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JP4866942B2 - 伝送装置、伝送制御方法およびosc処理装置 - Google Patents

伝送装置、伝送制御方法およびosc処理装置 Download PDF

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Description

この発明は、データ通信技術に関し、特に、光通信ネットワークにおける伝送装置、伝送制御方法およびOSC(Optical Supervisory Channel)処理装置に関する。
近年、光伝送装置の高実装密度化が進んでおり、SONET/SDH(Synchronous Optical NETwork/Synchronous Digital Hierarchy)装置とスイッチ装置とを統合したMSPP(Multi Service Provisioning Platform)装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
また近年、複数のSONET/SDHネットワークの光信号をWDM(Wavelength Division Multiplexing)技術により多重化して送信するWDM伝送装置が提供されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−177941号公報 特開2006−352919号公報
光伝送装置の高実装密度化のさらなる進展を踏まえ、本発明者は、MSPP装置の機能とWDM装置の機能とを一元的に提供する伝送装置が今後普及していくと認識した。そして、その伝送装置を柔軟な実装態様が可能な構成とすることにより、ユーザの利便性を向上できると考えた。
本発明は、本発明者の上記着想に基づいてなされたものであり、その主たる目的は、MSPP装置の機能とWDM装置の機能とを一元的に提供する伝送装置について、その実装態様の柔軟性を確保する技術を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の伝送装置は、所定のSDHフレームを互いに送受する複数のSDH伝送部と、あるSDH伝送部から送出されたSDHフレームを別のSDH伝送部へ受け渡すスイッチ部と、WDMネットワークから光信号を受信するWDM受信部と、受信された光信号に付加されたOSC信号を処理する受信側OSC処理部と、WDMネットワークへ光信号を送出するWDM送出部と、送出される光信号に付加されるべきOSC信号を設定する送出側OSC処理部と、を備える。受信側OSC処理部は、OSC信号が示す波長情報を含むSDHフレームをスイッチ部へ送出し、送出側OSC処理部は、波長情報を含むSDHフレームをスイッチ部から受け付け、波長情報に基づいてOSC信号を設定する。
「SDHフレーム」は、SONET/SDH伝送方式にて規定されたデータフレームであってもよく、STM−n(synchronus transport module - n)形式に準拠した信号であってもよい。例えば、STM−1形式の光信号もしくは電気信号であってもよい。「スイッチ部」は、伝送装置の筐体に実装可能な機器との間でSDHフレームにて通信するためのインタフェースがあらかじめ設定されていてもよい。
この態様によると、受信側OSC処理部と送出側OSC処理部間で、スイッチ部を介して波長情報が送受される。これにより、受信側OSC処理部と送出側OSC処理部とが専用線にて接続される場合と異なり、受信側OSC処理部および送出側OSC処理部の伝送装置における実装位置を柔軟に決定できるようになる。言い換えれば、伝送装置でWDM通信機能を追加する場合、その時点で未使用の任意位置のスロットに対して、OSC信号を処理するための機器を設置することができる。また、一旦実装された受信側OSC処理部および送出側OSC処理部の実装位置の変更も容易になる。
WDM送出部とWDM受信部とは、OSC信号をSDHフレームフォーマットで送受し、当該伝送装置は、WDMネットワークから受信されたOSC信号に設定されたオーバーヘッドバイトに基づいて、SDH伝送方式にて提供されるサービスを、WDMネットワークを跨って提供してもよい。
「オーバーヘッドバイト」は、STM−nで規定されたセッションオーバーヘッドの情報でもよい。また、STM−nのペイロードを構成するVC−n(Virtual Container - n)フレームにおけるパスオーバーヘッドの情報でもよい。「SDH伝送方式にて提供されるサービス」は、パスオーバーヘッドの所定項目、例えばパストレース(J1バイト)、パス誤り監視(B3バイト)、パスユーザチャネル(F2バイト)を使用して提供されるサービスであってもよい。また、セクションオーバーヘッドの所定項目、例えば中継セクションの誤り監視(B1バイト)、端局セクションの誤り監視(B2バイト)、同期状態メッセージ(S1バイト)を使用して提供されるサービスであってもよい。
この態様によると、WDMネットワークおよび伝送装置内部のいずれにおいても、OSC信号の内容はSDHフレームにて送受される。その結果、WDMネットワークを跨ったOSC信号の伝送において、オーバーヘッドバイトの設定情報は失われることなく維持される。したがって、SONET/SDHネットワークにおいてオーバーヘッドバイトに基づき提供されるサービスを、WDMネットワークを跨って提供できる。例えば、第1のSONET/SDHネットワークと、WDMネットワークを介して第1のSONET/SDHネットワークと接続された第2のSONET/SDHネットワークとに亘って、オーバーヘッドバイトに基づくサービスを提供できる。
送出側OSC処理部は、WDMネットワークへ送出されるOSC信号におけるパスオーバーヘッドのJ1バイトを設定し、受信側OSC処理部は、WDMネットワークを跨った導通確認のために、WDMネットワークから受信されたOSC信号のJ1バイトの情報を外部へ出力してもよい。
出力先となる「外部」とは、ディスプレイ、ファイル、オーバーヘッドバイトの情報を比較するための他処理部や外部装置であってもよい。この態様によると、WDMネットワークを跨ってエンド・ツウ・エンドの、言い換えれば、パスの一端から他端までの導通確認を実現できる。
受信側OSC処理部は、WDMネットワークを跨った伝送品質管理のために、WDMネットワークから受信されたOSC信号におけるパスオーバーヘッドのB3バイトの情報を外部へ出力してもよい。この態様によると、WDMネットワークを跨ってエンド・ツウ・エンドの伝送品質を確認可能となる。
送出側OSC処理部は、WDMネットワークへ送出されるOSC信号におけるパスオーバーヘッドのF2バイトに対して、外部から受信されたユーザパケットを設定し、受信側OSC処理部は、WDMネットワークから受信されたOSC信号のF2バイトからユーザパケットを取得して外部装置へ送出してもよい。
この態様によると、WDMネットワークを跨ってエンド・ツウ・エンドでのユーザパケットの転送が実現される。ユーザパケットとは、PCやIP電話等のユーザ端末から送信されたパケットであり、MAC(Media Access Control)フレームでもよく、IPパケットでもよい。言い換えれば、この態様によると、OSC信号をMSPPのオーダー・ワイヤ・パス(Order wire path)、ユーザ・チャネル・パス(User channel path)とすることができる。また、この態様によれば、伝送装置内でユーザパケットを伝送するためにこれまで必要であったパケット中継装置、例えばレイヤ2スイッチを設ける必要がない。
WDM送出部とWDM受信部とは、OSC信号をSDHフレームフォーマットで送受し、当該伝送装置は、WDMネットワークを跨ったクロック同期のために、WDMネットワークに対して、同期用のクロック成分を含む信号をOSC信号として送受し、当該OSC信号に基づいて同期用のクロック成分を抽出させてもよい。
「同期用のクロック成分を含む信号」は、同期すべき基準周波数が設定された、言い換えれば基準周波数に基づき算出される波長が設定された信号であってもよい。この態様によれば、WDMネットワークを跨って送受されるOSC信号を、MSPPのクロックパス(Clock path)として使用できる。具体的には、WDMネットワークを介して接続された複数の伝送装置、例えば各伝送装置のSDH伝送部は、OSC信号が送受されることにより、1つのクロック源に基づく基準クロックに対して従属同期ができる。したがって、クロック源の必要数を低減でき、ネットワークコストを低減できる。
WDMネットワークでの障害発生が検出された際、予備系のWDMネットワークへ光信号を送出する予備系のWDM送出部と、予備系のWDMネットワークへ送出される光信号に付加されるべきOSC信号を設定する予備系の送出側OSC処理部と、をさらに備えてもよい。スイッチ部は、WDMネットワークでの障害発生が検出された際、受信側OSC処理部から送出されたSDHフレームの転送先を、予備系の送出側OSC処理部へ切り替える系切替部を含んでもよい。
この態様によると、受信側OSC処理部と送出側OSC処理部とが専用線にて接続された場合と異なり、波長情報の転送経路がスイッチ部において動的に変更される。したがって、現用系の障害に応じた予備系への切替が迅速かつ容易に実現される。
WDMネットワークでの障害発生が検出された際、予備系のWDMネットワークから光信号を受信する予備系のWDM受信部と、予備系のWDMネットワークから受信された光信号に付加されたOSC信号を処理する予備系の受信側OSC処理部と、をさらに備えてもよい。スイッチ部は、WDMネットワークでの障害発生が検出された際、送出側OSC処理部へ送出すべきSDHフレームの転送元を、予備系の受信側OSC処理部へ切り替える系切替部を含んでもよい。この態様においても上記と同様に、波長情報の転送経路がスイッチ部において動的に変更されるため、現用系の障害に応じた予備系への切替が迅速かつ容易に実現される。
本発明の別の態様は、OSC処理装置である。この装置は、WDMネットワークにおいて送受されるOSC信号を処理する装置であって、当該装置は、所定のSDHフレームを互いに送受する複数のSDH伝送部と、あるSDH伝送部から送出されたSDHフレームを別のSDH伝送部へ受け渡すスイッチ部とを備える伝送装置に搭載されるものであり、伝送装置に搭載された他のOSC信号を処理する装置との間で、スイッチ部を介して、OSC信号が示す波長情報を送受できるように、伝送装置内のインタフェースをSDHフレームフォーマットに準拠させた。この態様によると、上記効果を奏する伝送装置を実現するためのOSC処理装置を提供できる。
本発明のさらに別の態様は、伝送制御方法である。この方法は、所定のSDHフレームを互いに送受する複数のSDH伝送部と、あるSDH伝送部から送出されたSDHフレームを別のSDH伝送部へ受け渡すスイッチ部とを備える伝送装置に、WDMネットワークから光信号を受信するステップと、受信された光信号に付加されたOSC信号について、当該OSC信号が示す波長情報を含むSDHフレームをスイッチ部に送出するステップと、波長情報を含むSDHフレームをスイッチ部から受け付け、波長情報に基づいて、送出される光信号に付加されるべきOSC信号を設定するステップと、設定されたOSC信号が付加された光信号をWDMネットワークへ送出するステップと、を実行させる。この態様によると、上記効果を奏する伝送装置を実現できる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、方法、システム、プログラム、プログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、MSPP装置の機能とWDM装置の機能とを一元的に提供する伝送装置について、その実装態様の柔軟性を確保しやすくなる。
従来の伝送システムの構成を示す図である。 図1のWDM伝送装置の機能構成を示すブロック図である。 図1の統合伝送装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態である伝送システムの構成を示す図である。 図4の統合伝送装置の構成を示すブロック図である。 図5のOSC処理部の詳細な構成を示すブロック図である。 WDMネットワークの追加に対応した統合伝送装置のブロック図である。 第2の動作例の模式図である。 第3の動作例の模式図である。 第4の動作例の模式図である。 第4の動作例を実現するための従来構成を示す模式図である。 第5の動作例の模式図である。 変形例における系切替処理を模式的に示す図である。
図1は、従来の伝送システムの構成を示す。この伝送システムでは、リング構成のWDMネットワーク10に複数のWDM伝送装置12が接続され、各WDM伝送装置12にはMSPP装置14が接続されている。典型的には、あるMSPP装置14の配下のユーザ端末から送出されたデータは、WDM伝送装置12およびWDMネットワーク10を介して、目的とするユーザ端末を収容するMSPP装置14まで伝送される。
なお、本実施の形態においては、特に断らない場合、光信号と電気信号とを区別しない。単に「信号」と表記した場合、光信号と電気信号とのどちらの信号であってもよく、必要に応じて、O/E変換もしくはE/O変換が適宜実行されてよい。
図2は、図1のWDM伝送装置12の機能構成を示すブロック図である。本明細書のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
WDM伝送装置12は、E−WDM伝送部20aと、W−WDM伝送部20bと、E−OSC処理部26aと、W−OSC処理部26bとを備える。
E−WDM伝送部20aは、WDMネットワーク10の1つの方向(以下、「EAST方向」とも呼ぶ。)に対して、WDMにより多重化された光信号(以下、「WDM信号」とも呼ぶ。)を送受する。E−WDM伝送部20aは、E−WDM受信部22aと、E−WDM送出部24aとを有する。
W−WDM伝送部20bは、WDMネットワーク10のEAST方向とは逆方向(以下、「WEST方向」とも呼ぶ。)へWDM信号を送受する。W−WDM伝送部20bは、W−WDM受信部22bと、W−WDM送出部24bとを有する。なお、本実施の形態のWDM信号について、個々の波長の光信号はSTM−nフレームフォーマットに準拠する。
WDM信号における1つの波長の光信号は、その光信号の制御・監視等に使用されるOSC信号である。このOSC信号には、WDM信号において多重化された光信号それぞれの波長の情報(以下、単に「波長情報」とも呼ぶ。)が含まれる。なお、図1には図示しないアンプの状態を示す情報が含まれてもよい。また、他の波長の光信号は、MSPP装置14へドロップされるべき、あるいは、他のWDM伝送装置12へ転送されるべきデータ本体を示す光信号(以下、「データ信号」とも呼ぶ。)である。
本実施の形態のデータ信号は、他のWDM伝送装置12へ転送されるべき光信号であることとする。したがって、E−WDM受信部22aは、WDMネットワーク10のEAST方向からWDM信号を受信して、そのWDM信号におけるデータ信号をW−WDM送出部24bへ送出する。W−WDM受信部22bは、WDMネットワーク10のWEST方向からWDM信号を受信して、そのWDM信号におけるデータ信号をE−WDM送出部24aへ送出する。
E−OSC処理部26aは、E−WDM受信部22aにおいて受信されたWDM信号について、そのWDM信号におけるOSC信号が示す波長情報をW−OSC処理部26bへ送出する。また、W−OSC処理部26bから受け付けた波長情報に基づきOSC信号を設定してE−WDM送出部24aへ送出する。
W−OSC処理部26bは、W−WDM受信部22bにおいて受信されたWDM信号について、そのWDM信号におけるOSC信号が示す波長情報をE−OSC処理部26aへ送出する。また、E−OSC処理部26aから受け付けた波長情報に基づきOSC信号を設定してW−WDM送出部24bへ送出する。
このE−OSC処理部26aとW−OSC処理部26bとは、バックワイヤードボード(BWB)で固定的に接続される。言い換えれば、WDM伝送装置12の筐体にあらかじめ設定された専用線によって接続される。したがって、WDM伝送装置12の筐体において、E−OSC処理部26aのハードウェアと、W−OSC処理部26bのハードウェアとはあらかじめ定められた位置に設置される必要がある。また、E−OSC処理部26aとW−OSC処理部26bとの間では、独自形式の信号により波長情報が送受される。
E−WDM送出部24aは、W−WDM受信部22bから受け付けられたデータ信号と、E−OSC処理部26aから受け付けられたOSC信号とを合波したWDM信号を、WDMネットワーク10のEAST方向へ送出する。
W−WDM送出部24bは、E−WDM受信部22aから受け付けられたデータ信号と、W−OSC処理部26bから受け付けられたOSC信号とを合波したWDM信号を、WDMネットワーク10のWEST方向へ送出する。
なお、E−WDM伝送部20aとW−WDM伝送部20b間には、一般的なWDM伝送装置が備える各種機能ブロックがさらに含まれてもよいのはもちろんである。例えば、WDM伝送装置12は、EAST方向から受信されたデータ信号、EAST方向へ送出されるデータ信号、WEST方向から受信されたデータ信号、WEST方向へ送出されるデータ信号のそれぞれをEDFA増幅するアンプ部をさらに備えてもよい。
また、WDM伝送装置12は、データ信号を分波してMSPP装置14へ送出すべき個々の光信号を取り出す分波部や、個々の光信号をMSPP装置14へ送出するドロップ部をさらに備えてもよい。さらにまた、MSPP装置14から光信号を受け付けるアッド部、MSPP装置14から受け付けられた光信号を含む個々の光信号を合波して、WDMネットワーク10へ送出すべきデータ信号を生成する合波部をさらに備えてもよい。
図3は、図1の統合伝送装置16の機能構成を示すブロック図である。MSPP装置14は、SDH伝送部28と、スイッチ部30とを備える。
SDH伝送部28は、SONET/SDHネットワークを形成するための伝送機能を提供する。SDH伝送部28は、WDM伝送装置12とのインタフェース機能を有し、WDMネットワーク10を伝送されたデータ信号をWDM伝送装置12から取得し、WDMネットワーク10へ送出すべきデータをWDM伝送装置12へ送出する。また、図示しない外部のレイヤ2スイッチやレイヤ3スイッチと接続され、図示しない外部のLANやWANとの間でデータを送受する。
スイッチ部30は、いわゆるスイッチファブリック(Switch Fabric)やクロスコネクト(Cross Connect)の機能を提供する。例えば、あるSDH伝送部28から送出されたSTM−n形式に準拠した信号を受け付けて、その伝送経路を選択する。そして、その信号を別のSDH伝送部28へ伝送する等のスイッチ機能を提供する。
なお、本実施の形態では、以下、STM−n形式に準拠した信号として、STM−1形式に準拠した信号(以下、「STM−1フレーム」とも呼ぶ。)が使用されることとする。変形例として、STM−4、STM−16、STM−64等、その他のSTM−n形式に準拠した信号が使用されてもよいことは当業者には理解されるところである。
図4は、本発明の実施の形態である伝送システム100の構成を示す。伝送システム100では、複数の統合伝送装置16がWDMネットワーク10を介して相互に接続される。統合伝送装置16は、図1のWDM伝送装置12の機能とMSPP装置14の機能とを一元的に提供する伝送装置である。
ここで、WDM伝送装置12の機能とMSPP装置14の機能とを一元的に提供する伝送装置について、本発明者が認識した実装上の課題を説明する。
この伝送装置を実装する際には、図2および図3で説明した各機能ブロックの機能を提供する複数種のハードウェア(各機能ブロックの機能を提供するソフトウェアが実行されるハードウェアを含む)が伝送装置の筐体に設置されることになる。既述したように、従来のWDM伝送装置12において、E−OSC処理部26aとW−OSC処理部26bとは専用線接続であり、それらの設置位置はあらかじめ定められている。したがって、当初はMSPP装置14としてのみ使用する場合であっても、E−OSC処理部26aとW−OSC処理部26bとが設置されるべき筐体領域(いわゆるスロット)は未使用のまま空けておく必要がある。これは、伝送装置の高密度実装化を妨げる要因となり、そのコストパフォーマンスを低減させる要因となる。
本実施の形態の統合伝送装置16は、この課題を解決するための構成を有する。すなわち、統合伝送装置16においては、E−OSC処理部とW−OSC処理部との通信インタフェースをSTM−1フレームフォーマットに準拠させる。これにより、統合伝送装置16では、OSC処理装置間において、スイッチ部30を介して波長情報が送受される。スイッチ部30は統合伝送装置16に搭載された各機器とのインタフェースを有するため、統合伝送装置16においては、E−OSC処理部およびW−OSC処理部の設置位置の制約が解消される。言い換えれば、統合伝送装置16の筐体における空きスロット状況に応じて、E−OSC処理部およびW−OSC処理部の設置位置を柔軟に決定できる。
また、上記構成によれば、WDMネットワーク10を跨って統合伝送装置16間で送受されるOSC信号、および、統合伝送装置16内部のOSC処理部間で送受される波長情報のいずれもがSTM−1フレームにより伝送される。これにより、WDMネットワーク10を跨って接続された複数の統合伝送装置16の間において、STM−1で規定されたオーバーヘッドバイトの情報、例えばセクションオーバーヘッドおよびパスオーバーヘッドの各バイト値は失われることなく伝送される。したがって、伝送システム100は、SONET/SDH伝送方式で提供されていたオーバーヘッドバイトに基づく各種サービスを、WDMネットワーク10を跨って提供できる。
図5は、図4の統合伝送装置16の構成を示すブロック図である。統合伝送装置16は、E−WDM伝送部20aと、W−WDM伝送部20bと、複数のSDH伝送部28と、スイッチ部30と、OSC処理部32で総称されるE−OSC処理部32aおよびW−OSC処理部32bとを備える。E−OSC処理部32aと、W−OSC処理部32bとは、OSC信号が示す波長情報を含むSTM−1フレームを、スイッチ部30を介して相互に送受する。
図5で示す機能ブロックのうち、WDM伝送装置12およびMSPP装置14の機能ブロックと同じ機能を提供するものについては、図2および図3と同様の符号を付している。以下では、OSC処理部32の構成を詳細に説明するとともに、その他の機能ブロックに関する詳細な説明は、繰り返しになるため省略する。
図6は、図5のE−OSC処理部32aの詳細な構成を示すブロック図である。E−OSC処理部32aは、E−WDM受信部22aで受信されたOSC信号を処理する受信側OSC処理部34と、E−WDM送出部24aへ送出すべきOSC信号を設定する送出側OSC処理部36とを有する。
なお、図5のW−OSC処理部32bの構成は、以下詳述するE−OSC処理部32aの構成と同様である。ただし、受信側OSC処理部34が処理対象とするOSC信号の受信元はW−WDM受信部22bに置き換わる。また、送出側OSC処理部36が設定対象とするOSC信号の送出先はW−WDM送出部24bに置き換わる。
受信側OSC処理部34は、OSC信号取得部40と、波長情報送出部42と、OH情報処理部44と、MAC送出部46と、クロック通知部48とを含む。
OSC信号取得部40は、WDMネットワーク10から受信されたWDM信号におけるOSC信号を、E−WDM受信部22aから取得する。波長情報送出部42は、OSC信号が示す波長情報を含むSTM−1フレームをスイッチ部30へ送出する。その際に、OSC信号に設定された各オーバーヘッドバイトのデータは、送出するSTM−1フレームの対応するオーバーヘッドバイトへ設定する。
OH情報処理部44は、SDH伝送方式においてオーバーヘッドバイトの情報に基づき提供される各種サービスを提供するために、OSC信号のオーバーヘッドバイトの情報に基づく所定処理を実行する。この具体例は後述する。MAC送出部46は、OH情報処理部44から出力されたMACフレームを所定の外部装置へ送出する。この外部装置は、ユーザにより操作されるPC端末でもよく、LANを構成するレイヤ2スイッチでもよい。
クロック通知部48は、OSC信号からクロック成分を抽出してSDH伝送部28へ通知する。例えば、OSC信号取得部40において取得されたOSC信号のうち、所定範囲の波長を有するOSC信号はクロック同期用の信号と判定して、その信号の波長に基づいてクロック成分を抽出してもよい。
送出側OSC処理部36は、波長情報受信部50と、MAC受信部52と、OH情報設定部54と、クロック取得部56と、OSC信号設定部58とを含む。波長情報受信部50は、W−OSC処理部32bの波長情報送出部42がスイッチ部30へ送出した波長情報を含むSTM−1フレームをスイッチ部30から受信する。そして、その波長情報をOSC信号設定部58へ通知する。
MAC受信部52は、所定の外部装置から送出されたMACフレームを受信してOH情報設定部54へ通知する。OH情報設定部54は、E−WDM送出部24aへ送出されるOSC信号のオーバーヘッドバイトを設定する。クロック取得部56は、基準クロックを出力する外部のBITS(Building Integrated Timing Supply)からクロック信号を受け付けてそのクロック信号をOSC信号設定部58へ送出する。
OSC信号設定部58は、波長情報受信部50において受信された波長情報を含み、OH情報設定部54において設定されたオーバーヘッドバイトを有するOSC信号を設定してE−WDM送出部24aへ送出する。なお、自装置のOH情報設定部54においてオーバーヘッドバイトの設定がなされなければ、波長情報とともに波長情報受信部50において受信されたオーバーヘッドバイトの情報をそのまま設定する。また、クロック取得部56からクロック信号を受け付けた場合には、そのクロック信号が示す周波数に対応する波長の信号をOSC信号としてE−WDM送出部24aへ送出する。
以上の構成による統合伝送装置16の動作を以下説明する。
まず、基本的な動作として、WDMネットワーク10のEAST方向から受け付けたWDM信号をWDMネットワーク10のWEST方向へ転送する第1の動作例を示す。
E−WDM受信部22aは、WDMネットワーク10のEAST方向からWDM信号を受信して、そのWDM信号におけるデータ信号をW−WDM送出部24bへ送出する。E−OSC処理部32aは、WDM信号におけるOSC信号をE−WDM受信部22aから取得して、そのOSC信号が示す波長情報を含むSTM−1フレームをスイッチ部30へ送出する。W−OSC処理部32bは、波長情報を含むSTM−1信号をスイッチ部30から取得して、その波長情報に基づいてOSC信号を設定する。W−WDM送出部24bは、E−WDM受信部22aから送出されたデータ信号と、W−OSC処理部32bから送出されたOSC信号とを合波したWDM信号を、WDMネットワーク10のWEST方向へ送出する。
本実施の形態の統合伝送装置16によれば、E−OSC処理部32aおよびW−OSC処理部32bの通信インタフェースが、スイッチ部30が中継可能なフレームフォーマットに準拠する。これにより、E−OSC処理部32aとW−OSC処理部32bとを専用線接続する必要がなく、スイッチ部30を介した相互接続が実現される。したがって、OSC処理部32のハードウェアを、統合伝送装置16の所定位置のスロットに固定的に設置する必要がなく、統合伝送装置16の実装態様の柔軟性が確保される。
図7は、WDMネットワークの追加に対応した統合伝送装置16のブロック図である。同図の統合伝送装置16は、既設の第1のWDMネットワークとWDM信号を伝送する第1のWDM伝送部60aと、新設の第2のWDMネットワークとWDM信号を伝送する第2のWDM伝送部60bとを備える。このように、新たなWDMネットワークが追加された場合であっても、既設の統合伝送装置16の筐体に空きスロットがあれば、そのスロットに新たなOSC処理部32を容易に実装できる。すなわち、統合伝送装置16の構成によれば、ネットワークの状況変化に柔軟に対応できる。
次に、OSC信号をパストレースのために用いて、WDMネットワーク10を跨ったエンド・ツウ・エンドでの導通確認を実現する第2の動作例を説明する。
図8は、第2の動作例の模式図である。同図は、第1の統合伝送装置16a、第2の統合伝送装置16b、第3の統合伝送装置16c、第4の統合伝送装置16dがWDMネットワーク10を介して接続された伝送システムを示している。ここで、第1の統合伝送装置16aから第4の統合伝送装置16dまでOSC信号が伝送される。
図8で示すように、第1の統合伝送装置16aにおいて、W−OSC処理部32bのOH情報設定部54が、OSC信号におけるパスオーバーヘッドのJ1バイトに対して、ユーザ端末等の外部装置から受け付けられた照合データを設定する。W−WDM伝送部20bのW−WDM送出部24bは、J1バイトが設定されたOSC信号を含むWDM信号をWDMネットワーク10へ送出する。
以降、第1の統合伝送装置16aと第2の統合伝送装置16b間、第2の統合伝送装置16bと第3の統合伝送装置16c間、第3の統合伝送装置16cと第4の統合伝送装置16d間は、OSC信号がSTM−1フレームフォーマットで送受される。第2の統合伝送装置16b内、第3の統合伝送装置16c内においても、OSC信号の情報がSTM−1フレームで転送される。したがって、WDMネットワーク10の通信状態が正常であれば、パスオーバーヘッドのJ1バイトは排除されることなく、第4の統合伝送装置16dまで伝送されることになる。
第4の統合伝送装置16dにおいて、E−OSC処理部32aのOH情報処理部44は、OSC信号取得部40において取得されたOSC信号のJ1バイトを検出して、そのJ1バイトに設定された設定情報を外部へ通知する。例えば、第1の統合伝送装置16aで設定された照合情報を保持し、その照合情報と通知された設定情報とを比較して、異なる場合には所定装置に対してアラートを送出する導通確認部に対して設定情報を通知してもよい。別の例としては、J1バイトの照合情報と比較可能にするために、ディスプレイ等の出力メディアにJ1バイトの設定情報を出力してもよい。
第2の動作例によれば、WDMネットワーク10を跨って設定されるパスにおいて、パスの両端におけるJ1バイトのデータを比較し、その異同を検出することにより、パスの導通確認が可能となる。典型的には、両端のデータが同じであれば正常に通信できていると判定でき、異なっていれば通信状態に異常があると判定できる。なお、OSC信号は、あらかじめ定められた波長を使用するため、データ信号の波長が設定されない場合でも、それぞれの統合伝送装置間で検出可能である。したがって、伝送システム100の建設時等、データ信号の設定が困難な状況において特に有効である。
次に、OSC信号におけるパスオーバーヘッドのB3バイトを監視することにより、伝送品質管理を実現する第3の動作例を説明する。図9は、第3の動作例の模式図である。同図においても、第1の統合伝送装置16aから第4の統合伝送装置16dまでOSC信号が伝送される。
図9で示すように、第2の統合伝送装置16b、第3の統合伝送装置16c、第4の統合伝送装置16dそれぞれにおいて、E−OSC処理部32aのOH情報処理部44が、OSC信号取得部40において取得されたOSC信号のB3バイトを検出する。そして、そのB3バイトのデータを外部へ通知する。例えば、伝送品質をユーザが確認可能なように、ファイルやディスプレイ等の出力メディアに対して、B3バイトのデータが示す伝送品質情報を出力してもよい。また、B3バイトが示す伝送品質が所定の基準値以下であるとき所定装置に対してアラートを送出する伝送品質判定部に対して、B3バイトのデータを通知してもよい。
第3の動作例によれば、WDMネットワーク10を跨って設定されるパスの終端部におけるB3バイトのデータに基づき、エンド・ツウ・エンドの伝送品質管理が可能となる。図9では、第4の統合伝送装置16dにおけるB3バイトが「Error」を示すため、伝送品質が悪いと判定できる。また、OSC信号を中継する統合伝送装置においてもB3バイトのデータが出力され、第3の統合伝送装置16c以降でB3バイトが「Error」となるため、第2の統合伝送装置16b〜第3の統合伝送装置16c間で伝送品質が悪化していると判定できる。
変形例として、セクションオーバーヘッドのB1バイト、B2バイトもあわせて監視されてよく、B3バイトに加えて、B1バイト・B2バイトのデータも外部に出力されてもよい。これにより、B1バイト、B2バイト、B3バイトの組み合わせを伝送品質の判定基準とすることができ、パス内に設定される各セクションでの伝送品質が特定できるため、伝送品質が悪化している箇所を詳細に特定することができる。
次に、OSC信号をユーザパケットの伝送手段、すなわちMSPPのオーダー・ワイヤ・パスまたはユーザ・チャネル・パスとして使用する第4の動作例を説明する。図10は、第4の動作例の模式図である。同図においても、第1の統合伝送装置16aから第4の統合伝送装置16dまでOSC信号が伝送される。
図10で示すように、第1の統合伝送装置16aにおいて、W−OSC処理部32bのMAC受信部52が、LANを介して、ユーザ端末から送出されたMACフレームを受け付ける。そして、OH情報設定部54は、OSC信号におけるパスオーバーヘッドのF2バイトにそのMACフレームを設定する。W−WDM伝送部20bのW−WDM送出部24bは、F2バイトが設定されたOSC信号を含むWDM信号をWDMネットワーク10へ送出する。
既述したように、第1の統合伝送装置16aと第2の統合伝送装置16b間、第2の統合伝送装置16bと第3の統合伝送装置16c間、第3の統合伝送装置16cと第4の統合伝送装置16d間は、OSC信号がSTM−1フレームフォーマットで送受される。第2の統合伝送装置16b内、第3の統合伝送装置16c内においてもOSC信号の情報がSTM−1フレームで転送される。したがって、パスオーバーヘッドのF2バイトは排除されることなく、第4の統合伝送装置16dまで伝送される。
第4の統合伝送装置16dにおいて、E−OSC処理部32aのOH情報処理部44は、OSC信号取得部40において取得されたOSC信号のF2バイトを検出する。そして、MAC送出部46は、LANを介して、そのMACフレームをユーザ端末へ送出する。
図11は、第4の動作例を実現するための従来構成を示す模式図である。同図では、第1のWDM伝送装置12aから第4のWDM伝送装置12dまでOSC信号が伝送される。従来のWDM伝送装置12においては、E−OSC処理部26aからW−OSC処理部26bへ独自形式のデータにより波長情報が通知され、F2バイトの情報を通知することはできなかった。そのため、F2バイトに設定されたMACフレームをE−OSC処理部26aからW−OSC処理部26bへ通知するために、第2のWDM伝送装置12bおよび第3のWDM伝送装置12cの外部にレイヤ2スイッチが必要であった。したがって、システムコストの増大を招いていた。
本実施の形態の統合伝送装置16によれば、F2バイトに設定されたMACフレームをエンド・ツウ・エンドでシームレスに伝送できる。そして、従来構成では必須であった外部のスイッチ装置が不要となり、システムコストが低減される。
次に、OSC信号をクロック同期用のクロック信号として使用する第5の動作例を説明する。図12は、第5の動作例の模式図である。同図においても、第1の統合伝送装置16aから第4の統合伝送装置16dまでOSC信号が伝送される。
図12で示すように、第1の統合伝送装置16aにおいて、W−OSC処理部32bのクロック取得部56が、クロック源である外部のBITSからクロック信号を受信する。OSC信号設定部58は、そのクロック信号に対応して算出された波長のOSC信号を設定する。そして、W−WDM伝送部20bのW−WDM送出部24bは、そのOSC信号を含むWDM信号をWDMネットワーク10へ送出する。なお、第1の統合伝送装置16aのSDH伝送部28は、BITSからクロック信号を受け付けて、クロック同期を実行してよい。
第2の統合伝送装置16b、第3の統合伝送装置16c、第4の統合伝送装置16dにおいて、E−OSC処理部32aのOSC信号取得部40は、所定波長のOSC信号をクロック信号として識別してクロック通知部48へ通知する。クロック通知部48は、クロック信号として受け付けられたOSC信号の波長にしたがってクロック信号を設定し、SDH伝送部28へ送出する。SDH伝送部28は、そのクロック信号にしたがってクロック同期を実行する。これにより、第1の統合伝送装置16aから第4の統合伝送装置16dに亘る、WDMネットワーク10を跨ったクロック同期が実現される。すなわち、伝送システム100全体のSDH伝送部28が、1つのクロック源から出力された基準クロックに同期することができる。
上記の第5の動作例では、第1の統合伝送装置16aと接続された1つのBITSをクロック源としたクロック同期処理を示した。変形例として、伝送システム100には複数のBITSが設けられてよく、各BITSからのクロック信号がOSC信号として伝送システム100を伝播してもよい。この場合、各BITSからのクロック信号を伝播するOSC信号について、そのセクションオーバーヘッドのS1バイトにはクロック品質を示す指標値が設定されてもよい。そして、各OSC信号のS1バイトのデータにしたがって、クロック同期に使用されるクロック信号が選択されてもよい。
例えば、各BITSと接続された統合伝送装置16のOH情報設定部54は、BITSからのクロック信号にしたがってS1バイトを設定してもよい。そして、それぞれの統合伝送装置16におけるクロック通知部48は、クロック信号を示す複数のOSC信号それぞれのS1バイトを参照して最も高品質なクロック信号を特定し、そのクロック信号をSDH伝送部28へ通知してもよい。言い換えれば、WDMネットワーク10を跨って設定される複数のクロックパスから、クロック同期に使用するクロックパスを選択する際に、S1バイトが示す品質が高いクロックパスほど優先して選択してもよい。また、S1バイトが示す品質の変動に応じて、選択するクロックパスを随時変更してもよい。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
変形例として、統合伝送装置16は、現用系のWDMネットワークとの間でWDM信号を送受する現用系伝送部62aと、予備系のWDMネットワークとの間でWDM信号を送受する予備系伝送部62bとを含んでもよい。現用系のWDMネットワークの通信状態が正常である間は、現用系伝送部62aが動作する。また、スイッチ部30は、WDMネットワーク10の通信状態を監視して、その通信状態に応じて、STM−1フレームの転送元もしくは転送先を現用系伝送部62aから予備系伝送部62bへ切り替えてもよい。
図13は、変形例における系切替処理を模式的に示す。同図は、第1の統合伝送装置16aにおける現用系伝送部62aと、第2の統合伝送装置16bにおける現用系伝送部62aとが現用系WDMネットワークを介して通信中に、その現用系WDMネットワークでの通信が不可になった状態を示している。
このとき、第1の統合伝送装置16aにおいて、スイッチ部30の切替部64は、現用系WDMネットワークでの通信不可状態を検出する。そして、現用系伝送部62aのE−OSC処理部32aから送出されたSTM−1フレームの転送先を、現用系伝送部62aのW−OSC処理部32bから、予備系伝送部62bのW−OSC処理部32bへ切り替える。これにより、WDM信号は、予備系伝送部62bのW−WDM伝送部20bから、予備系WDMネットワークへ送出される。なお、現用系伝送部62aにおけるE−WDM伝送部20aが送出したデータ信号についても、予備系伝送部62bにおけるW−WDM伝送部20bが受信するように適宜切り替えられる。
また、第2の統合伝送装置16bにおいて、スイッチ部30の切替部64は、現用系WDMネットワークでの通信不可状態を検出する。そして、現用系伝送部62aのW−OSC処理部32bへ送出すべきSTM−1フレームの転送元を、現用系伝送部62aのE−OSC処理部32aから、予備系伝送部62bのE−OSC処理部32aへ切り替える。これにより、予備系WDMネットワークへ送出されたWDM信号は、予備系伝送部62bにおいて受け付けられることになる。
本変形例によれば、スイッチ部30の経路切替え機能により、WDMネットワークの通信状態に応じて、OSC信号および波長情報の伝送経路が切り替えられる。これにより、現用系のWDMネットワークが通信不可状態となった場合にも、予備系のWDMネットワークをバックアップ回線としたフェイルオーバーが容易かつ高速に実現される。
請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
10 WDMネットワーク、 16 統合伝送装置、 20a E−WDM伝送部、 20b W−WDM伝送部、 28 SDH伝送部、 30 スイッチ部、 32 OSC処理部、 32a E−OSC処理部、 32b W−OSC処理部、 34 受信側OSC処理部、 36 送出側OSC処理部、 40 OSC信号取得部、 42 波長情報送出部、 44 OH情報処理部、 46 MAC送出部、 48 クロック通知部、 50 波長情報受信部、 52 MAC受信部、 54 OH情報設定部、 56 クロック取得部、 58 OSC信号設定部、 64 切替部、 100 伝送システム。

Claims (13)

  1. 所定のSDHフレームを互いに送受する複数のSDH伝送部と、
    あるSDH伝送部から送出されたSDHフレームを別のSDH伝送部へ受け渡すスイッチ部と、
    WDMネットワークから光信号を受信するWDM受信部と、
    受信された光信号に付加されたOSC信号を処理する受信側OSC処理部と、
    WDMネットワークへ光信号を送出するWDM送出部と、
    送出される光信号に付加されるべきOSC信号を設定する送出側OSC処理部と、
    を備え、
    前記受信側OSC処理部は、OSC信号が示す波長情報を含むSDHフレームを前記スイッチ部へ送出し、
    前記送出側OSC処理部は、前記波長情報を含むSDHフレームを前記スイッチ部から受け付け、前記波長情報に基づいてOSC信号を設定することを特徴とする伝送装置。
  2. 前記複数のSDH伝送部と、前記受信側OSC処理部と、前記送出側OSC処理部のそれぞれを収容する複数のスロットをさらに備え、
    前記スイッチ部は、前記複数のスロットに収容されたSDH伝送部と受信側OSC処理部と送出側OSC処理部のそれぞれとSDHフレームを送受するためのインタフェースを有するものであり、
    前記受信側OSC処理部と前記送出側OSC処理部のそれぞれは、前記複数のスロットのうち任意のスロットに収容可能であることを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
  3. 前記WDM送出部と前記WDM受信部とは、前記OSC信号をSDHフレームフォーマットで送受し、
    当該伝送装置は、前記WDMネットワークから受信されたOSC信号に設定されたオーバーヘッドバイトに基づいて、SDH伝送方式にて提供されるサービスを、前記WDMネットワークを跨って提供することを特徴とする請求項1または2に記載の伝送装置。
  4. 前記送出側OSC処理部は、前記WDMネットワークへ送出されるOSC信号におけるパスオーバーヘッドのJ1バイトを設定し、
    前記受信側OSC処理部は、前記WDMネットワークを跨った導通確認のために、前記WDMネットワークから受信されたOSC信号のJ1バイトの情報を外部へ出力することを特徴とする請求項に記載の伝送装置。
  5. 前記受信側OSC処理部は、前記WDMネットワークを跨った伝送品質管理のために、前記WDMネットワークから受信されたOSC信号におけるパスオーバーヘッドのB3バイトの情報を外部へ出力することを特徴とする請求項に記載の伝送装置。
  6. 前記送出側OSC処理部は、前記WDMネットワークへ送出されるOSC信号におけるパスオーバーヘッドのF2バイトに対して、外部から受信されたユーザパケットを設定し、
    前記受信側OSC処理部は、前記WDMネットワークから受信されたOSC信号のF2バイトからユーザパケットを取得して外部装置へ送出することを特徴とする請求項に記載の伝送装置。
  7. 前記WDM送出部と前記WDM受信部とは、前記OSC信号をSDHフレームフォーマットで送受し、
    当該伝送装置は、前記WDMネットワークを跨ったクロック同期のために、前記WDMネットワークに対して、同期用のクロック成分を含む信号を前記OSC信号として送受し、当該OSC信号に基づいて前記同期用のクロック成分を抽出させることを特徴とする請求項1または2に記載の伝送装置。
  8. 前記WDMネットワークでの障害発生が検出された際、予備系のWDMネットワークへ光信号を送出する予備系のWDM送出部と、
    前記予備系のWDMネットワークへ送出される光信号に付加されるべきOSC信号を設定する予備系の送出側OSC処理部と、
    をさらに備え、
    前記スイッチ部は、前記WDMネットワークでの障害発生が検出された際、前記受信側OSC処理部から送出されたSDHフレームの転送先を、前記予備系の送出側OSC処理部へ切り替える系切替部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の伝送装置。
  9. 前記WDMネットワークでの障害発生が検出された際、予備系のWDMネットワークから光信号を受信する予備系のWDM受信部と、
    前記予備系のWDMネットワークから受信された光信号に付加されたOSC信号を処理する予備系の受信側OSC処理部と、
    をさらに備え、
    前記スイッチ部は、前記WDMネットワークでの障害発生が検出された際、前記送出側OSC処理部へ送出すべきSDHフレームの転送元を、前記予備系の受信側OSC処理部へ切り替える系切替部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の伝送装置。
  10. WDMネットワークにおいて送受されるOSC信号を処理する装置であって、
    当該装置は、所定のSDHフレームを互いに送受する複数のSDH伝送部と、あるSDH伝送部から送出されたSDHフレームを別のSDH伝送部へ受け渡すスイッチ部とを備える伝送装置に搭載されるものであり、
    前記伝送装置に搭載された他のOSC信号を処理する装置との間で、前記スイッチ部を介して、OSC信号が示す波長情報を送受できるように、前記伝送装置内のインタフェースをSDHフレームフォーマットに準拠させたことを特徴とするOSC処理装置。
  11. 前記伝送装置は、前記複数のSDH伝送部と、前記OSC信号を処理する装置のそれぞれを収容する複数のスロットをさらに備えるものであり、
    前記スイッチ部は、前記複数のスロットに収容されたSDH伝送部とOSC信号を処理する装置のそれぞれとSDHフレームを送受するためのインタフェースを有するものであり、
    当該装置は、前記複数のスロットのうち任意のスロットに収容可能であることを特徴とする請求項10に記載のOSC処理装置。
  12. 所定のSDHフレームを互いに送受する複数のSDH伝送部と、あるSDH伝送部から送出されたSDHフレームを別のSDH伝送部へ受け渡すスイッチ部とを備える伝送装置に、
    WDMネットワークから光信号を受信するステップと、
    受信された光信号に付加されたOSC信号について、当該OSC信号が示す波長情報を含むSDHフレームを前記スイッチ部に送出するステップと、
    前記波長情報を含むSDHフレームを前記スイッチ部から受け付け、前記波長情報に基づいて、送出される光信号に付加されるべきOSC信号を設定するステップと、
    設定されたOSC信号が付加された光信号をWDMネットワークへ送出するステップと、
    を実行させることを特徴とする伝送制御方法。
  13. 前記伝送装置は、
    WDMネットワークにおいて送受されるOSC信号を処理する複数のOSC処理部と、
    前記複数のSDH伝送部と前記複数のOSC処理部のそれぞれを収容する複数のスロットと、をさらに備えるものであり、
    前記スイッチ部は、前記複数のスロットに収容されたSDH伝送部とOSC処理部のそれぞれとSDHフレームを送受するためのインタフェースを有するものであり、
    前記OSC信号が示す波長情報を含むSDHフレームを前記スイッチ部に送出するステップと、前記OSC信号を設定するステップは、前記複数のスロットのうち任意のスロットに収容された前記複数のOSC処理部のそれぞれが実行することを特徴とする請求項12に記載の伝送制御方法。
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