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JP4858037B2 - 連続鋳造用鋳型およびそれを用いた連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造用鋳型およびそれを用いた連続鋳造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼の連続鋳造において最適な位置に電磁制動装置の磁極が設置できない場合においても、磁場の印加位置を最適な位置に調整できる連続鋳造用鋳型およびそれを用いた連続鋳造方法に関するものである。
通常、鋼の連続鋳造においては、2つの吐出孔を有する浸漬ノズルを介して鋳型内へ溶鋼を給湯する。
図1は、一般的な鋼の連続鋳造法における鋳型内での溶鋼の流動状態を模式的に示す縦断面図である。同図に示すように、浸漬ノズル1の吐出口2から出た溶鋼流(以下、「吐出流」とも記す)は、鋳型内を上方に向かう上昇流21と下方に向かう下降流22とに分かれ、鋳型の短辺面近傍に形成された凝固シェル5に衝突する。
鋳造速度を増加させるほど、溶鋼の給湯速度は増大するので、溶鋼の吐出流速は増加し、かつ吐出流は高温となる。溶鋼の吐出流が所定の流速以上で凝固シェル5に衝突すると、凝固シェル5が再溶解し、鋳片の欠陥発生の原因になるとともに、さらには、連続鋳造操業中における鋳片のブレイクアウトの発生原因ともなる。また、上昇流21はモールドパウダ15を溶鋼中に巻き込み、鋼中介在物を増加させる要因ともなる。
連続鋳造プロセスにおける生産性を向上させるための技術として、1ストランドで同時に2本の鋳片を鋳造する「ツイン鋳型鋳造技術」がある。このツイン鋳型を用いた場合には、浸漬ノズルと鋳型短辺面との距離が短くなることから、前記の凝固シェル5が再溶解するおそれがさらに高くなる。
吐出流の衝突による凝固シェルの再溶解を防ぐ方法としては、電磁石を用いて吐出流に静磁場を印加することにより制動力を付与する電磁制動装置の使用が効果的である。鋼の連続鋳造への電磁制動装置の適用は、例えば、特許文献1に開示されているとおり、公知技術である。同文献で開示された技術は、鋳造用ノズルから注入された溶融金属の流れに対して静止磁界を作用させることにより、溶融金属の流速を低下させて小さな流れに分割し、溶融金属流による凝固シェルの溶融や破壊を防止するものである。
ツイン鋳型への電磁制動装置の適用に関して、例えば、特許文献2には下記の技術が開示されている。すなわち、2つの副鋳型に分割する内部隔壁を含む矩形鋳型を有するとともに、一方の長辺側側面に配置された第1の磁石と、反対側の長辺側側面に配置され、反対の極性を有する第2の磁石とを具備し、磁石内の磁性材料は、2つの反対側の長辺側側面の各々に沿って、相互に隣接配置された同じ極性の2つの副磁石を有し、両副磁石が鋳型の全幅にわたり同一磁場方向を有し、両副鋳型内に対称に分布する磁場を生成して印加する磁気ブレーキである。
しかしながら、同文献に開示された技術では、浸漬ノズルに磁場が印加されると、溶鋼の吐出流が左右非対称となることから、またはノズルに沿った上昇流が生じることから、鋳型内の溶鋼流が乱れ、その結果、鋳片の表面品質が悪化する。
また、電磁制動装置を用いる場合の最適な磁場の印加位置は、浸漬ノズルの形状、位置、鋳型幅などにより変化することから、磁場の印加位置を制御する方法が検討されている。
例えば、特許文献3には、鋳込み方向および/または鋳込み幅方向に複数に分割した可動鉄芯(可動コア)を用い、この複数の可動鉄芯をそれぞれ独立して駆動機構により鋳片に対して進退可能とすることにより、目的とする磁場の分布を得る鋳型内溶鋼流の磁力制御技術が開示されている。しかし、同文献に開示された技術では、可動鉄芯は鋳込み方向や鋳型の長辺幅方向には移動できないので、磁場の分布を鋳込み方向や鋳型の長辺幅方向に自由に変更することは不可能である。
さらに、特許文献4には、連続鋳造鋳型における鋳型長辺幅方向に関する浸漬ノズルの浸漬位置を境として、鋳型長辺対向方向へ互いに反対向きの静磁場を形成するように、一対の鋳型長辺それぞれの背面側に、一対の電磁石を鋳型長辺幅方向に関して複数組並設した溶融金属の制動装置、およびこれを用いた連続鋳造方法が開示されている。ここで開示された技術は、静磁場の強度を鋳型長辺幅方向に自由に調整することができる。しかし、この技術では、最も強い磁場を印加したい位置に電磁コイルのコアを設置できない場合に、溶鋼に十分な制動力を与えることができず、また十分な制動力を与えようとすると、電磁コイルの構造を複雑にせざるを得ない。
そして、特許文献5には、鋳型の両長辺の背面に、両長辺の幅と等しい幅を有する固定コアと、その周囲に捲回したコイルと、その外周面を取り巻いた鉄芯とからなる電磁石を設けた連続鋳造用鋳型において、コア部材を、固定コアとの間に間隙を介して、水平方向に移動取り出し可能に設けるとともに、移動コア部材と固定コアとの間の間隙にスペーサーを配設して、鋳型内の溶湯に静電磁場を形成する電磁ブレーキ装置が開示されている。しかしながら、同文献で開示された技術では、移動コアは固定コアと等しい幅を有しており、鋳型長辺幅方向の全面にわたって設置されていることから、磁場の印加領域を固定コアの位置から移動させることはできない。
特公平2−20349号公報(3頁5欄44行〜同6欄35行) 特表2001−521444号公報(特許請求の範囲、13頁16行〜14頁18行など) 特公平7−45093号公報(特許請求の範囲、2頁3欄41〜50行など) 特開平11−347697号公報(特許請求の範囲、段落[0028]〜[0033]など) 特開平5−277645号公報(特許請求の範囲、段落[0007]、[0008]など)
前述のとおり、鋳型内への浸漬ノズルからの溶鋼吐出流に電磁制動力を作用させる従来技術には下記の問題があった。すなわち、浸漬ノズルに磁場が印加されることによる鋳型内溶鋼流の乱れに起因する鋳片表面品質の悪化を防止するためには、浸漬ノズルの位置を避けて電磁制動装置の磁極を配置する必要がある。しかし、ツイン鋳造用鋳型の中仕切り固定装置などのように鋳型長辺面に付帯設備が配置されている場合は、設備同士が干渉するため、磁場を印加するための磁極を、浸漬ノズルを避けた最適位置に配置することができないという問題である。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、鋳型形状により、または鋳型の周辺に配置された装置との設備位置の干渉により、電磁制動装置の磁極を溶鋼の流動制御のための最適位置に設置できない場合においても、磁場を最適位置に印加できる連続鋳造用鋳型、およびそれを用いた連続鋳造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上述の課題を解決するために、磁場の印加位置を最適位置に調整できる連続鋳造用鋳型およびそれを用いた連続鋳造方法を検討し、下記の(a)〜(c)の知見を得て、前記の本発明を完成された。
(a)従来の電磁制動装置が磁場を印加したい位置にコアを設置していた理由は、下記のとおりである。すなわち、溶鋼流に効果的に磁場を作用させるためには磁束の漏洩による磁束密度の低下を防止することが重要であり、そのためには、磁路を連続した直線的な形状とすることが有効であることから、電磁制動装置におけるコア(電磁石内部の磁化される芯状物体)の形状を連続した直線的な形状とせざるを得なかった。
(b)上記(a)の事情を考慮した上で、電磁制動装置のコアのうち鋳型長辺面側の部分を、電磁コイルが捲回されたコア(以下、「本体コア」とも記す)の位置から、コアの軸心に垂直な方向にずらして設置することにより、磁束密度の低下量を電磁制動装置の性能の許容範囲内に抑えつつ、溶鋼流への磁場の印加位置を移動させることができる。
(c)上記(b)の知見に基づけば、電磁制動装置のコアのうち鋳型長辺面側の部分をバックアッププレートの厚さ方向に部分的に挿入または貫通させたコア(以下、「分離コア」とも記す)とし、その断面中心軸を上記の「本体コア」の断面中心軸に対して、鋳型長辺の幅方向および/または鋳型の高さ方向にずらして配置することにより、鋳型周辺の装置との設備位置の干渉を起こすことなく、鋳型内の溶鋼の吐出流に制動力を作用させるための最適位置に磁場を印加することができる。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記(1)に示される連続鋳造用鋳型および()に示される連続鋳造方法にある。
(1)鋳型内に中仕切り装置を配置することによりツイン鋳造が可能な連続鋳造用鋳型であって、鋳型の長辺を構成し内部に冷却構造を有する長辺銅板の外側に配置され、前記長辺銅板を支持するバックアッププレートと、前記バックアッププレートの外側で前記中仕切り装置の延長線上に配置された中仕切り固定装置と、鋳型内の溶鋼の吐出流に制動力を作用させる電磁制動装置とを備え、前記電磁制動装置が前記バックアッププレートの外側に配置された本体コアと、前記バックアッププレートの一部においてその厚さ方向に部分的に挿入または貫通して配置された分離コアと、前記本体コアに捲回された電磁コイルとから構成され、前記本体コアが前記中仕切り固定装置を鋳型長辺の幅方向に跨ぐように配置され、前記電磁コイルと前記中仕切り固定装置とが接しており、さらに、前記本体コアの断面中心軸と前記分離コアの断面中心軸とが鋳型長辺の幅方向にずれているとともに、前記分離コアが前記鋳型の長辺に垂直な方向の投影面において、前記中仕切り装置に接しており、かつ、前記本体コアの分離コア側の端面と前記分離コアの本体コア側の端面との間隔が10mm以下となるように近接して配置されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
(2)前記(1)に記載の連続鋳造用鋳型を用い、鋳型内の溶鋼の吐出流に制動力を作用させて鋳造することを特徴とする連続鋳造方法。
本発明において、「シングル鋳造」とは、1ストランドで1本の鋳片を鋳造する鋳造を意味し、また「ツイン鋳造」とは、前記のとおり、1ストランドで2本の鋳片を鋳造する鋳造を意味する。
また、「近接して配置」とは、10mm以内の間隔を有して配置することを意味する。これは溶鋼の吐出流に作用する磁束密度の低下を最小限度に止めるためである。
なお、本明細書の記載において、「磁極」とは磁化された状態のコアまたはコアのうち捲き線の存在する部分を意味する。
本発明の連続鋳造用鋳型およびそれを用いた連続鋳造方法よれば、鋳型形状または鋳型の周辺に配置された装置との設備位置の干渉により、電磁制動装置の磁極を溶鋼の流動制御のための最適位置に設置できない場合においても、磁場の印加位置を最適位置に調整することができる。したがって、本発明は、鋳型内における溶鋼の流動を最適な状態に制御し、表面欠陥を低減した高品質鋳片の鋳造およびブレイクアウトの発生などを防止した安定鋳造操業に寄与できる。
本発明は、前記のとおり、バックアッププレートと、鋳型内の溶鋼の吐出流に制動力を作用させる電磁制動装置とを備え、電磁制動装置がバックアッププレートの外側に配置された本体コアと、バックアッププレートの一部においてその厚さ方向に部分的に挿入または貫通して配置された分離コアと、本体コアに捲回された電磁コイルとから構成され、本体コアの断面中心軸と分離コアの断面中心軸とが鋳型長辺幅方向および/または高さ方向にずれており、かつ、本体コアの分離コア側の端面と分離コアの本体コア側の端面とが近接して配置された連続鋳造用鋳型、およびそれを用いた連続鋳造方法である。以下に、本発明の実施形態につき、図面を交えてさらに詳細に説明する。
図2は、ツイン鋳型に本発明の連続鋳造用鋳型を適用した配置の例(本発明例)を模式的に示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は同図(a)のD−D縦断面図である。同図(a)に示すとおり、中仕切り固定装置10が配置されていることから、電磁制動装置6の本体コア7を中仕切り9の直前の位置に設置することができない。そこで、分離コア8は、その横断面中心軸が本体コアの横断面中心軸から中仕切り9の方向に40mmずらした位置(同図(a)中のd=40mm)に設置されている。
図2に示す実施形態の例では、鋳型短辺3の内寸法は260mm、片側の鋳型についての鋳型長辺4の内寸法は1100mm、中仕切り9の幅は220mm、バックアッププレート11の厚さは100mm、電磁制動装置6の本体コア7の幅は250mm、同高さは350mm、分離コア8の幅は250mm、同高さは350mm、そして電磁コイル12の幅(巻き線の厚さ)は40mmである。メニスカスは鋳型上端から下方に100mmの位置にあり、本体コア7および分離コア8は、それらのコアの上面が溶鋼メニスカス16から下方に100mmの高さ位置(同図(b)中のL=100mm)となるように配置されている。
また、浸漬ノズル1の外径は148mm、中仕切り9の鋳型短辺側面と浸漬ノズルの外面との距離は226mm、浸漬ノズルの先端の位置は溶鋼メニスカス16の下方280mm、そして鋳型厚さは40mmである。
電磁コイル12のコア材料としては磁性材料を用いることができ、電磁鋼板用材料または電磁軟鉄の使用が最適である。バックアッププレートの材料としては、非磁性材料を用いることができ、例えば、SUS304に代表されるステンレス鋼などの使用が適している。
分離コア8は、本体コア7と連続した一体型のコアでもよいが、両コアが分離している方がそれらの取り扱いが容易である。両コアが分離している場合には、分離コア8の材質は、本体コア7の材質と相違してもよい。分離コア8に鉄系の材料を用いる場合には、その材質としては電磁鋼板用材料または電磁軟鉄が好ましいが、磁性材料であれば機能的に問題はないので、炭素鋼や珪素鋼などの一般の鋼材を用いることもできる。
電磁制動装置6と鋳型とは、電磁制動装置の使用時における磁束密度の低下を最小限度に止める観点から、分離コア8の本体コア側の端面と本体コア7の分離コア側の端面との間隔が10mm以下となるように近接して設置する。上記の両端面の間隔は、好ましくは5mm以下とするのがよく、さらに好ましくは、両端面が密着するように設置するのがよい。
分離コア8と本体コア7とは、両者の境界位置において、本体コアの横断面の10%以上が分離コアの横断面と重複するように設置するのが好ましく、さらに好ましくは本体コアの横断面の50%以上が分離コアの横断面と重複するように設置するのがよい。
また、図2では、磁場の印加位置を鋳型長辺の幅方向、すなわち水平方向に移動させる例を示したが、磁場の印加位置を鋳型の高さ方向、すなわち鋳込み深さ方向に移動させてもよい。
(実施例1)
本発明の効果を確認するために、本発明を適用した本発明例、本発明を適用しない比較例、および鋳型に中仕切り固定装置を有さず電磁制動装置を理想的な位置に配置できる例の、それぞれの場合について磁束密度の分布を比較した。磁束密度の分布は、数値解析シミュレーションにより行い、それらの解析結果を比較した。
図3は、中仕切り固定装置を有する鋳型に本発明を適用しない配置の例(比較例)を模式的に示す平面図であり、また、図4は、中仕切り固定装置を有しない鋳型において電磁制動装置のコアを理想的位置に配置できた場合の例を模式的に示す平面図である。数値解析シミュレーションは、本発明例については前記図2に示す配置例につき、また比較例については上記図3に示す配置例につき、そして理想的配置例については上記図4に示す例につき、それぞれ行った。なお、電磁コイルの巻き線の電流は600Aとし、その巻き数は100巻きとした。
表1に、図2、図3および図4中に示す中仕切りの鋳型短辺側面(各図中でBにより示す位置)と浸漬ノズルの中仕切り側の側面(各図中でCにより示す位置)における磁束密度の比較を示した。
Figure 0004858037
また、図5は、図2、図3および図4におけるA−A縦断面での鋳型長辺幅方向の磁束密度の分布を比較して示した図である。
前述したとおり、浸漬ノズルからの溶鋼の吐出流に制動力を作用させて表面品質に優れた鋳片を鋳造するためには、浸漬ノズルの存在位置における磁束密度が低く、中仕切りの鋳型短辺側面の位置における磁束密度が高くなるように磁束密度の分布を調整することが重要である。
表1および図5の結果によれば、本発明を適用しない比較例では、電磁制動装置のコアを理想的な位置に配置した場合に比較して、浸漬ノズルの側面位置(図中でCにより示す位置)において磁束密度が高く、中仕切りの鋳型短辺側面位置(図中でBにより示す位置)における磁束密度が低い分布形状となっている。
これに対して、本発明の連続鋳造用鋳型を適用した本発明例では、浸漬ノズルの側面位置における磁束密度が低く、中仕切りの鋳型短辺側面位置における磁束密度の高い分布形状が得られている。上記の本発明例の磁束密度の分布形状は、電磁制動装置のコアを理想的な位置に配置できた場合に得られる磁束密度の分布形状に近いものである。表1に示されたとおり、本発明例では、比較例に比べて、浸漬ノズルの側面位置に印加される磁束密度を0.05T(500Gauss)以上低減し、かつ、中仕切りの鋳型短辺側面位置における磁束密度を0.03T(300Gauss)以上増加させることができた。したがって、本発明例の磁束密度の分布形状は、浸漬ノズルからの溶鋼の吐出流に制動力を作用させて表面品質に優れた鋳片を鋳造するための最適分布形状である。
(実施例2)
本発明の連続鋳造用鋳型を幅の異なるスラブのシングル鋳造に適用した場合の例について説明する。一般的な鋼の連続鋳造用鋳型は、鋳型短辺が短辺対向方向に移動可能に製作されており、幅の異なるスラブの鋳造が可能である。鋳造するスラブの幅に応じて、磁場の最適な印加位置も変化するので、本発明の連続鋳造用鋳型を用いて磁場の印加位置を移動させる方法は効果的である。
図6は、シングル鋳型に本発明の連続鋳造用鋳型を適用し、磁場の印加位置を鋳型の長辺幅方向の中央寄りに移動させて配置した例を模式的に示す図であり、同図(a)はその平面図であり、同図(b)は同図(a)のD−D縦断面図である。また、図7は、シングル鋳型に本発明の連続鋳造用鋳型を適用し、磁場の印加位置を鋳型長辺幅方向の鋳型短辺側に移動させて配置した例を模式的に示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は同図(a)のD−D縦断面図である。
図6および図7に示す例では、分離コアは磁性体の部分と非磁性体の部分とにより構成されている。ここで、磁性体の部分には例えば電磁軟鉄を、そして非磁性体の部分には例えばSUS304などのステンレス鋼を用いることができる。前記ツイン鋳型に本発明の連続鋳造用鋳型を適用した図2の例と同様に、磁性体で構成される分離コアをバックアッププレート内に嵌め込む方式の鋳型とすることも可能であるが、その場合には、分離コアの位置を変更する度に、分離コアを嵌め込んだバックアッププレート全体を交換する必要があり、そのための費用および工数が増大する。
これに対して、上記図6および図7に示す方式を用いれば、バックアッププレートは交換せずに同一のものを用いたまま、分離コアの磁性体部分と非磁性体部分のみを交換することにより、磁性体部分の位置を移動させ、鋳型内での溶鋼の吐出流に制動力を作用させるための最適位置に磁場を印加することができる。
本発明の連続鋳造用鋳型およびそれを用いた連続鋳造方法よれば、鋳型形状または鋳型の周辺に配置された装置との設備位置の干渉により、電磁制動装置の磁極を溶鋼の流動制御のための最適位置に設置できない場合にも、磁場の印加位置を最適位置に調整することができる。したがって、本発明は、表面欠陥などの発生を低減した高品質鋳片を安定して鋳造することのできる連続鋳造用鋳型および連続鋳造方法として、鋳造工程において広範に適用できる。
一般的な鋼の連続鋳造法における鋳型内の溶鋼の流動状態を模式的に示す縦断面図である。 ツイン鋳型に本発明の連続鋳造用鋳型を適用した配置の例(本発明例)を模式的に示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は同図(a)のD−D縦断面図である。 中仕切り固定装置を有する鋳型に本発明を適用しない配置の例(比較例)を模式的に示す平面図である。 中仕切り固定装置を有しない鋳型の理想的位置に電磁制動装置を配置できた例を模式的に示す平面図である。 図2〜図4におけるA−A縦断面での鋳型長辺幅方向の磁束密度の分布を比較して示す図である。 シングル鋳型に本発明の連続鋳造用鋳型を適用し、磁場の印加位置を鋳型長辺幅方向の中央寄りに移動させて配置した例を模式的に示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は同図(a)のD−D縦断面図である。 シングル鋳型に本発明の連続鋳造用鋳型を適用し、磁場の印加位置を鋳型長辺幅方向の鋳型短辺側に移動させて配置した例を模式的に示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は同図(a)のD−D縦断面図である。
符号の説明
1:浸漬ノズル、 2:吐出口、
3:鋳型短辺、 4:鋳型長辺、
5:凝固シェル、 6:電磁制動装置、
7:本体コア、 8:分離コア、
9:中仕切り、 10:中仕切り固定装置、
11:バックアッププレート、 12:電磁コイル、
13:分離コアの磁性体部分、 14:分離コアの非磁性体部分、
15:モールドパウダ、 16:溶鋼のメニスカス、
21:上昇流、 22:下降流

Claims (2)

  1. 鋳型内に中仕切り装置を配置することによりツイン鋳造が可能な連続鋳造用鋳型であって、
    鋳型の長辺を構成し内部に冷却構造を有する長辺銅板の外側に配置され、前記長辺銅板を支持するバックアッププレートと、前記バックアッププレートの外側で前記中仕切り装置の延長線上に配置された中仕切り固定装置と、鋳型内の溶鋼の吐出流に制動力を作用させる電磁制動装置とを備え、
    前記電磁制動装置が前記バックアッププレートの外側に配置された本体コアと、前記バックアッププレートの一部においてその厚さ方向に部分的に挿入または貫通して配置された分離コアと、前記本体コアに捲回された電磁コイルとから構成され、
    前記本体コアが前記中仕切り固定装置を鋳型長辺の幅方向に跨ぐように配置され、
    前記電磁コイルと前記中仕切り固定装置とが接しており、
    さらに、前記本体コアの断面中心軸と前記分離コアの断面中心軸とが鋳型長辺の幅方向にずれているとともに、前記分離コアが前記鋳型の長辺に垂直な方向の投影面において、前記中仕切り装置に接しており、
    かつ、前記本体コアの分離コア側の端面と前記分離コアの本体コア側の端面との間隔が10mm以下となるように近接して配置されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  2. 請求項1に記載の連続鋳造用鋳型を用い、鋳型内の溶鋼の吐出流に制動力を作用させて鋳造することを特徴とする連続鋳造方法。
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