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JP4684091B2 - エアゾール容器のキャップ - Google Patents

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本発明は、エアゾール容器に着脱可能に装着され、当該エアゾール容器に設けた噴射ノズルを覆うエアゾール容器のキャップに関するものである。
エアゾール容器は、噴射ノズルの押し下げにより充填ガスと共に内容物を噴射するが、充填ガスが完全に抜けていない場合、廃棄時において暴発する虞があるという問題がある。そのため、容器内に残留した充填ガスを完全に放出させるべく、エアゾール容器に装着されるキャップの周壁に、当該周壁を周方向に沿って帯状部に区画する上下2つの薄肉のラインを形成し、この薄肉ラインを押し切ってキャップと帯状部とを繋ぐ連続部と共に前記帯状部の中心部分を折り曲げ、この折れ曲がった中心部分を介して噴射ノズルを押し下げて残留ガスの放出を行うものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−315011号公報
しかしながら、上記の従来キャップは、剛性の高い湾曲部分であるキャップの周壁の一部を押し切らなければならないため、キャップと帯状部とを繋ぐ連続部や帯状部の中央部分がいっしょに押し切れてしまうことも考慮される。このため、キャップから薄肉ラインに沿って押し切るための力加減が難しく、使い易さという点に改善の余地があった。
本発明は、こうした事実に鑑みてなされたものであり、本発明の解決すべき課題は、エアゾール容器内に残留したガスを放出させるのに使い易いキャップを提案することにある。
本発明は、エアゾール容器に着脱可能に装着され、当該エアゾール容器に設けた噴射ノズルを覆うエアゾール容器のキャップであって、前記キャップは、天壁と、この天壁に繋がる周壁とを有し、その内側に、前記周壁の周方向に間隔を空けて当該周壁の中心線に沿って延在する複数のリブを備え、当該リブの内側縁にそれぞれ、前記天壁よりも低い位置に段部を設け、当該段部に、前記キャップと異なる板部材の外周縁部を係合保持する係合部を有することを特徴とするものである。この場合、前記周壁に、前記板部材を挿入可能なスリットを形成することができる。
また、本発明は、エアゾール容器に着脱可能に装着され、当該エアゾール容器に設けた噴射ノズルを覆うエアゾール容器のキャップであって、前記キャップは天壁と、この天壁に繋がる周壁とを有し、前記天壁に、破断部によって区画され、当該破断部の切断によって分離可能な板部を備えると共に、その内側に、前記周壁の周方向に間隔を空けて当該周壁の中心線に沿って延在する複数のリブを備え、当該リブの内側縁にそれぞれ、前記天壁より低い位置に、段部を設け、当該段部に、前記キャップから分離された前記板部の外周縁部を係合保持する係合部を有することを特徴とするものである。
本発明のエアゾール容器のキャップは、エアゾール容器を使い終わった後に、キャップの内側のリブに設けた係合部に当該キャップと異なる板部材を係合保持させ、この状態でエアゾール容器に装着すれば、薄板部材を介して噴射ノズルを押し下げることができる。従って、本発明によれば、キャップを利用してエアゾール容器内に残留したガスを放出させるのに使い易いキャップを提供することができる。なお、この場合、板部材としては、コイン形メダル等の日常生活にある既存の部材を適宜使用することができる。
また、他の本発明は、エアゾール容器を使い終わった後に、前記キャップの天壁を破断部に沿って切断することにより当該天壁から板部を分離し、この板部をキャップの内側のリブに設けた係合部に係合保持させれば、板部を介して噴射ノズルを押し下げることができる。この場合、剛性の高い湾曲したキャップ側壁ではなく、天壁に破断部を形成し、この破断部に沿って完全に押し切ることにより前記板部の分離が容易となる。従って、本発明によれば、キャップを利用してエアゾール容器内に残留したガスを放出させるのに使い易いキャップを提供することができる。
特に本発明の場合、前記板部をキャップと一体に持ち歩くことができ、エアゾール容器の廃棄時まで紛失することなく保管できる。更に、この場合、前記板部の分離により前記キャップの天壁に開口部が形成されるため、この開口部をガス抜き孔として利用することができる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な形態を詳細に説明する。
図1(a),(b)はそれぞれ、本発明の第一形態であるキャップ10を示す斜視図及び底面図であり、図2(a),(b)はそれぞれ、エアゾール容器50を廃棄する際のキャップ10の作用を説明する説明図である。
エアゾール容器50は、容器本体51内に通じる噴射ステム52を有し、この噴射ステム52に噴射ノズル53が装着されている。これにより、噴射ノズル53を押し下げると、容器本体51内の内容物が加圧ガスと共にステム52を通して噴射ノズル53の注出口53aから噴射される。
キャップ10は、図1に示す如く、平坦な天壁11と、この天壁11に繋がる周壁12とを有し、この周壁12の内側全周に設けた突条部12aが容器本体51の巻締め部54にアンダーカット嵌合することにより、エアゾール容器50に着脱可能に装着される。これにより、キャップ10は、噴射ノズル53に被せられ、当該噴射ノズル53の押し下げを防止する。
キャップ10は、その内側に、天壁11から周壁12に向かって延在し、キャップ中心Oに向かって突出する3つの縦リブ2を備える。縦リブ2にはそれぞれ、その末端部分に段部3が設けられており、この段部3の側面に後述の板部材1を天壁11よりキャップ内側の低い位置に係合保持する係合部4が形成されている。係合部4の位置の具体例としては、キャップ10をエアゾール容器50に被せた状態において、板部材1が噴射ノズル53を押し下げる位置に設定する。また、係合部4はアンダーカット嵌合、圧接等、その形態は限定されない。
板部材1は、図1(b)に示すように、キャップ10の底面側から縦リブ2の無い開放側を経てキャップ10の内側に導入され、当該板部材1の縁部1eを係合部4に係合させる。これにより、板部材1は、キャップ10の内側に保持固定される。なお、板部材1には、噴射ノズル53の外径よりも大きな表面積を有するキャップ10と別体のもの(例えば、コインメダル)を利用することができる。
かかる構成によれば、エアゾール容器50を使い終わった後に、図2(a)に示す如く、キャップ10の内側の縦リブ2に設けた係合部4に板部材1を係合保持させ、この状態のままキャップ10を図2(b)に示す如くエアゾール容器50に装着すれば、板部材1を介して噴射ノズル53を押し下げることができる。従って、本形態によれば、キャップ10を利用してエアゾール容器50内に残留したガスを放出させるのに使い易いキャップを提供することができる。なお、この場合、板部材1としては、コインメダル等の日常生活にある既存の部材を適宜使用することができるが、その外観形状は円形に限ることなく、キャップ10の大きさ等に合わせて矩形等の様々な形状に変更可能である。
なお、本形態において、ガス抜きによってキャップ10内に充満したガスは、キャップ10の周壁12内側に突条部12aを通ってキャップ開口縁10eに抜ける溝12gを設け、この溝12gがキャップ10の装着時における巻締め部54との間に流路を形成することにより、残留ガスを外部に逃がすことができる。更に、板部材1は、図2(a)に示す矢印の方向に動かすだけで係合部4から取り外すことができるため、ガス抜き後の分別も容易である。
また、第一形態の変形例として、キャップ10の周壁12に、このキャップ10の内側を外界に通じさせ、板部材1の挿入が可能なスリットS(図1(a)及び図2の破線で示す。)を形成してもよい。この場合、キャップ10内に前記スリットを通して板部材1を挿入し、この板部材1の縁部1eが、噴出ノズル53の傾斜部53bに沿って当該噴射ノズル53を押し下げながら係合部4に係合する構成としてもよい。
図3(a),(b)はそれぞれ、本発明の第二形態であるキャップ20の斜視図及び、後述の板部5を示す底面図であり、図4(a),(b)はそれぞれ、エアゾール容器50を廃棄する際のキャップ20の作用を説明する説明図である。なお、本形態において、図1,2と同一部分は同一符号をもってその説明を省略する。
天壁11には、この天壁11の他の領域よりも薄肉なライン13によって区画された板部5を備える。この板部5は外力を加えることにより、天壁11からライン13に沿って押し切られ、天壁11から分離することができる。
また、キャップ20の内側には、図3(b)に示すように、天壁11から周壁12に向かって延在し、キャップ中心Oに向かって突出する4つの縦リブ2を備える。縦リブ2にはそれぞれ、その末端部分に段部3が設けられており、この段部3の側面に板部1を天壁11よりキャップ内側の低い位置に係合保持する係合部4が形成されている。係合部4の位置の具体例としては、第一形態と同様、キャップ20をエアゾール容器50に被せた状態において、板部5が噴射ノズル53を押し下げる位置に設定する。
板部5は、図3(a)に示すように、天壁11と一体の状態において、縦リブ2を避けて当該縦リブ2との間に突出する4つの突き出し形状部分5aを有し、押し切り後は、図3(b)に示すように、キャップ20の底面にある縦リブ2の無い開放側から導入され、突き出し形状部分5aの縁部5eを係合部4に係合させる。これにより、板部5は、キャップ20の内側に保持固定される。
なお、板部5の外観形状は本形態のような十字形に限ることなく、キャップ20の大きさ等に合わせて矩形等の様々な形状に変更可能である。また、エアゾール容器にキャップを装着させた状態で、上方から前記板部5を押し切り、噴射ノズル53を押し下げながら水平方向に回転させ、前記係合部4に突き出し形状部分5aを係合させることも可能である。
かかる構成によれば、エアゾール容器50を使い終わった後に、キャップ20の天壁11を薄肉のライン13に沿って押し切ることにより当該天壁11から板部5を分離し、この板部5をキャップ20の内側のリブ2に設けた係合部4に係合保持させれば、板部5を介して噴射ノズル53を押し下げることができる。この場合、剛性の高い湾曲したキャップ20の周壁12ではなく、天壁11に薄肉のライン13を形成し、このライン13に沿って完全に押し切ってしまうため、板部5の分離も容易である。従って、本形態によれば、キャップ20を利用してエアゾール容器50内に残留したガスを放出させるのに使い易いキャップを提供することができる。尚、本発明に係る破断部は、前記ライン13に変え、間欠の連結部により形成してもよい。さらに、天壁11は外方、又は内方に湾曲していてもよく、その形状は限定されない。
特に本形態の場合、板部5をキャップ20と一体に持ち歩くことができ、エアゾール容器50の廃棄時まで紛失することなく保管できる。更に、この場合、板部5の押し切りにより天壁11に開口部11aが形成されるため、この開口部11aをガス抜き孔として利用することができる。
(a),(b)はそれぞれ、本発明の第一形態であるキャップを示す斜視図及び底面図である。 (a),(b)はそれぞれ、同形態において、エアゾール容器を廃棄する際のキャップの作用を説明する説明図である。 (a),(b)はそれぞれ、本発明の第二形態であるキャップの斜視図及び、薄板部を示す底面図である。 (a),(b)はそれぞれ、同形態において、エアゾール容器を廃棄する際のキャップの作用を説明する説明図である。
符号の説明
1 板部材
2 縦リブ
3 段部
4 係合部
10 キャップ
11 天壁
13 薄肉ライン(破断部)
50 エアゾール容器
53 噴射ノズル

Claims (3)

  1. エアゾール容器に着脱可能に装着され、当該エアゾール容器に設けた噴射ノズルを覆うエアゾール容器のキャップであって、
    前記キャップは、天壁と、この天壁に繋がる周壁とを有し、その内側に、前記周壁の周方向に間隔を空けて当該周壁の中心線に沿って延在する複数のリブを備え、当該リブの内側縁にそれぞれ、前記天壁よりも低い位置に段部を設け、当該段部に、前記キャップと異なる板部材の外周縁部を係合保持する係合部を有することを特徴とするエアゾール容器のキャップ。
  2. エアゾール容器に着脱可能に装着され、当該エアゾール容器に設けた噴射ノズルを覆うエアゾール容器のキャップであって、
    前記キャップは天壁と、この天壁に繋がる周壁とを有し、
    前記天壁に、破断部によって区画され、当該破断部の切断によって分離可能な板部を備えると共に、その内側に、前記周壁の周方向に間隔を空けて当該周壁の中心線に沿って延在する複数のリブを備え、当該リブの内側縁にそれぞれ、前記天壁より低い位置に、段部を設け、当該段部に、前記キャップから分離された前記板部の外周縁部を係合保持する係合部を有することを特徴とするエアゾール容器のキャップ。
  3. 請求項1において、前記周壁に、前記板部材を挿入可能なスリットを形成したことを特徴とするエアゾール容器のキャップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0671486U (ja) * 1993-03-18 1994-10-07 央弘 湯浅 残留ガス抜き機構を持つ圧力容器の蓋
JPH0715587U (ja) * 1993-08-25 1995-03-14 俊幸 江沢 スプレー缶用キャップ
JPH1086984A (ja) * 1996-07-23 1998-04-07 Kazuhiko Segawa スプレー缶ガス抜き機構付ふた

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