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JP4857517B2 - アニールウエーハ及びアニールウエーハの製造方法 - Google Patents

アニールウエーハ及びアニールウエーハの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、優れた酸化膜耐圧特性を有するウエーハ表層部と、優れたゲッタリング能力を有するウエーハバルク部を兼ね備えたアニールウエーハ及びそのアニールウエーハの製造方法に関する。
近年、半導体回路の高集積化に伴う素子の微細化が進むにつれて、その基板となるチョクラルスキー法(以下、CZ法と略記する)を利用して作製されたシリコンウエーハに対する品質要求が高まってきている。特に、FPD、LSTD、COP等のグローンイン(Grown−in)欠陥と呼ばれる酸化膜耐圧特性やデバイスの特性を悪化させる、単結晶成長起因の欠陥が存在し、その密度とサイズの低減が重要視されている。
これらの欠陥を説明するに当たって、先ず、シリコン単結晶に取り込まれるベイカンシイ(Vacancy、以下Vと略記することがある)と呼ばれる原子空孔型の点欠陥と、インタースティシアル−シリコン(Interstitial−Si、以下Iと略記することがある)と呼ばれる格子間シリコン型の点欠陥のそれぞれの取り込まれる濃度を決定する因子について、一般的に知られていることを説明する。
シリコン単結晶において、V領域とは、Vacancy、つまりシリコン原子の不足から発生する凹部、穴のようなものが多い領域であり、I領域とは、シリコン原子が余分に存在することにより発生する転位や余分なシリコン原子の塊が多い領域のことであり、そしてV領域とI領域の間には、原子の不足や余分が無い(少ない)ニュートラル(Neutral、以下Nと略記することがある)領域が存在していることになる。そして、上記のグローンイン欠陥(FPD、LSTD、COP等)というのは、あくまでもVやIが過飽和な状態の時に発生するものであり、多少の原子の偏りがあっても、飽和以下であれば、グローンイン欠陥としては存在しないことが判ってきた。
これらの両点欠陥の濃度は、CZ法における結晶の引上げ速度F(成長速度)と結晶中の固液界面近傍の温度勾配Gとの関係から決まることが知られている。また、V領域とI領域との間のN領域にはOSF(酸化誘起積層欠陥、Oxidation Induced Stacking Fault)と呼ばれる欠陥(以下、OSFリングということがある)が、結晶成長軸に対する垂直方向の断面で見た時にリング状に分布していることが確認されている。
これら結晶成長起因の欠陥を分類すると、例えば成長速度が0.6mm/min程度以上と比較的高速の場合には、空孔タイプの点欠陥が集合したボイド起因とされているFPD、LSTD、COP等のグローンイン欠陥が結晶径方向全域に高密度に存在するV領域となる。
また、成長速度が0.6mm/min程度以下の場合は、成長速度の低下に伴い、OSFリングが結晶の周辺から発生し、このリングの外側に転位ループ起因と考えられているL/D(Large Dislocation:格子間型転位ループの略号、LSEPD、LFPD等)の欠陥が低密度に存在するI領域(L/D領域ということがある)となる。さらに、成長速度を0.4mm/min前後以下と低速にすると、OSFリングがウエーハの中心に凝集して消滅し、ウエーハ全面がI領域となる。
さらに、V領域とI領域の中間には、上記のようにN領域と呼ばれる、空孔起因のFPD、LSTD、COPも、転位ループ起因のLSEPD、LFPDも存在しない領域が存在している。このN領域はOSFリングの外側にあり、そして、酸素析出熱処理を施し、X−ray観察等で析出のコントラストを確認した場合に、酸素析出がほとんどなく、かつ、LSEPD、LFPDが形成されるほどリッチではないI領域側であると報告されている。さらに、近年では、OSFリングの内側にも、空孔起因の欠陥も、転位ループ起因の欠陥も存在しないN領域の存在が確認されている。
これらのN領域は、通常の方法では、成長速度を下げて単結晶の育成を行った場合に成長軸方向に対して斜めに存在するため、ウエーハ面内では一部分にしか存在しなかった。このN領域についても、ボロンコフ理論(非特許文献1)では、引上げ速度Fと結晶固液界面近傍の温度勾配Gの比であるF/Gというパラメータが点欠陥のトータルな濃度を決定すると唱えている。このことから考えると、結晶径方向面内で引上げ速度は一定のはずであるから、一般的な単結晶の育成では面内でGが分布を持つために、例えば、ある引上げ速度では中心部がV領域となり、N領域を挟んで周辺部でI領域となるような単結晶しか得られなかった。
そこで近年、面内のGの分布を改良して、例えば、引上げ速度Fを徐々に下げながら単結晶を引上げた時に、従来では斜めでしか存在しなかったN領域を径方向に拡大することができるようになり、ある引上げ速度で径方向全面がN領域となる単結晶を製造することが可能となった。また、このN領域が径方向全面に広がった時の引上げ速度を維持して単結晶の育成を行うことにより、全面N領域の結晶を長さ方向へ拡大することができる。特に、結晶が成長するに従ってGが変化することを考慮して、あくまでもF/Gが一定になるように引上げ速度を補正・調節することにより、全面N領域となる結晶を結晶成長方向に大きく拡大できるようになった(例えば、特許文献1)。
また、OSFリングの外側にあるN領域をさらに分類すると、OSFリングの外側に隣接するNv領域(原子空孔の多い領域)と、I領域に隣接するNi領域(格子間シリコンの多い領域)とがあることがわかっている(例えば、特許文献2)。
尚、ここで上記に示した各用語について説明しておく。
1)FPD(Flow Pattern Defect)とは、成長後のシリコン単結晶棒からウエーハを切り出し、表面の歪み層をフッ酸と硝酸の混合液でエッチングして取り除いた後、KCrとフッ酸と水の混合液で表面をエッチング(Seccoエッチング)することにより、ピットおよびさざ波模様(流れ模様:Flow Pattern)が生じる。この流れ模様をFPDと称し、ウエーハ面内のFPD密度が高いほど酸化膜耐圧の不良が増える(特許文献3参照)。
2)SEPD(Secco Etch Pit Defect)とは、FPDと同一のSeccoエッチングを施した時に、流れ模様を伴うものをFPDと呼び、流れ模様を伴わないものをSEPDと呼ぶ。この中で10μm以上の大きいSEPD(LSEPD)は転位クラスターに起因すると考えられ、デバイスに転位クラスターが存在する場合、この転位を通じて電流がリークし、P−Nジャンクションとしての機能を果たさなくなる。
3)LSTD(Laser Scattering Tomography Defect)とは、成長後のシリコン単結晶からウエーハを切り出し、表面の歪み層をフッ酸と硝酸の混合液でエッチングして取り除いた後、ウエーハを劈開する。この劈開面(またはウエーハ表面)より赤外光を入射し、ウエーハ表面(または劈開面)から出た光を検出することで、ウエーハ内に存在する欠陥による散乱光を検出することができる。ここで観察される散乱体については学会等ですでに報告があり、酸素析出物とみなされている(非特許文献2参照)。また、最近の研究では、八面体のボイド(空洞)であるという結果も報告されている。
4)COP(Crystal Originated Particle)とは、ウエーハの酸化膜耐圧を劣化させる原因となる欠陥で、SeccoエッチではFPDになる欠陥が、SC−1洗浄(NHOH:H:HO=1:1:10の混合液による洗浄)では選択エッチング液として働き、COPになる。このピットの直径は1μm以下で光散乱法で調べる。
5)L/D(Large Dislocation:格子間型転位ループの略号)には、LSEPD、LFPD等があり、転位ループ起因と考えられている欠陥である。LSEPDは、上記したようにSEPDの中でも10μm以上の大きいものをいう。また、LFPDは、上記したFPDの中でも先端ピットの大きさが10μm以上の大きいものをいう。
また一方、CZ法により育成されたシリコン単結晶中には、およそ1018atoms/cmの濃度で格子間酸素が不純物として含まれる。この格子間酸素は、結晶育成工程中の固化してから室温まで冷却されるまでの熱履歴(以下、結晶熱履歴と略すことがある。)や半導体素子の作製工程における熱処理工程において過飽和状態となるために析出して、シリコン酸化物の析出物(以下、酸素析出物、BMD(Bulk Micro Defects)、または単に析出物と呼ぶことがある)が形成される。
この酸素析出物は、デバイスプロセスにおいて混入する重金属不純物を捕獲するゲッタリングサイトとして有効に働き(Internal Gettering:IG)、デバイス特性や歩留りを向上させることができる。しかしながら、酸素析出物は熱処理条件に強く依存するために、ユーザー毎に異なるデバイスプロセスにおいて適切な酸素析出物を得ることは極めて難しく、酸素析出物の制御は非常に重要な課題となっている。
さらに、ウエーハはデバイスプロセスで熱履歴を受けるだけでなく、もともと結晶熱履歴を受けている。従って、アズ−グローン(as grown)結晶中には結晶熱履歴で形成された酸素析出核(グローンイン析出核)がすでに存在しており、このグローンイン析出核の存在が酸素析出物の制御をさらに難しくしている。
酸素析出の過程は、析出核形成とその成長過程から成る。通常のアズ−グローンウエーハの場合、結晶熱履歴において核形成が進行し、その後のデバイスプロセス等の熱履歴により大きく成長し、酸素析出物として検出されるようになる。従って、デバイスプロセス投入前の段階でウエーハに存在している酸素析出物は極めて小さく、IG能力を持たない。しかし、デバイスプロセスを経ることにより、酸素析出物は大きく成長してIG能力を有するようになる。
しかしながら、近年のデバイスプロセスでは使用するウエーハの大口径化に伴い、低温化・短時間化が進行しており、例えば、一連のデバイスプロセスにおいて熱処理が全て1000℃以下の温度で行われたり、数十秒程度の熱処理時間しか行わないRTP(Rapid Thermal Processing)が頻繁に用いられるようになってきている。このようなデバイスプロセスでは、例えば全ての熱処理の熱履歴をトータルしても1000℃、2時間程度の熱処理にしか相当しない場合があるため、従来のように、デバイスプロセス中での酸素析出物の成長が期待できない。そのため、低温化・短時間化されたデバイスプロセスに対しては、デバイスプロセス投入前の段階でIG能力を有するような検出可能なサイズの酸素析出物が高密度で形成されていることが望ましい。また、その一方で、酸素析出物がウエーハ表面近傍のデバイス作製領域に存在すると、デバイス特性を劣化させるため、ウエーハ表面近傍では酸素析出物が存在しないことが望ましい。
また、一般的に、CZ法により単結晶を育成する場合、生産性の向上等の理由から引き上げ速度を速くできるV領域で単結晶の育成が行われることがあるが、この場合、作製したCZウエーハには、上記のグローンイン析出核の他に、結晶引上げ時の熱履歴により導入されるグローンイン欠陥として、例えば前述のような原子空孔の凝集により形成されたCOP等のボイド(空孔)型の欠陥が存在する。このようなCOP等のボイド型欠陥がデバイス作製領域に存在すると、デバイス特性、特に重要な特性である酸化膜耐圧特性を劣化させることが知られている。したがって、デバイス作製領域となるウエーハ表層部(通常はウエーハ表面から数μm程度の領域)には、酸素析出物と同様に、ボイド型欠陥も存在しないことが望ましい。
そこで、このようなウエーハ表層部に存在するボイド型欠陥を消滅させるために、例えば、ウエーハに水素あるいはアルゴンなどの不活性雰囲気下で1200℃程度の高温熱処理を施すことが行われている。さらに、ウエーハ表層部に存在するCOP等のボイド型欠陥を消滅させるとともに、ウエーハ内部(バルク部)に酸素析出物を形成するために、例えば、結晶育成時に窒素を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献4、5、6など)。
このように窒素を添加して単結晶を育成し、その単結晶からウエーハを作製することにより、ウエーハに存在するボイドのサイズが小さくなるためにウエーハ表面近傍では高温熱処理で欠陥が消滅しやすくなり、また、結晶熱履歴で単結晶中に形成されるグローンイン析出核が大きくなるために、高温熱処理を行ってもウエーハバルク部で析出核は消滅せずに成長して酸素析出物を形成することができ、ウエーハにIG能力を付加できる。さらに、最近では、この酸素析出物の密度の面内分布を均一にする方法についても提案されている(特許文献7)。
しかし、窒素が添加されたウエーハを作製した場合でも、ウエーハ表層部のボイド型欠陥を消滅させるためには、1200℃程度の高温の熱処理が必要であり、場合によっては、高温熱処理を行っても検出できない程度の小さなボイド型欠陥が残留する恐れがある。また、サイズの大きなグローンイン析出核は、熱的に安定なためにウエーハ表層部でも消滅しにくく、表層部に残留する恐れがある。このようなボイド型欠陥やグローンイン析出核がウエーハ表層部に残留していると、その後デバイスを作製する際にデバイス特性が劣化する等の問題が生ずる。
さらに、上記のように結晶育成時に窒素を添加する場合は、結晶製造工程が複雑になると共に、窒素濃度の管理などに手間がかかるという問題があった。
特開平8−330316号公報 特開2001−139396号公報 特開平4−192345号公報 特開平11−322490号公報 特開平11−322491号公報 特開2000−211995号公報 特開2002−57160号公報 国際公開第WO 01/057293号パンフレット 国際公開第WO 02/002852号パンフレット 特開2002−226296号公報 V.V.Voronkov,Journal of Crystal Growth,vol.59(1982),pp.625〜643 Shinsuke Sadamitsu et al. Japanese Journal of Applied Physics Vol.32(1993),p.3679
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、デバイス作製領域であるウエーハ表層部の酸化膜耐圧特性が優れており、且つ、ウエーハバルク部にデバイスプロセス投入前の段階で酸素析出物の密度が面内均一に高密度で存在し、優れたIG能力を有するアニールウエーハ及びそのアニールウエーハを製造する方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、チョクラルスキー法により育成されたシリコン単結晶から作製したシリコンウエーハに熱処理を施したアニールウエーハであって、ウエーハ全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しないN領域であり、ウエーハ表面から少なくとも深さ5μmまでの領域における酸化膜耐圧特性の良品率が95%以上であり、且つ、ウエーハ内部における酸素析出物の密度が1×10/cm以上で、ウエーハ面内における酸素析出物の密度の最大値と最小値との比(最大値/最小値)の値が1〜10であることを特徴とするアニールウエーハが提供される
本発明のアニールウエーハは、ウエーハ全面がN領域で、酸化膜耐圧特性の良品率が95%以上であり、且つ、ウエーハ内部(バルク部)における酸素析出物の密度が1×10/cm以上で、ウエーハ面内における酸素析出物密度の(最大値/最小値)の値が1〜10であるものであるので、デバイス作製領域であるウエーハ表層部の酸化膜耐圧特性が非常に優れており、ウエーハバルク部にデバイスプロセス投入前の段階で酸素析出物の密度が面内均一に高密度で存在し、優れたIG能力を有するアニールウエーハとすることができる。
また、本発明は、チョクラルスキー法により育成されたシリコン単結晶から作製したシリコンウエーハに熱処理を施したアニールウエーハであって、前記シリコンウエーハの全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しない、原子空孔の多いNv領域のものであり、該シリコンウエーハに熱処理を施したものであることを特徴とするアニールウエーハを提供する
このように、ウエーハ全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しない、原子空孔の多いNv領域のシリコウエーハに熱処理を施したアニールウエーハであれば、ウエーハ表面のみならず、例えばウエーハ表面から5μmまでの領域が無欠陥層(DZ層)となるので、ウエーハ表層部の酸化膜耐圧特性が非常に優れたウエーハとすることができ、また、ウエーハバルク部に酸素析出物が例えば1×10/cm以上の高密度で面内均一に形成されたものとなるので、優れたIG能力を有するウエーハとすることができる。
この場合、前記アニールウエーハの直径が200mm以上であるものとすることができる
本発明のアニールウエーハは、上記のように酸素析出物が高密度で面内均一に形成されたものであり、またこの酸素析出物は、例えばウエーハを熱処理した際の熱応力によるスリップ転位の発生を抑制する効果があることが知られている。したがって、本発明のアニールウエーハが、熱処理によってスリップ転位の発生し易い200mm以上の直径を有するものであれば、例えばデバイスプロセス中の熱応力によるスリップ転位の発生を抑制できる大口径のウエーハとすることができ、特に今後の主流となる300mm以上のウエーハにおいて非常に有効なウエーハとなる。
また、本発明によれば、チョクラルスキー法により育成したシリコン単結晶からシリコンウエーハを作製し、該作製したシリコンウエーハに熱処理を施してアニールウエーハを製造する方法において、前記シリコンウエーハとして、ウエーハの全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しない、原子空孔の多いNv領域となるシリコンウエーハを作製した後、該作製したシリコンウエーハに、少なくとも、500℃以上700℃以下の温度T11℃で所定時間t11保持し、次に5℃/分以下の昇温速度で1000℃以上1230℃以下の温度T12℃まで昇温し、その後、該温度T12℃で所定時間t12保持する熱処理を行うことを特徴とするアニールウエーハの製造方法が提供される
このように、原子空孔の多いNv領域となるシリコンウエーハを作製して、そのシリコンウエーハを、500℃以上700℃以下の温度で所定時間保持することにより、ウエーハ中のグローンイン析出核を成長させて消滅させにくくし、さらに新たな酸素析出核をウエーハに発生させることができ、次に5℃/分以下の昇温速度で1000℃以上1230℃以下の温度まで昇温することにより、ウエーハに存在する高密度のグローンイン析出核を消滅させずに効率的に成長させ、その後その温度で所定時間保持することにより、ウエーハバルク部の酸素析出物をさらに成長させると同時に、ウエーハ表面近傍の酸素を外方拡散させてウエーハ表層部の酸素析出核を消滅させ、ウエーハ表層部に酸素析出物もグローンイン析出核も存在しないDZ層を形成することができる。それによって、デバイス作製領域であるウエーハ表層部の酸化膜耐圧特性が非常に優れており、且つ、ウエーハバルク部にデバイスプロセス投入前の段階で酸素析出物が面内均一に高密度で存在して優れたIG能力を有するアニールウエーハを容易に製造することができる。
このとき、前記シリコンウエーハを500℃以上700℃以下の温度T11℃で保持する時間t11を15分以上とすることが好ましい
このように、シリコンウエーハを500℃以上700℃以下の温度で保持する時間t11を15分以上とすることにより、グローンイン析出核をより消滅しにくくすることができ、さらに新たな酸素析出核を効果的にウエーハに発生させることができ、酸素析出核をより高密度に形成できる。
また、前記シリコンウエーハを1000℃以上1230℃以下の温度T12℃で保持する時間t12を30分以上とすることが好ましい
このように、シリコンウエーハを1000℃以上1230℃以下の温度で保持する時間t12を30分以上とすることにより、酸素析出物をゲッタリング能力を有するサイズに安定して成長させることができ、また、ウエーハ表面近傍にDZ層を十分な幅で形成することができる。
さらに、本発明によれば、チョクラルスキー法により育成したシリコン単結晶からシリコンウエーハを作製し、該作製したシリコンウエーハに熱処理を施してアニールウエーハを製造する方法において、前記シリコンウエーハとして、ウエーハの全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しない、原子空孔の多いNv領域となるシリコンウエーハを作製した後、該作製したシリコンウエーハに、少なくとも、温度T21℃から温度T22℃までR℃/分の昇温速度で昇温する昇温工程Aと、前記温度T22℃から温度T23℃まで前記昇温工程Aの昇温速度とは異なるR℃/分の昇温速度で昇温する昇温工程Bと、前記温度T23℃で所定時間t21保持する保持工程Cとを有する熱処理を行うことを特徴とするアニールウエーハの製造方法が提供される
このように、原子空孔の多いNv領域となるシリコンウエーハを作製して、そのシリコンウエーハに昇温工程Aを施すことにより、ウエーハ中のグローンイン析出核を極力消滅させることなく成長させることができ、次に昇温速度が昇温工程Aとは異なる昇温工程Bを施して短時間で高温まで昇温することにより、ウエーハ表面近傍における酸素析出物の成長を抑制でき、その後、保持工程Cを施すことによりウエーハバルク部では昇温工程A及び昇温工程Bで成長した微小な酸素析出物をIG能力を有するようなサイズにさらに成長させることができ、ウエーハ表面近傍では酸素析出物を消滅させてDZ層を形成することができる。それによって、デバイス作製領域であるウエーハ表層部の酸化膜耐圧特性が非常に優れており、且つ、ウエーハバルク部にデバイスプロセス投入前の段階で酸素析出物が面内均一に高密度で存在して優れたIG能力を有するアニールウエーハを容易に製造することができる。
このとき、前記昇温工程A、昇温工程B、及び保持工程Cを連続して行うことが好ましい
このように昇温工程A、昇温工程B及び保持工程Cの3工程を連続して行うことにより、熱処理工程全体の工程時間を短縮でき、熱処理工程の効率化や生産性の向上を図ることができる。
また、前記昇温工程Aにおいて、前記温度T21を700℃以下、前記温度T22を800℃以上1000℃以下、前記昇温速度Rを3℃/分以下とすることが好ましい
このような条件で昇温工程Aを行うことにより、結晶成長工程で形成されたグローンイン析出核を極力消滅させることなく効率的に成長させて酸素析出物の密度を高めることができ、さらに工程時間の短縮にもつながる。
この場合、前記昇温工程Aを行う前に、前記温度T21で30分以上保持することが好ましい
このように、昇温工程Aを行う前にシリコンウエーハを温度T21で30分以上保持することにより、グローンイン析出核をより消滅しにくくすることができるだけでなく、さらにグローンイン析出核に加えて新たな酸素析出核を効果的に発生させて、シリコンウエーハに一層高密度の酸素析出核を形成することができる。
さらに、前記昇温工程Bにおいて、前記温度T22を800℃以上1000℃以下、前記温度T23を1050℃以上1230℃以下、前記昇温速度Rを5℃/分以上とすることが好ましい
このような条件で昇温工程Bを行うことにより、保持工程Cの保持温度まで短時間で昇温することができ、それにより、ウエーハ表面近傍における酸素析出物の成長を抑制して、その後の保持工程Cで表面近傍の酸素析出物を消滅させやすくすることができる。
また、前記保持工程Cにおいて、前記温度T23を1050℃以上1230℃以下、前記保持時間t21を30分以上とすることが好ましい
このような条件で保持工程Cを行うことにより、上記昇温工程A及び昇温工程Bで成長したウエーハバルク部の酸素析出物を安定して成長させることができ、また同時に、ウエーハ表面近傍に酸素析出物のないDZ層を十分な幅で安定して形成することができる。
また、本発明のアニールウエーハの製造方法では、前記熱処理を施すシリコンウエーハとして、窒素を添加せずに育成したシリコン単結晶から作製したものを用いることが好ましい
このように、シリコンウエーハとして窒素を添加せずに育成したシリコン単結晶から作製したものを用いることにより、熱処理が加えられるシリコンウエーハに熱的に安定なグローンイン析出核、例えば、直径40nm以上の析出核が存在しないので、熱処理を行った際にウエーハ表面近傍からグローンイン析出核を容易に消滅させてDZ層を形成することができる。また、シリコン単結晶を育成する際に窒素を添加する必要がないので、結晶育成工程が複雑にならず、作業や管理などが容易になるという利点も有する。
さらに、前記熱処理を施すシリコンウエーハの酸素濃度を14ppma以上とすることが好ましい
このように熱処理を施すシリコンウエーハの酸素濃度が14ppma以上であれば、熱処理をおこなうことによってウエーハバルク部に酸素析出物を一層高密度で形成することができ、アニールウエーハに一層優れたIG能力を付加することができる。また、シリコンウエーハの酸素濃度を14ppma以上と高くすることにより、酸素析出物の成長速度が速くなるので、全体の工程時間の短縮を図ることができる。
そして、本発明では、前記製造するアニールウエーハの直径を200mm以上とすることができる
本発明のアニールウエーハの製造方法は、従来では熱処理でスリップ転位が発生し易かった直径200mm以上の大口径のアニールウエーハを製造する場合に特に好適に適用することができる。すなわち、本発明は、上述のようにウエーハ面内に大きなサイズの酸素析出物を高密度で均一に形成できるため、熱処理中に生じるスリップ転位がピンニングされる確率が高くなり、スリップ転位の発生を抑制できる。したがって、スリップ転位の発生してない大口径のアニールウエーハを安定して製造することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、ウエーハの全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しない、原子空孔の多いNv領域となるシリコンウエーハに所定の条件で熱処理を行ってアニールウエーハを製造することにより、デバイス作製領域であるウエーハ表層部の酸化膜耐圧特性が非常に優れており、ウエーハバルク部にデバイスプロセス投入前の段階で酸素析出物が面内均一に高密度で存在して優れたIG能力を有するアニールウエーハを提供することができる。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者等は、ウエーハ表層部の酸化膜耐圧特性が非常に優れており、ウエーハバルク部にデバイスプロセス投入前の段階で酸素析出物が面内均一に高密度で存在するウエーハを製造するために鋭意実験及び検討を重ねた。その結果、例えば800℃で4時間+1000℃で16時間というような酸素析出熱処理を行った際に酸素析出量(すなわち、酸素析出熱処理前の初期酸素濃度と酸素析出熱処理後の酸素濃度との差)が1ppma(JEIDA:日本電子工業振興協会規格)以上となるようなシリコンウエーハは、熱的に安定なグローンイン析出核を適度に有しているので、このようなシリコンウエーハに熱処理を行うことにより、ウエーハバルク部でグローンイン析出核を消滅させずに成長させて、酸素析出物を安定して形成できることがわかった。
一方、ウエーハの酸化膜耐圧特性の向上を図るために、ウエーハ全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しないN領域となるシリコンウエーハを用い、さらにこのN領域となるシリコンウエーハに酸素析出物を形成するために熱処理を行った場合、ウエーハ表面近傍にはDZ層を形成でき、またウエーハのバルク部には酸素析出物を形成することができる。しかしながら、N領域には前述のようにNv領域とNi領域があり、またNi領域はNv領域に比較して酸素析出が発生しにくい領域であるため、ウエーハ面内にNi領域とNv領域が混在するようなシリコンウエーハに熱処理を行った場合には、酸素析出物の密度がウエーハ面内で不均一となり、その結果、ウエーハの有するゲッタリング能力が面内で不均一となることが明らかとなった。さらに、この場合、酸素析出物の密度の面内バラツキに起因してウエーハに反り等が発生することがあることもわかった。
そこで、本発明者等はさらに実験及び検討を重ねた結果、シリコンウエーハのNv領域では、上記のような酸素析出熱処理を行った際に酸素析出量が1ppma以上となることを見出し、そして、このようなNv領域がウエーハ全面に広がるシリコンウエーハに熱処理を行ってアニールウエーハを製造すれば、ウエーハ表層部の酸化膜耐圧特性が非常に優れており、ウエーハバルク部に酸素析出物が面内均一に高密度で存在するような高品質のアニールウエーハが得られることに想到し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明のアニールウエーハは、CZ法により育成されたシリコン単結晶から作製したシリコンウエーハに熱処理を施したアニールウエーハであって、前記シリコンウエーハの全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しない、原子空孔の多いNv領域のものであり、該シリコンウエーハに熱処理を施したものであることに特徴を有するものである。
また、このような本発明のアニールウエーハは、ウエーハ全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しないN領域であり、ウエーハ表面から少なくとも深さ5μmまでの領域における酸化膜耐圧特性の良品率が95%以上であり、且つ、ウエーハ内部における酸素析出物の密度が1×10/cm以上で、ウエーハ面内における酸素析出物の密度の最大値と最小値との比(最大値/最小値)の値が1〜10であることに特徴を有するものとすることができる。
このように、本発明のアニールウエーハは、ウエーハ表面のみならず、ウエーハ表面から少なくとも深さ5μmまでの領域において無欠陥層が形成されたものとなるので、良品率が95%以上となる優れた酸化膜耐圧特性を有するものとなり、例えばウエーハ表層部の比較的深い領域までデバイスを作製する場合であっても、デバイス特性を劣化させることのないウエーハとすることができる。ここで、本発明における酸化膜耐圧特性とは、TZDB(Time Zero Dielectric Breakdown)特性のことを意味し、その良品率は、例えば、判定電流値を1mA/cmとして、絶縁破壊電界が8MV/cm以上となるものの割合を示す。
尚、ウエーハ表層部の欠陥を検出する簡便な方法として、例えばパーティクルカウンターや選択エッチング法がある。しかし、これらの方法を用いて欠陥の検査を行う場合でも、検出下限以下の小さいサイズの欠陥が存在し、酸化膜耐圧特性を劣化させる場合がある。したがって、上記のように、本発明のアニールウエーハが、良品率が95%以上、さらに100%であるような優れた酸化膜耐圧特性を有することは極めて重要である。
また、本発明のアニールウエーハは、上記のようにウエーハ内部(バルク部)において検出されるIG能力を有するサイズ以上の酸素析出物の密度が1×10/cm以上であるので、デバイスプロセス投入前の段階で優れたIG能力を有するものとなり、近年の低温化・短時間化が進むデバイスプロセスにおいても、ウエーハバルク部の酸素析出物がデバイスプロセスの初期段階からゲッタリングサイトとして働き、特別な熱処理を追加しなくても十分なゲッタリング能力を発揮できるウエーハとすることができる。このとき、アニールウエーハの機械的強度を考慮すると、析出過多による劣化を防止するため、酸素析出物の密度は1×1013/cm以下とすることが好ましい。
尚、本発明において、IG能力を有する酸素析出物のサイズは、実験的に検出可能な酸素析出物のサイズ(例えば、直径30〜40nm程度)を目安にしており、特に、ゲッタリング能力を有する酸素析出物のサイズとしては直径約40nm以上であることが好ましい。一般的には、実験的に検出できないサイズの酸素析出物でもIG能力を有すると考えられているので、このように実験的に検出可能なサイズ、例えば直径40nm以上の酸素析出物であれば十分にIG能力を有するものと判断できる。このような酸素析出物は、例えば、光散乱法の1つである赤外散乱トモグラフ法により検出可能である。
さらに、従来のウエーハではウエーハ面内における酸素析出物の密度の最大値と最小値との比(最大値/最小値)の値が20以上、あるいは桁違いの数値を示していたが、本発明のアニールウエーハは、ウエーハ面内における酸素析出物の密度の最大値と最小値との比(最大値/最小値)の値が1〜10、さらには1〜5となるものであるので、ウエーハバルク部におけるIG能力の面内バラツキを著しく低減でき、ウエーハ全面に渡って非常に優れたゲッタリング能力を均一に有するウエーハとすることができる。またこの場合、従来のアニールウエーハにおいて酸素析出物の密度の面内バラツキに起因して発生していたウエーハの反り等の問題も容易に解決することができる。
また、本発明のアニールウエーハが、熱処理によってスリップ転位の発生し易い直径200mm以上のウエーハであれば、スリップ転位の発生を抑制する効果のある酸素析出物をウエーハ面内で均一にかつ高密度で有しているため、デバイスプロセスにおいてスリップ転位の発生が抑制される大口径のウエーハとなり、特に今後の主流となる300mm以上のウエーハにおいて非常に有効なウエーハとなる。
次に、上記のような本発明のアニールウエーハを製造するための方法について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
先ず、本発明の第1の態様に係るアニールウエーハの製造方法は、CZ法により育成したシリコン単結晶からシリコンウエーハを作製し、該作製したシリコンウエーハに熱処理を施してアニールウエーハを製造する方法において、前記シリコンウエーハとして、ウエーハの全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しない、原子空孔の多いNv領域となるシリコンウエーハを作製した後、該作製したシリコンウエーハに、少なくとも、500℃以上700℃以下の温度T11℃で所定時間t11保持し、次に5℃/分以下の昇温速度で1000℃以上1230℃以下の温度T12℃まで昇温し、その後、該温度T12℃で所定時間t12保持する熱処理を行うことに特徴を有するものである。
以下、本発明の第1の態様に係るアニールウエーハの製造方法について、より具体的に説明する。ここで、図1は、本発明の第1の態様に係るアニールウエーハの製造方法の一例を示すフロー図であり、また図2は、シリコンウエーハに施す熱処理のパターンを模式的に示す模式図である。
先ず、アニールウエーハの原料となるシリコンウエーハを、CZ法で育成したシリコン単結晶から作製する(図1のステップ101)。このとき、作製するシリコンウエーハが、ウエーハの全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しない、原子空孔の多いNv領域となるものとなれば、その作製方法は特に限定されるものではなく、例えば特許文献8、9、10などに記載されているように、単結晶を育成する際の引上げ速度Fと引上げ結晶中の固液界面近傍の温度勾配Gとの比F/Gを制御して単結晶の引上げを行う方法を利用してウエーハの作製を行うことができる。ここで、本発明においてシリコンウエーハを作製する方法の一例を具体的に説明する。
シリコン単結晶を引上げるための単結晶引上げ装置の一例を図5に示す。図5に示すように、この単結晶引上げ装置20は、メインチャンバ1内に、原料融液4を収容する石英ルツボ5と、この石英ルツボ5を保護する黒鉛ルツボ6とがルツボ駆動機構(不図示)によって回転・昇降自在に保持軸19で支持されており、またこれらのルツボ5、6を取り囲むように加熱ヒーター7と断熱材8が配置されている。メインチャンバ1の上部には育成した単結晶3を収容し、取り出すための引上げチャンバ2が連接されており、引上げチャンバ2の上部には単結晶3をワイヤー16で回転させながら引上げる引上げ機構(不図示)が設けられている。
また、メインチャンバ1の内部にはガス整流筒13が設けられており、このガス整流筒13の下部には原料融液4と対向するように遮熱部材14を設置して、原料融液4の表面からの輻射をカットするとともに原料融液4の表面を保温するようにしている。このとき、遮熱部材14は、例えばその下端と原料融液4の表面との間隔が2〜20cm程度となるように設置されている。さらに、ガス整流筒13の上方には冷却筒11が設置されており、冷媒導入口12から冷却媒体を流すことによって単結晶3を強制冷却できるようになっている。
さらに、引上げチャンバ2の上部に設けられたガス導入口10からはアルゴンガスのような不活性ガス等を導入でき、引上げ中の単結晶3とガス整流筒13との間を通過させた後、遮熱部材14と原料融液4の融液面との間を通過させ、ガス流出口9から排出することができる。
また、メインチャンバ1の水平方向の外側に磁石(不図示)を設置することができ、それによって、原料融液4に水平方向あるいは垂直方向等の磁場を印加して原料融液の対流を抑制し、単結晶の安定成長をはかる、いわゆるMCZ法を用いることができる。
このような単結晶引上げ装置20を用いて、例えばシリコン単結晶をCZ法により育成する場合、まず、石英ルツボ5内でシリコンの高純度多結晶原料を融点(約1420℃)以上に加熱して融解する。次に、ワイヤー16を巻き出すことによりシリコン融液4の表面略中心部に種ホルダー18に固定された種結晶17を接触又は浸漬させる。その後、ルツボ保持軸19を適宜の方向に回転させるとともに、ワイヤー16を回転させながら巻き取って種結晶を引上げることにより、単結晶の育成が開始される。以後、単結晶の引上げ速度とシリコン融液の温度を適切に調節することにより略円柱形状のシリコン単結晶3を成長させることができる。
このとき、単結晶直胴部を育成する際の引上げ速度をF[mm/min]とし、シリコン融点から1400℃の間の引上げ軸方向の結晶温度勾配をG[℃/mm]で表した時、F/G[mm/℃・min]の値がNv領域となるように引上げ速度Fを制御してシリコン単結晶を育成する。この場合、例えば上記のように遮熱部材14の下端と原料融液4の表面との間隔を2〜20cm程度に設定することにより結晶中心部分の温度勾配Gcと結晶周辺部分の温度勾配Geとの差を小さくしたり、また結晶周辺の温度勾配の方が結晶中心より低くなるように炉内温度を制御することができ、結晶径方向の全面を容易にNv領域となるようにすることが可能となる。さらに、例えばガス整流筒13の上方に設置した冷却筒11によってボイド欠陥を形成する温度帯(1080〜1150℃)を急冷して、結晶成長軸方向にNv領域を広げることが可能となるので、直胴部全体が径方向全面でNv領域となる単結晶を容易に育成することができる。
このようにして得られたシリコン単結晶をスライスして得られるシリコンウエーハは、グローンイン欠陥もOSFも存在しない、原子空孔の多いNv領域となるシリコンウエーハとなる。このようなシリコンウエーハであれば、その後熱処理を行った際にウエーハ表層部にグローンイン欠陥や酸素析出物が存在せず、またウエーハバルク部で高い酸素析出量が得られるウエーハとすることができる。
この場合、シリコンウエーハは、窒素を添加せずに育成したシリコン単結晶から作製することが好ましい。このように窒素を添加せずに育成したシリコン単結晶から作製したシリコンウエーハであれば、ウエーハに熱的に安定なグローンイン析出核、例えば直径40nm以上の析出核が存在しないので、以下に示すような本発明の熱処理を行った際にウエーハ表面近傍からグローンイン析出核を消滅させてDZ層を安定して形成することができる。また、シリコン単結晶を育成する際に窒素を添加する必要がないので、結晶育成工程が複雑にならず、作業や管理などが簡便になるという利点を有する。
尚、本発明では、シリコン単結晶からシリコンウエーハを作製する方法も特に限定されず、例えばシリコン単結晶からシリコンウエーハをスライスした後、従来行われているような面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨等の各工程を順次施すことによって、シリコンウエーハを容易に作製することができる。
次に、上記のように作製したシリコンウエーハを、例えば500℃以上700℃以下の温度T11℃に維持されている熱処理炉に投入した後(図1のステップ102)、図2に示すように、その温度T11℃で所定時間t11保持する(図1のステップ103)。このように温度T11℃で所定時間t11保持することにより、単結晶の育成で形成されたウエーハ中のグローンイン析出核を成長させて、ウエーハバルク部に存在する析出核を消滅させにくくすることができ、さらに新たな酸素析出核をウエーハに発生させることができる。
このとき、保持温度T11は、グローンイン析出核を成長させることが出来る温度であれば、低い温度であるほど熱処理後のアニールウエーハにおける酸素析出物の密度を高めることができるが、工程時間が長くなって生産性の低下を招く恐れがあるので、温度T11は500℃以上にすることが望ましい。また一方、温度T11が700℃を超える温度にすると、酸素析出物の密度を十分に高めることができなくなる恐れがある。
さらにこの場合、シリコンウエーハを温度T11で保持する時間t11は15分以上とすることが好ましく、それによって、グローンイン析出核をより消滅しにくくすることができるとともに、新たな酸素析出核を効果的にウエーハに発生させて、酸素析出核をより高密度に形成することができる。また、保持時間t11を余り長くし過ぎると全体の工程時間が長くなり、生産性に影響を及ぼすことが考えられるため、保持時間t11はおよそ60分以下とすることが好ましい。尚、このようにシリコンウエーハを温度T11で保持する場合、一定温度に高精度に保持するだけに限らず、条件に応じて温度T11付近で若干の温度変化(例えば±100℃程度の昇温、降温等)を伴うこともできる。すなわち、温度T11は、500℃以上700℃以下であれば良いので、温度を保持する場合はこの温度範囲で保持すれば良く、必ずしも一定の温度とする必要はない。つまり、本発明でいう温度T11℃で所定時間保持するとは、このように温度T11500〜700℃の範囲内で変動させて保持する場合を含む。
次に、500℃以上700℃以下の温度T11で保持したシリコンウエーハを、図2に示すように、5℃/分以下の昇温速度で1000℃以上1230℃以下の温度T12℃まで昇温する(ステップ104)。このように、シリコンウエーハを5℃/分以下の速度で昇温することにより、ウエーハに存在する高密度のグローンイン析出核を極力消滅させずに効率的に成長させることができ、特に昇温速度を低速にするほど析出物密度を高めることができる。したがって、このように昇温工程を行うことにより、単結晶を育成する際に形成されたグローンイン析出核を効果的に成長させることができるので、例えば酸素析出核をウエーハに新たに形成するための熱処理工程を別途に行わなくても析出物密度を十分に高くすることができるし、さらに、全体の工程時間の短縮を図ることができる。このとき、温度T11から温度T12℃まで昇温する速度が5℃/分を越えるような高速になると、グローンイン析出核が成長できずに消滅してしまう割合が高くなり、酸素析出物の密度が十分に得られない場合がある。また一方、あまり低速過ぎると工程時間が必要以上に長くなるので、昇温速度は約1℃/分以上とすることが好ましい。
尚、本発明において、上記温度T11が低いほど、また温度T11での保持時間t11が長いほど、さらに温度T11から温度T12までの昇温速度が遅いほど、シリコンウエーハに新たな酸素析出核を形成させ易く、熱処理後のアニールウエーハにおける酸素析出物の密度を高くすることができ、所望するアニールウエーハの品質に応じて、温度T11、保持時間t11、及び温度T11から温度T12までの昇温速度を適宜設定することができる。
そして、上記のようにシリコンウエーハを1000℃以上1230℃以下の温度T12℃まで昇温した後、その温度T12℃で所定時間t12保持する(ステップ105)。このように温度T12で所定時間保持することにより、ウエーハバルク中の酸素析出物をさらに成長させてゲッタリング能力を有するサイズまで大きくすると同時にウエーハ表面近傍の酸素を外方拡散させて酸素析出核を消滅させ、ウエーハ表層部に酸素析出物のないDZ層を形成することができる。
このとき、上記温度T12が1000℃よりも低くなると、ウエーハバルク部の酸素析出物を大きく成長させるための時間が長くなり、全体の工程時間が長くなってしまう。一方、この温度T12を高くするほど酸素析出物を所望のサイズ、すなわちゲッタリング能力を有するサイズまで成長させる時間が短くなり、全体の工程時間を短くすることができるが、約1230℃を超える高温では熱処理炉からの金属汚染が顕著に発生する恐れがあるため、温度T12は1230℃以下とすることが好ましい。さらに、熱処理中にウエーハに生じるスリップ転位の発生を抑制するためには、温度T12は1200℃以下、さらには1150℃以下とすることがより好ましく、このように1200℃以下、さらには1150℃以下の温度でシリコンウエーハを保持することにより、ウエーハバルク部の酸素析出物を成長させると同時にウエーハ表層部にDZ層を形成できるので、従来ではスリップ転位の発生し易かった直径200mm以上の大口径ウエーハを熱処理する場合に特に有効となる。
また、この温度T12で保持する時間t12は、ウエーハバルク部のグローンイン析出核をゲッタリング能力を有するサイズに確実に成長させるため、また、ウエーハ表層部に十分な幅をもつDZ層を形成するために30分以上とすることが好ましい。保持時間t12をこのように30分、またはそれ以上に長くすることにより、バルク部の酸素析出物のサイズを大きくして、直径30nm〜40nm程度、さらには約50nm以上のサイズを有するように成長させることができるし、またそれと同時に、ウエーハ表面近傍にDZ幅を形成してその幅を広げることができる。しかしながら、時間t12が長くなり過ぎると生産性の低下を招く恐れがあるので、時間t12は約4時間以下、さらには約2時間以下とするのが好ましく、また成長させる酸素析出物のサイズは100nm以下とすることが好ましい。一方、保持時間t12が30分より短くなると、時間の僅かなばらつきにより所望のサイズの酸素析出物やDZ幅が得られなくなる可能性がある。
さらに、このような温度T12で保持する工程(ステップ105)は、シリコンウエーハを熱処理炉に投入してから温度T12℃まで昇温するまでの工程(ステップ102〜104)で成長したバルク中の酸素析出物をさらに成長させること、および表面近傍にDZ層を形成することを目的としている。従って、その目的が達成できるのであれば、一定温度に高精度に保持するだけに限らず、条件に応じて温度T12付近で若干の温度変化(例えば±100℃程度の昇温、降温等)を伴うこともできる。すなわち、温度T12は、1000℃以上1230℃以下であれば良いので、温度を保持する場合はこの温度範囲で保持すれば良く、必ずしも一定の温度とする必要はない。本発明でいう温度T12℃で所定時間保持するとは、このように温度T12を1000〜1230℃の範囲内で変動させて保持する場合を含む。さらに、本発明ではシリコンウエーハを高温で保持する温度T12及びその保持時間t12を調整することにより、アニールウエーハに形成される酸素析出物のサイズを容易に制御することができる。
上記のようにして熱処理を行った後、図2に示すように、例えば熱処理炉内の温度をT12℃から700℃までおよそ2℃/分程度の速度で降温した後(降温工程:ステップ106)、シリコンウエーハを熱処理炉外に取り出す(ステップ107)。なお、上記降温速度及び降温した後のウエーハ取り出し温度については特に限定されないが、例えばウエーハの降温時、または取り出し時に熱応力によるスリップ転位が発生しないような条件とすることが望ましい。
さらに、本発明では、上記熱処理を行う際の熱処理雰囲気も特に限定されない。例えば、酸素雰囲気、酸素と窒素の混合雰囲気、アルゴン雰囲気、水素雰囲気などで上記熱処理を行うことができる。特に、アルゴンや水素の非酸化性雰囲気の場合は、ウエーハ表面に酸化膜が形成されないので、酸化性雰囲気の場合と比べると酸素の外方拡散が促進され、より好ましい場合がある。
以上のようにして、Nv領域となるシリコンウエーハを作製した後、その作製したシリコンウエーハに上記の条件で熱処理を行うことによって、前記で説明した本発明のアニールウエーハ、すなわち、ウエーハ全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しないN領域であり、ウエーハ表面から少なくとも深さ5μmまでの領域における酸化膜耐圧特性の良品率が95%以上であり、且つ、ウエーハ内部における酸素析出物の密度が1×10/cm以上で、ウエーハ面内における酸素析出物の密度の最大値と最小値との比(最大値/最小値)の値が1〜10である高品質のアニールウエーハを容易にかつ安定して製造することができる。
また、本発明では、上記熱処理を施すシリコンウエーハとして、ウエーハの酸素濃度が14ppma以上であるものを使用することにより、ウエーハバルク部に酸素析出物を一層高密度で形成することができ、アニールウエーハに一層優れたIG能力を付加することができる。また、シリコンウエーハの酸素濃度を14ppma以上と高くすれば、酸素析出物の成長速度が速くなるので、全体の工程時間の短縮を図ることができるが、一方、シリコン単結晶製造の容易性を考慮すると、熱処理を施すシリコンウエーハの酸素濃度は23ppma以下、さらに17ppma以下とするのが好ましい。
次に、本発明の第2の態様に係るアニールウエーハの製造方法について説明する。
本発明の第2の態様に係るアニールウエーハの製造方法は、CZ法により育成したシリコン単結晶からシリコンウエーハを作製し、該作製したシリコンウエーハに熱処理を施してアニールウエーハを製造する方法において、前記シリコンウエーハとして、ウエーハの全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しない、原子空孔の多いNv領域となるシリコンウエーハを作製した後、該作製したシリコンウエーハに、少なくとも、温度T21℃から温度T22℃までR℃/分の昇温速度で昇温する昇温工程Aと、前記温度T22℃から温度T23℃まで前記昇温工程Aの昇温速度とは異なるR℃/分の昇温速度で昇温する昇温工程Bと、前記温度T23℃で所定時間t21保持する保持工程Cとを有する熱処理を行うことに特徴を有するものである。
以下、本発明の第2の態様に係るアニールウエーハの製造方法について、より具体的に説明する。ここで、図3は、本発明の第2の態様に係るアニールウエーハの製造方法を示すフロー図であり、また図4は、シリコンウエーハに施す熱処理のパターンを模式的に示す模式図である。
先ず、アニールウエーハの原料となるシリコンウエーハをCZ法で育成したシリコン単結晶から作製する(図3のステップ201)。シリコンウエーハの作製は、前述した第1の態様でウエーハを作製した方法(図1のステップ101)と同様の方法を用いて行うことができる。
次に、この作製したシリコンウエーハを、例えば温度T21℃に維持されている熱処理炉に投入した後(図3のステップ202)、図4に示すように、温度T21℃から温度T22℃までR℃/分の昇温速度で昇温する昇温工程Aを行う(図3のステップ203)。このように昇温工程Aを行うことにより、結晶成長工程で形成されたグローンイン析出核を極力消滅させることなく効率的に成長させて酸素析出物の密度を高めることができる。
このとき、上記温度T21が700℃を超える温度であると、ウエーハに存在するグローンイン析出核が消滅し易く、熱処理後のアニールウエーハにおける酸素析出物の濃度が十分に得られなくなる恐れがあるので、温度T21は700℃以下とすることが好ましい。また、温度T21は低くするほど成長可能なグローンイン析出核の密度が高くなるので酸素析出物の密度を一層高めることができるが、グローンイン析出核を成長させるのに必要な工程時間が長くなり、生産性の低下を招く恐れがあるので、温度T21は500℃以上とすることが好ましい。
また、昇温工程Aにおける温度T21から温度T22までの昇温速度Rが3℃/分を超えると、グローンイン析出核を十分に成長させることができず、その後の工程でグローンイン析出核が消滅してしまう恐れがあるので、昇温速度Rは3℃/分以下とすることが好ましい。また、昇温速度Rは低速であるほどグローンイン析出核が消滅せずに成長する割合が高くなるため望ましいが、あまり低速すぎると工程時間が長くなってしまい効率的でないので、昇温速度Rは0.5℃/分以上とすることが好ましい。
さらにこの場合、昇温後の温度T22を800℃以上1000℃以下とすることが好ましい。この温度T22が、800℃未満であると昇温工程Aにおいてグローンイン析出核が十分に成長できず、その後の昇温工程B1で消滅する割合が高くなり、酸素析出物の密度が十分に得られない場合がある。一方、温度T22が1000℃を越える温度であると、ウエーハ表面近傍のグローンイン析出核も大きく成長してしまい、その後の昇温工程B及び保持工程Cを経ても酸素析出物が表面近傍に残存して、ウエーハ表層部にDZ層を形成できず、酸化膜耐圧特性の低下を招く恐れがある。
また、本発明では、この昇温工程Aを行う前に温度T21で30分以上保持することが好ましい。このように、昇温工程Aの前にシリコンウエーハを温度T21で30分以上保持することにより、グローンイン析出核を一層消滅しにくくすることができ、さらにグローンイン析出核に加えて新たな酸素析出核を効果的に発生させて、シリコンウエーハに一層高密度の酸素析出核を形成することができる。このとき、温度T21での保持時間を長くし過ぎると工程時間が必要以上に長くなるので、約4時間以下とすることが好ましい。尚、このようにシリコンウエーハを温度T21で保持する場合、一定温度に高精度に保持するだけに限らず、条件に応じて温度T21付近で若干の温度変化を伴うこともできる。すなわち、温度T21は700℃以下であれば、必ずしも一定の温度とする必要はなく、700℃以下の範囲で変動させて保持する場合を含む。
上記昇温工程Aを行った後、図4に示すように、温度T22℃から温度T23℃まで昇温工程Aよりも速いR℃/分の昇温速度で昇温する昇温工程Bを行う(図3のステップ204)。このように昇温工程Bを行うことにより、ウエーハ表面近傍における酸素析出物の成長を抑制して短時間で高温の温度T23まで昇温することができ、ウエーハ表層部の酸素析出物が必要以上に成長するのを抑制して、その後の保持工程Cでウエーハ表面近傍の酸素析出物を消滅し易くすることができる。
このとき、温度T22から温度T23までの昇温速度Rが、5℃/分未満であると表面近傍の酸素析出物が大きく成長してしまい、その後の保持工程Cにおいて消滅しにくくなる恐れがあるので、昇温工程Bにおける昇温速度Rは5℃/分以上とすることが好ましい。また一方、昇温速度Rが高速過ぎるとウエーハバルク部の酸素析出物も保持工程Cで消滅する恐れがあり、酸素析出物密度が低下してしまうことが考えられるので、昇温速度Rは10℃/分以下であることが望ましい。
またこの昇温工程Bでは、昇温後の温度T23を1050℃以上1230℃以下とすることが好ましい。温度T23が1050℃未満の場合、保持工程Cでバルク部の酸素析出物を所望のサイズに成長させるために長い時間が必要となり、生産性の低下を招く恐れがあるが、このように温度T23を1050℃以上とすることにより、保持工程Cにおいてバルク部の酸素析出物を効率的に十分な大きさに成長させるとともに、表面近傍の酸素を外方拡散させて表面近傍の酸素析出核を消滅させることができる。また、温度T23が高くなるほどバルク部の酸素析出物が大きくなり、またDZ幅が広くなるものの、1230℃を越える高温では熱処理炉からの金属汚染が発生する恐れがあるので、温度T23は1230℃以下とすることが好ましい。さらに、熱処理中にウエーハに生じるスリップ転位の発生を抑制するためには、温度T23は1200℃以下、さらには1150℃以下とすることがより好ましい。
そして、昇温工程Bを行った後、図4に示すように、温度T23℃で所定時間t21保持する保持工程Cを行う(図3のステップ205)。このように保持工程Cを行うことにより、上記の昇温工程A及び昇温工程Bで成長した微小な酸素析出物をウエーハバルク部ではIG能力を有するようなサイズ、例えば直径約40nm以上、さらには直径約50nm以上のサイズに成長させることができ、またウエーハ表面近傍では酸素析出物をより完全に消滅させることができるので、極めて高品質のDZ層を効率的に形成することができる。
このとき、保持工程Cの保持時間t21が30分より短くなると、時間の僅かなばらつきにより所望のサイズの酸素析出物やDZ幅が得られなくなる可能性があるので、保持時間t21は30分以上とすることが好ましい。また、この保持時間t21が長くなるほどバルク部の酸素析出物のサイズが大きくなり、またDZ幅が広くなるため好ましいが、アニールウエーハの生産性を考慮すると、保持時間t21は約4時間以下とするのが望ましい。
また、この保持工程Cにおいて、シリコンウエーハを高温で保持する温度T23及び保持時間t21を調整することにより、アニールウエーハのバルク部に形成される酸素析出物のサイズやウエーハ表層部のDZ幅を容易に制御することができ、所望の品質を有するアニールウエーハを効率的に安定して得ることができる。尚、保持工程Cでは、前記本発明の第1の態様に係る方法と同様に、一定の温度T23で高精度に保持するだけに限らず、条件に応じて温度T23付近で若干の温度変化(例えば±100℃程度の昇温、降温等)を伴うこともできる。すなわち、温度T23は、1050℃以上1230℃以下であれば良いので、温度を保持する場合はこの温度範囲で保持すれば良く、必ずしも一定の温度とする必要はない。本発明でいう温度T23℃で所定時間保持するとは、このように温度T23を1050〜1230℃の範囲内で変動させて保持する場合を含む。
上記のようにして熱処理を行った後、図4に示すように、例えば温度T23℃から700℃までおよそ3℃/分程度の速度で降温した後(降温工程:ステップ206)、シリコンウエーハを熱処理炉外に取り出す(ステップ207)。なお、上記降温速度及び降温した後のウエーハ取り出し温度については特に限定されないが、例えばウエーハの降温時、または取り出し時に熱応力によるスリップ転位が発生しないような条件とすることが望ましい。さらに、本発明では、熱処理を行う際の熱処理雰囲気も前記第1の態様と同様に特に限定されない。
また、本発明の第2の態様に係るアニールウエーハの製造方法において、例えば上記の昇温工程Aと昇温工程Bの間、及び昇温工程Bと保持工程Cの間においてウエーハを熱処理炉外に取り出して、昇温工程A、昇温工程B及び保持工程Cを個々に行うこともできるが、本発明では、これらの昇温工程A、昇温工程B、及び保持工程Cを連続して行うことが好ましく、それにより、熱処理工程全体の工程時間を短縮でき、熱処理工程の効率化や生産性の向上を図ることができる。
以上のようにして、Nv領域となるシリコンウエーハを作製した後、その作製したシリコンウエーハに、少なくとも昇温工程A、昇温工程B及び保持工程Cを有する熱処理を行うことによって、前記本発明のアニールウエーハを容易にかつ安定して製造することができる。
またこの場合、上記熱処理を施すシリコンウエーハとして、ウエーハの酸素濃度が14ppma以上であるものを使用することが好ましく、それにより、ウエーハバルク部に酸素析出物を一層高密度で形成することができ、アニールウエーハに一層優れたIG能力を付加することができる。さらに、シリコンウエーハの酸素濃度を14ppma以上と高くすれば、酸素析出物の成長速度が速くなるので、全体の工程時間の短縮を図ることができる。しかしながら、シリコンウエーハの酸素濃度を高くし過ぎてしまうと、シリコンウエーハに熱処理を行った際にウエーハ表面近傍の酸素析出物が高温で消滅しにくくなる恐れがあるし、またシリコン単結晶の製造が困難になる可能性も考えられるので、熱処理を施すシリコンウエーハの酸素濃度は23ppma以下、特に17ppma以下とするのが好ましい。
そして、上記本発明の第1の態様及び第2の態様に係るアニールウエーハの製造方法は、従来では熱処理でスリップ転位の発生し易かった直径200mm以上の大口径のアニールウエーハを製造する場合に特に好適に用いることができる。すなわち、本発明は、上述のようにウエーハ面内に大きなサイズの酸素析出物を高密度で均一に形成できるため、熱処理中に生じるスリップ転位がピンニングされる確率が高くなり、スリップ転位の発生を抑制できる。したがって、スリップ転位の発生し易い大口径のウエーハにおいて有効であり、スリップ転位の発生していない大口径のアニールウエーハ、特に今後の主流となる直径200mm、さらには300mm以上のアニールウエーハを、安定して高歩留まりで製造することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図5に示したような、冷却媒体を流して単結晶を強制冷却する冷却筒11を具備し、原料融液に水平方向の磁場を印加できる単結晶引き上げ装置20を使用して、24インチ石英ルツボにシリコン多結晶を150kgをチャージし、中心磁場強度4000ガウスの水平磁場を印加しながら直径200mm、方位<100>、酸素濃度が約15ppma(JEIDA)のシリコン単結晶を直胴部の長さが約130cmとなるように育成した。
このとき、育成する単結晶に窒素は添加せず、また単結晶面内の結晶温度勾配Gの差(すなわち、結晶中心部分の温度勾配Gcと結晶周辺部分の温度勾配Geの差)を小さく保つようにシリコン融液面と遮熱部材14の間隔を60mmとし、さらに結晶成長軸方向に対して結晶成長速度を徐々に低下させるようにして単結晶を育成した。
次に育成したシリコン単結晶を縦割りにしてサンプルを作製し、その縦割りサンプルを選択エッチングによってFPD、LEPDの発生状況を確認し、また1150℃で100分間の熱酸化処理を行いOSFの発生状況を確認した。そして、800℃、4時間後1000℃、16時間の析出熱処理を行いライフタイムマッピングなどから、シリコン単結晶の結晶欠陥領域を同定した。その結果を図7に示す。図7に示したように、冷却筒11の急冷効果により無欠陥領域、特にNv領域が非常に大きく広がっていることがわかる。
また、上記で作製した縦割りサンプルについて、成長軸方向に析出熱処理前の初期酸素濃度と析出熱処理後の析出酸素濃度とを測定し、この初期酸素濃度と析出熱処理後の析出酸素濃度との差である酸素析出量を求めた。図7に測定した初期酸素濃度と酸素析出量を表すグラフを示す。その結果、Nv領域では酸素析出量が1ppma(JEIDA)以上であるのに対し、Ni領域ではほとんど析出してないことがわかる。
次に、上記の結果を踏まえて、Nv領域のみの単結晶が得られるような成長速度でシリコン単結晶の引き上げを行った。このとき、初期酸素濃度は上記と同様に15ppmaとなるように製造条件を調整した。こうして得られたシリコン単結晶を成長軸方向に20cm間隔でサンプルウエーハを切り出し、切り出したサンプルウエーハについて面内を10mm間隔で初期酸素濃度を測定した。その後、このサンプルウエーハに800℃、4時間の熱処理後1000℃、16時間の析出熱処理を加え、熱処理起因の酸化膜を取り除いた後に、熱処理前と同じように酸素濃度を測定した。その結果、初期酸素濃度から析出熱処理後の酸素濃度を差し引いて求めた酸素析出量は、切り出した全てのサンプルウエーハにおいて、面内全ての測定点で1ppmaを上回った。このことから、今回育成したシリコン単結晶は単結晶直胴部の全域に亘り、全面Nv領域にすることができたと考えられる。
そして、上記のNv領域を有するシリコン単結晶からウエーハをスライスした後、面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨を施して鏡面研磨シリコンウエーハを作製し、そのウエーハに対してアルゴン雰囲気下で以下の熱処理を施した。すなわち、シリコンウエーハを700℃に加熱した熱処理炉に投入してから30分間保持した後、900℃まで3℃/分の速度で昇温し、さらに1150℃まで5℃/分の速度で昇温し、1150℃で2時間保持した。その後、熱処理炉内温度を700℃まで3℃/分の速度で降温してから、ウエーハを熱処理炉から取り出した。
上記の熱処理を行ったアニールウエーハについて、ウエーハ内部の酸素析出物(BMD)の密度を赤外散乱トモグラフ法により10mm間隔で測定し、面内分布を調査した。この赤外散乱トモグラフ法によれば、直径40nm以上のサイズを有する酸素析出物を検出することができる。その結果を図9に示す。
図9に示したように、ウエーハ面内の全ての測定点で酸素析出物の密度は1×10/cm以上となり、また、このときのウエーハ面内における酸素析出物の密度の最大値と最小値との比(最大値/最小値)の値は2.7であり、ウエーハバルク部に酸素析出物が面内均一に高密度で存在していることがわかった。
さらに、上記で製造したアニールウエーハの酸化膜耐圧特性を調べるために、ウエーハに乾燥雰囲気中で熱酸化処理を行って25nmのゲート酸化膜を形成し、その上に8mmの電極面積を有するリンをドープしたポリシリコン電極を形成した。そして、この酸化膜上に形成したポリシリコン電極に電圧を印加し、判定電流値を1mA/cm、絶縁破壊電界を8MV/cm以上としてTZDB評価を行った。その結果、酸化膜耐圧特性の良品率は100%であることがわかった。
さらに、上記で製造した別のアニールウエーハを機械的化学的研磨により表面から5μm研磨加工した後、上記と同様のTZDB評価を行った。その結果、酸化膜耐圧特性の良品率は97%であった。
(比較例)
次に、図5に示した単結晶引き上げ装置20から冷却筒11を取り外し、この冷却筒11を具備してない単結晶引き上げ装置を使用して、24インチ石英ルツボにシリコン多結晶を150kgをチャージし、中心磁場強度4000ガウスの水平磁場を印加しながら直径200mm、方位<100>、酸素濃度が約15ppma(JEIDA)のシリコン単結晶を上記実施例と同様に結晶成長速度を徐々に低下させるようにして育成した。ここで、上記実施例と比較例で用いた単結晶引き上げ装置の温度分布を解析した結果を図6に示す。図6に示したように、比較例の単結晶引き上げ装置は、冷却筒を具備する実施例に比較して急冷の度合いが低いことが確認できる。
続いて、上記実施例と同様に、育成したシリコン単結晶から縦割りサンプルを作製し、シリコン単結晶の結晶欠陥領域を同定した。その結果を図8に示す。図8に示したように、上記実施例に比較して無欠陥領域(N領域)が非常に狭く、全面がNv領域となる単結晶を育成することが殆どできないことがわかる。
次に、上記の結果を踏まえて、Nv領域とNi領域の両方が存在する無欠陥領域を有する単結晶が得られるような成長速度でシリコン単結晶の引き上げを行った。このとき、初期酸素濃度は15ppmaとなるように製造条件を調整した。こうして得られたシリコン単結晶を成長軸方向に20cm間隔でサンプルウエーハを切り出し、上記実施例と同様の方法で酸素析出量を求めた。
その結果、切り出されたいずれのサンプルウエーハも酸素析出量が1ppmaを面内全ての測定点で上回ることはなく、酸素析出量が1ppma以上の部分とほとんど析出していない部分が存在していた。このことから、今回育成したシリコン単結晶は結晶全域に亘り、Nv領域とNi領域が共存していると考えられる。
そして、このNv領域とNi領域とを有するシリコン単結晶から実施例と同様に鏡面研磨シリコンウエーハを作製し、実施例と同様の条件で熱処理を施した。そして、熱処理を行ったアニールウエーハについて、ウエーハ内部の酸素析出物(BMD)の密度を赤外散乱トモグラフ法により10mm間隔で測定し、面内分布を調査した。その結果を図9に重ねて示す。
図9に示したように、比較例で製造したアニールウエーハは、面内全ての測定点で酸素析出物密度は1×10/cm以上とはならずに、低い酸素析出物密度を示す部分があった。また、このときのウエーハ面内における酸素析出物の密度の最大値と最小値との比(最大値/最小値)の値は25となり、酸素析出物密度の面内分布は不均一であった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の第1の態様に係るアニールウエーハの製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明の第1の態様においてシリコンウエーハに施す熱処理のパターンを模式的に示す模式図である。 本発明の第2の態様に係るアニールウエーハの製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明の第2の態様においてシリコンウエーハに施す熱処理のパターンを模式的に示す模式図である。 本発明のアニールウエーハの製造方法で用いることのできる単結晶引上げ装置の一例を示す構成概略図である。 実施例で使用した単結晶引上げ装置と、比較例で使用した単結晶引上げ装置の温度分布を示すグラフである。 実施例の縦割りサンプルについて、結晶欠陥領域を同定した結果と初期酸素濃度及び酸素析出量を求めた結果を示す図である。 比較例の縦割りサンプルについて結晶欠陥領域を同定した結果を示す図である。 実施例及び比較例で製造したアニールウエーハにおける酸素析出物(BMD)の密度の値及び面内分布を示すグラフである。
符号の説明
1…メインチャンバ、 2…引上げチャンバ、
3…単結晶(シリコン単結晶)、 4…原料融液(シリコン融液)、
5…石英ルツボ、 6…黒鉛ルツボ、
7…加熱ヒーター、 8…断熱材、
9…ガス流出口、 10…ガス導入口、 11…冷却筒、
12…冷媒導入口、 13…ガス整流筒、 14…遮熱部材、
16…ワイヤー、 17…種結晶、
18…種ホルダー、 19…保持軸、 20…単結晶引上げ装置。

Claims (6)

  1. チョクラルスキー法により窒素を添加せずに育成されたシリコン単結晶から作製したシリコンウエーハに熱処理を施したアニールウエーハであって、前記シリコンウエーハの全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しない、原子空孔の多いNv領域のものであり、該シリコンウエーハに熱処理を施したものでありウエーハ表面から少なくとも深さ5μmまでの領域におけるTZDB特性の良品率が95%以上であり、且つ、ウエーハ内部における直径40nm以上のサイズを有する酸素析出物の密度が1×10/cm以上で、ウエーハ面内における酸素析出物の密度の最大値と最小値との比(最大値/最小値)の値が1〜10であることを特徴とするアニールウエーハ。
  2. 前記アニールウエーハの直径が200mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のアニールウエーハ。
  3. チョクラルスキー法により窒素を添加せずに育成したシリコン単結晶から酸素濃度が14ppma以上のシリコンウエーハを作製し、該作製したシリコンウエーハに熱処理を施してアニールウエーハを製造する方法において、前記シリコンウエーハとして、ウエーハの全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しない、原子空孔の多いNv領域となるシリコンウエーハを作製した後、該作製したシリコンウエーハに、少なくとも、500℃以上700℃以下の温度T11℃で15分以上の所定時間t11保持し、次に5℃/分以下の昇温速度で1000℃以上1230℃以下の温度T12℃まで昇温し、その後、該温度T12℃で30分以上の所定時間t12保持する熱処理を行うことを特徴とするアニールウエーハの製造方法。
  4. チョクラルスキー法により窒素を添加せずに育成したシリコン単結晶から酸素濃度が14ppma以上のシリコンウエーハを作製し、該作製したシリコンウエーハに熱処理を施してアニールウエーハを製造する方法において、前記シリコンウエーハとして、ウエーハの全面がグローンイン欠陥もOSFも存在しない、原子空孔の多いNv領域となるシリコンウエーハを作製した後、該作製したシリコンウエーハに、少なくとも、700℃以下の温度T 21 ℃で30分以上保持し、前記温度T21℃から800℃以上1000℃以下の温度T22℃まで3℃/分以下の昇温速度R℃/分で昇温する昇温工程Aと、前記温度T22℃から1050℃以上1230℃以下の温度T23℃まで前記昇温工程Aの昇温速度とは異なる5℃/分以上の昇温速度R℃/分で昇温する昇温工程Bと、前記温度T23℃で30分以上の所定時間t21保持する保持工程Cとを有する熱処理を行うことを特徴とするアニールウエーハの製造方法。
  5. 前記昇温工程A、昇温工程B、及び保持工程Cを連続して行うことを特徴とする請求項4に記載のアニールウエーハの製造方法。
  6. 前記製造するアニールウエーハの直径を200mm以上とすることを特徴とする請求項3ないし請求項のいずれか一項に記載のアニールウエーハの製造方法。


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