JP2004008283A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】高濃度洗剤液生成手段において、洗剤投入容器の使い勝手を向上する。
【解決手段】洗剤投入容器に、洗剤投入口68と、上面と奥側が開口し底壁74dが傾斜面で構成した洗剤トレイを設け、前記洗剤トレイは前記洗剤投入口にピン77aを中心に回転可能に設置し、前記奥側の開口に対向して遮へい板84を設け、前記洗剤投入容器を引き出した状態で前記洗剤トレイは略水平で、押し込んで行くと前記開口側が下方に向き再び水平に戻るように揺動し、押し込んだ状態で略水平になるようにする。
【選択図】図13
【解決手段】洗剤投入容器に、洗剤投入口68と、上面と奥側が開口し底壁74dが傾斜面で構成した洗剤トレイを設け、前記洗剤トレイは前記洗剤投入口にピン77aを中心に回転可能に設置し、前記奥側の開口に対向して遮へい板84を設け、前記洗剤投入容器を引き出した状態で前記洗剤トレイは略水平で、押し込んで行くと前記開口側が下方に向き再び水平に戻るように揺動し、押し込んだ状態で略水平になるようにする。
【選択図】図13
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗剤溶かし機構を有する洗濯機及び洗濯乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
撹拌モータと撹拌ブレードで構成される撹拌手段による洗剤溶かし機構を有する洗剤ケースを設けた洗濯機が特開平7−80187号公報に記載されている。同公報には、洗濯槽に洗濯水を給水する経路途中に仕切り板を設けた洗剤入れを設け、洗剤入れに所定量の洗剤と水を溜め、撹拌手段で溶解した後、給水とともに洗濯槽へ供給することが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平7−80187号公報では、洗剤投入は洗剤入れへ直接行うようになっている。このため、洗剤入れの上部は大きく開口しており、撹拌手段での撹拌中に洗剤液や洗剤がこの開口から飛び出してしまう恐れがある。
【0004】
本発明の目的は、洗剤溶解容器の開口部を覆い、洗剤と触れる部分が濡れにくく使い勝手がよい洗剤投入容器を有する高濃度洗剤液生成・供給手段を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、洗濯兼脱水槽内の洗濯物に高濃度洗剤液を振りかけて浸透させる高濃度洗剤液生成・供給手段を備え、前記高濃度洗剤液を浸透させた後に給水して洗い工程を実行する洗濯機において、前記高濃度洗剤液生成・供給手段は、洗剤投入容器と、洗剤溶解容器と、前記洗剤溶解容器の底部に配置した洗剤撹拌翼と、前記洗剤撹拌翼を駆動する駆動手段と、前記洗剤溶解容器に給水する給水電磁弁とを備え、前記洗剤投入容器は、取っ手部と、洗剤投入口と、洗剤トレイとで構成され、前記洗剤投入容器は、前記洗剤溶解容器の上縁部に沿って摺動して該洗剤溶解容器の上部から前記衣類投入口内に引き出し可能に設置し、前記洗剤投入口は上下が開口した開口部を備え、前記洗剤トレイは上面および一側面が開口した薄型箱状体で、該一側面の開口が前記取っ手部の反対方向になるように、前記洗剤トレイを前記開口部に設け、前記洗剤トレイを前記取っ手部側を軸に前記一側面の開口側が上下に揺動可能に支持し、前記洗剤投入容器の摺動に伴って前記洗剤トレイが揺動するようにする。 また、前記洗剤トレイは、前記洗剤投入容器を引き出した状態では略水平で、前記洗剤投入容器を押し込む途中で一旦下向きなり再び水平に戻るように揺動し、前記洗剤容器を押し込んだ状態では、略水平になるようにする。
【0006】
また、前記洗剤トレイは底面が前記一側面の開口方向に向かうにつれて低くなる傾斜面とする。
【0007】
また、前記一側面の開口に対向して、該開口を閉じる遮へい板を設ける。好ましくは、前記洗剤トレイの底面の前記傾斜面は、前記一側面の開口近傍が更に急な傾斜面とする。
【0008】
また、前記遮へい板は断面形状がクランク状で、上部端面に軸を備え、該軸を中心に揺動可能支持され、前記遮へい板は、前記洗剤投入容器を引き出した状態では前記洗剤トレイの一側面の開口から離れ、前記洗剤投入容器を押し込んだ状態では、前記一側面の開口を閉じるように揺動するようにする。
【0009】
さらに、前記遮へい板に設けた軸は前記遮へい板の重心と離れた位置に設置し、前記洗剤トレイの一側面の開口から離れる場合は重力の作用で前記軸を中心に回転し、前記一側面を閉じる場合は前記遮へい板を前記洗剤溶解容器に押しつけて回転させるようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本発明は、洗濯機および洗濯乾燥機に関するものであるが、洗濯機は、洗濯乾燥機から乾燥機構を取り除いた構成で実施することができるので、以下に述べる実施の形態は、洗濯乾燥機について説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態である洗濯乾燥機を縦断面して示す模式図である。
【0012】
1は、外郭を構成する四角筒状の外枠である。2は、洗濯兼脱水槽であり、その周壁に通水および通風のための小穴2aを有し、その上縁部に流体バランサー3を備え、底部の内側には回転自在に撹拌翼4を設置する。撹拌翼4は、外周部が高いお椀状になっており、最底部に水抜きおよび温風通過用の複数個の小穴4aを有する。5は、前記洗濯兼脱水槽2を内包する外槽であり、底部の外側には駆動装置6を鋼板製の取り付けベース7によって取り付け、外枠1の上端部の四隅部に係止した4本の防振支持装置8によって外槽5を四方から均等に吊り下げることにより該外枠1の中心部に懸垂するように支持する。
【0013】
駆動装置6は、駆動電動機62と電動操作クラッチ機構63と遊星歯車減速機構64を内蔵する。電動操作クラッチ機構63を電動操作機63aで切り換えることによし、洗濯兼脱水槽2を静止させた状態で撹拌翼4を回転させ(撹拌モード)、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4をそれぞれ反対方向に回転させ(洗濯モード)、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的に同一方向に回転(脱水・乾燥モード)させるような選択的な駆動機能を有する。
【0014】
外槽5の底に形成した排水口5bは、排水電磁弁33を介して排水ホース34に接続する。エアートラップ5cは、エアーチューブ35を介して前記水位センサ15に接続する。外枠1の下端縁には、四隅に脚36を取り付けた合成樹脂で成形されたベース37を装着する。
【0015】
なお、参照符号38は、洗濯兼脱水槽2内に投入された洗濯物である。
【0016】
外側衣類投入口9aを形成したトップカバー9は、外枠1の上部開口を覆うように該開口端縁に嵌め込み、フロントパネル10およびバックパネル11と共に取り付けねじによって外枠1に取り付けられる。図2は、バックパネル11を取り外したトップカバー9の平面図である。
【0017】
トップカバー9に形成した外側衣類投入口9aは、2つ折り(山折り)に開くようにヒンジ31aによってトップカバー9に取り付けた外蓋31によって開閉自在に覆い、外槽5の上端に取り付けた外槽上カバー28に形成した内側衣類投入口28aは、ヒンジ32aによって外槽上カバー28に取り付けた内蓋32によって開閉自在に覆うように構成する。
【0018】
トップカバー9とフロントパネル10の間に形成される前部収納部であるフロントパネルボックス12には、電源スイッチ13と入力スイッチ群14aおよび表示素子群14bを備えた操作パネル14、アンバランス検出センサ43、蓋スイッチ44を内蔵する。アンバランス検出センサ43は、洗濯兼脱水槽2を回転させたときに該洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38のアンバランスによって、該洗濯兼脱水槽2(外槽5)が所定値以上に大きく振れるのを検出するセンサである。蓋スイッチ44は、外蓋31の開閉を検知する。
【0019】
トップカバー9とバックパネル11の間に形成される後部収納部であるバックパネルボックス17には、後述する洗濯水給水手段と高濃度洗剤液生成・供給手段を横並びにして内蔵すると共に、外槽5内の水位に応じた水位信号を発生する水位センサ15と、コントロールユニット16を内蔵する。
【0020】
洗濯水給水手段は、入水側を水栓接続口18に接続し、出水側を洗剤溶解容器21に接続した主給水電磁弁20によって構成する。さらに、入水側をホース接続口82に接続し、出水側を洗剤溶解容器21に接続した風呂水ポンプ81によって構成される給水手段を設けてもよい。
【0021】
高濃度洗剤液生成・供給手段は、補助給水電磁弁22から洗剤溶解容器21に洗剤溶解水を供給し、この洗剤溶解容器21内に投入されている粉末合成洗剤を撹拌しながら前記洗剤溶解水で溶解して高濃度洗剤液を生成し、更なる給水により希釈しながら洗剤溶解容器21から溢水させて前記前記洗濯水給水手段からの水と混合し注水口19に供給するように構成する。洗剤溶解容器21には、洗剤や柔軟仕上げ剤を投入するのに使用する引き出し式の洗剤投入容器73が取り付けられる。
【0022】
注水口19は、トップカバー9の底と外槽5の外槽上カバー28の後部を貫通して洗濯兼脱水槽2の上部開口内に向けて開口する。この注水口19は、図3に示すように、洗剤溶解容器21の流出口59と外槽上カバー28との間に接続した可撓管19a、固定ブッシュ19b、蒸気弁19c、散水カバー19dにより構成する。固定ブッシュ19bは、可撓管19aを外槽上カバー28に固定する。固定ブッシュ19bの先端には、蒸気弁19cを備える。蒸気弁19cは、バタフライ弁で、水が流出口59から流下してくると水の重さで二点鎖線のように自動的に開き、水を通過させる。水が流れていないときは弁の弾性で自動的に閉じる。
【0023】
このため、乾燥工程中に洗濯痩躯兼脱水槽2から高温多湿の上記が洗剤溶解容器21内に流入するのを防止でき、洗剤投入容器73やバックパネルボックス17内で結露が発生することがない。また、バックパネルボックス17から洗濯乾燥機設置室内への上記の拡散も防げる。従って、洗剤投入容器73の洗剤投入部の濡れを防げ、次回洗濯時に洗剤を洗剤投入容器73に投入した時に、洗剤投入容器73へ洗剤が付着固化するのを防止できる。更に、バックパネルボックス17内の電気部品(風呂水ポンプ81のモータや電磁給水弁、コントロールユニット16など)の絶縁不良の発生を防止できる。
【0024】
蒸気弁19cは、シート状で弾性力を有し、乾燥中の熱に影響されない(熱変形しない、弾性力が低下しない)材質で成形されており、例えばポリエチレンテレフタレート製である。散水カバー19bは、蒸気弁19cを保護するために、蒸気弁19cを覆うような凹状で、外槽上カバー28との間に空間19eを形成している。散水カバー19bに流下した水は、空間19e内で分配され、下面に設けた複数個の小穴19d1から洗濯兼脱水槽内2内の洗濯物38へ振りかかる。19fは、可撓管19aを流出口59に固定するバンドである。
【0025】
主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22、22a、散水給水電磁弁24aは一体成型の四連弁で、洗剤溶解容器21の背面に設けた配管ユニット83に取り付けられている。
【0026】
なお、高濃度洗剤液生成・供給手段については、後で詳しく述べる。
【0027】
温風循環乾燥手段は、外槽5の下部の側壁に形成した吸い出し口5aから該外槽5の後側の外壁面に沿って垂直状態で上向きに伸びるように形成して前記吸い出し口5aから浸入した洗濯水を堰き止める除湿風路部である水冷除湿ダクト23と、この水冷除湿ダクト23内の上部に位置して該ダクト内に冷却水を供給する水冷除湿手段である冷却散水部24と、洗濯工程における外槽5の水位よりも高い位置で折り返して該外槽5の外壁面に沿って該外槽5の下側に向かって垂直に伸びる下降風路部である下降風路ダクト25と、外槽5の下側の空間に配置されて前記下降風路ダクト25から吸い込み口に空気を吸い込んで循環空気を生成する循環ファン26と、この循環ファン26の吹き出し口から外槽5の外壁面に沿って上方向に垂直状態に伸びる上昇風路部である上昇風路ダクト27と、外槽5の上端部に取り付けた外槽上カバー28上に設置されて前記上昇風路ダクト27から送り込まれる循環空気を加熱する加熱手段であるヒータ(PTCヒータ)29を内蔵し、加熱した循環空気を洗濯兼脱水槽2内に向けて吹き込む吹き込み口30を備える。
【0028】
水冷除湿ダクト23から下降風路ダクト25への折り返し部分には、糸屑捕集手段61を備える。また、下降風路ダクト25内下部には湿度センサ40と第1温度センサ41を設置し、吹き込み口30のヒータ29の下流側風路内には第2温度センサ42を設置する。冷却散水部24への給水は、冷却散水電磁弁24aから行い、両者は蛇腹ホース24bで接続されている。
【0029】
循環風路を構成する前記水冷除湿ダクト23、下降風路ダクト25および上昇風路ダクト27は、外槽5の後側の外壁面に該外槽5の周方向に並べてその一部を該外槽5と一体成形して実装し、これらの外側を覆う裏側蓋1aは、外側に膨出する形状に構成してねじ止めする。
【0030】
この温風循環乾燥手段は、洗濯後に外槽5内の洗濯水を排水し、洗濯兼脱水槽2を高速回転させて脱水した後に低速回転させながら、循環ファン26を運転することによって、外槽5および洗濯兼脱水槽3内の湿潤空気を吸い出し口5aから吸い出し、水冷除湿ダクト23内を上昇させる過程において冷却散水部24から該水冷除湿ダクト23内に供給される冷却水によって冷却して除湿する。その後、冷却除湿した空気は、下降風路ダクト25を下降させて循環ファン26に吸い込み、この循環ファン26から上昇風路ダクト27とヒータ29を通して吹き出し口30に送り込み、ヒータ29によって加熱して洗濯兼脱水槽2内の内壁面付近に向けて該洗濯兼脱水槽2の回転方向に対して逆向きに吹き込む。このように洗濯兼脱水槽2に吹き込まれた循環空気は、洗濯兼脱水槽2内の洗濯物に触れて該洗濯物を乾燥する。
【0031】
図4は、マイクロコンピュータ16aを中心に構成される洗濯乾燥機の制御部のブロック図である。マイクロコンピュータ16aは、入力スイッチ群14aや水位センサ15、湿度センサ40、第1、第2温度センサ41、42、アンバランス検出センサ43、蓋スイッチ44に接続され、使用者のボタン操作、洗濯兼脱水槽2内の水位、下降風路ダクト25内の温度、湿度などの情報信号を受ける。マイクロコンピュータ16aからの出力信号は、駆動回路16cに接続され、主電磁給水弁20,補助電磁給水弁22、22a、冷却散水電磁弁24a、排水電磁弁33、洗剤撹拌電動機39、循環ファン26等に商用電源を供給して、これらの開閉あるいは回転を制御する。また、使用者に洗濯乾燥機の操作を知らせるために、表示素子群14bを制御し、進行状況を表示する。
【0032】
操作パネル14の入力スイッチ群14aは、洗濯コース(標準、強力、ソフト、ドライ、手造り、ふとんなど)を設定するスイッチ、乾燥コース(標準、ワイシャツ、仕上げ、ドライなど)を設定するスイッチ、洗濯から乾燥までを連続して行う場合の洗濯乾燥コース(標準、ワイシャツ、毛布など)を設定するスイッチ、洗い時間や脱水時間、水量、すすぎ回数等洗濯条件を設定するスイッチなどを備える。
【0033】
商用電源に接続されるブリッジ整流回路70は、商用電源を全波整流し、力率改善と昇圧を兼ねるDC−DC変換回路72に入力する。DC−DC変換回路72は、この整流電圧をIGBT等の半導体素子でチョッピングして、共用電源乗り規律を改善すると共に、昇圧した直流電源をPWMインバータ回路73に供給する。この出力電圧は、マイクロコンピュータ16aから半導体素子の駆動矩形波のデューティを制御して可変される。PWMインバータ回路73は、この直流電圧から三相PWM矩形波電圧を生成し、DCブラシレスモータ62に印可して、これを回転させる。DCブラシレスモータ62には、ロータの位置検出手段として、ホール素子62aが内蔵される。ロータの位置はこのホール素子62aで検出され、マイクロコンピュータ16aに伝えられる。そして、このロータの位置、回転速度の情報からマイクロコンピュータ16aは、DCブラシレスモータの回転数や回転方向を制御する。
【0034】
次に、高濃度洗剤液生成・供給手段を図5から図16を参照して説明する、
図5は洗剤溶解容器21の斜視図、図6は洗剤投入容器73の斜視図、図7は洗剤溶解容器21の上面図、図8は洗剤容器21を図8のA−A線で切断した場合の縦断面図、図9は配管ユニット83を図7のC−C線で切断した場合の縦断面図、図10は配管ユニット83を図7のD−D線で切断した場合の縦断面図、図11は洗剤投入容器73の上面図、図12は洗剤投入容器73を図11のE−E線で切断した場合の縦断面図、図13は洗剤溶解容器21に洗剤投入容器73をセットし図7のB−B線で切断した場合の縦断面図、図14は同洗剤投入容器73を引き出した場合の縦断面図、図15は同洗剤投入容器73を途中まで押し込んだ場合の縦断面図である。
【0035】
洗剤溶解容器21は、上方を開放した略四角形状の容器であり、前記洗剤撹拌翼50を設置する洗剤溶解室45と、仕上げ剤投入室46と、溢水流路56と混合室66を備える。該混合室66は、前記洗剤溶解室45及び仕上げ剤投入室46の下部にあり、溢水流路56と穴56a、56bで連通している。混合室66の底壁21dは前側が低い傾斜面で形成しており、その最も低い位置に流出口59を備える。流出口59は、外槽上カバー28の注水口19に可撓管19aで接続される。
【0036】
洗剤溶解室45の左側側壁上部と仕上げ剤投入室46の右側側壁上部には、上下のレールで構成したガイドレール58a、58bを備え、該ガイドレール58a、58bには洗剤投入容器73を進退自在に載置可能になっている。また、前記ガイドレール58aの下側と洗剤溶解室45の右側側壁には、洗剤トレイ74のガイドレール59a、59bを備える。ガイドレール59a、59bは下に凸の曲線形状である。
【0037】
洗剤溶解容器21の後部側壁には、主給水用の円形ポート21a、洗剤溶かし用の長円形ポート21b、仕上げ剤用の長円形ポート21cを備える。円形ポート21aは前記混合室66に、長円形ポート21bは洗剤溶解室45に、長円形ポート21cは仕上げ剤投入室46に開口している。
【0038】
L形の配管ユニット83は、洗剤溶解容器21の右側面から背面に密着して設置される。配管ユニット83は、内部に四つの給水流路が形成されていて、給水流路の一方が給水電磁弁に、もう一方は洗剤容器21に設けた前記給水ポートに接続している。
【0039】
配管ユニット83の側面には、四連の電磁給水弁を取り付ける4個のポート(85a、86a、87a、88a)がある。ポート85aに洗濯兼脱水槽2へ給水する主給水電磁弁20を、ポート86aに洗剤溶解室45に給水する補助給水電磁弁22を、ポート87aに仕上げ剤投入室46に給水する補助給水電磁弁22aを、ポート88aに冷却散水部24へ給水する冷却散水電磁弁24aを取り付ける。なお、各ポートには水封のためにゴム製のブッシュ92が嵌め込まれている。
【0040】
ポート85aは、給水流路85bに通じており、給水流路85bの末端にパイプ85が取り付けられる。また、給水流路85bの途中には、風呂水ポンプ81への呼び水供給口90、風呂水ポンプ81からの風呂水入水口89、絞り91aを介してクリーニング水供給口91がある。呼び水供給口90の分岐部には整流板85dを備え、風呂水ポンプ81への呼び水の供給を確実に行うようになっている。なお、風呂水ポンプ81と呼び水給水口90,風呂水流入口89はホースで接続する。
【0041】
また、図示は省略するが、クリーニング水供給口91は、水冷除湿ダクト23上部と蛇腹ホースで接続される。水冷除湿ダクト23上部壁面や冷却散水部24には乾燥工程中に発生する糸屑が堆積する可能性がある。そこで、主給水電磁弁20による給水時に、クリーニング水供給口91から少量の水を糸屑が堆積した部分に散水することにより糸屑を水冷除湿ダクト23下部に落とし、糸屑のクリーニングを行う。
【0042】
ポート86aは、給水流路86bに通じており、給水流路86bの末端には下方向に開口したL形のパイプ86が取り付けられている。
【0043】
ポート87aは、給水流路87bに通じており、給水流路87bの末端には下方向に開口したL形のパイプ87が取り付けられている。
【0044】
ポート88aは、給水流路87bに通じており、給水流路87bの末端には冷却散水部24への給水口88が取り付けられている。
【0045】
給水流路85bと給水流路88bは小穴92aで、給水流路86bと給水流路88bは小穴92bで連通している。これらの小穴は、給水流路内の水抜きのために設けたもので、配管ユニット83内の凍結を防止するためである。
【0046】
配管ユニット83の洗剤溶解容器21への取り付けは、L形パイプ86を長円形ポート21bに、L形パイプ87を長円形ポート21cに差し込み、円形ポートの下端に当たるまで下方へスライドさせた後で、パイプ85をゴム製ブッシュ67が嵌め込まれた円形ポート21aに押し込むことで行う。更に、図示しないが、配管ユニット83を洗剤溶解容器21にねじ止めして、両者を固定する。
【0047】
洗剤溶解室45に給水する給水手段(第1の給水手段)である補助給水電磁弁22からの水は、L形パイプ86を通り洗剤溶解室45に流入する。洗剤溶解室45の内側側壁には、L形パイプ86から入ってきた水と洗剤とを洗剤撹拌翼50によって撹拌して高濃度洗剤液を生成し、この高濃度洗剤液を第1の給水手段の補助給水電磁弁22からの更なる給水で希釈することによって増量したときに溢水流路56に溢水させる溢水縁45dと、撹拌時に洗剤溶解水(高濃度洗剤液)の回動を抑制する上下方向に長い複数本の三角柱状のリブ45cを備える。リブ45cは、撹拌中の洗剤液の水面がすり鉢状になりにくくし、撹拌中に溢水縁45dから洗剤液が溢水するのを防止する。
【0048】
また、洗剤溶解室45の底壁45aには、略中央部に回転可能に設けた洗剤撹拌翼50と、仕上げ剤投入室46側の隅部に洗剤溶解室45内の洗剤液あるいは水を混合室66に流し出すサイホン通水機構47を備える。本実施例では、洗剤撹拌翼50は矢印R(図8参照)の方向に回転するので、洗剤溶解水は図中反時計回りに流れる。
【0049】
洗剤溶解室45の底壁45aは、サイホン通水機構47が最も低くなるような傾斜面になっている。ただし、洗剤撹拌翼50に対向する部分は洗剤撹拌翼50と略平行の水平面45a1になっている。サイホン通水機構47は、洗剤溶解室45内の残水を極力少なくするよう底壁45aの最底部より一段低い底面45bに設けられている。底壁45aと底面45bとは傾斜面でスムーズに接続しサイホン通水機構47周辺の洗剤溶解水の流れをスムーズにし、洗剤の滞留を防ぐ。
【0050】
サイホン通水機構47は、サイホンパイプ47bとサイホンパイプ47bの周りにすき間を持って設置したサイホンキャップ47aとで構成される。サイホンパイプ47bの中心には孔47cが設けられており、混合室66に開口している。サイホンパイプ47bの高さはサイホンが確実に導通するよう溢水縁45dより少し低く設定している。
【0051】
洗濯物38へ給水する給水手段(第2の給水手段)である主給水電磁弁20からの水は、配管ユニット83の円形パイプ85から混合室66に流入する。
【0052】
洗剤溶解室45で生成された高濃度洗剤液は、第1の給水手段である補助給水電磁弁22からの給水で希釈増量され、溢水流路56及びサイホン通水機構47から混合室66へ流下する。ここで、第2の給水手段からの水と合流し、希釈されて流出口59から注水口19へ流れ出る。
【0053】
円形パイプ85から混合室66に流入する水道水の流速は、水道水圧により変化するが、水道水圧が高い場合、噴流状となり洗剤容器21の前側側壁56cに衝突し、穴56a、56bを逆流して洗剤溶解室45や仕上げ剤投入室46に流入する可能性がある。これを避けるために、混合室66内に整流部材75を設ける。整流部材75は、空隙率が大きい多孔質状であり、例えば、プラスチック製の繊維を絡み合わせて作る。整流部材75内で噴流は減速し、混合室66全体に広がって流れるようになり、穴56a、56bへの逆流を防止できる。
【0054】
仕上げ剤投入室46は、溢水流路56に連なる溢水縁46bと、混合室66に連なるサイホン通水機構48と、補助給水電磁弁22aからの水が流入するL形パイプ87を備える。仕上げ剤投入室46の底壁46bは、前方の方が低い傾斜面となっており、その最も低い部分に前記サイホン通水機構48を設けてある。仕上げ剤投入室46内の仕上げ剤(液体)は、L形パイプ87からの受水によって希釈、増量され溢水縁46aから溢水流路56に溢水し、穴56bから流下するとともに、サイホン通水機構48から混合室66に流れ出る。ここで、第2の給水手段からの水と合流し、希釈されて流出口59から注水口19へ流れ出る。
【0055】
次に、洗剤撹拌翼50の駆動機構について説明する。洗剤溶解容器21と洗剤撹拌電動機39は、金属ベース板49上に水平方向に横並びさせた状態に設置される。
【0056】
洗剤溶解容器21の底部に配設した洗剤撹拌翼50と結合した撹拌翼駆動軸51は、洗剤溶解容器21の底壁部および金属ベース板49を垂直状態に貫通させて該金属ベース板49の下側に導出し、導出部分にOリングベルト従動プーリ52を嵌着する。洗剤撹拌電動機39は、回転出力軸39aが金属ベース板49を垂直状態に貫通して該金属ベース板49の下側に導出されるように該金属ベース板49に取り付け、導出部分にOリングベルト駆動プーリ53を嵌着する。そして、従動プーリ52と駆動プーリ53は、Oリングベルト54によって連動させる。ベルトをOリングベルトとすることで、タイミングベルトに比べ駆動音の低減が図れる。また、洗剤撹拌電動機49は、電動機カバー71を被せて金属ベース板49に固定し、水の侵入を防ぐ。金属ベース板49は、洗剤溶解容器21ねじ止め固定する。
【0057】
金属ベース板49には、前記撹拌翼駆動軸51を支持する軸受55を嵌入し、洗剤溶解室45底壁部略中央には軸シール部材57を嵌入する。軸受55と軸シール部材57は同軸に配置する。軸シール部材57は、ゴム製でリング状のリップを撹拌翼駆動軸51に押し付けることでシール作用を発揮する。前記軸受55で支持した撹拌翼駆動軸51は、軸シール部材57を貫通し、洗剤溶解室45の内側に導出し、導出部分に洗剤撹拌翼50を嵌め込む。撹拌翼50の表面には洗剤の溶解効率が良くなるよう小羽根50bが設けてある。
【0058】
洗剤撹拌翼50の下面と洗剤溶解室45底壁部とのすき間で、すき間が迷路状のラビリンスシール機構60を構成する。このラビリンスシール機構60は、軸シール部材57への洗剤液や合成洗剤中のゼオライトの侵入を防ぎ、軸シール部材57の摩耗防止のために設けてある。
【0059】
洗剤投入容器73は、偏平な四角形状で上方を開放した箱状体であり、洗剤投入部68と仕上げ剤投入部69と取手部80を備える。洗剤投入部68は洗剤溶解室45の上方に、仕上げ剤投入部69は仕上げ剤投入室46の上方に位置する。洗剤投入部68と仕上げ剤投入部69は枠体70で囲まれている。洗剤投入容器73は、枠体70の左右部分が前記洗剤溶解容器21に設けたガイドレール58a、58bに挟み込むように案内され、前後に進退する。
【0060】
取手部80は、洗剤投入容器73の手前側の部分に位置し、トップカバー9に形成した外側衣類投入口9aの奥側の壁面に露出して進退操作するための把持部分として機能する。
【0061】
洗剤投入部68は、洗剤トレイ74、遮へい板84、天板70a、リブ72を備える。リブ72は洗剤投入部68を取り囲むように、枠体70の内側に位置する。また、天板70aは、枠体70の上部にあり洗剤投入部68を囲むように設けてある。
【0062】
洗剤トレイ74は左右の側壁74aと手前側壁74cと奥側に傾斜した底壁74dを有し、上方と奥側が開放した薄い箱体状である。左右の側壁74aの外側面には、手前側にピン77a、77bを、奥側にピン78a、78bを備える。ピン77a、77bは、リブ72に取っ手80側に設けた穴に回転自在に嵌め込まれており、洗剤トレイ74はピン77a、77bを中心に回転可能に支持される。ピン77bの外側にねじりバネ79が設けてあり、ねじりバネ79の一方の端は洗剤トレイ74の側壁74bの外側面に設けたストッパ74bで、もう一方は天板70aで固定されている。ねじりバネ79は、洗剤トレイ74を上方に回転させるよう(図12で洗剤トレイ74が反時計回りに回転する)に作用する。洗剤トレイ74は、左右の側壁74a上端が天板70aに当たり回転がストップする(図12の状態)。
【0063】
洗剤投入容器73を洗剤溶解容器21にセットすると、洗剤トレイ74のピン78a、78bは、ねじりバネ79の作用でガイドレール59a、59bの下面に押し付けられる。洗剤投入容器73を前後に動かすと、ピン78a、78bはガイドレール59a、59bに沿って動くため、洗剤トレイ74はピン77a、77bを中心に回転揺動運動を行う。洗剤投入容器73を洗剤溶解容器21から引き出して行くと、最後にピン78a、78bがガイドレール59a、59bのストッパ59a1、59b1に当たり、洗剤投入容器73はそれ以上引き出せなくなる(図14の状態)。
【0064】
洗剤溶解容器73を洗剤溶解容器21にセットする場合は、バックパネルボックス17とバックパネル11に設けた開口部11aに洗剤溶解容器21の先端を差し込み、洗剤トレイ74をバックパネルボックス17の前側壁17aの折り返し部分17a1に当たるまで押し下げる。ピン78a、78bはガイドレール59a、59bのストッパ59a1、59b1の下端より下がった状態になるので、洗剤溶解容器73を更に押し込み、洗剤溶解容器73の左右の枠体70をガイドレール58a、58bに嵌め込み、洗剤トレイ74を開放すると、図14の状態となりセットが完了する。
【0065】
従って、洗剤溶解容器73の取手部80を除いた部分の高さは、開口部11aの高さ寸法Mより小さくする必要がある。洗剤トレイ47から洗剤溶解容器45への洗剤の入りやすさを考えると、洗剤トレイ74の底壁74dの傾斜角度θ1は、寸法Mを超えない範囲で、極力角度を大きくした方がよい。
【0066】
洗剤溶解容器73を洗剤溶解容器21から外す場合は、洗剤トレイ47を押し下げピン78a、78bをストッパ59a1、59b1から外し、洗剤溶解容器73を引き抜く。洗剤投入容器73が汚れた場合、簡単に取り外して清掃ができる。
【0067】
洗剤トレイ74の手前側壁74cは、洗剤トレイ74と取手部80の壁面80aとのすき間80bに被さるように折り返し部74c1を有する。
【0068】
洗剤トレイ74の奥側には、天板70aに設けた遮へい板84を備える。遮へい板84は、洗剤トレイ74の底壁74dの端面74d1とすき間xを隔てた位置にある。遮へい板84の寸法は、幅Lが洗剤トレイ74の左右方向長さL1とほぼ同一で、高さHは洗剤トレイ74底壁面の最大深さH1より僅かに高い。こうすることで、洗剤溶解室45と洗剤トレイ74内部をほぼ遮へいできる。
【0069】
仕上げ剤投入部69は、奥側が低い傾斜面の底壁76を有し、底壁76の奥側に開口部を有する。
【0070】
次に、このように構成された洗濯乾燥機の各工程の動作を説明する。図16は、コントロールユニット16内のマイクロコンピュータ16aが実行する各工程のフローチャートである。
【0071】
マイクロコンピュータ16aは、入力スイッチ群14aの洗濯開始ボタンスイッチが投入されると次のような制御処理を実行する。
【0072】
ステップ401
使用者が、洗濯兼脱水槽2に洗濯衣類38を投入し、操作パネル14の入力スイッチ群14aを操作して初期設定を行い、洗濯開始ボタンスイッチを押すと、マイクロコンピュータ16aは、各工程の自動運転制御処理をスタートする。
【0073】
前記初期設定では、洗濯物38に合わせた洗濯コース、必要に応じて、洗い時間や脱水時間、水量、すすぎ回数等を設定する。洗濯に続いて乾燥まで行う場合は洗濯乾燥コースを設定する。
【0074】
ステップ402
洗濯物38の布量の検出制御処理を行う。この布量検出は、給水前の乾布状態において、駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を撹拌モードに制御し、駆動電動機61を短時間通電して撹拌翼4を回転駆動し、回転増速時の加速特性もしくは、駆動電動機61への通電停止時の惰性回転における減速特性に基づいて検出する。この検出結果(洗濯物38の布量)に基づいて、洗い水量および好ましい洗剤濃度の洗い水を生成するための洗剤量を演算して決定し、この洗剤量を表示素子群14bによって表示するとともに、洗剤投入の催促表示をする。使用者は、取手部80を掴んで洗剤投入容器73を外側衣類投入口9a内に引き出す(図14)。この時、洗剤トレイ74は図12や図13に示した状態(θ1)より傾斜角度が大きく、底壁74dの角度はθ2になっている。また、洗剤トレイ74の底壁端面74d1と遮へい板84とはすき間x1を有している。
【0075】
前記表示洗剤量を参考に所定量の粉末合成洗剤を洗剤トレイ74に投入すると、粉末合成洗剤は山状になるが、その一部は洗剤トレイ74の底壁74dを滑りながらすき間x1から洗剤溶解室45に落下し、一部は洗剤トレイ74上に残る。洗剤トレイ74の傾斜角度が大きいほど、洗剤トレイ74上に残る洗剤量を少なくできることは明らかである。このために、洗剤トレイ74の傾斜角度は、前述した洗剤溶解容器73の着脱に支障がなく、かつピン78a、78bがストッパ59a1,59b1に引っ掛かる範囲で極力大きくしてある。
【0076】
また、洗剤トレイ74の手前側壁74cと折り返し部74c1があるため、手前側壁74c側に崩れてくる洗剤がすき間80bから内蓋32上に落下、飛散することがない。
【0077】
必要であれば、仕上げ剤投入部73dに仕上げ剤を投入すると該仕上げ剤は仕上げ剤投入室21dに流下する。
【0078】
その後、取手80を掴み洗剤投入容器73を押し込んで行くと、ピン78a、78bはガイドレール59a、59bによって押し下げられ、洗剤トレイ74は時計方向に回転し角度が増加し(図15)、洗剤トレイ74上に残っていた洗剤は全て洗剤溶解室45に落下する。この時、洗剤トレイ74の底壁74dの傾斜角度θ3が小さすぎると、洗剤の種類によっては洗剤が落下しきれないことがある。一般に市販されている種々の粉末合成洗剤で検討したところ、傾斜角度θ3を35°以上とすることで、洗剤トレイ74への洗剤残りを防止することができることが分かった。このため、本実施例では、少し余裕を見て傾斜角度が40°になるよう、ガイドレール59a、59bの形状を決めている。これ以上の角度に設定することも可能であるが、角度を大きくするためには、ガイドレール59a、59bの勾配を急にする必要がある。このため、特に洗剤溶解容器74を押し込む時にピン78a、78bとガイドレール59a、59bとの摩擦力が増加し、洗剤トレイ74がスムーズに動かなくなるため、洗剤溶解容器73の操作性が低下する。このことからも、最大角度は40°程度が好適である。
【0079】
なお、図示していないが、洗剤トレイ74からの洗剤の落下をより確実にするために、洗剤トレイ74が傾斜角度θ3になる付近で、ピン78a、78bが位置するガイドレール59a、59bの表面にノッチを設け、洗剤トレイ74に微振動が生じるようにしたり、ガイドレール58a、58bに突起を設け洗剤溶解容器73の押し込み速度が遅くなるようにしたりしてもよい。
【0080】
更に洗剤溶解容器73を押し込むと、洗剤トレイ74はねじりバネ79の作用で左側に回転し、角度は再び減少する。洗剤溶解容器73は、取手部80がバックパネルボックス17の前側壁17aに当たり停止する(図13)。この時の洗剤トレイ74底壁74dの傾斜角度はθ1になっている。
【0081】
ステップ403
高濃度洗剤液の生成を行う。洗剤溶解室45に粉末合成洗剤が投入されたことを検知すると、補助給水電磁弁22を開いてL形パイプ86から洗剤溶解室45内に少量の水道水(洗剤溶解水)を供給する。
【0082】
そして、表示素子群14bによって洗剤溶解中であることを示す表示を行い、洗剤撹拌電動機39に通電し洗剤撹拌翼50を回転駆動し、洗剤溶解室45内の粉末合成洗剤を撹拌しながら溶解することによって高濃度洗剤液を生成する。
【0083】
ステップ404
駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を低速運転して洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を低速回転させながら主給水電磁弁20を開いて水道水を洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38上に散布するプレ給水を行う。プレ給水量は、少なくとも洗濯物38の最上面から布数枚程度の部分までが濡れる量(4〜10L)とする。プレ給水は、次に行う高濃度洗剤液の散布で、高濃度洗剤液の洗濯物38への浸透を促進するとともに、洗剤に含まれる蛍光増白剤による色むらを防止するために行う。
【0084】
ステップ405
洗剤撹拌翼50を回転したままで、駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を低速運転して洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を低速度で回転させながら補助給水電磁弁22を開いて洗剤溶解室45に給水する。洗剤溶解室45内の高濃度洗剤液は希釈増量され、水位が上昇し溢水縁45dから溢水し、溢水流路56の穴56a、56bから混合室66に流下する。補助給水電磁弁22と同時に、主給水電磁弁20を開いて水道水を円形パイプ85から混合室66に供給する。混合室66で高濃度洗剤液を好ましい高濃度洗剤液に水道水で希釈して、流出口59から洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38に散布して浸透させる。
【0085】
洗濯物38には、高濃度洗剤液が浸透するため、高濃度洗剤液の化学的洗浄力(浸透乳化、分散などの作用)が洗濯物に付着している汚れに作用し、汚れは洗濯物から取れやすい状態となる。
【0086】
ステップ405a
洗剤溶解室45内の水面に浮いている泡を排除するクリーニングを行う。泡の排除は、洗剤撹拌電動機39への通電を停止し、洗剤撹拌翼50の回転を止め、補助給水電磁弁22からの給水を続けることで、洗剤溶解室45内の水位が上昇し溢水縁45から水面上の泡が流出する。泡を効率よく排除するために、間欠的に洗剤撹拌翼50を短時間回転させるとよい。こうすることで、洗剤撹拌翼50の回転開始時に水面が上昇し、溢水縁45dから多量の泡を排出できる。
【0087】
最後に補助給水電磁弁22を閉じる。洗剤溶解室45内の水はサイホン通水機構47から排出される。
【0088】
ステップ406
高濃度洗剤液を降りかけて浸透させた洗濯物38を、所定時間据え置く。この据え置きは、洗濯物38に対する高濃度洗剤液の浸透と汚れ対する洗剤の化学的洗浄力の作用を一層促進させるための時間であって、必要に応じて省略する。
【0089】
ステップ407
主給水電磁弁20および補助給水電磁弁22を開いて水道水(洗い水)の給水を開始する。この洗い水の給水は、ステップ402において決定した水量まで行うが、給水の途中で洗濯物38の布量(湿布値)、布質を検出するために中断する。この中断水位は、マイクロコンピュータ16aに予め設定された湿布布量および布質検出に適した水位である。
【0090】
ステップ408
湿布布量と布質を検出して洗い水給水量の補正と洗濯工程(洗い工程と濯ぎ工程)の決定を行う。この布質検出は、所定の低水位で給水を中断して駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を撹拌モードに制御し、駆動電動機61を短時間付勢して撹拌翼4を回転駆動し、消勢時の惰性回転における第1の減速特性(湿布布量)を検出し、次いで、給水を再開して所定の高水位まで洗い水を補給した後に給水を中断して駆動装置6の駆動電動機61を短時間付勢して撹拌翼4を回転駆動し、消勢時の惰性回転における第2の減速特性を検出し、この第1の減衰特性と第2の減衰特性の差に基づいて洗濯物38の布質を検出する。この布質検出制御は、初期設定により不要になったときには省略する。そして、布質に応じて、洗いおよび濯ぎ工程における時間と水流(機械的撹拌の強さ)を決定する。
【0091】
ステップ409
ステップ402で決定した水量(水位)まで水道水を給水する。この給水により、洗い水は、高濃度洗剤液を希釈して洗いに好ましい洗剤濃度(1倍)となる。これにより、洗濯物38は、洗濯兼脱水槽2内で所定の洗剤濃度(1倍)の洗い水に浸した状態となる。
【0092】
ステップ410
ステップ408において設定した洗い水流と洗い時間の洗い工程を行うように駆動装置6を制御する。この洗い工程においては、駆動装置6は、電動操作クラッチ機構62を洗濯モードに制御し、駆動電動機61の正逆運転を繰り返すことによって洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を反対向きに繰り返し正逆回転させる。この時、すでに汚れは取れやすい状態になっており、洗濯物に作用させる機械力を小さくしても、高い洗浄力が得られ、かつ布絡みや布傷みを抑えることができる。
【0093】
洗い工程を開始したら、洗剤溶解室45のクリーニングを行う。クリーニングは、ステップ405aですでに行っており、通常洗剤溶解室45内には洗剤は残っていない。本クリーニングは、万一洗剤が残った場合でもそれを排除し、洗剤溶解室45内に洗剤を残さないようにするために行う。クリーニングの方法は、ステップ405aと同様である。
【0094】
ステップ411
排水電磁弁33を開いて洗い水を機外に排水する
ステップ412
主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22を開いて濯ぎ水(水道水)を設定水量まで給水する。このとき(複数回の濯ぎを行うときには最終濯ぎのための給水時には)、必要に応じて、補助給水電磁弁22aも開いて柔軟仕上げ剤を投入する。
【0095】
ステップ413
駆動装置6を制御して濯ぎ工程を実行する。
【0096】
ステップ414
排水電磁弁33を開いて濯ぎ水を機外に排水する。
【0097】
ステップ415
排水電磁弁33を開いたままにして駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を高速運転することによって洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的に高速度で回転させることにより洗濯物38の水分を遠心脱水する。洗濯コースが選択されている場合は、本ステップで運転は終了する。
【0098】
ステップ416
駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を低速運転して洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を低速度で回転させながら送風機26を運転して外槽5内の空気を吸い出し口5aから吸い出し、水冷除湿ダクト23内を上昇する過程において冷却散水部24から該水冷除湿ダクト23内に供給する冷却水によって冷却除湿し、下降風路ダクト25を通して循環ファン26に吸い込み、この循環ファン26から上昇風路ダクト27とヒータ29を通して吹き出し口30に送り込み、ヒータ29によって加熱して洗濯兼脱水槽2内の内壁面付近に向けて該洗濯兼脱水槽2の回転方向に対して逆向きに吹き込む循環空気を生成し、洗濯兼脱水槽2内の洗濯物を乾燥する。
【0099】
遠心脱水されて洗濯兼脱水槽2の側壁に付着した状態のままの洗濯物38を温風乾燥すると該洗濯物38に皺が発生するために、乾燥時間中は、定期的に撹拌翼4を正逆回転させて洗濯物38を動かしながら乾燥させるようにする。この温風乾燥工程の制御は、湿度センサ40、第1温度センサ41、第2温度センサ42の検出信号を監視しながら実行し、所望の乾燥度が得られた時点で終了する。
【0100】
この実施の形態において、洗剤撹拌翼50が回転するステップ403の高濃度洗剤液生成工程、ステップ405の高濃度洗剤液散布工程、ステップ405a、410の洗剤溶解室クリーニング工程では、撹拌による水はねが生じる。飛び跳ねた水の一部は、洗剤溶解室45の上部にある洗剤投入容器73に付着する。洗剤が直接載る洗剤トレイ74の底壁74dが水で濡れると、次回洗濯時に投入した洗剤が底壁74dの濡れた部分に付着し、洗剤投入容器73を押し込んだ後も洗剤トレイ74上に残る。残った洗剤は水を吸って濡れ、乾いて固化し、洗剤トレイ74に固着する。洗濯を繰り返すと、残留洗剤が増加し、洗剤トレイ74のクリーニングが頻繁に必要となり、使い勝手が悪い。
【0101】
遮へい板84は、洗剤トレイ74の底壁74d上へ水が飛び込むのを防止するために設けたものである。洗剤トレイ74の底壁74dと洗剤溶解室45は、底壁74dの端面74d1と遮へい板84のすき間xで通じているだけである。飛び跳ねた水が、底壁74dに飛び込むためには、すき間xを通過する必要がある。水は、様々な方向に飛び跳ねるが、すき間xの真下から真上に飛び跳ねた水のみがすき間xを通過でき、その確率は非常に小さい。このため、遮へい板84がない場合に比べ、底壁74dへの水の飛び込みを大幅に低減することが可能で、洗剤投入容器73のクリーニング間隔を延ばすことができる。なお、すき間xは狭い方がいいことは明らかであるが、2mm程度までであれば、水はねの侵入をほとんど防止できる。
【0102】
また、洗剤トレイ74の底壁74dを傾斜面にしたのは、次のような効果もある。撹拌による水はねは、洗剤溶解室45に対向した底壁74dの裏面に最も多量に付着する。底壁74dが水平であれば、付着した水が取っ手80の方向へ流れて行き、壁面80aからバックパネルボックス17の前側壁17aに流れ、内蓋32上へ落ち、内蓋32が汚れる可能性がある。しかし、本実施の形態では、付着した水は底壁47dの傾斜に沿って流れ、端面74d1から洗剤溶解容器45内に落下するため、上記のような問題が生じることがない。
【0103】
さらに、注水口19に蒸気弁19bを備えているため、温風乾燥工程中に洗濯兼脱水槽2内に発生する高温多湿の蒸気が洗剤溶解容器21内に入ってくることはない。このため、洗剤トレイ74が結露し濡れてしまうことを防止でき、洗剤トレイ74への洗剤が固着することがない。
【0104】
次に、本発明の別の実施の形態について、図17、図18を参照して説明する。なお、洗剤溶解容器21は前述の実施の形態と全く同一であるので、ここでは、洗剤投入容器73についてのみ示してある。また、前述の実記の形態と同一符号は同一部分を示す。図17は洗剤投入容器73の図15の位置(洗剤溶解容器21から引き出し洗剤を投入する位置)における縦断面図、図18は洗剤投入容器73の図13の位置(洗剤溶解容器21に最も奥まで押し込んだ位置)における縦断面図である。
【0105】
本実施の形態の特徴は、洗剤トレイ74から洗剤溶解室45へ洗剤が落下し易いようにしたことである。洗剤トレイ74の底壁74dは傾斜角度θ1を有する傾斜面であり、底壁74dの先端にさらに傾斜角度が急な底壁A74eを設けてある。そして、底壁74eの先端には、図18の状態で遮へい板84と上下方向が平行になる底壁B74fを設けてあり、底壁B73fと遮へい板84とのすき間はyである。すき間yは、前述の実施の形態におけるすき間x(図12参照)と同一である。また、底壁B74fの下端までの寸法K1と遮へい板84の高さKはほぼ同一である。
【0106】
洗剤投入容器73を洗剤投入位置まで引き出すと(図17)、底壁A74fと遮へい板84下端とのすき間はy1となる。角度が急な底壁A74eを設けることで、すき間y1は前述の実施の形態における同位置におけるすき間x1(図15参照)より広くすることができる。
【0107】
すき間x1が狭いと、洗剤の落下を遮へい板84が阻害するため、洗剤トレイ74に多くの洗剤が残る。このため、洗剤投入容器73を押し込む課程で、洗剤が落下しきれず洗剤トレイ74に残ってしまう恐れがある(洗剤投入容器73を素早く押し込むと顕著である)。さらに、遮へい板84の下端(洗剤溶解中に水はねで濡れやすい)に洗剤粒が付着し固着するため、一層すき間xが狭くなる。
【0108】
本実施の形態のように、すき間x1を広くすると、洗剤トレイ74に投入した洗剤は遮へい板84に邪魔されずに洗剤溶解容器45に落下しやすくなり、洗剤投入容器73を押し込む以前により多くの洗剤が洗剤溶解容器75に落下し、洗剤トレイ74上に残る洗剤の量が少なくなる。従って、洗剤投入容器73を押し込んだときに洗剤トレイ上に洗剤が残ることがない。
【0109】
洗剤溶解中、洗剤トレイ74は図18の状態にあり、遮へい板84と底壁B74fとですき間yの上下方向の狭い通路(長さK2)を形成している。洗剤撹拌翼50の撹拌による洗剤溶解室45からの水はねが洗剤トレイ47の底壁74d、底壁A74eに飛び込むためには、この狭い通路を通り抜けなければならず、水はねが底壁に侵入する確率は非常に小さい。このため、洗剤トレイ47の底壁47d、底壁A74eが水に濡れるのを防止できる。
【0110】
さらに、ほぼ垂直になっている底壁B74fは、洗剤トレイ74の底壁裏面に飛散し底壁を流下してくる水(特に洗剤溶解液)が、その濡れ性で底壁B74f表面を伝わり洗剤トレイ74内部へ侵入しようとするのを防止する効果も有する。
【0111】
次に、本発明の別の実施の形態について、図19、図20を参照して説明する。本実施の形態においても、洗剤投入容器73のみを示す。図19は洗剤投入容器73の図15の位置(洗剤溶解容器21から引き出し洗剤を投入する位置)における縦断面図、図20は洗剤投入容器73の図13の位置(洗剤溶解容器21に最も奥まで押し込んだ位置)における縦断面図である。
【0112】
本実施の形態の特徴は、洗剤トレイ74内部への水の浸入をほぼ完全に防止することである。洗剤トレイ74の底壁下面にリブ74gを設ける。遮へい板96は、クランク形状で、板A96a、板B96b、板C96cで構成される。板C97c端部には軸97を備える。軸97は枠体70の内側にあるリブ72に設けた穴で水平軸周りに回転自在に支持される。板B96bの下端には板A96aと反対側に突出する突起部96dを備える。遮へい板96の重心と軸97がずれているため、洗剤溶解容器73を引き出した状態では、遮へい板96は、重力の作用で遮へい板96の重心が軸97の真下に来るように、軸97を仲人に反時計方向に回転し傾く(図19参照)。
【0113】
洗剤トレイ74の底壁74dの端部74d1と遮へい板96の板A96a端部96a1とは、間隔zを有する。この間隔zは、遮へい板96が回転する分、上述した二つの実施の形態のすき間x1やすき間y1に比べ非常に大きい。このため、洗剤トレイ74に投入した洗剤は、遮へい板96の板A96aに触れることなく洗剤溶解室45内に落下し、板A96aに洗剤が付着することがない。
【0114】
洗剤投入容器73を洗剤溶解容器21に押し込んで行くと、洗剤トレイ74は、ピン78a、78bがガイドレール59a、59bに沿って動き、一旦、図中時計方向に回転し傾斜角度が急になった後、反時計方向に回転する。取っ手部80がバックパネルボックスの前側壁17aに当たったところで、洗剤投入容器73はストップすし、図20の状態となり止まる。洗剤溶解容器73を押し込んで行く途中で、遮へい板96の突起部96dがサイホンキャップ47aに当たり、遮へい板96は軸97を中心に図中時計方向に回転する。そして、板96a、板96bが洗剤トレイ74の奥川を覆うような状態で止まり、洗剤トレイ74の底壁下面のリブ74gと板96a、および洗剤トレイ74の底壁74dの端面74d1と板96bとがほぼ接触した状態となる(実際には僅かなすき間z1、z2がある)。
【0115】
撹拌による水はねが洗剤トレイ74の底壁74dに浸入するためには、すき間z1とすき間z2の二カ所を通過しなければならない。これはほとんど不可能であり、実際上、底壁74dへの水の浸入をほぼ完全に防止できる。また、遮へい板96の回転は、重力と洗剤投入容器73を押し込むときの力(使用者の力)を利用している。このため、遮へい板を回転させるためのアクチュエータが不要で、低コストで水の浸入を完全に防止できる遮へい板を実現できる。
【0116】
【発明の効果】
本発明は、洗剤投入口と洗剤トレイで構成される洗剤投入容器を洗剤溶解容器の上縁部に沿って摺動するように設け、前記洗剤トレイは上面と一側面が開口し底面が傾斜面の箱状体で、前記洗剤トレイは、前記洗剤投入容器を引き出すと略水平で、前記洗剤容器を押し込んでいくと前記開口側が一旦下向きなり再び水平に戻るように揺動し、前記洗剤容器を押し込んだ状態では、略水平になり、前記洗剤トレイの一開口に対向して前記開口を閉じる遮へい板を設けたので、前記洗剤溶解容器内の水がはねて(洗剤を投入する場所)が濡れることがなく、前記洗剤トレイ底面の上面に洗剤が付着せず、洗剤投入容器の清掃頻度を少なくできるため、使い勝手が向上する。
【0117】
さらに、本発明は、前記遮へい板をクランク状にし回転可能にしたので、前記洗剤トレイの一開口を完全に閉じることができ、前記洗剤トレイ底面の上側面への水の付着を防げる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗濯機の一実施の形態を示す模式図である。
【図2】本発明の洗濯機の洗剤溶解容器と主給水電磁弁、補助給水電磁弁および風呂水ポンプを実装したトップカバーをバックパネルを開いて示す上面図である。
【図3】本発明の洗濯機の注水口の詳細を示す縦断面図である。
【図4】図1に示した洗濯機の電気系を示すブロック図である。
【図5】図2に示した洗濯機の洗剤溶解容器の斜視図である。
【図6】図2に示した洗濯機の洗剤投入容器の斜視図である。
【図7】図2に示した洗濯機の洗剤溶解容器の上面図である。
【図8】図7に示した洗剤溶解容器のA−A線で切断した縦断面図である。
【図9】図7に示した配管ユニットのC−C線で切断した縦断面図である。
【図10】図7に示した配管ユニットのD−D線で切断した縦断面図である。
【図11】図6に示した洗剤投入容器の上面図である。
【図12】図11に示した洗剤投入容器のE−E線で切断した縦断面図である。
【図13】図7に示した洗剤溶解容器のB−B線で切断し洗剤投入容器を押し込んだ状態の縦断面図である。
【図14】図6に示した洗剤溶解容器のB−B線で切断し洗剤投入容器を引き出した状態の縦断面図である。
【図15】図6に示した洗剤溶解容器のB−B線で切断し洗剤投入容器を途中まで押し込んだ状態の縦断面図である。
【図16】図1に示した洗濯機のコントロールユニットにおけるマイクロコンピュータが実行する各工程の制御処理のフローチャートである。
【図17】本発明の一実施の形態の洗剤投入容器を引き出した状態を示す縦断面図である。
【図18】図17に示した洗剤容器を押し込んだ状態を示す縦断面図である。
【図19】本発明の一実施の形態の洗剤投入容器を引き出した状態を示す縦断面図である。
【図20】図19に示した洗剤容器を押し込んだ状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…外枠、1a…裏側蓋、1b…補強部材、2…洗濯兼脱水槽、4…撹拌翼、4a…小穴、5…外槽、5a…吸い出し口、6…駆動装置、8…防振支持装置、9…トップカバー、9a…外側衣類投入口、17…バックパネルボックス、19…注水口、20…主給水電磁弁、21…洗剤溶解容器、22、22a…補助給水電磁弁、23…水冷除湿ダクト、24…冷却散水部、25…下降風路ダクト、26…循環ファン、27…上昇風路ダクト、28…外槽上カバー、29…ヒータ、30…吹き込み口、31…外蓋、32…内蓋、39…洗剤撹拌電動機、45…洗剤溶解室、45d…溢水縁、47…サイホン通水機構、50…洗剤撹拌翼、58a、58b、59a、59b…ガイドレール、68…洗剤投入部、73…洗剤投入容器、74…洗剤トレイ、74d…底壁、77a、77b、78a、78b…ピン、79…ねじるバネ、84、96…遮へい板、97…軸。
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗剤溶かし機構を有する洗濯機及び洗濯乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
撹拌モータと撹拌ブレードで構成される撹拌手段による洗剤溶かし機構を有する洗剤ケースを設けた洗濯機が特開平7−80187号公報に記載されている。同公報には、洗濯槽に洗濯水を給水する経路途中に仕切り板を設けた洗剤入れを設け、洗剤入れに所定量の洗剤と水を溜め、撹拌手段で溶解した後、給水とともに洗濯槽へ供給することが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平7−80187号公報では、洗剤投入は洗剤入れへ直接行うようになっている。このため、洗剤入れの上部は大きく開口しており、撹拌手段での撹拌中に洗剤液や洗剤がこの開口から飛び出してしまう恐れがある。
【0004】
本発明の目的は、洗剤溶解容器の開口部を覆い、洗剤と触れる部分が濡れにくく使い勝手がよい洗剤投入容器を有する高濃度洗剤液生成・供給手段を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、洗濯兼脱水槽内の洗濯物に高濃度洗剤液を振りかけて浸透させる高濃度洗剤液生成・供給手段を備え、前記高濃度洗剤液を浸透させた後に給水して洗い工程を実行する洗濯機において、前記高濃度洗剤液生成・供給手段は、洗剤投入容器と、洗剤溶解容器と、前記洗剤溶解容器の底部に配置した洗剤撹拌翼と、前記洗剤撹拌翼を駆動する駆動手段と、前記洗剤溶解容器に給水する給水電磁弁とを備え、前記洗剤投入容器は、取っ手部と、洗剤投入口と、洗剤トレイとで構成され、前記洗剤投入容器は、前記洗剤溶解容器の上縁部に沿って摺動して該洗剤溶解容器の上部から前記衣類投入口内に引き出し可能に設置し、前記洗剤投入口は上下が開口した開口部を備え、前記洗剤トレイは上面および一側面が開口した薄型箱状体で、該一側面の開口が前記取っ手部の反対方向になるように、前記洗剤トレイを前記開口部に設け、前記洗剤トレイを前記取っ手部側を軸に前記一側面の開口側が上下に揺動可能に支持し、前記洗剤投入容器の摺動に伴って前記洗剤トレイが揺動するようにする。 また、前記洗剤トレイは、前記洗剤投入容器を引き出した状態では略水平で、前記洗剤投入容器を押し込む途中で一旦下向きなり再び水平に戻るように揺動し、前記洗剤容器を押し込んだ状態では、略水平になるようにする。
【0006】
また、前記洗剤トレイは底面が前記一側面の開口方向に向かうにつれて低くなる傾斜面とする。
【0007】
また、前記一側面の開口に対向して、該開口を閉じる遮へい板を設ける。好ましくは、前記洗剤トレイの底面の前記傾斜面は、前記一側面の開口近傍が更に急な傾斜面とする。
【0008】
また、前記遮へい板は断面形状がクランク状で、上部端面に軸を備え、該軸を中心に揺動可能支持され、前記遮へい板は、前記洗剤投入容器を引き出した状態では前記洗剤トレイの一側面の開口から離れ、前記洗剤投入容器を押し込んだ状態では、前記一側面の開口を閉じるように揺動するようにする。
【0009】
さらに、前記遮へい板に設けた軸は前記遮へい板の重心と離れた位置に設置し、前記洗剤トレイの一側面の開口から離れる場合は重力の作用で前記軸を中心に回転し、前記一側面を閉じる場合は前記遮へい板を前記洗剤溶解容器に押しつけて回転させるようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本発明は、洗濯機および洗濯乾燥機に関するものであるが、洗濯機は、洗濯乾燥機から乾燥機構を取り除いた構成で実施することができるので、以下に述べる実施の形態は、洗濯乾燥機について説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態である洗濯乾燥機を縦断面して示す模式図である。
【0012】
1は、外郭を構成する四角筒状の外枠である。2は、洗濯兼脱水槽であり、その周壁に通水および通風のための小穴2aを有し、その上縁部に流体バランサー3を備え、底部の内側には回転自在に撹拌翼4を設置する。撹拌翼4は、外周部が高いお椀状になっており、最底部に水抜きおよび温風通過用の複数個の小穴4aを有する。5は、前記洗濯兼脱水槽2を内包する外槽であり、底部の外側には駆動装置6を鋼板製の取り付けベース7によって取り付け、外枠1の上端部の四隅部に係止した4本の防振支持装置8によって外槽5を四方から均等に吊り下げることにより該外枠1の中心部に懸垂するように支持する。
【0013】
駆動装置6は、駆動電動機62と電動操作クラッチ機構63と遊星歯車減速機構64を内蔵する。電動操作クラッチ機構63を電動操作機63aで切り換えることによし、洗濯兼脱水槽2を静止させた状態で撹拌翼4を回転させ(撹拌モード)、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4をそれぞれ反対方向に回転させ(洗濯モード)、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的に同一方向に回転(脱水・乾燥モード)させるような選択的な駆動機能を有する。
【0014】
外槽5の底に形成した排水口5bは、排水電磁弁33を介して排水ホース34に接続する。エアートラップ5cは、エアーチューブ35を介して前記水位センサ15に接続する。外枠1の下端縁には、四隅に脚36を取り付けた合成樹脂で成形されたベース37を装着する。
【0015】
なお、参照符号38は、洗濯兼脱水槽2内に投入された洗濯物である。
【0016】
外側衣類投入口9aを形成したトップカバー9は、外枠1の上部開口を覆うように該開口端縁に嵌め込み、フロントパネル10およびバックパネル11と共に取り付けねじによって外枠1に取り付けられる。図2は、バックパネル11を取り外したトップカバー9の平面図である。
【0017】
トップカバー9に形成した外側衣類投入口9aは、2つ折り(山折り)に開くようにヒンジ31aによってトップカバー9に取り付けた外蓋31によって開閉自在に覆い、外槽5の上端に取り付けた外槽上カバー28に形成した内側衣類投入口28aは、ヒンジ32aによって外槽上カバー28に取り付けた内蓋32によって開閉自在に覆うように構成する。
【0018】
トップカバー9とフロントパネル10の間に形成される前部収納部であるフロントパネルボックス12には、電源スイッチ13と入力スイッチ群14aおよび表示素子群14bを備えた操作パネル14、アンバランス検出センサ43、蓋スイッチ44を内蔵する。アンバランス検出センサ43は、洗濯兼脱水槽2を回転させたときに該洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38のアンバランスによって、該洗濯兼脱水槽2(外槽5)が所定値以上に大きく振れるのを検出するセンサである。蓋スイッチ44は、外蓋31の開閉を検知する。
【0019】
トップカバー9とバックパネル11の間に形成される後部収納部であるバックパネルボックス17には、後述する洗濯水給水手段と高濃度洗剤液生成・供給手段を横並びにして内蔵すると共に、外槽5内の水位に応じた水位信号を発生する水位センサ15と、コントロールユニット16を内蔵する。
【0020】
洗濯水給水手段は、入水側を水栓接続口18に接続し、出水側を洗剤溶解容器21に接続した主給水電磁弁20によって構成する。さらに、入水側をホース接続口82に接続し、出水側を洗剤溶解容器21に接続した風呂水ポンプ81によって構成される給水手段を設けてもよい。
【0021】
高濃度洗剤液生成・供給手段は、補助給水電磁弁22から洗剤溶解容器21に洗剤溶解水を供給し、この洗剤溶解容器21内に投入されている粉末合成洗剤を撹拌しながら前記洗剤溶解水で溶解して高濃度洗剤液を生成し、更なる給水により希釈しながら洗剤溶解容器21から溢水させて前記前記洗濯水給水手段からの水と混合し注水口19に供給するように構成する。洗剤溶解容器21には、洗剤や柔軟仕上げ剤を投入するのに使用する引き出し式の洗剤投入容器73が取り付けられる。
【0022】
注水口19は、トップカバー9の底と外槽5の外槽上カバー28の後部を貫通して洗濯兼脱水槽2の上部開口内に向けて開口する。この注水口19は、図3に示すように、洗剤溶解容器21の流出口59と外槽上カバー28との間に接続した可撓管19a、固定ブッシュ19b、蒸気弁19c、散水カバー19dにより構成する。固定ブッシュ19bは、可撓管19aを外槽上カバー28に固定する。固定ブッシュ19bの先端には、蒸気弁19cを備える。蒸気弁19cは、バタフライ弁で、水が流出口59から流下してくると水の重さで二点鎖線のように自動的に開き、水を通過させる。水が流れていないときは弁の弾性で自動的に閉じる。
【0023】
このため、乾燥工程中に洗濯痩躯兼脱水槽2から高温多湿の上記が洗剤溶解容器21内に流入するのを防止でき、洗剤投入容器73やバックパネルボックス17内で結露が発生することがない。また、バックパネルボックス17から洗濯乾燥機設置室内への上記の拡散も防げる。従って、洗剤投入容器73の洗剤投入部の濡れを防げ、次回洗濯時に洗剤を洗剤投入容器73に投入した時に、洗剤投入容器73へ洗剤が付着固化するのを防止できる。更に、バックパネルボックス17内の電気部品(風呂水ポンプ81のモータや電磁給水弁、コントロールユニット16など)の絶縁不良の発生を防止できる。
【0024】
蒸気弁19cは、シート状で弾性力を有し、乾燥中の熱に影響されない(熱変形しない、弾性力が低下しない)材質で成形されており、例えばポリエチレンテレフタレート製である。散水カバー19bは、蒸気弁19cを保護するために、蒸気弁19cを覆うような凹状で、外槽上カバー28との間に空間19eを形成している。散水カバー19bに流下した水は、空間19e内で分配され、下面に設けた複数個の小穴19d1から洗濯兼脱水槽内2内の洗濯物38へ振りかかる。19fは、可撓管19aを流出口59に固定するバンドである。
【0025】
主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22、22a、散水給水電磁弁24aは一体成型の四連弁で、洗剤溶解容器21の背面に設けた配管ユニット83に取り付けられている。
【0026】
なお、高濃度洗剤液生成・供給手段については、後で詳しく述べる。
【0027】
温風循環乾燥手段は、外槽5の下部の側壁に形成した吸い出し口5aから該外槽5の後側の外壁面に沿って垂直状態で上向きに伸びるように形成して前記吸い出し口5aから浸入した洗濯水を堰き止める除湿風路部である水冷除湿ダクト23と、この水冷除湿ダクト23内の上部に位置して該ダクト内に冷却水を供給する水冷除湿手段である冷却散水部24と、洗濯工程における外槽5の水位よりも高い位置で折り返して該外槽5の外壁面に沿って該外槽5の下側に向かって垂直に伸びる下降風路部である下降風路ダクト25と、外槽5の下側の空間に配置されて前記下降風路ダクト25から吸い込み口に空気を吸い込んで循環空気を生成する循環ファン26と、この循環ファン26の吹き出し口から外槽5の外壁面に沿って上方向に垂直状態に伸びる上昇風路部である上昇風路ダクト27と、外槽5の上端部に取り付けた外槽上カバー28上に設置されて前記上昇風路ダクト27から送り込まれる循環空気を加熱する加熱手段であるヒータ(PTCヒータ)29を内蔵し、加熱した循環空気を洗濯兼脱水槽2内に向けて吹き込む吹き込み口30を備える。
【0028】
水冷除湿ダクト23から下降風路ダクト25への折り返し部分には、糸屑捕集手段61を備える。また、下降風路ダクト25内下部には湿度センサ40と第1温度センサ41を設置し、吹き込み口30のヒータ29の下流側風路内には第2温度センサ42を設置する。冷却散水部24への給水は、冷却散水電磁弁24aから行い、両者は蛇腹ホース24bで接続されている。
【0029】
循環風路を構成する前記水冷除湿ダクト23、下降風路ダクト25および上昇風路ダクト27は、外槽5の後側の外壁面に該外槽5の周方向に並べてその一部を該外槽5と一体成形して実装し、これらの外側を覆う裏側蓋1aは、外側に膨出する形状に構成してねじ止めする。
【0030】
この温風循環乾燥手段は、洗濯後に外槽5内の洗濯水を排水し、洗濯兼脱水槽2を高速回転させて脱水した後に低速回転させながら、循環ファン26を運転することによって、外槽5および洗濯兼脱水槽3内の湿潤空気を吸い出し口5aから吸い出し、水冷除湿ダクト23内を上昇させる過程において冷却散水部24から該水冷除湿ダクト23内に供給される冷却水によって冷却して除湿する。その後、冷却除湿した空気は、下降風路ダクト25を下降させて循環ファン26に吸い込み、この循環ファン26から上昇風路ダクト27とヒータ29を通して吹き出し口30に送り込み、ヒータ29によって加熱して洗濯兼脱水槽2内の内壁面付近に向けて該洗濯兼脱水槽2の回転方向に対して逆向きに吹き込む。このように洗濯兼脱水槽2に吹き込まれた循環空気は、洗濯兼脱水槽2内の洗濯物に触れて該洗濯物を乾燥する。
【0031】
図4は、マイクロコンピュータ16aを中心に構成される洗濯乾燥機の制御部のブロック図である。マイクロコンピュータ16aは、入力スイッチ群14aや水位センサ15、湿度センサ40、第1、第2温度センサ41、42、アンバランス検出センサ43、蓋スイッチ44に接続され、使用者のボタン操作、洗濯兼脱水槽2内の水位、下降風路ダクト25内の温度、湿度などの情報信号を受ける。マイクロコンピュータ16aからの出力信号は、駆動回路16cに接続され、主電磁給水弁20,補助電磁給水弁22、22a、冷却散水電磁弁24a、排水電磁弁33、洗剤撹拌電動機39、循環ファン26等に商用電源を供給して、これらの開閉あるいは回転を制御する。また、使用者に洗濯乾燥機の操作を知らせるために、表示素子群14bを制御し、進行状況を表示する。
【0032】
操作パネル14の入力スイッチ群14aは、洗濯コース(標準、強力、ソフト、ドライ、手造り、ふとんなど)を設定するスイッチ、乾燥コース(標準、ワイシャツ、仕上げ、ドライなど)を設定するスイッチ、洗濯から乾燥までを連続して行う場合の洗濯乾燥コース(標準、ワイシャツ、毛布など)を設定するスイッチ、洗い時間や脱水時間、水量、すすぎ回数等洗濯条件を設定するスイッチなどを備える。
【0033】
商用電源に接続されるブリッジ整流回路70は、商用電源を全波整流し、力率改善と昇圧を兼ねるDC−DC変換回路72に入力する。DC−DC変換回路72は、この整流電圧をIGBT等の半導体素子でチョッピングして、共用電源乗り規律を改善すると共に、昇圧した直流電源をPWMインバータ回路73に供給する。この出力電圧は、マイクロコンピュータ16aから半導体素子の駆動矩形波のデューティを制御して可変される。PWMインバータ回路73は、この直流電圧から三相PWM矩形波電圧を生成し、DCブラシレスモータ62に印可して、これを回転させる。DCブラシレスモータ62には、ロータの位置検出手段として、ホール素子62aが内蔵される。ロータの位置はこのホール素子62aで検出され、マイクロコンピュータ16aに伝えられる。そして、このロータの位置、回転速度の情報からマイクロコンピュータ16aは、DCブラシレスモータの回転数や回転方向を制御する。
【0034】
次に、高濃度洗剤液生成・供給手段を図5から図16を参照して説明する、
図5は洗剤溶解容器21の斜視図、図6は洗剤投入容器73の斜視図、図7は洗剤溶解容器21の上面図、図8は洗剤容器21を図8のA−A線で切断した場合の縦断面図、図9は配管ユニット83を図7のC−C線で切断した場合の縦断面図、図10は配管ユニット83を図7のD−D線で切断した場合の縦断面図、図11は洗剤投入容器73の上面図、図12は洗剤投入容器73を図11のE−E線で切断した場合の縦断面図、図13は洗剤溶解容器21に洗剤投入容器73をセットし図7のB−B線で切断した場合の縦断面図、図14は同洗剤投入容器73を引き出した場合の縦断面図、図15は同洗剤投入容器73を途中まで押し込んだ場合の縦断面図である。
【0035】
洗剤溶解容器21は、上方を開放した略四角形状の容器であり、前記洗剤撹拌翼50を設置する洗剤溶解室45と、仕上げ剤投入室46と、溢水流路56と混合室66を備える。該混合室66は、前記洗剤溶解室45及び仕上げ剤投入室46の下部にあり、溢水流路56と穴56a、56bで連通している。混合室66の底壁21dは前側が低い傾斜面で形成しており、その最も低い位置に流出口59を備える。流出口59は、外槽上カバー28の注水口19に可撓管19aで接続される。
【0036】
洗剤溶解室45の左側側壁上部と仕上げ剤投入室46の右側側壁上部には、上下のレールで構成したガイドレール58a、58bを備え、該ガイドレール58a、58bには洗剤投入容器73を進退自在に載置可能になっている。また、前記ガイドレール58aの下側と洗剤溶解室45の右側側壁には、洗剤トレイ74のガイドレール59a、59bを備える。ガイドレール59a、59bは下に凸の曲線形状である。
【0037】
洗剤溶解容器21の後部側壁には、主給水用の円形ポート21a、洗剤溶かし用の長円形ポート21b、仕上げ剤用の長円形ポート21cを備える。円形ポート21aは前記混合室66に、長円形ポート21bは洗剤溶解室45に、長円形ポート21cは仕上げ剤投入室46に開口している。
【0038】
L形の配管ユニット83は、洗剤溶解容器21の右側面から背面に密着して設置される。配管ユニット83は、内部に四つの給水流路が形成されていて、給水流路の一方が給水電磁弁に、もう一方は洗剤容器21に設けた前記給水ポートに接続している。
【0039】
配管ユニット83の側面には、四連の電磁給水弁を取り付ける4個のポート(85a、86a、87a、88a)がある。ポート85aに洗濯兼脱水槽2へ給水する主給水電磁弁20を、ポート86aに洗剤溶解室45に給水する補助給水電磁弁22を、ポート87aに仕上げ剤投入室46に給水する補助給水電磁弁22aを、ポート88aに冷却散水部24へ給水する冷却散水電磁弁24aを取り付ける。なお、各ポートには水封のためにゴム製のブッシュ92が嵌め込まれている。
【0040】
ポート85aは、給水流路85bに通じており、給水流路85bの末端にパイプ85が取り付けられる。また、給水流路85bの途中には、風呂水ポンプ81への呼び水供給口90、風呂水ポンプ81からの風呂水入水口89、絞り91aを介してクリーニング水供給口91がある。呼び水供給口90の分岐部には整流板85dを備え、風呂水ポンプ81への呼び水の供給を確実に行うようになっている。なお、風呂水ポンプ81と呼び水給水口90,風呂水流入口89はホースで接続する。
【0041】
また、図示は省略するが、クリーニング水供給口91は、水冷除湿ダクト23上部と蛇腹ホースで接続される。水冷除湿ダクト23上部壁面や冷却散水部24には乾燥工程中に発生する糸屑が堆積する可能性がある。そこで、主給水電磁弁20による給水時に、クリーニング水供給口91から少量の水を糸屑が堆積した部分に散水することにより糸屑を水冷除湿ダクト23下部に落とし、糸屑のクリーニングを行う。
【0042】
ポート86aは、給水流路86bに通じており、給水流路86bの末端には下方向に開口したL形のパイプ86が取り付けられている。
【0043】
ポート87aは、給水流路87bに通じており、給水流路87bの末端には下方向に開口したL形のパイプ87が取り付けられている。
【0044】
ポート88aは、給水流路87bに通じており、給水流路87bの末端には冷却散水部24への給水口88が取り付けられている。
【0045】
給水流路85bと給水流路88bは小穴92aで、給水流路86bと給水流路88bは小穴92bで連通している。これらの小穴は、給水流路内の水抜きのために設けたもので、配管ユニット83内の凍結を防止するためである。
【0046】
配管ユニット83の洗剤溶解容器21への取り付けは、L形パイプ86を長円形ポート21bに、L形パイプ87を長円形ポート21cに差し込み、円形ポートの下端に当たるまで下方へスライドさせた後で、パイプ85をゴム製ブッシュ67が嵌め込まれた円形ポート21aに押し込むことで行う。更に、図示しないが、配管ユニット83を洗剤溶解容器21にねじ止めして、両者を固定する。
【0047】
洗剤溶解室45に給水する給水手段(第1の給水手段)である補助給水電磁弁22からの水は、L形パイプ86を通り洗剤溶解室45に流入する。洗剤溶解室45の内側側壁には、L形パイプ86から入ってきた水と洗剤とを洗剤撹拌翼50によって撹拌して高濃度洗剤液を生成し、この高濃度洗剤液を第1の給水手段の補助給水電磁弁22からの更なる給水で希釈することによって増量したときに溢水流路56に溢水させる溢水縁45dと、撹拌時に洗剤溶解水(高濃度洗剤液)の回動を抑制する上下方向に長い複数本の三角柱状のリブ45cを備える。リブ45cは、撹拌中の洗剤液の水面がすり鉢状になりにくくし、撹拌中に溢水縁45dから洗剤液が溢水するのを防止する。
【0048】
また、洗剤溶解室45の底壁45aには、略中央部に回転可能に設けた洗剤撹拌翼50と、仕上げ剤投入室46側の隅部に洗剤溶解室45内の洗剤液あるいは水を混合室66に流し出すサイホン通水機構47を備える。本実施例では、洗剤撹拌翼50は矢印R(図8参照)の方向に回転するので、洗剤溶解水は図中反時計回りに流れる。
【0049】
洗剤溶解室45の底壁45aは、サイホン通水機構47が最も低くなるような傾斜面になっている。ただし、洗剤撹拌翼50に対向する部分は洗剤撹拌翼50と略平行の水平面45a1になっている。サイホン通水機構47は、洗剤溶解室45内の残水を極力少なくするよう底壁45aの最底部より一段低い底面45bに設けられている。底壁45aと底面45bとは傾斜面でスムーズに接続しサイホン通水機構47周辺の洗剤溶解水の流れをスムーズにし、洗剤の滞留を防ぐ。
【0050】
サイホン通水機構47は、サイホンパイプ47bとサイホンパイプ47bの周りにすき間を持って設置したサイホンキャップ47aとで構成される。サイホンパイプ47bの中心には孔47cが設けられており、混合室66に開口している。サイホンパイプ47bの高さはサイホンが確実に導通するよう溢水縁45dより少し低く設定している。
【0051】
洗濯物38へ給水する給水手段(第2の給水手段)である主給水電磁弁20からの水は、配管ユニット83の円形パイプ85から混合室66に流入する。
【0052】
洗剤溶解室45で生成された高濃度洗剤液は、第1の給水手段である補助給水電磁弁22からの給水で希釈増量され、溢水流路56及びサイホン通水機構47から混合室66へ流下する。ここで、第2の給水手段からの水と合流し、希釈されて流出口59から注水口19へ流れ出る。
【0053】
円形パイプ85から混合室66に流入する水道水の流速は、水道水圧により変化するが、水道水圧が高い場合、噴流状となり洗剤容器21の前側側壁56cに衝突し、穴56a、56bを逆流して洗剤溶解室45や仕上げ剤投入室46に流入する可能性がある。これを避けるために、混合室66内に整流部材75を設ける。整流部材75は、空隙率が大きい多孔質状であり、例えば、プラスチック製の繊維を絡み合わせて作る。整流部材75内で噴流は減速し、混合室66全体に広がって流れるようになり、穴56a、56bへの逆流を防止できる。
【0054】
仕上げ剤投入室46は、溢水流路56に連なる溢水縁46bと、混合室66に連なるサイホン通水機構48と、補助給水電磁弁22aからの水が流入するL形パイプ87を備える。仕上げ剤投入室46の底壁46bは、前方の方が低い傾斜面となっており、その最も低い部分に前記サイホン通水機構48を設けてある。仕上げ剤投入室46内の仕上げ剤(液体)は、L形パイプ87からの受水によって希釈、増量され溢水縁46aから溢水流路56に溢水し、穴56bから流下するとともに、サイホン通水機構48から混合室66に流れ出る。ここで、第2の給水手段からの水と合流し、希釈されて流出口59から注水口19へ流れ出る。
【0055】
次に、洗剤撹拌翼50の駆動機構について説明する。洗剤溶解容器21と洗剤撹拌電動機39は、金属ベース板49上に水平方向に横並びさせた状態に設置される。
【0056】
洗剤溶解容器21の底部に配設した洗剤撹拌翼50と結合した撹拌翼駆動軸51は、洗剤溶解容器21の底壁部および金属ベース板49を垂直状態に貫通させて該金属ベース板49の下側に導出し、導出部分にOリングベルト従動プーリ52を嵌着する。洗剤撹拌電動機39は、回転出力軸39aが金属ベース板49を垂直状態に貫通して該金属ベース板49の下側に導出されるように該金属ベース板49に取り付け、導出部分にOリングベルト駆動プーリ53を嵌着する。そして、従動プーリ52と駆動プーリ53は、Oリングベルト54によって連動させる。ベルトをOリングベルトとすることで、タイミングベルトに比べ駆動音の低減が図れる。また、洗剤撹拌電動機49は、電動機カバー71を被せて金属ベース板49に固定し、水の侵入を防ぐ。金属ベース板49は、洗剤溶解容器21ねじ止め固定する。
【0057】
金属ベース板49には、前記撹拌翼駆動軸51を支持する軸受55を嵌入し、洗剤溶解室45底壁部略中央には軸シール部材57を嵌入する。軸受55と軸シール部材57は同軸に配置する。軸シール部材57は、ゴム製でリング状のリップを撹拌翼駆動軸51に押し付けることでシール作用を発揮する。前記軸受55で支持した撹拌翼駆動軸51は、軸シール部材57を貫通し、洗剤溶解室45の内側に導出し、導出部分に洗剤撹拌翼50を嵌め込む。撹拌翼50の表面には洗剤の溶解効率が良くなるよう小羽根50bが設けてある。
【0058】
洗剤撹拌翼50の下面と洗剤溶解室45底壁部とのすき間で、すき間が迷路状のラビリンスシール機構60を構成する。このラビリンスシール機構60は、軸シール部材57への洗剤液や合成洗剤中のゼオライトの侵入を防ぎ、軸シール部材57の摩耗防止のために設けてある。
【0059】
洗剤投入容器73は、偏平な四角形状で上方を開放した箱状体であり、洗剤投入部68と仕上げ剤投入部69と取手部80を備える。洗剤投入部68は洗剤溶解室45の上方に、仕上げ剤投入部69は仕上げ剤投入室46の上方に位置する。洗剤投入部68と仕上げ剤投入部69は枠体70で囲まれている。洗剤投入容器73は、枠体70の左右部分が前記洗剤溶解容器21に設けたガイドレール58a、58bに挟み込むように案内され、前後に進退する。
【0060】
取手部80は、洗剤投入容器73の手前側の部分に位置し、トップカバー9に形成した外側衣類投入口9aの奥側の壁面に露出して進退操作するための把持部分として機能する。
【0061】
洗剤投入部68は、洗剤トレイ74、遮へい板84、天板70a、リブ72を備える。リブ72は洗剤投入部68を取り囲むように、枠体70の内側に位置する。また、天板70aは、枠体70の上部にあり洗剤投入部68を囲むように設けてある。
【0062】
洗剤トレイ74は左右の側壁74aと手前側壁74cと奥側に傾斜した底壁74dを有し、上方と奥側が開放した薄い箱体状である。左右の側壁74aの外側面には、手前側にピン77a、77bを、奥側にピン78a、78bを備える。ピン77a、77bは、リブ72に取っ手80側に設けた穴に回転自在に嵌め込まれており、洗剤トレイ74はピン77a、77bを中心に回転可能に支持される。ピン77bの外側にねじりバネ79が設けてあり、ねじりバネ79の一方の端は洗剤トレイ74の側壁74bの外側面に設けたストッパ74bで、もう一方は天板70aで固定されている。ねじりバネ79は、洗剤トレイ74を上方に回転させるよう(図12で洗剤トレイ74が反時計回りに回転する)に作用する。洗剤トレイ74は、左右の側壁74a上端が天板70aに当たり回転がストップする(図12の状態)。
【0063】
洗剤投入容器73を洗剤溶解容器21にセットすると、洗剤トレイ74のピン78a、78bは、ねじりバネ79の作用でガイドレール59a、59bの下面に押し付けられる。洗剤投入容器73を前後に動かすと、ピン78a、78bはガイドレール59a、59bに沿って動くため、洗剤トレイ74はピン77a、77bを中心に回転揺動運動を行う。洗剤投入容器73を洗剤溶解容器21から引き出して行くと、最後にピン78a、78bがガイドレール59a、59bのストッパ59a1、59b1に当たり、洗剤投入容器73はそれ以上引き出せなくなる(図14の状態)。
【0064】
洗剤溶解容器73を洗剤溶解容器21にセットする場合は、バックパネルボックス17とバックパネル11に設けた開口部11aに洗剤溶解容器21の先端を差し込み、洗剤トレイ74をバックパネルボックス17の前側壁17aの折り返し部分17a1に当たるまで押し下げる。ピン78a、78bはガイドレール59a、59bのストッパ59a1、59b1の下端より下がった状態になるので、洗剤溶解容器73を更に押し込み、洗剤溶解容器73の左右の枠体70をガイドレール58a、58bに嵌め込み、洗剤トレイ74を開放すると、図14の状態となりセットが完了する。
【0065】
従って、洗剤溶解容器73の取手部80を除いた部分の高さは、開口部11aの高さ寸法Mより小さくする必要がある。洗剤トレイ47から洗剤溶解容器45への洗剤の入りやすさを考えると、洗剤トレイ74の底壁74dの傾斜角度θ1は、寸法Mを超えない範囲で、極力角度を大きくした方がよい。
【0066】
洗剤溶解容器73を洗剤溶解容器21から外す場合は、洗剤トレイ47を押し下げピン78a、78bをストッパ59a1、59b1から外し、洗剤溶解容器73を引き抜く。洗剤投入容器73が汚れた場合、簡単に取り外して清掃ができる。
【0067】
洗剤トレイ74の手前側壁74cは、洗剤トレイ74と取手部80の壁面80aとのすき間80bに被さるように折り返し部74c1を有する。
【0068】
洗剤トレイ74の奥側には、天板70aに設けた遮へい板84を備える。遮へい板84は、洗剤トレイ74の底壁74dの端面74d1とすき間xを隔てた位置にある。遮へい板84の寸法は、幅Lが洗剤トレイ74の左右方向長さL1とほぼ同一で、高さHは洗剤トレイ74底壁面の最大深さH1より僅かに高い。こうすることで、洗剤溶解室45と洗剤トレイ74内部をほぼ遮へいできる。
【0069】
仕上げ剤投入部69は、奥側が低い傾斜面の底壁76を有し、底壁76の奥側に開口部を有する。
【0070】
次に、このように構成された洗濯乾燥機の各工程の動作を説明する。図16は、コントロールユニット16内のマイクロコンピュータ16aが実行する各工程のフローチャートである。
【0071】
マイクロコンピュータ16aは、入力スイッチ群14aの洗濯開始ボタンスイッチが投入されると次のような制御処理を実行する。
【0072】
ステップ401
使用者が、洗濯兼脱水槽2に洗濯衣類38を投入し、操作パネル14の入力スイッチ群14aを操作して初期設定を行い、洗濯開始ボタンスイッチを押すと、マイクロコンピュータ16aは、各工程の自動運転制御処理をスタートする。
【0073】
前記初期設定では、洗濯物38に合わせた洗濯コース、必要に応じて、洗い時間や脱水時間、水量、すすぎ回数等を設定する。洗濯に続いて乾燥まで行う場合は洗濯乾燥コースを設定する。
【0074】
ステップ402
洗濯物38の布量の検出制御処理を行う。この布量検出は、給水前の乾布状態において、駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を撹拌モードに制御し、駆動電動機61を短時間通電して撹拌翼4を回転駆動し、回転増速時の加速特性もしくは、駆動電動機61への通電停止時の惰性回転における減速特性に基づいて検出する。この検出結果(洗濯物38の布量)に基づいて、洗い水量および好ましい洗剤濃度の洗い水を生成するための洗剤量を演算して決定し、この洗剤量を表示素子群14bによって表示するとともに、洗剤投入の催促表示をする。使用者は、取手部80を掴んで洗剤投入容器73を外側衣類投入口9a内に引き出す(図14)。この時、洗剤トレイ74は図12や図13に示した状態(θ1)より傾斜角度が大きく、底壁74dの角度はθ2になっている。また、洗剤トレイ74の底壁端面74d1と遮へい板84とはすき間x1を有している。
【0075】
前記表示洗剤量を参考に所定量の粉末合成洗剤を洗剤トレイ74に投入すると、粉末合成洗剤は山状になるが、その一部は洗剤トレイ74の底壁74dを滑りながらすき間x1から洗剤溶解室45に落下し、一部は洗剤トレイ74上に残る。洗剤トレイ74の傾斜角度が大きいほど、洗剤トレイ74上に残る洗剤量を少なくできることは明らかである。このために、洗剤トレイ74の傾斜角度は、前述した洗剤溶解容器73の着脱に支障がなく、かつピン78a、78bがストッパ59a1,59b1に引っ掛かる範囲で極力大きくしてある。
【0076】
また、洗剤トレイ74の手前側壁74cと折り返し部74c1があるため、手前側壁74c側に崩れてくる洗剤がすき間80bから内蓋32上に落下、飛散することがない。
【0077】
必要であれば、仕上げ剤投入部73dに仕上げ剤を投入すると該仕上げ剤は仕上げ剤投入室21dに流下する。
【0078】
その後、取手80を掴み洗剤投入容器73を押し込んで行くと、ピン78a、78bはガイドレール59a、59bによって押し下げられ、洗剤トレイ74は時計方向に回転し角度が増加し(図15)、洗剤トレイ74上に残っていた洗剤は全て洗剤溶解室45に落下する。この時、洗剤トレイ74の底壁74dの傾斜角度θ3が小さすぎると、洗剤の種類によっては洗剤が落下しきれないことがある。一般に市販されている種々の粉末合成洗剤で検討したところ、傾斜角度θ3を35°以上とすることで、洗剤トレイ74への洗剤残りを防止することができることが分かった。このため、本実施例では、少し余裕を見て傾斜角度が40°になるよう、ガイドレール59a、59bの形状を決めている。これ以上の角度に設定することも可能であるが、角度を大きくするためには、ガイドレール59a、59bの勾配を急にする必要がある。このため、特に洗剤溶解容器74を押し込む時にピン78a、78bとガイドレール59a、59bとの摩擦力が増加し、洗剤トレイ74がスムーズに動かなくなるため、洗剤溶解容器73の操作性が低下する。このことからも、最大角度は40°程度が好適である。
【0079】
なお、図示していないが、洗剤トレイ74からの洗剤の落下をより確実にするために、洗剤トレイ74が傾斜角度θ3になる付近で、ピン78a、78bが位置するガイドレール59a、59bの表面にノッチを設け、洗剤トレイ74に微振動が生じるようにしたり、ガイドレール58a、58bに突起を設け洗剤溶解容器73の押し込み速度が遅くなるようにしたりしてもよい。
【0080】
更に洗剤溶解容器73を押し込むと、洗剤トレイ74はねじりバネ79の作用で左側に回転し、角度は再び減少する。洗剤溶解容器73は、取手部80がバックパネルボックス17の前側壁17aに当たり停止する(図13)。この時の洗剤トレイ74底壁74dの傾斜角度はθ1になっている。
【0081】
ステップ403
高濃度洗剤液の生成を行う。洗剤溶解室45に粉末合成洗剤が投入されたことを検知すると、補助給水電磁弁22を開いてL形パイプ86から洗剤溶解室45内に少量の水道水(洗剤溶解水)を供給する。
【0082】
そして、表示素子群14bによって洗剤溶解中であることを示す表示を行い、洗剤撹拌電動機39に通電し洗剤撹拌翼50を回転駆動し、洗剤溶解室45内の粉末合成洗剤を撹拌しながら溶解することによって高濃度洗剤液を生成する。
【0083】
ステップ404
駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を低速運転して洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を低速回転させながら主給水電磁弁20を開いて水道水を洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38上に散布するプレ給水を行う。プレ給水量は、少なくとも洗濯物38の最上面から布数枚程度の部分までが濡れる量(4〜10L)とする。プレ給水は、次に行う高濃度洗剤液の散布で、高濃度洗剤液の洗濯物38への浸透を促進するとともに、洗剤に含まれる蛍光増白剤による色むらを防止するために行う。
【0084】
ステップ405
洗剤撹拌翼50を回転したままで、駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を低速運転して洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を低速度で回転させながら補助給水電磁弁22を開いて洗剤溶解室45に給水する。洗剤溶解室45内の高濃度洗剤液は希釈増量され、水位が上昇し溢水縁45dから溢水し、溢水流路56の穴56a、56bから混合室66に流下する。補助給水電磁弁22と同時に、主給水電磁弁20を開いて水道水を円形パイプ85から混合室66に供給する。混合室66で高濃度洗剤液を好ましい高濃度洗剤液に水道水で希釈して、流出口59から洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38に散布して浸透させる。
【0085】
洗濯物38には、高濃度洗剤液が浸透するため、高濃度洗剤液の化学的洗浄力(浸透乳化、分散などの作用)が洗濯物に付着している汚れに作用し、汚れは洗濯物から取れやすい状態となる。
【0086】
ステップ405a
洗剤溶解室45内の水面に浮いている泡を排除するクリーニングを行う。泡の排除は、洗剤撹拌電動機39への通電を停止し、洗剤撹拌翼50の回転を止め、補助給水電磁弁22からの給水を続けることで、洗剤溶解室45内の水位が上昇し溢水縁45から水面上の泡が流出する。泡を効率よく排除するために、間欠的に洗剤撹拌翼50を短時間回転させるとよい。こうすることで、洗剤撹拌翼50の回転開始時に水面が上昇し、溢水縁45dから多量の泡を排出できる。
【0087】
最後に補助給水電磁弁22を閉じる。洗剤溶解室45内の水はサイホン通水機構47から排出される。
【0088】
ステップ406
高濃度洗剤液を降りかけて浸透させた洗濯物38を、所定時間据え置く。この据え置きは、洗濯物38に対する高濃度洗剤液の浸透と汚れ対する洗剤の化学的洗浄力の作用を一層促進させるための時間であって、必要に応じて省略する。
【0089】
ステップ407
主給水電磁弁20および補助給水電磁弁22を開いて水道水(洗い水)の給水を開始する。この洗い水の給水は、ステップ402において決定した水量まで行うが、給水の途中で洗濯物38の布量(湿布値)、布質を検出するために中断する。この中断水位は、マイクロコンピュータ16aに予め設定された湿布布量および布質検出に適した水位である。
【0090】
ステップ408
湿布布量と布質を検出して洗い水給水量の補正と洗濯工程(洗い工程と濯ぎ工程)の決定を行う。この布質検出は、所定の低水位で給水を中断して駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を撹拌モードに制御し、駆動電動機61を短時間付勢して撹拌翼4を回転駆動し、消勢時の惰性回転における第1の減速特性(湿布布量)を検出し、次いで、給水を再開して所定の高水位まで洗い水を補給した後に給水を中断して駆動装置6の駆動電動機61を短時間付勢して撹拌翼4を回転駆動し、消勢時の惰性回転における第2の減速特性を検出し、この第1の減衰特性と第2の減衰特性の差に基づいて洗濯物38の布質を検出する。この布質検出制御は、初期設定により不要になったときには省略する。そして、布質に応じて、洗いおよび濯ぎ工程における時間と水流(機械的撹拌の強さ)を決定する。
【0091】
ステップ409
ステップ402で決定した水量(水位)まで水道水を給水する。この給水により、洗い水は、高濃度洗剤液を希釈して洗いに好ましい洗剤濃度(1倍)となる。これにより、洗濯物38は、洗濯兼脱水槽2内で所定の洗剤濃度(1倍)の洗い水に浸した状態となる。
【0092】
ステップ410
ステップ408において設定した洗い水流と洗い時間の洗い工程を行うように駆動装置6を制御する。この洗い工程においては、駆動装置6は、電動操作クラッチ機構62を洗濯モードに制御し、駆動電動機61の正逆運転を繰り返すことによって洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を反対向きに繰り返し正逆回転させる。この時、すでに汚れは取れやすい状態になっており、洗濯物に作用させる機械力を小さくしても、高い洗浄力が得られ、かつ布絡みや布傷みを抑えることができる。
【0093】
洗い工程を開始したら、洗剤溶解室45のクリーニングを行う。クリーニングは、ステップ405aですでに行っており、通常洗剤溶解室45内には洗剤は残っていない。本クリーニングは、万一洗剤が残った場合でもそれを排除し、洗剤溶解室45内に洗剤を残さないようにするために行う。クリーニングの方法は、ステップ405aと同様である。
【0094】
ステップ411
排水電磁弁33を開いて洗い水を機外に排水する
ステップ412
主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22を開いて濯ぎ水(水道水)を設定水量まで給水する。このとき(複数回の濯ぎを行うときには最終濯ぎのための給水時には)、必要に応じて、補助給水電磁弁22aも開いて柔軟仕上げ剤を投入する。
【0095】
ステップ413
駆動装置6を制御して濯ぎ工程を実行する。
【0096】
ステップ414
排水電磁弁33を開いて濯ぎ水を機外に排水する。
【0097】
ステップ415
排水電磁弁33を開いたままにして駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を高速運転することによって洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的に高速度で回転させることにより洗濯物38の水分を遠心脱水する。洗濯コースが選択されている場合は、本ステップで運転は終了する。
【0098】
ステップ416
駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を低速運転して洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を低速度で回転させながら送風機26を運転して外槽5内の空気を吸い出し口5aから吸い出し、水冷除湿ダクト23内を上昇する過程において冷却散水部24から該水冷除湿ダクト23内に供給する冷却水によって冷却除湿し、下降風路ダクト25を通して循環ファン26に吸い込み、この循環ファン26から上昇風路ダクト27とヒータ29を通して吹き出し口30に送り込み、ヒータ29によって加熱して洗濯兼脱水槽2内の内壁面付近に向けて該洗濯兼脱水槽2の回転方向に対して逆向きに吹き込む循環空気を生成し、洗濯兼脱水槽2内の洗濯物を乾燥する。
【0099】
遠心脱水されて洗濯兼脱水槽2の側壁に付着した状態のままの洗濯物38を温風乾燥すると該洗濯物38に皺が発生するために、乾燥時間中は、定期的に撹拌翼4を正逆回転させて洗濯物38を動かしながら乾燥させるようにする。この温風乾燥工程の制御は、湿度センサ40、第1温度センサ41、第2温度センサ42の検出信号を監視しながら実行し、所望の乾燥度が得られた時点で終了する。
【0100】
この実施の形態において、洗剤撹拌翼50が回転するステップ403の高濃度洗剤液生成工程、ステップ405の高濃度洗剤液散布工程、ステップ405a、410の洗剤溶解室クリーニング工程では、撹拌による水はねが生じる。飛び跳ねた水の一部は、洗剤溶解室45の上部にある洗剤投入容器73に付着する。洗剤が直接載る洗剤トレイ74の底壁74dが水で濡れると、次回洗濯時に投入した洗剤が底壁74dの濡れた部分に付着し、洗剤投入容器73を押し込んだ後も洗剤トレイ74上に残る。残った洗剤は水を吸って濡れ、乾いて固化し、洗剤トレイ74に固着する。洗濯を繰り返すと、残留洗剤が増加し、洗剤トレイ74のクリーニングが頻繁に必要となり、使い勝手が悪い。
【0101】
遮へい板84は、洗剤トレイ74の底壁74d上へ水が飛び込むのを防止するために設けたものである。洗剤トレイ74の底壁74dと洗剤溶解室45は、底壁74dの端面74d1と遮へい板84のすき間xで通じているだけである。飛び跳ねた水が、底壁74dに飛び込むためには、すき間xを通過する必要がある。水は、様々な方向に飛び跳ねるが、すき間xの真下から真上に飛び跳ねた水のみがすき間xを通過でき、その確率は非常に小さい。このため、遮へい板84がない場合に比べ、底壁74dへの水の飛び込みを大幅に低減することが可能で、洗剤投入容器73のクリーニング間隔を延ばすことができる。なお、すき間xは狭い方がいいことは明らかであるが、2mm程度までであれば、水はねの侵入をほとんど防止できる。
【0102】
また、洗剤トレイ74の底壁74dを傾斜面にしたのは、次のような効果もある。撹拌による水はねは、洗剤溶解室45に対向した底壁74dの裏面に最も多量に付着する。底壁74dが水平であれば、付着した水が取っ手80の方向へ流れて行き、壁面80aからバックパネルボックス17の前側壁17aに流れ、内蓋32上へ落ち、内蓋32が汚れる可能性がある。しかし、本実施の形態では、付着した水は底壁47dの傾斜に沿って流れ、端面74d1から洗剤溶解容器45内に落下するため、上記のような問題が生じることがない。
【0103】
さらに、注水口19に蒸気弁19bを備えているため、温風乾燥工程中に洗濯兼脱水槽2内に発生する高温多湿の蒸気が洗剤溶解容器21内に入ってくることはない。このため、洗剤トレイ74が結露し濡れてしまうことを防止でき、洗剤トレイ74への洗剤が固着することがない。
【0104】
次に、本発明の別の実施の形態について、図17、図18を参照して説明する。なお、洗剤溶解容器21は前述の実施の形態と全く同一であるので、ここでは、洗剤投入容器73についてのみ示してある。また、前述の実記の形態と同一符号は同一部分を示す。図17は洗剤投入容器73の図15の位置(洗剤溶解容器21から引き出し洗剤を投入する位置)における縦断面図、図18は洗剤投入容器73の図13の位置(洗剤溶解容器21に最も奥まで押し込んだ位置)における縦断面図である。
【0105】
本実施の形態の特徴は、洗剤トレイ74から洗剤溶解室45へ洗剤が落下し易いようにしたことである。洗剤トレイ74の底壁74dは傾斜角度θ1を有する傾斜面であり、底壁74dの先端にさらに傾斜角度が急な底壁A74eを設けてある。そして、底壁74eの先端には、図18の状態で遮へい板84と上下方向が平行になる底壁B74fを設けてあり、底壁B73fと遮へい板84とのすき間はyである。すき間yは、前述の実施の形態におけるすき間x(図12参照)と同一である。また、底壁B74fの下端までの寸法K1と遮へい板84の高さKはほぼ同一である。
【0106】
洗剤投入容器73を洗剤投入位置まで引き出すと(図17)、底壁A74fと遮へい板84下端とのすき間はy1となる。角度が急な底壁A74eを設けることで、すき間y1は前述の実施の形態における同位置におけるすき間x1(図15参照)より広くすることができる。
【0107】
すき間x1が狭いと、洗剤の落下を遮へい板84が阻害するため、洗剤トレイ74に多くの洗剤が残る。このため、洗剤投入容器73を押し込む課程で、洗剤が落下しきれず洗剤トレイ74に残ってしまう恐れがある(洗剤投入容器73を素早く押し込むと顕著である)。さらに、遮へい板84の下端(洗剤溶解中に水はねで濡れやすい)に洗剤粒が付着し固着するため、一層すき間xが狭くなる。
【0108】
本実施の形態のように、すき間x1を広くすると、洗剤トレイ74に投入した洗剤は遮へい板84に邪魔されずに洗剤溶解容器45に落下しやすくなり、洗剤投入容器73を押し込む以前により多くの洗剤が洗剤溶解容器75に落下し、洗剤トレイ74上に残る洗剤の量が少なくなる。従って、洗剤投入容器73を押し込んだときに洗剤トレイ上に洗剤が残ることがない。
【0109】
洗剤溶解中、洗剤トレイ74は図18の状態にあり、遮へい板84と底壁B74fとですき間yの上下方向の狭い通路(長さK2)を形成している。洗剤撹拌翼50の撹拌による洗剤溶解室45からの水はねが洗剤トレイ47の底壁74d、底壁A74eに飛び込むためには、この狭い通路を通り抜けなければならず、水はねが底壁に侵入する確率は非常に小さい。このため、洗剤トレイ47の底壁47d、底壁A74eが水に濡れるのを防止できる。
【0110】
さらに、ほぼ垂直になっている底壁B74fは、洗剤トレイ74の底壁裏面に飛散し底壁を流下してくる水(特に洗剤溶解液)が、その濡れ性で底壁B74f表面を伝わり洗剤トレイ74内部へ侵入しようとするのを防止する効果も有する。
【0111】
次に、本発明の別の実施の形態について、図19、図20を参照して説明する。本実施の形態においても、洗剤投入容器73のみを示す。図19は洗剤投入容器73の図15の位置(洗剤溶解容器21から引き出し洗剤を投入する位置)における縦断面図、図20は洗剤投入容器73の図13の位置(洗剤溶解容器21に最も奥まで押し込んだ位置)における縦断面図である。
【0112】
本実施の形態の特徴は、洗剤トレイ74内部への水の浸入をほぼ完全に防止することである。洗剤トレイ74の底壁下面にリブ74gを設ける。遮へい板96は、クランク形状で、板A96a、板B96b、板C96cで構成される。板C97c端部には軸97を備える。軸97は枠体70の内側にあるリブ72に設けた穴で水平軸周りに回転自在に支持される。板B96bの下端には板A96aと反対側に突出する突起部96dを備える。遮へい板96の重心と軸97がずれているため、洗剤溶解容器73を引き出した状態では、遮へい板96は、重力の作用で遮へい板96の重心が軸97の真下に来るように、軸97を仲人に反時計方向に回転し傾く(図19参照)。
【0113】
洗剤トレイ74の底壁74dの端部74d1と遮へい板96の板A96a端部96a1とは、間隔zを有する。この間隔zは、遮へい板96が回転する分、上述した二つの実施の形態のすき間x1やすき間y1に比べ非常に大きい。このため、洗剤トレイ74に投入した洗剤は、遮へい板96の板A96aに触れることなく洗剤溶解室45内に落下し、板A96aに洗剤が付着することがない。
【0114】
洗剤投入容器73を洗剤溶解容器21に押し込んで行くと、洗剤トレイ74は、ピン78a、78bがガイドレール59a、59bに沿って動き、一旦、図中時計方向に回転し傾斜角度が急になった後、反時計方向に回転する。取っ手部80がバックパネルボックスの前側壁17aに当たったところで、洗剤投入容器73はストップすし、図20の状態となり止まる。洗剤溶解容器73を押し込んで行く途中で、遮へい板96の突起部96dがサイホンキャップ47aに当たり、遮へい板96は軸97を中心に図中時計方向に回転する。そして、板96a、板96bが洗剤トレイ74の奥川を覆うような状態で止まり、洗剤トレイ74の底壁下面のリブ74gと板96a、および洗剤トレイ74の底壁74dの端面74d1と板96bとがほぼ接触した状態となる(実際には僅かなすき間z1、z2がある)。
【0115】
撹拌による水はねが洗剤トレイ74の底壁74dに浸入するためには、すき間z1とすき間z2の二カ所を通過しなければならない。これはほとんど不可能であり、実際上、底壁74dへの水の浸入をほぼ完全に防止できる。また、遮へい板96の回転は、重力と洗剤投入容器73を押し込むときの力(使用者の力)を利用している。このため、遮へい板を回転させるためのアクチュエータが不要で、低コストで水の浸入を完全に防止できる遮へい板を実現できる。
【0116】
【発明の効果】
本発明は、洗剤投入口と洗剤トレイで構成される洗剤投入容器を洗剤溶解容器の上縁部に沿って摺動するように設け、前記洗剤トレイは上面と一側面が開口し底面が傾斜面の箱状体で、前記洗剤トレイは、前記洗剤投入容器を引き出すと略水平で、前記洗剤容器を押し込んでいくと前記開口側が一旦下向きなり再び水平に戻るように揺動し、前記洗剤容器を押し込んだ状態では、略水平になり、前記洗剤トレイの一開口に対向して前記開口を閉じる遮へい板を設けたので、前記洗剤溶解容器内の水がはねて(洗剤を投入する場所)が濡れることがなく、前記洗剤トレイ底面の上面に洗剤が付着せず、洗剤投入容器の清掃頻度を少なくできるため、使い勝手が向上する。
【0117】
さらに、本発明は、前記遮へい板をクランク状にし回転可能にしたので、前記洗剤トレイの一開口を完全に閉じることができ、前記洗剤トレイ底面の上側面への水の付着を防げる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗濯機の一実施の形態を示す模式図である。
【図2】本発明の洗濯機の洗剤溶解容器と主給水電磁弁、補助給水電磁弁および風呂水ポンプを実装したトップカバーをバックパネルを開いて示す上面図である。
【図3】本発明の洗濯機の注水口の詳細を示す縦断面図である。
【図4】図1に示した洗濯機の電気系を示すブロック図である。
【図5】図2に示した洗濯機の洗剤溶解容器の斜視図である。
【図6】図2に示した洗濯機の洗剤投入容器の斜視図である。
【図7】図2に示した洗濯機の洗剤溶解容器の上面図である。
【図8】図7に示した洗剤溶解容器のA−A線で切断した縦断面図である。
【図9】図7に示した配管ユニットのC−C線で切断した縦断面図である。
【図10】図7に示した配管ユニットのD−D線で切断した縦断面図である。
【図11】図6に示した洗剤投入容器の上面図である。
【図12】図11に示した洗剤投入容器のE−E線で切断した縦断面図である。
【図13】図7に示した洗剤溶解容器のB−B線で切断し洗剤投入容器を押し込んだ状態の縦断面図である。
【図14】図6に示した洗剤溶解容器のB−B線で切断し洗剤投入容器を引き出した状態の縦断面図である。
【図15】図6に示した洗剤溶解容器のB−B線で切断し洗剤投入容器を途中まで押し込んだ状態の縦断面図である。
【図16】図1に示した洗濯機のコントロールユニットにおけるマイクロコンピュータが実行する各工程の制御処理のフローチャートである。
【図17】本発明の一実施の形態の洗剤投入容器を引き出した状態を示す縦断面図である。
【図18】図17に示した洗剤容器を押し込んだ状態を示す縦断面図である。
【図19】本発明の一実施の形態の洗剤投入容器を引き出した状態を示す縦断面図である。
【図20】図19に示した洗剤容器を押し込んだ状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…外枠、1a…裏側蓋、1b…補強部材、2…洗濯兼脱水槽、4…撹拌翼、4a…小穴、5…外槽、5a…吸い出し口、6…駆動装置、8…防振支持装置、9…トップカバー、9a…外側衣類投入口、17…バックパネルボックス、19…注水口、20…主給水電磁弁、21…洗剤溶解容器、22、22a…補助給水電磁弁、23…水冷除湿ダクト、24…冷却散水部、25…下降風路ダクト、26…循環ファン、27…上昇風路ダクト、28…外槽上カバー、29…ヒータ、30…吹き込み口、31…外蓋、32…内蓋、39…洗剤撹拌電動機、45…洗剤溶解室、45d…溢水縁、47…サイホン通水機構、50…洗剤撹拌翼、58a、58b、59a、59b…ガイドレール、68…洗剤投入部、73…洗剤投入容器、74…洗剤トレイ、74d…底壁、77a、77b、78a、78b…ピン、79…ねじるバネ、84、96…遮へい板、97…軸。
Claims (7)
- 洗濯兼脱水槽内の洗濯物に高濃度洗剤液を振りかけて浸透させる高濃度洗剤液生成・供給手段を備え、前記高濃度洗剤液を浸透させた後に給水して洗い工程を実行する洗濯機において、
前記高濃度洗剤液生成・供給手段は、洗剤投入容器と、洗剤溶解容器と、前記洗剤溶解容器の底部に配置した洗剤撹拌翼と、前記洗剤撹拌翼を駆動する駆動手段と、前記洗剤溶解容器に給水する給水電磁弁とを備え、
前記洗剤投入容器は、取っ手部と、洗剤投入口と、洗剤トレイとで構成され、前記洗剤投入容器は、前記洗剤溶解容器の上縁部に沿って摺動して該洗剤溶解容器の上部から前記衣類投入口内に引き出し可能に設置し、
前記洗剤投入口は上下が開口した開口部を備え、前記洗剤トレイは上面および一側面が開口した薄型箱状体で、該一側面の開口が前記取っ手部の反対方向になるように、前記洗剤トレイを前記開口部に設け、前記洗剤トレイを前記取っ手部側を軸に前記一側面の開口側が上下に揺動可能に支持し、前記洗剤投入容器の摺動に伴って前記洗剤トレイが揺動することを特徴とする洗濯機。 - 請求項1において、
前記洗剤トレイは、前記洗剤投入容器を引き出した状態では略水平で、前記洗剤投入容器を押し込んで行くと一旦下向きなり再び水平に戻るように揺動し、前記洗剤容器を押し込んだ状態では、略水平であることを特徴とする洗濯機。 - 請求項2において、
前記洗剤トレイは底面が前記一側面の開口方向に向かうにつれて低くなる傾斜面であることを特徴とする洗濯機。 - 請求項3において、
前記一側面の開口に対向して、該開口を閉じる遮へい板を設けたことを特徴とする洗濯機。 - 請求項4において、
前記洗剤トレイの底面の前記傾斜面は、前記一側面の開口近傍が更に急な傾斜面であることを特徴とする洗濯機。 - 請求項4において、
前記遮へい板は断面形状がクランク状で、上部端面に軸を備え、該軸を中心に揺動可能支持され、
前記遮へい板は、前記洗剤投入容器を引き出した状態では前記洗剤トレイの一側面の開口から離れ、前記洗剤投入容器を押し込んだ状態では、前記一側面の開口を閉じるように揺動することを特徴とする洗濯機。 - 請求項6において、
前記遮へい板に設けた軸は前記遮へい板の重心と離れた位置に設置し、前記洗剤トレイの一側面の開口から離れる場合は重力の作用で前記軸を中心に回転し、前記一側面を閉じる場合は前記遮へい板を前記洗剤溶解容器に押しつけて回転させることを特徴とする洗濯機。
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