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JP4717258B2 - コンパクト容器 - Google Patents

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JP4717258B2 JP2001143567A JP2001143567A JP4717258B2 JP 4717258 B2 JP4717258 B2 JP 4717258B2 JP 2001143567 A JP2001143567 A JP 2001143567A JP 2001143567 A JP2001143567 A JP 2001143567A JP 4717258 B2 JP4717258 B2 JP 4717258B2
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Yoshida Industries Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状化粧料やクリーム状化粧料などの流動性化粧料を入れた可撓性の容器、例えばチューブ容器あるいはブローボトルなど(本明細書において単にチューブ容器類と称する)を収納するコンパクト容器に関するもので、より具体的には蓋体と容器本体を開閉自在に枢着し、コンパクト容器を手に持った状態でも、容器本体に収納したチューブ容器類の注出口の開閉を容易かつ確実に行うことができるようにしたコンパクト容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液状化粧料やクリーム状化粧料などの流動桂化粧料は硝子瓶や可撓性のチューブ容器類に充填され、その硝子瓶や可撓性チューブ容器類はネジキャップなどで気密に封止される。従来のコンパクト容器は、専ら固形または練り状の化粧料を収納するように構成したものがほとんどであり、このような流動性のある化粧料を収納することはなかつた。しかし、クリーム状化粧料を収納した硝子瓶や可撓性チューブ容器を携帯するには、破損しやすい、変形しやすい等の欠点があり、使用時にも化粧具、鏡が別々にあるため、スペースを必要以上にとったり、操作も煩雑となる等、不便なものとなっている。
【0003】
そこで、従来、コンパクト容器本体の側縁部にこれを中心に180゜回動自在に化粧料の受皿部材を取付け、又はコンパクト容器本体の上面に同一平面内で90゜回動自在に化粧料の受皿部材を取付け、この受皿部材の一側面にクリーム状化粧料入り可撓性チューブ容器の注出口を連結し、受皿部材とチューブ容器の組を一体として回動式にコンパクト容器本体内に出し入れ可能とすると共に、この受皿部材とチューブ容器の組が容器本体内にある時、当該受皿部材下面又は上面に位置する吐出孔が、容器本体側又は蓋体側に突設したシールキヤツプにより、気密に封鎖されるように構成したものが知られている(実公昭5−13309号公報、実公昭5−13310号公報)。
【0004】
かかるコンパクト容器によれば、クリーム状化粧料はチューブ容器に収納された状態でコンパクト容器に収納されることになるので、従来のコンパクト容器の形状・構成を大幅に変えることなくクリーム状の化粧料を収納することができる。しかも蓋体を閉じることにより、受皿部材の下面又は上面の吐出孔にシールキヤツプが差し込まれて封鎖され、これによりチューブ容器が気密な状態に保持される。また蓋体を閉じることにより、チューブ容器も外部の衝撃から保護され、破損等が生じなくなるため携帯性が向上する。
【0005】
使用に際しては、チューブ容器および受皿部材の組を回動させて容器本体外に延出させ、そのチューブ容器の胴部を直接手指で押圧して化粧料を受皿部材に吐出させることができるので、化粧料を所望量押し出すことも簡単になる。また化粧料の交換もチューブごと簡単にできるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のチューブ容器の密閉構造は、受皿部材とチューブ容器の組が回動式にコンパクト容器本体内に収納され、そのコンパクト容器本体内に位置する受皿部材の下面又は上面の吐出孔に対し、コンパクト容器本体内又は蓋体に設けたシールキヤツプが差し込まれて、吐出孔を封鎖する構造である。
【0007】
すなわち、チューブ容器の注出口が直接に閉鎖されるのではなく、チューブ容器の注出口が受皿部材に一旦取り付けられた後、その受皿部材の吐出孔に対して気密閉鎖が行われることから、シール部分が2箇所となる。従って、シール部分が1箇所となる簡易な構造が求められる。
【0008】
また、コンパクト容器本体内に突設したシールキヤツプに、受皿部材の下面の吐出孔が回動しながら、いわば斜め方向から嵌合する構造か、又は蓋体に突設したシールキヤツプがコンパクト容器本体内に位置する受皿部材の上面の吐出孔に回動しながら、いわば斜め方向から嵌合する構造となる。このため、吐出孔とシールキヤツプに高い相対的位置精度が要請されたり、受皿部材や蓋体の回動半径を考えてシールキヤツプの突入量を定めるなどの制約がかかり、直線的にシールキヤツプが閉鎖運動する構造に較べ、本質的に製造し難い構造となる。また、その嵌合部の気密性を維持する耐力も短くなりやすい。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、蓋体と容器本体を開閉自在に枢着したコンパクト容器において、容器本体に収納したチューブ容器類の注出口の開閉を容易かつ確実に行うことができるコンパクト容器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、蓋体と容器本体をそれぞれの後端で開閉自在に枢着し、容器本体内に可撓性を有するチューブ容器類を収納したコンパクト容器において、容器本体内に前後に隣設する前側収納部と後側収納部とを設け、前側収納部には塗布体を収納すると共に、後側収納部には流動性化粧料が入った可撓性のチューブ容器類を収納し、そのチューブ容器類の注出口を前側収納部側に位置せしめて、前記塗布体に流動性化粧料を注出可能とし、前側収納部には中蓋を前方向にスライド可能に取り付け、中蓋を閉じた際、その後端部に突設した閉止突起がチューブ容器類の注出口を閉塞するように構成し、更に、前記中蓋及び蓋体には、蓋体を閉じた際に互いに係合し且つ前記閉止突起を前記注出口に対して押圧するフック部を設けたことを特徴とする。
【0011】
本発明においては、前記中蓋を中皿として構成し、中皿の上部に固形化粧料、油取り紙、コットンなどを収納可能にした構成とすることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施形態について、添附図面を参照しながら説明する。
図1はこの実施形態に係るコンパクト容器の斜視図であり、蓋体を開らき且つ中蓋を引き出した状態を示す。図2はコンパクト容器の蓋体を閉じた状態の断面図、図3は蓋体を開いた状態の平面図、図4は中蓋を引き出した状態の断面図、図5は中蓋を引き出した状態の平面図である。
【0013】
図1から図3において、コンパクト容器1は前後方向に長く形成された長方形の容器本体2と蓋体3を有し、容器本体2と蓋体3はそれぞれの後端でヒンジたるピン4を介して開閉自在に枢着されている。
【0014】
容器本体2内には、そのほぼ中央に仕切り壁5が設けられ、これにより前後に隣設して前側収納部6と後側収納部7とが形成されている。このうち、一方の前側収納部6には塗布体としての化粧パフないしスポンジ8が収納される。また、他方の後側収納部7には、クリーム状化粧料や液状化粧料などの流動性化粧料が入った可撓性のチューブ容器類として、ここでは液状ファンデーションの入ったチューブ容器9が横置きに収納される。
【0015】
チューブ容器9は首部10と胴部11よりなり、胴部11は可撓性に富み、その形状は断面が後部でテーパー状となるやや偏平な筒状であり、容器本体2の後側収納部7に収納した時に、図2の如くこの後側収納部7をほとんど占領し、そのチューブ容器9の外径厚さが後側収納部7と蓋体3とで形づくられる収容空間の深さとほぼ等しくなるように、寸法決定されている。また首部10は胴部11の前端に突出してなり、先端には注出口12(図5参照)が開口され、外周には仕切り壁5に設けたU字状の取付口13に螺合可能な嵌合溝部10aが形成されている。そして、チューブ容器9の首部10は、その嵌合溝部10aが、仕切り壁5に設けたU字状の取付口13内に上方から嵌合されて、その注出口12が前側収納部6の側に位置せしめられており、これによりチューブ容器9を押圧してスポンジ8に流動性化粧料を注出可能となっている。
【0016】
上記スポンジ8の収納された前側収納部6の上部には、前方向にスライド可能に中蓋14が取り付けられている。この中蓋14のスライド機構を構成するため、前側収納部6の側部内面にはガイド溝15が形成され、また中蓋14の側縁部には上記ガイド溝15に嵌合する段差を持った凸条部16が形成されている。
【0017】
上記構成に加え、中蓋14の後端部17には、図2、図5に示すように、上記チューブ容器9の栓体として、少し先細状に形成した閉止突起18が突設されており、中蓋14を閉じた際、当該閉止突起18がチューブ容器9の注出口12内に突入して、当該注出口12を閉塞するようになっている。
【0018】
更にまた、上記中蓋及び蓋体3には、蓋体3を閉じた際に互いに係合すると共に、上記閉止突起18をチューブ容器9の注出口12に対して押圧する作用を営むフック部20、21が設けられている。すなわち、上記中蓋14には、その前部上面に前側に起立壁19が設けられ、その起立壁中央部に外向きに係止爪が突出したフック部20が形成されている。また、蓋体3には、その前側縁部の内側面中央に突起からなるフック部21が形成されている。そして、中蓋14を閉じ且つ蓋体3を閉じた際には、図3に示すように、チューブ容器9の注出口12を閉塞する位置にある中蓋14を、図2に示すように、容器本体2と蓋体3とで上下から挟み込み、フック部20、21が係合して、容器本体2と蓋体3が一体化されるようになっている。その際、蓋体3は中蓋14と嵌合されるだけであるが、蓋体3は、容器本体2のガイド溝15と中蓋14の凸条部16とを係合させたスライド機構を介して容器本体2と結合されるため、蓋体3と中蓋14が一体的に容器本体2側から開放されてしまうことはない。
【0019】
ここでフック部20、21の作用について説明するに、中蓋14を閉じ且つ蓋体3を閉じた際には、図2に示すように、フック部20の突起はフック部21の係止爪を乗り越えて、その係止爪の下側位置まで移動してロック状態となり、その移動過程において、閉じ位置にある中蓋14に、更にチューブ容器9側に接近する方向の押圧力を付与する。このため、中蓋14の後端部閉止突起を確実にチューブ容器9の注出口12内に突入させ、当該注出口12をしっかりと閉塞する。
【0020】
上記フック部20、21の係合を解くことを可能とするため、中蓋14の前側縁部は、閉じられたコンパクト容器1の前側面よりも少し突出しており、その突出部が両フック部の係合を解くためのプッシュ操作部22として作用するようになっている。またこのプッシュ操作部22をチューブ容器9の方向に押圧することを可能とするため、図3に示すように、中蓋14の後端部17にはスライド方向と直交する方向にスリット23が形成され、これにより中蓋14の後端部17が弾性的に変化し得るように構成されている。このため、中蓋14のプッシュ操作部22をチューブ容器9の方向に押圧することによって、上記フック部20、21の係合を解除し、蓋体3を解放することができる。
【0021】
上記中蓋14はその上面の面積のほとんどが中皿24として構成されており、その中皿24の上部に固形化粧料、油取り紙、コットンなどを収納可能になっている。換言すれば、前側収納部6は、中皿24の上部に固形化粧料、油取り紙、コットンなどを収納し、下部にはスポンジ8などの化粧具を収納する構成となっている。なお蓋体3には、その内面に鏡25が接着されている。
【0022】
このように構成されたコンパクト容器1は、その容器本体2の後側収納部7にチューブ容器9を収納し、また化粧パフないしスポンジ8を前側収納部6に収納し、蓋体3を閉じると図2に示すような閉止位置を占め、蓋体3を解放すると図3のような状態となる。なお、蓋体3が図2に示す閉止状態にある時、チューブ容器9の注出口12は、中蓋14の後端部17に設けた閉止突起18により気密に封鎖されている。
【0023】
このコンパクト容器1は、次に述べるように、膝の上などに置くことなく、片手に持ったまま簡易に使用することができる。
【0024】
すなわち、使用に際しては、コンパクト容器1を例えば左手に持ち、図2に示すような閉止状態からプッシュ操作部22を左手の指で押圧して、フック部20とフック部21の係合を解除して蓋体3を図3に示すように開放し、更に中蓋14を右手で図4、図5に示すように前側にスライドさせて引き出し、図1の如く前側収納部6内のスポンジ8を露出させる。この時、チューブ容器9の胴部11を右手の指で押圧すると、チューブ容器9内の液状ファンデーションが前側収納部6内のスポンジ8上面に吐出されるので、この化粧料をスポンジ8に付着させて用いるようにする。
【0025】
使用後は右手で中蓋14を上記と逆に後側へスライドさせて容器本体2の前側収納部6を閉じる。この中蓋14を閉じた際、中蓋14の後端部17の閉止突起18がチューブ容器9の注出口12内に突入して、図3の如く当該注出口12を軽く閉塞する。
【0026】
次いで、この上に右手で蓋体3を閉じ、フック部20、21を係合させる。ここで蓋体3のフック部20は、図2に示すように、フック部21を乗り越えてその下側に移動し、中蓋14を押してチューブ容器9側に接近させる。このため、中蓋14の後端部17の閉止突起18はチューブ容器9の注出口12に押し付けられ、注出口12をしっかりと閉塞する。なお、容器本体2と蓋体3の一体化は、容器本体2と中蓋14のスライド機構を介して行われるため、容器本体2側に対して蓋体3と中蓋14が一体的に開放動作してしまうことはない。
【0027】
上記チューブ容器9はその首部10を取付口13に嵌合して取り付けているだけであるので、簡単に交換して使用することができる。
【0028】
上記実施形態では、中蓋14の閉止突起18によりチューブ容器9の注出口12を閉塞する押圧機構としてのフック部20、21を、蓋体3を容器本体2と一体的に係合させる鎖錠機構と兼用する形で設けたが、この押圧機構用のフック部20、21は、中蓋14と蓋体3とを掛け止める鎖錠機構とは別に設けることもできる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、容器本体内の前後に隣設する前側収納部と後側収納部に塗布体と可撓性チューブ容器類とを収納し、そのチューブ容器類の注出口を前側収納部側に位置せしめて流動性化粧料を注出可能とし、前側収納部には中蓋を前方向にスライド可能に取り付け、中蓋を閉じた際、その後端部に突設した閉止突起がチューブ容器類の注出口を閉塞するように構成し、更に、前記中蓋及び蓋体には、蓋体を閉じた際に互いに係合し且つ閉止突起を注出口に対して押圧するフック部を設けたので、可撓性チューブ容器類の収納、塗布体を露出させるために行う中蓋の開閉操作、露出した塗布体へクリーム状化粧料や液状化粧料等を注出するチューブ容器類の押圧操作、注出後のチューブ容器類の注出口を気密に閉鎖する操作、蓋体の閉成操作などが、極めて容易にかつ確実に行うことができる。従って、コンパクト容器を膝やテーブルの上に置くことなく、片手に持ったまま操作して使用することができる。
【0030】
特に、チューブ容器類の注出口を気密に閉鎖することを目的とする閉止突起の押圧作用は、蓋体を閉じた際に互いに係合し且つ閉止突起を注出口に対して押圧するフック部により行わせるため、蓋体を閉じた際に自動的且つ確実に営ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るコンパクト容器の斜視図である。
【図2】本発明のコンパクト容器の蓋体を閉じた状態の断面図である。
【図3】本発明のコンパクト容器の蓋体を開いた状態の平面図である。
【図4】本発明のコンパクト容器の中蓋を引き出した状態の断面図である。
【図5】本発明のコンパクト容器の中蓋を引き出した状態の平面図である。
【符号の説明】
1 コンパクト容器 2 容器本体
3 蓋体 4 ピン
5 仕切り壁 6 前側収納部
7 後側収納部 8 スポンジ
9 チューブ容器 10 首部
11 胴部 12 注出口
13 取付口 14 中蓋
15 ガイド溝 16 凸条部
17 後端部 18 閉止突起
19 起立壁 20 フック部
21 フック部 22 プッシュ操作部
23 スリット 24 中皿
25 鏡

Claims (1)

  1. 蓋体と容器本体をそれぞれの後端で開閉自在に枢着し、容器本体内に可撓性を有するチューブ容器類を収納したコンパクト容器において、
    容器本体内に前後に隣設する前側収納部と後側収納部とを設け、前側収納部には塗布体を収納すると共に、後側収納部には流動性化粧料が入った可撓性のチューブ容器類を収納し、そのチューブ容器類の注出口を前側収納部側に位置せしめて、前記塗布体に流動性化粧料を注出可能とし、前側収納部には中蓋を前方向にスライド可能に取り付け、中蓋を閉じた際、その後端部に突設した閉止突起がチューブ容器類の注出口を閉塞するように構成し、更に、前記中蓋及び蓋体には、蓋体を閉じた際に互いに係合し且つ前記閉止突起を前記注出口に対して押圧するフック部を設けたことを特徴とするコンパクト容器。
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