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JP4623583B2 - チョコレート入り冷菓ミックス - Google Patents

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JP4623583B2
JP4623583B2 JP2005329428A JP2005329428A JP4623583B2 JP 4623583 B2 JP4623583 B2 JP 4623583B2 JP 2005329428 A JP2005329428 A JP 2005329428A JP 2005329428 A JP2005329428 A JP 2005329428A JP 4623583 B2 JP4623583 B2 JP 4623583B2
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Description

本発明は、チョコレート感が濃厚な冷菓に関する。より詳細には、本発明は、多量のカカオバターを含む冷菓に関する。
現在、チョコレートアイスを規格する場合、公正競争規約にあるように「チョコレートを加えたものであってその含有率がカカオ分として1.5%以上であるもの」を満たすために、ココアパウダー主体で風味付けしている。チョコレート生地は使用してもせいぜい6%程度であり、チョコレート生地とココアパウダーとを併用することが多い。
その理由は、チョコレート生地を使用した冷菓ミックスは製造工程(特にエージング(熟成)工程)で経時的に増粘して冷菓製造に著しく支障をきたすことが従来より知られているからである。特に、カカオバターの量が多いとエージング工程で経時的に増粘してエージングミックスがマヨネーズ状にぼてぼてになり、流動性がなくなり、冷菓製造に著しく支障をきたす。
そのため、従来より、チョコレート冷菓を製造する際は、配合上、
(1)チョコレート添加量を少なめに調製する(従来技術では、チョコレート生地として5〜6%程度);
(2)ココアパウダー主体で風味付けを行う(ココアパウダーとして3〜7%程度が多い)、
などの方法をとり、熟成工程でのミックス液増粘を避けてきた。
確かに上記(1)、(2)の方法で、ある程度風味の強さを表現することができる。しかし、ココアパウダーを用いた場合に表現される風味は、ココア感であって、チョコレート感ではない。上記(1)、(2)のような方法では、チョコレートの濃厚な風味を満喫することができる冷菓を作製することはできない。チョコレート感を付与するためには、カカオバターが重要な役割を果たす。チョコレートの豊かな風味を表現するためには、やはり、チョコレート自体、特にカカオバターを多く配合する必要がある。しかし、従来の技術では、上述したように、カカオバターの量を増やすとエージングミックスが増粘して工業的な製造を実現できない。冷菓中のカカオバターの量を増やすためには、エージング工程でのエージングミックスの増粘を抑制するかもしくは著しく軽減する必要性がある。
従来、冷菓中のチョコレートの含有量を増やすために、いくつかの方法が提案されてきた。特許文献1(特開2003−052310号公報;「チョコレート冷菓及びこれに用いるチョコレート冷菓ミックス」)は、グリセリン脂肪酸エステルおよびクエン酸モノグリセリドを含有することによりチョコレートミックスの増粘を抑えることができると記載している。特許文献1はさらに、カカオ油脂分(すなわち、カカオバター)1.5%以上に適用できると記載している。しかし、特許文献1の方法を用いてカカオバター3.0%の冷菓を製造しようとすると、エージング3日後には粘度が極めて高くなり、マヨネーズ状になってしまい、冷菓の生産適性が損なわれる(本願明細書の比較例10−7を参照のこと)。そのため、特許文献1に記載の方法では、カカオバターを多量に含むような冷菓を製造するには不都合があった。
特許文献2(特開昭63−287446号公報;「低粘稠度の高脂肪アイスクリームミックス及びチョコレートアイスクリームミックス」)は、カゼインナトリウムを0.5〜2.0重量%含有させることにより冷菓のミックス粘度を抑えること、カゼインナトリウムを2.0重量%よりも多く含有させると製品の風味を損なうので好ましくないことを記載している。特許文献2は主に、調合時(プレート殺菌後の冷却)での粘度を抑えることについて記載している。しかし、特許文献2の方法を用いて5重量%のカカオバターを含む冷菓を製造しようとすると、カゼインナトリウムを最大量の2.0重量%用いたとしても、エージング3日後には粘度が極めて高くなり、マヨネーズ状になってしまい、冷菓の生産適性が損なわれる(本願明細書の比較例12−8〜12−13および13−8〜13−11を参照のこと)。そのため、特許文献2に記載の方法では、カカオバターを多量に含むような冷菓を製造するには不都合があった。
このように、多量のカカオバターを含む、濃厚なチョコレート感を楽しめる冷菓を提供することが依然として望まれている。そのためにはエージング工程でのミックス増粘を抑制するかもしくは著しく軽減する必要性がある。
特開2003−052310号公報(第2頁〜第5頁) 特開昭63−287446号公報(第1頁〜第4頁)
本発明は、上記問題点の解決を意図するものであり、カカオバターを多量に含む冷菓を提供すること、およびこのような冷菓の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、まず、チョコレートを10%添加した冷菓ミックスの経時的増粘をメタリン酸ナトリウムが著しく軽減することを見出した。続けて、他にポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ポリリン酸カリウムなどについての作用を確認すると、いずれもチョコレート冷菓ミックスの増粘を著しく軽減することが確認できた。この技術を用いることにより、従来にはないレベルの濃厚なチョコレート含有冷菓(例えば、チョコレートアイス)を提供することが可能となった。本発明者らは、これらの知見に基づいて本発明を完成させた。
本発明の冷菓は、カカオバターおよびリン酸塩を含む冷菓であって、該リン酸塩が、メタリン酸塩またはポリリン酸塩である。
1つの実施形態では、上記冷菓のカカオバター含有量は、5重量%〜11重量%であり得る。
1つの実施形態では、上記リン酸塩は、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウムおよびメタリン酸カリウムからなる群より選択され得る。
1つの実施形態では、上記リン酸塩の含有量は、0.1重量%〜1.0重量%であり得る。
1つの実施形態では、上記冷菓は、ラクトアイス、アイスミルクまたはアイスクリームであり得る。
本発明の製造方法は、カカオバターを含む冷菓の製造方法であって、該方法が、以下の工程:
カカオバターおよびリン酸塩を含むアイスミックスを得る工程;
該アイスミックスを濾過し、均質化し、殺菌および冷却してエージングミックスを得る工程;
該エージングミックスを0℃〜5℃でエージングする工程;および
該エージング後のミックスをフリージングし、充填して冷菓を得る工程
を包含し、該リン酸塩が、メタリン酸塩またはポリリン酸塩である。
1つの実施形態では、上記冷菓のカカオバター含有量は、5重量%〜11重量%であり得る。
1つの実施形態では、上記エージングは、1日間〜5日間行われ得る。
1つの実施形態では、上記エージング後のミックスの粘度は、1000cP未満であり得る。
1つの実施形態では、上記リン酸塩は、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウムおよびメタリン酸カリウムからなる群より選択され得る。
1つの実施形態では、上記リン酸塩の含有量は、0.1重量%〜1.0重量%であり得る。
本発明により、従来になく多量のカカオバターを含む冷菓が提供される。本発明の冷菓の風味は、従来になく濃厚なチョコレート感を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
<冷菓>
本発明の冷菓は、カカオバターおよびリン酸塩を含む。
本明細書中で「冷菓」とは、当業者に周知の意味で使用される。例えば、冷菓とは、凍らせた菓子をいう。冷菓は、従来公知の任意の冷菓であり得る。冷菓の例としては、アイスクリーム類および氷菓が挙げられる。
アイスクリーム類は、厚生労働省による乳及び乳製品の成分規格等に関する省令によって、「アイスクリーム類とは、乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって、乳固形分3.0%以上を含むもの(発酵乳を除く。)をいう」と規定されている。
アイスクリーム類は、アイスクリーム、アイスミルクおよびラクトアイスに分けられる。アイスクリームとは、アイスクリーム類のうちの、乳固形分が15.0%以上(うち乳脂肪分が8.0%以上)のものをいう。アイスミルクとは、アイスクリーム類のうちの、乳固形分が10.0%以上(うち乳脂肪分が3.0%以上)のものをいう。ラクトアイスとはアイスクリーム類のうちの、乳固形分が3.0%以上のものをいう。
氷菓とは、冷菓の各種材料(各種原料)を混和したエージングミックスを凍結したもので、凍結状のまま食用に供するものをいう。ただし、氷菓の定義からは、アイスクリーム類に該当するものを除く。氷菓は、例えば、乳固形分が3.0%未満であって、乳固形分の代わりに植物由来の乳を含むこと以外はアイスクリーム類と同様の組成のもの、および乳固形分が3.0%未満であって、乳固形分の代わりに植物由来の乳を含むものを包含する。植物由来の乳とは、植物材料から得られた、乳白色の可食液体であって、牛乳と似た外観のものをいう。植物由来の乳の例としては、豆乳、ココナッツミルク、アーモンドミルクなどが挙げられる。
冷菓は、カカオバターを含む限り、任意の風味のものであり得る。
<冷菓の原料>
(1)リン酸塩
本発明の冷菓の製造においては、リン酸塩を用いる。本発明において用いられるリン酸塩は、メタリン酸塩またはポリリン酸塩である。リン酸塩は好ましくは金属塩である。リン酸塩は好ましくはナトリウム塩またはカリウム塩である。リン酸塩は、好ましくは、食品添加物として認められているリン酸塩である。食品添加物として認められているメタリン酸塩およびポリリン酸塩は、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウムおよびメタリン酸ナトリウムである。
メタリン酸塩とは、メタリン酸と塩基との反応によって形成される塩である。メタリン酸塩の例として、メタリン酸ナトリウムおよびメタリン酸カリウムが挙げられる。メタリン酸ナトリウムは、一般に、(NaPOの分子式で示される。低重合度のトリメタリン酸ナトリウムおよびテトラメタリン酸ナトリウムは環状構造を有する。高重合のポリメタリン酸塩は鎖状構造を有する。ポリメタリン酸ナトリウムの通常の市販品は、高重合度の可溶性ポリメタリン酸塩であって、重合度は10〜23であるとされている。メタリン酸カリウムは、一般に、(KPOの分子式で示される。市販品は高重合度のポリメタリン酸カリウムが多い。
メタリン酸塩は、約0℃〜5℃にて1時間攪拌してから約0℃〜5℃にて静置して3日後のエージングミックスの粘度を1000cPより高く上昇させない限り任意の量で用いられ得る。エージングミックス中でのメタリン酸塩の量は好ましくは約0.05重量%以上であり、より好ましくは約0.1重量%以上であり、さらに好ましくは約0.15重量%以上であり、さらにより好ましくは約0.2重量%以上であり、特に好ましくは約0.25重量%以上であり、最も好ましくは約0.3重量%以上である。エージングミックス中でのメタリン酸塩の量は好ましくは約3重量%以下であり、特に好ましくは約2重量%以下であり、なおさらに好ましくは約1.0重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.8重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.7重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.6重量%以下であり、最も好ましくは約0.5重量%以下である。メタリン酸塩の量が少なすぎると増粘抑制効果が発揮されにくい場合があり、メタリン酸塩の量が多すぎると塩味が目立って発現される場合がある。
メタリン酸塩としてメタリン酸ナトリウムを用いる場合、エージングミックス中でのメタリン酸ナトリウムの量は好ましくは約0.05重量%以上であり、より好ましくは約0.1重量%以上であり、さらに好ましくは約0.15重量%以上であり、さらにより好ましくは約0.2重量%以上であり、特に好ましくは約0.25重量%以上であり、最も好ましくは約0.3重量%以上である。エージングミックス中でのメタリン酸ナトリウムの量は好ましくは約3重量%以下であり、特に好ましくは約2重量%以下であり、なおさらに好ましくは約1.0重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.8重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.7重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.6重量%以下であり、最も好ましくは約0.5重量%以下である。メタリン酸ナトリウムの量が少なすぎると増粘抑制効果が発揮されにくい場合があり、メタリン酸ナトリウムの量が多すぎると塩味が目立って発現される場合がある。
メタリン酸塩としてメタリン酸カリウムを用いる場合、エージングミックス中でのメタリン酸カリウムの量は好ましくは約0.05重量%以上であり、より好ましくは約0.1重量%以上であり、さらに好ましくは約0.15重量%以上であり、さらにより好ましくは約0.2重量%以上であり、特に好ましくは約0.25重量%以上であり、最も好ましくは約0.3重量%以上である。エージングミックス中でのメタリン酸カリウムの量は好ましくは約3重量%以下であり、特に好ましくは約2重量%以下であり、なおさらに好ましくは約1.0重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.9重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.8重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.7重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.6重量%以下であり、最も好ましくは約0.5重量%以下である。メタリン酸カリウムの量が少なすぎると増粘抑制効果が発揮されにくい場合があり、メタリン酸カリウムの量が多すぎると塩味が目立って発現される場合がある。
メタリン酸塩は、メタリン酸ナトリウム単独で、メタリン酸カリウム単独で、またはメタリン酸ナトリウムとメタリン酸カリウムとの混合物として用いられてもよい。メタリン酸塩はまた、ポリリン酸塩と混合して用いられてもよい。
ポリリン酸塩の例として、ポリリン酸ナトリウムおよびポリリン酸カリウムが挙げられる。ポリリン酸はHn+23n+1の一般式を有する。市販のポリリン酸ナトリウムは、一般に、トリポリリン酸ナトリウムを主成分とし、少量のピロリン酸塩、トリメタリン酸塩および非結晶性の高重合リン酸塩が混在する。市販のポリリン酸カリウムは、一般に、トリポリリン酸カリウム(K10)を主成分とする。
ポリリン酸塩は、約4℃にて1時間攪拌してから約4℃にて静置して3日後のエージングミックスの粘度を1000cPより高く上昇させない限り任意の量で用いられ得る。エージングミックス中でのポリリン酸塩の量は好ましくは約0.05重量%以上であり、より好ましくは約0.1重量%以上であり、さらに好ましくは約0.15重量%以上であり、さらにより好ましくは約0.2重量%以上であり、特に好ましくは約0.25重量%以上であり、最も好ましくは約0.3重量%以上である。エージングミックス中でのポリリン酸塩の量は好ましくは約3重量%以下であり、特に好ましくは約2重量%以下であり、なおさらに好ましくは約1.0重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.8重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.7重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.6重量%以下であり、最も好ましくは約0.5重量%以下である。ポリリン酸塩の量が少なすぎると増粘抑制効果が発揮されにくい場合があり、ポリリン酸塩の量が多すぎると塩味が目立って発現される場合がある。
ポリリン酸塩としてポリリン酸ナトリウムを用いる場合、エージングミックス中でのポリリン酸ナトリウムの量は好ましくは約0.05重量%以上であり、より好ましくは約0.1重量%以上であり、さらに好ましくは約0.2重量%以上であり、さらにより好ましくは約0.3重量%以上であり、特に好ましくは約0.4重量%以上であり、最も好ましくは約0.5重量%以上である。エージングミックス中でのポリリン酸ナトリウムの量は好ましくは約3重量%以下であり、特に好ましくは約2重量%以下であり、なおさらに好ましくは約1.0重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.8重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.7重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.6重量%以下であり、最も好ましくは約0.5重量%以下である。ポリリン酸ナトリウムの量が少なすぎると増粘抑制効果が発揮されにくい場合があり、ポリリン酸ナトリウムの量が多すぎると塩味が目立って発現される場合がある。
ポリリン酸塩としてポリリン酸カリウムを用いる場合、エージングミックス中でのポリリン酸カリウムの量は好ましくは約0.05重量%以上であり、より好ましくは約0.1重量%以上であり、さらに好ましくは約0.2重量%以上であり、さらにより好ましくは約0.3重量%以上であり、特に好ましくは約0.4重量%以上であり、最も好ましくは約0.5重量%以上である。エージングミックス中でのポリリン酸カリウムの量は好ましくは約10重量%以下であり、より好ましくは約8重量%以下であり、さらに好ましくは約5重量%以下であり、さらにより好ましくは約3重量%以下であり、特に好ましくは約2重量%以下であり、なおさらに好ましくは約1.0重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.9重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.8重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.7重量%以下であり、なおさらに好ましくは約0.6重量%以下であり、最も好ましくは約0.7重量%以下である。ポリリン酸カリウムの量が少なすぎると増粘抑制効果が発揮されにくい場合があり、ポリリン酸カリウムの量が多すぎると塩味が目立って発現される場合がある。
ポリリン酸塩は、ポリリン酸ナトリウム単独で、ポリリン酸カリウム単独で、またはポリリン酸ナトリウムとポリリン酸カリウムとの混合物として用いられてもよい。ポリリン酸塩はまた、メタリン酸塩と混合して用いられてもよい。
(2)カカオ系原料
本発明の冷菓の製造においては、カカオ系原料を用い得る。カカオ系原料としては、カカオバター、ココアパウダー、カカオマス、チョコレート生地、準チョコレート生地などが挙げられる。
(2−1 カカオバター)
カカオバターは、原料のカカオ豆を選別し、焙焼し、種皮と胚乳(ニブ)とを分離し、ニブを磨砕機によってすりつぶしてカカオマスを得て、このカカオマスを脱脂することによって得られる。カカオバターは、カカオビーンズから調製される油脂分である。当業者に公知のように、カカオバターは、カカオマス中に油脂分として約55%含まれる。カカオバターとして、通常使用されたカカオバターを使用し得る。カカオバターは、精製されたものを用いてもよく、カカオバターの少なくとも一部を与えるものとしてカカオマス、チョコレート生地、準チョコレート生地などを用いてもよい。カカオバターは種々の脂肪酸エステルの混合物である。カカオバターは、人の体温(約37℃)付近で固体から液体へと変化するという特性を有する。
本発明の冷菓は、5重量%以上、好ましくは約5.5重量%以上、より好ましくは約6重量%以上、さらに好ましくは約6.5重量%以上、さらにより好ましくは約7重量%以上、特に好ましくは約7.5重量%以上、最も好ましくは約8重量%以上のカカオバターを含む。なお、本明細書中で冷菓のカカオバターの含有量に言及する場合、冷菓の生地に実質的に均等に分布しているカカオバターの含有量をいう。例えば、チョコチップのようなチョコレート塊を冷菓が含む場合、チョコレート塊中のカカオバターは、含有量には算入されない。
なお、本明細書中では、カカオバターを含め、各種原料の含有量の基準は、冷菓の重量である。ただし、冷菓が、モナカ皮、コーン、ウェハースなどの可食容器との複合冷菓である場合、含有量の基準の重量には、可食容器の重量は含まれない。冷菓がその中に他の食品(例えば、ジャム、チョコートソース)などを含む場合、または冷菓が他の食品(例えば、油脂、チョコレート)によって包まれている場合、含有量の基準の重量には、この他の食品の重量は含まれない。冷菓がプラスチック製または木製のスティックなどの非可食部材と接触した状態で販売される場合、含有量の基準の重量には、非可食部材の重量は含まれない。冷菓が、本発明の冷菓と他の食品(例えば、バニラアイスなどの冷菓)との積層体である場合、含有量の基準の重量は、本発明の冷菓に相当する部分の重量のみである。
本発明の冷菓に含まれるカカオバターの量に特に上限はないが、需要者の味の好みに応じて限定することも可能である。上限は例えば、約11.5重量%以下、約11重量%以下、約10重量%以下、約9重量%以下、約8重量%以下、約7重量%以下などであり得る。例えば、0.2重量%のメタリン酸ナトリウムを用いる場合、カカオバターの量の上限は、約8重量%以下、約7.5重量%以下、約7.2重量%以下などであり得る。一般に、リン酸塩の添加量が増加すると、冷菓に添加できるカカオバターの量の上限値が上がる。
本発明の冷菓中のカカオバター量は、本発明の冷菓を直接測定することによって求められてもよいが、一般に、カカオバターの脂肪分と他の脂肪分とを区別して測定することは困難である。それゆえ、一般に、本発明の冷菓を作製するために用いた原料全体の量、カカオ原料の量およびそのカカオ系原料に含まれるカカオバター量から算出される。
(2−2 ココアパウダー)
ココアパウダーは、カカオマスからカカオバターを搾取した後に得られる粉末である。ココアパウダーとしては、通常使用されるココアパウダーを用い得る。ココアパウダーの少なくとも一部を与えるものとしてカカオマス、チョコレート生地、準チョコレート生地などを用いてもよい。
本発明の冷菓に含まれるココアパウダーの量に制限はない。本発明の冷菓は、好ましくは約0.1重量%以上、さらに好ましくは約0.5重量%以上、より好ましくは約1.0重量%以上、特に好ましくは約2.0重量%以上のココアパウダーを含み得る。本発明の冷菓は、好ましくは約25重量%以下、さらに好ましくは約20重量%以下、より好ましくは約15重量%以下、特に好ましくは約10重量%以下のココアパウダーを含み得る。
カカオバターとココアパウダーとをほぼ同量で用いると、ミルクチョコレート、ブラックチョコレートなどの風味が得られる。ココアパウダーを用いずにカカオバターのみを用いると、ホワイトチョコレートの風味が得られる。チョコレートらしさは、主にカカオバターによって付与され、ココアパウダーのみを添加した場合には、チョコレートらしさというよりはココアらしさが付与される。
(2−3 チョコレート生地)
チョコレート生地は、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」によるチョコレート生地の基準に従う製品を含む。
「チョコレート生地」とは、カカオビーンズから調製したカカオマス、カカオバター、ココアケーキまたはココアパウダーを原料とし、必要により糖類、乳製品、他の食用油脂、香料等を加え、通常の工程を経て製造したものであって、カカオ分が全重量の35パーセント以上(カカオバターが全重量の18パーセント以上)であって、水分が全重量の3パーセント以下のものをいう。ただし、カカオ分が全重量の21パーセントを下らず(カカオバターが全重量の18パーセント以上)、かつ、カカオ分と乳固形分の合計が全重量の35パーセントを下らない範囲内(乳脂肪が全重量の3パーセント以上)で、カカオ分の代わりに、乳固形分を使用することができる。
(2−4 準チョコレート生地)
準チョコレート生地は、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」による準チョコレート生地の基準に従う製品を含む。
「準チョコレート生地」とは、カカオビーンズから調製したカカオマス、カカオバター、ココアケーキまたはココアパウダーを原料とし、必要により糖類、乳製品、他の食用油脂、香料等を加え、通常の工程を経て製造したものであって、カカオ分が全重量の15パーセント以上(カカオバターが全重量の3パーセント以上)、脂肪分が全重量の18パーセント以上のものであって、水分が全重量の3パーセント以下のもの、またはカカオ分が全重量の7パーセント以上(カカオバターが全重量の3パーセント以上)、脂肪分が全重量の18パーセント以上、乳固形分が全重量の12.5パーセント以上(乳脂肪が全重量の2パーセント以上)であって、水分が全重量の3パーセント以下のものをいう。ただし、準チョコレート生地からは、チョコレート生地に該当するものを除く。
チョコレート生地および準チョコレート生地の量は、カカオバターおよびココアパウダーの量が上記の好ましい量の範囲内に入るように適切に設定され得る。
(3)他のアイスミックス原料
本発明の冷菓は、リン酸塩の効果を損なわない限り、カカオバターおよびリン酸塩に加えて、通常冷菓のアイスミックスに用いられ得る任意の冷菓原料を含み得る。このような原料およびその使用量は、当業者によって容易に決定され得る。アイスミックスとは、当業者に周知の意味で使用される。例えば、アイスミックスとは、冷菓の主な原料を混合して溶解することによって得られるものをいう。
アイスミックスは、当該分野で公知の他のアイスミックス原料を含み得る。例えば、アイスミックスは、必要に応じて、乳系原料;食用油脂;糖類;全卵または卵黄:果汁または果肉;安定剤:乳化剤;香料;着色料;調味料;水;甘味料;酸味料;ならびに食物繊維からなる群より選択される原料を含み得る。これらのアイスミックス原料の配合量の決定は、目的とする冷菓の組織、風味、種類などを考慮して当業者によって任意に適切に行われる。果汁または果肉、一部の着色料、酸味料および香料は、原料の混合および溶解時に予め配合するのではなく、エージングミックスに添加してもよい。
(3−1 乳系原料)
本発明において用いられ得る乳系原料の例としては、当該分野で公知の任意の乳および乳製品が挙げられる。
「乳」とは、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳及び加工乳をいう。「生乳」とは、搾取したままの牛の乳をいう。「牛乳」とは、直接飲用に供する目的で販売する牛の乳をいう。「特別牛乳」とは、牛乳であって特別牛乳として販売するものをいう。「生山羊乳」とは、搾取したままの山羊乳をいう。「殺菌山羊乳」とは、直接飲用に供する目的で販売する山羊乳をいう。「生めん羊乳」とは、搾取したままのめん羊乳をいう。「部分脱脂乳」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分を除去したものであって、脱脂乳以外のものをいう。「脱脂乳」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳からほとんどすべての乳脂肪分を除去したものをいう。「加工乳」とは、生乳、牛乳若しくは特別牛乳又はこれらを原料として製造した食品を加工したものであって、直接飲用に供する目的で販売するもの(部分脱脂乳、脱脂乳、発酵乳及び乳酸菌飲料を除く。)をいう。
「乳製品」とは、クリーム、バター、バターオイル、チーズ、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、タンパク質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、発酵乳、乳酸菌飲料(無脂乳固形分3.0%以上を含むものに限る。)及び乳飲料をいう。
「クリーム」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したものをいう。「バター」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳から得られた脂肪粒を練圧したものをいう。「バターオイル」とは、バター又はクリームから乳脂肪以外の成分をほとんどすべて除去したものをいう。「チーズ」とは、ナチユラルチーズ及びプロセスチーズをいう。「ナチユラルチーズ」とは、(1)乳、バターミルク(バターを製造する際に生じた脂肪粒以外の部分をいう)若しくはクリームを乳酸菌で発酵させ、又は乳、バターミルク若しくはクリームに酵素を加えてできた凝乳から乳清を除去し、固形状にしたもの又はこれらを熟成したもの、および(2)乳、バターミルク又はクリームを原料として、凝固作用を含む製造技術を用いて製造したものであって、(1)に掲げるものと同様の化学的、物理的及び官能的特性を有するものをいう。「プロセスチーズ」とは、ナチユラルチーズを粉砕し、加熱溶融し、乳化したものをいう。「濃縮ホエイ」とは、乳を乳酸菌で発酵させ、又は乳に酵素若しくは酸を加えてできた乳清を濃縮し、固形状にしたものをいう。「濃縮乳」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳を濃縮したものをいう。「脱脂濃縮乳」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分を除去したものを濃縮したものをいう。「無糖練乳」とは、濃縮乳であって直接飲用に供する目的で販売するものをいう。「無糖脱脂練乳」とは、脱脂濃縮乳であって直接飲用に供する目的で販売するものをいう。「加糖練乳」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳にショ糖を加えて濃縮したものをいう。「加糖脱脂練乳」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳の乳脂肪分を除去したものにショ糖を加えて濃縮したものをいう。「全粉乳」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳からほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたものをいう。「脱脂粉乳」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳の乳脂肪分を除去したものからほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたものをいう。「クリームパウダー」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳の乳脂肪分以外の成分を除去したものからほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたものをいう。「ホエイパウダー」とは、乳を乳酸菌で発酵させ、又は乳に酵素若しくは酸を加えてできた乳清からほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたものをいう。「タンパク質濃縮ホエイパウダー」とは、乳を乳酸菌で発酵させ、又は乳に酵素若しくは酸を加えてできた乳清の乳糖を除去したものからほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたものをいう。「バターミルクパウダー」とは、バターミルクからほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたものをいう。「加糖粉乳」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳にショ糖を加えてほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたもの又は全粉乳にショ糖を加えたものをいう。「調製粉乳」とは、生乳、牛乳若しくは特別牛乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料とし、これに乳幼児に必要な栄養素を加え粉末状にしたものをいう。「発酵乳」とは、乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状又は液状にしたもの又はこれらを凍結したものをいう。「乳酸菌飲料」とは、乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させたものを加工し、又は主要原料とした飲料(発酵乳を除く。)をいう。「乳飲料」とは、生乳、牛乳若しくは特別牛乳又はこれらを原料として製造した食品を主要原料とした飲料であって、上記に掲げるもの以外のものをいう。
乳系原料は好ましくは、乳、濃縮乳、クリーム、バター、脱脂乳、脱脂濃縮乳または脱脂粉乳である。
乳系原料は、1種類のみが用いられてもよいし、2種類以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の冷菓は、チーズを用いずに製造することが好ましい場合がある。すなわち、本発明の冷菓は、チーズを含まないことが好ましい場合がある。
本発明の冷菓は、その中に好ましくは約3.5〜20重量%、特に好ましくは約5〜10重量%の乳系原料の固形分を含む。乳系原料に含まれる脂肪分は、エージングミックスの粘度に影響を与えないことが公知である。それゆえ、カカオバターの脂肪分と、乳系原料に含まれる脂肪分とは別々に考慮される。本発明の冷菓中の乳系原料の固形分量および脂肪分量は、本発明の冷菓を直接測定することによって求められてもよいが、一般に、乳系原料の脂肪分と他の脂肪分とを区別して測定することは困難である。それゆえ、一般に、本発明の冷菓を作製するために用いた原料全体の量、乳系原料の量およびその乳系原料に含まれる脂肪分の量から算出される。
(3−2 食用油脂)
本発明の冷菓は、カカオバターおよび乳系原料の脂肪以外に他の食用油脂を含み得る。このような油脂の例としては、天然の油脂、半合成油脂、合成油脂が挙げられる。本発明で使用される油脂は、天然の油脂のみからなっていてもよいし、半合成油脂のみからなっていてもよいし、合成油脂のみからなっていてもよい。あるいは、本発明で使用される油脂は、天然の油脂と半合成油脂との混合物、天然の油脂と合成油脂との混合物、半合成油脂と合成油脂との混合物または天然の油脂と半合成油脂と合成油脂との混合物であり得る。本発明で使用される油脂は、物質として純粋な油脂であってもよいし、複数種の油脂の混合物であってもよい。
天然油脂は、油脂原料を脱脂することによって得られ得る。天然の油脂の製造方法および入手方法は当業者に公知である。天然の油脂の例としては、ヤシ油、パーム油、パーム核油、なたね油などが挙げられる。
半合成油脂は、例えば、原料の油脂に水素添加することによって合成され得る。天然の油脂であるカカオバターの価格および供給が一般に不安定であるのに比べて、半合成油脂は価格も安く供給も安定していることが多いという利点がある。半合成油脂の合成方法は、当業者に公知である。半合成油脂の例としては、硬化ヤシ油、硬化パーム油、硬化大豆油、硬化菜種油などが挙げられる。
合成油脂の合成方法は、当業者に公知である。天然の油脂および半合成油脂の組成は比較的変動しやすいのに比べて、合成油脂は、組成が均一なものを得ることができるという利点がある。
本発明の冷菓は、代表的には約1重量%〜20重量%、好ましくは約2重量%〜約15重量%、より好ましくは約3重量%〜約10重量%の他の食用油脂を含み得る。
(3−3 糖類)
本発明において用いられ得る糖類としては、当該分野で公知の任意の糖類であり得る。糖類の例としては、砂糖(グラニュー糖など)、異性化糖、ブドウ糖、果糖、水あめなどが挙げられる。糖類は、1種類のみで用いられてもよいし、2種類以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の冷菓は、その中に好ましくは約5重量%〜約30重量%、特に好ましくは約10重量%〜約20重量%の糖類を含む。
(3−4 全卵)
本発明の冷菓は、全卵を含み得る。全卵とは、卵殻以外の部分をいう。本発明において用いられ得る全卵としては、当該分野で公知の任意の全卵であり得る。全卵は、代表的には鶏卵から採取されるが、他の卵から採取した全卵であってもよい。コストの面から、鶏卵から採取することが好ましい。全卵の例としては、液状全卵、加糖全卵、凍結全卵、乾燥全卵などが挙げられる。液状全卵は、卵殻から分離したのみであって、濃縮、乾燥などの処理を行っていないものである。液状全卵は、全卵タンパク質の物性が保たれやすいという利点を有する。加糖全卵は、液状全卵に約20重量%〜約50重量%の糖類を加えて低温殺菌したものである。凍結全卵は、液状全卵を凍結することにより得られるものである。凍結全卵の中には、加糖凍結全卵がある。加糖凍結全卵は、液状全卵に約20重量%〜約50重量%の糖類を加えて低温殺菌後冷凍したものである。加糖全卵および凍結全卵は、殻付き卵よりも起泡性および乳化性が劣る場合があるという一方で、コストが低いという利点を有する。乾燥全卵は、液状全卵をスプレードライ法、フリーズドライ法などによって乾燥したものである。乾燥全卵は、乾燥によってリポタンパク質が変性して溶解度が低下し脂肪が遊離するため、起泡しにくい場合がある一方で、貯蔵運搬に便利であるという利点を有する。
全卵は、1種類のみで用いられてもよいし、2種類以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の冷菓は、約0.1重量%〜約3.0重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約1.8重量%の全卵の固形分を含み得る。
なお、本明細書中では、固形分とは、水分以外の部分をいう。固形分は、例えば、厚生省生活衛生局監修の「食品衛生検査指針」の「第1章 食品成分」の「試験法 1.水分」に記載の常圧加熱乾燥法、減圧加熱乾燥法、乾燥助剤法などによって測定することが出来る。通常、冷菓では、乾燥助剤法(混砂乾燥法ともいう)および赤外線ランプを用いた常圧加熱乾燥法が用いられる。乾燥助剤法は実験室などの少量サンプルの測定で用いられることが多く、赤外線ランプを用いた常圧加熱乾燥法は工場などの大量サンプルの測定で用いられることが多い。赤外線ランプを用いた常圧加熱乾燥法は、迅速に値が得られるという利点を有する。一般に、乾燥助剤法で得られる値と赤外線ランプを用いた常圧加熱乾燥法で得られる値とに大差はない。
(3−5 卵黄)
本発明の冷菓は、卵黄を含み得る。卵黄とは、卵の黄色の部分をいう。本発明において用いられ得る卵黄としては、当該分野で公知の任意の卵黄であり得る。卵黄は、代表的には鶏卵から採取されるが、他の卵から採取した卵黄であってもよい。コストの面から、鶏卵から採取することが好ましい。卵黄の例としては、液状卵黄、加糖卵黄、凍結卵黄、乾燥卵黄などが挙げられる。液状卵黄は、卵から分離したのみであって、濃縮、乾燥などの処理を行っていないものである。液状卵黄は、卵黄タンパク質の物性が保たれやすいという利点を有する。加糖卵黄は、液状卵黄に約10重量%〜約50重量%の糖類を加えて低温殺菌したものである。凍結卵黄は、液状卵黄を凍結することにより得られるものである。凍結卵黄の中には、加糖凍結卵黄がある。加糖凍結卵黄は、液状卵黄に約10重量%〜約50重量%の糖類を加えて低温殺菌後冷凍したものである。加糖卵黄および凍結卵黄は、殻付き卵よりも起泡性および乳化性が劣る場合があるという一方で、コストが低いという利点を有する。乾燥卵黄は、液状卵黄をスプレードライ法、フリーズドライ法などによって乾燥したものである。乾燥卵黄は、乾燥によってリポタンパク質が変性して溶解度が低下し脂肪が遊離するため、起泡しにくい場合がある一方で、貯蔵運搬に便利であるという利点を有する。
卵黄は、1種類のみで用いられてもよいし、2種類以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の冷菓は、約0.1重量%〜約3.0重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約1.8重量%の卵黄の固形分を含み得る。
(3−6 果汁または果肉)
果汁または果肉としては、当該分野で用いられ得る任意の果汁または果肉が用いられ得る。果汁または果肉の例としては、イチゴ、キイチゴ、クランベリー、ブルーベリーなどのベリー類;オレンジ、レモン、グレープフルーツなどの柑橘類;ブドウ;ナシ;リンゴ;メロン;スイカなどの果汁または果肉が挙げられる。これらの果汁または果肉は、1種類のみで用いられてもよいし、2種類以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の冷菓は、好ましくは約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約15重量%の果汁または果肉を固形分として含み得る。
(3−7 安定剤)
安定剤としては、当該分野で用いられ得る任意の安定剤が用いられ得る。安定剤の例としては、ゼラチン、寒天、ペクチン、セルロース、タマリンドシードガム、グアガム、ローカストビーンガム、カラギナン、アラビアガム、カラヤガム、キサンタンガム、ジェランガム、タラガム、大豆多糖類、アルギン酸ナトリウム、繊維素グルコール酸ナトリウム(カルボキシメチルセルロース)などが挙げられる。これらの安定剤は、1種類のみで用いられてもよいし、2種類以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の冷菓は、好ましくは約0.01重量%〜約1.0重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約0.5重量%を含み得る。
(3−8 乳化剤)
乳化剤としては、当該分野で用いられ得る任意の乳化剤が用いられ得る。乳化剤とは、分子内に親水基および親油基の両方を含み、従って水と油との界面に吸着層を作りやすい物質をいう。例えば、公知の各種界面活性剤が挙げられる。乳化剤の例としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;レシチン、アラビアゴム、アルギン酸、ゼラチンなどの天然物が挙げられる。ソルビタン脂肪酸エステルの例としては、ソルビタンモノオレイン酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステルなどが挙げられる。ショ糖脂肪酸エステルの例としては、パルミチン酸またはステアリン酸を脂肪酸として含むショ糖脂肪酸エステルが挙げられる。レシチンとしては、大豆レシチンまたは卵黄レシチンなどが挙げられる。レシチンは、酵素分解レシチンであってもよい。これらの乳化剤は、1種類のみで用いられてもよいし、2種類以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の冷菓は、好ましくは約0.01重量%〜約1.0重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約0.5重量%の乳化剤を含み得る。
(3−9 香料)
香料としては、当該分野で用いられ得る任意の香料が用いられ得る。本発明の冷菓は、約0.001重量%〜約1.0重量%の香料を含み得る。
(3−10 着色料)
着色料としては、当該分野で用いられ得る任意の着色料が用いられ得る。本発明の冷菓は、好ましくは約0.001重量%〜約1.0重量%の着色料を含み得る。
(3−11 調味料)
調味料としては、当該分野で用いられ得る任意の調味料が用いられ得る。調味料の例としては、L−グルタミン酸ナトリウムが挙げられる。本発明の冷菓は、好ましくは約0.001重量%〜約5.0重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約1重量%の調味料を含み得る。
(3−12 水)
水は、硬水、中間水、軟水の任意の水が用いられ得る。水は、好ましくは軟水または中間水であり、より好ましくは軟水である。水は、水道水であってもよい。水は、濾過、イオン交換樹脂への適用、蒸留などの処理が施されていてもよい。本発明の冷菓は、好ましくは約30重量%〜約90重量%、より好ましくは約40重量%〜約85重量%の水を含み得る。
(3−13 甘味料)
甘味料としては、当該分野で用いられ得る任意の甘味料が用いられる。甘味料とは、甘味を与える物質であって、糖類以外の物質をいう。甘味料の例としては、糖アルコール、還元水飴、ステビア、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウムなどが挙げられる。これらの甘味料は、1種類のみで用いられてもよいし、2種類以上が組み合わされて用いられてもよい。本発明の冷菓は、好ましくは約0.001重量%〜約20重量%、より好ましくは約5重量%〜約10重量%の甘味料を含み得る。
(3−14 酸味料)
酸味料としては、当該分野で用いられ得る任意の酸味料が用いられ得る。酸味料の例としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。これらの酸味料は、1種類のみで用いられてもよいし、2種類以上が組み合わされて用いられてもよい。本発明の冷菓は、好ましくは約0.001重量%〜約1.0重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約0.5重量%の酸味料を含み得る。
(3−15 食物繊維)
食物繊維としては、当該分野で用いられ得る任意の食物繊維が用いられ得る。食物繊維の例としては、ポリデキストロース、サツマイモファイバーなどが挙げられる。本発明の冷菓は、好ましくは約0.01重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約10重量%の食物繊維を含み得る。
(4)均質化後のアイスミックスに添加される原料
本発明の冷菓は、チョコチップのような粒状の原料を含み得る。このような原料は、均質化後のアイスミックスに添加される。均質化後のアイスミックスに添加され得る原料としては、果肉、種実類および豆類;香料;あん、ジャム、チョコレート塊などが挙げられる。
果肉、種実類および豆類としては、当該分野で用いられ得る任意の果肉、種実類および豆類が用いられ得る。果肉の例としては、イチゴ、キイチゴ、クランベリー、ブルーベリーなどのベリー類;オレンジ、レモン、グレープフルーツなどの柑橘類;ブドウ;ナシ;リンゴ;メロン;スイカ;パインアップル;モモなどの果肉が挙げられる。種実類の例としては、クルミ、マカダミアナッツ、ピスタチオ、カシューナッツ、松の実、カボチャの種子、ゴマ、アーモンド、アサ、エゴマ、カヤ、ギンナン、クリ、ケシ、ココナッツ、シイ、スイカの種子、トチ、ハス、ヒシ、ヒマワリ、ピーナッツ、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ペカンなどが挙げられる。豆類の例としては、アズキ、インゲンマメ、エンドウ、ササゲ、ソラマメ、タケアズキ、ダイズ、ヒヨコマメ、ベニバナインゲン、ライマメ、リョクトウ、レンズマメなどが挙げられる。これらの原料は、1種類のみで用いられてもよいし、2種類以上が組み合わされて用いられてもよい。
これらの原料の配合量の決定は、目的とする冷菓の組織、風味、種類などを考慮して当業者によって任意に適切に行われる。
<冷菓の製造>
本発明の冷菓は、カカオバター、リン酸塩などの冷菓材料を用いて、当該分野で公知の冷菓の製造方法に従って製造され得る。
本発明の冷菓は、例えば、以下のようにして製造され得る。
まず、リン酸塩、カカオ系原料、乳系原料、糖類、安定剤、乳化剤、香料、着色料、水などの冷菓原料を計量する。次いで、計量した冷菓材料を混合し、溶解させて、アイスミックスを得る。このとき、乳化剤、安定剤、着色料などは、他の原料がある程度溶解した段階で添加して混合することが多い。冷菓原料のうち、果汁、果肉などの殺菌によって変質する原料はこのときは混合しない。この際、必要に応じて加温し得る。加温する場合、混合物の品温が好ましくは約30℃〜約70℃、より好ましくは約60℃〜約70℃になるように加温する。加温により、原料の溶解が促進される。
アイスミックスは、必要に応じて濾過される。濾過は当該分野で公知の方法によって行われ得る。例えば、60メッシュフィルターを通して濾過され得る。濾過により、溶解残渣、不純物などが除去される。
次いで、アイスミックスは、均質化される。均質化の際、アイスミックスは必要に応じて加温され得る。加温する場合、アイスミックスの品温が好ましくは50℃〜70℃になるように加温する。均質化は、任意の装置を用いて行われ得る。代表的には、ホモゲナイザーを用いて均質化される。均質化することによって、各種の原料が完全に混和し、原料中に含まれる脂肪球を2ミクロン以下に粉砕し乳化することができ、起泡性を良くしてオーバーランを促進し、そして滑らかな組織を作り、消化吸収を良くすることができる。均質化後に添加される原料は、均質化後、殺菌の前に添加され、混合されてもよい。
均質化されたアイスミックスは、殺菌される。アイスクリーム類の原料は、法令によって68℃にて30分間の殺菌またはこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で殺菌することが定められている。殺菌は、当該分野で公知の方法を用いて行われ得る。殺菌は例えば、75℃にて15分間であり得る。一般に、果汁、果肉などの殺菌によって変質する原料は、殺菌後に添加され、混合される。
殺菌されたアイスミックスは、代表的には0℃〜5℃に冷却される。冷却されたアイスミックスを、エージングミックスという。
エージングミックスは、エージングされる。「エージング」とは、貯蔵することをいう。エージングによって、アイスミックス中の脂肪が固形化され、タンパク質、安定剤などを充分水和させることによりアイスミックスの粘度が上がり、そしてアイスミックスの組織のなめらかさおよび保型性が向上する。エージングの際に香料、他の添加物などを分解溶解させる時間を確保する目的で行われる場合もある。エージングは代表的には約0℃〜約5℃で行われ、最も好ましくは約4℃で行われる。エージングの時間は、当業者によって任意に設定され得る。エージングの時間は好ましくは約1時間以上であり、より好ましくは約3時間以上であり、さらに好ましくは約8時間以上であり、特に好ましくは約12時間以上である。エージングの時間は好ましくは約120時間(約5日間)以下であり、より好ましくは約96時間(約4日間)以下であり、さらにより好ましくは約84時間(約3.5日間)以下であり、特に好ましくは約72時間(約3日間)以下である。エージングの際、エージングミックスは例えばタンクなどに貯蔵される。エージングの際、一般に、エージングミックスは静置状態で貯蔵されてもよく、攪拌しながら貯蔵されてもよい。均質化後に添加される原料は、エージング中に添加され、混合されてもよい。
エージングの時間の経過に伴って、一般にエージングミックスの粘度が上昇する。エージングミックスの粘度が高くなりすぎると、エージングミックスがぼてぼてになってしまい、工業的生産に不適切である。工業的生産に許容し得るエージングミックスの粘度は約1000cP未満である。本発明の方法を用いると、5重量%以上という多量のカカオバターを含むエージングミックスを3日間(72時間)エージングした場合のエージングミックスの粘度が約1000cP未満である。エージング後のミックスの粘度は、好ましくは約1000cP未満であり、より好ましくは約900cP未満であり、さらに好ましくは約800cP未満であり、さらにより好ましくは約700cP未満であり、特に好ましくは約600cP未満であり、最も好ましくは約500cP未満である。エージング後のミックスの粘度に特に下限はないが、例えば、約50cP以上、約100cP以上、約150cP以上などである。
エージング後のミックスの粘度の測定は、当該分野で公知の方法によって行われ得る。例えば、約4℃で(株)東京計器社製のデジタル粘度計DVL−B形を用いて測定することができる。
エージングされたミックスは、フリージングされる。フリージングは通常、−2℃〜−8℃で行われる。フリージングによって、ミックス中の水分を凍結させながら空気を混入してオーバーランが出され、そして固体と気体と液体との各層が均一にされ得る。フリージングは、当該分野で公知の方法によって行われ得る。例えば、フリーザーを用いて行われ得る。
フリージングの後、アイスミックスを容器に充填してから硬化させてもよく、ミックスを硬化させてから容器に充填してもよい。硬化させることによって、冷菓の組織および形が良好な状態になる。硬化にかかる時間は、包装の大きさおよび形、包装材質、冷却する空気の循環および温度などの条件によって異なる。
このようにして本発明の冷菓が製造される。本発明の冷菓は、5重量%以上のカカオバターを含むので、従来になく濃厚なチョコレート感を示す。本明細書では、「チョコレート感」とは、ココアの風味に加え、カカオバターがもつ奥深く、どっしりとした底味を併せ持つ風味を示す。本明細書では、「ココア感」とは、華やかではあるが、風味が表面的である風味を示す。
以下、実施例に基づき詳細に説明する。以下の実施例において%は重量%である。また、以下の実施例において、特に言及がない限り、各原料は、以下のものを用いた:
メタリン酸ナトリウム:三栄源エフ・エフ・アイ(株)社製サンポリマーNo.143;
メタリン酸カリウム:太平化学産業(株)社製メタリン酸カリウム;
ポリリン酸ナトリウム:太平化学産業(株)社製トリポリリン酸ナトリウム;
ポリリン酸カリウム:太平化学産業(株)社製トリポリリン酸カリウム;
チョコレート生地:カカオバター含有量23重量%のチョコレート;
ココアパウダー:カカオバター含有量23重量%のココアパウダー;
脱脂粉乳:市販品;
生クリーム:市販品;
砂糖:市販品;
グラニュー糖:市販品;
ヤシ油:市販品;
パーム油:市販品;
ヤシ油・パーム油:ヤシ油80%とパーム油20%との混合物;
水あめ:市販品;
濃縮ホエイ:市販品;
加糖卵黄:ショ糖20%と卵黄80%との混合物を低温殺菌後凍結した、市販品;
安定剤:三栄源エフ・エフ・アイ(株)社製増粘多糖類(ローカストビーンガムを主成分とし、グアガム、タマリンドシードガム、タラガム、ジェランガムが配合された増粘多糖類混合物);
乳化剤:花王(株)社製E−800(グリセリン脂肪酸エステル99.95%含有);
清水:水道水を浄水器にかけて得た水。
(実施例1−1〜1−4および比較例1:メタリン酸ナトリウムのラクトアイスミックス増粘抑制効果)
以下の表1に記載の重量比の原料を混合し、約75℃で溶解してアイスミックスを得た。このアイスミックスを60メッシュフィルターを通して濾過し、約60℃の品温でホモジナイザー(イズミフードマシナリ社製;HV−0A−1−0.75S)に圧力150kg/cmで1回通して均質化し、75℃にて15分間殺菌し、そして約4℃まで冷却してエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。このアイスミックスの成分値を表2に示す。
結果を表1の下段および図1に示す。この結果、メタリン酸ナトリウムが0.2%以上で明らかにミックス増粘抑制を示すことがわかった。
Figure 0004623583
Figure 0004623583
(実施例2−1〜2−4および比較例2:ポリリン酸ナトリウムのラクトアイスミックス増粘抑制効果)
以下の表3に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。このアイスミックスの成分値を表4に示す。
結果を表3の下段および図2に示す。この結果、ポリリン酸ナトリウムは、メタリン酸ナトリウム添加時と同様の傾向を示し、ポリリン酸ナトリウム0.2%添加により著しくチョコミックス増粘抑制効果を示した。
Figure 0004623583
Figure 0004623583
(比較例3−1〜3−4:カゼインナトリウムのラクトアイスミックス増粘抑制効果)
以下の表5に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。このアイスミックスの成分値を表6に示す。
結果を表5の下段および図3に示す。この結果、カゼインナトリウムを0.2%添加した場合は無添加と比較して上昇した。カゼインナトリウムを0.5%以上添加した場合は無添加と比較すれば増粘抑制効果が得られたが、3日後の粘度は1000cPを超えており、生産適性をもたなかった。このことから、カゼインナトリウムの増粘抑制効果は不十分であると判断される。
Figure 0004623583
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実施例1−1〜2−4および比較例1−1〜3−4においては、チョコレート生地を15%配合した共通配合を用いた。これらの例では、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、カゼインナトリウムをそれぞれ0.2%、0.4%、0.6%、0.8%(カゼインナトリウムについては、0.2%、0.5%、1.0%)添加した。無添加のコントロール配合では著しく増粘したのに対し、メタリン酸ナトリウムまたはポリリン酸ナトリウムを添加した場合、0.2%という少量を添加することにより、著しく増粘レベルを下げることができた。このことから、メタリン酸ナトリウムまたはポリリン酸ナトリウムが顕著な増粘抑制効果を有することが明らかになった。一方、カゼインナトリウムについては、増粘を抑制する傾向は見られるものの、その効果はリン酸ナトリウムの方が顕著であった。カゼインナトリウムを使用する場合、最低でも1%以上の添加は必要であると推測され、カカオバター量が多くなると充分な増粘抑制効果が得られないことが推測された。
(実施例3−1〜3−2および比較例4:メタリン酸ナトリウムのアイスミルクミックス増粘抑制効果)
以下の表7に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。このアイスミックスの成分値を表8に示す。
結果を表7の下段および図4に示す。この結果、乳脂が入ってもミックス増粘がほとんどみられないことがわかった。メタリン酸ナトリウムの増粘抑制添加は、乳脂の含有量と関係なく得られることがわかった。
Figure 0004623583
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(実施例4−1〜4−2および比較例5:ポリリン酸ナトリウムのアイスクリームミックス増粘抑制効果)
以下の表9に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。このアイスミックスの成分値を表10に示す。
結果を表9の下段および図5に示す。この結果、アイスミルク同様に、乳脂が入ってもミックス増粘がほとんどみられないことがわかった。メタリン酸ナトリウムの増粘抑制添加は、乳脂の含有量と関係なく得られることがわかった。このことから、メタリン酸ナトリウムは増粘抑制に働きかけていることが分かる。
Figure 0004623583
Figure 0004623583
(実施例5−1〜5−3および比較例6:メタリン酸ナトリウムのラクトアイスミックス増粘抑制効果)
以下の表11に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。静置前の、1時間攪拌直前のアイスミックスの品温は8〜9℃であり、品温は攪拌中から徐々に低下し、少なくとも静置2日後には品温は4℃となった。このアイスミックスの成分値を表12に示す。なお、本実施例および比較例においては、チョコレート生地として、カカオバター3%およびココアパウダー3%を配合したラクトアイス規格のチョコレートミックスを用いた。
結果を表11の下段および図6に示す。この結果、メタリン酸ナトリウムを添加することで、エージングミックスの増粘が抑制された。増粘レベルは、メタリン酸ナトリウムの添加量が多いほど、効果が大きかった。メタリン酸を0.2%以上添加することによる増粘抑制効果は、無添加の場合と比較して極めて顕著であった。
Figure 0004623583
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(実施例6−1〜2−5および比較例7:メタリン酸ナトリウムのラクトアイスミックス増粘抑制効果)
前回の確認結果、メタリン酸ナトリウムは添加量が多いほど、ミックス増粘には効果があるような結果を得た。再度確認することにより、メタリン酸ナトリウムの効果を再確認する。
以下の表13に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。静置前の、1時間攪拌直前のアイスミックスの品温は8〜9℃であり、品温は攪拌中から徐々に低下し、少なくとも静置2日後には品温は4℃となった。このアイスミックスの成分値を表14に示す。
結果を表13の下段および図7に示す。この結果、メタリン酸ナトリウムはチョコミックスの増粘抑制に効果あることが確認された。メタリン酸ナトリウムを0.1%添加することによって顕著な像粘抑制効果が得られた。表13に記載の成分ミックスであれば、仕込み日を含めて少なくとも3日間まで、メタリン酸ナトリウムの0.1%添加で生産に適応できることがわかった。
Figure 0004623583
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(比較例8−1〜8−5:カゼインナトリウムのラクトアイスミックス増粘抑制効果)
上記実施例において、ラクトアイス規格のチョコミックスの増粘に対し、メタリン酸ナトリウムが抑制効果を発揮することが確認できた。従来技術と比較するために、カゼインナトリウムについてのミックス粘度抑制効果が確認される。
以下の表15に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。静置前の、1時間攪拌直前のアイスミックスの品温は8〜9℃であり、品温は攪拌中から徐々に低下し、少なくとも静置2日後には品温は4℃となった。このアイスミックスの成分値を表16に示す。なお、高脂肪チョコミックスの組成およびカゼインナトリウムは、特許文献2(特開昭63−287446)に基づいている。
結果を表15の下段および図8に示す。この結果、カゼインナトリウムの添加量が増えるほどミックス粘度は抑えられる傾向にあることがわかった。カゼインナトリウムを0.5%添加すればカカオバター含有量が3.0%と高くても、粘度の面から生産適性があることがわかった。しかし、カゼインナトリウムを2.0重量%より多く入れると風味が悪化するので、商品力が著しく劣る。カゼインナトリウムと比較してメタリン酸ナトリウムの方が、少量で粘度上昇抑制効果があることがわかった。
Figure 0004623583
Figure 0004623583
(比較例9−1〜9−6:クエン酸ナトリウムのラクトアイスミックス増粘抑制効果)
以下の表17に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。このアイスミックスの成分値を表18に示す。
結果を表17の下段および図9に示す。この結果、クエン酸ナトリウムを添加することで無添加のコントロールと比べると、増粘レベルは下がるものの、0.2%クエン酸ナトリウムを添加してもエージングミックスの増粘レベルは高く、生産適性を持たないことがわかった。
Figure 0004623583
Figure 0004623583
(比較例10−1〜10−7:ステアリン酸モノグリセリドおよびクエン酸モノグリセリドのラクトアイスミックス増粘抑制効果)
以下の表19に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。このアイスミックスの成分値を表20に示す。
結果を表19の下段および図10に示す。この結果、特許文献2の特許に記載の配合にてチョコレート生地添加量を検討した結果、チョコ生地を6%(カカオ油脂分3.0%)添加することで完全にマヨネーズ状となり、生産適性を損なう結果となった。チョコ生地4%以上添加した場合、ホモゲナイザー直後のミックス粘度が非常に高かった。その後の1時間撹拌により粘度が低下したが、これは、ミックス中の固形分が高いことが影響している可能性が強い。
Figure 0004623583
(実施例7−1および比較例11−1〜11−5:各種塩のラクトアイスミックス増粘抑制効果)
メタリン酸ナトリウム以外の他の塩が増粘抑制効果を有するか否かを決定するために、以下の実験を行った。
以下の表20に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。このアイスミックスの成分値を表21に示す。
結果を表20の下段および図11に示す。表20に記載の5種類の塩を検討した結果、これらの塩を入れることにより、エージングミックスの粘度上昇が若干軽減されることがわかった。しかしながら、生産適性を考慮すると、5種類中、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムと同等の効果を発揮したのはポリリン酸カリウムのみであった。これらの結果から、メタリン酸塩およびポリリン酸塩が、他の塩と比較して顕著に優れた増粘抑制効果を有することがわかった。
Figure 0004623583
Figure 0004623583
(比較例12−1〜12−13:カゼインナトリウムのラクトアイスミックス増粘抑制効果)
以下の表22に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。
結果を表22の下段および図12に示す。この結果、カカオバター分が5.0%を超えると3日後の粘度が顕著に高くなり、カゼインナトリウムを添加しても生産適性のある冷菓を得ることができないことがわかった。
Figure 0004623583
(実施例8−1〜8−7および比較例13−1〜13−13:メタリン酸ナトリウムとカゼインナトリウムとのラクトアイスミックス増粘抑制効果の比較)
従来技術であるカゼインナトリウムによる増粘抑制効果およびそのカカオバター添加量の限界を確認するとともに、メタリン酸ナトリウムの有用性を確認するために以下の実施例および比較例を行った。カゼインナトリウムの添加量は、特許文献2に記載されるカゼインナトリウム添加量の最大値である2.0%で実施した。メタリン酸ナトリウムの添加量は、0.2%で実施した。
以下の表23に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。
結果を表23の下段および図13に示す。この結果、生産適性レベルのミックス粘度は1000cP以下であるので、カゼインナトリウムを添加可能な最大量である0.2%用いても、カカオバター含有量が4.5%を超えると生産適性がなくなり、これより多量のカカオバターを含有させることができないことがわかった。他方、メタリン酸ナトリウムを0.2%使用した場合、カカオバターを少なくとも7.0%までは添加可能であることがわかった。メタリン酸ナトリウムの添加量を増やせばより多量のカカオバターを含有させることができることが他の実施例から明らかであるので、本発明の方法を用いれば、従来より極めて多量のココアバターを含有する冷菓を得られることがわかった。カカオバター含有量が4.5%を超える冷菓を製造する場合、明らかに、カゼインナトリウムよりもメタリン酸ナトリウムを使用する方が、有用性が高いことがわかった。
Figure 0004623583
(実施例9−1〜9−6および比較例14:ポリリン酸カリウムおよびメタリン酸カリウムのラクトアイスミックス増粘抑制効果)
以下の表24に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。このアイスミックスの成分値を表25に示す。
結果を表24の下段および図14に示す。この結果、メタリン酸カリウム、ポリリン酸カリウムともにエージングミックスの増粘抑制効果が確認できた。添加量を増やすほど、効果も大きいことがわかった。
Figure 0004623583
Figure 0004623583
(実施例10−1〜10−8:ポリリン酸カリウム、メタリン酸カリウムまたはポリリン酸ナトリウムのアイスミックス増粘抑制効果)
以下の表26に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。
結果を表26の下段および図15に示す。この結果、各種リン酸塩を0.2%配合した場合、カカオバター分を7%含む冷菓を製造できることがわかった。これらのリン酸塩は、いずれもほぼ同様の増粘抑制効果を有すると考えられる。
Figure 0004623583
(実施例11−1〜11−5および比較例15:メタリン酸ナトリウムのアイスミックス増粘抑制効果)
以下の表27に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。
結果を表27の下段および図16に示す。この結果、メタリン酸ナトリウムを0.8%配合した場合、カカオバター分を11%含む冷菓を製造できることがわかった。また、上記実施例10−1〜10−8に示すように、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウムおよびポリリン酸カリウムはほぼ同様の増粘抑制効果を有するので、これらのリン酸塩のいずれかを用いれば、カカオバター分を11%含む冷菓を製造できると考えられる。
Figure 0004623583
(実施例12−1〜12−6および比較例16:メタリン酸カリウムのラクトアイスミックス増粘抑制効果)
以下の表28に記載の重量比の原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエージングミックスを得た。このエージングミックスを冷蔵庫内(約4℃)で1時間攪拌後引き続き4℃の冷蔵庫内に静置した。なお、この条件は、工場での条件を想定して設定した。1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点で、デジタル粘度計を用いてミックスの粘度を測定した。ここでは、いずれの測定時点のアイスミックスの品温も4℃であった。このアイスミックスの成分値を表29に示す。
結果を表28の下段および図17に示す。この結果、種々の量のメタリン酸カリウムを用いて、増粘抑制効果が得られることがわかった。
Figure 0004623583
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以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明により、従来になく多量のココアバターを含む冷菓が提供される。本発明の冷菓は、多量のココアバターを含むので、濃厚なチョコレート感を有する。
実施例1−1〜1−4および比較例1のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。挿入図は、実施例1−1〜1−4の、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。それぞれ、縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 実施例2−1〜2−4および比較例2のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。挿入図は、実施例2−1〜2−4の、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。それぞれ、縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 比較例3−1〜3−4のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 実施例3−1〜3−2および比較例4のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 実施例4−1〜4−2および比較例5のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。それぞれ、縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 実施例5−1〜5−3および比較例6のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 実施例6−1〜6−5および比較例7のアイスミックスの、仕込み当日、静置2日後、静置3日後、静置4日後、静置5日後および静置8日後の時点での粘度を示すグラフである。縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 比較例8−1〜8−6のアイスミックスの、仕込み当日、静置2日後および静置5日後の時点での粘度を示すグラフである。縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 比較例9−1〜9−5のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 比較例10−1〜10−7のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 実施例7−1および比較例11−1〜11−5のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 比較例12−1〜12−7のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 実施例8−1〜1−5および比較例13−7〜13−11のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。挿入図は、実施例8−1および比較例13−1〜13−7の、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。それぞれ、縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 実施例9−1〜9−6および比較例14のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。挿入図は、実施例9−1〜9−6の、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。それぞれ、縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 実施例10−1〜1−8のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 実施例11−1〜11−5および比較例15のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。 実施例12−1〜12−6および比較例16のアイスミックスの、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。挿入図は、実施例12−1〜12−6の、1時間攪拌直後、静置2日後および静置3日後の時点での粘度を示すグラフである。それぞれ、縦軸は粘度(cP)を、横軸は測定時点を示す。

Claims (7)

  1. カカオバターおよびリン酸塩を含む冷菓であって、該リン酸塩が、メタリン酸塩またはポリリン酸塩であり、カカオバターの含有量が8重量%以上11重量%以下であり、該リン酸塩の含有量が、0.1重量%〜1.0重量%である、冷菓。
  2. 前記リン酸塩が、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウムおよびメタリン酸カリウムからなる群より選択される、請求項1に記載の冷菓。
  3. ラクトアイス、アイスミルクまたはアイスクリームである、請求項1に記載の冷菓。
  4. カカオバターを含む冷菓の製造方法であって、該方法が、以下の工程:
    カカオバターおよびリン酸塩を含むアイスミックスを得る工程;
    該アイスミックスを濾過し、均質化し、殺菌および冷却してエージングミックスを得る工程;
    該エージングミックスを0℃〜5℃でエージングする工程;および
    該エージング後のミックスをフリージングし、充填して冷菓を得る工程
    を包含し、該リン酸塩が、メタリン酸塩またはポリリン酸塩であり、該冷菓のカカオバターの含有量が8重量%以上11重量%以下であり、該冷菓の該リン酸塩の含有量が、0.1重量%〜1.0重量%である、製造方法。
  5. 前記エージングが、1日間〜5日間行われる、請求項に記載の方法。
  6. 前記エージング後のミックスの粘度が、1000cP未満である、請求項に記載の方法。
  7. 前記リン酸塩が、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウムおよびメタリン酸カリウムからなる群より選択される、請求項に記載の方法。
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