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JP4866050B2 - ポリシランの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリシランの製造方法に関する。
骨格がケイ素−ケイ素結合からなり、側鎖に各種の有機基を有するポリシランは、セラミック前駆体、フォトレジスト、有機感光体、光導波路、光メモリなどの光・電子材料などとして注目されている。
ポリシランの製造方法として、いくつかの基本的な方法が知られているが、中でも、ジハロシランのアルカリ金属による脱塩縮合反応(Kipping法)が工業的によく用いられている。このKipping法をベースとして、いくつかのポリシランの製造方法が提案されている。例えば、特許文献1は、ジハロゲノシラン類をアルカリ金属の存在下で反応させる際に、アルカリ金属の融点以下の温度で超音波照射下に反応を行なうことを特徴とするポリシランの製造方法を開示している。また、特許文献2は、縮合多環炭化水素を含有する溶媒中で、ジハロシランをアルカリ金属により重縮合させることを特徴とするポリシランの製造方法を開示している。さらに、特許文献3は、ジハロゲノシランを非プロトン性溶媒中金属ハロゲン化物の存在下、アルカリ金属を作用させてポリシランを形成する方法を開示している。また、特許文献4は、テトラハロシランをアルカリ金属存在下で反応させることによって、ネットワーク状ポリシランを製造する方法を開示している。さらに、特許文献5は、分岐型ポリシラン化合物にシリコーン化合物と光酸発生剤とを添加したことを特徴とするポリマ材料を開示している。また、特許文献6は、不活性有機溶媒中において、オルガノハロゲノシラン類とアルカリ金属を反応させる際に、ビーズを添加し、攪拌しながら重合させることを特徴とするポリシランの製造方法を開示している。
しかし、上記特許文献1〜6におけるポリシランの収率は、いずれも50%以下であり、より高収率なポリシランの製造方法が望まれていた。
従来のポリシランの製造方法では、金属ナトリウム等のアルカリ金属存在下でハロシラン等の重合反応を行った後、未反応の金属ナトリウムを失活させるために、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールを過剰量(例えば添加した金属ナトリウムの5倍当量以上)添加するのが通例であった。というのも、ハロシラン等がすべて重合した場合にも不足しない程度の量の金属ナトリウムを用いるのが通常である一方、ポリシランの従来の製造方法は収率が低く、未反応の金属ナトリウムの量が比較的多かった上、金属ナトリウムは非常に反応性が高く、その失活に万全を期すためにも、過剰量のアルコールを添加する方が望ましいと考えられていたからであった。このような状況下、ポリシランの製造法において、金属ナトリウムの添加量及びその量に対するアルコールの添加量が、ポリシランの収率に影響するかどうかという発想自体、存在していなかった。
特公平07−701号公報 特開平08−120082号公報 特開平10−182834号公報 特開平7−113010号公報 特開2002−309094号公報 特開平10−298291号公報
本発明の課題は、安全であって、より高収率なポリシランの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、未反応の金属ナトリウムを失活させるために添加したイソプロピルアルコール等のアルコールが、生成したポリシランの分解に関与し、ポリシランの収率低下の大きな要因となっていることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)一般式:
(RおよびRはそれぞれ独立して水素原子又は炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示される少なくとも1種のハロシランを、金属ナトリウムの存在下で反応させてポリシランを合成する工程、及び低級アルコールを添加する工程を含むポリシランの製造方法において、ポリシランの合成に用いるハロシランに含まれるハロゲン原子の総モル数に対して0.95〜1.2倍のモル数の金属ナトリウムを用い、低級アルコールを金属ナトリウムに対して0.05〜0.3当量用いることを特徴とするポリシランの製造方法や、(2)一般式(1)のハロシランに加えて、一般式:
(Rは水素原子又は炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示されるハロシラン及び/又は一般式:
(Xはハロゲン原子を表す。)で示されるハロシランを、金属ナトリウムの存在下で反応させてポリシランを合成することを特徴とする上記(1)に記載のポリシランの製造方法や、(3)低級アルコールを、金属ナトリウムに対して0.05〜0.2当量用いることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポリシランの製造方法や、(4)低級アルコールが、炭素数1〜6のアルコールであることを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載のポリシランの製造方法に関する。
本発明のポリシランの製造方法によれば、安全であって、より高収率なポリシランの製造方法を提供することができる。
本発明は、一般式(1)で示される少なくとも1種のハロシランを、金属ナトリウムの存在下で反応させてポリシランを合成する工程、及び低級アルコールを添加する工程を含むポリシランの製造方法において、ポリシランの合成に用いるハロシランに含まれるハロゲン原子の総モル数に対して0.95〜1.2倍のモル数の金属ナトリウムを用い、低級アルコールを金属ナトリウムに対して0.05〜0.3当量用いることを特徴とするポリシランの製造方法である。
一般式(1)において、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子又は炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。一般式(1)で示されるジハロシランのR及び/又はRが炭化水素基である場合、炭化水素基は特に制限はないが、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基が好ましい。脂肪族炭化水素基の具体例として、メチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、トリフルオロプロピル基およびノナフルオロヘキシル基などの鎖状のもの、およびシクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基のような脂環式のものなどが挙げられる。また、芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、p−トリル基、ビフェニル基およびアントラシル基などが挙げられる。合成の容易さを考慮すると、これらの中でメチル基およびフェニル基が特に好ましい。
本発明における、一般式(1)で示されるジハロシランのXは、同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては特に制限はないが、塩素原子が好ましい。
本発明においては、一般式(1)で示されるジハロシランの1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を混合使用してもよい。
本発明においては、一般式(1)で示されるジハロシランに加えて、一般式(2)で示されるトリハロシラン及び/又は一般式(3)で示されるテトラハロシランをポリシランの合成に用いてもよい。一般式(1)で示されるジハロシランに加えて、一般式(2)で示されるトリハロシラン及び/又は一般式(3)で示されるテトラハロシランをポリシランの合成に用いると、分岐型のポリシランが得られる。
本発明における一般式(2)において、Rは水素原子又は炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。一般式(2)で示されるトリハロシランのRが炭化水素基である場合、炭化水素基は特に制限はないが、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基が好ましい。脂肪族炭化水素基の具体例として、メチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、トリフルオロプロピル基およびノナフルオロヘキシル基などの鎖状のもの、およびシクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基のような脂環式のものなどが挙げられる。また、芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、p−トリル基、ビフェニル基およびアントラシル基などが挙げられる。合成の容易さを考慮すると、これらの中でメチル基およびフェニル基が特に好ましい。
なお、一般式(2)で示されるトリハロシランのRと、一般式(1)で示されるジハロシランのRと、Rとは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
本発明における、一般式(2)で示されるトリハロシランのXは、同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては特に制限はないが、塩素原子が好ましい。
本発明においては、一般式(2)で示されるトリハロシランの1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を混合使用してもよい。
本発明における一般式(3)において、Xはハロゲン原子を表す。本発明における、一般式(3)で示されるテトラハロシランのXは、同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては特に制限はないが、塩素原子が好ましい。
本発明においては、一般式(3)で示されるテトラハロシランの1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を混合使用してもよい。
本発明で用いる金属ナトリウムには、金属ナトリウムそのものの他、金属ナトリウムを含有する合金も含まれる。金属ナトリウムとその合金は、それぞれ単独で使用してもよく、混合して使用してもよい。
本発明で用いる金属ナトリウムの形状は、所望の反応を行い得る限り特に限定されないが、粉体、粒状体、リボン状体、切削片状体、塊状体、棒状体、平板などが例示され、これらの中でも、表面積の大きい粉体、粒状体、リボン状体、切削片状体などが好ましい。金属ナトリウムの表面に形成されることある被膜は、金属ナトリウムの保存状態などによっては、反応に悪影響を及ぼすことがあるので、必要に応じて、切削などにより除去することができる。本発明における金属ナトリウムの使用量は、ポリシランの合成に用いるハロシランに含まれるハロゲン原子の総モル数に対して通常0.95〜1.2倍モル、好ましくは1.00〜1.15倍モル、より好ましくは1.05〜1.15倍モルである。
金属ナトリウムは、ハロシランを還元して、ポリシランを形成させるとともに、それ自身は、酸化されて金属ナトリウムのハロゲン化物を形成する。
本発明における、金属ナトリウム存在下でのハロシランの反応条件については、ポリシランを製造することができる限り特に制限はないが、例えば、反応温度は、通常−20℃から使用する溶媒の沸点までの温度範囲内にあり、好ましくは20〜150℃の温度範囲内にあり、より好ましくは110〜140℃の温度範囲内にある。反応時間は、反応温度等に応じて変わるが、通常0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間である。
本発明のポリシランの合成において、ハロシランを反応させる際、反応は適当な溶媒中で行う。溶媒としては、非プロトン性溶媒が広く使用でき、より具体的には、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,4−ジオキサン、塩化メチレンなどの極性溶媒; トルエン、キシレン、ベンゼン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、シクロヘキサンなどの非極性溶媒が例示される。これらの溶媒は、単独でも、或いは2種以上の混合物としても使用できる。
本発明の製造方法は、金属ナトリウム存在下でのハロシランの反応終了後に、低級アルコールを添加する工程を含んでいる。この工程は、ハロシランの反応に用いられなかった未反応の金属ナトリウムを、低級アルコールと反応させてナトリウムアルコラートとし、金属ナトリウムを失活させるために行われる。
金属ナトリウムを失活させることができる限り、低級アルコールの種類は特に制限はないが、C1〜C6のアルコールが好ましく、C1〜C4のアルコールがより好ましく、イソプロパノールが最も好ましい。
また、本発明において、低級アルコールは、反応溶液に仕込んだ金属ナトリウムに対して0.05〜0.3倍当量、好ましくは0.05〜0.2倍当量、特に好ましくは0.05〜0.15倍当量を添加する。上述の金属ナトリウムの使用範囲と併せて、低級アルコールをこのような範囲で使用すると、作業の安全性を保持しつつ、ポリシランの収率を向上することができる。
低級アルコールを添加した後、有機層を取り出して濃縮し、生成したポリシランを分別沈殿することにより、ポリシランが得られる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
<1> ポリシランの分解におけるイソプロパノールの影響
金属ナトリウム存在下で添加したイソプロパノールが、ポリシランの分解にどのような影響を与えるのかを調べるために、以下の実験を行った。
以下の工程から金属ナトリウムの失活の工程までは、すべて窒素雰囲気下で行った。使用するモノマー1モルに対して0.4Lの量のキシレン(0.4L/mol; 以下、「L/mol」とは、使用するモノマー1モルに対する量(L)を表す)及び金属ナトリウム6.198モルを、攪拌機を備えた3000mlフラスコに入れ、還流温度で2時間加熱・攪拌して、金属ナトリウムをキシレン中に分散させた。それとは別に、フェニルトリクロロシラン0.191モル(7.8mol%)、メチルトリクロロシラン0.544モル(22.2mol%)、フェニルメチルジクロロシラン1.715モル(70mol%)を室温下で混合しておき、その混合液を3時間かけて上記キシレン溶液中に滴下して、還流下で1時間攪拌することによって反応を行った。
なお、使用した金属ナトリウムのモル数は、滴下したフェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルメチルジクロロシランに含まれる塩素原子の合計モル数の1.1倍である。
前述の反応終了後、溶液を30℃以下に冷却し、イソプロパノール(用いた金属ナトリウムの0.1倍当量)を滴下して加え、70℃で30分攪拌して金属ナトリウムを失活させた。その直後にサンプリングし(サンプル1)、それをGPCで分析した。その後、溶液を70℃でさらに1.5時間熟成させて失活処理を続けた後、再度サンプリングして(サンプル2)、それをGPCで分析した。
前記溶液に、イソプロパノール(用いた金属ナトリウムの0.9倍当量)をさらに滴下して加え、70℃で30分攪拌した。その後、サンプリングし(サンプル3)、それをGPCで分析した。その後、溶液を70℃に保持したまま、30分おきに3回サンプリングし(サンプル4、サンプル5、サンプル6)、それぞれGPCで分析した。GPCで分析した結果を以下の表1に示す。
1回目のイソプロパノールの添加後、ポリシラン樹脂を示すメインピークの相面値の割合(A%:Area%)は減少し続け、ポリシラン樹脂の分解物を示すtR=21(保持時間21分)のピークの相面値の割合(A%:Area%)は増加し続けた。特に、2回目のイソプロパノールの添加後(サンプル3〜6)は、tR=21(保持時間21分)のピークの相面値の増加する割合が急激に上昇していることが分かる。この結果から、ポリシランの製造において、金属ナトリウムを失活させるために添加するイソプロパノール等のアルコール量が多ければ多いほど、又、金属ナトリウム及びアルコール存在下に長い間さらされていればいるほど、製造されたポリシランがより多く分解されてしまい、それが実際にポリシランの収率に大きく影響することが分かった。
<2> 分解物の同定
ポリシランの結晶2.5gを、キシレン60g中、ナトリウム0.39g及びイソプロパノール50g存在下、70℃で保温し、その溶液中の化合物の変化をガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)及びゲル浸透クロマトグラフ(GPC)で分析した。その結果、その成分の主成分が、メチルフェニルイソプロポキシドシラン(MePhSi(OiPr))であることが分かった。また、GPCにおいて保持時間21分にピークを持つ成分が、時間が経過するにつれて増加していることが分かった。
<3> 金属ナトリウム失活時におけるイソプロパノール使用量の検討
(1)以下の工程から金属ナトリウムの失活の工程までは、すべて窒素雰囲気下で行った。攪拌機を備えた3000mlフラスコに金属ナトリウム6.198モル及びキシレン(0.4L/mol)を入れ、還流温度で2時間加熱・攪拌して、金属ナトリウムをキシレン中に分散させた。それとは別に、フェニルトリクロロシラン0.191モル(7.8mol%)、メチルトリクロロシラン0.544モル(22.2mol%)、フェニルメチルジクロロシラン1.715モル(70mol%)を室温下で混合しておき、その混合液を3時間かけて上記キシレン溶液中に滴下して、還流下で1時間攪拌することによって反応を行った。
なお、使用した金属ナトリウムのモル数は、使用したフェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルメチルジクロロシランに含まれる塩素原子の合計モル数の1.1倍である。前述の反応終了後、溶液を70℃に冷却し、キシレン(0.16L/mol)及びイソプロパノール(用いた金属ナトリウムの0.07倍当量)を加えて70℃で30分攪拌して金属ナトリウムを失活させた。その後、70℃で1.5時間熟成させ、失活処理を続けた。その直後の溶液をGPCで分析し、分解物のピークの相面値の割合(A%:Area%)を測定したところ、0.7A%であった。
次に、キシレン(0.04L/mol)とメタノール(2.6L/mol)を添加し、室温で1時間熟成させた後、減圧濾過し、得られた結晶をキシレン(1.55L/mol)で抽出した。それを再度減圧濾過し、得られた結晶を減圧濃縮して、溶液の濃度を調節した。
それとは別に(2.66L/mol)のメタノールを用意し、30℃に昇温した。そこに、前述の溶液を30分間かけて滴下し、白色沈殿を得た。1時間熟成後、減圧濾過、減圧乾燥(60℃)して分岐型ポリシラン(Mn:2708; Mw23365)を得た。フェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルメチルジクロロシランが全て反応したと仮定した場合に得られる分岐型ポリシランの収量に対する収率は、80.6重量%であった。
(2) 金属ナトリウムの失活に用いたイソプロパノールの量を、用いた金属ナトリウムの0.1倍当量としたこと以外は、(1)と同様の操作を行い、分岐型ポリシラン(Mn:2722; Mw26359)を得た。収率は81.8重量%であった。なお、失活処理を開始してから2時間経過後の溶液をGPCで分析し、分解物のピークの相面値の割合を測定したところ、1.7A%であった。また、再度同じ実験を行ったところ、分岐型ポリシラン(Mn:2846; Mw23966)を得た。その収率は80.1重量%であった。なお、失活処理を開始してから2時間経過後の溶液をGPCで分析し、分解物のピークの相面値の割合を測定したところ、2.9A%であった。
(3)金属ナトリウムの失活に用いたイソプロパノールの量を、用いた金属ナトリウムの0.15倍当量としたこと以外は、(1)と同様の操作を行い、分岐型ポリシラン(Mn:2772; Mw27331)を得た。収率は79.2重量%であった。なお、失活処理を開始してから2時間経過後の溶液をGPCで分析し、分解物のピークの相面値の割合を測定したところ、3.1A%であった。
(4)金属ナトリウムの失活に用いたイソプロパノールの量を、用いた金属ナトリウムの0.2倍当量としたこと以外は、(1)と同様の操作を行い、分岐型ポリシラン(Mn:2817; Mw24009)を得た。収率は78.0重量%であった。なお、失活処理を開始してから2時間経過後の溶液をGPCで分析し、分解物のピークの相面値の割合を測定したところ、5.7A%であった。
(5)金属ナトリウムの失活に用いたイソプロパノールの量を、用いた金属ナトリウムの0.3倍当量としたこと以外は、(1)と同様の操作を行い、分岐型ポリシラン(Mn:2858; Mw28565)を得た。収率は69.9重量%であった。なお、失活処理を開始してから2時間経過後の溶液をGPCで分析し、分解物のピークの相面値の割合を測定したところ、9.1A%であった。
(6)金属ナトリウムの失活に用いたイソプロパノールの量を、用いた金属ナトリウムの0.5倍当量としたこと以外は、(1)と同様の操作を行い、分岐型ポリシラン(Mn:2870; Mw23845)を得た。収率は60.9重量%であった。なお、失活処理を開始してから2時間経過後の溶液をGPCで分析し、分解物のピークの相面値の割合を測定したところ、13.1A%であった。
(7)金属ナトリウムの失活に用いたイソプロパノールの量を、用いた金属ナトリウムの1倍当量としたこと以外は、(1)と同様の操作を行い、分岐型ポリシラン(Mn:3070; Mw23336)を得た。収率は57.9重量%であった。なお、失活処理を開始してから2時間経過後の溶液をGPCで分析し、分解物のピークの相面値の割合を測定したところ、15.1A%であった。
上記(1)〜(7)の結果を以下の表2にまとめる。なお、表2のIPAは、イソプロパノールを表す。
表2の結果から分かるように、イソプロパノール(低級アルコール)が金属ナトリウムに対して0.3当量以下である場合は、ポリシラン樹脂の分解物のピークの相面値の割合が低く、ポリシランの収率も優れている。

Claims (3)

  1. 一般式:
    (RおよびRはそれぞれ独立して水素原子又は炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示される少なくとも1種のハロシランを、金属ナトリウムの存在下で反応させてポリシランを合成する工程、及び炭素数1〜6のアルコールを添加する工程を含むポリシランの製造方法において、ポリシランの合成に用いるハロシランに含まれるハロゲン原子の総モル数に対して0.95〜1.2倍のモル数の金属ナトリウムを用い、炭素数1〜6のアルコールを金属ナトリウムに対して0.05〜0.3当量用いることを特徴とするポリシランの製造方法。
  2. 一般式(1)のハロシランに加えて、一般式:
    (Rは水素原子又は炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示されるハロシラン及び/又は一般式:
    (Xはハロゲン原子を表す。)で示されるハロシランを、金属ナトリウムの存在下で反応させてポリシランを合成することを特徴とする請求項1に記載のポリシランの製造方法。
  3. 炭素数1〜6のアルコールを、金属ナトリウムに対して0.05〜0.2当量用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリシランの製造方法。
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