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JP4677434B2 - 画像処理装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基本刺激値と分光補助係数を含む画像データを扱うものに関する。
従来、カラー記録装置の出力画像を形成する記録剤の色は、減法混色の3原色であるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色、又はそれらにブラック(K)を加えた4色である場合が一般的である。この場合、入力画像データのレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3つの色成分を、C、M、Yの3色、又はKを加えた4色に変換し、各色の記録剤によって画像形成を行っている。また、近年では、C、M、Y、Kの4色の基本色材に加えて、減法混色の3原色以外の色材、すなわち特色としてRGBの3色を色材として追加したカラー記録装置が発売されている。このようなカラー記録装置は、従来の3色或いは4色による画像形成では達成できなかった色再現を実現することが可能である。
また、近年のカラー記録装置の急速な普及に伴い、より高画質への要求が高まってきており、カラー記録装置に与える入力情報として可視光域の分光情報を用いることが提案されている。最近では、画像の分光情報を取得する装置として、5〜6種類程度の感度によるマルチバンドカメラが用いられるようになってきた。このようなマルチバンドカメラでは、従来の3チャンネルのカメラでは実現できなかった、被写体の分光反射率を取得することができる。このマルチバンドカメラと前記の特色インクを搭載したカラー記録装置を組み合わせることで、被写体の分光情報を再現できる色再現システムを構築することが可能となる。
このような分光情報を扱う画像処理(以下、分光画像処理)は、マルチバンドカメラから入力される分光情報に対する分光誤差が最小になるように、カラー記録装置の出力色を決定する必要がある。これにより、出力画像において、環境光源等の観察環境にかかわらず見た目の色を一致させることができる。すなわちメタメリズムを低減できる。
しかしながら、分光画像処理においては、従来のCIELAB、CIEXYZ等に代表される三刺激値と比較して、扱うデータの次元数が著しく増大する。例えば、分光情報を400nmから700nmを10nm刻みでサンプリングする場合には、得られる分光データは31次元となる。より簡便な分光画像処理を実施するためには、分光的な特徴を損なうことなく、少ない次元数にするとともに、効果的にデータ圧縮を行うことが重要となる。
分光情報のデータ圧縮法として、入力される分光画像データに対し主成分分析を行い、各主成分に対する重み係数データを保持する手法が示されている(例えば、〔特許文献1〕参照)。この提案によれば、sRGBの基本色データと併せて、間引き画像あるいは縮小画像の分光強度データを使用するため、従来型のRGBデータを持つ画像データとして扱うことができる。
その他の分光情報のデータ圧縮法として、6次元のLabPQRという分光色空間を用いた分光情報の圧縮法が提案されている(〔非特許文献1〕)。LabPQRはL*a*b*値を含むので、L*a*b*値が依存する特定の観察条件の下において測色的色再現と同等な色再現をすることができる。更に、LabPQRは分光情報であるPQRも含むため、メタメリズムを低減することができる。
特開2005−78171号公報 M.Derhak、M.Rosen、"Spectral Colorimetry Using LabPQR − An Interim Connection Space"、「Color Imaging Conference 2004」、アメリカ、Imaging Science and Technology、2004年11月、246−250頁
しかしながら、特許文献1で提案される手法では、分光強度データは、入力分光画像データに対する主成分分析の重み係数で表現されるため、基本色データと分光強度データとの間に情報の冗長性が残る。その結果、分光画像情報を保持するために必要となるデータ次元数が6次元となる場合には、3次元の基本色データと併せて9次元のデータ圧縮法となり、画像処理を行う際に扱うデータ容量が増大する欠点を有する。
更に、非特許文献1で提案される手法は、入力される分光情報を6次元の分光色空間LabPQRを介してデータ圧縮する際に、分光情報であるPQR画像について均一な演算処理を行う。よって、非特許文献1で提案される手法は、LabPQR画像を保存する際に多くのメモリ容量が必要であるという課題があった。
そこで、本発明は、従来の測色的色再現との整合がとれ、かつ、データ容量という観点で、効果的に分光情報を扱うことが可能な画像処理装置および画像処理方法を実現することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有することを特徴とする。
本願請求項1記載の発明は、基本刺激値と分光補助係数を含む、画像を示す画像データを入力する入力手段と、前記画像データに対して画像処理を行う画像処理手段とを有し、前記分光補助係数は、前記基本刺激値から分光情報を推定した際の分光誤差に基づいて決定されており、前記画像を示す前記分光補助係数の画像サイズは、該画像を示す前記基本刺激の画像サイズよりも小さいことを特徴とする。
本願請求項3記載の発明は、基本刺激値と分光補助係数を含む、画像を示す画像データを入力する入力手段と、前記画像データに対して画像処理を行う画像処理手段とを有し、前記分光補助係数は、前記基本刺激値から分光情報を推定した際の分光誤差に基づいて決定されており、前記分光補助係数には、分光情報に与える影響度が異なる第1および第2の係数が含まれ、前記画像を示す前記第2の係数の画像サイズは、該画像を示す前記第1の係数の画像サイズよりも小さいことを特徴とする。
本願請求項5記載の発明は、基本刺激値と分光補助係数を含む、画像を示す画像データを入力する入力手段と、前記画像データに対して画像処理を行う画像処理手段とを有し、前記分光補助係数は、前記基本刺激値から分光情報を推定した際の分光誤差に基づいて決定されており、前記分光補助係数のビット数は、前記基本刺激のビット数よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、分光補助係数の性質を考慮して分光情報に対応する画像のサイズまたは各画素のビット数を決定するため、色再現性の低下を抑制しつつ、分光画像データを扱う際に必要となるデータ容量を削減することができる。
(実施形態1)
<画像処理装置のハードウェア構成>
図1は、第1の実施形態にかかる画像処理装置のハードウェア構成を示す図である。101はCPUで、ROM102に記憶された制御プログラム或いは記憶装置104からRAM103にロードされた制御プログラムに従って、本実施形態にかかる画像処理方法を実現するための各種制御を行う。ROM102は各種パラメータやCPU101が実行する制御プログラムなどを格納している。RAM103は、CPU101による各種制御の実行時に作業領域を提供するとともに、CPU101により実行される制御プログラムを記憶する。104はハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカード等の記憶装置である。この記憶装置がハードディスクの場合には、CD−ROMやフロッピー(登録商標)ディスク等からインストールされた各種プログラムや処理される各種データ(画像データ、色変換テーブル等)が記憶される。105はI/Fであり、例えば、カラー記録装置等の各種画像出力装置と接続される。106はマウスやキーボード等の各種入力装置である。
<画像処理装置の構成図>
図2は、第1の実施形態である画像処理装置にかかる構成を示したブロック図である。
201は入力画像データであり、各画素の分光情報で構成される分光画像データである。202は画像データ作成部であり、分光情報から基本刺激値と分光補助係数から成る画像データを作成する。基本刺激値とはCIELAB、CIEXYZ等に代表される特定の環境光源下における三刺激値、またはそれから派生して算出される色彩値(例えば、RGB)である。一方、分光補助係数は基本刺激値から分光情報を推定した際の分光誤差に応じている。そして、分光補助係数はこの分光誤差を補うために使用される。203は前記画像データ作成部で作成された画像データから出力色を算出する画像処理部である。204はカラー記録装置によって画像形成を行う画像形成部である。
本実施形では、画像データ作成部および画像処理部での処理はCPUによって行われる。画像形成部は、105I/Fを介して接続されているカラー記録装置である。
<画像データ作成部>
図3は、画像データ作成部202の構成を示したブロック図である。301はCIE等色関数と観察光源の情報を格納するメモリである。302はCIE等色関数と観察光源の情報を用いて、分光情報から三刺激値を算出する三刺激値算出部である。303は三刺激値から分光基本刺激を算出するために使用される分光基本刺激算出関数が格納されるメモリである。304は、分光基本刺激関数を用いて、三刺激値から分光基本刺激を算出する分光基本刺激算出部である。305は三刺激値を均等色空間上の基本刺激値(L*a*b*)に変換する変換部である。306は分光基本刺激値と分光画像データ201との分光誤差から分光補助係数を算出するために使用される分光基本刺激算出関数が格納されるメモリである。307は分光補助係数算出関数を用いて、分光誤差から分光補助係数(PQR)を算出する分光補助係数算出部である。308は分光補助係数が格納される画像(以下、分光補助画像)のサイズを変換する画像サイズ変換部である。309は基本刺激値が格納される画像(以下、基本刺激画像)とサイズ変換された分光補助画像を構成するデータ合成部である。以下、図3の画像データ作成部において行われる処理について図4のフローチャートを用いて説明する。
まず、入力画像の各画素における分光情報R(i、j、λ)を入力する(ステップ401)。図5は、入力された分光画像データが格納されたメモリ配列の一例である。実施形態1で用いる分光画像は横画素数W、縦画素数Hである。そして、各画素位置には波長λが380nmから730nmの可視光域を10nm毎に刻むことにより得られた分光反射率が格納されている。つまり、各画素は36次元の分光反射率データを有し、各次元の反射率は0から1までの間で変動する値である。
次に、三刺激値算出部302は、画素位置(i、j)における分光反射率から次式によって三刺激値CIEXYZを算出する(ステップ402)。
Figure 0004677434
S(λ)は環境光源の分光放射輝度である。本実施形態では光源情報としてCIEで定められるD50光源を用いる。
Figure 0004677434
は等色関数である。
次に、分光基本刺激算出部304は、三刺激値から分光基本刺激を次式を用いて算出する(ステップ403)。
N(i,j,λ)=T×Nc(i,j),
Nc(i,j)=[X(i,j),Y(i,j),Z(i,j)]
なお、Nはサイズ36×1の分光基本刺激を表す行列である。Tはサイズ36×3の分光基本刺激算出関数303を表す行列である。分光基本刺激算出関数303は予め用意されている。Nc(i,j)は画素位置(i,j)における三刺激値で構成される3×1の行列である。
上式の右辺に記載された上付き「T」は転置行列を意味している。上式から明らかであるように、分光基本刺激算出部304は、三刺激値Ncが同値となる分光反射率の組み合わせ(メタメリックペア)に対して、全て同一の分光基本刺激を算出する。
次に、入力された分光画像データである分光情報R(i、j、λ)と分光基本刺激N(i,j,λ)との分光誤差を次式を用いて算出する(ステップ404)。
B(i,j,λ)=R(i,j,λ)−N(i,j,λ)
続いて、分光補助係数算出部307は、分光補助係数算出関数306を用いて、画素位置(i,j)における分光補助係数Np(i,j)を次式により算出する(ステップ405)。
Np(i,j)=V×B(i,j,λ)
ここで、Vはサイズ36×3の分光補助係数算出関数を表す行列である。実施形態1では、分光補助係数Np(i,j)は3つの係数で構成され、各係数をP、Q、Rと呼ぶことにする。
このように、ステップ402で算出した三刺激値Ncから分光補助係数Npを求める一方で、均等色空間への変換部305は三刺激値Ncから均等色空間における基本刺激値を算出する(ステップ406)。実施形態1ではCIELABを均等色空間として用いる。三刺激値NcからL*a*b*値の変換は次式に従って行われる。
=116(f(Y/Yn)−16/116),
=500(f(X/Xn)−f(Y/Yn)),
=200(f(Y/Yn)−f(Z/Zn))
ここで、関数f(x)は
f(x)=x^(1/3) (x>0.008856)
f(x)=7.787x+16/116 (x≦0.008856)
にて定義される。また、Xn、Yn、Znは光源情報における基準白色の三刺激値である。実施形態1では、CIEで定められるD50光源の基準白の三刺激値を使用する。
次に、全ての画素に対して分光補助係数NpとL*a*b*値の算出が完了したか否かを判定する(ステップS407)。そして、未処理の画素がある場合にはステップS401に戻り、ステップ401からステップ406までの処理を繰り返し行う。
全ての画像に対して分光補助係数NpとL*a*b*値の算出が完了した場合には、分光補助画像のサイズ変換(解像度変換)を行う(ステップS408)。サイズ変換は着目位置(ii,jj)の近傍にある分光補助係数を参照し、補間処理によって行う。例えば、次式のような線形補間処理を用いて、分光補助画像のサイズを横画素数2W/3、縦画素数2H/3に縮小する。
Np’(ii,jj)=(Np(1.5×ii,1.5×jj)+Np(1.5×ii+1,1.5×jj)+Np(1.5×ii,1.5×jj+1)+Np(1.5×ii+1,1.5×jj+1))/4
ただし、iiとjjは次式を満たす整数である。
0≦ii<2H/3−1、0≦jj<2W/3−1
図6に、基本刺激画像データと画像サイズが変換された分光補助画像の一例を示す。実施形態1では、全ての分光補助画像データ(P画像データ、Q画像データ、R画像データ)に対して均一な補間処理を実施するため、サイズ変換前に比べ、各分光補助画像に必要となるデータ容量を4/9に削減することができる。このように、本実施形態では、分光補助画像に対してはサイズ変換を実施する一方で、基本刺激画像に対してはサイズ変換を実施しない。
最後に、サイズ変換された分光補助画像データNp’と基本刺激画像データとを合成し(ステップS409)、分光補助関数と併せ画像データとして出力する(ステップS410)。分光補助関数は基本刺激画像データと分光補助画像データから分光情報を再構成する際に用いられる関数であり、より具体的には、分光基本刺激算出関数303と分光補助係数導出関数306が分光補助関数に該当する。
以上の処理により、画像データが作成される。
<画像データの構成>
図7には、画像データを格納した画像ファイルの構成を表す一例である。画像データの先頭部には画像サイズ、各画素のビット数等を記述するヘッダが格納され、基本刺激画像データ、分光補助関数、分光補助画像データが続いて格納される構成である。分光補助画像データには、サイズ変換されたP画像データ、Q画像データ、R画像データが順序格納されている。
上記構成の画像データを格納するために必要なメモリ容量(バイト)は次式によって算出することができる。
SIZE=SIZE_Nc+SIZE_Np’+Size_F
ここで、SIZE_Ncは基本刺激画像のデータ容量、SIZE_Np’は分光補助画像データのデータ容量、Size_Fは分光補助関数のデータ容量である。各データ容量は次式で定義される。
SIZE_Nc=W×H×Byte_Nc×3
SIZE_Np’=W’×H’×Byte_Np×Nb
SIZE_F=Nw×(Byte_Nt×3+Byte_Nv×Nb)
ここで、W’とH’はサイズ変換後の分光補助係数画像の横と縦画素数である。Byte_Ncは1画素あたりの基本刺激データのバイト数(L*a*b*値の各値のバイト数)である。Byte_Npは分光補助画像データのバイト数(PQR値の各値のバイト数)である。Nbは分光補助画像データの次元数である。Byte_Ntは分光基本刺激算出関数の各値のバイト数である。Byte_Nvは分光補助係数算出関数の各値のバイト数である。Nwは分光補助関数の波長方向への次元数である。これまで述べた通り、本実施形態では、Nb=3、Nw=36として扱う。
例えば、基本刺激画像データの横・縦サイズをW=1280、H=1024画素、分光補助画像データの横・縦サイズをW’=853、H=683画素、基本刺激データと分光補助画像データの各値のバイトをByte_Nc=1、Byte_Np=1、分光補助関数の各値のバイト数をByte_Nt=1、Byte_Nv=1とすると、
SIZE_Nc=1280×1024×1×3=3,932,160バイト(約3.75メガバイト)
SIZE_Np’=853×683×1×3=1,747,797バイト(約1.67メガバイト)
SIZE_F=36×(1×3+1×3)=216バイト
となる。画像データ全体のデータ容量SIZEは、上記のバイト数の総和で表され、約5.41メガバイトとなる。
仮に、分光補助係数に対応する画像のサイズ変換を実施しない場合には、分光補助画像データの画像サイズはW’=W=1280、H’=H=1024であり、分光補助画像のデータ容量SIZE_Np’は約3.75メガバイトとなる。画像サイズの変換を行う場合と比較して、2.08メガバイトのデータ容量の増加となる。分光補助画像データのサイズ変換により、該増加量分のデータ容量が削減できたことが確認できる。
<分光基本刺激算出関数、分光補助係数算出関数>
分光基本刺激算出関数303と分光補助係数算出関数306の決定方法について以下、図8のフローチャートを用いて説明する。
まず、分光基本刺激算出関数303と分光補助係数算出関数306を決定するにあたり複数のサンプル色の分光反射率を含むデータ群を用意する(ステップ801)。
実施形態1では、サンプル色として、画像形成部204で形成され、CIELAB空間にランダムに分布する729色の異なる色のプリントパッチを使用する。なお、パッチとは一様な色分布を成す色票である。そして、分光反射率データとして、これらのパッチを測定することにより得られた分光反射率データを使用する。
また、サンプル色としては、色空間内に分布するデータ群であれば、この限りではない。例えば、GretagMacbeth社製のColorChecker、ColorCheckerDC、或いはMunsell Book of Color等を用いることができる。
次に、各プリントパッチの入力分光反射率から三刺激値Ncを算出する(ステップ802)。分光反射率からNcの算出方法については前述の通りである。
次に、三刺激値から入力の分光反射率を推定するための擬似逆行列を算出し(ステップ803)、分光基本刺激算出関数Tとして保持する(ステップ804)。
T=R×pinv(Nc)
本実施形態におけるRは行方向に分光反射率を格納するサイズ36×729の分光反射率群から成る行列である。同様に、本実施形態におけるNcはサイズ3×729の該三刺激値群から成る行列である。pinv()は入力行列の擬似逆行列を求める関数である。図9は、729色のプリントパッチから導出した行列Tの各波長に対応する係数をプロットしたグラフである。
分光基本刺激算出関数Tと三刺激値Ncを使用することにより、入力の分光反射率を次式で推定することができる。
N=T×Nc
なお、Nは前述の分光基本刺激に該当する。
しかしながら、先にも述べたように、一組の三刺激値Ncに対して一意に分光反射率を決定するため、上式ではメタメリックペアを分別できる分光推定を実現できない。
メタメリックペアを識別するためには、三刺激値以外に分光情報を加味した補助的な指標が新たに必要である。そこで、入力された分光情報Rと分光基本刺激Tとの分光誤差を次式により算出する(ステップ805)。
B=R−N
なお、行列Bには729色のプリントパッチの分光誤差が全て格納されており、行列サイズは36×729となる。
次に、分光誤差行列Bの主成分ベクトルviを算出し(ステップ806)、第1から第3までの低次の主成分ベクトルを、分光補助算出関数Vとして以下のように保持する(ステップ807)。
V=(v1、v2、v3)
v1は第1主成分ベクトル、v2は第2主成分ベクトル、v3は第3主成分ベクトルである。各主成分ベクトルは36×1のサイズである。図10はサンプル色から導出した行列Vの各波長に対応する係数をプロットした図である。
主成分ベクトルの算出について説明する。まず、分光誤差行列Bの共分散行列を次式の通り算出する。
W=B×B
その後、次式を解くことによって該共分行列の固有値λi、固有ベクトルvi(iはベクトルの次元数)を求める。そして、固有ベクトルを分光補助係数算出関数として扱う。
W×vi=λi×vi
以上の処理により、分光基本刺激算出関数Tと分光補助係数算出関数Vを決定する。
このように算出された分光基本刺激算出関数Tを用いることにより、分光誤差に応じた分光補助係数を算出することができる。そして、この分光補助係数によって、従来の測色的色再現では同一の刺激値として扱われていたメタメリックペアについても分光的な差異を求めることができる。分光反射率から基本刺激値Ncと分光補助係数Npを導出する処理は、画像データ作成部202で行われる。三刺激値Ncと分光補助係数Npから対応する分光反射率を再構築することも可能である。分光再構築に用いる変換式は次の式の通りである。
R’=N+B
=T×Nc+V×Np
R’は再構築された分光反射率である。上式の右辺、第二項がメタメリックアにおける分光的な差異を表している。
図11は、分光基本刺激算出関数Tと分光補助係数算出関数Vによって算出されたサンプル色の分光補助係数Np、すなわちPQR値のヒストグラムである。なお、P、Q、Rはそれぞれ第1、第2、第3主成分ベクトルに対する重み係数である。図11に示すヒストグラムには、729色のプリントパッチの他に、GretagMacbeth社製のColorChecker(24色)、ColorCheckerDC(240色)、Munsell Book of Color 光沢版(1600色)、塗料パッチ(120色)と人肌、植物、空などの自然界における重要色を包含した物体の分光反射率(170色)を加えている。つまり、このヒストグラムは代表的な物体の分光反射率を網羅していると考えられる。このヒストグラムから、PQR値の変動範囲はP>Q>Rとなることが分かる。このような特徴が得られる理由は、P値に対応する第1主成分ベクトルv1が分光誤差のばらつき範囲の中で最も分散が大きい方向に設定されるためである。Q値、R値はそれぞれ、第2主成分ベクトルv2、第3主成分ベクトルv3に対応するため、PQR値の変動範囲はP>Q>Rとなる。後に詳しく述べるが、画像処理部203で使用する色変換テーブルは該PQR値に関する特徴に着目して構築される。
<画像処理部>
図12は、画像処理部203の構成を示したブロック図である。1201は画像データに含まれる基本刺激(L*a*b*値)画像データと分光補助(PQR値)画像データとを分解するデータ分解部である。1202は画像サイズ変換部306によってサイズ変換された分光補助画像データを再び、元の画像サイズに変換する画像サイズ再変換部である。該画像サイズ再変換により、基本刺激画像データの縦横の画素数と分光補助画像データの縦横の画素数が等しくなる。1203は基本刺激データと分光補助データに対する基本画像形成部204の出力色との関係を表す色変換テーブルである。1204は出力色算出部であり、色変換テーブル1203を参照して、基本画像形成部の出力色を決定する。より具体的には、着目点の近傍にある色変換テーブルの格子点に格納された出力色を用い、多次元の補間処理によって出力色を決定する。多次元の補間処理としてはキュービック補間、四面体補間などがある。
色変換テーブル1203は前述のLabPQRの分光空間で構成され、その次元数は6次元とする。L*a*b*空間における格子数は17×17×17とし、各軸に対して以下のように均等にサンプリングを行う。
L*=0,6.25,12.5,・・・,93.75,100,
a*=−128,−112,−96,・・・,112,128,
b*=−128,−112,−96,・・・,112,128
PQR空間の格子点の設定は図11のPQR値のヒストグラムを参考にして、各軸に対して以下のように均等にサンプリングを行う。
P=−1.2,−1.0,・・・,1.0,1.2,
Q=−0.8,−0.6,・・・,0.6,0.8,
R=−0.6,−0.4,・・・,0.4,0.6,
よって、PQR空間の格子点は13×9×7となる。
図13には、上記の均等サンプリングによって形成される色変換テーブルの一例を示した。実際は6次元の色変換テーブルであるが、説明の都合上、2つの3次元の色変換テーブルに分割し描画した。CIELAB空間における各格子点が固有のPQR空間に対応する色変換テーブルを保持する形態である。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、多次元の分光空間LabPQRを基調とした多次元の画像データを使用して出力色を決定することで、メタメリズムを低減できる出力画像を得ることが可能である。更に、多次元の画像データの作成時に避け難いデータ容量の増大という課題に対して、分光補助画像のサイズを基本刺激画像よりも小さくすることで、色再現精度を損なうことのない画像処理を実現するこが可能である。
<実施形態2>
第1の実施形態では、画像サイズ変換後の分光補助係数(PQR値)の画像サイズは、PQR画像の全てについて均一となる形態であった。本実施形態2では、分光情報に与える影響度を考慮して分光補助画像のサイズ変換を実施する構成とする。
図14には、画像サイズを変換した分光補助画像の一例を示した。実施形態2では、分光補助画像データ(P画像データ、Q画像データ、R画像データ)に対して、サイズ変換後の大きさがP>Q>Rとなる構成である。前掲であるが、P画像が分光情報に与える影響が最も強い分光補助画像、Q画像が第二に分光情報に与える影響が強い分光補助画像、R画像が第三に分光情報に与える影響が強い分光補助画像である。
そこで、本実施形態では、図14に示すように、サイズ変換前に比べ、各分光補助画像に必要となるデータ容量をP画像は4/9に、Q画像は1/4に、R画像は1/9に削減する。このサイズ変換は1例であり、P>Q>Rとなれば他の値でも構わない。
この時、分光補助画像のデータ容量は以下の式で表現することができる。
SIZE_Np’=(Wp’×Hp’+Wq’×Hq’+Wr’×Hr’)×Byte_Np
ここで、Wp’とHp’はサイズ変換後のP画像の横と縦画素サイズ、Wq’とHq’はサイズ変換後のQ画像の横と縦画素サイズ、Wr’とHr’はサイズ変換後のR画像の横と縦画素サイズである。第1の実施形態同様、本実施形態での基本刺激画像のサイズをW=1280、H=1024とし、は分光補助画像データのバイト数(PQR値の各値のバイト数)をByte_Np=1とすると、サイズ変換後の分光補助画像のデータ容量は、
SIZE_Np’=((2H/3×2W/3)+(H/2×W/2)+(H/3×W/3))×1=(4/9+1/4+1/9)×1280×1024=1,055,858バイト(約1.01メガバイト)
となる。第1の実施形態では、分光補助画像のデータ容量は約1.67メガバイトであった。本実施形態では更に約0.66メガバイトのデータ容量の削減が可能である。以上説明したように、第2の実施形態によれば、分光補助係数の画像サイズを、分光情報に与える影響度を考慮して段階的に変化させることで、色再現精度の低減を抑制しつつ画像データの容量を更に抑えることが可能である。
<実施形態3>
第1、第2の実施形態では、分光補助係数(PQR値)の各画素のデータ容量は、PQR画像の全てについて基本刺激値(L*a*b*値)と同一の容量となる形態であった。本実施形態3では、分光補助係数の各画素のビット数が、基本刺激値のビット数よりも少ない構成とする。
図15は、本実施形態における画像データ作成部202の構成を示したブロック図である。図3の画像データ作成部に対し、画像サイズ変換部308を削除し、ビット削減部1501を追加した。
図16は、図15の画像データ作成部の動作について説明するフローチャートである。図4の画像データ作成部のフローチャート対し、分光補助係数画像のサイズ変換(ステップ408)を削除し、分光補助係数画像のビット削減(ステップ1601)を追加した。
分光補助係数画像のビット削減は次式の通り行う。
Bit_Np’=Bit_Np>>S
ここで、Bit_Npはビット削減前の分光補助係数のビット数である。Bit_Np’はビット削減後の分光補助係数である。Sは分光補助係数のビット削減量を示している。なお、上式の>>は右方向へのビットシフトを表す記号である。
図17には、ビット数を削減した分光補助画像の一例を示した。実施形態3では、ビット削減後の分光補助画像データのビット数が4となる構成である。この時、分光補助画像のデータ容量(バイト数)は次式で表すことができる。
SIZE_Np’=W×H×Bit_Np’×3/8
ここで、画像サイズをW=1280、H=1024とすると、
SIZE_Np’=1280×1024×4×3/8=1,966,080バイト(約1.88メガバイト)
となる。ビット削減を行わない場合には、基本刺激データと同じデータ容量が必要となる。その容量は約3.75メガバイトであることから、分光補助画像データに必要とされるデータ容量を半減することができる。
図18は、本実施形態における画像処理部203の構成を示したブロック図である。図12のブロック図に対して、画像サイズ再変換部1202を削除し、分光補助係数計算部1801を追加した構成である。
分光補助係数計算部1801では、ビット削減部1501で削減されたデータから分光補助係数を、以下の式を用いて再計算する。
Bit_Np’’=Bit_Np’<<S
なお、上式の<<は左方向へのビットシフトを表す記号である。その後、出力色算出部1204にて色変換テーブル1203を参照して、基本画像形成部の出力色を決定する。
実施形態3では、ビット削減処理を行った後の分光補助係数PQRのビット数を4としたが、分光補助係数のビット数の設定はこの限りではない。基本刺激値のビット数よりも少ないビット数であれば、本実施形態3は実現可能であることは言うまでもない。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、分光補助係数の各画素のビット数を、基本刺激値のビット数よりも少なくすることで、分光画像の解像度を損なうことなく、データ容量を低減した画像処理方法を提供することが可能となる。
<実施形態4>
第3の実施形態では、分光補助係数(PQR値)の各画素のビット数は、PQR画像の全てについて均一となる形態であった。本実施形態4では、分光補助係数PQRの変動範囲を考慮して、画像データの分光補助係数のビット数を設定する構成とする。
本実施形態では、図16の分光補助係数画像のビット削減(ステップ1601)を次式の通り行う。
Bit_Np_p’=Bit_Np>>S_p
Bit_Np_q’=Bit_Np>>S_q
Bit_Np_r’=Bit_Np>>S_r
ここで、Bit_Npはビット削減前の分光補助係数のビット数である。Bit_Np_p’、Bit_Np_q’、Bit_Np_r’は、ビット削減後の分光補助係数P、Q、Rである。S_p、S_q、S_rは、分光補助係数P、Q、Rに対応するビット削減量を示している。
図11のPQR値のヒストグラムで示されたように、PQR値の変動範囲はP>Q>Rであることから、本実施形態では、ビット削減量をS_p=2、S_q=4、S_r=6と設定する。ビット削減前の分光補助係数のビット数はBit_Np=8とすると、ビット削減を行った後のPQR画像のビット数は、Bit_Np_p’=6、Bit_Np_q’=4、Bit_Np_r’=2となる。
図19には、ビット数を削減した分光補助画像の一例を示した。実施形態4では、分光補助画像データ(P画像データ、Q画像データ、R画像データ)に対して、ビット削減後のビット数がP>Q>Rとなる構成である。この時、分光補助画像のデータ容量(バイト数)は次式で表すことができる。
SIZE_Np’=W×H×(Bit_Np_p’+Bit_Np_q’+Bit_Np_r’)/8
ここで、画像サイズをW=1280、H=1024とすると、
SIZE_Np’=1280×1024×(6+4+2)/8=1,966,080バイト(約1.88メガバイト)
となる。
図18の分光補助係数計算部1801では、ビット削減部1501で削減されたデータから分光補助係数を、以下の式を用いて再計算する。
Bit_Np_p’’=Bit_Np_p’<<S_p
Bit_Np_q’’=Bit_Np_q’<<S_q
Bit_Np_r’’=Bit_Np_r’<<S_r
Bit_Np_p’’、Bit_Np_q’’、Bit_Np_r’’は、再計算後の分光補助係数P、Q、Rである。
その後、出力色算出部1204にて色変換テーブル1203を参照して、基本画像形成部の出力色を決定する。
実施形態4では、ビット削減処理を行った後の分光補助係数PQRのビット数を、同係数の変動範囲を考慮して、Bit_Np_p’=6、Bit_Np_q’=4、Bit_Np_r’=2としたが、分光補助係数のビット数の設定はこの限りではない。削減後のビット数が一致する分光補助係数があっても差し支えない。例えば、Bit_Np_p’=6、Bit_Np_q’=4、Bit_Np_r’=4のように、QRに対して同一のビット数を保持する形態でも本実施形態4は実現可能であることは言うまでもない。
以上説明したように、第4の実施形態では、分光補助係数の各画素のビット数を、基本刺激値のビット数を分光情報に与える影響度を考慮して段階的に変化させる。よって、第4の実施形態によれば、分光画像の解像度を損なうことなく、且つ、色再現精度の低減を抑制できる画像処理方法を提供することができる。
<実施形態5>
第1、第3、第4の実施形態では、画像サイズ変換後の分光補助係数(PQR値)の画像サイズは、PQR画像の全てについて均一となる形態であった。また、第2の実施形態では、分光情報に与える影響度を考慮して分光補助係数の画像サイズを変換する形態であるが、各画素のデータ容量は、PQR画像の全てについて基本刺激値(L*a*b*値)と同一の容量となる形態であった。本実施形態5では、分光情報に与える影響度を考慮して分光補助画像のサイズ変換を実施する構成とする。分光補助係数の各画素のビット数が、基本刺激値のビット数よりも少ない構成とする。
図20は、本実施形態における画像データ作成部202の構成を示したブロック図である。図3の画像データ作成部に対し、ビット削減部1501を追加した構成である。
図21は、図20の画像データ作成部の動作について説明するフローチャートである。図4の画像データ作成部のフローチャート対し、分光補助係数画像のビット削減(ステップ1601)を追加した。分光補助係数画像のビット削減は第3、第4の実施形態で実施した手法に順ずる。
本実施形態の画像データ作成部202では、一例として分光補助係数の画像サイズを画像サイズ変換部308で変換した後、ビット削減部1501でビット数を削減としている。これは1例であり、画像サイズ変換とビット削減の処理手順を反転した構成でも構わない。
図22には、画像サイズを変換した後、ビット数を削減した分光補助画像の例を3点示した。図中の「分光補助画像データ例1」では、画像サイズ変換後の分光補助係数の画像サイズをPQRで均等にし、ビット削減後の分光補助画像データのビット数が全て4となる構成である。「分光補助画像データ例2」では、画像サイズ変換後の分光補助係数の画像サイズを分光情報に与える影響度を考慮して段階的に変化させ、ビット削減後の分光補助画像データのビット数が全て4となる構成である。最後に、「分光補助画像データ例3」では、画像サイズ変換後の分光補助係数の画像サイズとビット削減後の分光補助画像データのビット数とを分光情報に与える影響度を考慮して段階的に変化させる構成である。
図23は、本実施形態における画像処理部203の構成を示したブロック図である。図12のブロック図に対して、分光補助係数計算部1801を追加した構成である。分光補助係数計算部1801動作については前述の通りである。分光補助画像データに実施する処理の手順としては、分光補助係数の計算を実施した後、画像サイズの再変換を行う。同処理手順が反転しても本実施形態は実行可能であることは言うまでもない。
以上説明したように、第5の実施形態によれば、分光補助係数の画像サイズを基本刺激画像よりも小さくすると同時に、分光補助係数画像の各画素のビット数を基本刺激値のビット数よりも少なくする。これにより、色再現精度の低減を抑制しながら、更にデータ容量を低減した画像処理方法を提供することが可能となる。
<実施形態6>
第1から第5の実施形態では、分光補助係数が保持される画像のサイズ、各画素のビット数は予め規定された構成であった。本実施形態6では、ユーザーインタフェイスを介して、ユーザーが分光補助画像のサイズと各画素のビット数を指定可能な構成である。
図24には、分光補助画像のサイズと各画素のビット数を指定するためのユーザーインタフェイスの一例である。該ユーザーインターフェイスでは、分光補助画像のサイズと各画素のビット数の他に、分光補助画像の次元数も変更することが可能である。該ユーザーインターフェイスから与えられる次元数、画像サイズ、ビット数に応じて、画像データ作成部202にて画像データを作成する。
以上説明したように、第6の実施形態によれば、分光補助画像のサイズと各画素のビット数をユーザーが指定することにより、ユーザーの好みに応じた画像データの作成、並びに画像処理を実現するこが可能である。
<実施形態7>
第1から第6の実施形態にて使用する画像データ(図7)には、分光基本刺激算出関数と分光補助係数導出関数から構成される分光補助関数が含まれる構成とした。画像処理部にて、基本刺激画像データと分光補助画像データから分光情報を再構成する必要がない場合には、画像データに分光補助関数を格納しなくても構わない。ヘッダ、基本刺激画像データ、分光補助画像データが格納される構成であっても、第1から第6の実施形態は実行可能である。
第1から第6の実施形態では、色空間の一例として6次元のLabPQRを用いて説明したが、CIELABに付随する分光空間の次元数は3次元に限定されるものではない。第1主成分ベクトルに対応するP値とCIELABで構成される4次元の色空間、第1主成分ベクトルと第2主成分ベクトルに対応するPQ値とCIELABで構成される5次元の色空間であっても差し支えない。更には、第4主成分ベクトル以降も加味した7次元以上の色空間を用いた場合にも第1から第6の実施形態は実行可能である。
第1から第6の実施形態では、基本刺激値から分光基本刺激を算出する分光基本刺激算出関数303を決定するにあたりプリント物等の分光反射率を含むデータ群を使用したが、分光基本刺激算出関数の決定方法は上記の手法に限定されるものではない。特定のデータ群を使用せず、等色関数と環境光源等を用いて分光基本刺激算出関数を算出しても差し支えない。
第1から第6の実施形態では、基本刺激値としてCIELABと用いて説明したが、その他の基本刺激を用いても差し支えない。例えば、CIELUV、CIEXYZ等に代表される特定の環境光源下における三刺激値、またはそれから派生して算出される色彩値(例えば、RGB)である。更には、見えの影響を加味したCIECAM97、CIECAM02等のカラーアペアランスモデルを基本刺激値として採用した場合にも、本実施形態1から6は実行可能である。
第1の実施形態にかかる画像処理装置のハードウェア構成を示す図である。 第1の実施形態にかかる画像処理装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態にかかる図2の画像データ作成部の構成を示すブロック図である。 図3の画像データ作成部の動作を示すフローチャートである。 分光画像が格納されるメモリ配列の一例である。 第1の実施形態としての画像データの一例である。 画像データが格納されるメモリ配列の一例である。 図3の分光基本刺激算出関数と分光補助係数算出関数の決定方法を示すフローチャートである。 729色のプリントパッチから導出した分光基本刺激算出関数である。 プリントパッチから導出した分光補助係数算出関数である。 プリントパッチのから算出した分光基本刺激算出関数と分光補助係数算出関数によって導かれるPQR値のヒストグラムである。 第2の実施形態にかかる図2の画像処理部の構成を示すブロック図である。 6次元の色変換テーブルの一例である。 第2の実施形態としての画像データの一例である。 第3の実施形態にかかる図2の画像データ作成部の構成を示すブロック図である。 図15の画像データ作成部の動作を示すフローチャートである。 第3の実施形態としての画像データの一例である。 第3の実施形態にかかるの図2の画像処理部の構成を示すブロック図である。 第4の実施形態としての画像データの一例である。 第5の実施形態にかかる図2の画像データ作成部の構成を示すブロック図である。 図20の画像データ作成部の動作を示すフローチャートである。 第5の実施形態としての画像データの一例である。 第5の実施形態にかかるの図2の画像処理部の構成を示すブロック図である。 分光補助画像のサイズと各画素のビット数を指定するためのユーザーインタフェイスの一例である。

Claims (15)

  1. 基本刺激値と分光補助係数を含む、画像を示す画像データを入力する入力手段と、
    前記画像データに対して画像処理を行う画像処理手段とを有し、
    前記分光補助係数は、前記基本刺激値から分光情報を推定した際の分光誤差に基づいて決定されており、前記画像を示す前記分光補助係数の画像サイズは、該画像を示す前記基本刺激の画像サイズよりも小さいことを特徴とする画像処理装置。
  2. さらに、前記分光補助係数に対応する画像サイズを、前記基本刺激に対応する画像サイズと同一の画像サイズに変換する変換手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 基本刺激値と分光補助係数を含む、画像を示す画像データを入力する入力手段と、
    前記画像データに対して画像処理を行う画像処理手段とを有し、
    前記分光補助係数は、前記基本刺激値から分光情報を推定した際の分光誤差に基づいて決定されており、
    前記分光補助係数には、分光情報に与える影響度が異なる第1および第2の係数が含まれ、前記画像を示す前記第2の係数の画像サイズは、該画像を示す前記第1の係数の画像サイズよりも小さいことを特徴とする画像処理装置。
  4. さらに、前記分光補助係数に対応する画像サイズを、前記基本刺激に対応する画像サイズと同一の画像サイズに変換する変換手段を有することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 基本刺激値と分光補助係数を含む、画像を示す画像データを入力する入力手段と、
    前記画像データに対して画像処理を行う画像処理手段とを有し、
    前記分光補助係数は、前記基本刺激値から分光情報を推定した際の分光誤差に基づいて決定されており、
    前記分光補助係数のビット数は、前記基本刺激のビット数よりも小さいことを特徴とする画像処理装置。
  6. さらに、前記分光補助係数のビット数を、前記基本刺激のビット数と同一のビット数に変換する変換手段を有することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 基本刺激値と分光補助係数を含む、画像を示す画像データを入力する入力手段と、
    前記画像データに対して画像処理を行う画像処理手段とを有し、
    前記分光補助係数は、前記基本刺激値から分光情報を推定した際の分光誤差に基づいて決定されており、
    前記分光補助係数には、分光情報に与える影響度が異なる第1および第2の係数が含まれ、前記第2の係数のビット数は、前記第1の係数のビット数よりも小さいことを特徴とする画像処理装置。
  8. さらに、前記第1の係数のビット数および第2の係数のビット数を、前記基本刺激に対応するビット数と同一のビット数に変換する変換手段を有することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 画像の分光情報を入力する入力手段と、
    前記分光情報から基本刺激値および分光補助係数を算出する算出手段と、
    前記分光補助係数の画像サイズを縮小する縮小手段と、
    前記算出された基本刺激値と前記縮小された分光補助係数とを組み合わせて画像ファイルとして格納する格納手段とを有し、
    前記分光補助係数は、前記基本刺激値から分光情報を推定した際の分光誤差に基づいて決定されており、
    前記画像ファイルに格納された分光補助係数に対応する画像サイズは、該画像ファイルに格納された基本刺激に対応する画像サイズよりも小さいことを特徴とする画像処理装置。
  10. 画像の分光情報を入力する入力手段と、
    前記分光情報から基本刺激値および分光補助係数を算出する算出手段と、
    前記分光補助係数の画像サイズを縮小する縮小手段と、
    前記算出された基本刺激値と前記縮小された分光補助係数とを組み合わせて画像ファイルとして格納する格納手段とを有し、
    前記分光補助係数は、前記基本刺激値から分光情報を推定した際の分光誤差に基づいて決定されており、
    前記分光補助係数には、分光情報に与える影響度が異なる第1および第2の係数が含まれ、前記分光補助係数に対応する画像サイズにおいて、前記第2の係数の画像サイズは、前記第1の係数の画像サイズよりも小さいことを特徴とする画像処理装置。
  11. 画像の分光情報を入力する入力手段と、
    前記分光情報から基本刺激値および分光補助係数を算出する算出手段と、
    前記分光補助係数のビット数を削減する削減手段と、
    前記算出された基本刺激値と前記縮小された分光補助係数とを組み合わせて画像ファイルとして格納する格納手段とを有し、
    前記分光補助係数は、前記基本刺激値から分光情報を推定した際の分光誤差に基づいて決定されており、
    前記分光補助係数のビット数は、前記基本刺激のビット数よりも小さいことを特徴とする画像処理装置。
  12. 画像の分光情報を入力する入力手段と、
    前記分光情報から基本刺激値および分光補助係数を算出する算出手段と、
    前記分光補助係数のビット数を削減する削減手段と、
    前記算出された基本刺激値と前記縮小された分光補助係数とを組み合わせて画像ファイルとして格納する格納手段とを有し、
    前記分光補助係数は、前記基本刺激値から分光情報を推定した際の分光誤差に基づいて決定されており、
    前記分光補助係数には、分光情報に与える影響度が異なる第1および第2の係数が含まれ、前記第2の係数のビット数は、前記第1の係数のビット数よりも小さいことを特徴とする画像処理装置。
  13. 前記分光補助係数は、前記分光誤差の主成分に対する係数であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の画像処理装置。
  14. 前記基本刺激値は特定の環境光源下における三刺激値、RGB値、又はカラーアピアランスモデル変換された値であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の画像処理装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれかに記載の画像処理装置をコンピュータを用いて実現するためのプログラムが、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていることを特徴とする記録媒体。
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