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JP4751861B2 - ドアハンドル装置 - Google Patents

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JP4751861B2 JP2007196120A JP2007196120A JP4751861B2 JP 4751861 B2 JP4751861 B2 JP 4751861B2 JP 2007196120 A JP2007196120 A JP 2007196120A JP 2007196120 A JP2007196120 A JP 2007196120A JP 4751861 B2 JP4751861 B2 JP 4751861B2
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Description

本発明は、車両ドアのロック指令等に対してこれを検知する機能を有するドアハンドル装置に関する。
近年、この種のドアハンドル装置としては、例えば車両ユーザの携帯する携帯機と車両の送受信機との通信を通じて車両ユーザの接近や降車を認識するとともに、車両ユーザの車両ドアに対するロック指令やアンロック指令を検知して車両ドアのロックやアンロックを自動的に実行する、いわゆるスマートエントリーシステム(登録商標)を搭載したものがある。そして従来、このようなドアハンドル装置として、例えば特許文献1に記載の装置が知られている。図7に、この特許文献1に記載のドアハンドル装置の正面構造を、また図8に、この図7におけるVIII−VIII線に沿った同ドアハンドル装置の断面構造をそれぞれ示す。
これら図7及び図8に示されるように、この特許文献1に記載のドアハンドル装置では、ドアハンドル100のうち、車両ドアのアウタパネル200との間で車両ユーザの手が挿入可能な部位であるいわゆる把持部110に、車両ユーザによるアンロック指令を検知するためのアンロックセンサSULKが設けられている。また、同ドアハンドル100にあって、車両ドアの開閉機構を操作する部分が導出される部分として把持部110に隣接する部分である操作部導出部120に、同じく車両ユーザによるロック指令を検知するためのロックセンサSLKが設けられている。ここで、これらロックセンサSLK及びアンロックセンサSULKは共に静電容量の変化を検知する静電容量センサであり、それらセンサSLK,SULKの各検知用電極に車両ユーザの手が接近することにより生じる静電容量の変化をそれぞれ検知してロック指令あるいはアンロック指令が発せられた旨を判断する。具体的には、例えばロックセンサSLKにあっては、車両ドアのアウタパネル200とその検知用電極との間に形成される静電容量の値を基準値CPANELとした場合に、同ロックセンサSLKにより検知される静電容量の値がこの基準値CPANELから大きく変化しない場合にはロック指令が発せられていない旨が判断される。そして、車両ユーザの手がこの検知用電極に接近した場合には、同検知用電極と車両ユーザの手との間に上記静電容量と電気的に並列接続される新たな静電容量Cが形成される(CPANEL+C)。このため、この検知される静電容量の値が基準値CPANELからこの静電容量Cに相当する分だけ上回ることをもってロック指令が発せられた旨が判断される。この検出原理自体はアンロックセンサSULKにおいても同様である。当該ドアハンドル装置ではこのように、ロックセンサSLKとアンロックセンサSULKとがドアハンドル100の異なる部位に設けられているため、車両ユーザがドアハンドル100のこれら異なる部位に触れることを通じてロック指令及びアンロック指令の識別が行われることとなる。
特許第3502848号公報
しかし、特許文献1に記載のドアハンドル装置にあっては、図8に示すように、把持部110の端部の外面側(アウタパネル200と反対側)にロック検知用電極(ロックセンサSLK)が配設されている。このため、車両のユーザがアンロック操作をするために把持部110とアウタパネル200との間に手を挿入し、ドアを開くためドアハンドル100を引く操作をする際に、手がロックセンサSLKの検出範囲に接触しやすい。かかる場合、アンロックセンサSULKによるアンロックの指示とロックセンサSLKによるロックの指示とが同時に行われることとなり、的確な指令が発せられないおそれがあった。また、ドアが開いている時に、車両ユーザの手がロックセンサSLKの検出範囲に接触してロック動作をおこなってしまうなど、車両ユーザが意図していない作動を起こすという問題を生ずるおそれがあった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両ユーザのドアロックに係る誤操作の誘発を回避できるドアハンドル装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両のドア開閉機構を操作可能なように車両ドアに設けられるドアハンドル装置において、前記車両ドアのアウタパネルの内側に設けられる支持部材と、前記アウタパネルの外側に設けられて、前記支持部材に回動可能に支持されるように前記アウタパネルを貫通して延びる回動部と、前記ドア開閉機構を操作可能なように前記アウタパネルを貫通して延びる操作部とを両端部に有するドアハンドルと、前記アウタパネルに対して静電容量結合されるように前記ドアハンドルに設けられるロック検知用電極を有して、該ロック検知用電極と前記アウタパネルとの間の静電容量の変化に基づいてドアロック指令が発せられた旨を検知する静電容量センサと、を備え、前記ドアハンドルは、前記アウタパネルの外側面との間に空隙をおいて設けられる把持部を有する第1のハンドルケースと、当該ドアハンドルの外側部を形成するように前記第1のハンドルケースを覆う第2のハンドルケースとを有し、前記ロック検知用電極は、前記第2のハンドルケースの互いに対向する上壁及び下壁の少なくとも一方の内側面に近接対向するかたちで、前記ドアハンドルの前記回動部が設けられる端部と前記把持部との間に設けられるとともに、前記アウタパネルに対向する電極端面を有するものであって、該電極端面が、非平面形状に形成されることを要旨としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のドアハンドル装置において、前記電極端面は、メアンダー形状に形成されることを要旨としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のドアハンドル装置において、前記電極端面、円弧状に切り欠かれた弧状形状に形成されることを要旨としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のドアハンドル装置において、前記ロック検知用電極前記第2のハンドルケースの上壁と下壁との間の中央を前記ドアハンドルの前記回動部が設けられる一方の端部から前記操作部が設けられる他方の端部に向かって延びる中心線について対称に設けられてなることを要旨としている。
そして、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のドアハンドル装置において、前記ロック検知用電極は、前記第2のハンドルケースの上壁及び下壁の少なくとも一方の内側面に当接することを要旨としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のドアハンドル装置において、前記電極端面は、前記第1及び第2のハンドルケースの間を通じて前記ドアハンドルの外部に露出することを要旨としている。
さらに、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のドアハンドル装置において、前記第1及び第2のハンドルケースの間に設けられる回路基板を更に備え、前記ロック検知用電極は、前記回路基板に支持されることを要旨としている。
一方、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のドアハンドル装置において、前記ロック検知用電極は、前記回路基板によって支持される支持部を有することを要旨としている。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のドアハンドル装置において、前記アウタパネルに対して静電容量結合されるように前記把持部に設けられるアンロック検知用電極と、該アンロック検知用電極に接続され、同アンロック検知用電極と前記アウタパネルとの間の静電容量の変化に基づいてアンロック指令が発せられた旨を検知する静電容量センサと、を更に備えることを要旨としている。
以上説明した発明によれば、次のような効果が得られるようになる。
上記請求項1に係る発明によれば、ロック検知用電極が第2のハンドルケースの上下壁の少なくとも一方の内側面に設けられることから、車両ユーザの通常のドアハンドル把持操作に応動してドアロック指令が発せられる等の懸念は解消されるようになる。しかも、同請求項1に係る発明では、上記ロック検知用電極の上記アウタパネルと対向する側の電極端面形状が非平面に形成されることから、電極端面とアウタパネルとの間に導かれる雨滴等と電極端面との距離が変化し、電極端面とアウタパネルとの雨滴等による繋がりが切断され易くなる。このため、雨滴等のロック検知用電極への接近あるいは接触などに起因する該ロック検知用電極とアウタパネルとの最短対向部における誘電率の変化、ひいては静電容量の変化に対する余裕代が拡大されるようになる。すなわちこれにより、こうした雨滴に起因する静電容量センサの誤動作等も好適に抑制されるようになる。
なお、電極端面形状としては、上記請求項2に係る発明によるように、メアンダー形状とすることにより、プレス加工により容易に成形できる。
また、電極端面形状としては、上記請求項3に係る発明によるように、円弧状に切り欠かれた弧状形状とすることにより、プレス加工により容易に成形できる。
上記請求項4に係る発明によれば、車両ドアに対するドアハンドルの取付方向について、上記電極端面形状を有するロック検知用電極がいわば上下対称に設けられることから、当該ドアハンドル装置としての標準化が促進されることとなり、車両の右側のドア、あるいは左側のドア、さらには車両後部のドア等であれ、基本的に1種類からなるドアハンドル装置をそれらドアに対して汎用的に用いることができるようになる。
上記請求項5〜8に係る発明によれば、上記請求項1〜4に係る発明の効果に準じた効果を得ることができるようになる。
上記請求項に係る発明によれば、車両ドアのアンロック検知用電極がドアハンドルの把持部の内部に設けられることで、同車両ドアの開放を意図した車両ユーザによるドアハンドル把持操作に応動してドアアンロック指令が発せられることとなり、上述したドアロック指令とこのドアアンロック指令との好適な区別が可能となる。すなわち、車両ユーザによる車両ドアのロック/アンロックに係る意思を上記各静電容量センサを通じてより的確に検知することができるようになる。
以下、本発明に係るドアハンドル装置を、スマートエントリーシステム(登録商標)を搭載したドアハンドル装置に適用した一実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
まず、図1は、先の図8に対応する図として、本実施形態に係るドアハンドル装置の断面構造を示したものである。
同図1に示されるように、このドアハンドル装置では、ドアハンドル10のケースを、
(イ)車両ドアのアウタパネル20の外側面との間に空隙GPをおいて同ドアハンドル10を把持する部分である把持部11aが設けられた第1のハンドルケース11。
(ロ)当該ハンドル10の外側部としてこの第1のハンドルケース11を覆うように設けられて同第1のハンドルケース11にねじ等により締結された第2のハンドルケース12。
といった2つの部分からなる分割体として構成することによって、その設計や製造に際しての自由度、並びに利便性を高めている。なお、これら第1のハンドルケース11及び第2のハンドルケース12はいずれも高剛性を有する樹脂材料からなるとする。
そして本実施形態において、これらハンドルケースのうち、第2のハンドルケース12には、車両ドアのアウタパネル20を貫通してその内部に設けられた支持部材21に回動可能に支持される回動部12aが導出される部分である回動部導出部12bが設けられている。また、この第2のハンドルケース12の回動部導出部12bから把持部11aを挟んで反対側の端部には、同じく車両ドアのアウタパネル20を貫通して延在してこのアウタパネル20の内側に設けられたドア開閉機構のレバー22を操作する操作部12cが導出される部分である操作部導出部12dが設けられている。すなわち、車両ユーザによる把持部11aを把持してドアハンドル10の引張り操作が行われると、回動部導出部12b側を回動基端として操作部導出部12d側が引き出される方向にドアハンドル10が回動し、そのとき車両ドアがロック状態になければ、操作部12cによってレバー22が操作されて車両ドアが開放される。
一方、第1のハンドルケース11には、その把持部11aと第2のハンドルケース12の回動部導出部12bとの間に各種電子部品等が実装された回路基板30が搭載されている。この回路基板30には、静電容量の変化に基づいて車両ドアのドアロック指令が発せられた旨を検知する静電容量センサのロック検知用電極31が第2のハンドルケース12の内面、より詳しくは第2のハンドルケース12の上下壁12e,12fの内側面に対向して(図2及び図4を参照、なお上下は車両上下方向を示す)、把持部11aと回動部導出部12bとの間に実装されている。また、把持部11aの内部に設けられて、静電容量の変化に基づいて車両ドアのドアアンロック指令が発せられた旨を検知する静電容量センサのアンロック検知用電極32も、この回路基板30に設けられたセンサ入力端子となる特定の電極に電気的に接続されている。さらに、第1のハンドルケース11には、同じく把持部11aの内部にアンテナ33が設けられており、このアンテナ33を介して車両ユーザが携帯する携帯機との間でのユーザ認証等を含めた必要情報の授受が行われる。このアンテナ33も、回路基板30に設けられた給電端子となる特定の電極に電気的に接続されている。なお、上記各静電容量センサに連絡され回路基板30に実装されているセンサIC40やアンテナ33等に対する給電、並びに同センサIC40の出力をはじめとする各種必要情報のドア制御部(図1では図示略)への取り込みは、回路基板30の裏面に設けられているコネクタ34を介して行われる。
図2は、このようなドアハンドル10の特に回動部導出部12bから把持部11aに至る部分の構造についてその分解斜視構造を示したものであり、次に、同図2を参照して、ロック検知用電極31の構造の詳細について説明する。
同図2に示されるように、このロック検知用電極31は、ドアハンドル10の上述した回動部導出部12bから操作部導出部12dに至る長手方向の中心線mについて対称に設けられた一対の電極として構成されている。また、同ロック検知用電極31は、車両ドアのアウタパネル20と対向する側の電極端面31aの形状が、波形に切り欠かれたメアンダー形状に形成されている。
また図3は、このようなドアハンドル装置の主にドアロック系についてその等価回路、及びシステム構成をブロック図として示したものであり、次に、同図3を参照して、このドアロックに係る検知原理、並びに動作概要を説明する。
同図3に示されるように、先の図1に示されるようなドアハンドル装置にあっては、車両ドアのアウタパネル20とロック検知用電極31との間に、アウタパネル20を接地GND1とした静電容量CPANELからなる値をもって静電容量結合が形成されている。そして、この静電容量CPANELの値がロック検知用電極31を介してセンサIC40に連絡されている静電容量センサ41に取り込まれている。このような状態にあって、いま、車両ユーザの手がドアハンドル10を構成する第2のハンドルケース12のロック検知用電極31と対向する部分に触れたとすると、該車両ユーザとこのロック検知用電極31との間に、新たに同車両ユーザを接地GND2とした静電容量Cからなる値を有する静電容量結合が静電容量CPANELと電気的に並列に形成されるようになる。このとき、静電容量センサ41には、その合成静電容量(CPANEL+C)を示す値が取り込まれることとなり、同静電容量センサ41では、この取り込まれる静電容量の値が静電容量CPANELからこの静電容量Cに相当する分だけ上回ることをもってドアロック指令が発せられた旨を検知する。こうして静電容量センサ41を通じてドアロック指令が発せられた旨が検知されることにより、ドア制御部60では、その検知信号に基づいて車両ユーザによるドアロック指令が発せられた旨を判断し、ドライバ回路70を介してロック機構80に設けられているロック用のアクチュエータ81を駆動することにより車両ドアをロックする。なお、こうした検知原理、並びに動作概要は、アンロック検知用電極32やセンサIC40に内蔵されている静電容量センサ42との協働のもとに車両ドアをアンロックするアンロック系においても同様である。ただし、本実施形態のドアハンドル装置にあっては上述のように、ロック検知用電極31を、第2のハンドルケース12の上下壁12e,12fの内側面に対向して設けるようにしたことで、車両ユーザの通常のドアハンドル把持操作に応動してドアロック指令が発せられる等の懸念は解消されるようになる。すなわち、車両ユーザの特にドアロックに係る誤操作の誘発は回避されるようになる。
ところで前述のように、ロック検知用電極31を第2のハンドルケース12の上下壁12e,12fの内側面に対向して設け、しかもドアハンドル10を第1及び第2のハンドルケース11,12からなる分割体として構成するようにした場合には通常、次のような問題が無視できないものとなる。すなわち、図4に図1のIV−IV線に沿った断面構造を示すように、ロック検知用電極31の検知範囲を広げるとき、ロック検知用電極31の電極端面31aとアウタパネル20との間の間隙が狭くなる。このため、降雨などの際には自ずとその雨滴Wが電極端面31aとアウタパネル20との間の間隙に導かれやすくなる。しかも、ドアハンドル10を構成するケースが分割体からなることで、この導かれた雨滴Wがロック検知用電極31に接近あるいは接触する等の懸念がある。そして、雨滴Wがロック検知用電極31に接近もしくは接触するようなことがあると、該検知用電極31とアウタパネル20との間で静電容量結合されている部分のうち、特にその最短対向部での誘電体の誘電率の増大に伴う静電容量成分CPANEL(W)の増大が無視できなくなる。すなわち、ロック検知用電極31と車両ドアのアウタパネル20との間の上述した静電容量CPANELのうち、この増大した静電容量成分CPANEL(W)が支配的となり、上記ドアロック指令が発せられたがごとく、静電容量センサ41の誤動作を引き起こしかねない。
この点、本実施形態に係るドアハンドル装置では上述のように、ロック検知用電極31の電極端面31aの形状を、波形に切り欠かれたメアンダー形状に形成するようにした。このため、図5に図4のV−V線に沿った断面構造を示すように、電極端面31aとアウタパネル20との間に雨滴Wが導かれたとき、電極端面31aの切り欠かれた部分31bが雨滴Wから離間するため、電極端面31aとアウタパネル20との雨滴W等による繋がりが切断され易くなる。したがって、雨滴Wのロック検知用電極31への接近あるいは接触などに起因する静電容量成分CPANEL(W)の増大が抑制されるようになる。すなわち、このような雨滴Wの浸水などに起因するロック検知用電極31と車両ドアのアウタパネル20との最短対向部における誘電率の変化、ひいては静電容量の変化に対する余裕代が拡大されるようになるため、ひいてはこうした雨滴Wの浸水に起因する静電容量センサの誤動作等も好適に抑制されるようになる。なお、このようなメアンダー形状は、プレス機械等による形成も容易である。
以上説明したように、本実施形態に係るドアハンドル装置によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)第2のハンドルケース12の上下壁12e,12fの内側面にロック検知用電極31を設けるようにした。これにより、車両ユーザの通常のドアハンドル把持操作に応動してドアロック指令が発せられる等の懸念が解消されるようになる。しかも、ロック検知用電極31については、アウタパネル20と対向する側の電極端面31aの形状を、波形に切り欠かれたメアンダー形状、すなわち非平面に形成するようにした。これにより、電極端面31aとアウタパネル20との間に導かれる雨滴Wと電極端面31aとの距離が変化し、電極端面31aとアウタパネル20との雨滴Wによる繋がりが切断され易くなる。このため、雨滴Wのロック検知用電極31への接近あるいは接触などに起因するロック検知用電極31とアウタパネル20との最短対向部における誘電率の変化、ひいては静電容量の変化に対する余裕代が拡大されるようになる。そしてこれにより、こうした雨滴Wに起因する静電容量センサの誤動作等も好適に抑制されるようになる。なお、このような効果は、降雨による雨滴Wに限らず、例えば洗車等によって付着する水滴等に対しても同様に奏される。
(2)電極端面31aの形状として、波形に切り欠かれたメアンダー形状を採用するようにした。このように電極端面31aの形状を波形に切り欠かれたメアンダー形状とすることにより、プレス加工により容易に成形できるようになる。
(3)ロック検知用電極31を回動部導出部12bから操作部導出部12dに至る長手方向の中心線mについて対称に、すなわち車両ドアに対するドアハンドルの取付方向について上下対称に設けるようにした。このため、当該ドアハンドル装置としての標準化が促進されることとなり、車両の右側のドア、あるいは左側のドア、さらには車両後部のドア等であれ、基本的に1種類からなるドアハンドル装置をそれらドアに対して汎用的に用いることができるようになる。
(4)車両ドアのアンロック検知用電極32を、ドアハンドルの把持部11aの内部に設けるようにした。このため、車両ドアの開放を意図した車両ユーザによるドアハンドル把持操作に応動してドアアンロック指令が発せられることとなり、上述したドアロック指令とこのドアアンロック指令との好適な区別が可能となる。すなわち、車両ユーザによる車両ドアのロック/アンロックに係る意思を各静電容量センサ41,42を通じてより的確に検知することができるようになる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、ロック検知用電極31のアウタパネル20との静電容量結合を低減し得る電極端面31aの形状として、波形に切り欠かれたメアンダー形状を採用することとしたが、他に例えば、図6に示すように、円弧状に切り欠かれた弧状形状を採用することもできる。このように電極端面31aの形状を円弧状に切り欠かれた弧状形状とすることによっても、プレス加工により容易に成形できるようになる。
・長手方向について上下対称となるドアハンドルについては、上記実施形態によるように、ロック検知用電極31も同方向について上下対称に設けることが望ましいが、該ロック検知用電極31は必ずしも上下対称に設けられる必要はない。基本的には、該ロック検知用電極が例えば単一の電極として設けられる場合であれ、ドアハンドルの把持部と回動部導出部との間でさえあれば、その取付状態において上方もしくは正面に位置する箇所に対応して同電極が設けられる構成であればよい。
・上記実施形態では、回動部導出部12b及び操作部導出部12dが第2のハンドルケース12に設けられる例について示したが、これらの各部あるいはその一方が第1のハンドルケース11に設けられるドアハンドルについてもこの発明は同様に適用することができる。
本発明に係るドアハンドル装置の一実施形態についてその断面構造を示す断面図。 同実施形態のドアハンドル装置についてその回動部導出部から把持部に至る部分の分解斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のドアハンドル装置の主にドアロック系についてそのシステム構成を示すブロック図。 図1のIV−IV線に沿った断面構造を示す断面図。 図4のV−V線に沿った断面構造を示す断面図。 本発明に係るドアハンドル装置の他の実施形態についてその回動部導出部から把持部に至る部分の分解斜視構造を示す斜視図。 従来のドアハンドル装置についてその正面構造を示す正面図。 同じく従来のドアハンドル装置について図7のVIII−VIII線に沿った断面構造を示す断面図。
符号の説明
10,100…ドアハンドル、11…第1のハンドルケース、11a,110…把持部、12…第2のハンドルケース、12a…回動部、12b,130…回動部導出部、12c…操作部、12d,120…操作部導出部、12e…上壁、12f…下壁、20,200…アウタパネル、21,210…支持部材、22…レバー、30…回路基板、31…ロック検知用電極、31a…電極端面、31b…切り欠かれた部分、32…アンロック検知用電極、33…アンテナ、34…コネクタ、40…センサIC、41,42…静電容量センサ、60…ドア制御部、70…ドライバ回路、80…ロック機構、81…アクチュエータ。

Claims (9)

  1. 車両のドア開閉機構を操作可能なように車両ドアに設けられるドアハンドル装置において、
    前記車両ドアのアウタパネルの内側に設けられる支持部材と、
    前記アウタパネルの外側に設けられて、前記支持部材に回動可能に支持されるように前記アウタパネルを貫通して延びる回動部と、前記ドア開閉機構を操作可能なように前記アウタパネルを貫通して延びる操作部とを両端部に有するドアハンドルと、
    前記アウタパネルに対して静電容量結合されるように前記ドアハンドルに設けられるロック検知用電極を有して、該ロック検知用電極と前記アウタパネルとの間の静電容量の変化に基づいてドアロック指令が発せられた旨を検知する静電容量センサと、を備え、
    前記ドアハンドルは、前記アウタパネルの外側面との間に空隙をおいて設けられる把持部を有する第1のハンドルケースと、当該ドアハンドルの外側部を形成するように前記第1のハンドルケースを覆う第2のハンドルケースとを有し、
    前記ロック検知用電極は、前記第2のハンドルケースの互いに対向する上壁及び下壁の少なくとも一方の内側面に近接対向するかたちで、前記ドアハンドルの前記回動部が設けられる端部と前記把持部との間に設けられるとともに、前記アウタパネルに対向する電極端面を有するものであって、
    該電極端面が、非平面形状に形成される
    ことを特徴とするドアハンドル装置。
  2. 前記電極端面は、メアンダー形状に形成される
    請求項1に記載のドアハンドル装置。
  3. 前記電極端面、円弧状に切り欠かれた弧状形状に形成される
    請求項1または2に記載のドアハンドル装置。
  4. 記ロック検知用電極前記第2のハンドルケースの上壁と下壁との間の中央を前記ドアハンドルの前記回動部が設けられる一方の端部から前記操作部が設けられる他方の端部に向かって延びる中心線について対称に設けられる一対の電極を含む
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のドアハンドル装置。
  5. 前記ロック検知用電極は、前記第2のハンドルケースの上壁及び下壁の少なくとも一方の内側面に当接する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のドアハンドル装置。
  6. 前記電極端面は、前記第1及び第2のハンドルケースの間を通じて前記ドアハンドルの外部に露出する
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のドアハンドル装置。
  7. 前記第1及び第2のハンドルケースの間に設けられる回路基板を更に備え、
    前記ロック検知用電極は、前記回路基板に支持される
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のドアハンドル装置。
  8. 前記ロック検知用電極は、前記回路基板によって支持される支持部を有する
    請求項7に記載のドアハンドル装置。
  9. 前記アウタパネルに対して静電容量結合されるように前記把持部に設けられるアンロック検知用電極と、
    該アンロック検知用電極に接続され、同アンロック検知用電極と前記アウタパネルとの間の静電容量の変化に基づいてアンロック指令が発せられた旨を検知する静電容量センサと、
    を更に備える請求項1〜8のいずれか一項に記載のドアハンドル装置。
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