電力が入出力可能電力Win,Wout以下となるように制限して、負荷20の動作指令を生成する。また、二次電池10のSOCが下限値以下となった場合には負荷20の
電力消費動作を禁止したり、負荷20の発電動作(二次電池10の充電動作)を強制的に起動したりする。反対に、二次電池10のSOCが上限値以上となった場合には負荷20の発電動作を強制的に禁止する。
(二次電池の構成およびその電池モデル)
図2は、二次電池の概略構成図である。
図2を参照して、二次電池10は、負極12と、セパレータ14と、正極15とを含む。セパレータ14は、負極12および正極15の間に設けられた樹脂に電解液を浸透させることで構成され、本発明での「イオン伝導体」に対応する。また、横軸座標xは、電極厚み方向での位置を示す。
負極12および正極15の各々は、球状の活物質18の集合体で構成される。放電時には、負極12の活物質18の界面上では、リチウムイオンLi+および電子e-を放出する化学反応が行なわれる。一方、正極15の活物質18の界面上では、リチウムイオンLi+および電子
-を吸収する化学反応が行なわれる。
負極12には電子e-を吸収する電流コレクタ13が設けられ、正極15には電子e-を放出する電流コレクタ16が設けられる。負極の電流コレクタ13は、代表的には銅で構成され、正極の電流コレクタ16は、代表的にはアルミで構成される。電流コレクタ13には負極端子11nが設けられ、電流コレクタ16には正極端子11pが設けられる。セパレータ14を介したリチウムイオンLi+の授受によって、二次電池10では充放電
が行なわれ、充電電流Ib(>0)または放電電流Ib(<0)が生じる。
まず、図2に示した概略電池モデルに適用される、非特許文献1に開示された電池モデル式について説明する。
本発明の実施の形態に従う二次電池の充電装置に用いられる基礎的な電池モデル式は、以下の(1)〜(11)式からなる基礎方程式により示される。また、図3には、電池モデル式内で用いられる変数および定数の一覧表が示される。
なお、以下に説明するモデル式中の変数および定数について、添字eは電解液中の値であることを示し、sは活物質中の値であることを示す。特に、添字jは正極および負極を区別するものであり、j=1は正極における値を示し、j=2は負極における値を示すものとする。なお、正極および負極での変数あるいは定数を包括的に表記する場合には、添字jを省略して表記することとする。また、時間の関数であることを示す(t)の表記、電池温度の依存性を示す(T)の表記、あるいは、局所SOCθの依存性を示す(θ)等について、明細書中では表記を省略することもある。さらに、変数あるいは定数に付された記号♯は、平均値を表わすものとする。
Figure 0004872743
上記(1),(2)は、電極(活物質)における電気化学反応を示す式であり、バトラー・ボルマーの式と呼ばれる。
また、電解液中のリチウムイオン濃度保存則に関する式として、(3)式が成立する。一方、活物質内のリチウム濃度保存則に関する式として、(4)式の拡散方程式および(5)および(6)式に示す境界条件式が適用される。(5)式は、活物質の中心部における境界条件を示し、(6)式は、活物質の電解液との界面(以下、単に「界面」とも称する)における境界条件を示す。
ここで、活物質界面における局所的なリチウム濃度分布である局所SOCθjは(7)式で定義される。(7)式中のcsejは、(8)式に示されるように、正極および負極の活物質界面でのリチウム濃度を示している。また、csj,maxは、活物質内での限界リチウム濃度を示している。
Figure 0004872743
さらに、電解液中の電荷保存則に関する式として(9)式が成立し、活物質中の電荷保存則に関する式として(10)式が成立する。また、活物質界面での電気化学反応式として、電流密度I(t)と、反応電流密度jj Liとの関係を示す(11)式が成立する。
Figure 0004872743
(本実施の形態における電池モデル式の簡易化)
上記(1)〜(11)式の基礎方程式は、非特許文献1に開示されたものであるが、実機搭載されて二次電池の状態をオンラインで推定する状態推定装置に、これらの電池モデル式をそのまま適用することは、ECU(バッテリECU50)の演算負荷および演算時間の制約上、極めて困難である。したがって本実施の形態では、以下に説明するような電池モデル式の簡易化を実行する。
図4を参照して、本実施の形態では、負極12および正極15の各電極中における電気化学反応を一様なものと仮定する。すなわち、各電極12,15においてx方向には反応が均一に生じると仮定する。また、負極12および正極15の各電極内で各活物質の反応が均一と仮定するので、負極12および正極15のそれぞれにおいて1個の活物質モデルを取扱うこととする。この結果、図2に示した二次電池の概略構造は、図4に示すようにモデリングされる。
放電時には、負極活物質モデル18n表面での電極反応により、活物質モデル18n内のリチウム原子Liが、電子e-の放出によりリチウムイオンLi+となってセパレータ14中の電解液に放出される。一方、正極活物質モデル18p表面の電極反応では、電解液中のリチウムイオンLi+が取込まれて電子e-を吸収する。これにより、正極活物質モデル18pの内部にリチウム原子Liが取込まれる。負極活物質モデル18nからのリチウムイオンLi+の放出および正極活物質モデル18pでのリチウムイオンLi+の取込によって、正極電流コレクタ16から負極電流コレクタ13に向けて電流が流れる。
反対に、二次電池の充電時には、負極活物質モデル18n表面での電極反応により電界液中のリチウムイオンLi+取込まれ、正極活物質モデル18p表面での電極反応では、電界液へリチウムイオンLi+が放出される。電池モデル式では、充放電時における活物質モデル18p(j=1)および活物質モデル18n(j=2)の表面での電極反応、活物質モデル18p,18n内部でのリチウムの拡散(径方向)および電解液中のリチウムイオンの拡散(濃度分布)や、各部位での電位分布や温度分布がモデリングされる。
図5に示すように、各活物質モデル18p,18n内でのリチウム濃度csは、周方向での位置依存性はないものと仮定して、半径方向の座標r(r:各点の中心からの距離、rs:活物質の半径)上での関数としてあらわすことができる。この活物質モデルは、界面での電気化学反応に伴う、活物質内部でのリチウム拡散現象を推定するためのものであり、径方向にN分割(N:2以上の自然数)された各領域(k=1〜N)について、リチウム濃度cs,k(t)が、後述する拡散方程式に従って推定される。
これらの仮定の結果、非特許文献1における基礎方程式の(1)〜(6)式および(8)式は、下記(1′)〜(6′),(8′)式に簡易化される。
Figure 0004872743
特に(3′)式では、電解液濃度を時間に対して不変と仮定することによって、cej(t)が一定値であると仮定する。また、各電極12,15について1つずつ定義される活物質モデル18n,18pに対しては、拡散方程式(4)〜(6)式が極座標方向の分布のみを考慮して、拡散方程式(4′)〜(6′)式に変形される。なお、(8′)式での物質界面でのリチウム濃度csejは、図5に示したN分割領域のうちの最外周の領域におけるリチウム濃度csi(t)に対応する。
さらに、電界液中の電荷保存則に関する(9)式は、電極中の電気化学反応を一様とし、電解液濃度を時間に対して不変と仮定する(3′)式により、下記(12)式に簡易化される。すなわち、電解液の電位φejは、xの二次関数により近似される。そして、過電圧ηj♯の算出に用いる電解液中の平均電位φej♯は、(12)式を電極厚さLjで積分した下記(13)式によって求められる。
負極12については、(12)式より下記(14)式が成立するため、電解液平均電位φe2♯およびセパレータ14との境界における電解液電位との電位差は、下記(15)式で示されることとなる。同様に、正極15についても、電解液平均電位φe1♯およびセパレータ14との境界における電解液電位との電位差は、下記(16)式で示される。
Figure 0004872743
同様に、活物質中の電荷保存則に関する(10)式についても、下記(17)式に簡易化される。すなわち、活物質の電位φsjについても、xの二次関数により近似される。そして、過電圧ηj♯の算出に用いる活物質中の平均電位φsj♯は、(17)式を電極厚さLjで積分した下記(18)式によって求められる。このため、電解液中の電位と同様にして、正極15における、活物質平均電位φs1♯および集電体(電流コレクタ16)との境界における活物質電位との電位差は、下記(19)式で示される。負極12についても同様に、(20)式が成立する。
Figure 0004872743
図6には、二次電池の端子電圧V(t)と、上述のように求めた各平均電位との関係が示される。なお、図6中において、セパレータ14では反応電流密度jj Li=0であるため、セパレータ14での電圧降下は、電流密度I(t)に比例し、Ls/κs eff・I(t)となる。
さらに、上述のように、各電極中における電気化学反応を一様と仮定したことにより、
極板単位面積当たりの電流密度I(t)と反応電流密度(リチウム生成量)jj Liとの間には、下記(21)式が成立することとなる。
Figure 0004872743
したがって、図6に示された電位関係および上記(21)式より、電池電圧V(t)について下記(22)式が成立する。なお、(22)式は、図6に示された(23)式の電位関係式を前提とするものである。
次に、平均過電圧η♯(t)を算出する。jj Liを一定とし、かつ、バトラー・ボルマーの関係式において、αaj=αcj=0.5(すなわち充放電効率が同一)とすると、下記(24)式が成立する。(24)式を逆変換することにより、平均過電圧η♯(t)は、下記(25)式により求められる。
Figure 0004872743
そして、図6に従って平均電位φs1およびφs2を求めて(22)式に代入し、さらに、(25)式より求めた平均過電圧η1♯(t)およびη2♯(t)を(22)式に代入する。この結果、簡易化された電気化学反応式である(1′)、(21)式および電圧関係式(2′)に基づいて、電気化学反応モデル式に従った下記の電圧−電流関係モデル式(M1a)が導出される。
さらに、リチウム濃度保存則(拡散方程式)(4′)式および境界条件式(5′),(6′)式によって、正極15および負極12のそれぞれでの活物質モデル18p,18nについての活物質拡散モデル式(M2a)が求められる。
Figure 0004872743
なお、モデル式(M1a)の右辺第1項は、活物質表面での反応物質(リチウム)濃度により決定される開放電圧(OCV)を示し、右辺第2項は、過電圧(η1♯−η2♯)を示し、右辺第3項は、電池電流による電圧降下を示している。すなわち、二次電池の直流純抵抗が,(M1a)式中のRd(T)で表わされる。
また(M2a)式において、反応物質であるリチウムの拡散速度を規定するパラメータとして用いられる拡散係数Ds1およびDs2は温度依存性を有するため、温度センサ30によって検出された電池温度Tに対して可変に設定される可変パラメータとして、たとえば図7に示すようなマップに従って設定される。図7に示されるように、拡散係数Ds1およびDs2は、電池温度の低温時に相対的に低下する一方で、温度上昇に応じて相対的に上昇する特性を有する。したがって、このような温度依存性を反映して、温度センサ30の検出値Tbに従って検知される電池温度Tに応じて、(M2a)式中の拡散係数Ds1およびDs2を電池パラメータ値として設定するマップが予め作成される。
なお、拡散係数Ds1およびDs2は、必要に応じて、温度依存性だけでなく局所SOCθ依存性を有してもよく、その場合、検知される電池温度Tと推定される局所SOCθに応じて、これらの拡散係数をパラメータ値として設定する二次元マップが予め作成される。
同様に、(M1a)式中の開放電圧U1およびU2についても、図8(a),(b)に示すように、局所SOCθの低下に伴って上昇あるいは低下するような依存性を有する。したがって、このような局所SOC依存性を反映して、推定された局所的SOCθに応じて、(M1a)式の開放電圧U1およびU2を設定するマップが予め設定される。なお、図8(a)には、正極(j=1)における開放電圧U1の局所的SOCθ依存性が示され、図8(b)には、負極(j=2)における開放電圧U1の局所的SOCθ依存性が示される。
さらに、図示は省略するが、(M1a)式中の交換電流密度i01およびi02についても、局所SOCθおよび電池温度Tに対する依存性を有するので、θおよびTを引数とする二次元マップを予め準備して、現時点での局所SOCθおよび電池温度Tに応じて交換電流密度i01およびi02が電池パラメータ値として決定される。
同様に、直流純抵抗Rdも温度依存性を有するので、温度依存性を反映して、温度セン
サ30の検出値Tbに従って検知される電池温度Tに応じて、直流純抵抗Rdを電池パラメータ値として設定するマップが予め作成される。
なお、上述したマップ群については、二次電池10についての、周知の交流インピーダンス測定等の実験結果に基づいて作成することが可能である点について確認的に記載する。
(電池モデル式の変形例1:活物質モデル共通化)
なお、図4に示した、負極12および正極15のそれぞれに別個の活物質モデルを使用する方法に代えて、負極12および正極15に共通の活物質モデルを適用して、さらなる演算負荷の軽減を図るモデル化も可能である。この場合には、負極12および正極15の活物質モデル18n,18pをまとめて単独の素子として扱うため、下記(26)式に示すような式の置き換えが必要となる。(26)式では、正極および負極の区別を示す添字jが削除される。
Figure 0004872743
この結果、モデル式(M1a)および(M2a)をさらに簡易化したモデルとして、下記(M1b)式および(M2b)式が得られる。また、このように正極および負極を共通化した活物質モデルを適用した電池モデル式において、電流密度I(t)と反応電流密度jj Liとの関係式は、(21)式に代えて(21′)式が適用される。
Figure 0004872743
(電池モデル式の変形例2:分極電圧項の線形近似)
上述の(M1a)式では、過電圧を示す右辺第2項にarcsinh項が存在するため、非線形式を解く必要が生じる。このため、(M1a)式の演算には繰返し計算が必要となり、演算負荷が増大する他、演算の安定性を損なう可能性もある。したがって、(M1a)式中のarcsinh項を一次近似(線形近似)した電圧−電流関係モデル式(M1c)式が導出される。
Figure 0004872743
なお、(M1c)式では、線形近似の結果、右辺第2項も電流密度I(t)と反応抵抗Rrとの積で示されることとなる。反応抵抗Rrは、上記(27)式に示されるように、交換電流密度i01,i02についての局所SOCθおよび電池温度Tの依存性を有する。したがって、電圧−電流関係モデル式(M1c)式を用いる場合には、反応抵抗Rr(θi,T)についても、局所SOCθおよび電池温度Tに対する依存性を反映したマップを実験結果等に基づき予め作成して、電池パラメータの1つとしてマップ参照により適宜設定することが必要となる。
この結果、電圧−電流関係モデル式(M1c)式は、上記(28)式に示すように電池電圧V(t)、電池電流密度I(t)、電池パラメータとしてのRr(θ,T)およびRd(T)、ならびに開放電圧U1,U2の間に成立する線形モデル式として表現されることとなる。
同様に、上述の(M1b)式についても、右辺第2項のarcsinh項を線形近似することによって、下記(M1d)式が得られる。(M1d)式についても、(M1c)式と同様に線形モデル式として表現される。
Figure 0004872743
(実施の形態1に従う二次電池の状態推定装置の構成)
次に、上記電圧−電流関係モデル式(M1a)〜(M1d)のいずれか、および、これに対応する活物資拡散モデル(M2a)または(M2b)の組合わせによって実現される、本発明の実施の形態1に従う二次電池の状態推定装置の構成について説明する。なお、以下に説明する状態推定装置は、基本的には、図1に示したバッテリECU50によるプログラム処理により実現されるものとする。
図9は、本発明の実施の形態1に従う二次電池の状態推定装置の概略構成を説明する概略ブロック図である。図9に示す各ブロックは、基本的には、バッテリECU50によるプログラム処理によって実現される。
図9を参照して、状態推定装置50♯は、拡散推定部100と、開放電圧推定部110と、電流推定部120と、電池パラメータ値設定部130と、境界条件設定部140とを含む。
拡散推定部100は、活物質拡散モデル式(M2a)あるいは(M2b)式により、境界条件設定部140によって(5′)および(6′)式に従って設定された境界条件に基づいて、活物質内部でのリチウム濃度分布を、たとえば差分形式により逐次演算する。拡散推定部100によって推定されたリチウム濃度分布に基づき、最外周の領域におけるリチウム濃度を物質界面でのリチウム濃度csejとして、(7)式に従って局所SOCθが設定される。
開放電圧推定部110は、図8に示された特性を反映したマップに従い、正極および負極それぞれの開放電圧、あるいは正極および負極を合成した開放電圧を求める。図9中では、これらを包括的に開放電圧U(θ)と表記する。
電池パラメータ値設定部130は、温度センサ30の検出値Tbに従って検知される電池温度T、および、拡散推定部100による推定に基づく現在の局所SOCθに応じて、使用する電池モデル式中の電池パラメータを設定する。上述のように、拡散推定部100で用いられる、モデル式(M2a),(M2b)中の拡散定数Ds1,Ds2,Dsが電池温度Tに応じて設定される他、モデル式(M1a)〜(M1d)中の直流純抵抗Rtまたは、モデル式(M1a),(M1b)中の交換電流密度i01,i02もしくは、モデル式(M1c),(M1d)中の反応抵抗Rr等が、電池パラメータ値設定部130により設定される。
電流推定部120は、上述の(M1a)〜(M1d)式に基づいて、電池電流密度I(t)を算出するための下記(M3a)〜(M3d)式のいずれかに従って、開放電圧推定部110によって推定された開放電圧U(θ)と、電圧センサ34の検出値Vbに従って検知される現在の電池電圧V(t)を代入して、電池電流密度I(t)を算出する。
Figure 0004872743
たとえば、(M3a)式は、(M1a)式を電池電流密度I(t)について解いたものに相当する。非線形方程式である(M3a)式をニュートン法等で解く場合には、I(t)の初期値を仮定し、さらに、電池電圧V(t)、開放電圧U(θ)および電池パラメータ値を代入してI(t)を算出して、算出したI(t)と仮定したI(t)とが一致するまで反復計算を行なうことにより解くことができる。
同様に、(M1b)式を用いた電池モデル式では、下記(M3b)式を(M3a)式と同様の手法で解くことにより、電池電流密度I(t)を算出できる。
Figure 0004872743
また、線形近似された(M1c),(M1d)式を電池モデル式では、下記(M3c),(M3d)式に従って、非線形方程式のような反復計算を行なうことなく、電池電圧V(t)、開放電圧U(θ)および電池パラメータ値を代入して一意に電池電流密度I(t)を算出できる。これにより、演算負荷の軽減および、演算の安定性向上が図られる。
Figure 0004872743
次に、境界条件設定部140は、上記(21)式または(21′)式に従って、演算された電流密度I(t)を反応電流密度(リチウム生成量)jj Liに換算して、(6′)式に従って活物質拡散モデル式(M2a),(M2b)式の境界条件を更新する。
したがって、実施の形態1に従う二次電池の状態推定装置では、電圧センサ34の測定値に基づく電池電圧V(t)および温度センサ30の測定値に基づく現在の電池温度Tを入力として、活物質中の反応物質(リチウム)の拡散モデル式(M2a),(M2b)式に基づいて推定するとともに、電気化学反応モデル式に従う簡易化された電圧−電流関係モデル式(M1a)〜(M1d)式と組合わせることによって、活物質中での反応物質(リチウム)の濃度分布を推定し、この濃度分布に基づいて二次電池の内部状態を高精度に推定することができる。これにより、簡易化された電気化学反応モデル式の採用によって演算負荷を軽減するとともに、二次電池の内部状態を電気化学反応に基づいて高精度に推定した、実機搭載に適した電池モデル式を実現できる。
実施の形態1に従う二次電池の状態推定装置では、推定された二次電池の内部状態に基
づいて、二次電池10の充電率(SOC)をさらに推定することができる。
図10には、実施の形態1に従う二次電池の状態推定装置によるSOC推定が示される。
図10を参照して、実施の形態1に従う二次電池の状態推定装置は、平均濃度算出部160と、SOC推定部200とをさらに含む。
平均濃度算出部160は、下記(29)式により、拡散推定部100によって推定された、正極活物質モデル18p内のリチウム平均濃度csave(t)を求める。さらに、SOC推定部200は、下記(30)式に従って、二次電池10全体のSOC推定値SOCeを生成する。
Figure 0004872743
上述のように、式(29)中のリチウム濃度cs1,k(t),(k=1〜N)は、図5に示したように、活物質モデル18pを径方向にN分割した各領域のリチウム濃度であり、拡散モデル式(M2a),(M2b)式により推定される。また、ΔVkは、それぞれの分割領域の体積を示し、Vは活物質全体の体積を示す。
また、正負極間で活物質モデルを共通化した場合には、共通化された活物質モデル内の各領域のリチウム濃度cs,k(t),(k=1〜N)の平均値を式(29)と同様に求めることによって、リチウム平均濃度csave(t)を求めることができる。
図11には、一例として、正極15の活物質内リチウム平均濃度と、SOC推定値SOCeとの関係が示される。図11に示されるように、正極活物質内リチウム平均濃度の上昇に伴いSOCは低下する。したがって、満充電時(SOC=100%)におけるリチウム平均濃度Cfと、完全に放電した場合(SOC=0%)におけるリチウム平均濃度COとを予め求めておき、両者の間を線形補間することにより、上記(30)式に従ってSOCを推定できる。
図12は、実施の形態1に従う二次電池の状態推定装置による電池状態推定およびSOC推定の一連の処理を説明するフローチャートである。図12に示される一連の処理は、バッテリECU50において所定演算周期ごとに呼出されて実行される。
図12を参照して、バッテリECU50は、ステップS100では、電圧センサ34の検出値Vbに基づき電池電圧V(t)を取得し、ステップS110では、温度センサ30の検出値Tbに基づき現在の電池温度Tを取得する。
さらに、バッテリECU50は、ステップS120では、拡散モデル式(M2a),(M2b)式による前回の演算時におけるリチウム濃度分布に基づき、活物質表面のリチウム濃度に基づいて局所的SOCθを算出する。
そして、バッテリECU50は、ステップS130では、図8に示した特性に従うマップの参照により、負極12および正極15ごとに、あるいは正負極共通に、局所的SOC
θから開放電圧U(θ)値を算出する。すなわち、ステップS130の処理は、図9における開放電圧推定部110の機能に相当する。
さらに、バッテリECU50は、ステップS140では、図9に示した電流推定部120の機能により、電池電圧V(t)、開放電圧U(θ)、ならびに電池温度Tに応じて設定された電池パラメータ値に応じて、電圧−電流関係モデル式(M1a)〜(M1d)のいずれかに従って、電池電流密度I(t)の推定値を算出する。
さらに、バッテリECU50は、ステップS150により、推定された電池電流密度I(t)から、(21)式または(21′)式に基づいて、反応電流密度(リチウム生成量)jj Liを算出するとともに、算出した反応電流密度を用いて拡散モデル方程式(M2a),(M2b)の活物質界面における境界条件(活物質界面)を設定する。すなわち、ステップS150の処理は、図9における境界条件設定部140の機能に相当する。
そして、バッテリECU50は、ステップS160では、拡散方程式モデル(M2a),(M2b)に従って、負極12および正極15ごとに、あるいは正負極共通に設定された活物質モデル内のリチウム濃度分布を計算し、各領域のリチウム濃度推定値を更新する。すなわち、ステップS160の処理は、図9における拡散推定部100の機能に相当する。なお、上述のように、この際演算された最外周の分割領域におけるリチウム濃度は、次回の演算実行時に、活物質表面での局所的SOCθの算出に用いられる。
さらなる処理として、バッテリECU50は、ステップS170により、ステップS100〜S160で求められた二次電池の内部状態に基づいて、二次電池10全体の充電率(SOC)を推定することができる。
たとえば、ステップS170は、ステップS160で求められた活物質内のリチウム濃度分布に基づいてリチウム平均濃度csaveを算出するステップS171と、ステップS171で求められたリチウム平均濃度csaveに基づいて二次電池の充電率を算出するステップS172とにより構成される。ステップS171による処理は、図10の平均濃度算出部160の機能に相当し、ステップS172による処理は図10のSOC推定部200による処理に相当する。
このように実施の形態1に従う二次電池の充電推定装置によれば、電池電圧V(t)を入力として、電池電流(電池電流密度I(t))を推定し、これに基づいて二次電池の内部状態を推定する。このため、以下に図13を用いて説明するように、モデル誤差が発生しても自己修正する機能を有することとなる。
図13を参照して、上記電池モデル(M1a)式等で理解されるように、二次電池10の電池電圧V(t)と開放電圧OCVとの間には、充電時には図13に示すような分極電圧ΔVが発生する。そして、線形近似された(M1c),(M1d)式からも理解されるように、この分極電圧は、電池電流密度Iに応じた値となる。
そのため、仮に電池モデルにおいて演算誤差が発生し、開放電圧を真値に対して過小に推定した場合、すなわち、OCV(推定)<OCV(真値)およびSOC(推定)<SOC(真値)となり、分極ΔV(推定)>ΔV(真値)となる。すると、電池電流密度I(t)は、真値に対して過大に推定されることとなる。この結果、(21),(21′)式により反応電流密度jj Liも過大に推定されるため、次の演算周期では、SOC上昇量を過大に推定することになるので、SOCに関するモデル誤差は自己修正されることになる。同様に、開放電圧を真値に対して過大に推定した場合にも、上記と反対の方向にSOCに関するモデル誤差を自己修正することができる。
すなわち、実施の形態1に従う二次電池の充電推定装置では、一旦発生したモデル推定誤差を以降の演算時に自己修正することができるので、電池モデル誤差を積算することなく、二次電池の内部状態および充電率(SOC)を高精度に推定することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1に従う二次電池の内部状態推定結果に基づくSOC推定の他の手法について説明する。
図14は、実施の形態2に従う二次電池の状態推定装置によるSOC推定を説明するブロック図である。
図14を参照して、実施の形態2に従う二次電池の状態推定装置は、オフセット推定部170と、電流積算部180と、SOC推定部210とを含む。
オフセット推定部170は、電流推定部120によって推定された電池電流密度I(t)および電流センサ32によって測定された電池電流Ib(t)に基づいて、下記(31)式に従って、電流センサ32のオフセット誤差Iofを算出する。(31)式中で、モデル電池電流Im(t)は、電流推定部120によって推定された電池電流密度I(t)と電極表面積との乗算によって求められる。(31)式に示されるように、オフセット推定部170は、モデル電池電流Im(t)と電流センサ32によって測定された電池電流Ib(t)との偏差を積算し、かつこの積算値を積算時間Tmで除算することによって電流オフセット誤差Iofを算出する。
Figure 0004872743
そして、演算部175は、電流センサ32によって検出された電池電流Ib(t)からオフセット推定部170により推定されたオフセット誤差Iofを差引くことにより、補正電池電流Ibc(t)を求める。
電流積算部180は、演算部175によって算出された補正電池電流Ibc(t)の積算値ΣIbcを求める。そして、SOC推定部210は、上記(32)式に従って、補正電池電流Ibc(t)の積算値ΣIbcに応じてSOC変化量ΔSOCiを求める。SOC変化量ΔSOCiは、前回のSOC推定演算時から、現在までにおけるSOCの変化量を示すものとなる。さらに、SOC推定部210は、上記(33)式に従って、前回の推定演算時におけるSOC推定値SOCe(0)と、(32)式によって求められたSOC変化量ΔSOCiとの和に従って、現在のSOC推定値SOCeを算出する。
ここで、図15に示されるように、電池モデルによる電流推定誤差は、一般的にはオフセット的なものは持たず、長期間積分すれば0に近づく特性を示す。これに対して、図16に示すように、電流センサ32のオフセット誤差は一定値に維持されるため、センサ測定値である電池電流Ib(t)およびモデル推定値Im(t)との偏差は、常に一定の直流分を有することとなる。したがって、上記(31)式に基づくオフセット推定部170
での演算により、電流センサ32のオフセット誤差Iofを算出することができる。
図17は、図14に示した実施の形態2に従うSOC推定をバッテリECU50で実現するためのフローチャートである。上述のようなSOC推定処理は、図12におけるステップS170を、図17に示したステップS173〜S175により置き換えることにより実現される。
図17を参照して、バッテリECU50は、ステップS173では、電池モデルにより電池電圧V(t)を入力として求められた電池電流密度I(t)に基づく電池電流のモデル推定値Im(t)と、電流センサ32によるセンサ値Ib(t)との偏差の積算により、オフセット誤差Iofを算出する。すなわち、ステップS173の処理は、図14でのオフセット推定部170の機能に相当する。
さらに、バッテリECU50は、ステップS174により、オフセット誤差Iofを用いてセンサ値Ib(t)を補正することによって、補正電池電流Ibc(t)を算出する。ステップS174による処理は、図14における演算部175の機能に相当する。
そして、バッテリECU50は、ステップS175では、補正電池電流Ibc(t)の積算に基づき、二次電池の充電率推定値SOCeを算出する。すなわち、ステップS175の処理は、図14における電流積算部180およびSOC推定部210の機能に相当する。
以上説明した実施の形態2による二次電池の状態推定装置によるSOC推定によれば、電池モデル式に基づいてオフセット誤差を検出するとともに、オフセット誤差を除去した電流積算に基づいて、高精度に二次電池10の充電率(SOC)を推定することができる。
(実施の形態2の変形例)
図18は、実施の形態2の変形例に従う二次電池の状態推定装置によるSOC推定を説明するブロック図である。
図18を参照して、実施の形態2に従う二次電池の状態推定装置は、実施の形態1で説明したSOC推定部200と、電流積算に基づくSOC推定部210♯と、両者によるSOC推定結果を総合して最終的なSOC推定値SOCeを生成するSOC推定部220とを含む。
SOC推定部200は、実施の形態1と同様に、本発明の実施の形態に従う電池モデル式に従った二次電池の内部状態推定に基づき、活物質内のリチウム平均濃度に応じて、SOCモデル推定値SOCmを推定する。この詳細については、図10で説明したのと同様であるので説明は繰返さない。
一方、SOC推定部210♯は、電流センサ32によって測定された電池電流Ib(t)の積算に基づいて、SOCの推定演算周期間でのSOC変化量ΔSOCiを求める。
なお、SOC推定部210♯は、図14で説明したような、電池モデルに基づく電流センサ32のオフセット誤差推定および、オフセット誤差を補正した補正電池電流Ibc(t)の積算に基づいてSOC変化量ΔSOCiを求める構成に限定されることなく、電流センサ32によって測定された電池電流Ib(t)の積算によってSOC変化量ΔSOCiを求める構成としてもよい。ただし、図14に示したSOC推定部210を、図18のSOC推定部210として用いること構成とした方が、オフセット誤差補正の効果により、SOC変化量ΔSOCiを高精度に求めることができる。
SOC推定部220は、下記(34)式に基づき、最終的なSOC推定値SOCeを算出する。
Figure 0004872743
(34)式において、SOC推定値SOCeは、前回SOC推定値SOCe(0)に対して、電流積算に基づくSOC変化量ΔSOCiにゲインk1を乗じた項と、SOCモデル推定値SOCmと前回SOC推定値SOCe(0)との差分にゲインk2を乗じた項との和によって、SOC推定値SOCeを求める。
ゲインk1,k2については、k1>k2とすることにより、たとえば、ゲインk1=1.0とし、ゲインk2<1.0とすることによって、電流積算と電池モデルによる内部状態推定とを組合せたSOC推定を実行できる。これにより、短期間のSOC変化推定については信頼性の高いSOC変化量ΔSOCiを小さい時定数で反映するとともに、長期間の電池使用に伴って発生するSOC推定誤差を解消するために、二次電池の内部状態変化を反映したモデル推定値SOCmを相対的に大きい時定数で反映することができる。
あるいは、ゲインk1,k2に関しては、電池状態に応じて変化させてもよい。たとえば、電池モデルの精度が低下する低温時あるいは、大電池電流の充放電時には、ゲインk2を低下させて、電流積算に基づくSOC推定をメインに実行することが好ましい。特に、電圧−電流関係モデル式(M1c),(M1d)では、arcsinh項の線形近似により、I(t)/{2Ljsjoj(θ,T)}項の絶対値が所定以上となると電池モデル式の誤差が増大する。すなわち、大電流時(|I(t)|>>0)および、交換電流密度iej(θ,T)が低下する電池温度Tの低温時には、上記項の絶対値が大きくなることによって、電池モデル誤差が増大する。したがって、このようなケースでは、たとえばk2=0として、電池モデルによるSOC推定を停止することによって、電池モデル誤差によって二次電池10の充電率(SOC)の推定誤差が増大することを防止できる。
図19は、図18に示した実施の形態2の変形例に従うSOC推定をバッテリECU50によって実現するためのフローチャートである。
図19を参照して、バッテリECU50は、図12でのステップS170に代えて、図19に示したステップS171,S172♯,S173,S174,S175♯,S176を実行することによって、図18に示したような実施の形態2の変形例に従うSOC推定を実行することができる。
図19を参照して、バッテリECU50は、ステップS171(図12と同様)の処理の後、ステップS172♯により、ステップS172と同様に、ステップS171で求められたリチウム平均濃度csaveよりモデルSOC推定値SOCmを算出する。
一方、バッテリECU50は、ステップS173,S174(図17と同様)の処理の後、ステップS175♯により、補正電流値Ibc(t)の積算に基づき、SOCの推定演算実行期間内におけるSOC変化量ΔSOCiを算出する。なお、上述のようにステップS175♯におけるSOC変化量ΔSOCiの算出は、オフセット誤差Iofの補正を伴わない、電流センサ32による測定値Ib(t)の積算によって求めてもよい。
さらに、バッテリECU50は、ステップS176では、前回SOC推定値SOCe(0)と、ステップS172で求められたモデルSOC推定値SOCmと、ステップS175♯で求められたSOC変化量ΔSOCiに基づいて、式(34)に従って現在のSOC推定値SOCeを算出する。
このような構成とすることにより、短期間のSOC変化推定については信頼性の高い電流積算によるSOC推定と、二次電池の内部状態変化を反映した電池モデル式によるSOC推定とを適切に組合わせることによって、二次電池の充電率(SOC)を高精度に推定できる。
(実施の形態3)
実施の形態1および2でこれまで説明した電池モデル式は、全電池電流が活物質を流れて電気化学反応に寄与するとの前提で導出されている。しかしながら、実際には、特に低温時等において、電解液と活物質との界面に生じる電気二重層キャパシタの影響が現われて、全電池電流が、電気化学反応に寄与する電気化学反応電流およびキャパシタを流れるキャパシタ電流とに分流される。
図20には、このような電気二重層キャパシタを考慮した二次電池の等価回路モデルが示される。
図20を参照して、電池電流密度I(t)に対応する全電池電流成分は、活物質モデル18(正極活物質モデル18pおよび負極活物質モデル18nを包括的に表記するもの)を流れる電気化学反応電流成分(電流密度IEC(t))と、電気二重層キャパシタ19を流れるキャパシタ電流成分(電流密度IC(t))とに分流する。すなわち、電池電流密度I(t)は、電気化学反応電流密度IEC(t)およびキャパシタ電流密度IC(t)の和で示される。
活物質モデル18を流れる電気化学反応電流成分は、電気化学反応に寄与する一方で、キャパシタ電流成分は、電気化学反応には寄与しない。そして、式(M1a)〜(M1d)式に示した直流純抵抗Rd(t)は全電池電流成分が通過する。
実施の形態3では、電気二重層キャパシタを通過するキャパシタ電流成分を電気化学反応電流成分と分離するように、電池モデル式を構成する。
図21は、実施の形態3に従う二次電池の状態推定装置の概略構成を説明するブロック図である。
図21を図9と比較して理解されるように、実施の形態3に従う二次電池の状態推定装置では、電流推定部120は、電流演算部125をさらに含んで構成される。
まず、図20に示した電池モデルに従ってキャパシタ電流成分の分離を考慮した際の電圧−電流関係モデル式(M1a)式の変形について説明する。
図20から理解されるように、負極12および正極15について、全電流密度I(t)と、電気化学反応電流密度IEC(t)と、キャパシタ電流密度IC(t)との間には、下記(35)式の関係が成立する。そして、活物質モデル18での電気化学反応には、電気化学反応電流密度Ij EC(t)のみが関与することになるため、電極中における電気化学反応を一様と仮定して簡易化した電気化学反応式である(21)式は、(36)式に修正される。
また、(35)式において、キャパシタ電流密度Ij C(t)は、下記(37)式で示される。
Figure 0004872743
なお、(37)式中における電圧Ψ1(t)およびΨ2(t)は、正極15および負極12のそれぞれの開放電圧U(θ,t)および過電圧η(t)の和によって、下記(38),(39)式で与えられる。
Figure 0004872743
したがって、上記(38),(39)式に従って電圧Ψ1(t)およびΨ2(t)を逐次算出し、前回の演算周期における電圧値と今回の演算周期における電圧値とを(37)式および(35)式に代入して解くことによって、I1 EC(t)およびI2 EC(t)を算出することができる。すなわち、これら(35)〜(39)式を連立させることによって図21の電流演算部125が構成される。
さらに、電圧−電流関係モデル式(M1a)は、式(M1a)の分極電圧を示す右辺第2項の電流密度を、電気化学反応電流密度I1 EC(t)およびI2 EC(t)に置き換えた式(M4a)に変換される。
Figure 0004872743
したがって、電流推定部120は、モデル式(M4a)に基づいて、電池電流密度I(t)を算出する。より具体的には、上記(M3a)式において、過電圧に関する項の電池電流密度I(t)を電気化学反応電流密度I1 EC(t)およびI2 EC(t)に置き換えた式を、上記(M3a)式と同様に解くことによって、電流密度I(t)ついても得ることができる。
さらに、境界条件設定部140は、式(36)に示したように、電気化学反応電流密度Ij Ec(t)を用いて、負極12および正極15の活物質拡散モデル式(M2a),(M2b)の境界条件を設定する。
同様に、電圧−電流関係モデル式(M1b)式についてキャパシタ電流成分の分離を考慮した際の変形について説明する。
式(M1b)のように、正極および負極で共通の活物質モデルを使用する場合には、図20に示した電池モデルにおける、全電流密度I(t)および電気化学反応電流密度IEC(t)およびキャパシタIC(t)の間の関係は、下記(40)式で示される。また、反応電流密度jj Liと電流密度との間の関係を示す、式(21′)は、下記式(41)に変換される。さらに、キャパシタ電流に関する上記(37)〜(39)式は、下記(42)および下記(43)式に置き換えらえる。
Figure 0004872743
したがって、電圧−電流関係モデル式(M1b)についてキャパシタ電流成分の分離を考慮する際には、式(40)〜(43)によって電流演算部125が構成されて、反応電流密度IEC(t)が演算される。
さらに、電流推定部120中のモデル式(M1b)は、第2項(過電圧項)の電流密度I(t)を電気化学反応電流密度IEC(t)に置換した下記のモデル式(M4b)に置換される。すなわち、電流推定部120は、上記(M3b)式において、過電圧に関する項の電池電流密度I(t)を電気化学反応電流密度IEC(t)に置き換えた式を、上記(M3a)式と同様に解くことによって、電流密度I(t)ついても得ることができる。
Figure 0004872743
次に、電圧−電流関係モデル式中のarcsinh項を線形近似した電圧−電流関係モデル式(M1c)についての、キャパシタ電流成分の分離を考慮した変形について説明する。
まず、正極および負極で別々の活物質モデルを考えるモデル式(M1c)では、全電流密度I(t)と、電気化学反応電流密度I1 EC(t),I2 EC(t)と、キャパシタ電流密度IC(t)との間の関係については、上記(35),(37)式が適用され、反応電流密度については上記(36)式が同様に適用できる。但し、電圧Ψ(t)については、上述の(38),(39)式に代えて、下記(44)式が適用される。
Figure 0004872743
この場合にも、(44)式を上記(35),(37)式と連立することによって、電気化学反応電流密度I1 EC(t),I2 EC(t)を求めることができる。すなわち、(35),(37),(44)式を連立させることによって図21の電流演算部125が構成される。また、モデル式(M1c)は、下記(M4c)式に変換される。
Figure 0004872743
この結果、電流推定部120においては、上記式(M3c)に代えて、下記の式(M3c′)式を適用することにより、電流密度I(t)を求めることが可能である。
Figure 0004872743
最後に、電圧−電流関係モデル式(M1d)式のキャパシタ電流を考慮した変形について説明する。
正極および負極で共通の活物質モデルを適用し、かつ、キャパシタ電流を考慮するこのケースでは、電流密度I(t)、電気化学反応電流密度IEC(t)およびキャパシタ電流密度IC(t)について、下記(45)式が成立する。(45)式中におけるΨ(t)は、これまでと同様に開放電圧と分極電圧の和として下記(46)式で示される。また、リチウム生成量に相当する反応電流密度jj Liは、電気化学反応電流密度IEC(t)を用いて下記(47)式で求められる。
Figure 0004872743
このケースにおいても、(46)式で定義された電圧Ψ(t)を(45)式と連立させて解くことにより、電気化学反応電流密度IEC(t)を求めることができる。すなわち、(45),(46)式を連立させることによって図21の電流演算部125が構成される。
また、電流推定部120中の電圧−電流モデル式(M1d)は、モデル式(M1d)の右辺第2項(分極電圧に関する項)において電流密度I(t)を電気化学反応電流密度IEC(t)に置き換えたモデル式(M4d)に置換される。したがって、電流推定部120においては、上記式(M3d)に代えて、下記の式(M3d′)式を適用することにより、電流密度I(t)を求めることが可能である。
Figure 0004872743
以上説明したように、実施の形態3に従う二次電池の状態推定装置によれば、電流密度I(t)を電気化学反応電流密度IEC(t)および電気化学反応には寄与しないキャパシタ電流密度IC(t)とに分離して電池の内部挙動を推定できるので、二次電池の内部状態、具体的には活物質内のリチウム濃度分布をより高精度に推定して、内部状態の推定精度を高めることができる。また、このような電池の内部状態推定装置と、実施の形態1の後半あるいは実施の形態2で説明したSOC推定とを組合せることにより、二次電池の充電率(SOC)を高精度に推定することが可能となる。
また、図20に示した電気二重層キャパシタ19は温度依存性を有するので、電流演算部125で使用されるモデル式中のキャパシタンスC(C1,C2)についても、実験結果等に基づいて予めマップを作成しておくことにより、電池パラメータ設定部130によって、電池温度Tに応じて可変に設定することができる。
なお、以上説明した実施の形態1〜3では、二次電池をリチウムイオン電池として説明したが、本発明に従う二次電池の状態推定装置は、リチウムイオン電池以外の他の二次電池にも、負荷の種類を特に限定することなく適用することが可能である。たとえば、ニッケル水素電池では、活物質内部での反応関与物質としてプロトンの濃度分布を拡散方程式により算出し、開放電圧を活物質表面のプロトンの関数として定義することによって本発明の手法を同様に適用することが可能である。
また、本発明の図1〜図9で説明した二次電池の内部状態推定装置による反応物質の濃度分布推定と、本明細書で説明した以外のSOC推定手法とを組合せて、二次電池の充電率(SOC)推定装置を実現することも可能である点についても、確認的に記載しておく。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に従う二次電池の状態推定装置が適用される電源システムの構成例を説明する概略ブロック図である。 二次電池の概略構成図である。 電池モデル式内で用いられる変数および定数の一覧を示す図である。 本実施の形態による二次電池のモデル化の概要を説明する概念図である。 極座標で示された活物質モデルを示す概念図である。 二次電池の端子電圧と各平均電位との関係を示す概念図である。 拡散係数の温度依存性を説明する概念図である。 開放電圧と局所SOCとの関係を示す概念図である。 実施の形態1による二次電池の状態推定装置の概略構成を説明するブロック図である。 実施の形態1による二次電池の状態推定装置のSOC推定構成を説明するブロック図である。 活物質内リチウム平均濃度と充電率(SOC)との関係を示す図である。 実施の形態1に従う次電池の状態推定装置の電池状態推定およびSOC推定の一連の処理を説明するフローチャートである 実施の形態1に従う次電池の状態推定装置によるSOC推定誤差の自己修正を説明する概念図である。 実施の形態2に従う二次電池の状態推定装置によるSOC推定を説明するブロック図である。 電池電流のセンサ測定値とモデル推定値との関係を示す概念的な波形図である。 電流センサのオフセット誤差を示す概念的な波形図である。 図14に示した実施の形態2に従うSOC推定をバッテリECU50で実現するためのフローチャートである。 実施の形態2の変形例に従う二次電池の状態推定装置によるSOC推定を説明するブロック図である。 図18に示した実施の形態2の変形例に従うSOC推定をバッテリECUによって実現するためのフローチャートである。 電気二重層キャパシタを考慮した二次電池の等価回路モデルを示す概略的な回路図である。 実施の形態3による二次電池の状態推定装置の概略構成を説明するブロック図である。
符号の説明
5 電源システム、10 二次電池、11p 正極端子、11n 負極端子、12 負極、13 負極電流コレクタ、14 セパレータ、15 正極、16 正極電流コレクタ、18p 正極活物質モデル、18p 負極活物質モデル、19 電気二重層キャパシタ、20 負荷、30 温度センサ、32 電流センサ、34 電圧センサ、50 バッテリECU、50♯ 状態推定装置、60 制御装置、100 拡散推定部、110 開放電圧推定部、120 電流推定部、125 電流演算部、130 電池パラメータ値設定部、140 境界条件設定部、160 平均濃度算出部、170 オフセット推定部、175 演算部、180 電流積算部、200,210,210♯,220 SOC推定部。

Claims (14)

  1. 電気化学反応に寄与する反応物質を内部に含む活物質を含んで構成された第1および第2の電極と、前記第1および第2の電極間でイオン化した前記反応物質を伝導するためのイオン伝導体とを備える二次電池の状態推定装置であって、
    前記第1および第2の電極間の電池電圧を検出する電圧検出器と、
    与えられた境界条件に基づいて前記活物質の内部での前記反応物質の濃度分布を規定する活物質拡散モデル式に従って、前記反応物質の濃度分布を推定する拡散推定部と、
    前記拡散推定部によって推定された、前記活物質の電解液との界面での前記反応物質の濃度に基づいて、前記第1および第2の電極間の開放電圧を推定する開放電圧推定部と、
    前記開放電圧と、前記二次電池の電池電流密度に応じて算出される過電圧と、前記電池電流密度に応じて発生する電圧降下と、前記電池電圧との間の関係を示す、電気化学反応に基づく電圧電流関係モデル式に従って前記二次電池の電池電流密度を推定する電流推定部とを備え、
    前記電流推定部は、前記電圧検出器によって検出された前記電池電圧と、前記開放電圧推定部によって推定された前記開放電圧と、前記二次電池のパラメータ値とを前記電圧電流関係モデル式に代入することによって、前記電池電流密度を算出し、
    前記電流推定部によって推定された前記電池電流密度に基づいて前記界面での反応電流密度を算出し、算出した反応電流密度に従って、前記活物質拡散モデル式の前記界面における前記境界条件を設定する境界条件設定部をさらに備える、二次電池の状態推定装置。
  2. 前記二次電池の電池温度を検出する温度検出器と、
    少なくとも前記電池温度に応じて、前記パラメータ値を可変に設定するためのパラメータ値設定部とをさらに備え、
    前記パラメータ値設定部は、さらに、前記活物質拡散モデル式中の拡散速度を表わすパラメータ値を、少なくとも前記電池温度に応じて可変に設定する、請求項1記載の二次電池の状態推定装置。
  3. 前記電圧電流関係モデル式は、前記電池電流密度および前記パラメータ値としての電極単位面積当たりの電気抵抗の積を前記開放電圧から減算した電圧が、前記電池電圧に等しいことを示す線形近似式により構成され、
    前記パラメータ値設定部は、前記拡散推定部によって推定された前記界面での前記反応物質の濃度および前記温度検出器によって検出された前記電池温度に応じて、前記電気抵抗を可変に設定する、請求項2記載の二次電池の状態推定装置。
  4. 全体の前記電池電流密度を、電気化学反応に寄与する第1の電流密度と、前記二次電池内部に生じる電気二重層キャパシタ成分によって生じる第2の電流密度とに分離する電流演算部をさらに備え、
    前記境界条件設定部は、前記電流演算部により算出された前記第1の電流密度に基づいて前記界面での反応電流密度を算出し、
    前記電圧電流関係モデル式において、前記電圧は、前記第1の電流密度に基づいて算出される、請求項1記載の二次電池の状態推定装置。
  5. 前記二次電池の電池温度を検出する温度検出器と、
    少なくとも前記電池温度に応じて、前記パラメータ値を可変に設定するためのパラメータ値設定部とをさらに備え、
    前記電圧電流関係モデル式は、前記第1の電流密度と前記パラメータ値としての電極単位面積当たりの第1の電気抵抗との積が前記電池電圧に等しいことを示す線形近似式および、前記パラメータ値としての電極単位面積当たりのキャパシタに流れる前記第2の電流密度が前記電池電圧の時間変化量に比例した値であること示す式で構成され、
    前記パラメータ値設定部は、前記拡散推定部によって推定された前記界面での前記反応物質の濃度および前記温度検出器によって検出された前記電池温度に応じて、前記第1の
    電気抵抗を可変に設定するとともに、前記電池温度に応じて前記電極単位面積当たりのキャパシタンスを可変に設定する、請求項4記載の二次電池の状態推定装置。
  6. 前記拡散推定部は、前記第1および第2の電極のそれぞれについて、極座標により表わされた前記活物質拡散モデル式を有する、請求項1記載の二次電池の状態推定装置。
  7. 前記拡散推定部は、前記第1および第2の電極の間で共通化された、極座標により表わされた前記活物質拡散モデル式を有する、請求項1記載の二次電池の状態推定装置。
  8. 前記電圧電流関係モデル式は、前記活物質および前記電解液の平均電位と、前記界面での前記電気化学反応に伴って発生する過電圧の平均値と、前記開放電圧との間の関係を示す電圧方程式、ならびに、前記電池電流密度および前記過電圧の平均値の間の関係を示す電気化学反応式に基づいて導出される、請求項1記載の二次電池の状態推定装置。
  9. 前記電圧電流関係モデル式は、前記第1および第2の電極の各々において、電極中での電気化学反応が位置依存性を有さずに一様であると仮定して、前記電極中での前記活物質および前記電解液の電位分布を2次関数に簡易化した上で、前記活物質および前記電解液の前記平均電位を求めることにより導出される、請求項8記載の二次電池の状態推定装置。
  10. 前記拡散推定部によって推定された前記反応物質の濃度分布に基づいて、前記活物質内での前記反応物質の平均濃度を算出する平均濃度算出部と、
    予め求められた前記平均濃度と前記二次電池の充電率との対応関係に従って、前記平均濃度算出部によって算出された前記平均濃度に基づいて前記充電率を推定する第1の充電率推定部とをさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の二次電池の状態推定装置。
  11. 前記二次電池の電池電流を検出する電流検出器と、
    前記電池電流の積算に基づいて前記二次電池の充電率変化量を推定する第2の充電率推定部と、
    前記第1および第2の充電率推定部による推定結果に基づいて、前記二次電池の充電率推定値を周期毎に逐次更新する第3の充電率推定部をさらに備え、
    前記第3の充電率推定部は、前記充電率推定値の前回値に対して、前記第2の充電率推定部によって推定された前記周期の間での前記充電率変化量と、前記第1の充電率推定部によって推定された現在の充電率と前記前回値との間の充電率誤差とを反映して、前記充電率推定値の現在値を算出し、
    前記充電率変化量の反映は、前記充電率誤差の反映よりも相対的に小さい時定数で行なわれる、請求項10に記載の二次電池の状態推定装置。
  12. 前記二次電池の電池電流を検出する電流検出器と、
    前記電池電流の積算に基づいて前記二次電池の充電率変化量を推定する第2の充電率推定部と、
    前記第1および第2の充電率推定部による推定結果に基づいて、前記二次電池の充電率推定値を周期毎に逐次更新する第3の充電率推定部をさらに備え、
    前記第3の充電率推定部は、前記充電率推定値の前回値に対して、前記第2の充電率推定部によって推定された前記周期の間での前記充電率変化量と、前記第1の充電率推定部によって推定された現在の充電率と前記前回値との間の充電率誤差とを反映して、前記充電率推定値の現在値を算出し、
    前記第3の充電率推定部は、前記電池電流の絶対値が所定値よりも大きい場合、または、前記二次電池の電池温度が所定温度よりも低い場合には、前記充電率誤差の反映を中止して、前記充電率推定値の現在値を算出する、請求項10に記載の二次電池の状態推定装置。
  13. 前記電流推定部によって推定された前記電池電流密度に基づいて前記電池電流の推定値を算出するとともに、前記電池電流の推定値と前記電流検出器による検出値との誤差に基づいて前記電流検出器のオフセット誤差を推定するオフセット推定部をさらに備え、
    前記第2の充電率推定部は、前記オフセット推定部によって推定された前記オフセット誤差によって前記電流検出器による前記電池電流の検出値を補正するとともに、補正された前記検出値の積算に基づいて前記二次電池の充電率の変化量を推定する、請求項11または12に記載の二次電池の状態推定装置。
  14. 前記二次電池の電池電流を検出する電流検出器と、
    前記電流推定部によって推定された前記電池電流密度に基づいて前記電池電流の推定値を算出するとともに、前記電池電流の推定値と前記電流検出器による検出値との誤差に基づいて前記電流検出器のオフセット誤差を推定するオフセット推定部と、
    前記オフセット推定部によって推定された前記オフセット誤差によって前記電流検出器による前記電池電流の検出値を補正するとともに、補正された前記検出値の積算に基づいて前記二次電池の充電率の変化量を推定する充電率推定部とをさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の二次電池の状態推定装置。
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