JP4853562B2 - 洗濯機 - Google Patents

Description

本発明は、洗剤収容容器とこの洗剤収容容器に給水する注水蓋体とを備える洗濯機に関するものである。

従来の、この種の洗濯機は、洗濯機本体上部に水道からの給水を供給する給水弁から、洗剤を収納した洗剤収容容器を経由して水槽内に給水する構成が一般的である（例えば、特許文献１参照）。

図６は、特許文献１に記載された従来のドラム式洗濯機の縦断面図で、図７は、同従来ドラム式洗濯機の洗剤収容部の構成を示す側面図である。

図６において、ドラム式洗濯機では、駆動モータ６１で回転され略水平方向または傾斜方向に回転軸を有する回転ドラム（洗濯兼脱水槽）６２と、回転ドラム６２を内包した水槽（外槽）６３を構成し、上方に洗剤投入構造６４を配置する。

図７において、この洗剤投入構造６４を説明する。洗剤投入構造６４は、洗剤投入部枠体６５と、洗剤収容容器６８とその上部を閉じる注水蓋体６６とを備え、洗剤投入部枠体６５の下部には水槽６３に接続する給水ホース７０が連結され、洗剤投入部枠体６５には洗剤収容容器６８が引き出し可能に収容される。また、洗剤投入部枠体６５の側面には給水受口６７からの水を止水または給水する給水弁６９を備える。

洗剤収容容器６８に洗剤や仕上剤をセットし、給水弁６９を開くことで、水が給水弁６９から洗剤投入部枠体６５の一部を経由し、上部の注水蓋体６６内に供給される。給水された水は注水蓋体６６に設けられた複数の注水穴（図示せず）から洗剤収容容器６８内方に注水され、洗剤収容容器６８に投入されている洗剤と混合して洗剤混合水となる。この剤混合水は、溢水部７１等から底部に接続された給水ホース７０内を通り、水槽６３内に給水される。上記のような構成で、洗剤の投入、および給水が行われる。しかし、上記構成では洗剤投入部へ高圧にて給水を行う場合、溢水部７１から流出する容量能力以上の給水が行われると洗剤収容容器６８から溢れた水が洗濯機前面へ漏れてくる問題があった。それを防止するため、シール部材を取り付けて溢水を防止する構成や、注水蓋体６６に洗剤収容容器６８内に供給しないバイパスの水抜き穴を設けて水の一部を給水しないことで、洗剤収容容器６８への水吐出量を減らす構成などが提案されている。

特開２００７−６８８０１号公報

しかしながら、前記シール部材を取り付ける構成では、作業性やコスト的な課題に加えて、その水封耐久性に課題があり、また、注水蓋体にバイパスの水抜き穴を設けて、洗剤収容容器への水吐出圧を下げるなどの構成では、低水圧時に洗剤収容容器への給水量が減少してしまい、洗剤を溶解流出しきれない場合に、洗剤残りの不良を起こすなどの課題があった。

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、洗剤残りを解消しつつ水漏れの危険性の
ない洗剤収容容器を持つ洗濯機を提供することを目的とする。

上記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを内包する水槽と、前記水槽の上方に設けられ、洗剤を収納する洗剤収容容器と、前記洗剤収容容器に注水を行う注水蓋体と、前記洗剤収容容器を引き出し自在に収容する空間部を構成する洗剤投入部枠体と、前記注水蓋体への給水の制御を行う給水弁と、前記洗剤投入部枠体の底部に設けられ前記水槽に連通する給水経路とを備えた洗濯機であって、前記洗剤収容容器は、前記洗剤を収容する洗剤収容部と、前記洗剤を排出する前記空間部に連通する投入路と、前記洗剤収容部の引き出し方向側に設けた有底の凹状の回収溝と、前記回収溝と連通するように設けた回収通路とを有し、前記回収通路は前記投入路と連通していることを特徴とするものである。

これによって、注水蓋体から洗剤収容部へ給水された水が前方側へ溢れた場合にも、回収溝から回収通路を経て、洗剤投入部枠体内に回収することが可能となり、シール部材の追加によるコストアップなしに水漏れの防止が可能となる。また、水漏れの危険性がなくなったことで、バイパスの水抜き穴も不要となり注水蓋体から洗剤収容部への給水量を増やすことも可能となり、それにより、低圧給水時の洗剤残りの危険性も回避できる。加えて、給水量を増やすことにより、給水時間を短くすることもでき、時間短縮にもつながる。

本発明の洗濯機の洗剤収容容器の構成によれば、シール部材の追加によるコストアップなしに水漏れの防止ができ、かつ低圧給水時の洗剤残りを解決することができる。

本発明の実施の形態１における洗濯機の縦断面図 同洗濯機の洗剤投入部枠体部分の側面断面図 同洗濯機の洗剤投入部枠体部分の構造の分解斜視図 同洗濯機の洗剤投入部枠体部分の動作側面断面図 本発明の実施の形態２における洗濯機の洗剤投入部枠体部分の構造の分解斜視図 従来の洗濯機の縦断面図 従来の洗濯機の洗剤収容部の構成を示す側面図

第１の発明は、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを内包する水槽と、前記水槽の上方に設けられ、洗剤を収納する洗剤収容容器と、前記洗剤収容容器に注水を行う注水蓋体と、前記洗剤収容容器を引き出し自在に収容する空間部を構成する洗剤投入部枠体と、前記注水蓋体への給水の制御を行う給水弁と、前記洗剤投入部枠体の底部に設けられ前記水槽に連通する給水経路とを備えた洗濯機であって、
前記洗剤収容容器は、前記洗剤を収容する洗剤収容部と、前記洗剤を排出する前記空間部に連通する投入路と、前記洗剤収容部の引き出し方向側に設けた有底の凹状の回収溝と、前記回収溝と連通するように設けた回収通路とを有し、前記回収通路は前記投入路と連通していることを特徴とする洗濯機とすることにより、注水蓋体から洗剤収容部へ給水された水が前方側へ溢れた場合に、前記回収溝から前記回収通路を経て、前記洗剤投入部枠体内に回収することが可能となり、シール部材の追加によるコストアップなしに水漏れの防止が可能となる。また、水漏れの危険性がなくなったことで、注水蓋体から洗剤投入部への給水量を増やすことも可能となり、それにより、低圧給水時の洗剤残りの危険性も回避できる。加えて、給水量を増やすことにより、給水時間を短くすることもでき、時間短縮
にもつながる。

第２の発明は、特に、第１の発明の前記回収通路は、前記洗剤収容部である洗濯機とすることにより、注水蓋体から洗剤収容部へ給水された水が前方側へ溢れた場合にも、液体洗剤収容部または粉末洗剤収容部を経て、前記洗剤投入部枠体内に回収することが可能となり、水漏れの防止が可能となるとともに、回収通路を液体または粉末洗剤収容部として使用しているため、洗剤収容容器の小型化を図ることができる。

第３の発明は、特に、第１または第２の発明の洗剤収容容器は、洗剤投入部枠体から通常使用状態で引き出されたときに、前記投入路が、前記洗剤投入部枠体の空間部に位置するように構成した洗濯機とすることにより、注水蓋体から洗剤収容部へ給水された水が前方側へ溢れた場合にも、前記回収溝から前記回収通路を経て、前記洗剤投入部枠体内に回収することができるとともに、洗剤を洗剤収容容器に投入するため、洗剤収容容器を洗剤投入部枠体から引き出した場合に、回収溝や回収通路に残存した水は洗剤投入部枠体内に滴下するので、外部への水の滴下を防ぐことができる。

第４の発明は、特に、第１の発明の前記洗剤投入枠体の上縁部にリブを備え、前記リブの上端部が前記注水蓋体に接触している洗濯機とすることにより、注水蓋体から洗剤収容容器に高水圧の注水がなされ水が飛び跳ねるような状態でも、リブにより、洗剤投入部枠体外方に水が飛散することが防止される。

第５の発明は、特に、第４の発明の前記洗剤投入枠体の前記リブの外周に溝をさらに備え、前記リブは、前記溝と前記洗剤投入枠体の空間部とを連通する切欠き部を備える洗濯機とすることにより、また、リブの先端と、注水蓋体の下面との微小な隙間から滲み出した微少量の水分も、洗剤投入部枠体外方に滴下することなく外周部に形成した溝で回収し、切欠き部から洗剤投入部枠体の内方に戻すことができる。このように、上方に開口を有する洗剤収容容器の前方からの水漏れを防止する構成以外に、洗剤投入部枠体の上周縁部からの水漏れを解消できる。これにより、この洗剤投入部枠体の上周縁部もシール部材の追加によるコストアップなしに、洗剤投入部枠体から外方への水漏れを解消できる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

（実施の形態１）
図１は、本発明の第１の実施の形態における洗濯機の縦断面図である。図１において左方が洗濯機前方を示している。図２は同洗濯機の洗剤投入部枠体部分の側面断面図である。図３は同洗濯機の洗剤投入部枠体部分の構造の分解斜視図である。

図１において、洗濯機１は、回転ドラム４および水槽３を内設した洗濯機筐体２を有する。水槽３の上方部には、上方に開口を有する有底の断面略コの字状箱体の洗剤投入部枠体４０が設けられている。さらに洗剤投入部枠体４０の上方には注水蓋体３０が設けられている。洗剤投入部枠体４０内の空間部４０ｄに洗剤収容容器２１を引き出し自在に収納している。注水蓋体３０には、洗剤収容容器２１に給水する第１の給水路３１と第２の給水路３２が設けられている。第１の給水路３１と第２の給水路３２には給水弁７が接続されており、給水弁７の開閉により水が給水される。洗剤投入部枠体４０の底部には、給水経路２６が接続されており、給水経路２６は水槽３へと接続される。

図２において、洗剤投入部枠体部分をさらに詳しく説明する。洗剤収容容器２１は、洗剤投入部枠体４０に、引き出し自在に収納されている。洗剤収容容器２１は、取っ手２５を備えており、取っ手２５による操作で自在に引き出し可能となっている。洗剤収容容器
２１は、粉末合成洗剤を収容する粉末洗剤収容部２２と、液体洗剤や液体漂白剤を収容する液体洗剤収容部２３と、液体仕上剤を収容する液体仕上剤収容部２４とを備えている。注水蓋体３０は、洗剤収容容器２１に供給する水の通水路となる通水空間部３７と、その底面に多数の小孔を形成した注水口３３とを有する。通水空間部３７は、ポリプロピレン樹脂等で構成した２枚の樹脂成形板が熱溶着されることで形成されている。また通水空間部３７は、粉末洗剤収容部２２と液体洗剤収容部２３に水を供給する第１の給水路３１と、液体仕上剤収容部２４に水を供給する第２の給水路３２とを備える。

粉末洗剤収容部２２の下流側には粉末洗剤投入路２２ａが形成され、液体洗剤収容部２３の下流側外底部には液体洗剤投入路２３ａが形成され、液体仕上剤収容部２４の外底部下流側には液体仕上剤投入路２４ａが形成されている。

また、洗剤投入部枠体４０は、その底部に洗剤液供給路４１を一体形成している。給水弁７から給水された水に希釈されて矢印Ａ、矢印Ｂのように、洗剤液が各洗剤投入路から、空間部４０ｄを通って洗剤液供給路４１へ流れる様に構成している。さらに、洗剤混合液は、洗剤液供給路４１からこの洗剤液供給路４１に接続された給水経路２６を経由して、水槽３内に供給される。

図３の分解斜視図は、洗剤投入部枠体４０から、洗剤収容容器２１を所定位置以上に引き出し、かつ、注水蓋体３０を上方に取外した分解状態を示している。

図３において、注水蓋体３０の後方（図の左方）には、第１の給水路３１および第２の給水路３２が形成されている。また、洗剤投入部枠体４０は、一方が開放して洗剤収容容器２１の引き出し用開放部となる有底の平面コの字状箱体に形成されている。

洗剤収容容器２１は、図３で左側が粉末洗剤収容部２２、その引き出し方向側（本実施の形態１における洗濯機の前方側、図３の右側）に液体洗剤収容部２３と液体仕上剤収容部２４および回収通路１９が並列状態に配置されている。洗濯時には、水が注水蓋体３０の第１の給水路３１から粉末洗剤収容部２２、液体洗剤収容部２３に給水される。すすぎ時には、水が第２の給水路３２から液体仕上剤収容部２４に給水される。

液体仕上剤収容部２４は、底部に所定の高さを有する中空状のパイプ２４ｂが形成されている。パイプ２４ｂは、上端が開放され、下端が液体仕上剤投入路２４ａに対して開放されている。液体仕上剤収容部２４には、パイプ２４ｂの対応位置にキャップ状の円筒部２４ｃを有する液体仕上剤収容部蓋体２４ｄを上方より被せている。円筒部２４ｃの下端部と液体仕上剤収容部２４の底部との間は所定の隙間を有しており、円筒部２４ｃの内上面とパイプ２４ｂの上端部との間は所定の隙間を有している。この構成によって、液体仕上剤収容部２４に給水されると、サイフォン効果により、給水された水は、円筒部２４ｃの内面とパイプ２４ｂの外面との間を上昇し、パイプ２４ｂの内部を通って液体仕上剤投入路２４ａに落下することとなる。

液体洗剤収容部２３および液体仕上剤収容部２４の引き出し方向側（図３の右側）の取っ手２５との間には、有底の凹状の回収溝５０を有している。回収溝５０は、液体洗剤収容部２３の側方に設けた回収通路１９と切欠き部２０で連通している。

回収通路１９は、洗剤収容容器２１下流側外底部の液体洗剤投入路２３ａまたは液体仕上剤投入路２４ａに連通して排出の出口となる。

また、洗剤投入部枠体４０の上縁部にラビリンスリブ４０ａを上方から見てコの字の３辺に形成し、かつラビリンスリブ４０ａの上端部を注水蓋体３０の下面に接触させ、その
外周には溝４０ｂを巻きまわすように構成している。また、溝４０ｂは、洗剤投入部枠体４０内側に通じるように、図３における奥側の辺に２箇所、それ以外の２辺に各１箇所、合計４箇所の切欠き部４０ｃを形成している。

本実施の形態１において、洗剤収容容器を引き出した状態を、図４を用いて説明する。図４は、本実施の形態１の洗濯機の洗剤投入部枠体部分の動作側面断面図であり、洗剤収容容器を通常使用状態の所定位置に引き出した状態である。通常使用の所定位置に引き出した状態とは、使用者が、洗濯開始前などに洗剤収容容器２１を洗濯機筐体２より手前に引き出し、洗剤類を投入する場合である。引き出した状態で上方（矢印Ｃ方向）から、洗剤収容容器２１の液体洗剤収容部２３や、粉末洗剤収容部２２に所定量の洗剤等を投入する。

このように、洗剤収容容器２１が、取っ手２５を操作して洗剤投入部枠体４０から通常使用の所定位置に引き出されたときに、液体洗剤収容部２３、液体仕上剤収容部２４および回収溝５０の出口である液体洗剤投入路２３ａ、または液体仕上剤投入路２４ａが、洗剤投入部枠体４０の空間部４０ｄより飛び出さず、内方に位置するように構成する。

以上のように構成された洗濯機について、以下、その動作を説明する。洗剤収容容器２１の、粉末洗剤収容部２２、液体洗剤収容部２３、液体仕上剤収容部２４には、市販の粉末洗剤、液体洗剤、液体仕上剤がそれぞれ使用者により投入される。投入される洗剤の種類は、使用者により適宜、選択されるものであり、どれか一種類であっても良いし、全てであっても良い。

洗い工程がスタートされると、給水弁７が開放され、水が給水される。給水された水は、通水空間部３７に設けられた第１の給水路３１へと流入する。第１の給水路３１へと流入した水は、注水口３３から粉末洗剤収容部２２と液体洗剤収容部２３へ注水される。

粉末洗剤収容部２２において、粉末洗剤と水が混合、溶解し、洗剤混合液ができ、洗剤混合液は、粉末洗剤投入路２２ａへと流れ、矢印Ａのように空間部４０ｄ、洗剤液供給路４１へと流れていく。同様に、液体洗剤収容部２３において、液体洗剤と水が混合、溶解し洗剤混合液ができ、洗剤混合液は、液体洗剤投入路２３ａへと流れ、矢印Ｂのように空間部４０ｄ、洗剤液供給路４１へと流れていく。

これら、洗剤混合液は、最終的に洗剤液供給路４１を経て、給水経路２６を通り水槽３へ供給される。

また、洗い工程の後に、すすぎ工程が行われる。このすすぎ工程の際に、給水弁７から供給された水は、通水空間部３７に設けられた第２の給水路３２へ流入する。第２の給水路３２へと流入した水は、注水口３３から仕上剤収容部２４へ注水される。

仕上剤収容部２４において、仕上剤と水が混合、溶解し、洗剤混合液ができ、洗剤混合液は、サイフォン効果により、円筒部２４ｃの内面とパイプ２４ｂの外面との間、およびパイプ２４ｂの内部を通って仕上剤投入路２４ａへと流れ、矢印Ｂのように空間部４０ｄ、洗剤液供給路４１へと流れていく。さらに、洗剤混合液は、給水経路２６を通り、水槽３へ供給される。

上記のように、洗い工程時及びすすぎ工程時に、洗剤混合液が水槽３へ供給される。

ここで、本実施の形態１においては、洗剤収容容器２１には、回収溝５０および回収通路１９が設けられている。液体洗剤収容部２３および仕上剤収容部２４の引き出し方向側
（本実施の形態１における洗濯機前方側、図３における右方）に回収溝５０が設けられており、さらに、回収溝５０は回収通路１９と切欠き部２０によって連通している。そのため、サイフォン効果によりゆっくり流れるため、水がたまりやすい仕上剤収容部２４へ、注水蓋体３０から高い圧力により水が給水され、その給水された水が引き出し方向側へ溢れた場合でも、洗剤収容容器２１外部へ漏れずに、回収溝５０へ回収される。さらに、回収された水は、回収溝５０から回収通路１９を通って、液体洗剤投入路２３ａまたは液体仕上剤投入路２４ａより洗剤投入部枠体４０内へと回収することができる。これにより、シール部材の追加によるコストアップなしに水漏れの防止が可能となる。

また、水漏れの危険性がなくなったことで、注水蓋体３０から洗剤投入部への給水量を増やすことも可能となり、それにより、低圧給水時の洗剤残りの危険性も回避できる。加えて、給水量を増やすことにより、給水時間を短くすることもでき、時間短縮にもつながる。

また、本実施の形態１においては、洗剤投入部枠体４０の３辺の外周壁に高いラビリンスリブ４０ａを形成し、そのラビリンスリブ４０ａを前記注水蓋体３０の下面に接触させている。よって、注水蓋体３０から洗剤収容容器２１に高水圧の注水がなされ水が飛び跳ねるような状態でも、ラビリンスリブ４０ａにより、洗剤投入部枠体４０外方に水が飛散することが防止される。また、ラビリンスリブ４０ａの先端と、注水蓋体３０の下面との微小な隙間から滲み出した微少量の水分も、洗剤投入部枠体４０外方に滴下することなく外周部に形成した溝４０ｂで回収し、切欠き部４０ｃから洗剤投入部枠体４０の内方に戻すことができる。このように、上方に開口を有する洗剤収容容器２１の前方（取っ手２５側）からの水漏れを防止する構成以外に、洗剤投入部枠体４０の上周縁部からの水漏れを解消できる。これにより、この洗剤投入部枠体４０の上周縁部もシール部材の追加によるコストアップなしに、洗剤投入部枠体４０から外方への水漏れを解消できる。

また、図４に示すように、洗剤収容容器２１が、洗剤投入部枠体４０から通常使用状態の所定位置に引き出されたときに、液体洗剤投入路２３ａ、または液体仕上剤投入路２４ａが、洗剤投入部枠体４０の空間部４０ｄより飛び出さず、内方に位置するように構成している。そのため、液体洗剤収容部２３に液体洗剤を入れた場合、また液体仕上剤収容部２４に液体仕上剤を入れすぎてサイフォン効果により流れ出た場合、さらに回収溝５０に溢れた水が残存していたような場合に、液体洗剤投入路２３ａまたは液体仕上剤投入路２４ａより、洗剤投入部枠体４０内へと回収することができるので、外部への液体洗剤、液体仕上剤および水の滴下を防ぐことが可能となる。

（実施の形態２）
図５を用いて、本発明の実施の形態２の構成及び動作について説明する。なお、実施の形態１と同様の構成の部分の説明は省略し、異なる部分のみ説明する。

図５は、本発明の第２の実施の形態に係る洗濯機の洗剤投入部枠体部分の構造の分解斜視図であり、洗剤収容容器２１を所定位置以上に引き出し、かつ、注水蓋体３０を上方に取外した分解状態を示している。
図５において、洗剤収容容器２１は、液体洗剤収容部２３および液体仕上剤収容部２４を並列配置する。また、液体洗剤収容部２３および液体仕上剤収容部２４の前方（図４の右側）の取っ手２５との間には、有底の凹状の回収溝５０を備える。回収溝５０は、液体洗剤収容部２３と切欠き部２０でつながり、さらに液体洗剤投入路２３ａに連接する。従って液体洗剤収容部２３が回収溝５０にあふれ出た水の回収通路としての働きをする構成である。

以上のように構成された洗濯機について、以下、その動作を説明する。
液体洗剤収容部２３が、実施の形態１における回収通路１９の働きをする構成となっている。そのため、注水蓋体３０から洗剤収容部へと高い圧力により給水された水が前方側へ溢れた場合にも、回収溝５０から液体洗剤収容部２３を通って、前記洗剤投入部枠体４０内へと回収することが可能となる。よって、シール部材の追加によるコストアップなしに水漏れの防止が可能となる。また、液体洗剤収容部２３が回収通路としての働きをするため、洗剤収容容器自体の小型化が可能となる。

なお、本実施の形態２では、液体洗剤収容部２３を回収通路としての働きをするように構成したが、液体仕上剤収容部２４や粉末洗剤収容部２２をその働きをするように構成することも可能である。

また、本実施の形態２においては、粉末洗剤収容部２２の前方（図４の右側）の取っ手２５側に液体洗剤収容部２３および液体仕上剤収容部２４を並列に設けたが、粉末洗剤収容部２２と液体洗剤収容部２３あるいは液体仕上剤収容部２４との配置を入れ替えた配置や、粉末洗剤収容部２２と液体洗剤収容部２３とを１つの収容部として構成しても同様の効果を得ることができる。

以上のように、本発明にかかる洗濯機は、その洗剤収容容器がシール部材の追加によるコストアップなしに水漏れの防止ができ、かつ低圧給水時の洗剤残りを解決することができるので、回転ドラムを傾斜配置したドラム式洗濯機のみならず、洗濯兼脱水槽が縦型の洗濯機等にも適用することができる。

３ 水槽
４ 回転ドラム
７ 給水弁
１９ 回収通路
２１ 洗剤収容容器
２２ 粉末洗剤収容部（洗剤収容部）
２３ 液体洗剤収容部（洗剤収容部）
２３ａ 液体洗剤投入路（投入路）
２４ 液体仕上剤収容部（洗剤収容部）
２４ａ 液体仕上剤投入路（投入路）
２６ 給水経路
３０ 注水蓋体
４０ 洗剤投入部枠体
４０ａ ラビリンスリブ
４０ｂ 溝
４０ｃ 切欠き部
４０ｄ 空間部
４１ 洗剤液供給路
５０ 回収溝

Claims (5)

1. 洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを内包する水槽と、前記水槽の上方に設けられ、洗剤を収納する洗剤収容容器と、前記洗剤収容容器に注水を行う注水蓋体と、前記洗剤収容容器を引き出し自在に収容する空間部を構成する洗剤投入部枠体と、前記注水蓋体への給水の制御を行う給水弁と、前記洗剤投入部枠体の底部に設けられ前記水槽に連通する給水経路とを備えた洗濯機であって、
   前記洗剤収容容器は、前記洗剤を収容する洗剤収容部と、前記洗剤を排出する前記空間部に連通する投入路と、前記洗剤収容部の引き出し方向側に設けた有底の凹状の回収溝と、前記回収溝と連通するように設けた回収通路とを有し、前記回収通路は前記投入路と連通していることを特徴とする洗濯機。
2. 前記回収通路は、前記洗剤収容部である請求項１記載の洗濯機。
3. 洗剤収容容器は、洗剤投入部枠体から通常使用状態で引き出されたときに、前記投入路が、前記洗剤投入部枠体の空間部に位置するように構成した請求項１または２に記載の洗濯機。
4. 前記洗剤投入枠体の上縁部にリブを備え、前記リブの上端部が前記注水蓋体に接触している請求項１記載の洗濯機。
5. 前記洗剤投入枠体の前記リブの外周に溝をさらに備え、前記リブは、前記溝と前記洗剤投入枠体の空間部とを連通する切欠き部を備える請求項４記載の洗濯機。

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