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JP4674081B2 - 定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に備えられた定着装置に関し、特に2次転写転写部において定着ローラ上にトナー像を転写し、定着ローラ上で加熱溶融させた後に記録媒体(記録シート)上に転写定着(3次転写)させるTransfix定着方式にも適用され得るものである。
Transfix定着方式は、定着ローラ上に転写させたトナー像を輻射熱源と反射板の作用により直接加熱する定着システムであるが、定着ローラ上にトナー像を形成した場合に、トナー像のある部分はトナーが直接輻射熱を受けて、トナー像のない部分は定着ローラ表面が直接輻射熱を受けるため、記録媒体上にトナー像を定着させた後には定着ローラ表面に画像パターンに沿って温度ムラが発生してしまうという問題がある。その後、再度2次転写部において定着ローラ上にトナー像を転写した場合に、前工程での画像パターンに沿った温度ムラが熱履歴となって残り、次の画像に影響を及ぼすことが懸念される。具体的には、光沢ムラ、定着ムラ、梨地・柚肌のムラといった画像上の不具合が発生する可能性がある。
特開昭59−019976号公報 特開平08−137277号公報 特開2004−086091号公報 特開昭60−254071号公報 特開2000−29341号公報 特開2001−201978号公報 特開2002−244450号公報 特開2002−055552号公報
従来よく知られた画像形成装置における定着方式は、未定着トナー像を加熱及び加圧することで記録媒体上に定着させるものである。記録媒体にトナーを固着するに際して、トナーを加熱溶融するために、ハロゲンランプによる放射熱を用いたり、薄い金属層(導体)を有する耐熱性フィルム材を無端ベルト状又は円筒状として記録媒体に接触させることが行われているが、いずれにせよ、定着装置ではかなりの熱エネルギーが発生するため、周囲の機器に影響を与えかねず、その対策が必要とされた。
一方、蒸発・凝縮の潜熱を利用して僅かな温度差にもかかわらず大量の熱エネルギーの輸送を急速に行うことができる「ヒートパイプ」なるものが知られている。これは、パイプの中に作動液を少し封入した熱伝導素子であって、熱伝導率の高い銅の更に数百倍という熱伝導体である。
画像形成装置における加熱手段から他の画像形成部が熱影響されることを防ぐべく、このようなヒートパイプを冷却手段として用いる提案が特許文献1、特許文献2、特許文献3においてなされている。また印刷実行の間のみ定着装置を加熱する「オンデマンド定着方式」を実現するために、特許文献4や特許文献5では、定着ローラ自体をヒートパイプとし、誘導加熱作用と相俟って、予熱時間の短縮化が図られている。
ヒートパイプの極めて高い熱伝導率に着目して、定着ニップにおける連続通紙時の非通紙領域での温度上昇を防止するために熱拡散部材としてヒートパイプを用いることも特許文献6で提案されている。同じく通紙部と非通紙部での温度差を解消する温度均一化手段としてヒートパイプを用いることが特許文献7で開示されている。
熱容量の小さい耐熱性フィルムを用いる定着装置において、ウォームアップタイムを短縮しながら、耐熱性フィルムの幅方向の温度ムラを低減可能とするために、特許文献8において、第2ローラ体の外部に設けられた温度ムラ低減部材にヒートパイプを設けるようにする構成が開示されている。
本発明は、立ち上がり時間が短く、しかも定着部材上に発生する前作像工程での画像履歴に起因する温度ムラや小サイズ紙の連続通紙による長手方向での温度ムラを防止できる定着装置を提供することを目的とする。
上記課題は、本発明によれば、未定着画像を転写搬送する第1回転部材と、当該第1回転部材上の画像を加熱する加熱手段と、上記第1回転部材と共にニップを形成する加圧回転部材とを備え、ニップを通過する記録媒体上に画像情報を転写定着する定着装置において、第1回転部材の軸線方向に平行に存し、かつその軸線方向に沿って当該第1回転部材と接触回転するヒートパイプを備え、当該ヒートパイプの一方の端部に放熱部材を、他方の端部に更なる加熱部材を付設することで、解決される。
の際、ヒートパイプがクリーニングローラを兼ねれば、好適である
本発明によれば、定着動作において立ち上がり時間が短く、且つ定着部材上に発生する前作像工程での画像履歴に起因した温度ムラや小サイズ紙の連続通紙による長手方向での温度ムラを防止できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
先ず本発明の範囲に含まれるものではないが、図1に基づき、ヒートパイプを定着ローラ自体で構成する例における画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の構成及び動作の概要を説明する。カラー複写機1は、装置本体中央部に位置する画像形成部1Aと、当該画像形成部1Aの下方に位置する給紙部1Bと、画像形成部1Aの上方に位置する不図示の画像読取部を有している。
画像形成部1Aには、水平方向に延在する複数の転写面を有する中間転写体としての中間転写ベルト2が配置され、当該中間転写ベルト2の上面(転写面)には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。即ち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体3Y,3M,3C,3Bが中間転写ベルト2の転写面に沿って並置されている。
各感光体3Y,3M,3C,3Bはそれぞれ同じ方向(図面で見て反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置4、光書き込み手段としての書き込み装置5、現像装置6、1次転写装置7、及びクリーニング装置8が配置されている。各符号に付記しているアルファベットは、感光体3と同様、トナーの色別に対応している。各現像装置6には、それぞれのカラートナーが収容されている。中間転写ベルト2は、駆動ローラ9と、従動ローラ10に掛け回されて感光体3Y,3M,3C,3Bとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。従動ローラ10と対向する位置には、中間転写ベルト2の表面をクリーニングするクリーニング装置11が設けられている。
感光体3Yの表面が帯電装置4Yにより一様に帯電され、画像読取部からの画像情報に基づいて感光体3Y上に静電潜像が形成される。当該静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置6Yによりトナー像として可視像化され、当該トナー像は所定バイアスが印加される1次転写装置7Yにより中間転写ベルト2上へ1次転写される。他の感光体3M,3C,3Bでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が中間転写ベルト2上に順に転写されて重ね合わせられる。転写後、感光体3上に残留したトナーはクリーニング装置8により除去され、また転写後、不図示の除電ランプにより感光体3の電位が初期化され、次の作像工程に備えられる。
給紙部1Bは、記録媒体としての用紙Pを積載収容する給紙トレイ16と、当該給紙トレイ16内の用紙Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して給紙する給紙コロ17と、給紙された用紙Pを搬送する搬送ローラ対18と、用紙Pを一旦停止し、斜めずれを修正した後、転写定着ローラ13上の画像の先端と搬送方向の所定位置とが一致するタイミングでニップNに向けて送り出すレジストローラ対19を有している。
駆動ローラ9の近傍には、定着装置12が設けられている。定着装置12には、転写定着ローラ13のほかに、当該ローラと対峙して設けられ、互いにバネなどの加圧手段で押圧されニップNを形成する加圧ローラ14を有している。
感光体3Y,3M,3C,3Bから中間転写ベルト2上に1次転写されたトナー像T(以下、単にトナーともいう)は、不図示の2次バイアス印加手段で駆動ローラ9に印加されるバイアス(AC、パルスなどの重畳を含む)により転写定着ローラ13に静電気力で2次的に転写される。
図1に示すように、中間転写ベルト2と転写定着ローラ13との間には、転写定着ローラ13から中間転写ベルト2への熱放射(熱移動)を抑制する熱遮蔽部材又は熱移動抑止部材としての断熱プレート20が設けられている。断熱プレート20は、中間転写ベルト2から転写定着ローラ13への2次転写を阻害しない状態で中間転写ベルト2への熱放射を極力抑えるように、開口部を有する形状に形成されており、定着装置本体、画像形成装置本体のいずれの側に設けてもよい。熱移動抑止部材としては、放射率の低い金属光沢を有する板状のものが好ましく、特に2枚の金属シートを微小空隙又は断熱材を挟んで配置すると優れた効果が得られる。また、ノートパソコンのCPU冷却用に用いられるマイクロヒートパイプ構造を内包する薄板を用いた場合、熱移動抑止部材を低温に保ち熱移動を高い次元で抑制することができる。断熱プレート20によって、中間転写体の温度上昇をある程度低減でき、中間転写体側の熱劣化を抑制できる。
転写定着ローラ13及び加圧ローラ14は、アルミニウム等の金属製パイプ状芯金53を有し、その表面に0.05〜0.5mm程度の弾性層と10〜30μmのフッ素系樹脂材料であるPFAやPTFE等の離型層がコーティング、或いはチューブにより構成される。また転写定着ローラ13の外側近傍と加圧ローラ14の内部には、それぞれのローラ表層上のトナー像を加熱する加熱手段としてハロゲンヒータ15が設けられている。用紙長さ分の画像を保持する必要があるため、転写定着ローラ13の外径は記録媒体長さと同等かそれ以上の長さが確保できる寸法となっている。また、転写定着ローラ13及び第2転写定着ローラ14の表面温度を測定するための非画像領域に設けられた不図示のサーミスタと、それぞれの表面温度に基づいてハロゲンヒータ15のオンオフをコントロールする不図示の温度コントローラが設けられ、それぞれ独立に温度をコントロールできるようになっている。
また、転写定着ローラ13及び加圧ローラ14の離型層をカーボン等の導電物質を分散させた導電性のフッ素系樹脂材料で構成して芯金と接続することで、当該離型層間に転写バイアスを印加することが可能となり、転写バイアスを低電圧にでき、且つ転写時の飛び散りを抑制できる。
図2、図3に基いて図1に示した定着装置の詳細を説明する。図2において、中間転写ベルト2上に載ったトナー画像は、駆動ローラ9と転写定着ローラ13が接触、或いは微小ギャップを有した状態で、中間転写ベルト2から転写定着ローラ13に転写される。転写定着ローラ13上のトナー画像は、転写定着ローラ13上にハロゲンヒータ15が発する輻射エネルギーをリフレクタ32で集光することにより加熱されて半溶融状態になる。転写定着ローラ13の表面温度は、マシン本体の電源がオンされてから複写工程に入るまでに、リフレクタ32の内側範囲と加圧ローラ14の内部に設けられた各ハロゲンヒータ15並びに後述の誘導加熱により所定温度に温調制御される。転写定着ローラ13の表面温度としては、中間転写ベルト2に対し過度に温度負荷をかけないように100℃以下、望ましくは約80℃程度に温調される。
加圧ローラ14内部のハロゲンヒータ15と後述する誘導コイルは複写工程に入るとオフされて、電力はリフレクタ32の内側範囲に設けられたハロゲンヒータ15に供給されるようになっている。複写工程に入ってトナー画像がリフレクタ32やそのハロゲンヒータ15の存する複写領域を通過した直後には、トナー層中の温度分布は転写定着ローラ13に接触している側よりもハロゲンヒータ15側に向いている側、即ち、記録媒体と接触する側が高くなる。具体的には、転写定着ローラ13に接触している部分が前述のように約80℃であるのに対して、ハロゲンヒータ15側に向いている部分は、記録媒体に対して十分な定着強度が得られる温度を必要とし、それが上記80℃より高いからである。発明者らの検討では、十分な定着強度を得るのに必要なトナー画像と記録媒体の接触界面温度は110〜120℃程度である。しかも、記録媒体に比べて格段に熱容量の小さいトナー粒子は記録媒体に接触した瞬間に温度が急激に低下してしまうため、定着ニップ出口で定着工程を完了するためには定着ニップ入口でトナー温度を持ち上げておく必要があることは明白である。例えば、輻射によりトナーがリフレクタ32通過後に150℃程度まで加熱されるとすると、同時に転写定着ローラ13の表面でトナー画像の載っていない部分も輻射エネルギーを直接受けることで温度が上昇する。転写定着ローラ13の表面は、立ち上がり時の輻射エネルギー吸収率を上げるために黒色化されており、そのため、従来では、トナー粒子と転写定着ローラ13の界面温度は、直接輻射エネルギーを受けている転写定着ローラ13の表面温度よりも低くなり、転写定着ローラ13の表面温度が均一ではなく、トナー画像パターン状に温度ムラになっていた。また定着ニップにおいて、トナー画像が記録媒体上に定着された後にも、定着ローラ上の温度ムラは残っていた。
本例では、転写定着ローラ13をヒートパイプ22によって構成することで、このような温度ムラを可能な限り解消する。つまり、ヒートパイプ22内部の作動液23の作用により転写定着ローラ13の長手方向での温度分布が均一化し、前述の温度ムラが解消できる。そのため、定着処理後、中間転写ベルト2から転写定着ローラ13に別のトナー画像パターンが転写された時でも、前のトナー画像パターンによる履歴が残らず、定着性のムラ、或いは光沢度のムラが発生せず、良好な画像品質が得られる。
図3に示すように、ヒートパイプ22の一端には放熱部材27が接触して取り付けられている。そして、その外周には更にアルミ等、熱伝導率の良好な金属よりなる放熱フィン29が配置されている。立ち上がり時、ヒートパイプ22は回転しているが、端部の放熱フィン29は停止していて、連結部分でヒートパイプ22は空転している構成になっている。電磁クラッチ28が作動することにより放熱フィン29はヒートパイプ22とともに回転する。もう一方の端部には発熱層25、断熱層24、誘導コイル26から成る加熱装置が設けられている。具体的には、端部に面状発熱体が貼り付けられ通電により発熱する構成、或いは端部にAg等の金属層が設けられ、近接位置に誘導コイル26が設けられて、誘導加熱により発熱する構成である。立ち上がり時には、ハロゲンヒータ15及びリフレクタ32による外部加熱に加えて、一方の端部に設けられた加熱装置を作動させることで、端部から長手方向にわたってヒートパイプ22の作用により熱が素早く伝達されて、立ち上がり時間を著しく短縮することが可能である。所定の定着温度に達した後には、加熱装置はオフして通常のヒートパイプとして機能する。画像の長手方向において、極端にベタ面積分布が異なる画像パターンを連続して通紙する場合や小サイズ紙を連続して通紙する場合にも、端部の放熱フィン29が電磁クラッチ28の作用でヒートパイプ22と連れ回りし、更に放熱フィン29に対して、その側方に配されたファン30によってエアーフローを加えることで、長手方向の温度均一化が素早く行われる。
次に、図4に基づいて、定着装置の本発明に係る例について説明する。本例が図2,3の例と異なる点は、ヒートパイプ22が転写定着ローラ13の外周部に接触して設けられていることである。ヒートパイプ22の構造は図3に示されたものと同じである。図2,3の例と同じ部材については同じ参照符号を付すことで、それら部材の改めての説明は省略する。そして本例では、転写定着ローラ13の内部にもハロゲンヒータ15が設けられていて、3ヶ所のハロゲンヒータ15を点灯させることで誘導加熱と相俟って立ち上がり時間をいっそう短縮することができる。転写定着ローラ13の表面温度が所定温度まで立ち上がってトナー画像の定着工程に入ってからは、リフレクタ32の内側範囲に設けられたハロゲンヒータ15のみによってトナー及び転写定着ローラ13が加熱される。トナー画像が記録媒体上に定着された直後には、第1の実施例と同様に温度ムラが発生し得るが、次に中間転写ベルト2と接触する前にヒートパイプ22が接触回転することで、作動液23の作用により転写定着ローラ13表面の温度ムラが解消される。本例の外部ヒートパイプ22はクリーニングローラとして構成されていてもよい。その場合、クリーニングローラ表面は転写定着ローラ13の表面よりも離型性の劣る材料で構成される。定着ニップで記録媒体上に定着された後に転写定着ローラ13上に残るトナー粒子をクリーニングでき、画像汚れの無い良好な画像が得られる。
画像形成装置全体の構成を示す図である。 ヒートパイプが定着ローラそれ自体を構成する場合の定着装置を示す図である。 ヒートパイプの構成を示す概略図である。 定着装置の本発明に係る例を示す図である。
符号の説明
2 中間転写ベルト
9 駆動ローラ
13 転写定着ローラ
14 加圧ローラ
15 ハロゲンヒータ
22 ヒートパイプ
23 作動液
32 リフレクタ

Claims (3)

  1. 未定着画像を転写搬送する第1回転部材と、当該第1回転部材上の画像を加熱する加熱手段と、上記第1回転部材と共にニップを形成する加圧回転部材とを備え、ニップを通過する記録媒体上に画像情報を転写定着する定着装置において、第1回転部材の軸線方向に平行に存し、かつその軸線方向に沿って当該第1回転部材と接触回転するヒートパイプを備え、当該ヒートパイプの一方の端部に放熱部材を、他方の端部に更なる加熱部材を付設することを特徴とする定着装置。
  2. ヒートパイプがクリーニングローラを兼ねることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  3. 請求項1又は2に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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