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JP4603928B2 - 車両用盗難防止システム - Google Patents

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JP4603928B2 JP2005127836A JP2005127836A JP4603928B2 JP 4603928 B2 JP4603928 B2 JP 4603928B2 JP 2005127836 A JP2005127836 A JP 2005127836A JP 2005127836 A JP2005127836 A JP 2005127836A JP 4603928 B2 JP4603928 B2 JP 4603928B2
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Description

この発明は、ユーザ(使用者)が携帯する携帯機(電子キー)と車載装置との間で無線相互通信を行って携帯機のID(識別符号)を照合し、正規の携帯機からの要求であると車載装置が判断した場合に、車両のエンジンの始動等を可能とする車両用電子キーシステムが適用された車両用盗難防止システムに関し、盗難防止用の警報装置が搭載された自動二輪車等に適用して好適な車両用盗難防止システムに関する。
車両用電子キーシステムにおいては、四輪車等のドアハンドルやトランクリッドに起動手段(スイッチ)が設置されており、使用者がこれらの起動手段を操作(起動)すると、携帯機との交信が開始され、携帯機から送信されたIDと車載装置に登録されているIDとの照合を行い、ID一致の照合結果が得られた段階で、ドアロック等が解除される(特許文献1)。
この、特許文献1には、イグニッションノブにも起動手段(スイッチ)が設置されており、ユーザが四輪車に乗車後、イグニッションノブを操作することで、再び車載装置が携帯機との交信を行い、エンジンの始動を許可するためのID照合を行うようにすることが開示されている。そして、ID一致の照合結果が得られた段階で、エンジンが始動する。
即ち、従来の四輪車用の車両用電子キーシステムでは、正規な携帯機の存在がドアの開錠とエンジンの始動を行うための必須の要件となっている。
二輪車に適用した車両用電子キーシステムとして、イモビライザの電源オンからエンジンが始動するまでの時間(始動時間データ)を基に乱数を生成し、その乱数を基にキーの固有情報を暗号化することにより、認証キー及び認証コードを生成し、この認証キー及び認証コードを用いて認証を行うことで、確実な盗難防止が図れると開示するシステムが提案されている(特許文献2参照)。
また、自動二輪車等に適用した車両用電子キーシステムとして、車両の停止中あるいは走行中において、ユーザが携帯機を落とした場合に警告灯を点灯させ、携帯機の紛失の確率を少なくした優れたシステムが提案されている(特許文献3)。
自動二輪車に適用した車両用電子キーシステムとして、さらに、盗難防止装置が組み込まれたシステムが提案されている(特許文献4)。
特開2001−349117号公報(段落[0026]〜[0028]) 特開2001−12123号公報(要約) 特開2004−114860号公報(要約) 特開2004−114835号公報(段落[0028])
この特許文献4に記載された盗難防止システムでは、車両に振動センサが取り付けられている。車載装置と携帯機との間での正当な認証手続きを経ていないときに、例えば、メインスイッチがロック位置(施錠状態)のときに、車体が所定以上揺り動かされたことを振動センサにより検出してブザーを駆動し、ブザーから警告音を出力することで、盗難を防止するようにしている。
ところで、この盗難防止システムを搭載した車両において、メインスイッチがロック位置で行われる給油時にも振動センサにより振動が検出されるが、検出された振動が所定値以上となる場合には、ブザーから警告音が出力される。
この発明は、このような技術に関連してなされたものであり、正規の携帯機を携帯するユーザが、警報装置を作動させたくないときに、警報装置を確実に動作停止状態に切り替えることを可能とする車両用盗難防止システムを提供することを目的とする。
また、この発明は、正規の携帯機を携帯するユーザが、警報装置を動作待機状態にさせたいときに、警報装置を確実に動作待機状態に切り替えることを可能とする車両用盗難防止システムを提供することを目的とする。
請求項1に係る明は、車載装置(16)と、この車載装置(16)と交信して相互認証を行う携帯機(12)とを備える車両用電子キーシステム(10)が適用された車両用盗難防止システムにおいて、前記車載装置(16)に接続される警報装置(34)と、前記車載装置(16)に接続され、所定動作を実行するためにユーザにより操作されるユーザ操作手段(22、54、56、60、74)とを備え、前記ユーザ操作手段(22、54、56、60、74)は、エンジンを始動するメインスイッチ(22)と、前記メインスイッチ(22)の近傍に設けられた二輪車のシート開錠スイッチ(56)又はコンソールボックス開錠スイッチ(54)とを有し、前記車載装置(16)は、前記シート開錠スイッチ(56)又は前記コンソールボックス開錠スイッチ(54)が操作されたことを検出した場合、前記携帯機(12)と交信し、相互認証が成功したとき、前記警報装置(34)を動作待機状態から動作停止状態に切り替えることを特徴とする。
この発明によれば、車載装置は、ユーザ操作手段が操作されたことを検出した場合に、携帯機と交信し、相互認証が成功したとき、ユーザ操作手段の操作内容に応じて、警報装置を動作待機状態あるいは動作停止状態に切り替えるようにしているので、正規の携帯機を携帯するユーザが、警報装置を作動させたくないときに、警報装置を確実に動作停止状態に切り替えることができる。また、正規の携帯機を携帯するユーザが、警報装置を動作待機状態にさせたいときに、警報装置を確実に動作待機状態に切り替えることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の車両用盗難防止システムにおいて、
前記車載装置(16)は、前記警報装置(34)を前記動作待機状態から前記動作停止状態に切り替えた後に、開錠状態が所定時間経過した場合、前記警報装置(34)を前記動作停止状態から再び前記動作待機状態に切り替えることを特徴とする。これにより、盗難防止性が向上する。なお、所定時間をユーザ等が変更できるようにしてもよい。
請求項3に係る発明は、請求項1記載の車両用盗難防止システムにおいて、前記ユーザ操作手段(22、54、56、60、74)は、二輪車のフューエルリッド開錠スイッチ(74)を更に有し、前記車載装置(16)は、前記フューエルリッド開錠スイッチ(74)が操作されたことを検出した場合、前記携帯機(12)と交信し、相互認証が成功したとき、前記警報装置(34)を前記動作待機状態から前記動作停止状態に切り替えることを特徴とする。これにより、給油時には、確実に警報装置を動作停止状態とすることができる。
請求項4に係る発明は、請求項1記載の車両用盗難防止システムにおいて、前記ユーザ操作手段(22、54、56、60、74)は、二輪車のエンジンストップスイッチ(60)を更に有し、前記車載装置(16)は、前記エンジンストップスイッチ(60)がオン操作されたことを検出した場合、前記携帯機(12)と交信し、相互認証が成功したとき、前記警報装置(34)を前記動作待機状態から前記動作停止状態に切り替えることを特徴とする。これにより、非常エンジン停止時には、確実に警報装置を動作停止状態とすることができる。
請求項5に係る発明は、請求項1記載の車両用盗難防止システムにおいて、前記メインスイッチ(22)は、ノブ(20)の操作により、施錠位置と開錠位置に切替可能なノブ一体型メインスイッチであり、前記車載装置(16)は、前記ノブ(20)が前記施錠位置から前記開錠位置に切り替えられた操作を検出した場合、前記携帯機(12)と交信し、相互認証が成功したとき、前記警報装置(34)を前記動作待機状態から前記動作停止状態に切り替えることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用盗難防止システムにおいて、前記車載装置(16)は、前記警報装置(34)を前記動作待機状態から前記動作停止状態に切り替えるとき、前記警報装置(34)への電力の供給を停止することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用盗難防止システムにおいて、前記車載装置(16)は、前記警報装置(34)を前記動作待機状態から前記動作停止状態に切り替えるとき、前記警報装置(34)へ警報解除コードを送信することを特徴とする。
この発明によれば、車載装置は、ユーザ操作手段が操作されたことを検出した場合に、携帯機と交信し、相互認証が成功したとき、ユーザ操作手段の操作内容に応じて、警報装置を動作待機状態あるいは動作停止状態に切り替えるようにしているので、正規の携帯機を携帯するユーザが、警報装置を作動させたくないときに、警報装置を確実に動作停止状態に切り替えることができる。
以下、この発明に係る車両用盗難防止システムが適用された自動二輪車を例として説明する。
図1は、この自動二輪車に適用された車両用電子キーシステム10の模式的構成図である。図1から分かるように、車両用電子キーシステム10は、基本的には、ユーザ(使用者)が携帯する携帯機(電子キー)12と、車両に搭載されるハンドルロックモジュール14を含む車載装置16とから構成される。
ハンドルロックモジュール14には、制御装置であるECU(Electronic Control Unit)18とメインスイッチノブ20を備えるメインスイッチ22とハンドルロック機構24が一体的に配置され、さらに、UHF(Ultra High Frequency)受信ユニット26とLF(Low Frequency)送信アンテナ28が車内配線を介して接続されている。この実施形態において、ハンドルロックモジュール14と、UHF受信ユニット26と、LF送信アンテナ28は、車両用電子キーシステム10の車載装置16を構成している。
携帯機12は、外形がカードの形状であって内部にICチップであるECU25が組み込まれたいわゆるスマートカードシステムとして適用される。なお、携帯機12として、その外形が鍵の形状であって内部にICチップが組み込まれたものに変更することもできる。
携帯機12は、オンオフスイッチ30と、オンオフ表示ランプ32とを備え、オンオフスイッチ30を1秒以上押し続ける(長押しする)ことで、ECU25の制御の下に、車両用電子キーシステム(スマートカードシステム)10のオンオフを切り替えることができる。また、オンオフスイッチ30を軽く押す(短押しする)ことで、現在の作動状態を、オンオフ表示ランプ32の一定時間の点灯表示で確認することができる。オンオフ表示ランプ32が緑色に点灯したときには、ID認証動作可能状態を示し、赤色に点灯したときには、ID認証動作停止状態を示す。
ハンドルロックモジュール14(のECU18)には、さらに、警報装置(アラーム)として、ブザー34が接続されている。なお、警報装置としては、ブザー34に限らず、警告音声出力装置、音と光を利用した装置等、種々の装置を上げることができる。
ハンドルロックモジュール14内には、ECU18に接続される振動センサ50も組み込まれている。振動センサ50は、ハンドルロックモジュール14に加えられた振動を検出し、ECU18は、振動センサ50により振動が検出され、検出された振動が所定値以上となる場合には、後述する一定条件下に、ブザー34を通じて警告音を出力する。
なお、ハンドルロックモジュール14のECU18には、後述するように、さらに他の構成要素も接続されているが、繁雑となるので、図1中には示していない。
ハンドルロックモジュール14を構成するハンドルロック機構24には、内蔵するハンドルロックアクチュエータ36(後述)によって矢印A方向に往復移動する(ハンドルロックモジュール14の本体から突き出るあるいは本体内に収容される)ロックピン38が設けられている。
図2は、ハンドルロックモジュール14を含む車載装置16が組み込まれた自動二輪車である車両100の平面視を示している。
図3は、車両100の斜め後方からみた斜視図を示している。
図2に示すように、ハンドルロックモジュール14は、車両100のフロントカバー内のコンソール部にメインスイッチノブ20とメインスイッチ22のパネル部のみが露出するように固定されている。ブザー34もフロントカバー内に取り付けられている。なお、ブザー34は、認証機能を有するECUを備える、いわゆる純正部品、あるいは電力線とオンオフ線が接続された市販部品のいずれも利用することができる。
ハンドルロック機構24(図1参照)のロックピン38は、突き出されたときに図示しないシリンダを介してハンドル40の回転軸(ハンドルポスト)を固定し、本体内に収容されたとき、シリンダを回転可能とし、このシリンダに連結されたハンドル40の回転軸を自由にする。
図2に示すように、ハンドルロックモジュール14の近傍に、LF信号であるリクエスト信号SrのLF送信アンテナ28が固定され、結果としてユーザが操作するメインスイッチノブ20の近傍に固定配置される。このように配置することにより、メインスイッチノブ20の近傍から正規な電波信号(リクエスト信号Sr)が発生していると考えるユーザの感性と一致させることができる。
一方、携帯機12からのUHF信号である応答信号Saを受信する受信アンテナを含むUHF受信ユニット26は、車両100のシート42下に固定されている(図2参照)。この固定配置により、携帯機12を携帯したユーザ(車両100の運転者)がシート42に跨ったときには、必ず、携帯機12がUHF受信ユニット26の受信可能範囲に入ることとなる。
図3に示すように、車両100のコンソール部には、コンソールボックス52と、そのコンソールボックス開錠スイッチ54とシート開錠スイッチ56とが設けられ、車両100のセンタカバー部には、フューエルリッド58が設けられている。また、右スロットルグリップの近傍には、非常の場合に、手元ですぐにエンジンを止めるためのエンジンストップスイッチ60が設けられている。
図4は、携帯機12のブロック図を示している。携帯機12は、ボタン電池等のバッテリ62から電力が供給され、ROMに記録された各種プログラムを実行するECU25を備えている。このECU25には、LF信号であるリクエスト信号SrのLF受信アンテナ64と、UHF信号である応答信号SaのUHF送信アンテナ66と、上述したオンオフスイッチ30と、オンオフ表示ランプ32とが接続されている。リクエスト信号Srの搬送波周波数(LF周波数)は100〜300[kHz]である。
図5A、図5Bに斜線範囲(通信距離範囲TA)で示すように、車載装置16のLF送信アンテナ28から送信されるリクエスト信号Srの携帯機12との通信距離範囲TAは、メインスイッチノブ20(LF送信アンテナ28)を基点として半径0.8[m]の範囲(図5Aの斜線範囲)、高さは0.7〜1.3[m]の範囲(図5Bの斜線範囲)であるので、上述したように、携帯機12を携帯するユーザが車両100のシートに跨っている場合には、十分、その通信距離範囲TAに入る範囲である。
なお、ユーザが携帯する携帯機12と車両100のシート42下に固定されたUHF受信ユニット26との間のUHF信号である応答信号Saの送受信可能な通信距離範囲は、数[m](この実施形態では、2.5[m])の通信距離範囲TB(図5Cの斜線範囲)であり、LF信号の通信距離範囲TAを十分にカバーする範囲となっている。
再び、図4において、携帯機12のECU25は、LF受信アンテナ64から供給された信号がリクエスト信号Srであるかどうかを照合し、リクエスト信号Srであれば、ROMに記録されているIDデータを読み出し、このIDデータに応答を示す属性を付加して送信データとして搬送波により変調し、UHF送信アンテナ66を通じて応答信号Saとして送信する。この応答信号Saの搬送波周波数は、200〜360[MHz]である。
図6は、ハンドルロックモジュール14を含む車載装置16のブロック図を示している。ハンドルロックモジュール14のECU18は、例えばシステムLSIにて構成される。
ECU18は、CPU、ROM、RAM、タイマ、クロック等を有し、ROMに記録されたプログラムを実行することで各種機能を達成する。
このECU18には、UHF受信ユニット26、シート開錠スイッチ56、シート開閉検出スイッチ70、コンソールボックス開錠スイッチ54、コンソールボックス開閉検出スイッチ72、フューエルリッド開錠スイッチ74、フューエルリッド開閉検出スイッチ76、エンジンストップスイッチ60、ブザー34、振動センサ50、メインスイッチ22、スマート情報ランプ78、アンサーバックリレー80、ハンドルロックアクチュエータ36、フューエルリッドアクチュエータ82、コンソールボックスアクチュエータ84、シートアクチュエータ86、及び燃料噴射電子制御装置であるFIECU90が接続されている。
ECU18に接続されるメインスイッチ22を切り替えるノブであるメインスイッチノブ20は、ロックピン38を通じてハンドル40の回転軸が固定される位置であるロック(LOCK)位置と、ロック位置で押されたときに携帯機12と双方向認証通信を行うプッシュ(PUSH)位置と、携帯機12が認証されたときに移動可能な位置とされるエンジンのオフ(OFF)位置と、FIECU90に図示しない車載バッテリから電力が供給され図示しないスタータスイッチの操作によりエンジンを始動させる位置でありかつエンジンがかかった状態における位置とされるオン(ON)位置に順に切り替えることが可能になっている。
この実施形態に係る車両用電子キーシステム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その動作について(1)ノブ一体型のメインスイッチ22のメインスイッチノブ20等の操作に基づく携帯機12と車載装置16との相互認証動作(基本動作)、(2)警報装置であるブザー34の動作待機状態と動作停止状態の切替制御動作(基本動作を前提とする要部動作)の順で説明する。
(1)メインスイッチノブ20等の操作に基づく携帯機12と車載装置16との間の相互認証動作
車両100が駐停車しているとき等のユーザの車両100への乗車時において、ユーザが携帯機12を携帯して車両100に近づきロック位置でメインスイッチノブ20を押す操作をすると、ECU18は、一定時間毎にROMからリクエストデータを読み出し、リクエスト信号SrとしてLF送信アンテナ28を通じ電波送信する。
このリクエスト信号Srの電波が携帯機12により受信され復調されると、ECU25が起動し、いわゆるウエイクアップする。このとき、ECU25は、復調されたリクエスト信号Srを照合し、リクエスト信号Srであれば、ROMから読み出したIDデータを含む応答信号SaをUHF送信アンテナ66から電波送信する。
この応答信号Saの電波が車載装置16のUHF受信ユニット26により復調されると、ECU18は、UHF受信ユニット26から供給された信号が応答信号Saであるかどうかを照合し、さらに、応答信号Saであると判断した場合に、応答信号Saに含まれるIDデータが、自己のROMに登録されたIDデータと一致するかどうかを照合する。
IDデータが一致すると判断したとき、携帯機12との相互認証が完了し、メインスイッチノブ20を開錠する(回せる状態にする)。
開錠した後に、スピードメータ内に設けられたスマート情報ランプ78を点灯させるとともに、メインスイッチノブ20の外周を青色照明で点灯させる。
実際上、ECU18は、メインスイッチノブ20がロック位置において、押されたとき上述したようにリクエストデータを出力するが、このリクエストデータが出力された時点から所定時間内に応答信号Saが到来し、ID認証がなされた場合に、メインスイッチノブ20を開錠すると同時に、ハンドルロック機構17を構成するハンドルロックアクチュエータ36にロック解除信号を出力する。ロック解除信号を受信したハンドルロックアクチュエータ36は、ロックピン38を本体部に収容するように移動させる。これによりハンドル40の回転軸のロック状態が解除される。
この状態において、メインスイッチノブ20は、オフ位置にあるが、さらにオン位置に回すと、FIECU90に電力が供給されるとともに、FIECU90に自己のROMから読み出したエンジン点火許可IDデータを送信する。このとき、ECU18とFIECU90との間で相互認証が完了すると、エンジンが始動可能な状態となる。すなわち、図示しないスタータスイッチからのスタート信号を受けると、エンジンが始動し、走行可能な状態になる。
次に、降車時において、メインスイッチノブ20がオン位置からオフ位置にもどされると、エンジンも同時に停止する。なお、オフ位置にもどされたとき、携帯機12とハンドルロックモジュール14は、1秒間隔で交信を行い、相互認証が成立しているうちは、メインスイッチノブ20を開錠状態で維持する。
図5Cの斜線範囲(通信距離範囲TB)に示すように、ユーザ(携帯機12)が車両100のホイールベースの中心から約2.5[m]以上離れると、メインスイッチノブ20をロック位置にもどし施錠状態とする。同時に、ハンドルロックアクチュエータ36も動作し、ロックピン38が突き出た位置とされ、ハンドル40の回転軸がロックされる。このとき、アンサーバックリレー80を駆動してウインカを点滅させ、ユーザに、メインスイッチノブ20がロック位置(施錠状態)となったことを、いわゆるアンサーバックとして知らせる。
なお、携帯機12が2.5[m]の範囲にあっても、20秒以上放置した場合にも施錠動作が行われる。
(2)警報装置であるブザー34の動作待機状態と動作停止状態の切替制御動作
(2−1)まず、ブザー34を動作待機状態(振動センサ50が、所定値以上の振動を検出した場合に、ブザー34から警告音を出力する状態)から、動作停止状態(振動センサ50が、所定値以上の振動を検出した場合等であっても、ブザー34から警告音を出力しない状態)に切り替える条件a〜dについて説明する。なお、ブザー34の動作状態とは、振動センサ50が、所定値以上の振動を検出している場合に、ブザー34から警告音を出力中の状態をいう。
すなわち、ブザー34は、動作停止状態、動作待機状態、動作状態に切り替えられる。
a.車載装置16と携帯機12との間で、上述した相互認証が成功して、メインスイッチノブ20が、施錠位置であるロック位置から、開錠位置であるオフ位置に切り替えられたとき、車載装置16(のECU18)は、図7に示すように、ブザー34への電力の供給を停止する。このように制御することにより正規の携帯機12を有するユーザが車両100のエンジンをかけようとした場合等には、ブザー34を動作させる必要がないので、ブザー34への電力の供給を停止して動作待機状態から動作停止状態に切り替える。なお、ブザー34が、認証コードにより動作待機状態から動作停止状態に切り替えることが可能な純正部品である場合には、図8に示すように、16ビット程度のIDコードである警報解除コードを送信して、動作停止状態とする。
b.車載装置16は、エンジンストップスイッチ60がオン操作されエンジンが停止した場合に、このオン操作を検出したとき、車載装置16と携帯機12との間で上述した相互認証を行い、相互認証が成功したとき、ブザー34を動作待機状態から動作停止状態に切り替えることで、非常エンジン停止時には、確実にブザー34を動作停止状態とすることができる。
c.車載装置16は、シート開錠スイッチ56又はコンソールボックス開錠スイッチ54が操作されたことを検出すると、車載装置16は、携帯機12との間で上述した相互認証を行い、相互認証が成功したとき、ブザー34を動作待機状態から動作停止状態に切り替えることで、正規の携帯機12を携帯するユーザが、シート開錠スイッチ56又はコンソールボックス開錠スイッチ54を操作して開錠した場合には、ブザー34が動作することがない。
相互認証が成功したとき、車載装置16は、シートアクチュエータ86又はコンソールボックスアクチュエータ84を介してシート42又はコンソールボックス52を開錠する。このとき、図9に示すように、シート42又はコンソールボックス52が矢印方向に僅かにポップアップして開錠するので、ユーザはシート42を持ち上げてシート42下のラゲージボックス(収納箱)を、又はコンソールボックス52を引きだしてコンソールボックス52を収納又は取り出し可能な状態にすることができる。
ここで、車載装置16は、シート開錠スイッチ56又はコンソールボックス開錠スイッチ54の操作を検出して、ブザー34を動作待機状態から動作停止状態に切り替えた後に、タイマによる開錠状態の計時時間が所定時間を経過した場合、ブザー34を動作停止状態から再び動作待機状態に自動的に切り替えるようにしてもよい。通常の場合、シート42を開錠してシート42下のラゲージボックスを使用する時間、また、コンソールボックス52を開錠して使用する時間は、所定時間、例えば20秒〜300秒程度の時間であることが統計的に確認されているので、必要時間(所定時間)以上に長く開錠していた場合には、ブザー34が動作することになるので、盗難防止性が向上する。この所定時間は、ユーザ操作により可変にすることができる。また、シート開錠スイッチ56とコンソールボックス開錠スイッチ54とで、異なる所定時間に設定してもよい。
なお、シート42又はコンソールボックス52が閉じられたことが、シート開閉検出スイッチ70又はコンソールボックス開閉検出スイッチ72により検出されたとき、車載装置16は、ブザー34を動作停止状態から動作待機状態にもどす。
d.この実施形態に係る車両100では、フューエルリッド開錠スイッチ74は、図9に示すように、コンソールボックス52が開錠され、ポップアップしているときにコンソールボックス52のリッド下に現れて、ユーザが操作できるようになっている。もちろん、フューエルリッド開錠スイッチ74を、コンソールボックス52の中ではなく、車両100の表面のいずれかの位置に配置することもできる。
ユーザがフューエルリッド開錠スイッチ74を操作したことを車載装置16が検出した場合に、携帯機12との相互認証が成功したとき、図9に示すように、フューエルリッドアクチュエータ82を通じて、フューエルリッド58がポップアップする。このとき、ブザー34を動作待機状態から動作停止状態とする。このように切替制御することで、給油時には、確実にブザー34を動作停止状態とすることができる。なお、フューエルリッド58が閉じられたことをフューエルリッド開閉検出スイッチ76により検出したとき、車載装置16は、ブザー34を動作停止状態から動作待機状態に切り替える。
(2−2)次に、ブザー34を動作停止状態から動作待機状態に切り替える条件e,f,gについて説明するが、この場合には、携帯機12との相互認証の成功を前提条件としても、しなくてもよい。
e.メインスイッチノブ20がオフ位置(開錠位置)からロック位置(施錠位置)に切り替えられたことを車載装置16が検出したとき。
f.シート42又はコンソールボックス52がユーザにより閉じられた(施錠された)ことをシート開閉検出スイッチ70又はコンソールボックス開閉検出スイッチ72により検出したとき。
g.上述したように、シート42又はコンソールボックス52が開錠されてから所定期間経過しても施錠されなかったとき。
以上説明したように、上述した実施形態によれば、車載装置16は、メインスイッチノブ20、シート開錠スイッチ56、コンソールボックス開錠スイッチ54等のユーザ操作手段が操作されたことを検出した場合に、携帯機12と交信して相互認証が成功したとき、ユーザ操作手段の操作内容に応じて、警報装置であるブザー34を動作待機状態あるいは動作停止状態に切り替えるようにしているので、正規の携帯機12を携帯するユーザが、ブザー34を作動させたくないときに、ブザー34を確実に動作停止状態に切り替えることができる。また、正規の携帯機12を携帯するユーザが、ブザー34を動作待機状態にさせたいときに、ブザー34を確実に動作待機状態に切り替えることができる。
なお、この発明は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
車両用電子キーシステムを示す模式的構成図である。 ハンドルロックモジュールを含む車載装置が組み込まれた車両の平面図である。 車両を斜め後方からみた斜視図である。 携帯機の構成を示すブロック図である。 図5Aは、リクエスト信号の通信距離範囲の平面説明図である。 図5Bは、リクエスト信号の通信距離範囲の側面説明図である。 図5Cは、自動施錠の通信遮断範囲の説明図である。 車載装置の構成を示すブロック図である。 ブザーを動作停止状態にする際の説明図である。 ブザーを動作停止状態にする際の他の説明図である。 コンソールボックス等の開錠時の説明図である。
符号の説明
10…車両用電子キーシステム 12…携帯機
14…ハンドルロックモジュール 16…車載装置
20…メインスイッチノブ 22…メインスイッチ
34…ブザー 56…シート開錠スイッチ

Claims (7)

  1. 車載装置(16)と、この車載装置(16)と交信して相互認証を行う携帯機(12)とを備える車両用電子キーシステム(10)が適用された車両用盗難防止システムにおいて、
    前記車載装置(16)に接続される警報装置(34)と、
    前記車載装置(16)に接続され、所定動作を実行するためにユーザにより操作されるユーザ操作手段(22、54、56、60、74)とを備え、
    前記ユーザ操作手段(22、54、56、60、74)は、エンジンを始動するメインスイッチ(22)と、前記メインスイッチ(22)の近傍に設けられた二輪車のシート開錠スイッチ(56)又はコンソールボックス開錠スイッチ(54)とを有し、
    前記車載装置(16)は、前記シート開錠スイッチ(56)又は前記コンソールボックス開錠スイッチ(54)が操作されたことを検出した場合、前記携帯機(12)と交信し、相互認証が成功したとき、前記警報装置(34)を動作待機状態から動作停止状態に切り替える
    ことを特徴とする車両用盗難防止システム。
  2. 請求項1記載の車両用盗難防止システムにおいて、
    前記車載装置(16)は、前記警報装置(34)を前記動作待機状態から前記動作停止状態に切り替えた後に、開錠状態が所定時間経過した場合、前記警報装置(34)を前記動作停止状態から再び前記動作待機状態に切り替える
    ことを特徴とする車両用盗難防止システム。
  3. 請求項1記載の車両用盗難防止システムにおいて、
    前記ユーザ操作手段は(22、54、56、60、74)、二輪車のフューエルリッド開錠スイッチ(74)を更に有し、
    前記車載装置(16)は、前記フューエルリッド開錠スイッチ(74)が操作されたことを検出した場合、前記携帯機(12)と交信し、相互認証が成功したとき、前記警報装置(34)を前記動作待機状態から前記動作停止状態に切り替える
    ことを特徴とする車両用盗難防止システム。
  4. 請求項1記載の車両用盗難防止システムにおいて、
    前記ユーザ操作手段(22、54、56、60、74)は、二輪車のエンジンストップスイッチ(60)を更に有し、
    前記車載装置(16)は、前記エンジンストップスイッチ(60)がオン操作されたことを検出した場合、前記携帯機(12)と交信し、相互認証が成功したとき、前記警報装置(34)を前記動作待機状態から前記動作停止状態に切り替える
    ことを特徴とする車両用盗難防止システム。
  5. 請求項1記載の車両用盗難防止システムにおいて、
    前記メインスイッチ(22)は、ノブ(20)の操作により、施錠位置と開錠位置に切替可能なノブ一体型メインスイッチであり、
    前記車載装置(16)は、前記ノブ(20)が前記施錠位置から前記開錠位置に切り替えられた操作を検出した場合、前記携帯機(12)と交信し、相互認証が成功したとき、前記警報装置(34)を前記動作待機状態から前記動作停止状態に切り替える
    ことを特徴とする車両用盗難防止システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用盗難防止システムにおいて、
    前記車載装置(16)は、前記警報装置(34)を前記動作待機状態から前記動作停止状態に切り替えるとき、前記警報装置(34)への電力の供給を停止する
    ことを特徴とする車両用盗難防止システム。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用盗難防止システムにおいて、
    前記車載装置(16)は、前記警報装置(34)を前記動作待機状態から前記動作停止状態に切り替えるとき、前記警報装置(34)へ警報解除コードを送信する
    ことを特徴とする車両用盗難防止システム。
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