JP4604228B2 - Notchタンパク質およびDeltaタンパク質中の結合ドメイン - Google Patents
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Description
本発明は、ヒトのノッチ(Notch)遺伝子およびデルタ(Delta)遺伝子並びにそれらの暗号化された生産物に関する。また、本発明は、トポリズミック(toporythmic) 遺伝子により暗号化されたタンパク質中の配列への同型結合または異型結合を媒介するトポリズミック遺伝子により暗号化されたタンパク質中の配列(本明細書中、“接着配列”と称する)に関する。このような遺伝子はNotch、Delta、およびセレイト(Serrate) を含むが、これらに限定されない。
ショウジョウバエの遺伝子分析は、発達経路の複雑さを分析し、そして相互作用遺伝子座を同定するのに極めて有益であった。しかしながら、遺伝子相互作用を生じるプロセスの正確な性質を理解することは、当該遺伝子のタンパク質生産物の生化学的性質の知識を必要とする。
本発明は、ヒトのNotch遺伝子およびDelta遺伝子のヌクレオチド配列、およびそれらの暗号化されたタンパク質のアミノ酸配列、並びに抗原決定基を含むこれらのフラグメントまたは機能的に活性であるこれらのフラグメントに関する。また、本発明は、トポリズミックタンパク質への同型結合または異型結合を媒介するトポリズミック遺伝子により暗号化されたタンパク質(“トポリズミックタンパク質”と称される)のフラグメント(本明細書中、“接着フラグメント”と称される)、およびこれらの配列に関する。本明細書に使用されるトポリズミック遺伝子は、遺伝子Notch、Delta、およびSerrateを表すだけでなく、例えば、下記の項5.3 に記載された方法により同定し得るDelta/Serrateファミリーのその他の員を表す。結合活性を保持する接着フラグメントの類縁体および誘導体がまた提供される。ヒトのNotchの抗体および接着フラグメントの抗体が更に提供される。
本明細書に使用される下記の用語は、示された意味を有する。
EGF =上皮増殖因子
ELR =EGF 様(相同の)繰返し
IC =細胞内
PCR =ポリメラーゼ
本明細書に使用される遺伝子の名称の下線は、下線の不在下で遺伝子の名称により示されるその暗号化されたタンパク質生産物に対比して、その遺伝子を示す。例えば、“Notch”はNotch遺伝子を意味し、一方、“Notch”はNotch遺伝子のタンパク質生産物を示す。
図1.Notch−Delta相互作用を調べるための発現構築物および実験デザイン。対数増殖期のS2細胞を、示された三つの構築物の一つで一時的に移入した。MGlla ミニ遺伝子(cDNA/ゲノムキメラ構築物:cDNA誘導配列がスティップリングにより表され、ゲノム誘導配列が斜めハッチングにより表される(Ramosら,1989,Genetics123, 337-348))により暗号化されたNotchを、メタロチオネインプロモーターベクターpRmHa-3(Bunch ら,1988,Nucl.AcidsRes.16, 1043-1061)への挿入後に発現した。Dl1 cDNA(Kopczynskiら,1988,Genes Dev.2, 1723-1735)により暗号化されたDeltaを、同ベクターへの挿入後に発現した。細胞外Notch(ECN1) 変異体を、完全Notch遺伝子座を含むゲノムコスミド(Ramosら,1989,Genetics123, 337-348) から、その細胞内ドメイン(δにより表される;Wharton ら,1985,Cell43, 567-581)からアミノ酸1790-2625 のコード配列を欠失し、野生型配列からの25の膜近位残基を新規な59のアミノ酸テールに融合させることにより誘導した(下記の実験方法、項6.1 を参照のこと)。この構築物をNotchプロモーター領域の調節のもとに発現した。メタロチオネインベクターを含む構築物に関して、トランスフェクション後に発現をCuSO4で誘発した。次に、細胞を混合し、凝集条件下でインキュベートし、そして特定の抗血清および発現細胞を視覚化する免疫蛍光顕微鏡法を使用してそれらの凝集する能力につきスコアをつけた。MT、メタロチオネインプロモーター;ATG 、翻訳開始部位;TM、膜貫通ドメイン;3'N 、Notch遺伝子ポリアデニル化シグナル;3'Adh 、Adh 遺伝子からのポリアデニル化シグナル;5'N 、Notch遺伝子プロモーター領域。
本発明は、ヒトのNotch遺伝子およびDelta遺伝子のヌクレオチド配列、およびそれらの暗号化されたタンパク質のアミノ酸配列に関する。更に、本発明はトポリズミックタンパク質またはその接着フラグメントへの同型または異型の結合を媒介するトポリスミック遺伝子により暗号化されたタンパク質のフラグメント(本明細書中、“接着フラグメント”と称される)に関する。本明細書に使用されるトポリスミック遺伝子は、遺伝子Notch、Delta、およびSerrateを意味するだけでなく、例えば、下記の項5.3 に記載された方法により同定し得るDelta/Serrateファミリーのその他の員を意味する。
(ii)ヒトのNotchおよびDeltaのクローニングおよび配列決定;
(iii) Delta/Serrateファミリーの付加的な員の同定;
(iv)トポリズミック遺伝子の発現;
(v) 発現された遺伝子生産物の同定および精製;並びに
(vi)トポリズミックタンパク質およびその接着配列の抗体の生産
5.1.トポリズミック蛋白領域への結合を仲介するトポリズミック蛋白領域の同定およびその配列
本発明は、ホモタイプまたはヘテロタイプの結合(ここではこれを“接着性(adhesive)”と称する)を仲介するトポリズミック蛋白フラグメント、およびそれらの類縁体または誘導体、そしてこれらに関連する核酸配列を提供する。
本発明はさらに、抗原決定基を含む(すなわち、抗体によって認識され得る)又は機能的に活性な、ヒトNotch及びヒトDeltaのアミノ酸配列及びそれらのフラグメント及び誘導体、並びにこれらをコードする核酸配列に関する。ここで使用される、“機能的に活性な”物質とは、全長(野生型)蛋白生成物と共通する既知の機能上の活性の1またはそれ以上を示す物質を称するものであり、例えばNotchの場合ならば、Deltaへの結合、Serrateへの結合、抗原性(抗Notch抗体への結合)その他がある。
ヒト発現ライブラリーを、当分野で既知の方法によって構築する。例えば、ヒトmRNAを単離し、cDNAを生成させ、続いて宿主細胞中に導入した場合に、この宿主細胞によって発現することのできる発現ベクター(例えばバクテリオファージ誘導体)に連結する。そして、この発現されたヒトDelta生成物を選別するために、種々のスクリーニング検定を使用することができる。ある例においては、ヒトNotchの接着性領域(すなわちショウジョウバエELR11および12(配列番号:1)にきわめて相同なヒトNotchの部分)への陽性結合を基準として、選別が行なわれ得る。別の例では、選別のために抗Delta抗体が使用され得る。
Delta/Serrate遺伝子ファミリーのその他のメンバーの合理的な検索は、Serrate とDelta との間の顕著な相同を保存する部分が存在すること (第10図、配列番号:3 および:4参照) を利用する方法を用いて、実施することができる。例えば、この遺伝子ファミリーのその他のメンバーは、多様の核酸配列の中から、SerrateおよびDeltaの双方に相同する配列 (第13図 (配列番号:5)および第15図 (配列番号:8)) を選び、この選ばれた配列の中から、SerrateおよびDeltaに相同でない核酸配列をも含有するものを同定することによって、決定することができる。「相同でない」という用語は、少なくとも約6個の連続したヌクレオチドを含み、その中の少なくとも約2個がSerrateおよびDelta配列と異なっている領域を意味するものと解されてよい。
トポリズミックタンパク質 (好ましくはNotch、Serrate、またはDelta)の接着断片、またはその接着性類似体または誘導体、またはヒトNotch またはDelta またはその機能的に活性な断片または誘導体をコードするヌクレオチド配列は、挿入されるタンパク質をコードする配列の転写および翻訳に必要な要素を含有するベクターのような、適当な発現ベクターに、挿入できる。必要な転写および翻訳シグナルは、未然トポリズミック遺伝子、および/またはそのフランキング領域によって、提供される。タンパク質コード配列を発現するために、多種の宿主・ベクター系を利用できる。これらにはウイルス (例えばワクシニア・ウイルス、アデノウイルス等) に感染する哺乳動物の細胞系や、ウイルス (例えばバキュロウイルス) に感染する昆虫細胞系や、酵母ベクターを含む酵母のような微生物や、バクテリオファージ、DNA、プラスミドDNA、またはコスミドDNAで転換されるバクテリアを含むが、これらに限られない。ベクターの発現要素は、その強度および特異性が変化する。利用される宿主・ベクター系に依って、多数の適当な転写および翻訳要素のいずれか一つを使用してもよい。特定の態様において、例えばEGF−様繰返し11および12をコードするNotch 遺伝子の接着部分が発現される。他の態様では、例えばアミノ酸1-230をコードするDelta遺伝子の接着部分が発現される。他の特定態様では、ヒトNotch またはヒトDelta遺伝子、またはヒトNotch またはDelta の機能的に活性な部分をコードする配列が発現される。されらに別の態様では、Serrate遺伝子の接着部分が発現される。
トポリズミック遺伝子配列を発現する組換え体が一旦同定されると、遺伝子産物の分析が可能となる。これは、生産物の放射性標識付けと、それに続くゲル電気泳動分析とを含めた、生産物の物理的または機能的特性に基づく分析によってなしとげられる。
本発明によると、ホモタイプまたはヘテロタイプの結合を仲介するトポリズックタンパク断片、その類似体、またはその誘導体、つまりヒトNotch またはヒトDelta タンパク質またはその断片を、抗トポリズミックタンパク質抗体を生成するための免疫原として使うことが可能となる。これらの抗体はポリクローナルまたはモノクローナルであり得る。一つの具体的態様では、Notch のEGF様繰返し11および12に特異的な抗体の調製が可能となる。他の態様においては、Delta の「接着部分」に反応する抗体を生成することができる。これら抗体の一例は、試験管内分析での凝集を防ぐことができる。他の態様では、ヒトのNotch に特異的な抗体が生産される。
本発明はまた、Notch 発現細胞への作用薬剤の運搬の方法を提供する。以下の第8節に述べるように、Notch 発現細胞の表面上のNotch タンパクへ結合すると、Delta たんぱく質はNotch 発現細胞に取り込まれるように見える。かくして本発明は、Delta タンパク質またはNotch に結合することができるその接着性断片または誘導体に薬剤を結合させ、そしてNotch 発現細胞をこの結合体に露出し、かくしてこの結合体を細胞に取り込ませることによって、Notch 発現細胞への薬剤の運搬を可能にする。この結合された薬剤は、標識または生理活性物質であってもよいが、これに限られない。生理活性物質は、治療剤、トキシン、化学療法剤、成長因子、酵素、ホルモン、薬剤、核酸 (例えば、アンチセンスDNAまたはRNA) などであってよい。一つの態様においては、X線像影用の金属コントラスト剤、磁気共鳴イメージング剤、およびラジオイメージング用の放射性核種 (例えば、アイソトープ)を含むが、それらに限らないイメージング剤であってよい。好ましい側面では、この剤は、Delta 分子のアミノ末端の半分の部位に結合される。
NotchおよびDelta遺伝子の産物間の分子間会合の可能性を検討すべく、我々はショウジョウバエ・シュナイダーの2 (S2) 細胞 (フェホンら,1990, 「細胞」61, 523-534)における凝集に対するそれらの発現の効果を研究した。我々はここに、Notch とDelta の間の分子間相互作用の直接の証拠を提示し、この相互作用の構成単位を切開する場合に用いられる分析系を説明する。我々は、Notch を発現する普通は接着性を示さないショウジョウバエS2の培養細胞が、Delta を発現する細胞に特異的に結合すること、およびこの凝集がカルシウムに依存することを示す。さらに、Notch を発現する細胞は相互に結合せず、Delta を発現する細胞は相互に結合するが、この事はNotch とDelta とが細胞の表面でDelta との結合について競合することができることを示唆する。さらに我々はNotch とDelta とが培養細胞および胚細胞の双方で、洗剤に可溶な複合体を形成することを示す証拠を示すが、この事はNotch およびDelta が、試験管内および生体内で分子レベルで、直接に相互作用することを暗示する。我々の分析結果は、NotchとDelta のタンパク質が、それらの細胞外ドメインを介して、細胞表面で相互作用することを示唆する。
6.1.1.発現構築物
Notch 発現構築物を得るために、MgIIa 内のNotch コード配列の5'端からの6kbのHpaI断片 (ラモスら,1989, 「ゼネティックス」123, 337-348) を、メタロチオネインプロモーターベクターpRmHa-3 (バンチら, 1988, 「Nucl. Acids Res.」16, 1043-1061)をEcoRI で切断した後の該ベクターに平滑末端で連続し、、その末端をDNAポリメラーゼIのクレノウ断片で修復した (マニアチスら, 1982, 「分子クローニング」: 研究所教本 (コールドスプリングハーバー, ニューヨーク, コールドスプリングラボラトリー))。方向が正しくなかった単一の形質転換体が単離された。この形質転換体からのDNAは次いで、SacIで消化され、pRmHa-3 からのポリリンカーに融合されたNotch コード配列の5'端を含む3kbの断片が単離された。この断片は正しい方向でpRmHa-3 のSacI部位に連結された。この構築物からのDNAはKpnIおよびXbaIで消化して、Notch 配列の大部分とpRmHa-3 内のAdh ポリアデニレーションシグナルのすべてを除去し、Notch コード配列の残部およびポリアデニレーションに必要な3'配列を含むMgIIa からの11kbのKpnI-XbaI 断片に連結された。その結果得られた構築物をpMtNMgと名付け、pRmHa-3 内のメタロチオネインプロモーターは、翻訳開始部位の20ヌクレオチド上流で開始するNotch 配列に融合される。
ハイブリドーマ細胞系 C17.9C6を、Notch の細胞内ドメインの大部分のコード配列 (アミノ酸1791-2504 ;ワートンら, 1985,「細胞」43, 567-581)を含む2.1kbのSalI-HindIII断片にもとづく融合タンパク質で免疫されたマウスから得た。この断片は、 pUR289 ( ルーサおよびムラー・ヒル, 1983, 「EMBO J」2, 1791-1794) にサブクローンされ、次いで BglII-HindIII 断片として、pATH 1発現ベクター (デイクマンおよびツアゴロフ, 1985, 「J.Biol. Chem. 260, 1513-1520」 に移入された。可溶性融合タンパク質が発現され、25% (NH4)2SO4で沈澱され、6M尿素に再懸濁され、Rotofor(Bio-Rad) (詳細については、Fehon, 1989,「Rotofor Review No.7,「ブレチン」1518, リッチモンド, カリフォルニア:Bio-Rad 研究所」 を使用した分離用等電点電気泳動によって精製された。
S2細胞系統 (Schneider, 1972, J. Embryol. Exp. Morph, 27, 353-365 )を、2.5mg/ml Bacto-ペプトン (Difco), 1mg/ml TCYeastolate (Difco)、11% 熱不活性化ウシ胎児血清 (FCS) (Hyclone)、および100 U/mlペニシリン-100μg/mlストレプトマイシン-0.25μg/mlフンジゾン(Hazleton) を添加したM3培地 (Hazleton Co., 製) 中で生育させた。-2×106個/mlで対数期生育中の細胞をHEPES 緩衝液 (ChenおよびOkayama, 1987, Mol. Cell. Biol.7, 2745-2752) の代わりにBES 緩衝液 (SIGMA) を用いたほかは前記したとおり (Wigler等., 1979, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78, 1373-1376)、培養液5ml当たり1ml中、DNA リン酸カルシウム共沈殿20μg でトランスフェクションした。16〜18時間後、細胞を円錐遠沈管に写し、臨床用遠心分離器で、最大速度で30秒間沈殿させ、新鮮な完全培地1/4容で一回洗浄し、初期容量の完全培地中に再懸濁し、そして元のフラスコに戻した。次にトランスフェクションされた細胞を誘導前24時間に回復させた。
Notch およびDelta メタロチオネイン構築物の発現は、0.7mMとなるまで硫酸銅を添加することにより誘導した。ECN1構築物でトランスフェクションした細胞も同様に処理した。2種類の凝集検定を用いた。第1の検定では、合計3mlの細胞 (5-10×106個/ml)を25ml容の三角フラスコに入れ、室温で24〜48時間回転振とう器上で40〜50rpm で振とうした。これらの実験では、細胞は誘導開始後1〜4時間に混合し、誘導は凝集期間を通じて継続した。第2の検定では、細胞約0.6ml を、室温で一夜 (12〜16時間) 誘導後0.6ml容のエッペンドルフ試験管に入れ (微小気泡は残す) 、そして4℃で1〜2時間穏やかに浸とうした。抗体抑制およびCa2+依存性試験は、後者の検定を用いて実施した。Ca2+依存性試験では、細胞をまず採取し、11% FCS 添加平衡塩類溶液 (BSS)(BSS-FCS; FCS は0.9% NaCl, 5mMトリス (pH7.5)で透析) 中、または、10mM EGTA 含有Ca2+非含有BSS-FCS (Snow 等., 1989, Cell 59,313-323) 中で洗浄し、次に、初期容量の同じ培地中に再件だした。抗体抑制実験では、Notch トランスフェクション細胞を採取し、M3培地で洗浄し、次に、凝集前にNotch の細胞外ドメイン由来の断片を有する融合蛋白で免疫化したマウス4匹の各々から得た免疫血清または前免疫血清の1:250 希釈液で4℃で1時間M3培地中で処理した (前述の抗体調製参照) 。
細胞を遠心分離(エッペンドルフマイクロ遠心分離器中20秒間3000rpm) により採取し、室温で10分間、新たに調製したPBS 中2% パラホルムアルデヒド 0.5mlで0.6ml 容のエッペンドルフ試験管中、固定化した。固定化後、細胞を遠心分離により採取し、PSB で2回洗浄し、0.1% サポニン(SIGMA) および1% 正常ヤギ血清 (Pocono Rabbit Farm, Canadensis, PA) を添加したPBS 中の一次抗体中で1時間染色した。モノクローナル抗体上澄みを1:10希釈し、マウスまたはラットの血清をこの段階では1:1000倍希釈した。次に細胞をPBS 中で一回洗浄し、PBS-サポニン-正常ヤギ血清中の特異的二次抗体(二重標識等級ヤギ抗マウスおよびヤギ抗ラット、Jackson Immunoresearch) 中で1時間染色した。このインキュベーションの後、細胞を2回 PBS中で洗浄し、90% グリセロール、10% 1Mトリス (pH8.0)、および0.5% n- プロピルガレート中でスライドに搭載した。細胞はLeitz Orthoplan 2顕微鏡上で、表面蛍光下で観察した。
組織培養および野生型 Canton-S 胚の非変性洗剤分解物は、1mM フェニルメチルスルホニルフロリド (PMSF) およびジイソプロピルフルオロホスフェート2500倍希釈物をプロテアーゼ阻害剤として用いながら、約10細胞容量の分解緩衝液 (300mM NaCl, 50mMトリス [pH8.0], 0.5% NP-40, 0.5% デオキシコレート、1mM CaCl2、1mM MgCl2) 中で、氷上で調製した。分解物は、順次、1cc ツベルクリンシリンジに連結した18G 、21G および25G の針を用いてトリチュレートし、次に4℃で10分間ミクロ遠心分離器中で最高速度で遠心分離して不溶性物質を除去した。免疫沈降を行うために、細胞分解物 250〜500 μl に抗体約1μg (ポリクローナル抗血清 1-2μg)を添加し、攪拌しながら4 ℃で1 時間インキュベートした。この混合物にヤギ抗マウス抗体 (Jackson Immunoresearch; これらの抗体はマウスおよびラットのIgG の両方を認識する) 15μg を添加し、攪拌しながら4℃で1時間インキュベートした。次に、予め採取し、分解緩衝液で5回洗浄し、更に1時間インキュベートしておいた固定スタフィロコッカス・アウレウス (Staph A)菌 (Zysorbin. Zymed; 製造者の指示に従って再懸濁) 100μl を添加した。次に、Staph A-抗体複合体を遠心分離により沈殿させ、分解緩衝液で3回洗浄し、その後、分解緩衝液でそれぞれ15分間2回洗浄した。新しい試験管に移した後、沈殿した物質をSDS-PAGE試料緩衝液50μl 中に懸濁し、即座に10分間煮沸し、3%〜15% の勾配ゲル上を泳動させ、ニトロセルロース上にブロットし、モノクローナル抗体およびHRP-結合ヤギ抗マウス二次抗体を用いて前述したように(Johansen 等., 1989, J. Cell Biol. 109, 2427-2440) 検出した。ウエスタンブロットに使用する全細胞蛋白試料(図2)を得るため、細胞は遠心分離により収集し、1mM PMSF含有試料緩衝液10細胞容量中で分解し、即座に煮沸した。
6.2.1.培養細胞中のNotch およびDelta の発現
Notch とDelta の間の相互作用を検知するために、凝集検定を用いてその表面上にこれらの蛋白を発現する細胞の挙動を調べた。いくつかの理由からこれらの試験のためにはS2細胞系統(Schneider, 1972, J.Embryol. Exp. Morph. 27, 353-365) を選択した。先ず、これらの細胞は比較的非付着性であり、懸濁液中で生育し、そして、ファスシクリンIII 作用を調べるための同様の検定において過去に用いられている(Snow 等., 1989, Cell 59, 313-323)。第2 に、これらは容易にトランスフェクションでき、そして、Drosophila培養細胞中の外来性遺伝子の発現のために設計されている誘導可能なメタロチオネインプロモータベクターが入手できる(Bunch等., 1988, Nucl.Acids Res.16, 1043-1061)。第3 に、S2細胞はNotch コード配列の5'末端の再配列のために、異常Notch メッセージを発現し、検知可能なNotch は発現しない (下記参照) 。これらの細胞はまた、検知可能なDelta も発現しない(下記参照) 。
Notch とDelta が相互作用するという予測を調べるために、我々は、簡単な凝集検定を考案してS2細胞表面上に発現した蛋白の間のこれらの相互作用を検出した。Notch とDelta が細胞表面上で安定なヘテロタイプの複合体を形成することができる場合、これらの蛋白を発現する細胞は相互に結合し、適切な条件下で凝集物を形成すると考えた。同様の検定系が最近、ファスシクリンIII 蛋白についても報告されている(Snow 等., 1989, Cell 59, 313-323)。
以前の試験により、特定のコンセンサス配列を有するEGF 様繰返しはカルシウム(Ca2+結合ドメインとして作用することが示唆された(Morita 等., 1984, J.Biol.Chem.259. 5698-5704; Sugo等., 1984, J.Biol.Chem.259,5705-5710; Rees等., 1988 EMBO J.7, 2053-2061; Handford 等., 1990, EMBO J.9, 475-480) 。これらの蛋白のうち少なくとも2 つについては、C およびC1, Ca2+結合が、他の蛋白との相互作用の必要要素であることが更に示されている(Villiers 等., 1980, FEBS Lett. 117, 289-294; Esmon等., 1983, J.Biol.Chem.258, 5548-5552; Johnson等., 1983, J.Biol.Chem.258, 5554-5560)。Notch 内のEGF-相同繰返しの大部分およびDelta 内のこれらの殆どは、これらの蛋白がカルシウムに実際に結合するかどうかはまだ決定されていないが、Ca2+結合のための必要なコンセンサス配列を含んでいる(Rees 等., 1988, EMBO J.2053-2061; Stenflo 等., 1987, Proc.Natl.Acad.Sci.USA84, 368-372; Kopczynski 等., 1988, Genes Dev, 2, 1723-1735; Handford 等., 1990, EMBO J.9, 475-480) 。従って、発現細胞がCa2+イオンの存在下または非存在下で凝集することができる能力を調べ、これによりNotch-Delta 凝集にCa2+イオンが必要であるかどうか決定した。Ca2+の除去への代謝応答により生じうる非特異的作用を最小限にするために、これらの実験は4 ℃で行った。4 ℃でCa2+含有培地中凝集条件下でインキュベートしたNotch+細胞およびDelta+細胞の対照混合物は容易に凝集物を形成した (平均34% ±13%, 平均±SD, n=3; 表II) 。対照的に、Ca2+イオン欠乏EGTA含有培地中で混合した細胞は殆ど凝集物を形成しなかった(5%±5%) 。これらの結果は、Notch-Delta-媒介凝集の外来性Ca2+依存性を明らかに示しており、またS2細胞中のDrosophilaファスシクリンIII 蛋白およびファスシクリンI 蛋白に関する最近の文献発表内容と対照的であり (Snow 等., 1989, Cell 59, 313-323; Elkins 等., 1990, J.Cell Biol.110, 1825-1832)、これら文献では何れの蛋白により媒介される凝集に対してもCa2+イオン除去の影響は認められなかった。
NotchとDelta が両方の蛋白を発現する1つの細胞の膜内で会合しているかどうかを、同時トランスフェクション細胞中のNotchおよびDelta の分布を調べることにより検討した。図4Aおよび4Bに示されるとおり、これらの2つの蛋白は同時トランスフェクション細胞の表面で極めて似た分布を示す場合が多い。観察される併存局在化(colocalization)が偶然であるかまたは NotchとDelta の間の安定な相互作用を示しているかを調べるために、過剰のポリクローナル抗Notch 抗血清で生存細胞を処理した。免疫蛍光分析で検知されたように、この処理により個々のパッチへの発現細胞表面上の Notchの「パッチング」が起こった。この処理の後のこれらの細胞の表面上の NotchおよびDelta の分布の間には明らかな相関があり (図4Cおよび4D) 、これらの蛋白が膜内で会合することを示していた。これらの実験は、この会合が直接のものであるか、または細胞骨格のような別の成分により媒介されているかという問題に向けたものではないことに留意しなければならない。 Deltaは本実験で非特異的にパッチングされるという可能性を制御するために、 Notchおよび前述したニューログリアン構築物 (A.Bieberと C.Goodman, 未発表データ) で細胞を同時トランスフェクションし、抗Notch抗血清とパッチングさせた。この場合、Notchとニューログリアンの間には見かけの相関はなかった。
EGF様繰返しを含む大型の細胞外ドメインの外に、 Notchは約940アミノ酸の大型の細胞内 (IC) ドメインを有している。 ICドメインはリン酸化部位 (Kidd等., 1989, Genes Dev. 3, 1113-1129) 、推測ヌクレオチド結合ドメイン、ポリグルタミン鎖(Wharton等., 1985, Cell 43, 567-581; Kidd等., 1986, Mol.Cell. Biol. 6, 3094-3108) 、および酵母の細胞周期制御に関与する酵母cdc10遺伝子と相同の配列を有する (BreedenとNasmyth,1987, Nature 329, 651-654)。このドメインの大きさおよび構造的複雑性を考えた場合、それが Notch-Delta相互作用に必要であるか疑問である。従って、上記した全ての構造的特徴を含む ICドメインの約 835個のアミノ酸に対するコード配列を欠失させた変異体 Notch構築物を用いた (25の膜隣接アミノ酸および新しい59アミノ酸のC末端を残した;詳細は実験方法および図1を参照) 。この構築物は、ECN1と命名したが、これはメタロチオネインプロモーター構築物で観察されるよりも低レベルでトランスフェクション細胞中の正常な Notchプロモーターの制御下で、構造的に発現されるが、免疫蛍光分析で容易に検知できる。
前記した結果は総合すると、同じ膜内に存在する NotchおよびDelta の間および異なる細胞上で発現されるこれらの蛋白の間の分子相互作用を示していると解釈できる。このような相互作用に関する別の試験として、これらの蛋白が NotchおよびDelta を発現する細胞の非変性洗剤抽出物から同時沈降するかどうか調べた。
神経原性の座の2つの蛋白産物、即ち NotchおよびDelta の間の相互作用を調べることにより、その細胞機能を更に解明した。通常は非付着性のS2細胞を用いるin vitro凝集検定により、 NotchおよびDelta を発現する細胞は相互に特異的に付着することを示した。この相互作用の特異性は、これらの実験では総細胞数の大部分が非発現細胞で構成されていたものの、Notch+-Delta+細胞凝集物が殆ど非発現細胞を含まないという観察結果から明らかである。この凝集は発現細胞の表面上に存在する NotchおよびDelta の細胞外ドメインの間のヘテロタイプの結合により媒介されると考える。この考え方を裏付けるものとして、 Notchの細胞外ドメインに対する抗血清は Notch-Delta媒介凝集を抑制し、Notch 細胞内ドメインのほぼ全てを欠失している ECN1Notch変異体が Deltaを発現する細胞の凝集を媒介できることを我々は発見している。さらにまた、 Deltaのみを発現する細胞は相互に凝集するが、Notch のみを発現する細胞は凝集しないことも発見した。これらの所見は、Delta は近接する細胞の表面上に存在する際にホモタイプの相互作用に関与するが、Notch は我々の検定条件下ではそうではないことを示唆している。
本試験では、セクション6に記載した凝集検定ならびに Notchの欠失変異体を用いてDeltaとの相互作用に必要なNotchの細胞外ドメイン内の領域を同定した。 NotchのEGF繰返しはこの相互作用に直接関与し、そして36EGF繰返しのうち僅か2つのみが必要であると考えられた証拠を示す。これらの2つのEGF繰返しがDelta への結合に十分であり、そして Notch-Delta媒介凝集のカルシウム依存性もまたこれらの2つの繰返しに関連することを実証する。最後に、 Notchと相同のXenopus 由来の2つの相当するEGF繰返しもまた、 Deltaとの凝集を媒介し、このことは Notchの構造が進化論的に保存されるのみならず、その機能も保存されることを示している。これらの結果は、 Notchの細胞外ドメインが意外にもモジュール的であり、Delta 以外の種々の蛋白にも潜在的に結合可能であることを示唆している。
7.1.1.発現構築物
記載した構築物は全て全長の Notch発現構築物#1 pMtNMgの誘導体である (上記セクション6参照。全ての連結は低融点アガロースゲル(Sea Plaque, FMC BioProducts) から得たDNA断片を用いて実施した。 Notchの全細胞外ドメインを含むpMtNMg由来の6kb EcoRI-XhoI 断片をBluescriptベクター (Stratagene) のEcoRI-XhoI部位に挿入連結し、RI/XBSと命名した。その後全てのEGF繰返しの欠失および挿入はこのサブクローンを用いて実施した。次にこれらのRI/XBS誘導体のEcoRI-XhoI断片を含む Notch配列を細胞内ドメインを含むpMtNMg由来の5.5kb XhoI-XbaI 断片およびポリアデニル化のために必要な3'配列と混合し、そして、3ピース連結でpRMHa-3 (Bunch等, 1988, Nucl. Acids Res. 16, 1043-1061) のEcoRI-XbaI部位に挿入した。以下に記載する全ての数はWharton 等 (1985, Cell 43, 567-581) に従った Notch配列のヌクレオチド配位を指す。
Drosphila S2細胞系統を、セクション6に記載したとおり生育させトランスフェクションさせた。Delta 発現安定形質転換S2細胞系統L-49-6-7(L.Cherbas作成) を、11%熱不活性化ウシ胎児血清FCS(Hyclone), 100U/mlペニシリン−100ug/mlストレプトマイシン−0.25ug/ml フンジゾン (Hazleton) 、2×10-7Mメトトレキセート、01mMヒポキサンチンおよび0.016mM チミジン添加M3培地 (Hazleton Co.製) 中で生育させた。
凝集検定およびCa2+依存性実験はセクション6に記載の通りである。細胞を抗Notchモノクローナル抗体9C6.C17および抗Deltaラットポリクローナル抗血清 (詳細はセクション6に記載) で染色した。非透過性にした細胞中の Notch 構築物の表面発現は、Notchの細胞外ドメイン由来の0.8kb (アミノ酸237-501; Wharton等.,1985, Cell 43, 567-581) BstYI 断片に対して作成されたラットポリクローナル抗血清を用いて検定した。細胞はLeitz Orthoplan 2 顕微鏡上で表面蛍光下で観察した。
7.2.1.Notch のEGF繰り返し11及び12はNotch −Delta 媒介凝集のために必要である
我々は、Notch が媒介する相互作用の正確なドメインを同定するために、我々がNotch −Delta 相互作用に関連することを既に示している (上記、第6節) 、Notch 蛋白の細胞外領域の広範囲の欠失分析に着手した。我々は第6節に記載されている凝集アッセイを使用して、Delta と相互作用させるため種々の欠失構築物を移入した細胞の能力を試験した。簡単に述べると、Notch 欠失構築物は経過的にドロソフィラS2細胞に移入され、CuSO4で誘引し、次いでセルラインL49-6-7(cherbas)を発現する安定的に移入されたDelta からの少量の細胞とともに室温で1晩凝集させ、約1%Notch 発現細胞及び約5%Delta 発現細胞から典型的に成る集団をいずれの蛋白をも発現しない残存細胞で収穫した。凝集の度合をアッセイするために、細胞を各遺伝子生成物に特異的な抗血清で染色し、免疫蛍光顕微鏡で試験した (詳細については実験方法を参照) 。凝集体はNotch 及びDelta 発現細胞の両方を含む4個以上の細胞のクラスターとして定義され、そして第6図に示される値はこのようなクラスターに見い出されるNotch を発現する全ての細胞のパーセントを表わす。すべての数は、少なくとも 100個のNotch 発現細胞単位 (単一細胞又はクラスター) が計測された少なくとも2個の別個のトランスフェクション実験からの平均的結論を、表わしている。
PCR断片が挿入された大きなClaI欠失 (#3 Cla)は、オリジナルの36のEGF繰り返し並びに3個のNotch /lin-12繰り返しの約1/3 を保持している。これらは凝集を促進するには明らかに十分ではないが、特定のEGF繰り返しがDelta と相互作用可能であるために必要なフレームワークをそれらが形成することは可能である。たった二, 三のEGF繰り返しが実際に凝集を促進させるのに十分であるか否かを試験するため、我々は2個の構築物、繰り返し1の最初の3分の2を除いて36個のEGF繰り返しすべてを欠いている#25 ΔEGF、及びEGF繰り返し1の最初の3個及び膜貫通ドメインの直前の−35アミノ酸を除いてNotchの完全な細胞外部分を欠失している#30 ΔECNをデザインした。構築物#25 ΔEGFに挿入されたとき、構築物#3 ΔClaのバックグラウンドにおいてNotch −Delta 凝集を媒介した断片はDelta との相互作用を再び促進することができた (構築物#26−30) 。
上述の第6節に記載したように (フェホンら, 1990, Cell 61,523-524)、我々はNotch −Delta −介在S2細胞凝集はカルシウム依存性であることを示した。それゆえ、我々は或る欠失構築物を発現する細胞のCa++イオンの存在下又は非存在下における細胞発現Delta による凝集能力を試験した。
Notch のEGF繰り返し11及び12へのDelta 結合部位を位置決めしてから、我々はアフリカツメガエルで確認されたNotch 同族体の中にこの機能が保存されているか否か調べることに興味をもった (コフマンら, 1990, Science 249, 1438-1441) 。この蛋白は全体構造及び組織においてショウジョウバエのNotch に驚く程の類似性を示す。例えば、EGF繰り返しの内部で繰り返しの数及び線形機能の両方が保存されていたが、同様に可能な機能保存を示唆している。これを試験するため、我々はアフリカツメガエルのNotch 配列に基づいたPCRプライマーを製造し (コフマンら, 1990, Science 249, 1438-1441) 、いずれかの側において繰り返し10及び13が半分隣接したEGF繰り返し11及び12を含むアフリカツメガエルステージ17 cDNAライブラリーから約350bpフラグメントを得るためにこれらを使用した。このフラグメントは構築物#3 ΔCla にクローンされ、そして3個の独立したクローンにつき細胞培養凝集アッセイにおいてDelta と相互作用しうるか否か試験した。クローンのうちの2個、#33a&b ΔCla+XEGF (10−13) 、はS2細胞へトランスフェクトされるとき、類似のショウジョウバエのNotch 構築物#19 ΔCla+EGF (10−13) とほぼ同等のレベルで、そして、再カルシウム依存性の態様でNotch −Delta 相互作用を媒介できた (第III表) 。しかしながら、非透過性の生細胞を染色して判断したとき蛋白は細胞表面で通常発現されるが、第3番目のクローン#33c ΔCla+XEGF (10−13) はNotch −Delta 相互作用を介在することはできなかった。構築物#33a及び33cにおけるアフリカツメガエルのPCR生成物の配列比較によれば、構築物#33cのEGF繰り返し11においてロイシンをプロリンに変化させるミスセンス変異が明らかであった (アミノ酸#453, コフマンら,1990, Science 249, 1438-1441) 。この残基はショウジョウバエ及びアフリカツメガエルのNotch の間で保存されないが (第8図) 、プロリン残基の導入はEGF繰り返しの構造を容易に中断し、これによりDelta による適切な相互作用からそれを保護することができる。
我々は、上述の第6節に記載したインビトロS2細胞凝集アッセイを使用して、遺伝子Notch 及びDelta の蛋白質生成物の間の相互作用の研究を続けた。Notch の細胞外ドメインの広範な欠失分析に基づいて、我々はEGF−相同性の繰り返し11及び12を含むNotch のドメインはNotch −Delta −媒介凝集にとって必要であり、かつ十分であること、及び、このDelta 結合能力はアフリカツメガエルのNotch の同一の2個のEGF繰り返しにおいて保存されていることを示している。凝集はNotch のEGF繰り返し11及び12を写像しているということの我々の発見は、Notch のEGF繰り返しはまた特定の蛋白結合ドメインとして機能するということを示している。
Notch とのヘテロタイプの相互作用及びホモタイプのDelta 相互作用に必要なDelta の配列を詳述するために、野性型及び変異型Delta 蛋白を発現するように企図された培養細胞の凝集が用いられた。我々は、Delta 細胞外ドメインのアミノ末端がヘテロタイプ (Delta −Notch)及びホモタイプ (Delta −Delta)の相互作用にDelta が関与するために必要かつ十分であることを見い出した。我々はDelta のアミノ末端はEGFモチーフ−結合ドメイン (EBD) であると推測しており、Notch EGF様配列がDeltaとのヘテロ型の相互作用を介在するのに十分であることが仮定される。Delta EBDは明らかに2個の活性:EGF−関連配列を結合する能力及び自己会合する能力を有する。我々は、また、Delta はNotch を発現する培養細胞により取り込まれることを見い出しているが、これはこれらの蛋白がin vivo で相互作用するメカニズムを反映しているかもしれない。
8.1.1.セルライン
これらの実験で使用されたS2ドロソフィーラセルラインは (シュナイダー, 1972, J. Embryol. Exp. Morph. 27, 353-365)、第6節に記載されているようにして、増殖させた。
免疫組織化学は、上記第6節に記載されたようにして、又は、この方法を僅かに変更して実施された。使用した抗血清及び抗体には、次のものが含まれる。第4番目から第9番目のELRs まで広がるDelta ELR配列セグメントに対して産生されたマウスポリクローナルDelta 血清 (上記第6節参照) ; 同じDelta セグメントに対して産生されたラットポリクローナル抗Delta 血清 (第6節参照);第5番目から第13番目のELRs に広がるNotchELR配列セグメントに対して産生されたラットポリクローナル抗−Notch 血清;Notch 細胞内ドメインを認識するマウスモノクローナル抗体 C17.9C6 (第6節参照) ;及びショウジョウバエ神経膠細胞の長い形態を認識するマウスモノクローナル抗体 BP-104( ホルシュら, 1990, Neuron 4, 697-709)。
野性型Delta (pMTDl1)及び野性型Notch (pMTNMg)を発現するプログラムに用いられる構築物は、上記第6節に記載されている。変異型のDelta 蛋白の発現を指示する構築物は、pMTDl1, Bluescript+にクローン化されたDl1 cDNA (pBSDll;コプジンスキーら., 1988, Genes Dev. 2, 1723-1735) 、及びメタロチオネインプロモーターベクターpRmHa-3 ( ブンチら., 1988, Nucl. AcidsRes. 16, 1043-1061) に1B7A250 cDNAが挿入されたものから成るpRmHa 3-104 (A, J.ビーバー, 個人的レター) 、及びショウジョウバエ神経膠細胞の長い形態の発現を誘導できる支持体 (ホルシュら,1990, Neuron 4, 697-709)を使用して産生された。
Del(Sca-Nae) − pBSDl1 をSalI (完全消化物) 及びScaI (部分) で切断し、ベクターを含有するフラグメントを分離する。pBSDl1をNaeI (部分) とSalI (完全) で切断し、Delta カルボキシル−末端コード化フラグメントを分離する。フラグメントを結合させ、形質転換させ、そしてクローンを分離する。 EcoRI挿入断片を pRmHa-3 に転移させる。
CR−増幅させ、T4 DNAポリメラーゼで処理し、ScaI (部分) 及び BalII (完全) で切断した pBSDl1 に結合させ、そしてクレノウDNAポリメラーゼで末端をみたし、形質転換し、そしてクローンを分離する。BamHI-SalIDelta カルボキシル−末端コード化フラグメントをpRmHa-3に転移させる。
F 配列番号:29
8.1.4.凝集プロトコール
細胞のトランスフェクション及び凝集は、上記第6節に示されるようにして、又は、これを多少変更したものにより実施した。
8.2.1.Delta 細胞外領ドメインのアミノ−末端配列は、Notchとのヘテロ型の相互作用にとり必要かつ十分である
我々は、あるDelta 変異体は細胞表面に効率的に局在しえないかもしれないと予想したので、我々は異なるトランスフェクションにおいてDelta 発現構築物のインプット量を変えながら、野性型Delta の発現レベルとNotch −発現細胞との凝集の程度の間の関係を調査した。我々は、このアッセイにおいてヘテロ型Delta−Notch の相互作用は10倍レベルのDelta インプットにのみ僅かに依存することを見い出した (第9A図) 。試験した範囲内でのヘテロ型相互作用の確からしさ及び我々が用いたDelta 変異体のそれぞれがトランスフェクトされた細胞において実質的な表面蓄積を示すという我々の観察を仮定すると、一定のDelta 変異体がヘテロ型の凝集を支持できないことは、ヘテロ型凝集における表面発現の減少したレベルの影響とは全く異なって、この変異体により示される機能の欠損を多分反映しているものと我々は推測する。
B 神経膠細胞を基にする構築物 (NGn)を発現する細胞は、神経膠細胞の細胞内領域を認識するモノクローナル抗体を使用して検出された (材料及び方法を参照)
C (H)は25mlのエーレンマイヤーフラスコ中で細胞が凝集したことを示しており、(B)は細胞が12−ウエルのマイクロ滴定プレート中で凝集したことを示す (材料及び方法を参照) 。
Delta アミノ酸 (AA) 1-230 は、Notch との相互作用にとって十分であると定義されている、現在最小の配列間隔である。これは、NG2−Notch 凝集の成功に基づく。この間隔内で、Delta AA198 -230は重要である。というのは、NG1構築物におけるこれらの欠失がNG2構築物において観察されたNotch −結合活性を不活性化するからである。また、この間隔内において、Delta AA 32-198 が重要である。なぜならば NG4構築物内のこれらの欠失は、また、NG3構築物において観察されたNotch −結合活性を不活性化するからである。Delta AA 192-230の重要性は、また、AA 231-331を除いてすべてのDelta アミノ酸を含むDel(ELR1-ELR3)変異体がNotch 結合活性を有するのに対して、AA 192-331を除きすべてのDelta アミノ酸を含む、Del (Bam-Bgl) 変異体がNotch −結合活性について、明らかに不活性化されたという観察によっても支持される。
ヘテロ型及びホモ型相互作用のための修復されたDelta 配列のそれぞれの特性は、さらに短い、イン−フレーム、翻訳可能なリンカー挿入物がDelta アミノ末端へ導入されたDelta 変異体( 即ち、NAE B 及び STU B;第9図、第VI-A表) を使用して定義された。Delta 残基132(A)をペンタペプチドGKIFP(STU B 変異体)置き換えると、Delta アミノ末端のヘテロ型及びホモ型の相互作用活性が不活性化する。このことは、これらの2個の異なる相互作用に必要な幾つかのDelta 配列は、残基132 の近傍に一致し、そこにあることを示唆している。一方、Delta 残基198 及び199の間でテトラペプチドRKIFを挿入すると (NAE B 変異体) 、Notchとヘテロ型相互作用を介在するためのDelta アミノ末端の能力を消失するが、ホモ型の相互作用を介在するための変更されたアミノ末端の能力に対しては明らかな作用を有していない。NAE B 挿入がDelta アミノ末端の2つの活性のうちの1つに対してのみ影響するということは、ヘテロ型及びホモ型相互作用を介在するDelta 配列は一致するものの、量的に異なることを意味する。
多くのヘテロ型凝集実験の途中で、我々はときどき、Delta ではなくて、Notch を発現するようにプログラムされた細胞内でDelta 蛋白が見い出しうることを知った。我々は、Delta 又はNotch のいずれかを発現するようプログラムしている発現構築物で独立にトランスフェクトされた別個のS2細胞の集団を最初に混合することにより、ヘテロ型凝集アッセイを行う。しかしながら、我々はしばしばヘテロ型凝集物中に見い出されたNotch 発現細胞内でDelta −特異的抗血清を使用するとDelta の小さい斑点の染色が生ずるのを知った。我々の観察は、Delta は細胞表面で直接Notch に結合し、続いて、細胞表面からエンドサイト−シスによりDelta −Notch 複合体が通過するということに合致している。
8.3.1.EGFに関連しないアミノ−末端配列は、Delta 及びNotch の間の相互作用に関与している
我々は、Delta −Notch 相互作用を介在させるのに必要かつ十分である領域を、Delta 細胞外ドメインのアミノ近傍の領域内において定義するため、細胞凝集アッセイを使用した。欠失及び十分な構築物の組み合わせによる機能分析によれば、この領域は、最大の場合、AA1からAA 230にあることが明らかになった。この領域はDelta 細胞外ドメインにあるいずれのEGF−様配列も含んでいないことは驚きである。Notch との相互作用のために必要とされる十分な間隔内の特定のDelta 配列はAA 198-230を含む。なぜならば、これらの残基を欠失させるとNotch −結合活性が消失するからである。AA 32-198 の欠失もまたNotch −結合活性を不活性化するという事実は、この欠失の有害なインパクトはAA 198の直近における付加的なアミノ酸の除去によっても生じうるもので、AA 198に最も隣接するアミノ配列が必要であることを示唆している。
我々の結果は、ホモ型Delta 相互作用のために必須の配列は間隔AA 32-230 の間にあることを示している。このアミノ近傍ドメイン内で配列を欠失させるか、又は付加的にアミノ酸を挿入させると、独立で細胞凝集を促進させるためのDelta 変異体の能力を消失させる。この結果、Delta −Delta 相互作用のために必要な配列は、Delta −Notch 相互作用のために必要な配列と同じ蛋白の領域内に位置付けられる。
上述の実施例に記載の研究は、細胞凝集アッセイにおけるDelta−Notch 相互作用のために必要なNotch 配列が、Notch 細胞外ドメインのEGF−様繰り返し配列内に位置決めされることを明らかにしている。この知見は、Delta とNotch はNotch 内のEGF−様配列にDelta アミノ末端が結合することにより相互作用を生じ、それゆえ、Delta 細胞外ドメインのアミノ末端はEGF−結合領域を構成することを意味している (第11図) 。
Delta ( 第13図, 配列番号:6, 及び第15図, 配列番号:9) 及びSerrate ( フレミングら, 1990, Genes & Dev. 4, 2188-2201;トーマスら, 1991, Devel. 111, 749-761)のアミノ末端からアミノ酸配列を整合させると、構造上の特性及び配列組成の驚く程の保存がみられる。Serrate 蛋白のDelta N 1- 及びDelta N 3-相同ドメイン内に6個のシステイン残基が特別に生じているように、Delta アミノ残基の一般の N1-N2-N3サブドメイン構造は、Serrate のアミノ末端内でも観察される。2個の顕著な保存ブロックは、Delta AA 63-73 (8/11残基が同一) 及びDelta AA 195-206 (10/11 残基が同一) に相当する。この間隔に付加的にアミノ酸を挿入すると、Notch 又はDelta に結合するDelta の能力を消失させることができることから、後者のブロックは特に興味がある。
Delta 及びNotch の全体的構造の検討によれば、Delta −Notch相互作用は、相互作用が対向する膜にある分子の間か、又は同一の膜内にある分子の間でなされるのかに依存して、Notch 内の二個の領域のいずれかを有するDelta −結合ドメインの間の接触を含むことができることを示唆する( 第11図) 。細胞凝集アッセイ、これは恐らくは向かい合った膜にある分子の相互作用を検出するものであるが、これはDelta EGF−結合ドメインがNotch EGF−様繰り返し11及び12と相互作用することを示す (上記例を参照) 。もしEGF−様モチーフの一列に並んだ配列がDelta 及びNotch 蛋白内でロッド状の構造を形成するならば (エンゲル, 1989, FEBS Lett. 251, 1-7)、細胞表面からのDelta EGF−結合ドメインの予測される置換は、恐らくNotch EGF−結合繰り返し1−10の固定した配列を収容するのに十分であろう。細胞表面からのDelta EGF−結合領域の置換は、Abruptex 突然変異体により影響されるNotch EGF−様繰り返し (25−29) の近傍にこの領域を置くことが可能であること (ハートレーら, 1987, EMBO J. 6, 3407-3417; ケーレーら, 1987, Mol. Cell. Biol. 6, 3094-3108) 、かつ同じ膜内にあるDelta とNotch 蛋白の相互作用について考慮することができることに注意することはまた、興味をそそる。
ショウジョウバエにおけるDelta 及びNotch の間の相互作用を想定すると、Delta の相同体 (Helta?) が脊椎動物に存在することは確実にありうることであり、我々がショウジョウバエで定義したDelta −Notch 及びDelta −Delta 相互作用の定量的かつ分子的な性質が、ヒトを含む脊椎動物中に高度に保存されているであろうことは、確実にあり得ることである。かかる相同体は第5.2節で記載したようにしてクローン化及び配列決定され得る。
我々は、Notch とSerrate の間の新規な分子間相互作用を報告し、かつ、Delta と相互作用を介在するNotch の2個のEGF繰り返し、即ちEGF繰り返し11及び12、はまたSerrate 結合ドメインを構成することを示す。
10.1.ヒトNotch の単離および配列決定
ヒトNotch 配列のクローンは、初めに、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使って、ラムダZapIIベクター (Stratagene)中の17〜18週齢のヒト胎児脳cDNAライブラリーからDNAを増幅することにより得られた。この反応に用いる縮重プライマーは、Notch のアフリカツメガエル (Xenopus)相同体のアミノ酸配列とショウジョウバエ (Drosophila) Notch とを比較することによりデザインされた。3種のプライマー(cdc1(配列番号:10)、cdc2(配列番号:11)およびcdc3(配列番号:12);図16)が、200bpまたは400bpフラグメントをそれぞれプライマー対cdc1/cdc2またはcdc1/cdc3として増幅するためにデザインされた。
上記の第10.1節で論じたヒトNotch cDNAクローンを用いて発現構築物を作製した。hN3kとhN2kの場合は、そのベクターから全クローンをEcoRI制限フラグメントとして切りだし、3つのpGEXベクター(グルタチオンS−トランスフェラーゼ発現ベクター;Smith and Johnson, 1988, Gene 7, 31-40)のそれぞれのEcoRI制限部位にサブクローニングした。これにより、サブクローンから正しい読み枠でNotch タンパク質産物が発現される。hN5kの場合は、クローンが2つの内部EcoRI制限部位を含み、2.6、1.5および0.6kbのフラグメントを生成する。2.6および1.5kbのフラグメントが共にpGEXベクターのそれぞれにサブクローニングされた。
hNFP#2 − PCRを使って、hN5k挿入物のヌクレオチド192のcdc10繰返しのすぐ前で出発してヌクレオチド1694のPESTに富む領域のすぐ前までのフラグメントを得た。次いで、このDNAをBamHIとSmaIで消化し、得られたフラグメントをpGEX−3に連結させた。発現後、グルタチオンアガロースに結合させて融合タンパク質を精製した。精製したポリペプチドは4−15%勾配のポリアクリルアミドゲル上で定量化した。得られた融合タンパク質はおよその分子量が83kDであった。
ヒトNotch の部分をコードするプラスミドを保有する次の組換え細菌は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の規定のもとに、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(1201 Parklawn Drive, Rockville, Maryland 20852)に1991年5月2日に寄託された。
E. coli XL1-Blue hN4k 68610
E. coli XL1-Blue hN3k 68609
E. coli XL1-Blue hN5k 68611
本発明は寄託した微生物またはここに記載した特定の実施態様によってその範囲を限定されるものではない。実際、ここに記載したもののほかに本発明の種々の変更が、前述の説明および添付の図面から当業者には明らかであろう。このような変更も請求の範囲に入るものである。
Claims (5)
- 配列番号6に示されるアミノ酸1-230からなるDeltaタンパク質のフラグメントに結合する抗体。
- 配列番号6に示されるアミノ酸32-230からなるDeltaタンパク質のフラグメントに結合する抗体。
- 抗体が精製されている、請求項1又は2に記載の抗体。
- 抗体はモノクローナルである、請求項3に記載の抗体。
- 抗体のイディオタイプを含む、請求項1、2又は4に記載の抗体の抗原結合性フラグメント。
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