JP4712139B2 - リチウム二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池の正、負極間の電解液保持および電解液の拡散に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコンおよび携帯電話等の電子機器の小型軽量化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として、高エネルギー密度を有する二次電池が要求されている。この中でリチウムを活物質とするリチウム二次電池はとりわけ高電圧、高エネルギー密度を有する電池として期待が大きい。従来、この電池には負極に金属リチウム、正極に二硫化モリブデン、二酸化マンガン、五酸化バナジウムなどが用いられ、3V級の電池が実現されていた。
【0003】
ところが、負極に金属リチウムを用いた場合、充電時に樹枝状(デンドライト状)リチウムの析出が起こり、充放電の繰り返しとともに極板上に堆積した樹枝状リチウムが、極板から分離して電解液中を浮遊し、正極と接触して微少短絡を起こし、充放電効率が100%未満となり、サイクル寿命が短くなるという問題があった。また、樹枝状リチウムは表面積が大きく、反応性が高いため、安全性の点でも問題があった。
【0004】
そこで、最近は金属リチウムの代わりに、負極に炭素材を用い、正極にリチウム含有酸化物を用いたリチウムイオン二次電池が研究の中心となり、一部商品化されている。この電池では負極においてリチウムは炭素中にイオンとして吸蔵された状態で存在するため、従来の金属リチウム系と比べ非常に安全であるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、リチウムイオン二次電池系の正極に用いるリチウム含有酸化物はリチウムに対し4Vという高電位を有するため、従来の3V級リチウム二次電池に比べ、電解液中の有機溶媒が酸化分解されやすく、充放電に伴って電解液が枯渇し、一方負極に用いる炭素、特に黒鉛は電解液との反応性が高く、ここでも電解液の枯渇が起こりやすい。また、この電解液の枯渇は温度の上がりやすい正、負極の短い方向の中央部から起こる。このような極板上の部分的な電解液の枯渇が充放電サイクル寿命の低下を招く恐れがある。
【0006】
そこで、正、負極の短い方向の中央部に電解液の拡散が容易であれば上記のような極板上の部分的な電解液の枯渇は起こりにくいが、リチウムイオン二次電池の構造は例えば円筒型では図1に示すように、セパレータ1を介して帯状正極板2と負極板3を複数回渦巻状に密に巻回しており、また非水電解液はある程度の粘性があることから電解液の拡散は非常に起こりにくい。
【0007】
このような欠点に対して、セパレータに溝を付けて電解液を電極群内部に浸透させる方法が特開平6-333550等で報告されている。しかし、電極群は構成時に高いテンションをかけて巻くため、セパレータに溝を入れた場合溝の入った部分は薄くなるため、強度が弱くなりその部分の伸び率が変わるもしくはひどい場合破断する可能性がある。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、正、負極間の電解液量を増大させて電解液の枯渇を防止し、また電極群中の電解液の拡散を容易にすることにより極板上の部分的な電解液の枯渇を抑制し、充放電サイクル寿命特性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、少なくともいずれか一方の面にポリオレフィン粒子もしくはポリオレフィン繊維を固定し表面粗度が5μm以上10μm以下である正、負極を用いるものである。さらに、固定するポリオレフィン粒子もしくはポリオレフィン繊維はポリエチレン、ポリプロピレン製がより好ましい。
【0010】
このような構成をすることにより、セパレータの強度を維持した状態で正、負極間にできる間隙の部分に電解液を多く保持することができ、電解液と正、負極のガス発生もしくは被膜形成等の不可逆反応による電解液の枯渇を抑えることができる。また、正、負極間における電解液の拡散がこの間隙を通ることにより容易になり、極板上での部分的な電解液の枯渇も抑制されるため優れた充放電サイクル寿命特性を有する電池を提供することができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1に本実施例で用いた円筒型リチウムイオン二次電池(直径17mm、総高50mm)の縦断面図を示す。この図より明らかなように、セパレータ1を介して、帯状正極板2と負極板3を複数回渦巻状に巻回して、電極群が構成される。正極板2と負極板3にはそれぞれアルミニウム製正極リード片4およびニッケル製負極リード片5を溶接している。電極群の上下面に突出したセパレータ1を加熱収縮させた後にポリエチレン製底部絶縁板6を装着し、ニッケルメッキ鉄製電池ケース7内に収容し、負極リード片5の他端を電池ケース7の内定面にスポット溶接する。電極群上面にポリエチレン製上部絶縁板8を載置してから電池ケース7の開口部の所定位置に溝入れし、所定量の非水電解液を注入含浸させる。ポリプロピレン製ガスケット9を周縁部に装着させたステンレス鋼製の封口板10の下面に正極リード片4の他端をスポット溶接した後、電池ケース7の開口部にガスケット9を介して封口板10を装着し、電池ケース7の上縁部を内方にカールさせて密封口し、電池が完成する。
【0013】
(参考例1)
正極はLi2CO3とCo3O4とを混合し、900℃で10時間焼成して合成したLiCoO2100重量部に導電材としてアセチレンブラック3重量部、結着剤としてポリ四フッ化エチレン7重量部を混合し、LiCoO2に対し1%カルボキシメチルセルロース水溶液100重量部に加え、撹拌混合し正極合剤ペーストとした。集電体厚さが30μmのアルミニウム箔の両面に正極合剤ペーストを塗布し、乾燥後圧延ローラーを用いて圧延を行い、所定寸法に裁断して正極板とした。
【0014】
また、負極は以下のように作製した。まず、平均粒径が約20μmになるように粉砕、分級した鱗片状黒鉛と結着剤のスチレン/ブタジエンゴム3重量部を混合した後、黒鉛に対し1%カルボキシメチルセルロース水溶液100重量部に加え、撹拌混合し負極ペーストとした。集電体厚さが20μmの銅箔の両面に負極合剤ペーストを塗布し、乾燥後圧延ローラーを用いて行い、所定寸法に裁断して負極板とした。
【0015】
セパレータとしては、厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン粒子を固定し、表面粗度が0.1μmとしたものを用いた。そして、このセパレータの粗面部を正極と対向するように電極群を構成した。
【0016】
なお、非水電解液にはエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを1:3の体積比で混合した溶媒に1.5モル/リットルのLiPF6を溶解したものを用い、これを注液した後密封口した。これを電池Aとした。
【0017】
(参考例2)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン粒子を固定し、表面粗度が1.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Bとした。
【0018】
(参考例3)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン粒子を固定し、表面粗度が5.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Cとした。
【0019】
(参考例4)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン粒子を固定し 、表面粗度が10.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Dとした。
【0020】
(参考例5)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン粒子を固定し、表面粗度が20.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Eとした。
【0021】
(参考例6)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン粒子を固定し、表面粗度が30.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Fとした。
【0022】
(参考例7)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し0°に配置されるように固定し、表面粗度が0.1μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Gとした。
【0023】
(参考例8)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し0°に配置されるように固定し、表面粗度が1.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Hとした。
【0024】
(参考例9)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し0°に配置されるように固定し、表面粗度が5.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Iとした。
【0025】
(参考例10)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し0°に配置されるように固定し、表面粗度が10.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Jとした。
【0026】
(参考例11)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し0°に配置されるように固定し、表面粗度が20.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Kとした。
【0027】
(参考例12)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し0°に配置されるように固定し、表面粗度が30.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Lとした。
【0028】
(参考例13)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し90°に配置されるように固定し、表面粗度が5.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Mとした。
【0029】
(参考例14)
負極は(参考例1)で作製したものの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し0°に配置されるように固定し、表面粗度が0.1μmとしたものを用いた。セパレータは、厚みが20μmのポリエチレン製の表面処理を施していないものを用いた。上記以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Nとした。
【0030】
(参考例15)
負極は(参考例1)で作製したものの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し0°に配置されるように固定し、表面粗度が1.0μmとしたものを用いた以外は(参考例14)と同様の電池を作製した。これを電池Oとした。
【0031】
(実施例1)
負極は(参考例1)で作製したものの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し0°に配置されるように固定し、表面粗度が5.0μmとしたものを用いた以外は(参考例14)と同様の電池を作製した。これを電池Pとした。
【0032】
(実施例2)
負極は(参考例1)で作製したものの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し0°に配置されるように固定し、表面粗度が10.0μmとしたものを用いた以外は(参考例14)と同様の電池を作製した。これを電池Qとした。
【0033】
(参考例16)
負極は(参考例1)で作製したものの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し0°に配置されるように固定し、表面粗度が20.0μmとしたものを用いた以外は(参考例14)と同様の電池を作製した。これを電池Rとした。
【0034】
(参考例17)
負極は(参考例1)で作製したものの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し0°に配置されるように固定し、表面粗度が30.0μmとしたものを用いた以外は(参考例14)と同様の電池を作製した。これを電池Sとした。
【0035】
(実施例3)
負極は(参考例1)で作製したものの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し90°に配置されるように固定し、表面粗度が5.0μmとしたものを用いた以外は(参考例14)と同様の電池を作製した。これを電池Tとした。
【0036】
(比較例1)
厚みが20μmのポリエチレン製の表面処理を施していないセパレータ、および表面処理を施していない正、負極を用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Uとした。
【0037】
(参考例18)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し15°に配置されるように固定し、表面粗度が5.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Vとした。
【0038】
(参考例19)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し30°に配置されるように固定し、表面粗度が5.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Wとした。
【0039】
(参考例20)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し45°に配置されるように固定し、表面粗度が5.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Xとした。
【0040】
(参考例21)
厚みが20μmのポリエチレン製セパレータの片面にポリエチレン繊維を正、負極の短い方向に対し60°に配置されるように固定し、表面粗度が5.0μmであるセパレータを用いた以外は(参考例1)と同様の電池を作製した。これを電池Yとした。
【0041】
ここで、上記記載の表面粗度はJIS B 0601に準拠して測定される値で中心線粗さのことであり、表面粗さ測定器(SURCOM、東京精密社製)を使用し、駆動速度0.3mm/秒、測定長さ4.0mm、触針加重0.07g、カットオフ値0.8mmの条件により測定した。
【0042】
次に、電池A〜Yを各5セルずつ用意して、環境温度20℃で、上限電圧を4.2Vに設定して、最大電流560mAで2時間定電流・定電圧充電を行った。放電はこの充電状態の電池を放電電流800mA、放電終止電位3.0Vの定電流放電を行った。そして、それぞれ10サイクル目の放電容量を初期容量とし、そこで電池のレート試験を行い、2C放電維持率を算出した。
【0043】
なお、2C放電維持率は、0.2C(160mA)放電時の容量に対する2C(1600mA)放電時の容量の割合(%)とした。
【0044】
そして、初期容量の半分の容量に低下した時点のサイクル数をサイクル寿命とした。この時のサイクル寿命、2C放電維持率の5セルの平均値を(表1)に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
(表1)の結果から、電池A〜Tは、電池Uと比べ充放電サイクル寿命が増大した。また、充放電サイクル寿命はセパレータおよび負極の表面粗度が大きくなるにつれて増大した。これは、正、負極間の間隙の部分に電解液を多く保持することができ、電解液と正、負極のガス発生もしくは皮膜形成等の不可逆反応による電解液の枯渇を抑えることができるためである。
【0047】
しかし、電池A、GおよびNでは電池Uと比べて充放電サイクル寿命があまり増大していない。つまり、この程度の表面粗度では正、負極間に保持することができる電解液量も少なく電解液の枯渇を抑制することができない。このため、充放電サイクル寿命特性を向上させるには表面粗度が少なくとも1.0μm以上必要である。
【0048】
また、電池F、LおよびSでは充放電サイクル寿命に関しては十分な特性を示しているが、2C放電維持率では他の電池と比べて著しく低下している。これは、表面粗度が大きくなるにつれて正、負極間の距離も大きくなるためである。つまり、有機溶媒はイオン伝導度が小さく、大電流放電の場合はリチウムイオンの電解液中の移動が律速となり、正、負極間の距離が大きくなりすぎると大電流放電が行いにくくなる。さらに、表面粗度が大きすぎる場合、厚みが厚くなりすぎるため電池内における正、負極の割合が減少するため、電池容量の低下を招く。また、電池容量を確保するためにセパレータの厚みを薄くすると、微多孔膜部が非常に薄くなり内部短絡等の危険性が生じる。このため、表面粗度が30μm以上ある場合は充放電サイクル寿命に関しては満足するが、大電流放電および安全性等を考慮すると表面粗度は20μm以下でなければならない。
【0049】
セパレータに繊維を固定する場合、正、負極の短い方向に対して0°に配置されている場合(電池I)の方が90°に配置されている場合(電池M)より充放電サイクル寿命が増大する。また、負極に繊維を固定する場合にも同様のことがいえる(電池PとT)。これは、電解液の酸化分解等の反応は温度が上がりやすい正、負極の短い方向の中央部から起こり始める。この時、両端部は電解液の枯渇が中央部と比べて起こりにくいので、この両端部から中央部へ電解液が拡散して枯渇部を補うことができれば部分的な電解液の枯渇を抑制することができる。ここで繊維が正、負極の短い方向に対して0°に配置されている場合、中央部で電解液の枯渇が起こり始めても電解液の拡散に必要な間隙が中央部の電解液の枯渇を補うために電解液が拡散する方向に確保されているためこの部分の電解液の枯渇を抑制することができるが、90°に配置されている場合、電解液の拡散に必要な間隙が電解液が拡散するのに必要な方向に確保されていないため中央部の電解液の枯渇を抑制することができない。このため、セパレータおよび負極に繊維を固定する場合、正、負極の短い方向に対して0°に配置されている方が好ましい。
【0050】
しかし、セパレータおよび正、負極に繊維を固定する場合、正、負極の短い方向に対して0°に配置されていなければ効果が現れない訳ではなく、ある角度までは効果を保つことができる。(表2)よりセパレータにポリエチレン繊維を固定する場合、角度が大きくなるほど充放電サイクル寿命特性が低下し、500サイクル以上の特性を確保するためにはポリエチレン繊維を固定する角度は、正、負極の短い方向に対して30°以下でなければならない。
【0051】
【表2】
【0052】
なお、本実施例では、セパレータに関しては正極との対向面のみにポリエチレン粒子および繊維を固定した場合について示したが、負極との対向面のみに固定した場合、および正、負極両方の対向面に固定した場合においても本発明の範囲で同様の効果が得られた。正、負極に関しては負極表面のみにポリエチレン繊維を固定した場合について示したが負極両面に固定した場合においても本発明の範囲で同様の効果が得られた。また、正極に関しても負極と同様の効果が得られた。また、負極表面にポリエチレン粒子を固定した場合においても同様の効果が得られた。さらに、セパレータおよび表面に固定した粒子、繊維はポリエチレンを用いた場合について示したが、他のポリオレフィン微多孔膜および粒子、繊維を用いても本発明の範囲で同様の効果が得られた。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明では、表面粗度が1μm以上20μm以下である正極、負極、セパレータを用いることにより、正、負極間にできる間隙の部分に電解液を多く保液することができ、電解液と正、負極のガス発生もしくは被膜形成等の不可逆反応による電解液の枯渇を迎えることができる。また、正、負極間における電解液の拡散がこの間隙を通ることにより容易になり、極板上での部分的な電解液の枯渇も抑制されるため優れた充放電サイクル寿命特性を有する電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒型リチウムイオン二次電池の縦断面図
【符号の説明】
1 セパレータ
2 正極板
3 負極板
4 正極リード片
5 負極リード片
6 底部絶縁板
7 電池ケース
8 上部絶縁板
9 ガスケット
10 封口板
Claims (1)
- 再充電可能な正極、負極と、セパレータ及び非水電解質を含み、セパレータに接する前記正、負極の少なくとも一方の面がポリオレフィン樹脂の粒子または繊維を配して表面粗度が5μm以上10μm以下であるリチウム二次電池。
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