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JP4775292B2 - 無線icデバイス及びその製造方法 - Google Patents

無線icデバイス及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、無線ICデバイス、特に、RFID(Radio Frequency Identification)システムに用いられる無線ICチップを有する無線ICデバイス及びその製造方法に関する。
近年、物品の管理システムとして、誘導電磁界を発生するリーダライタと物品や容器などに付された所定の情報を記憶したICチップ(ICタグ、無線ICチップとも称する)とを非接触方式で通信し、情報を伝達するRFIDシステムが開発されている。ICチップを搭載した無線ICデバイスとしては、従来、特許文献1,2に記載されているように、大面積のフィルム上に放射板(アンテナ)を形成し、該放射板と接触するようにICチップを配置していた。
ところで、前記ICデバイスでは、放射板とICチップとは電気的に導通状態で重ね合わせて配置する必要があり、重ね合わせがずれると信号の送受信に支障を生じるので、重ね合わせに高精度を要求されていた。しかし、ICチップは0.4mm×0.4mmと非常に小さいため、取扱いが難しく、高精度に位置決めして放射板に実装することは極めて困難で、僅かな位置ずれでも共振周波数特性が変化するといった問題点を有していた。また、放射板が小さいので、送受信時の放射特性が十分ではないという問題点も有していた。
特開2005−136528号公報 特開2005−244778号公報
そこで、本発明の目的は、電磁結合モジュールと放射板との組立てが容易で、放射特性が良好である、RFIDシステムに好適な無線ICデバイス及びその製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る無線ICデバイスは、
無線ICチップと、該無線ICチップに接続され、所定の共振周波数を有する共振回路を含む給電回路基板とからなる電磁結合モジュールと、
第1主面及び第2主面を有し、該第1主面に前記電磁結合モジュールが搭載されている台紙と、
前記台紙の前記第2主面側に設けられた放射板と、
を備えた無線ICデバイスであって、
前記台紙の前記第1主面又は第2主面に、前記共振回路と結合する金属板が設けられており、該金属板が前記台紙の前記第1主面に設けられている場合は前記台紙を介して、又は、前記金属板が前記台紙の前記第2主面に設けられている場合は絶縁性の接着剤を介して、前記金属板と前記放射板とが容量結合するように、前記台紙が前記放射板に貼着されていること、
を特徴とする。
本発明に係る無線ICデバイスにおいて、無線ICチップと給電回路基板とで電磁結合モジュールが構成される。電磁結合モジュールを台紙に貼着した状態で放射板上に貼着するため、電磁結合モジュールの取扱いが極めて容易である。また、給電回路基板と放射板とが電気的に直接接続することなく、電磁結合モジュールを放射板上に近接して設けても動作する。また、電磁結合モジュールを放射板に対して高い精度で組み合わせる必要はなく、取付け工程が大幅に簡略化される。
また、放射板から放射する送信信号の周波数及び無線ICチップに供給する受信信号の周波数は、給電回路基板における共振回路の共振周波数で実質的に決まり、放射板は種々の形状を採用でき、かつ、安定した周波数特性が得られるので、放射特性が良好である。
本発明に係る無線ICデバイスにおいて、台紙の第1主面又は第2主面に共振回路と結合する金属板が設けられており、この金属板が放射体としても機能する。金属板と給電回路基板とは直接対向していてもよく、あるいは、台紙を介して対向していてもよい。放射板と金属板とが容量結合し、金属板は放射板と一体的にアンテナとして機能する。
本発明に係る無線ICデバイスの製造方法は、
第1主面及び第2主面を有する長尺状の台紙の該第1主面又は該第2主面に所定間隔で金属板を設ける工程と、
無線ICチップと、該無線ICチップに接続され、所定の共振周波数を有する共振回路を含む給電回路基板とからなる電磁結合モジュールを、前記長尺状の台紙の前記第1主面に所定間隔で前記金属板と前記共振回路とが結合するように貼着する工程と、
前記台紙を一つの電磁結合モジュールを含むブロックごとに切断する工程と、
切断された台紙の前記第2主面を放射板に貼着して前記金属板が前記台紙の前記第1主面に設けられている場合は前記台紙を介して、又は、前記金属板が前記台紙の前記第2主面に設けられている場合は絶縁性の接着剤を介して、前記放射板を前記金属板と容量結合させる工程と、
を備えたことを特徴とする。
なお、前記無線ICチップは、電磁結合モジュールが取り付けられる物品に関する各種情報がメモリされている以外に、情報が書き換え可能であってもよく、RFIDシステム以外の情報処理機能を有していてもよい。
本発明によれば、放射板と電磁結合モジュールとの接合に高精度を要求されることなく、組立てが容易である。また、周波数は給電回路基板における共振回路の共振周波数で実質的に決まり、安定した周波数特性が得られる。そして、放射板は種々の形状を採用でき、放射板の形状を大きくすれば大きな利得を得ることができる。
以下、本発明に係る無線ICデバイス及びその製造方法の実施例について添付図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部品、部分は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1実施例、図1〜図6参照)
図1に無線ICデバイスの第1実施例を示す。この無線ICデバイスは、無線ICチップ5と、該無線ICチップ5を搭載した給電回路基板10とからなる電磁結合モジュール1と、台紙20と、放射板25とで構成されている。給電回路基板10は台紙20の表面に接着剤18(図2参照)を介して貼着され、台紙20の裏面は放射板25上に接着剤19を介して貼着されている。
台紙20は、紙製であり、誘電体であることが好ましく、誘電体であれば樹脂フィルムなどであってもよい。放射板25は、導電材からなる金属薄板や樹脂フィルム上にアルミ箔、銅箔、Al、Cu、Agなどの金属めっき膜を設けたものである。接着剤18,19は、絶縁性であり、誘電率の高い材料であることが望ましい。
電磁結合モジュール1は、詳しくは図2に示すように、無線ICチップ5と、該無線ICチップ5を搭載した給電回路基板10とで構成されている。無線ICチップ5は、クロック回路、ロジック回路、メモリ回路などを含み、必要な情報がメモリされており、給電回路基板10に内蔵された共振回路16と金属バンプ6を介して電気的に接続されている。なお、金属バンプ6の材料としては、Au、半田などを用いることができる。
共振回路16は、所定の周波数を有する送信信号を放射板25に供給するための回路、及び/又は、放射板25で受けた信号から所定の周波数を有する受信信号を選択し、無線ICチップ5に供給するための回路であり、所定の周波数で共振する。共振回路16は、図2及び図3に示すように、ヘリカル型のインダクタンス素子L及びキャパシタンス素子C1,C2からなる集中定数型のLC直列共振回路にて構成されている。
給電回路基板10は、詳しくは、図4に示すように、誘電体からなるセラミックシート11A〜11Gを積層、圧着、焼成したもので、接続用電極12とビアホール導体13aを形成したシート11A、キャパシタ電極14aを形成したシート11B、キャパシタ電極14bとビアホール導体13bを形成したシート11C、ビアホール導体13cを形成したシート11D、導体パターン15aとビアホール導体13dを形成したシート11E、ビアホール導体13eを形成したシート11F(1枚もしくは複数枚)、導体パターン15bを形成したシート11Gからなる。なお、各セラミックシート11A〜11Gは磁性体のセラミック材料からなるシートであってもよく、給電回路基板10は従来から用いられているシート積層法、厚膜印刷法などの多層基板の製作工程により容易に得ることができる。
以上のシート11A〜11Gを積層することにより、ヘリカルの巻回軸が放射板25と平行なインダクタンス素子Lと、該インダクタンス素子Lの両端にキャパシタ電極14bが接続され、かつ、キャパシタ電極14aがビアホール導体13aを介して接続用電極12に接続されたキャパシタンス素子C1,C2が形成される。そして、基板側電極パターンである接続用電極12が金属バンプ6を介して無線ICチップ5の端子(図5参照)と電気的に接続される。
即ち、共振回路を構成する素子のうち、コイル状電極パターンであるインダクタンス素子Lから、磁界を介して、放射板25に送信信号を給電し、また、放射板25からの受信信号は、磁界を介して、インダクタンス素子Lに給電される。そのため、給電回路基板10において、共振回路16を構成するインダクタンス素子L、キャパシタンス素子C1,C2のうち、インダクタンス素子Lが放射板25に近くなるようにレイアウトすることが望ましい。
図5に無線ICチップ5と給電回路基板10との接続形態を示す。図5(A)は無線ICチップ5の裏面及び給電回路基板10の表面に、それぞれ、一対のアンテナ(バランス)端子7a,17aを設けたものである。図5(B)は他の接続形態を示し、無線ICチップ5の裏面及び給電回路基板10の表面に、それぞれ、一対のアンテナ(バランス)端子7a,17aに加えて、グランド端子7b,17bを設けたものである。但し、給電回路基板10のグランド端子17bは終端しており、給電回路基板10の他の素子に接続されているわけではない。
図3に電磁結合モジュール1の等価回路を示す。この電磁結合モジュール1は、図示しないリーダライタから放射される高周波信号(例えば、UHF周波数帯)を放射板25で受信し、放射板25と主として磁気的に結合している共振回路16(インダクタンス素子Lとキャパシタンス素子C1,C2からなるLC直列共振回路)を共振させ、所定の周波数帯の受信信号のみを無線ICチップ5に供給する。一方、この受信信号から所定のエネルギーを取り出し、このエネルギーを駆動源として無線ICチップ5にメモリされている情報を、共振回路16にて所定の周波数に整合させた後、インダクタンス素子Lから、磁界結合を介して放射板25に送信信号を伝え、放射板25からリーダライタに送信、転送する。
ちなみに、無線ICチップ5のサイズは0.4〜0.9mm×0.4〜0.9mmで厚さは50〜100μm、給電回路基板10のサイズは無線ICチップ5のサイズより大きくて3mm×3mm程度までで厚さは200〜500μmである。なお、ここに挙げたサイズはあくまで例示である。
なお、共振回路16と放射板25との結合は、磁界を介しての結合が主であるが、電界を介しての結合が存在していてもよい。本発明において、「電磁界結合」とは、電界及び/又は磁界を介しての結合を意味する。
前記共振回路16においては、インダクタンス素子Lとキャパシタンス素子C1,C2で構成された共振回路にて共振周波数特性が決定される。放射板25から放射される信号の共振周波数は、共振回路16の自己共振周波数によって実質的に決まる。従って、放射板25はどのような形状のものであっても使用することができ、電磁結合モジュール1の放射板25に対する相対的な位置は任意である。従って、電磁結合モジュール1の貼着位置をそれほど高精度に管理する必要はない。
さらに、インダクタンス素子Lを構成するコイル状電極パターンは、その巻回軸が放射板25と平行に形成されているため、中心周波数が変動しないという利点を有している。また、無線ICチップ5の後段に、キャパシタンス素子C1,C2が挿入されているため、この素子C1,C2で低周波数のサージをカットすることができ、無線ICチップ5をサージから保護できる。
ところで、共振回路16は無線ICチップ5のインピーダンスと放射板25のインピーダンスを整合させるためのマッチング回路を兼ねている。給電回路基板10は、インダクタンス素子やキャパシタンス素子で構成された、共振回路16とは別に設けられたマッチング回路を備えていてもよい。共振回路16にマッチング回路の機能をも付加しようとすると、共振回路16の設計が複雑になる傾向がある。共振回路16とは別にマッチング回路を設ければ、共振回路、マッチング回路をそれぞれ独立して設計できる。
以上説明した第1実施例によれば、送受信信号の周波数は、給電回路基板10の共振回路16の共振周波数で実質的に決まるため、放射板25と電磁結合モジュール1との接合に高精度を要求されることなく、組立てが容易である。しかも、電磁結合モジュール1を台紙20に貼着した状態で放射板25上に貼着するため、電磁結合モジュール1の取扱いが極めて容易である。また、電磁結合モジュール1と放射板25とは台紙20や接着剤18,19を介して電磁界結合をしており、放射板25は任意の形状が採用でき、放射特性が良好で、安定した周波数特性を得ることができる。
ここで、前記第1実施例である無線ICデバイスの製造方法について説明する。まず、図6(A)に示すように、長尺の台紙(テーピング用フィルム)20を用意し、図6(B)に示すように、無線ICチップ5を搭載した給電回路基板10を台紙20上に所定間隔で貼着する。
次に、台紙20を一つの電磁結合モジュール1を含むブロックごとに点線aで切断し、図6(C)に示す台紙付き電磁結合モジュール1を得る。その後、台紙20をRFIDシステムに用いられる物品に設けられている放射板25上に貼着すれば、無線ICデバイスとして完成する。
(第2実施例、図7及び図8参照)
図7に無線ICデバイスの第2実施例を示す。この無線ICデバイスは、前記第1実施例と同様に無線ICチップ5を搭載した給電回路基板10からなる電磁結合モジュール1を備えたもので、台紙20の表面には一対の金属板26,26が設けられるとともに、給電回路基板10が金属板26,26を挟んで貼着されている。さらに、台紙20の裏面が放射板25上に絶縁性で誘電率の高い接着剤にて貼着される。台紙20や放射板25の材料は前記第1実施例と同様であり、それぞれの貼着には絶縁性で誘電率の高い接着剤が用いられている。
本第2実施例では、放射板25と金属板26,26とが容量結合し、金属板26,26は放射板25と一体的に高周波信号のアンテナとして機能する。従って、本第2実施例の作用効果も前記第1実施例と同様である。
ここで、第2実施例である無線ICデバイスの製造方法について説明する。まず、図8(A)に示すように、長尺の台紙(テーピング用フィルム)20上に金属板26,26を所定間隔で設ける。金属板26,26は、導電材からなる金属薄膜でもよく、あるいは、アルミ箔、銅箔、Alなどの金属めっき膜であってもよい。
次に、図8(B)に示すように、無線ICチップ5を搭載した給電回路基板10を台紙20の表面であって一対の金属板26,26上に跨って貼着する。その後、台紙20を一つの電磁結合モジュール1を含むブロックごとに点線aで切断し、図8(C)に示す無線ICデバイスを得、台紙20を放射板25上に貼着する。
なお、本第2実施例において、一つの電磁結合モジュール1に対して金属板26は必ずしも一対である必要はなく、1枚であってもよい。また、図9に示すように、電磁結合モジュール1を台紙20の表面に貼着し、金属板26,26を台紙20の裏面に設けてもよい。台紙20は金属板26,26を間に挟んで放射板25上に絶縁性で誘電率の高い接着剤により貼着される。この場合、金属板26,26も放射板25と同様に給電回路基板10と台紙20を介して電磁界結合することになる。
(他の実施例)
なお、本発明に係る無線ICデバイス及びその製造方法は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
特に、各実施例において、給電回路基板の内部構成の細部、放射板の細部形状は任意であり、給電回路基板をフレキシブルな材料で形成してもよい。さらに、無線ICチップを給電回路基板上に接続するのに、金属バンプ以外の処理を用いてもよい。
本発明に係る無線ICデバイスの第1実施例を示し、(A)は平面図、(B)はX−X断面図である。 電磁結合モジュールを示す断面図である。 電磁結合モジュールの等価回路図である。 給電回路基板を示す分解斜視図である。 (A),(B)ともに無線ICチップと給電回路基板との接続状態を示す斜視図である。 第1実施例の製造工程を示す説明図である。 本発明に係る無線ICデバイスの第2実施例を示し、(A)は平面図、(B)はY−Y断面図である。 第2実施例の製造工程を示す説明図である。 第2実施例の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1…電磁結合モジュール
5…無線ICチップ
10…給電回路基板
16…共振回路
20…台紙
25…放射板
26…金属板
L…インダクタンス素子

Claims (2)

  1. 無線ICチップと、該無線ICチップに接続され、所定の共振周波数を有する共振回路を含む給電回路基板とからなる電磁結合モジュールと、
    第1主面及び第2主面を有し、該第1主面に前記電磁結合モジュールが搭載されている台紙と、
    前記台紙の前記第2主面側に設けられた放射板と、
    を備えた無線ICデバイスであって、
    前記台紙の前記第1主面又は第2主面に、前記共振回路と結合する金属板が設けられており、該金属板が前記台紙の前記第1主面に設けられている場合は前記台紙を介して、又は、前記金属板が前記台紙の前記第2主面に設けられている場合は絶縁性の接着剤を介して、前記金属板と前記放射板とが容量結合するように、前記台紙が前記放射板に貼着されていること、
    を特徴とする無線ICデバイス。
  2. 第1主面及び第2主面を有する長尺状の台紙の該第1主面又は該第2主面に所定間隔で金属板を設ける工程と、
    無線ICチップと、該無線ICチップに接続され、所定の共振周波数を有する共振回路を含む給電回路基板とからなる電磁結合モジュールを、前記長尺状の台紙の前記第1主面に所定間隔で前記金属板と前記共振回路とが結合するように貼着する工程と、
    前記台紙を一つの電磁結合モジュールを含むブロックごとに切断する工程と、
    切断された台紙の前記第2主面を放射板に貼着して前記金属板が前記台紙の前記第1主面に設けられている場合は前記台紙を介して、又は、前記金属板が前記台紙の前記第2主面に設けられている場合は絶縁性の接着剤を介して、前記放射板を前記金属板と容量結合させる工程と、
    を備えたことを特徴とする無線ICデバイスの製造方法。
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