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JP4790782B2 - 銅合金スパッタリングターゲット及び半導体素子配線 - Google Patents

銅合金スパッタリングターゲット及び半導体素子配線 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子の配線材、特に銅電気メッキの際に、凝集がなく安定で均一なシード層を形成させることができ、かつスパッタ成膜特性に優れた銅合金スパッタリングターゲット及び同ターゲットにより形成された半導体素子配線に関する。
従来、半導体素子の配線材料としてAl(比抵抗3.1μΩ・cm程度)が使われてきたが、配線の微細化に伴いより抵抗の低い銅配線(比抵抗1.7μΩ・cm程度)が実用化されてきた。
現在の銅配線の形成プロセスとしては、コンタクトホール又は配線溝の凹部にTa/TaNなどの拡散バリア層を形成した後、銅を電気メッキすることが多い。この電気メッキを行うために下地層(シード層)として、銅または銅合金をスパッタ成膜することが一般に行われる。
通常、純度4N(ガス成分抜き)程度の電気銅を粗金属として湿式や乾式の高純度化プロセスによって、5N〜6Nの純度の高純度銅を製造し、これをスパッタリングターゲットとして使用していた。この場合、半導体配線幅が0.18μmまでの銅配線には特に問題となることはなかった。
しかし、銅配線幅が0.13μm以下、例えば90nm又は65nmで、アスペクト比8を超えるような超微細配線では、シード層の厚さは100nm以下の極薄膜となり、6N純銅ターゲットでシード層を形成した場合は、凝集がおこってしまって良好なシード層を形成できないという問題があった。
このように下地層の均一な形成は重要であり、下地層が凝集した場合には、電気メッキで銅膜を形成する際に、均一な膜を形成することができない。例えば、配線中にボイド、ヒロックス、断線などの欠陥を形成してしまう。
また上記のボイド等の欠陥を残さないにしても、この部分で不均一な銅の電着組織を形成してしまうためにエレクトロマイグレーション耐性が低下してしまうという問題が発生する。
この問題を解決するためには、銅電気メッキの際に安定で均一なシード層を形成させることが重要であり、スパッタ成膜特性のすぐれたシード層形成に最適なスパッタリングターゲットが必要となる。
これまで、銅配線材として、銅にいくつか元素を添加して、エレクトロマイグレーション(EM)耐性、耐食性、付着強度等を向上させることが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。また、純銅のターゲット又はこれにTi0.04〜0.15wt%添加したターゲットが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
そして、これらの提案においては、添加元素の均一な分散のために急冷し、又は鋳塊における添加元素の偏析や、鋳造時の引け巣、鋳塊の結晶粒の粗大化を防止するために連続鋳造することが提案されている。
しかし、高純度銅あるいはこれに微量の金属を添加しても、比抵抗が低いという利点はあるが、エレクトロマイグレーションの問題やプロセス上の耐酸化性の問題があって、必ずしも良好な材料と言えない。
特に、最近ではアスペクト比がより高くなっている(アスペクト比4以上)ので、十分な耐エレクトロマイグレーション及び耐酸化性を有していることが要求されている。
以上から、配線材として、銅にAlやSn(その他TiやZr等の様々な元素)を添加した銅合金をターゲットとして使用する提案がある(例えば、特許文献3参照)。しかし、これらは銅の低抵抗特性を損なわないで耐EM性、耐SM性や耐酸化性を向上させるものであり、上記の様な銅電気めっきによる微細銅配線プロセスにおけるシード層形成に使用することはできなかった(例えば、特許文献4参照)。
また、Sn0.5wt%がCuの粒界拡散低減とEM特性向上に有効であるという提案がある(例えば、非特許文献1参照)。しかし、これはTaやTaNなどのバリア層上でのシード層との凝集問題(相互作用)を解決するものではない。
以上から、従来技術では半導体素子の配線材、特に銅電気メッキの際に、凝集がなく安定で均一なシード層を形成させることができる銅合金が得られておらず、必ずしも十分とは言えなかった。
特開平5−311424号公報 特開平1−248538号公報 特開平10−60633号公報 特開平6−177117号公報 C.H.Hu, K.L.Lee, D.Gupta, and P.Blauner (IBM)著[Electromigration and deffusion in pure Cu and Cu(Sn) alloy, Mat.Res.Soc.Symp.Proc.Vol.427, 1996] Materials research Society
本発明は、半導体素子の配線材、特に銅電気メッキの際に凝集がなく、安定で均一なシード層を形成させることができ、かつスパッタ成膜特性に優れた銅合金スパッタリングターゲット及び同ターゲットを用いて形成された半導体素子配線を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、適切な量の金属元素を添加することにより、銅電気メッキの際のボイド、ヒロックス、断線などの欠陥の発生を防止することができ、比抵抗が低く、かつ耐エレクトロマイグレーション及び耐酸化性を有している、安定で均一なシード層を形成できる銅合金スパッタリングターゲット及び同ターゲットを用いて形成された半導体素子配線を得ることができるとの知見を得た。
本発明はこの知見に基づき、
1.Snを0.5〜4.0wt%含有し、Mnが0.15wtppm以上0.5wtppm以下含有し、残部がCuであり、平均粒径が0.1〜60μmであることを特徴とする銅合金スパッタリングターゲット
2.さらにSb,Zr,Ti,Cr,Ag,Au,Cd,In,Asから選択した1又は2以上を総量で1.0wtppm以下含有し、残部がCuであることを特徴とする上記1記載の銅合金スパッタリングターゲット
3.さらにSb,Zr,Ti,Cr,Ag,Au,Cd,In,Asから選択した1又は2以上を総量で0.5wtppm以下含有し、残部がCuであることを特徴とする上記1記載の銅合金スパッタリングターゲット
4.再結晶温度が365°C以下であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の銅合金スパッタリングターゲット
5.酸素が5wtppm以下であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の銅合金スパッタリングターゲット
6.酸素が1wtppm以下であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の銅合金スパッタリングターゲット
7.平均粒径のばらつきが±20%以内であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の銅合金スパッタリングターゲット
8.上記1〜7のいずれかに記載の銅合金スパッタリングターゲットを用いて形成された半導体素子配線
9.半導体配線のシード層として形成されることを特徴とする上記8記載の半導体素子配線
10.Ta、Ta合金又はこれらの窒化物のバリア膜上にシード層として形成されることを特徴とする上記9記載の半導体素子配線、を提供する。
本発明は、半導体素子の配線材、特に銅電気メッキの際に、凝集がなく安定で均一なシード層を形成させることができ、かつスパッタ成膜特性に優れた銅合金スパッタリングターゲット及び同ターゲットにより形成された半導体素子配線を得ることができるという優れた効果を有する。
本発明の銅合金スパッタリングターゲットは、Alを0.5〜4.0wt%、Siが0.5wtppm以下を含有し、特に銅電気メッキの際に、凝集がなく、耐酸化性に富み、安定で均一なシード層を形成させることができる。また、スパッタ成膜特性にも優れており、半導体素子の配線材として有用である。
本合金は、Alを0.5〜4.0wt%含有させることにより、めっきの際の凝集を効果的に防止できる。すなわち、バリア膜との濡れ性を向上させる。
0.5wt%未満では凝集防止効果がなく、4.0wt%を超えるとシード層での抵抗増加があり、銅配線全体として抵抗が高くなり好ましくない。また、銅合金製造工程の溶解の際に、Alの増加と共に酸素含有量が増大するので、4.0wt%を超えることは避ける必要がある。特にAl含有量1〜2wt%が最適である。
Siの含有は耐酸化性を向上させる。しかし、Si自体は凝集防止効果がなく、また0.5wtppmを超えるとAlの凝集防止作用を低下させてしまうので、0.5wtppm以下にする必要がある。特に、Siは溶解原料としてAlから混入するので、Siの成分管理は重要である。
上記本発明の銅合金スパッタリングターゲットは、Sb,Zr,Ti,Cr,Ag,Au,Cd,In,Asから選択した1又は2以上を総量で1.0wtppm以下含有させることができる。
これらの成分元素は、耐酸化性を向上させる。しかし、Siと同様に1.0wtppmを超えるとAlの凝集防止作用を著しく低下させる、すなわちバリア膜との濡れ性を著しく低下させてしまうので、添加する場合でも1.0wtppm以下にする必要がある。特に、好ましい添加量は、総量で0.5wtppm以下である。
また、本発明の銅合金スパッタリングターゲットは、Snを0.5〜4.0wt%、Mnが0.5wtppm以下を含有し、特に銅電気メッキの際に、凝集がなく、耐酸化性に富み、安定で均一なシード層を形成させることができる。また、スパッタ成膜特性にも優れており、半導体素子の配線材として有用である。
本合金は、Snを0.5〜4.0wt%含有させることにより、めっきの際の凝集を効果的に防止できる。すなわち、バリア膜との濡れ性を向上させる。
0.5wt%未満では凝集防止効果がなく、4.0wt%を超えるとシード層での抵抗増加があり、銅配線全体として抵抗が高くなり好ましくない。また、銅合金製造工程において、インゴットの塑性加工が難しくなるので、4.0wt%を超えることは避ける必要がある。特にSn含有量1〜3wt%が最適である。
Mnの含有は耐酸化性を向上させる。しかし、Mn自体は凝集防止効果がなく、また0.5wtppmを超えるとSnの凝集防止作用を低下させてしまうので、0.5wtppm以下にする必要がある。特に、Mnは溶解原料としてSnから混入するので、Mnの成分管理は重要である。
上記本発明の銅合金スパッタリングターゲットは、Sb,Zr,Ti,Cr,Ag,Au,Cd,In,Asから選択した1又は2以上を総量で1.0wtppm以下含有させることができる。
これらの成分元素は、耐酸化性を向上させる。しかし、Mnと同様に1.0wtppmを超えるとAlの凝集防止作用を著しく低下させる、すなわちバリア膜との濡れ性を著しく低下させてしまうので、添加する場合でも1.0wtppm以下にする必要がある。特に、好ましい範囲は、総量で0.5wtppm以下である。
上記本発明の銅合金スパッタリングターゲットは、再結晶温度が365°C以下であることが望ましい。再結晶温度が365°Cを超えるとめっき膜の熱的安定性を確保するための温度がより高温となるので凝集し易くなる、すなわちバリア層との相互作用(濡れ性)が低下するという欠点がある。
なお、ここで再結晶温度は、800°Cでフルアニール後、試料を70%冷間加工し、さらに100〜600°Cで30分間保持してビッカース硬度(マイクロビッカース、荷重100g)を測定し、フルアニール材のHvとアニール前(70%冷間加工後)のHvとの中間Hv値に位置する温度を意味するものとする。
さらに、上記本発明の銅合金スパッタリングターゲットは、酸素が5wtppm以下、さらに酸素が1wtppm以下とするのが望ましい。酸素の存在はターゲットの組織を微細化する作用をするが、結晶粒界に介在物を形成してパーティクルの発生の原因となり、特にスパッタライフ中の突発的なパーティクル発生を生じさせるという問題があるので、極力低減することが望ましい。
また、シード層に酸化銅(CuO)が形成されてしまうと、電気めっきの際にその部分が溶解してしまうという問題がある。このようにめっき浴によってシード層表面が侵されると、ミクロ的に電場が変動して均一なめっき膜が形成されないという問題が起こる。したがって、酸素を上記の範囲に制限することが必要である。
また、上記本発明の銅合金スパッタリングターゲットは、平均結晶粒径が0.1〜60μmであり、平均粒径のばらつきが±20%以内とすることが望ましい。
このように、ターゲットの組織を制御することによりスパッタライフを通じて、膜のユニフォーミティ(膜厚均一性)を向上させることができ、膜組成の均一性を向上させることができる。特に、ウエハサイズが300mmを超えるようになると、膜のユニフォーミティはより重要になる。
また、上記本発明の銅合金スパッタリングターゲットAl及びSnを総量で0.5〜4.0wt%含有させることもできる。いずれも各成分の添加量は上記と同様である。
さらに、上記本発明の銅合金スパッタリングターゲットは、半導体素子配線の製造、特に半導体配線のシード層の形成に有用であり、さらにはTa、Ta合金又はこれらの窒化物のバリア膜上にシード層形成に最適である。
本発明の銅合金スパッタリングターゲットは、例えば次の工程によって製造することができる。
まず、純度6N以上の高純度銅と同レベルの高純度Al、Sn、その他の添加元素を調整し、水冷銅製坩堝のコールドクルーシブル溶解法にて高真空雰囲気で溶解し、高純度の合金を得る。添加元素の量は十分な管理を行うことが必要である。溶解に際しては、溶湯との接触による汚染を少なくするために、純度6Nの銅板を坩堝底部に設置することが有効である。
合金化した溶湯は、速やかに高真空雰囲気中で水冷銅鋳型に鋳込んでインゴットを得る。このインゴットの組織、例えば結晶粒径を制御することにより、スパッタリング特性を向上させることができる。
製造したインゴットは表面層を除去して、熱間鍛造、熱間圧延、冷間圧延、熱処理工程を経て、ターゲット素材とする。このターゲット素材はされに機械加工により所定の形状とし、バッキングプレートと接合してターゲット製品を得る。
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。以下に示す実施例は、理解を容易にするためのものであり、これらの実施例によって本発明を制限するものではない。すなわち、本発明の技術思想に基づく変形及び他の実施例は、当然本発明に含まれる。
(実施例1−10)
純度6N以上の高純度銅と同レベルの高純度Al、Sn、Mn、その他の添加元素を調整し、水冷銅製坩堝のコールドクルーシブル溶解法にて高真空雰囲気で溶解し、高純度の合金を得た。調整した実施例1−10の合金組成を、Cu−Al合金系については表1に、Cu−Sn系合金については表2に示す。
なお、実施例5と実施例10については、Sb,Zr,Ti,Cr,Ag,Au,Cd,In,Asの合金元素を添加しない場合である。したがって、表1及び表2では不純物レベルに含有される量を示す。
本溶解に際しては、溶湯との接触による汚染を少なくするために、純度6Nの銅板を坩堝底部に設置した。合金化した溶湯を、高真空雰囲気中で水冷銅鋳型に鋳込んでインゴットを得た。
次に、製造したインゴットの表面層を除去してφ160×60tとした後、400°C熱間鍛造でφ200とした。その後、400°Cで熱間圧延してφ270×20tまで圧延し、さらに冷間圧延でφ360×10tまで圧延した。
次に、500°C1時間熱処理後、ターゲット全体を急冷してターゲット素材とした。これを機械加工で直径13インチ、厚さ7mmのターゲットに加工し、これをさらにAl合金製バッキングプレートと拡散接合により接合してスパッタリングターゲット組立体とした。
平均粒径の測定はJIS H0501に基づき切断法により、ターゲットを平面方向で同心円状に17点、板厚方向で表面、中央、裏面の3点、合計で17×3=51点で測定した。
このようにして得たターゲットを使用して8インチのTaN/Ta/Si基板上に50nm厚さのスパッタ膜を形成した。このスパッタ膜の凝集程度を高分解能SEMで観察した。また、Si基板上に約500nm厚さまでスパッタ成膜して膜のユニフォーミティを測定した。
以上の結果について、ターゲットの成分組成と共に、酸素含有量、再結晶温度、平均結晶粒径、スパッタ膜のばらつき、凝集性、膜厚均一性(3σ(%))を表1及び表2に示す。
本発明においては、酸素含有量が低く、再結晶温度も低い。また平均結晶粒度も60μm以下であり、平均粒径のばらつきが±20%以内である。
そして凝集が抑制され、全く凝集しないか又は凝集性が極めて低い。さらに膜厚均一性に優れており、安定で均一なシード層を形成できる銅合金スパッタリングターゲットを得ることができることが分かる。これによって、同ターゲットを用いて優れた半導体素子配線を得ることができる。
(比較例1−16)
実施例1−10と同様の製造条件で、同様な合金成分ではあるが、本発明の範囲から外れる材料について、合金成分を変えた場合及び粒径及びばらつきを変えた場合について、それぞれ銅合金ターゲットを作製した。
この条件を同様に、Cu−Al合金系については表1に、Cu−Sn系合金については表2に示す。このようにして得たターゲットを使用して8インチのTaN/Ta/Si基板上に50nm厚さのスパッタ膜を形成した。
このスパッタ膜の凝集程度を高分解能SEMで観察した。また、Si基板上に約500nm厚さまでスパッタ成膜して膜のユニフォーミティを測定した。
以上の比較例1−16の結果について、ターゲットの成分組成と共に、酸素含有量、再結晶温度、平均結晶粒径、スパッタ膜のばらつき、凝集性、膜厚均一性(3σ(%))を同様に表1及び表2に示す。
比較例1−3では、いずれもAlが0.5wt%未満で、凝集防止効果が低い。比較例4では、Alが4.0wt%を超えており、またSiが多くなり、再結晶温度も高く、凝集防止効果が低い。また、比較例5に示すように、Siが高い(0.5ppmを超える)と凝集防止効果が低下する。
比較例6は、同様にSiが高い(0.5ppmを超える)ので凝集防止効果が低下している。
比較例7は、酸素含有量が高く凝集防止効果が低い。比較例8は、酸素含有量が高く再結晶温度も高くなっているが、一層凝集防止効果が悪くなっている。
比較例9は、粒径のばらつきが大きく膜厚の均一性が悪くなっている。比較例10は、粒径が大きく膜の均一性が同様に悪くなっている。
比較例11は、Sn含有量が0.5wt%未満で、凝集防止効果が低い。逆に、比較例12は、Sn含有量が4.0wt%を超え、同時にMnが多くなり、再結晶温度も高く、凝集防止効果が悪い。比較例13に示すように、Mnの含有量が高いと凝集防止効果が低下する。
比較例14では、同様にMnの含有量が高いので凝集防止効果が低下している。
また、比較例15は、粒径のばらつきが大きく膜厚の均一性が悪くなっている。比較例16は、粒径が大きく膜の均一性が同様に悪くなっている。
(比較例17−25)
実施例1−10と同様の製造条件で、純銅又は本発明以外の銅合金材料について(従来の銅材料を用いて)、それぞれ銅合金ターゲットを作製した。この条件を表3に示す。
また、このようにして得たターゲットを使用して8インチのTaN/Ta/Si基板上に50nm厚さのスパッタ膜を形成した。このスパッタ膜の凝集程度を高分解能SEMで観察した。また、Si基板上に約500nm厚さまでスパッタ成膜して膜のユニフォーミティを測定した。
以上の比較例17−25の結果について、ターゲットの成分組成と共に、酸素含有量、再結晶温度、平均結晶粒径、スパッタ膜のばらつき、凝集性、膜厚均一性(3σ(%))を同様に表3に示す。この表3から明らかなように、従来の純銅又は銅合金は、いずれも凝集防止効果が劣る結果となった。
本発明は、スパッタ成膜特性に優れた銅合金スパッタリングターゲットによって、銅電気メッキの際に、凝集がなく安定で均一なシード層を形成させることができるので、特に半導体素子配線に有用である。

Claims (10)

  1. Snを0.5〜4.0wt%、Mnを0.15wtppm以上0.5wtppm以下含有し、残部がCuであり、平均粒径が0.1〜60μmであることを特徴とする銅合金スパッタリングターゲット。
  2. さらにSb,Zr,Ti,Cr,Ag,Au,Cd,In,Asから選択した1又は2以上を総量で1.0wtppm以下含有し、残部がCuであることを特徴とする請求項1記載の銅合金スパッタリングターゲット。
  3. さらにSb,Zr,Ti,Cr,Ag,Au,Cd,In,Asから選択した1又は2以上を総量で0.5wtppm以下含有し、残部がCuであることを特徴とする請求項1記載の銅合金スパッタリングターゲット。
  4. 再結晶温度が365°C以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の銅合金スパッタリングターゲット。
  5. 酸素が5wtppm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の銅合金スパッタリングターゲット。
  6. 酸素が1wtppm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の銅合金スパッタリングターゲット。
  7. 平均粒径のばらつきが±20%以内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の銅合金スパッタリングターゲット。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の銅合金スパッタリングターゲットを用いて形成された半導体素子配線。
  9. 半導体配線のシード層として形成されることを特徴とする請求項8記載の半導体素子配線。
  10. Ta、Ta合金又はこれらの窒化物のバリア膜上にシード層として形成されることを特徴とする請求項9記載の半導体素子配線。
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