JP4861214B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
プリテンショナを作動させてウエビングを巻き取ることで、ウエビングで乗員を拘束して、衝突エネルギーを吸収することができる。
よって、ウエビングで乗員を拘束するためには、前傾した乗員の上半身をシートバックまで引き戻す必要があり、そのことが乗員をすみやかに拘束する妨げになっていた。
エアバッグ内にガスを導くことで、乗員の上半身とシートバックとの間の隙間にエアバッグを展開させ、乗員の上半身をウエビングですみやかに拘束することが可能である。
エアバッグ内にガスを導くことで、乗員の左右側にエアバッグを展開させ、乗員の左右方向への拘束性能を向上させることが可能である。
一方、特許文献2の車両用シート装置は、乗員を左右方向に対して拘束することは可能であるが、乗員を前後方向に対して拘束することはできない。
そこで、乗員を前後方向に拘束するとともに、左右方向に拘束することができるエアバッグ装置の実用化が望まれていた。
そこで、請求項1において、バックレスト部のシート表皮とバックレスト部のクッション体との間に第1エアバッグを折り畳まずにシート状に備えるようにした。
よって、第1エアバッグを展開する際に、折り畳まれた状態から、折り畳む前の状態に戻す動作をなくすことができ、第1エアバッグを一層素早く(すみやかに)展開することができる。
乗員の上半身とバックレスト部との間の隙間を第1エアバッグで埋めることで、乗員の上半身をウエビングですみやかに拘束することができる。
このように、バックレスト部の内部に第1エアバッグを備えることで、乗員の前後方向への拘束性能を向上させることが可能である。
これにより、乗員の左右側に展開させたエアバッグで、乗員の左右方向への拘束性能を向上させることが可能である。
これにより、シートに第1〜第3のエアバッグを備えることで、乗員の前後方向への拘束性能、および乗員の左右方向への拘束性能をともに向上させることができる。
さらに、第1エアバッグをシート状に備えることで、第1エアバッグを折り畳んで収納する場合と比較して、収納スペースを小さく抑えることができ、スペース効率の向上を図ることができる。
これにより、インフレータの個数を1個に減らすことが可能になり、部品点数を減らすことができる。
加えて、インフレータの個数を1個に減らすことでスペース効率の向上を図ることができる。
よって、インフレータをバックレスト部の下端部で、かつ下端部の内部に設けることができる。シートは、バックレスト部の下端部とシートクッションの後端部とで、略く字に凹んだ部位が形成されている。
加えて、インフレータを、通常デッドスペースとなるバックレスト部の下端部に設けることで、スペース効率の向上を図ることができる。
車両10は、車室11内にシート12が備えられ、シート12に着座した乗員を拘束するシートベルト13が備えられ、シート12にエアバッグ装置15が備えられている。
シート12は、乗員が着座するシートクッション17と、乗員の背がもたれかかるバックレスト部18と、乗員の頭部がもたれかかるヘッドレスト19とを備える。
なお、図2および図3においては、背面側エアバッグ28の構成を理解しやすくするために、バックレスト部18のシート表皮26を省略して示す。
シートベルト13は、センターピラー21の下端部に設けられたリトラクタ22と、リトラクタ22から車室内に延出されたウエビング23と、ウエビング23に設けられたタング24と、タング24を着脱可能なバックル25とを備える。
シートベルト13は、車両が衝突したとき、リトラクタ22でウエビング23を巻き取ることによりウエビング23で乗員を拘束する。
また、右側サポート部31とは、バックレスト部18のうち、車体中央側の側部位をいう。
さらに、左側サポート部37とは、バックレスト部18のうち、図3に示すサイドドア43側の側部位をいう。
具体的には、背面側エアバッグ28は、通常時にバックレスト部18のシート表皮26と、バックレスト部18のクッション体27との間にシート状に備えられ、衝突時にバックレスト部18のシート表皮26とクッション体27との間で展開する袋体である(図4参照)。
これにより、背面側エアバッグ28を一層素早く(すみやかに)展開することができる。
右側エアバッグ32は、展開した状態において、図8(b)に示すようにシート12に着座した乗員48の右側、すなわち乗員48の車体中央側に配置される。
第1インフレータ35は、車両10が衝突したとき、背面側エアバッグ28にガスを放出するガス供給部である。
よって、第1インフレータ35から背面側エアバッグ28にガスを放出することで、背面側エアバッグ28および右側エアバッグ32を展開させることができる。
これにより、第1インフレータ35の個数を1個に減らして、部品点数を減らすことができる。
左側エアバッグ38は、展開した状態において、図8(b)に示すようにシート12に着座した乗員48とサイドドア43との間に配置される。
第2インフレータ41は、車両10が衝突したとき、左側エアバッグ38にガスを放出するガス供給部である。
第2インフレータ41から左側エアバッグ38にガスを放出することで、左側エアバッグ38を展開させることができる。
そこで、左側エアバッグ38を展開する第2インフレータ41を、背面側エアバッグ28および右側エアバッグ32を展開する第1インフレータ35とは別に設けた。
これにより、車両10が衝突したとき、左側エアバッグ38を第2インフレータ41ですみやかに展開させて衝撃エネルギーを緩和することができる。
第1インフレータ35は、背面側エアバッグ28の下端部28aに左右の連通管45,45を介して連結されている。左右の連通管45,45は、背面側エアバッグ28の下端部28aから車体後方に延びている。
よって、第1インフレータ35は、背面側エアバッグ28の下端部28a後方に設けられ、バックレスト部18の下端部18aに内蔵されている。
よって、バックレスト部18の下端部18aは、乗員の臀部に触れ難い部位である。これにより、乗員がシート12に着座した際に、第1インフレータ35に乗員の臀部が触れることを防いで、座り心地を良好に確保することができる。
加えて、第1インフレータ35を、通常デッドスペースとなるバックレスト部18の下端部18aに設けることで、スペース効率の向上を図ることができる。
上縫合部51は、車体中央側端部51aから車体外側端部51b(図3も参照)までの長さL1において、前基布55および後基布56を縫い合わせた部位である。
下縫合部53は、車体中央側端部53aから車体外側端部53b(図3も参照)までの長さL3において、前基布55および後基布56を縫い合わせた部位である。
よって、第1〜第3の横向き流路61〜63のそれぞれの右側入口61a〜63aを、想像線で示すように下向きテーパ状に形成することができる。
さらに、第1横向き流路61の右側入口61aは、第2横向き流路62の右側入口62aより車体中央側に延出されている。
第3横向き流路63の右側入口63aは、第4横向き流路64の右側入口64aより車体中央側に延出されている。
そして、右連通管45は、右縦向き流路66の下端部66aに連通されている。
これにより、右連通管45から右縦向き流路66の下端部66aにガスを供給した際に、右側入口61a〜64aから第1〜第4の横向き流路61〜64に効率よくガスを導くことができる。
これにより、左連通管45から左縦向き流路67の下端部にガスを供給した際に、第1〜第4の横向き流路61〜64のそれぞれの左側入口に効率よくガスを導くことができる。
したがって、背面側エアバッグ28を展開したとき、図2に示すシートベルト13で乗員を局部的に拘束することを防ぐことができる。
図6(a),(b)は第1実施の形態に係るエアバッグ装置のインフレータからガスを発生する例を説明する図である。
(a)において、車両が衝突した場合、乗員48の上半身49が車体前方側に倒れ、上半身49とバックレスト部18のバックレスト部18との間に隙間73が発生する。
同時に、第2インフレータ41で発生したガスを、左側エアバッグ38に放出する。
(a)において、第1インフレータ35で発生したガスが、右連通管45を経て出口45aから右縦向き流路66の下端部66aに矢印Aの如く放出されるとともに、左連通管45を経て出口45aから左縦向き流路67の下端部67a(図7(a)参照)に矢印Bの如く放出される。
よって、ガスの一部を、第1〜第4の横向き流路61〜64のそれぞれの右側入口61a〜64aに効率よく導くことができる。
なお、第1〜第4の横向き流路61〜64の左側入口は、右側入口61a〜64aに対して左右対称の部材なので、左側入口の説明は省略する。
これにより、背面側エアバッグ28を一層素早く(すみやかに)展開することができる。
さらに、右側エアバッグ32に上下の連通管33,33を経てガスが矢印の如く充填されて、右側エアバッグ32が展開する。
(a)において、背面側エアバッグ28を、乗員48の上半身49とバックレスト部18のバックレスト部18との間に展開する。
背面側エアバッグ28を、乗員48の上半身49とバックレスト部18との間に展開することで、上半身49とバックレスト部18との間の隙間73を背面側エアバッグ28で埋めることができる。
すなわち、背面側エアバッグ28で乗員48の前後方向への拘束性能を向上させて、乗員48を保護することができる。
よって、車両が側面衝突したとき、左側エアバッグ38をすみやかに展開させて、左側エアバッグ38で衝撃エネルギーを緩和することができる。
すなわち、左側エアバッグ38で乗員48の左方向への拘束性能を向上させて、乗員48を保護することができる。
このとき、右側エアバッグ32が、シート12に着座した乗員48の右側、すなわち乗員48の車体中央側に展開されている。
これにより、右側エアバッグ32で乗員48の右方向への拘束性能を向上させて、乗員48を保護することができる。
なお、図9〜図11においては、第2〜第4の実施の形態のエアバッグ装置の構成の理解を容易にするためにシート表皮26を省略して示す。
第2実施の形態のエアバッグ装置80は、第1インフレータ(インフレータ)81を右側エアバッグ32に設けたもので、その他の構成は第1実施の形態のエアバッグ装置15と同じである。
すなわち、右側エアバッグ32および背面側エアバッグ28は、上下の連通管82,82を介して連通されている。
発生したガスのうち、一部が、右側エアバッグ32に放出されるとともに、残りのガスが、上下の連通管82,82を経て背面側エアバッグ28に放出される。
さらに、背面側エアバッグ28を、バックレスト部18のバックレスト部18と乗員の上半身との間に展開することができる。
加えて、第2実施の形態のエアバッグ装置80によれば、第1実施の形態のエアバッグ装置15と同様の効果を得ることができる。
第3実施の形態のエアバッグ装置90は、第1実施の形態の第1インフレータ35を除去し、第2インフレータ(インフレータ)93を上下の連通管91,91を介して背面側エアバッグ28に連通させたもので、その他の構成は第1実施の形態のエアバッグ装置15と同じである。
なお、第2インフレータ93は、第1実施の形態の第2インフレータ41と比較してガスの容量を増したもので、その他の構成は第2インフレータ41と同じである。
これにより、インフレータを1つに減らして、第2インフレータ93のみを用いる構成とした場合でも、左側エアバッグ38をすみやかに展開させることができる。
発生したガスのうち、一部が、左側エアバッグ38に放出されるとともに、残りのガスが、上下の連通管91,91を経て背面側エアバッグ28に放出される。
一部のガスが、左側エアバッグ38に放出されることで、左側エアバッグ38を、シート12に着座した乗員とサイドドア43との間にすみやかに展開させることができる。
よって、背面側エアバッグ28を、バックレスト部18のバックレスト部18と乗員の上半身との間に展開することができる。
さらに、右側エアバッグ32を、シート12に着座した乗員48の右側、すなわち乗員48の車体中央側に展開することができる。
インフレータの個数を減らすことでスペース効率の向上を図ることができる。
第4実施の形態のエアバッグ装置100は、背面側エアバッグ28、右側エアバッグ32および左側エアバッグ38にそれぞれ個別のインフレータを設けたもので、その他の構成は第1実施の形態のエアバッグ装置15と同じである。
なお、第1インフレータ101は、第1実施の形態の第1インフレータ35と比較してガスの容量を減らしたもので、その他の構成は第1インフレータ35と同じである。
さらに、右側エアバッグ32は、右側エアバッグ32の後端部32aに第3インフレータ(インフレータ)102を備える。第3インフレータ102は、右側サポート部31に内蔵されている。
第1インフレータ101から発生したガスは、背面側エアバッグ28に放出される。
第2インフレータ41から発生したガスは、左側エアバッグ38に放出される。
第3インフレータ102から発生したガスは、右側エアバッグ32に放出される。
また、右側エアバッグ32を、シート12に着座した乗員48の右側、すなわち乗員48の車体中央側に展開することができる。
さらに、左側エアバッグ38を展開させることができる。
加えて、第4実施の形態のエアバッグ装置100によれば、第1実施の形態のエアバッグ装置15と同様の効果を得ることができる。
また、連通管33の太さを細くした場合、連通管33が抵抗となり、背面側エアバッグ28を所定の大きさまで展開させてから右側エアバッグ32を展開させるようにすることも考えられる。
Claims (3)
- シートに備えられ、衝突時にインフレータで発生させられたガスによって展開するエアバッグ装置において、
前記シートのバックレスト部の内部に、前記バックレスト部の上部から下部に亘って展開する略矩形状の第1エアバッグを備えるとともに、前記バックレスト部の左右両側のサイドサポート部に第2、第3のエアバッグをそれぞれ備え、
前記バックレスト部のシート表皮と、前記バックレスト部のクッション体との間に、前記第1エアバッグを折り畳まずにシート状に拡げた状態で収納したことを特徴とするエアバッグ装置。 - 前記第2、第3のエアバッグの少なくとも一方を、前記第1エアバッグに連通する連通管を備え、
連通したエアバッグのいずれか一方に前記インフレータを備えたことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。 - 前記第1エアバッグの下端部に前記インフレータを備えたことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
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