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JP4786197B2 - 携帯無線装置 - Google Patents

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Description

携帯電話等の携帯無線装置に関する。
2つの筐体が開閉可能に連結された携帯無線装置が知られている。例えば、特許文献1では、2つの筐体を連結するヒンジ部にアンテナを内蔵し、ユーザの頭部の影響によるアンテナ特性の利得低下を防止する技術が開示されている。
特開2001−284934号公報
メイン基板とLCD基板とを接続する細線同軸等の第1筐体と第2筐体とを電気的に接続する信号線はアンテナ特性に影響を及ぼす。例えば、内蔵アンテナを携帯無線装置の下方の筐体の下側に配している場合、信号線のグランドの面積が狭く高周波的にコイルとして機能する。一方、信号線は、携帯無線装置の開閉に伴って形状が変化する。従って、アンテナ特性は携帯無線装置の開閉に伴う信号線の変形に起因して不安定となる。
本発明の目的は、安定したアンテナ利得を確保できる携帯無線装置を提供することにある。
本発明の携帯無線装置は、第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体及び前記第2筐体を電気的に接続する信号線とを備え、連結部により前記第1筐体と前記第2筐体とが開閉可能に連結される携帯無線装置であって、前記互いの筐体の端部に、互いの筐体内に連通して前記信号線を通す開口部を有し、前記第2筐体は、無線部を含む電子回路を内包し、当該電子回路には前記信号線の一端が接続され、前記第1筐体は、基準電位層を含む回路基板を内包し、当該回路基板には前記信号線の他端が接続され、前記第1筐体の開口部から前記回路基板の前記信号線が接続される位置までに導電部を配し、前記導電部は前記回路基板の基準電位層に電気的に接続される。
好適には、前記回路基板は、当該回路基板から給電を受ける電子部品を備えるとともに、前記導電部は、前記電子部品を把持して前記第1筐体内部の開口側端部に固定される導電性を有した部品ホルダである。
好適には、前記導電部は、前記第1筐体の少なくとも前記開口部周辺の内面に導電塗料の塗装あるいは金属膜付着加工によって被着された導電加工部である。なお、金属膜付着加工には、例えば蒸着、メッキ、スパッタリングが含まれる。
好適には、前記回路基板は、当該回路基板から給電を受ける電子部品を備え、前記導電部は、前記第1筐体の少なくとも前記開口部周辺の内面に導電塗料の塗装あるいは金属膜付着加工によって被着された導電加工部としての第1の導電部と、前記電子部品を把持して前記第1筐体内部の前記開口側端部に固定される部品ホルダとしての第2の導電部と、を有し、前記部品ホルダは、ねじにより前記導電加工部に共締めされている。
好適には、前記回路基板と前記導電加工部は、一方にばね接点、他方に接触部をそれぞれ備え、前記第1筐体は、複数のケース部材にて構成されており、当該複数のケース部材を合体させることにより前記ばね接点と前記接触部が接触して前記基準電位層と前記導電加工部とが導通し、前記複数のケース部材の合体する方向は、前記ばね接点と前記接触部の接触圧を高める方向に一致する。
好適には、前記電子部品は、カメラである。
好適には、前記第2筐体は、無線部に接続されるアンテナを有し、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを閉状態にしたときに、前記アンテナが前記導電部に重ならない位置に配されている。
好適には、前記連結部は、前記第1筐体に設けられ、第1筐体内部へ開口する孔部を有する第1ヒンジ部と、前記第2筐体に設けられ、第2筐体内部へ開口する孔部を有する第2ヒンジ部と、前記第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部の前記孔部を挿通する筒状のヒンジパーツと、を備え、前記信号線は、前記ヒンジパーツ内に挿通されている。
本発明の携帯無線装置によれば、安定したアンテナ利得を確保できる。
図1及び図2は、本発明を適用した携帯電話機の一実施形態を示す外観斜視図である。携帯電話機1はいわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており、図1は開状態を、図2は閉状態を示している。
携帯電話機1は、第1筐体2と、第2筐体3とを備え、第1筐体2及び第2筐体3は連結部4により、連結部4側を回動の中心として開閉可能に連結されている。第1筐体2及び第2筐体3は、閉状態で互いに対向する面(正面)側の正面側ケース2c、3cと、その背面側の背面側ケース2d、3dとをそれぞれ備えている。正面側、背面側ケース2c、3c、2d、3dは、閉状態で一方の筐体側から他方の筐体側を見たときに、互いの輪郭が略一致するように形成されている。これらケースは、例えば樹脂によりそれぞれ一体成形される。
第1筐体2には、正面側に画像を表示するメイン表示部7と、その背面側に画像を表示するサブ表示部8とが、それぞれ各面に沿って設けられている。メイン表示部7及びサブ表示部8は、例えば液晶表示ディスプレイによって構成される。
また、第1筐体2には、背面側に撮像レンズが露出する撮像ユニット9と、背面側から発光するストロボ10とが設けられている。第1筐体2の連結部4側の端部には、撮像ユニット9の撮影モードを通常の撮影モードからマクロ撮影に切り替えるための操作部材11が設けられている。
第1筐体2の正面側ケース2cの連結部4側には、第1筐体2に内蔵されたスピーカの音道を確保するための孔部2g、2h(図7参照)が設けられている。孔部2gは正面側ケース2cの両側面にそれぞれ長孔状に設けられ、孔部2hは正面側ケース2cの正面に連結部を挟んで2つ設けられている。
第2筐体3は正面側に操作部15を備えている。操作部15には、テンキーボタン15a等の携帯電話機1を操作するための各種ボタンが配置されている。また、第2筐体3の正面側にはマイクへの音道を確保するための孔部3hが設けられている。
図3は、第1の実施形態の概要を示す図であり、携帯電話機1から背面側ケース2d、3d等の一部の部材を取り外し、携帯電話機1を開状態にて背面側から見た斜視図である。
第1筐体2及び第2筐体3は、それぞれ回路基板としてのLCD基板21、メイン基板22を内包している。LCD基板21及びメイン基板22は、信号線23により電気的に接続されている。信号線23は、第1筐体2及び第2筐体3を連通する開口部Hに挿通されている。信号線23は、第1筐体2及び第2筐体3を開閉に伴って、全体の形状が変化する。特に、開口部H付近では開閉に伴う曲げ、捻りにより形状が変化する。
そこで、図3においてハッチングして示すように、LCD基板21に信号線23が接続される位置から開口部Hまでの間において、比較的広い範囲に亘って導電部Cを配置するとともに、当該導電部をLCD基板21の基準電位層に電気的に接続する。これにより、信号線23が空中に浮いたコイルに見えることが防止される。以下、詳細を説明する。
図4は、第2筐体3の内部を一部省略して示す図であり、背面側(図3と同一方向)から見た斜視図である。
第2筐体3の正面側ケース3cの連結部4側の端部には、後述する第1筐体2の第1ヒンジ部30(図6参照)が嵌合する凹部2kが設けられており、凹部2kの両側には第2ヒンジ部31、第3ヒンジ部32が形成されている。第2ヒンジ部31、第3ヒンジ部32には、これらヒンジ部と第1ヒンジ部とを連結するための第1ヒンジパーツ33、第2ヒンジパーツ34とが挿通される孔部31a、孔部32aがそれぞれ設けられている。なお、正面側ケース3cに背面側ケース3dが被せられると、第2ヒンジ部31及び第3ヒンジ部32の凹部2k側以外は、背面側ケース3dにより覆われ、孔部31a、32aは、第2筐体3の内部へ開口することになる。
第1ヒンジパーツ33は、例えば筒状に形成され、第2ヒンジ部31に対して固定的に設けられるとともに、第1ヒンジ部30に対して回転可能に設けられている。第2ヒンジパーツ34は、例えば携帯電話機1の開閉に伴うクリック感を生じさせるための不図示のクリック機構等を含んで構成され、第1ヒンジ部30に対して固定的に設けられるパーツ34aと、第3ヒンジ部32に対して固定的に設けられるパーツ34bとを備えている。パーツ34aとパーツ34bとは互いに回転可能である。なお、これら第1ヒンジパーツ33及び第2ヒンジパーツ34は、導電材料により構成してもよい。
メイン基板22は、正面側ケース3cと同程度の面積を有し、正面側ケース3cに積層配置されている。メイン基板22は、例えばパターン層、絶縁層、グランド層、電源層を積層した多層式のプリント基板として構成され、不図示の高周波回路等の各種回路が配置されている。なお、グランド層は基準電位層として機能する。
なお、メイン基板22と正面側ケース3cとの間には、メイン基板22と略同程度の面積を有し、メイン基板22上の回路から放出される又は外部から侵入する電磁波を遮断するためのシールドケース(不図示)、操作ボタン15aに対応する押圧スイッチが設けられるフレキシブル配線板(不図示)が積層されている。シールドケースはメイン基板22のグランド層と電気的に接続されている。
信号線23は、例えば細線同軸の束からなる、いわゆる細線同軸ケーブルにより構成さたケーブル23a、23bを備えている。ケーブル23a、23bの第2筐体3側の端部にはそれぞれコネクタ35、36が設けられ、当該コネクタ35、36がメイン基板22に設けられたコネクタ37、38に嵌合挿入されることにより、信号線23とメイン基板22とは電気的に接続されている。信号線23は、第2ヒンジ部31に挿通されたヒンジパーツ33の孔部33aに挿通されて、第2筐体3内部から第1筐体2内部へ延びている。
第2筐体3は、メインアンテナ部41と、サブアンテナ部42とを内部に備えている。メインアンテナ部41は、第2筐体3の連結部4とは反対側(開閉側)の端部3bに設けられ、サブアンテナ部42は、第2筐体3の連結部4側の側方に設けられている。メインアンテナ部41は、送受話やメールの送受信等に用いられるものであり、常時利用される。サブアンテナ部42は、音楽をダウンロードして再生するときなど、特定のアプリケーションが起動され、通信量が増加したときに利用されるものである。つまり、特定のアプリケーションが起動されるときは、アンテナ部41及びサブアンテナ部42はタイバシティアンテナとして利用される。
図5(a)はアンテナ部41を第2筐体3の正面側から見た斜視図であり(図4とは紙面の上下が逆)、図5(b)はアンテナ部41を開閉側のやや上方から見た図である。アンテナ部41は、メイン基板22に取り付けられるベース部131と、ベース部に配置されたアンテナ素子132と、アンテナ素子132に給電するための給電端子133とを備えている。
ベース部131は、例えば樹脂等の非導電性部材で形成され、第2筐体3の開閉側の端部3b(図4参照)の内壁に対向する曲面131aと、曲面131aの内側に設けられたフレーム部131bとを有している。曲面131aは、例えば、第2筐体3の背面側の方向から開閉側の方向まで面し、かつ、背面側から見て開閉側に凸状になる曲面として形成され、不図示のシールドケースの外側に配置される。
フレーム部131bは、メイン基板22の背面側(図4の紙面上方)及び開閉側端部と当接するように形成されており、メイン基板22の背面と対向する位置には、給電端子133が設けられている。給電端子133はメイン基板22の背面側に設けられた給電端子134(図4参照)と電気的に接続される。
アンテナ素子132は、リン青銅等の板金が所定のパターン形状に形成されたものであり、曲面131aの全面に亘って張り巡らされるように設けられている。
図6は、第1筐体2の連結部4側の内部を一部省略して示す図であり、背面側(図3と同一方向)から見た斜視図である。
第1筐体2の正面側ケース2cの連結部4側の端部には、第1ヒンジ部30が設けられている。第1ヒンジ部30は、正面側ケース2cから正面側(図中下方)に突出し、第1筐体2及び第2筐体3の回転軸を軸とする円筒状に形成されている。第1ヒンジ部30には、中空部30aと、円筒の両端面にて中空部30aから筐体外部側へ開口する孔部30cと、円筒の側面にて中空部30aから筐体内部側へ開口する孔部30dとが形成されている。
孔部30cにはヒンジパーツ33、34(図4参照)が嵌合挿入される。ヒンジパーツ33に挿通された信号線23は、ヒンジパーツ33を介して孔部30cを通過し、中空部30a、孔部30dを経て第1筐体2内部へ延びる。信号線23のケーブル23a、23bの第1筐体2側の端部にはそれぞれコネクタ55、56が設けられ、当該コネクタ55、56がLCD基板21に設けられたコネクタ57、58に嵌合挿入されることにより、信号線23とLCD基板21とは電気的に接続されている。なお、孔部30dは図3において説明した開口部Hとして機能する。
LCD基板21は、第1筐体2の正面側ケース2cと同程度の幅を有し、正面側ケース2cに積層配置されている。LCD基板21は、例えばパターン層、絶縁層、グランド層、電源層を積層した多層式のプリント基板として構成され、メイン表示部7やサブ表示部8がフレキシブル配線板等を介して接続される。
第1筐体2は、連結部4側の端部に、スピーカ61と、カメラユニット62と、スピーカ61及びカメラユニット62を保持する部品ホルダ63とを備えている。スピーカ61は、着信音の発音や音楽再生に利用されるものである。スピーカ61は、例えば全体として略円柱状に形成され、正面側(図6の紙面下方)の端面に放音部を、背面側の端面に接点61a(図8参照)を有し、接点61aがLCD基板21のパターン層に接触することによりLCD基板21と接続されている。カメラユニット62は、背面側に不図示の撮像レンズが設けられ、フレキシブル配線板(FPC)64を介してLCD基板21に接続されている。
図7は、部品ホルダ63周辺の分解斜視図であり、図8は、部品ホルダ63によりスピーカ61及びカメラユニット62を保持した状態を示す斜視図である。
図7に示すように、部品ホルダ63は、正面側ケース2c側(図7の紙面下方)の中央に、カメラユニット62が嵌合挿入される凹部を有するカメラ保持部63aが、背面側ケース2d側(図7の紙面上方)のカメラ保持部63aの両側にスピーカ61が嵌合挿入される凹部を有するスピーカ保持部63bがそれぞれ設けられている。なお、カメラ保持部63a及びスピーカ保持部63bはそれぞれ底部に凹部の径よりも小さい径の孔部が設けられて抜け穴状になっている。また、正面側ケース2cの筐体内部側には、部品ホルダ63が嵌合挿入される凹部を有するホルダ保持部2mが設けられている。
第1筐体2の組み立て時には、図8に示すように部品ホルダ63にスピーカ61及びカメラユニット62が組み込まれた後に、部品ホルダ63が正面側ケース2cに組み込まれる。そして、図6に示すように、金属製のねじ100が、LCD基板21に設けられた切欠き部21c、部品ホルダ63の孔部63c、正面側ケース2cに設けられた孔部2p(図7参照)に挿通され、背面側ケース2dの筐体内側に配置された不図示のネジボスと螺合されることにより、LCD基板21を正面側ケース2cと背面側ケース2dとにより挟み込んだ形で、部品ホルダ63と正面側ケース2cとが共締めされる。
これにより、後述する導電性の付与される正面側ケース2cの第1ヒンジ部30周辺と、同じく導電性の付与される部品ホルダ63とが螺合共締めにより、互いの接触面を強固に確保することができ、確実な導通を図ることができる。
図7に示すように、第1ヒンジ部30の孔部30dは、ホルダ保持部2mの底部(正面側の面)に開口している。そして、図6に示すように部品ホルダ63により孔部30dの開口面積が狭められ、当該狭められた開口部に信号線23は挿通されている。従って、部品ホル63は信号線23の位置決め部材も兼ねており、組み込み時には、信号線23が孔部30dに挿通された状態で部品ホルダ63がホルダ保持部2mに嵌合挿入される。
正面側ケース2cの孔部30d(中空部30aと孔部30cを含む)全体とホルダ保持部2m及び孔部2p周辺を含めた孔部30dからメイン表示部7の取り付けられる位置に至る箇所には導電性が付されている。さらに、部品ホルダ63も、正面側ケース2cへ部品ホルダ63の組み込み時に孔部2pに接触する部品ホルダ63の孔部63c周辺の接触面を含み、略全体に導電性が付されている。
例えば、正面側ケース2c内部の特にヒンジ側に金属蒸着、又は金属等の導電材料を混ぜ込んだ導電塗料やスパッタリング、メッキなどにより筐体内部側が導電加工されることにより、導電性を付されている。また、部品ホルダ63は、金属により形成されることにより、又は、樹脂等の非導電性の材料により形成され、金属が蒸着・メッキ・スパッタリングあるいは導電塗料により塗装されることなどにより、略全体に導電性を有している。
また、メイン表示部7の背面は特に図示しないが金属製の板金で覆われており、これが正面側ケース2cに組み込まれることにより、第2筐体3側から第1筐体2を見たとき、正面側ケース2cの第1ヒンジ部30周辺と部品ホルダ63とメイン表示部7背面の板金が連続し、信号線23との間にて高周波的には遮蔽物となる。
そして、上述したように金属製のねじ100により共締めされることにより、ホルダ保持部2m、部品ホルダ63はLCD基板21のグランド層に電気的に接続されている。すなわち、ホルダ保持部2m及び部品ホルダ63は、図3にて説明した導電部Cとして機能する。ホルダ保持部2mは本発明の導電加工部として機能する。なお、ホルダ保持部2m及び部品ホルダ63のいずれか一方のみに導電性を持たせてもよい。また、メインアンテナ部41のアンテナ素子132は開閉側端部に設けられ、導電部Cは連結部4側の端部に設けられているから、両者は閉状態において重ならない。
図8に示すように、カメラユニット62は、撮影モードを通常のモードとマクロ撮影モードとの間で切り替えるための操作部62aを有している。操作部62aは、操作部材11(図2参照)を端部に沿って摺動させることにより操作できるように、連結部4側に突出している。部品ホルダ63のカメラ保持部63aには、切欠き部63dが設けられ、操作部62aは切欠き部63dに挿通されて操作部材11に当接する。操作部62aの移動範囲は、切欠き部63dによって規制されている。
切欠き部63dは、カメラ保持部63aの正面側ケース2c側を切り欠いて形成され、切欠き部23dの正面側ケース2c側の開口幅w1が、操作部62aの幅よりも大きく、かつ、操作部62aの移動範囲を規制する部分の幅w2よりも狭くなるように形成されている。従って、組み込み時には、正面側ケース2c側から操作部62aを切欠き部23dに挿入することができるとともに、切欠き部23dを介してカメラユニット62へ静電気が流れることが防止される。
図9は、LCD基板21に設けられたばね接点71と、部品ホルダ63に設けられ、ばね接点71と接触する接触部63fとを示す側面図であり、図9(a)は携帯電話機1の組み立て前、図9(b)は携帯電話機1の組み立て後を示している。ばね接点71及び接触部63fは、LCD基板21と部品ホルダ63との電気的な接続をより確実に行うためのものである。ただし、ばね接点71及び接触部63fは省略することも可能である。なお、正面側ケース2c及び部品ホルダ63は、本発明のケース部材として機能する。
図8にも示すように、部品ホルダ63は、LCD基板21に平行な平面部63gと、平面部63gに直交し、LCD基板21を支持する壁部63hとを有している。接触部64fは、壁部63hを切り欠いた平面部63gに形成されている。
ばね接点71は、例えば金属製の板ばねにより形成され、一端71aはLCD基板21に固定されるとともに、LCD基板21のグランド層に電気的に接続されている。そして、図9(a)に示すように、荷重がない場合には、ばね接点71は全体としてLCD基板21に対して傾斜しつつ、LCD基板21から離間する方向へ延びている。他端には部品ホルダ63側に突出する湾曲部71bが形成されている。なお、湾曲部71bの部品ホルダ63側への突出量は、壁部63hの高さと同程度あるいは若干小さい。なお、規制部72は、ばね接点71の部品ホルダ63方向への移動を規制するものであり、湾曲部71bに設けられた不図示の長孔に挿入されている。
図9(b)に示すように、部品ホルダ63に対してLCD基板21が固定されると、ばね接点71の湾曲部71bと部品ホルダ63とは接触し、部品ホルダ63はばね接点71を介してLCD基板21のグランド層と電気的に接続される。湾曲部71bは、ばね接点71の復元力により所定の接触圧で部品ホルダ63に接触する。
なお、正面側ケース2cと背面側ケース2dとの合体方向と、ばね接点71と接触部63fとの接触方向とは一致している。これにより、前述のように、正面側ケース2cの第1ヒンジ部30周辺と、同じく導電性の付与される部品ホルダ63とがLCD基板21を挟み込んで螺合共締めされると、ばね接点71及び接触部63fとの接触圧が高まり、より確実な導通を図ることができる。さらに、部品ホルダ63と正面側ケース2cの第1ヒンジ部30周辺にも導通されるため、実質的には部品ホルダ63と正面側ケース2cの第1ヒンジ部30周辺共にグランド層に導通される形となる。
図10は、携帯電話機1の信号処理系の構成の一例を示すブロック図である。携帯電話機1は、CPU141、メモリ142、通信処理部143、メインアンテナ部41のアンテナ素子132、サブアンテナ部42のアンテナ素子135、音声処理部144、マイク145、通話用のスピーカ146、スピーカ61、メイン表示部7、サブ表示部8、カメラユニット62を備えている。なお、通信処理部143は無線部として機能する。
CPU141及びメモリ142は例えばメイン基板22に設けられるICとして構成され、各種手段からの信号に基づいて所定の演算を行い、各種手段の制御を実行する。なお、CPU141に新語を出力する手段としては、例えば操作部材15aによって操作されるスイッチ150が含まれる。
通信処理部143は、高周波回路を含んで構成され、電波を利用した無線通信を行うために、CPU141で処理された音声データ、画像データ等の各種データを変調して、アンテナ素子132及び135を介して送信する。また、通信処理部143は、アンテナ素子132及び135を介して受信した信号を復調してCPU141に出力する。
音声処理部144は、CPU141からの音声データを音声信号に変換してスピーカ146、61に出力し、又、マイク145からの音声信号を音声データに変換してCPU141に出力する。
駆動部147、148、149は、CPU141からの信号に基づいてそれぞれメイン表示部21、サブ表示部22、カメラユニット62の制御を行う。
以上の実施形態によれば、部品ホルダ63及びホルダ保持部2mに導電性を持たせ、これらをLCD基板21のグランド層に電気的に接続したことにより、信号線が部品ホルダ63及びホルダ保持部2mにより、高周波的に見えなくなる。つまり、携帯電話機1を開閉してもアンテナに見えてしまう全長等に変動が生じにくいので安定したアンテナ利得が確保される。
図11は、従来の携帯電話機におけるアンテナ特性と、本実施形態の携帯電話機1におけるアンテナ特性とを比較して示す図であり、図11(a)は従来のアンテナ特性を、図11(b)は本実施形態のアンテナ特性を示している。周方向の軸は携帯電話機に対する方向を示しており、0度及び180度は携帯電話機1の側面方向を示し、90度及び270度は携帯電話機1の正面側及び背面側の方向を示している。径方向の軸はアンテナから送信される信号の強度を示している。図11に示すように、部品ホルダ63及びホルダ保持部2mに導電性を持たせることにより、周方向における強度の変化に規則性が生じ、安定したアンテナ利得が得られていることがわかる。また、全体的に信号強度も強くなっており、アンテナ利得も向上している。
部品ホルダ63や正面側ケース2cの第1ヒンジ部30周辺に導電性を持たせることから、導電体を設けるスペースを新たに設けたり、筐体の形状変更等を行う必要がない。また、細線同軸のグランドを直接LCD基板21のグランドと接続することも考えられるが、細線同軸のグランドからの放射を最小限にするには、細線同軸の約半分の長さの位置でグランドに落とす必要がある。しかしながら、ヒンジ構造において細線同軸のグランドを中央部で固定することは、携帯電話機1の開閉による細線同軸のたるみを縮小することになり、細線同軸の断線につながる。
部品ホルダ63はカメラ62等を保持することから、カメラ62等のシールドも兼ねる。また、部品ホルダ63は、カメラ62等の種々の比較的小さな装置を保持した後に正面側ケース2cに組み込まれるため、組み立て作業が容易になる。
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してよい。
携帯無線装置は携帯電話機に限定されない。第1筐体及び第2筐体が開閉可能に連結され、いずれか一方に無線部が設けられるものであればよい。例えば、無線部が設けられたノートパソコンであってもよい。また、第1筐体及び第2筐体は、いずれか一方に無線部が設けられるとともに、第1筐体及び第2筐体が互いに電気的に接続されるものであればよい。例えば、一方の筐体が表示部と無線部の双方を有していてもよい。
信号線は、第1筐体内部の基板や電子部品と第2筐体の基板や電子部品とを電気的に接続し、通信無線装置の開閉に伴って変形するものであればよく、細線同軸ケーブルに限定されない。例えばフレキシブル配線板であってもよい。
部品ホルダに保持される電子部品は、回路基板から給電を受けるものであればあらゆるものを含み、スピーカやカメラに限定されない。例えば、着信をユーザに報知するためのモータであってもよい。
導電加工部は、部品をホルダに保持する部分に限定されない。信号線が挿通される開口部の周辺であればよい。例えば、部品ホルダの半分の面積や2倍の面積に導電塗料を塗布してもよい。
本発明の第1の実施形態の携帯電話機を開状態で示す外観斜視図である。 図1の携帯電話機を閉状態で示す外観斜視図である。 図1の携帯電話機の概要を示す図である。 図1の携帯電話機の第2筐体内部を示す斜視図である。 図1の携帯電話機のメインアンテナ部を示す図である。 図1の携帯電話機の第1筐体の連結部周辺の内部を示す斜視図である。 図1の携帯電話機の第1筐体の連結部周辺の内部を示す分解斜視図である。 図1の携帯電話機の部品ホルダを示す斜視図である。 図1の携帯電話機のばね接点を示す側面図である。 図1の携帯電話機の信号処理系の構成の一例を示すブロック図である。 図1の携帯電話機のアンテナ特性を示す図である。
符号の説明
1…携帯無線装置、2…第1筐体、3…第2筐体、23…信号線、30d…開口部、143…無線部、21…回路基板、2m、63…導電部。

Claims (8)

  1. 第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体及び前記第2筐体を電気的に接続する信号線とを備え、連結部により前記第1筐体と前記第2筐体とが開閉可能に連結される携帯無線装置であって、
    前記互いの筐体の端部に、互いの筐体内に連通して前記信号線を通す開口部を有し、
    前記第2筐体は、無線部を含む電子回路を内包し、当該電子回路には前記信号線の一端が接続され、
    前記第1筐体は、基準電位層を含む回路基板を内包し、当該回路基板には前記信号線の他端が接続され、
    前記第1筐体の開口部から前記回路基板の前記信号線が接続される位置までに導電部を配し、
    前記導電部は前記回路基板の基準電位層に電気的に接続されることを特徴とする携帯無線装置。
  2. 前記回路基板は、当該回路基板から給電を受ける電子部品を備えるとともに、
    前記導電部は、前記電子部品を把持して前記第1筐体内部の開口側端部に固定される導電性を有した部品ホルダであることを特徴とする請求項1に記載の携帯無線装置。
  3. 前記導電部は、前記第1筐体の少なくとも前記開口部周辺の内面に導電塗料の塗装あるいは金属膜付着加工によって被着された導電加工部であることを特徴とする請求項1に記載の携帯無線装置。
  4. 前記回路基板は、当該回路基板から給電を受ける電子部品を備え、
    前記導電部は、
    前記第1筐体の少なくとも前記開口部周辺の内面に導電塗料の塗装あるいは金属膜付着加工によって被着された導電加工部としての第1の導電部と、
    前記電子部品を把持して前記第1筐体内部の前記開口側端部に固定される部品ホルダとしての第2の導電部と、を有し、
    前記部品ホルダは、ねじにより前記導電加工部に共締めされていることを特徴とする請求項1に記載の携帯無線装置。
  5. 前記回路基板と前記導電加工部は、一方にばね接点、他方に接触部をそれぞれ備え、
    前記第1筐体は、複数のケース部材にて構成されており、当該複数のケース部材を合体させることにより前記ばね接点と前記接触部が接触して前記基準電位層と前記導電加工部とが導通し、
    前記複数のケース部材の合体する方向は、前記ばね接点と前記接触部の接触圧を高める方向に一致することを特徴とする請求項4に記載の携帯無線装置。
  6. 前記電子部品は、カメラであることを特徴とする請求項2、4、5のいずれか一に記載の携帯無線装置。
  7. 前記第2筐体は、無線部に接続されるアンテナを有し、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを閉状態にしたときに、前記アンテナが前記導電部に重ならない位置に配されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一に記載の携帯無線装置。
  8. 前記連結部は、
    前記第1筐体に設けられ、第1筐体内部へ開口する孔部を有する第1ヒンジ部と、
    前記第2筐体に設けられ、第2筐体内部へ開口する孔部を有する第2ヒンジ部と、
    前記第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部の前記孔部を挿通する筒状のヒンジパーツと、を備え、
    前記信号線は、前記ヒンジパーツ内に挿通されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一に記載の携帯無線装置。
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