JP4668077B2 - イソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法、それにより得られたイソインドリン構造を有する顔料微粒子の分散物、その顔料微粒子を含有する着色感光性樹脂組成物、および感光性樹脂転写材料、ならびにそれらを用いたカラーフィルタおよび液晶表示装置 - Google Patents
イソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法、それにより得られたイソインドリン構造を有する顔料微粒子の分散物、その顔料微粒子を含有する着色感光性樹脂組成物、および感光性樹脂転写材料、ならびにそれらを用いたカラーフィルタおよび液晶表示装置 Download PDFInfo
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そこで本発明は、ナノサイズで粒径分布ピークのシャープなイソインドリン構造を有する顔料微粒子およびその製造方法の提供を目的とし、さらにカラーフィルタに用いたときに優れた素表示特性を示すイソインドリン構造を有する顔料微粒子およびその製造方法の提供を目的する。さらにまた、上記のイソインドリン構造を有する顔料微粒子を用いて、目的の色純度と高いコントラストとを有し優れた画像表示特性を発揮するカラーフィルタおよびそれを用いた表示装置の提供を目的とし、またそれらに用いられる着色顔料分散組成物、着色感光性樹脂組成物、および感光性樹脂転写材料の提供を目的とする。
(1)C.I.ピグメントイエロー139又はC.I.ピグメントイエロー185からなるイソインドリン構造を有する顔料を良溶媒に溶解させた顔料溶液と、前記良溶媒と相溶性でありかつ前記顔料に対しては貧溶媒となる溶媒とを混合して、前記イソインドリン構造を有する顔料を平均粒径1〜200nmの顔料微粒子として生成させ分散液を調製し、該分散液を濃縮し、これを有機溶媒中で再分散化させるに当たり、前記顔料溶液及び貧溶媒の少なくともいずれか一方に分散剤を含有させておくことを特徴とするイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。
(2)前記分散剤が、下記一般式(I)で表される化合物、下記一般式(III)で表される化合物、および下記一般式(6)で表されるモノマーと下記一般式(2)で表されるモノマーと下記一般式(1)で表されるモノマーとを少なくとも重合させたグラフト共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)に記載のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。
(3)良溶媒がスルホキシド系溶媒、アミド系溶媒、またはその混合溶媒であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。
(4)良溶媒に前記分散剤を含有させることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。
(5)前記有機顔料溶液と貧溶媒の比(良溶媒/貧溶媒)が体積比で1/50〜2/3であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。
(6)前記貧溶媒が水系溶媒であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。
(7)前記分散液の濃縮及び再分散化を、
(i)前記分散液中の顔料微粒子を有機溶媒に抽出して、バインダーを添加する工程、または
(ii)前記分散液中の顔料微粒子を、バインダーを含む抽出溶媒に抽出する工程
を含む操作により行う(1)〜(6)のいずれか1項に記載のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。
(8)C.I.ピグメントイエロー139又はC.I.ピグメントイエロー185からなるイソインドリン構造を有する顔料の微粒子を有機溶媒に含有する分散物であって、
(1)〜(7)のいずれか1項に記載の製造方法で製造された、平均粒径1〜200nmの粒子であるイソインドリン構造を有する顔料微粒子を含有する分散物。
(9)少なくとも、(a)(8)に記載の分散物、(b)バインダー、(c)モノマーもしくはオリゴマー、および(d)光重合開始剤もしくは光重合開始系を含む着色感光性樹脂組成物。
(10)仮支持体上に少なくとも、(9)に記載の感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を設けたことを特徴とする感光性樹脂転写材料。
(11)(9)に記載の前記(c)モノマーもしくはオリゴマーを重合させた着色感光性樹脂組成物の重合膜を有するカラーフィルタ。
(12)請求項10に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
また本発明のイソインドリン構造を有する顔料微粒子を用いたカラーフィルタは、半透過型LCD、白色LEDバックライトLCD、カラーフィルタの透過率を高くして消費電力を抑えたLCDなど、小型モバイル用LCDのカラーフィルタに好適に用いることができ、それを備えた表示装置は表示ムラが抑えられ黒のしまりに優れ、緑顔料と組み合わせて用いたとき緑の描写再現性に優れるものである。
本発明のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法に用いられる有機顔料は、下記イソインドリン構造を有する顔料であること以外、特に制限はない。単独で用いても、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、アントラキノン、アントアントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、ジスアゾ、アゾ、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、イソインドリノン、ピラントロンもしくはイソビオラントロン系顔料などの混合物として用いてもよい。本発明においてイソインドリン構造を有する顔料は、C.I.ピグメントイエロー139(C.I.番号56298)又はC.I.ピグメントイエロー185である。
なかでも、緑顔料と組みあわせて用いることが好ましく、C.I.P.G.36と組み合わせて用いることがより好ましい。
有機色素としては、例えば、アゾ色素、シアニン色素、メロシアニン色素、クマリン系色素などが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリジアセチレン、ポリイミドなどが挙げられる。
また、水またはアルカリ現像を行うレジスト系の場合、現像により光未照射部のバインダーおよび/または染料を完全に除去するという観点では、酸性染料および/またはその誘導体が好適に使用できる場合がある。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/または、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
上記酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有するものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
有機色素としては、例えば、アゾ色素、シアニン色素、メロシアニン色素、クマリン系色素などが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリジアセチレン、ポリイミドなどが挙げられる。
次に、イソインドリン構造を有する顔料微粒子をナノメートルサイズの顔料微粒子(以下「有機ナノ粒子」ともいう。)として生成させるときの好ましい良溶媒について説明する。
良溶媒は用いる有機顔料を溶解することが可能で、有機顔料粒子作製時に用いる貧溶媒と相溶するもしくは均一に混ざるものであれば特に制限はない。有機顔料の良溶媒への溶解性は有機顔料の溶解度が0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。この溶解度は酸性またはアルカリ性で溶解された場合の溶解度であってもよい。また、良溶媒と貧溶媒との相溶性もしくは均一混合性は、良溶媒の貧溶媒に対する溶解度が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
有機顔料溶液の調製条件は、有機顔料溶液の調製条件に特に制約はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−10〜150℃が好ましく、−5〜130℃がより好ましく、0〜100℃が特に好ましい。
使用される酸の量は、有機顔料を均一に溶解可能な量であり、特に限定されないが、塩基に比べて過剰量用いられる場合が多い。無機酸および有機酸の場合を問わず、好ましくは有機顔料に対して3〜500モル当量であり、より好ましくは10〜500モル当量であり、さらに好ましくは30〜200モル当量である。
次に、有機ナノ粒子作製時の好ましい貧溶媒について説明する。
貧溶媒は用いる有機顔料を溶解せず、有機顔料粒子作製時に用いる良溶媒と相溶する、あるいは均一に混ざるものであれば特に制約はない。有機顔料の貧溶媒に対する溶解度は0.02質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましい。貧溶媒と良溶媒との相溶性もしくは均一混合性の好ましい範囲は前述のとおりである。
貧溶媒としては、例えば、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水系溶媒、アルコール系溶媒またはエステル系溶媒が好ましい。
本発明のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法においては、バインダーを有機ナノ粒子形成時に添加することが好ましい。バインダーは、酸性基を有するアルカリ可溶性バインダーであることが好ましい。有機顔料溶液および有機顔料溶液を添加して有機ナノ粒子を生成させるための貧溶媒の両方もしくは一方に酸性基を有するアルカリ可溶性バインダーを添加することができる。または酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー溶液を別系統で有機ナノ粒子形成時に添加することも好ましい。本発明のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法において用いられる酸性基を有するアルカリ可溶性バインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができ、またこの他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4,139,391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。
上記共重合体Aの組み合わせとしては、(i)酸成分モノマー、(ii)アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート(Acr(EO)n:CH3(OC2H4)nOCOC(CH3)=CHR)、および(iii)ベンジル(メタ)アクリレート(BzMA)の組成質量比は好ましくは10〜25/5〜25/50〜85、より好ましくは15〜20/5〜20/60〜80が好ましい。また、上記共重合体のGPCによるポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)としては好ましくは3,000〜50,000、より好ましくは5,000〜30,000である。
尚、前記(ii)アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート(Acr(EO)n:CH3(OC2H4)nOCOC(CH3)=CHR)のポリオキシエチレン(EO)nの繰り返し数nは、2〜15が好ましく、2〜10が更に好ましく、4〜10が特に好ましい。上記繰り返し数nが、前記範囲にあると、アルカリ現像液で現像した後に現像残渣が発生しにくく、組成物の塗布液としての流動性が低下し、塗布ムラを生じるのを防止でき、塗布膜厚の均一性や省液性が低下するのを防止できる。
これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよく、有機顔料100質量部に対する添加量は10〜200質量部が一般的であり、25〜100質量部が好ましい。
本発明のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法では、有機顔料溶液および有機顔料溶液を添加して有機ナノ粒子を生成させるための貧溶媒の両方もしくは一方に分散剤を添加する。分散剤は(1)析出した顔料表面に素早く吸着して、微細な顔料粒子を形成し、かつ(2)これらの粒子が再び凝集することを防ぐ作用を有するものである。
分散剤として、例えば、アニオン性、カチオン性、両イオン性、ノニオン性もしくは顔料性の、低分子または高分子分散剤を使用することができる。なお、高分子分散剤の分子量は溶液に均一に溶解できるものであれば制限なく用いることができるが、好ましくは分子量1,000〜2,000,000であり、5,000〜1,000,000がより好ましく、10,000〜500,000がさらに好ましく、10,000〜100,000が特に好ましい(本発明においては、特に断りのない限り、分子量とは重量平均分子量を意味し、具体的にはGPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。高分子化合物は多分散系であり、必ずしも同一の分子量または粒子量を持たない。したがって、分子量を測定すると得られた値はなんらかの形で平均された平均分子量になる。その主なものは次の3種類である。すなわち、1)数平均分子量Mn、2)重量平均分子量Mw、3)Z平均分子量Mzであり、Mn<Mw<Mzの関係が成立する。)。高分子分散剤としては、具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール−部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール−部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、セルロース誘導体、澱粉誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類も使用できる。なかでも、ポリビニルピロリドンが好ましい。これら高分子は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの分散剤は、単独あるいは併用して使用することができる。顔料の分散に用いる分散剤に関しては、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」(化学情報協会、2001年12月発行)の29〜46頁に詳しく記載されている。
ノニオン性分散剤(ノニオン性界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法においては、顔料分散剤を良溶媒に含有させることが好ましく、窒素原子及びエーテル基を有するグラフト共重合体を含有する顔料分散剤を用いることがより好ましい。
前記グラフト共重合体は、窒素原子及びエーテル基を少なくとも有してなり、その他のモノマー等を共重合体単位として含んでいてもよい。前記グラフト共重合体において、前記窒素原子は、主鎖に存在していてもよいし側鎖に存在していてもよい。
前記グラフト共重合体の重量平均分子量(Mw)としては、3000〜100000が好ましく、5000〜50000がより好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、3000未満であると、顔料の凝集を防ぐことができず、粘度が上昇してしまうことがあり、100000を超えると有機溶剤への溶解性が不足し、粘度が上昇してしまうことがある。なお、該重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(キャリア:テトラヒドロフラン)により測定されるポリスチレン換算重量平均分子量である。
前記グラフト共重合体は、図1に示した通り、エーテル基を有する側鎖5と窒素原子3とを少なくとも有する主鎖に、重合性オリゴマーによる側鎖2がグラフト共重合により結合しており、主鎖と側鎖との結合部1は、前記重合性オリゴマーにおける末端のエチレン性不飽和二重結合による重合反応の結果生じたものである。前記主鎖及び/又は前記側鎖は、必要に応じて、その他のモノマーを共重合単位として含んでいてもよい。
前記重合性オリゴマー(以下、「マクロモノマー」と称することがある。)は、エチレン性不飽和二重結合を有する基を末端に有するオリゴマーである。本発明においては、前記重合性オリゴマーの中でも、該オリゴマーの両末端の内の一方にのみ前記エチレン性不飽和二重結合を有する基を有するのが好ましい。
前記窒素含有モノマーとしては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物より選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記エーテル基を有する重合性モノマーとしては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物より選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記グラフト共重合体は、前記その他のモノマーを更に共重合体単位として含有していてもよく、該その他のモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、芳香族ビニル化合物(例、スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエン)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びi−ブチル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル(例、ベンジル(メタ)アクリレート)、グリシジル(メタ)アクリレート、カルボン酸ビニルエステル(例、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル)、シアン化ビニル(例、(メタ)アクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリル)、及び脂肪族共役ジエン(例、1,3−ブタジエン及びイソプレン)、(メタ)アクリル酸、などが挙げられる。これらの中でも、不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル及びカルボン酸ビニルエステルが好ましい。
(1) N−ビニルイミダゾール/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、(2) N−ビニルカルバゾール/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、(3) N−ビニルトリアゾール/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、(4) N−ビニルイミダゾール/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリスチレン共重合体、(5) N−ビニルカルバゾール/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリスチレン共重合体、(6)N−ビニルイミダゾール/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリスチレン共重合体、(7) N−ビニルイミダゾール/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリスチレン共重合体、
なかでも、(11)〜(20)が好ましく、(11)、(13)〜(16)、(18)がより好ましく、下記式(IV)で表される化合物が特に好ましい。
<一般式(I)で表される化合物>
以下に、前記一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に何ら限定されるものではない。
Qは、アントラキノン系色素、アゾ系色素、フタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、アントラピリミジン系色素、アンサンスロン系色素、インダンスロン系色素、フラバンスロン系色素、ピランスロン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、及びチオインジゴ系色素から選ばれる有機色素残基を表し、なかでもアントラキノン系色素、またはアゾ系色素であることが好ましく、アントラキノン系色素であることがより好ましい。
X1は、−CONH−Y2−、−SO2NH−Y2−、又は−CH2NHCOCH2NH−Y2−を表し、−CONH−Y2−であることが好ましい。
Y2は置換基を有してもよいアルキレン基又はアリーレン基を表し、なかでもエチレン基、プロピレン基、またはブチレン基であることが好ましく、プロピレン基であることがより好ましい。
R11およびR12はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基またはR11とR12とで少なくとも窒素原子を含むヘテロ環を形成してもよい。
Y1は−NH−又は−O−を表す。Z1は水酸基又は一般式(IIIa)で表される基を表し、あるいはnが1の場合−NH−X1−Qでもよい。mは1〜6の整数を表し、1〜3が好ましい。nは1〜4の整数を表し、1〜3が好ましい。
有機顔料を有機ナノ粒子として生成させる際の条件に特に制限はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−30〜100℃が好ましく、−10〜60℃がより好ましく、0〜30℃が特に好ましい。
有機顔料溶液と貧溶媒との混合方法に特に制約はないが、一方を撹拌しておき、そこに他方を添加することが好ましく、有機顔料溶液を撹拌された貧溶媒に添加することが特に好ましい。添加にはポンプ等を用いることもできるし、用いなくてもよい。また、液中添加でも液外添加でもよいが、液中添加がより好ましい。液中添加の際の添加口は1つでもよいし、複数用いてもよい。添加口径は20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。
一方を撹拌する際の撹拌速度は100〜10000rpmが好ましく150〜8000rpmがより好ましく、200〜6000rpmが特に好ましい。
有機顔料溶液と貧溶媒の比(良溶媒/貧溶媒)は体積比で1/50〜2/3が好ましく、1/40〜1/2がより好ましく、1/20〜3/8が特に好ましい。
有機ナノ粒子として調製したのちの分散液の濃度は有機ナノ粒子を分散させることができれば特に制限されないが、分散溶媒1000mlに対してナノ粒子が10〜40000mgの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜30000mgの範囲であり、特に好ましくは50〜25000mgの範囲である。
有機ナノ粒子の粒径に関しては、計測法により数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央値に相当するメジアン径、各種の平均径(数平均、長さ平均、面積平均、重量平均、体積平均等)などがあり、本発明においては、特に断りのない限り、粒径とは数平均径をいう。本発明の製造方法で製造されるイソインドリン構造を有する顔料微粒子(一次粒子)の粒径(例えば、その大きさの結晶または会合体である)は、1〜200nmである。2〜100nmであることがさらに好ましく、5〜80nmであることが特に好ましい。
また、粒子の単分散性を表す指標として、本発明においては、特に断りのない限り、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)の比(Mv/Mn)を用いる。本発明の製造方法で製造されるイソインドリン構造を有する顔料微粒子(一次粒子)の単分散性、つまりMv/Mnは、1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であることがより好ましく、1.0〜1.6であることがさらに好ましく、1.0〜1.4であることが特に好ましい。
本発明のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法において、ナノ粒子の形成に用いられる製造装置の好ましい実施態様を説明するが、これにより本発明が限定的に解釈されるものではない。
図2−1は本発明において、一実施態様として用いられる製造装置の概略図である。図2−1において有機顔料溶液は供給管14により容器11内に設けられた混合室13内へ連続的に供給される。ここに容器11内には貧溶媒11aが容れられており、該混合室13は貧溶媒の液面下に設けられ、その内部は該貧溶媒により満たされている。また反応容器11内のバルク貧溶媒は該混合室13内での攪拌の作用により、該混合室3内を下方から上方へ(図中矢印の方向へ)横切るようにつねに対流させられている。
また、撹拌羽根12は、混合空間内で生成した有機顔料粒子が混合室13にとどまることにより、他の有機顔料粒子と結合して更に大きな粒子となったり、混合室13に供給される有機顔料溶液にさらされて大きな粒子となったりして巨大粒子が生成することがないよう、生成した有機顔料粒子を迅速に引き出し、迅速に混合室13外へ排出する能力を有するものが選ばれることが好ましい。
撹拌羽根12としては上記目的が達成されれば、いかなる形式のものでもよく、例えばタービン型、ファンタービン型等が用いられうる。
またケーシング17は、前述のごとく四角筒により構成されていることが好ましい。このようにすることで、撹拌羽根12によりつくられた流れをケーシング17の角が乱し、邪魔板のごとき付加物を要することなく、混合効果を一層高めることができる。
図3は、本発明のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法に用いられる、製造装置の別の実施態様を概略的に示す断面図である。図3において有機顔料溶液および貧溶媒はそれぞれ供給管24a、24bにより撹拌槽21a内に連続的に供給される。撹拌槽21a内で生成した有機顔料粒子が撹拌槽21a内にとどまることにより、他の有機顔料粒子と結合して更に大きな粒子となったり、供給管24a、24bより供給される有機顔料溶液にさらされて大きな粒子となったりして巨大粒子が生成することがないよう、生成した有機顔料粒子分散液は排出管23より迅速に引き出される。
撹拌槽38は、上下方向に中心軸を向けた円筒状の槽本体39と、該槽本体39の上下の開口端を塞ぐ槽壁となるシールプレート40とで構成されている。また、撹拌槽38および槽本体39は、透磁性に優れた非磁性材料で形成されている。2つの液供給口32,33は槽本体39の下端寄りの位置に装備されており、液排出口36は槽本体39の上端寄りの位置に装備されている。
また、撹拌槽38内の各撹拌羽根41,42は、磁気カップリングCによって撹拌槽38の外部に配置されたモーター48,49に連結されているため、撹拌槽38の槽壁に回転軸を挿通させる必要がなくなり、撹拌槽38を回転軸の挿通部のない密閉容器構造にすることができるため、撹拌混合した液の槽外への漏出を防止すると同時に、回転軸用の潤滑液(シール液)等が不純物として槽38内の液に混入することによる処理品位の低下を防止することができる。
本発明のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法に用いられる装置として、さらに別の実施態様である、剪断力を持つ羽根を用いて攪拌する製造方法について説明する。
本発明でいう剪断力とは撹拌羽根が、有機顔料溶液が貧溶媒に混入後に生成する液滴(ドロップレット)に及ぼすズリ力のことである。
本発明で使用可能な撹拌部の形状は、高剪断力を施し得る形態であれば特に限定されないが、一般にパドル羽根、タービン羽根、スクリュー羽根、ファウドラー羽根、等が挙げられ、好ましくはディゾルバー羽根、回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌部の、撹拌、乳化、分散機が好ましい。
ディゾルバー羽根は、高剪断力形成できる機能を持った特殊な撹拌羽根であり、図5−1にその1例を概略的に正面図により示し、その図面代用写真を図5−2に示す。
また図6に示すような回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌部を有する装置も好ましく用いられ、その撹拌、乳化、分散機としては、例えば、マイクロテック・ニチオン社製ヒスコトロン、特殊機化工業社製T.Kホモミクサー、IKA社製ULTRA−TURRAXが挙げられる。
本発明のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法においては、有機ナノ粒子分散液を、脱塩濃縮することによって、カラーフィルタ塗布液やインクジェット用インクに適した有機ナノ粒子分散液を工業的な規模で生産することが可能である。
以下に、分散液を濃縮する方法について説明する。
濃縮方法に関しては、有機ナノ粒子液を濃縮できれば特に制約されないが、例えば、有機ナノ粒子分散液に、抽出溶媒を添加混合し、有機ナノ粒子を該抽出溶媒相に濃縮抽出して、その濃縮抽出液をフィルタなどによりろ過して濃縮ナノ粒子液とする方法(抽出法)、遠心分離によって有機ナノ粒子を沈降させて濃縮する方法(遠心分離法)、限外ろ過により脱塩濃縮を行う方法(限外ろ過法)、真空凍結乾燥により溶媒を昇華させて濃縮する方法(真空凍結法)、加熱ないし減圧による溶媒を乾燥させて濃縮する方法(乾燥法)等が好ましい。またはこれらの組合せなどが非常に好ましく用いられる。
濃縮後の有機ナノ粒子濃度に関しては、1〜100質量%が好ましく、5〜100質量%がより好ましく、10〜100質量%が特に好ましい。
以下に、濃縮抽出する方法について説明する。この濃縮抽出に用いられる抽出溶媒は特に限定されないが、有機ナノ粒子分散液の分散溶媒(例えば、水系溶媒)と実質的に混じり合わず(本発明において、実質的に混じり合わずとは、相溶性が低いことをいい、溶解量50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい)、混合後、静置すると界面を形成する溶媒であることが好ましい。また、この抽出溶媒は、有機ナノ粒子が抽出溶媒中で再分散しうる弱い凝集(ミリングまたは高速攪拌などの高いせん断力を加えなくても再分散が可能である)を生ずる溶媒であることが好ましい。このような状態であれば、粒子サイズを変化させる強固な凝集を起こさず、目的の有機ナノ粒子を抽出溶媒で湿潤させる一方、フィルタろ過などにより容易に水などの分散溶媒を除去することができる点で好ましい。抽出溶媒としてはエステル系溶媒、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒が好ましく、エステル系溶媒、芳香族系溶媒または脂肪族系溶媒がより好ましく、エステル系溶媒が特に好ましい。
抽出溶媒を添加した後、分散液と十分に接触するように攪拌混合することが好ましい。攪拌混合は通常の方法を用いることができる。抽出溶媒を添加し混合するときの温度に特に制約はないが、1〜100℃であることが好ましく、5〜60℃であることがより好ましい。抽出溶媒の添加、混合はそれぞれの工程を好ましく実施できるものであればどのような装置を用いてもよいが、例えば、分液ロート型の装置を用いて実施できる。
限外ろ過による場合、例えばハロゲン化銀乳剤の脱塩/濃縮に用いられる方法を適用することができる。リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)No.10208(1972)、No.13 122(1975)およびNo.16 351(1977)が知られている。操作条件として重要な圧力差や流量は、大矢春彦著「膜利用技術ハンドブック」幸書房出版(1978)、p275に記載の特性曲線を参考に選定することができるが、目的の有機ナノ粒子分散物を処理する上では、粒子の凝集を抑えるために最適条件を見いだす必要がある。また、膜透過より損失する溶媒を補充する方法においては、連続して溶媒を添加する定容式と断続的に分けて添加する回分式とがあるが、脱塩処理時間が相対的に短い定容式が好ましい。こうして補充する溶媒には、イオン交換または蒸留して得られた純水を用いるが、純水の中に分散剤、分散剤の貧溶媒を混合してもよいし、有機ナノ粒子分散物に直接添加してもよい。
凍結乾燥の方法は特に限定されず、当業者が利用可能な方法であればいかなるものを採用してもよい。例えば、冷媒直膨方法、重複冷凍方法、熱媒循環方法、三重熱交換方法、間接加熱凍結方法が挙げられるが、好ましくは冷媒直膨方法、間接加熱凍結方法、より好ましくは間接加熱凍結方法を用いるのがよい。いずれの方法においても、予備凍結を行なった後凍結乾燥を行なうことが好ましい。予備凍結の条件は特に限定されないが、凍結乾燥を行なう試料がまんべんなく凍結されている必要がある。
以下に遠心分離について説明する。遠心分離による有機ナノ粒子の濃縮に用いられる遠心分離機は有機ナノ粒子分散液(または有機ナノ粒子濃縮抽出液)中の有機ナノ粒子を沈降させることができればどのような装置を用いてもよい。遠心分離機としては、例えば、汎用の装置の他にもスキミング機能(回転中に上澄み層を吸引し、系外に排出する機能)付きのものや、連続的に固形物を排出する連続遠心分離機などが挙げられる。
遠心分離条件は、遠心力(重力加速度の何倍の遠心加速度がかかるかを表す値)で50〜10000が好ましく、100〜8000がより好ましく、150〜6000が特に好ましい。遠心分離時の温度は、分散液の溶剤種によるが、−10〜80℃が好ましく、−5〜70℃がより好ましく、0〜60℃が特に好ましい。
以下に乾燥について説明する。減圧乾燥による有機ナノ粒子の濃縮に用いられる装置は有機ナノ粒子分散液(または有機ナノ粒子濃縮抽出液)の溶媒を蒸発させることができれば特に制限はない。例えば、汎用の真空乾燥器およびロータリーポンプや、液を撹拌しながら加熱減圧乾燥できる装置、液を加熱減圧した管中に通すことによって連続的に乾燥ができる装置等が挙げられる。
加熱減圧乾燥温度は30〜230℃が好ましく、35〜200℃がより好ましく、40〜180℃が特に好ましい。減圧時の圧力は、100〜100000Paが好ましく、300〜90000Paがより好ましく、500〜80000Paが特に好ましい。
本発明の着色顔料分散組成物は、本発明の製造方法により得られたイソインドリン構造を有する顔料微粒子とバインダーとを含むものであり、(i)前記顔料微粒子を上述の抽出方法にそって有機溶媒に抽出して、バインダーを添加したものであっても、(ii)該顔料微粒子を抽出する際に、バインダーを含有させた抽出溶媒に抽出したものであってもよい。ここでバインダーとは、前記[バインダー]の項で説明したものをいい、その好ましい範囲も[バインダー]の項で述べたものと同じである。抽出に関しては前記[有機ナノ粒子分散液の濃縮]の(抽出法)の項で述べた方法を用いることができ、抽出溶媒の種類や濃縮率などの好ましい範囲も同じである。また、(i)顔料微粒子を抽出してバインダーを添加する態様に関しては、次の[有機ナノ粒子分散液の再分散]の項で述べる態様が好ましい。
本発明のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法においては、得られた有機ナノ粒子を濃縮し、バインダーを含む有機溶媒中で再び微細分散化する(以下、再分散化ともいい、本発明において微細分散化とは分散液中の粒子の凝集を解き分散度を高めることをいう)。
例えばカラーフィルタ用途においてはビヒクルに添加して分散させることができる。前記ビヒクルとは、塗料が液体状態にあるときに顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。なお本発明においては、ナノ粒子形成時に用いるバインダーと再分散化に用いるバインダーとが同じであっても異なっていてもよく、それぞれ、ナノ粒子形成バインダーおよび再分散化バインダーとして区別していうこともある。
再分散化後の顔料分散組成物の顔料濃度は目的に応じて適宜定められるが、好ましくは分散組成物全量に対して顔料が2〜30質量%であることが好ましく、4〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。上記のようなビヒクルにより分散される場合に、バインダーおよび溶解希釈成分の量は顔料の種類などにより適宜定められるが、顔料分散組成物全量に対して、バインダーは1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。溶解希釈成分は5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましい。
このような凝集ナノ粒子(本発明において、凝集ナノ粒子とは、凝集体などナノ粒子が二次的な力で集まっているものをいう。)を分散する方法として、例えば超音波による分散方法や物理的なエネルギーを加える方法を用いることができる。
用いられる超音波照射装置は10kHz以上の超音波を印加できる機能を有することが好ましく、例えば、超音波ホモジナイザー、超音波洗浄機などが挙げられる。超音波照射中に液温が上昇すると、ナノ粒子の熱凝集が起こるため(非特許文献1参照)、液温を1〜100℃とすることが好ましく、5〜60℃がより好ましい。温度の制御方法は、分散液温度の制御、分散液を温度制御する温度調整層の温度制御、などによって行うことができる。
物理的なエネルギーを加えて濃縮した有機ナノ粒子を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の分散機が挙げられる。また、高圧分散法や、微小粒子ビーズの使用による分散方法も好適なものとして挙げられる。
本発明において組成物の好ましい製造方法としては、着色剤を樹脂成分で混練分散処理後の25℃における粘度が10,000mPa・s以上、望ましくは100,000mPa・s以上の比較的高粘度になるように混練分散処理し、次いで溶剤を添加して、微分散処理後の粘度が1,000mPa・s以下、望ましくは100mPa・s以下の比較的低粘度になるように微分散処理する方法が好ましい。
混練分散処理で使用する機械は二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸および2軸の押出機等であり、強い剪断力を与えながら分散する。次いで、溶剤を加えて、主として縦型若しくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機、高圧分散機等を使用し、0.1〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理する。さらに0.1mm以下の微小粒子ビーズを用いて精密分散処理をすることもできる。尚、混練分散処理を省くことも可能である。その場合には、顔料と分散剤若しくは表面処理剤と、本発明におけるアクリル系共重合体および溶剤でビーズ分散を行う。
また主顔料と補顔料を別々に分散処理した後、両者の分散液を混合して更に分散処理を加えたり、主顔料と補顔料をいっしょに分散処理することも可能である。
尚、混練、分散についての詳細はT.C. Patton著“Paint Flow and ピグメント Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等にも記載されており、この方法を用いてもよい。
本発明において、顔料の分散性を向上させる目的で通常の顔料分散剤や界面活性剤を添加することが出来る。これらの分散剤としては、多くの種類の化合物が用いられるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−6745(エフカ社製))、ソルスパース5000(ゼネカ(株)社製);オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)社製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業(株)社製)、W001(裕商社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業(株)社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(ゼネカ(株)社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)社製)およびイソネットS−20(三洋化成(株)社製)が挙げられる。また、2000−239554号公報に記載の顔料分散剤や、特公平5−72943号公報に記載の化合物(C)や、特開2001−31885号公報に記載の合成例1の化合物なども好適に用いることができる。
再分散時に有機ナノ粒子形成時に用いる分散剤として[分散剤]の項に示した化合物を再度用いることも好ましい。
さらに、本発明の着色顔料分散組成物、着色感光性樹脂組成物に含まれる有機顔料の粒子は、高度に、また均一に、微細化した状態で分散させられているため、薄い膜厚さで、高い着色濃度を発揮し、例えばカラーフィルタ等の薄層化を可能とするものである。
また本発明の着色顔料分散組成物、着色感光性樹脂組成物は、鮮明な色調と高い着色力とを示す顔料を含有させることで、例えばカラープルーフやカラーフィルタ等を作製するための画像形成材料として有用である。
さらに、着色画像形成時の露光・現像に用いられるアルカリ性の現像液に対して、本発明の着色顔料分散組成物、着色感光性樹脂組成物には、結合剤(バインダー)としてアルカリ性水溶液に可溶なものを用いることができ、環境上の要求にも応えることができる。
また本発明の着色顔料分散組成物、着色感光性樹脂組成物に用いられる溶媒(顔料の分散媒)として適度な乾燥性を有する有機溶媒を用いることができ、塗布後の乾燥の点でもその要求を満足することができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、少なくとも、(a)前記着色顔料分散組成物、(b)バインダー、(c)モノマーもしくはオリゴマー、および(d)光重合開始剤又は光重合開始剤系を含み、(1)バインダー(A)の存在下において良溶媒に溶解した有機顔料の溶液と、該溶媒と相溶する貧溶媒とを混合し、該有機顔料を粒径1μm以下の粒子として形成した有機ナノ粒子と、(2)バインダー(B)と、(3)モノマー又はオリゴマーと、(4)光重合開始剤又は光重合開始剤系とを含有することが好ましい。ただし(A)と(B)は同じであっても異なっていてもよい。本発明の着色感光性樹脂組成物おける、上記(1)〜(4)の成分について説明する。
有機ナノ粒子を作製する方法については既に詳細に述べた。有機ナノ粒子の含有量は、着色感光性樹脂組成物中の全固形分(本発明において、全固形分とは、有機溶媒を除く組成物合計をいう。)に対し、3〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、25〜60質量%がさらに好ましい。この量が多すぎると分散液の粘度が上昇し製造適性上問題になることがある。少なすぎると着色力が十分でない。着色剤として機能する有機ナノ粒子(顔料粒子)としては、粒径0.1μm以下、特には粒径0.08μm以下であることが好ましい。また、調色のために通常の顔料と組み合わせて用いてもよい。顔料は上記で記述したものを用いることができる。
再分散化に用いられる再分散化バインダーとしては、酸性基を有するものが好ましく、上記[バインダー]の項で述べたものを好ましく用いることができ、有機顔料粒子形成時に添加したナノ粒子形成アルカリ可溶性バインダーと類似の構造をもつ化合物が好ましく、両者が同一であることが最も好ましい。再分散化アルカリ可溶性バインダーの含有量は(ナノ粒子形成アルカリ可溶性バインダーが残留している場合はそれとの合計含有量としてもよい)、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対して15〜50質量%が一般的であり、20〜45質量%が好ましい。この量が多すぎると組成物の粘度が高くなりすぎ製造適性上問題となる。少なすぎると塗布膜の形成上問題がある。
本発明の着色感光性樹脂組成物に含有させるモノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。また、特開平10−62986号公報に一般式(1)および(2)に記載のように、多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化した化合物も好適なものとして挙げられる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物に含有させる光重合開始剤又は光重合開始剤系(本発明において、光重合開始剤系とは複数の化合物の組み合わせで光重合開始の機能を発現する混合物をいう。)としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。この量が多すぎると感度が高くなりすぎ制御が困難になる。少なすぎると露光感度が低くなりすぎる。
〔溶媒〕
本発明の着色感光性樹脂組成物においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、特に限定されないが、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレシ等が挙げられる。これら溶剤のうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が本発明における溶剤として好ましく用いられる。これらの溶剤は、単独で用いてもあるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
溶媒の含有量は、樹脂組成物全量に対して10〜95質量%が好ましい。
従来用いられてきたカラーフィルタにおいては、高い色純度を実現するために各画素の色が濃くなり、画素の膜厚のムラが、そのまま色ムラとして認識されるという問題があった。そのため、画素の膜厚に直接影響する、感光性樹脂層の形成(塗布)時の、膜厚変動の良化が求められていた。
本発明のカラーフィルタ又は本発明の感光性樹脂転写材料においては、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラ(膜厚変動による色ムラ)を効果的に防止するという観点から、該着色感光性樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。
上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。界面活性剤の含有量は、樹脂組成物全量に対して5質量%以下が好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。熱重合防止剤の含有量は、樹脂組成物全量に対して1質量%以下が好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ前記着色剤(顔料)に加えて、着色剤(染料、顔料)を添加することができる。着色剤のうち顔料を用いる場合には、着色感光性樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
染料ないし顔料としては、具体的には、前記顔料として、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。補助的に使用する染料もしくは顔料の含有量は、樹脂組成物全量に対して5質量%以下が好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物のほか、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。紫外線吸収剤の含有量は、樹脂組成物全量に対して5質量%以下が好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物を用いた塗布膜における、含有成分については、既に[着色感光性樹脂組成物]の項において記載したものと同様である。また塗布膜の厚さは、その用途により適宜定めることができるが、0.5〜5.0μmであることが好ましく、1.0〜3.0μmであることがより好ましい。この本発明の着色感光性樹脂組成物を用いた塗布膜においては、そこに含まれる(3)モノマー又はオリゴマーを重合させて着色感光性樹脂組成物の重合膜とし、それを有するカラーフィルタを作製することができる(カラーフィルタの作製については後述する。)。重合性モノマー又は重合性オリゴマーの重合は、光照射により(4)光重合開始剤又は光重合開始剤系を作用させて行うことができる。
尚、上記塗布膜は、着色感光性樹脂組成物を、通常の塗布方法により塗布し乾燥することによって形成することができるが、本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルによって塗布することが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコータが好適に用いられる。
次に、本発明の感光性樹脂転写材料について説明する。
本発明の感光性樹脂転写材料は、特開平5−72724号公報に記載されている感光性樹脂転写材料、すなわち一体型となったフイルムを用いて形成することが好ましい。該一体型フイルムの構成の例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層/保護フイルムを、この順に積層した構成が挙げられ、本発明の感光性樹脂転写材料としては、前述の本発明の着色感光性樹脂組成物を用いることによって感光性樹脂を設けたものである。
本発明の感光性樹脂転写材料において、仮支持体としては、可撓性を有し、加圧、若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないものであることが必要である。そのような仮支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
本発明の感光性樹脂転写材料においては、複数の塗布層の塗布時、及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を設けることが好ましい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、通常のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
感光性樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために薄い保護フイルムを設けることが好ましい。保護フイルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、感光性樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フイルム材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
本発明の感光性樹脂転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布、乾燥し、その後感光性樹脂層を、中間層を溶解しない溶剤で塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び中間層を設けたシート、及び保護フイルム上に感光性樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と感光性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フイルム上に感光性樹脂層及び中間層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
本発明のカラーフィルタは、コントラストに優れていることが特徴である。本発明においてコントラストとは、2枚の偏光板の間において、偏光軸が平行のときと、垂直のときとの透過光量の比を表す(「1990年第7回色彩光学コンファレンス、512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラーフィルタ、植木、小関、福永、山中」等参照。)。
カラーフィルタのコントラストが高いということは液晶と組み合わせたときの明暗のディスクリが大きくできるということを意味しており、液晶ディスプレイがCRTに置き換わるためには非常に重要な性能である。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
R 0.656 0.336 21.4
G 0.293 0.634 52.1
B 0.146 0.088 6.90
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本発明のカラーフィルタは、基板上に感光性樹脂層を形成し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法などの方法によって製造することができる。尚、必要に応じて、その境界をブラックマトリックスで区分した構造とすることもできる。
上記の製造方法において、基板上に上記感光性樹脂層を形成する方法としては、(a)上記の各着色感光性樹脂組成物を通常の塗布装置等によって塗布する方法、及び(b)前述の感光性樹脂転写材料を用い、ラミネーターによって貼り付ける方法などが挙げられる。
本発明のカラーフィルタを製造する際、着色感光性樹脂組成物の塗布には、通常の塗布装置を用いることができるが、中でも特に、既に<着色感光性樹脂組成物の塗布膜>の項において説明した、スリットコータを好適に用いることができる。尚、スリットコータの好ましい具体例等は、前記と同様である。感光性樹脂層を塗布により形成する場合、その膜厚としては、1.0〜3.0μmが好ましく、1.0〜2.5μmがより好ましく、1.5〜2.5μmが特に好ましい。
前記本発明の感光性樹脂転写材料を用い、フイルム状に形成した感光性樹脂層を、後述する基板上に、加熱及び/又は加圧した、ローラー又は平板で、圧着又は加熱圧着することによって、貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。尚、感光性樹脂層を前記本発明の感光性樹脂転写材料により形成する場合の、その好ましい膜厚は、<感光性樹脂転写材料>の項において記載した好ましい膜厚と同様である。
本発明において、カラーフィルタが形成される基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
また、上記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、着色感光性樹脂組成物、又は感光性樹脂転写材料との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、700〜1200μmが一般的に好ましく、500〜1100μmが特に好ましい。
本発明のカラーフィルタは、感光性樹脂層を、着色感光性樹脂組成物の塗布によって形成する場合において、該感光性樹脂層上に更に酸素遮断膜を設けることができ、これにより、露光感度をアップすることができる。該酸素遮断膜としては、既に<感光性樹脂転写材料>の(中間層)の項において説明したものと同様のものが挙げられる。尚、特に限定されるわけではないが、酸素遮断膜の膜厚としては、0.5〜3.0μmが一般的に好ましい。
上記基板上に形成された感光性樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク、熱可塑性樹脂層、及び中間層を介してマスク上方から露光し、次いで現像液による現像を行う、という工程を色の数だけ繰り返すことにより、本発明のカラーフィルタを得ることができる。
ここで、前記露光の光源としては、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、上記現像液には、更に通常の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前に感光性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
着色感光性樹脂組成物を順次塗布して重ねる場合は、塗布液のレベリングのため重ねるごとに膜厚が薄くなってしまう。このため、K(ブラック)・R・G・Bの4色を重ね、更に分割配向用突起を重ねることが好ましい。一方、熱可塑性樹脂層を有する転写材料を用いる場合は、厚みが一定に保たれるため、重ねる色は3又は2色とすることが好ましい。
また上記土台のサイズは、転写材料を重ねてラミネートする際の感光性樹脂層の変形を防止し一定の厚みを保持する観点から、25μm以上が好ましく、30μm以上が特に好ましい。
本発明の液晶表示装置は、コントラストに優れる本発明のカラーフィルタを用い、黒のしまり等の描写力に優れる。ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の液晶表示装置等としても好適に用いることができる。
(実施例1)
[顔料の調製]
ジメチルスルホキシド100mlに、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液3.3ml、顔料(ピグメントイエロー139)6000mg、ポリビニルピロリドン6000mg、顔料分散剤A(前記例示化合物(7.))を600mg添加した顔料溶液を顔料溶液Aを調製した。なお顔料分散剤Aは、特開2000−239554号公報に従い合成した。
これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸4.3mlを含有した水1000mlを用意した。
調製した顔料分散液(ナノ顔料濃度約0.5質量%)に、500mlの2−(1−メトキシ)プロピルアセテートを加えて25℃で10分間、500rpmで攪拌した後1日静置し、ナノ顔料を2−(1−メトキシ)プロピルアセテート相に抽出し、濃縮抽出液とした。
ナノ顔料を抽出した濃縮抽出液を、住友電工ファインポリマ社製FP−010型フィルターを用いて、ろ過することにより、ペースト状の濃縮顔料液A(ナノ顔料濃度35質量%)を得た。
前記ペーストを用い、下記組成の顔料分散組成物Aを調製した。
前記ペースト状の濃縮顔料液A 18.3g
顔料分散剤A 0.6g
メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体* 15.8g
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 45.3g
*モル比28/72、重量平均分子量:3万、40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液
試薬 製造元
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ピグメントイエロー139 BASF社製
ピグメントイエロー185 BASF社製
1−メチル−2−ピロリドン 和光純薬社製
ジメチルスルホキシド 和光純薬社製
2−(1−メトキシ)プロピルアセテート 和光純薬社製
1mol/l 塩酸水溶液 和光純薬社製
ナトリウムメトキシト28%メタノール溶液 和光純薬社製
8mol/l 水酸化カリウム水溶液 和光純薬社製
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
得られた顔料分散組成物Aを基板上に厚みが2μmになるように塗布し、サンプルを作製した。バックライトユニットとして3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)社製FWL18EX−N)に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板(日東電工(株)社製G1220DUN)の間にこのサンプルを置き、偏光軸が平行のときと、垂直のときとの透過光量を測定し、その比をコントラストとした(「1990年第7回色彩光学コンファレンス、512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラーフィルタ、植木、小関、福永、山中」等参照。)。色度の測定には色彩輝度計((株)トプコン社製BM−5)を用いた。2枚の偏光板、サンプル、色彩輝度計の設置位置は、バックライトから13mmの位置に偏光板を、40mm〜60mmの位置に直径11mm長さ20mmの円筒を設置し、この中を透過した光を、65mmの位置に設置した測定サンプルに照射し、透過した光を、100mmの位置に設置した偏光板を通して、400mmの位置に設置した色彩輝度計で測定した。色彩輝度計の測定角は2°に設定した。バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が1280cd/m2になるように設定した。
顔料分散組成物Aから得たサンプルのコントラスト測定の結果を表9の(ア)欄に示す。
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
=38/25/37モル比のランダム共重合物、分子量4万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm
含有、日本化薬(株)社製、商品名:KAYARAD DPHA) 76質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24質量部
<界面活性剤1>
・下記化合物1 30質量部
・メチルエチルケトン 70質量部
〔ブラック(K)画像の形成〕
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、下記表2に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置;東京応化工業(株)社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間プリベークして膜厚2.4μmの感光性樹脂層K1を得た。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、ブラック(K)の画像Kを得た。引き続き、220℃で30分間熱処理した。
前記Kの画像を形成した基板に、下記表3に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物R1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済みR画素を形成した。該感光性樹脂層R1の膜厚及び顔料(C.I.P.R.254及びC.I.P.R.177)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 1.60
顔料塗布量(g/m2) 1.00
C.I.P.R.254塗布量(g/m2) 0.80
C.I.P.R.177塗布量(g/m2) 0.20
前記画像Kと画素Rを形成した基板に、下記表4に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物G1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済み画素Gを形成した。該感光性樹脂層G1膜厚、及び顔料(C.I.P.G.36及びC.I.P.Y.139)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 1.60
顔料塗布量(g/m2) 1.92
C.I.P.G.36塗布量(g/m2) 1.34
C.I.P.Y.139塗布量(g/m2) 0.58
前記画像K、画素R及び画素Gを形成した基板に、下記表5に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物B1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済み画素Bを形成し、目的のカラーフィルタAを得た。該感光性樹脂層B1の膜厚及び顔料(C.I.P.B.15:6及びC.I.P.V.23)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 1.60
顔料塗布量(g/m2) 0.75
C.I.P.B.15:6塗布量(g/m2) 0.705
C.I.P.V.23塗布量(g/m2) 0.045
着色感光性樹脂組成物K1は、まず表2に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表2に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得た。
<K顔料分散物1>
・カーボンブラック商品名:Nipex 35、
デグサ ジャパン(株)社製) 13.1質量部
・分散剤(下記化合物2) 0.65質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量3.8万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
・C.I.P.R.254(商品名:Irgaphor Red B−CF、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製) 8質量部
・分散剤(前記化合物2) 0.8質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3万) 8質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83質量部
・C.I.P.R.177(商品名:Cromophtal Red A2B、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製) 18質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3万) 12質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70質量部
尚、表4に記載の組成物の内、顔料分散物Aは実施例1の顔料分散組成物Aと同様にして得たものであり、その組成が下記質量部となるようにして調製したものである。
・ペースト状の濃縮顔料液A 43質量部
・分散剤(前記化合物2) 1.5質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3万) 9質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 46.5質量部
B顔料分散物2は、御国色素(株)社製の「商品名:CFブルーEX3383」を用いた。
バインダー3の組成は、以下のとおりである。
<バインダー3>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
=36/22/42モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
〔感光性樹脂転写材料の作製〕
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記着色感光性樹脂組成物K1を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.4μmの感光性樹脂層を設け、保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の感光性樹脂層とが一体となった感光性樹脂転写材料を作製し、サンプル名を感光性樹脂転写材料K1とした。
・メタノール 11.1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36質量部
・メチルエチルケトン 52.4質量部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体
(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、
分子量:9万、Tg:約70℃) 5.83質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=63/37、分子量:1万、Tg:約100℃) 13.6質量部
・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを
2当量脱水縮合した化合物(新中村化学工業(株)社製、
商品名:2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)
フェニル]プロパン) 9.1質量部
・前記界面活性剤1 0.54質量部
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ社製、
鹸化度=88%、重合度550) 32.2質量部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン(株)社製、
K−30) 14.9質量部
・蒸留水 524質量部
・メタノール 429質量部
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)社製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱して次のラミネーターに送った。
前記感光性樹脂転写材料K1の保護フイルムを剥離後、ラミネーター((株)日立インダストリイズ社製(LamicII型))を用い、前記100℃に加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティ型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該熱可塑性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
引き続き炭酸ナトリウム系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム社製)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し感光性樹脂層を現像しパターニング画像を得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム社製)」、或いは、炭酸ナトリウム・フェノキシオキシエチレン系界面活性剤含有、商品名「T−SD2(富士写真フイルム社製)」)を用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い、ブラック(K)の画像を得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cm2の光でポスト露光後、220℃、15分熱処理した。
この画像Kを形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
前記感光性樹脂転写材料R101を用い、前記感光性樹脂転写材料K1と同様の工程で、熱処理済みのレッド(R)の画素Rを得た。但し露光量は40mJ/cm2、炭酸名ナトリウム系現像液による現像は35℃35秒とした。なお該感光性樹脂層R101の膜厚及び顔料(C.I.P.R.254及びC.I.P.R.177)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 2.00
顔料塗布量(g/m2) 1.00
C.I.P.R.177塗布量(g/m2) 1.00
この画像K、及び画素Rを形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
前記感光性樹脂転写材料G101を用い、前記感光性樹脂転写材料R101と同様の工程で、熱処理済みのグリーン(G)の画素Gを得た。但し露光量は40mJ/cm2、炭酸ナトリウム系現像液による現像は34℃で45秒とした。なお該感光性樹脂層G101の膜厚及び顔料(C.I.P.G.36及びC.I.P.Y.139)の塗布量を表以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 2.00
顔料塗布量(g/m2) 1.92
C.I.P.G.36塗布量(g/m2) 1.34
C.I.P.Y.139塗布量(g/m2) 0.58
この画像K、画素R、および画素Gを形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
前記感光性樹脂転写材料B101を用い、前記感光性樹脂転写材料R101と同様の工程で、熱処理済みのブルー(B)の画素Bを得た。但し露光量は30mJ/cm2、炭酸ナトリウム系現像液による現像は36℃40秒とした。なお該感光性樹脂層B101の膜厚及び顔料(C.I.P.B.15:6及びC.I.P.V.23)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 2.00
顔料塗布量(g/m2) 0.75
C.I.P.B.15:6塗布量(g/m2) 0.705
C.I.P.V.23塗布量(g/m2) 0.045
この画素R、画素G、画素B、および画像Kを形成した基板を240℃で50分ベークして、カラーフィルタA1を得た。
得られたカラーフィルタのコントラストを〔コントラスト測定〕の項に記載の手順で同様にして測定した結果を表9の(エ)欄に示した。
カラーフィルタA1を用いて液晶表示装置を形成し表示特性の評価を行った。
(ITO電極の形成)
カラーフィルタが形成されたガラス基板をスパッタ装置に入れて、100℃で1300Å厚さのITO(インヂウム錫酸化物)を全面真空蒸着した後、240℃で90分間アニールしてITOを結晶化し、ITO透明電極を形成した。
(スペーサの形成)
特開2004−240335号公報の[実施例1]に記載のスペーサ形成方法と同様の方法で、上記で作製したITO透明電極上にスペーサを形成した。
(液晶配向制御用突起の形成)
下記のポジ型感光性樹脂層用塗布液を用いて、前記スペーサを形成したITO透明電極上に液晶配向制御用突起を形成した。
但し、露光、現像、及び、ベーク工程は、以下の方法を用いた。
所定のフォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティ露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cm2でプロキシミティ露光した。
続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間基板に噴霧しながら現像した。こうして、感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去することにより、カラーフィルタ側基板上に、所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を得た。
次いで、該液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を230℃下で30分ベークすることにより、液晶表示装置用基板上に硬化された液晶配向制御用突起を形成した。
<ポジ型感光性樹脂層用塗布液処方>
・ポジ型レジスト液(富士フイルムエレクトロニクス
マテリアルズ(株)社製FH−2413F) : 53.3質量部
・メチルエチルケトン : 46.7質量部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業(株)社製): 0.04質量部
(液晶表示装置の作成)
上記で得られた液晶表示装置用基板上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、MVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ社製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)社製FWL18EX−N)のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
実施例1の[顔料の調製]において、顔料分散剤Aを顔料分散剤B(前記化合物(c))に、PY139をPY185に変更した以外は実施例1と同様にして顔料溶液B、顔料分散液B、ペースト状の濃縮顔料液Bと、顔料分散組成物Bを作成した。なお、途中、実施例1と同様にして顔料分散液の粒径、単分散度を測定したところ、数平均粒径26nm、Mv/Mn1.28であった。なお顔料分散剤Bは、特公平5−72943の顔料分散剤cの合成方法に従い下記化合物を合成した
実施例1の[顔料の調製]において、顔料分散剤Aを顔料分散剤C(前記式(IV)で表される化合物)に変更した以外は実施例1と同様にして顔料溶液C、顔料分散液C、ペースト状の濃縮顔料液Cと、顔料分散組成物Cを作成した。なお、途中、実施例1と同様にして顔料分散液の粒径、単分散度を測定したところ、数平均粒径26nm、Mv/Mn1.28であった。なお顔料分散剤Cは、特開2001−31885の合成例1の方法に従い合成した。
さらに実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物膜C、カラーフィルタC、カラーフィルタC1、液晶表示装置を作製し、〔コントラスト測定〕に記載の手順で同様にしてコントラスト測定を行い、その結果を表9の(ア)〜(エ)欄にそれぞれ示した。
実施例1の[顔料の調製]において、ジメチルスルホキシドを1−メチル−2−ピロリドン(通称N−メチルピロリドン、NMP)に変更した以外は実施例1と同様にして顔料溶液D、顔料分散液D、ペースト状の濃縮顔料液Dと、顔料分散組成物Dを作成した。なお、途中、実施例1と同様にして顔料分散液の粒径、単分散度を測定したところ、数平均粒径28nm、Mv/Mn1.31であった。
さらに実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物膜D、カラーフィルタD、カラーフィルタD1、液晶表示装置を作成し、〔コントラスト測定〕に記載の手順で同様にしてコントラスト測定を行い、その結果を表9の(ア)〜(エ)欄にそれぞれ示した。
実施例4の[顔料の調製]において、顔料分散剤Aを顔料分散剤Bに変更した以外は実施例1と同様にして顔料溶液E、顔料分散液E、ペースト状の濃縮顔料液Eと、顔料分散組成物Eを作成した。なお、途中、実施例1と同様にして顔料分散液の粒径、単分散度を測定したところ、数平均粒径28nm、Mv/Mn1.31であった。
さらに実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物膜E、カラーフィルタE、カラーフィルタE1、液晶表示装置を作製し、〔コントラスト測定〕に記載の手順で同様にしてコントラスト測定を行い、その結果を表9の(ア)〜(エ)欄にそれぞれ示した。
実施例4の[顔料の調製]において、顔料分散剤Aを顔料分散剤Cに変更した以外は実施例1と同様にして顔料溶液F、顔料分散液F、ペースト状の濃縮顔料液Fと、顔料分散組成物Fを作成した。なお、途中、実施例1と同様にして顔料分散液の粒径、単分散度を測定したところ、数平均粒径28nm、Mv/Mn1.31であった。また、分散剤の添加量としては固形分重量が実施例4と同じになるように添加した。
さらに実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物膜F、カラーフィルタF、カラーフィルタF1、液晶表示装置を作成し、〔コントラスト測定〕に記載の手順で同様にしてコントラスト測定を行い、その結果を表9の(ア)〜(エ)欄にそれぞれ示した。
下記のものを双腕型ニーダーに仕込み、100℃〜110℃で8時間混練した。その後、80℃の1%塩酸水溶液100部に前記混合物を取り出し、1時間かくはんした後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕し、微細化顔料を得た。
顔料(ピグメントイエロー139) 40質量部
粉砕した塩化ナトリウム 400質量部
ジエチレングリコール 80質量部
前記微細化顔料 6.4g
顔料分散剤A 0.6g
ポリビニルピロリドン6g(和光純薬(株)社製、K30、分子量40,000)
メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体* 15.8g
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 45.3g
*モル比28/72、重量平均分子量:3万、40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液
さらにこの顔料分散組成物Gを用いて、実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物膜G、カラーフィルタG、カラーフィルタG1、液晶表示装置を作成し、〔コントラスト測定〕に記載の手順で同様にしてコントラスト測定を行い、その結果を表9の(ア)〜(エ)欄にそれぞれ示した。
各カラーフィルタの耐光性を以下のようにして測定し、その結果をそれぞれ表9の(オ)、(カ)欄に示した。
前記のように作成した、耐候性試験用のカラーフィルタにメタルハライドランプで90mW/cm2の光を12時間照射し、その前後で色度の変化(色差)を観察した。なお、本発明において色度は、顕微分光光度計(オリンパス光学社製;OSP100又は200)により測定し、F10光源視野2度の結果として計算して、xyz表色系のxyY値で表す。また、色度の差は、La*b*表色系の色差で表す。この色差が小さいほど好ましい。
上記結果における本発明と比較例のコントラストの差は、通常の液晶表示画面で黒表示時の黒の締まり、赤表示時の赤の鮮やかさについて目視にて明らかに区別できる程度に相当する。さらに、上記結果における本発明と比較例との色差の違いは、一般的な表示画面において観察者によっては区別しうるものであり、長期間(例えば通常の使用条件で1年以上)使用すればこの差はさらに拡大し、顕著な差を生じることとなる。
[液晶表示装置の評価]
カラーフィルタA〜F、A1〜F1を用いて液晶表示装置を形成し表示特性の評価を行った。比較例のカラーフィルタG、G1を用いた液晶表示装置に対して、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置は、黒のしまりおよび緑の描写力に優れ、良好な表示特性を示すことを確認した。
2 側鎖
3 窒素原子
4 顔料粒子
5 エーテル基を有する側鎖
11 容器
11a 液槽(溶媒)、11b 液面
12 撹拌羽根
13 混合室
14 供給管、14a 供給管開口部
15 シャフト
16 モーター
17 ケーシング(混合室壁)
18 孔(円形孔)
19a,19b 撹拌羽根
21 容器(攪拌槽外壁)
21a 攪拌槽
22 撹拌羽根
23 排出管
24a、24b 供給管
25 シャフト
50 撹拌装置
32,33 供給口
36 排出口
40 シールプレート
41,42 撹拌羽根
46 外部磁石
48,49 モーター
61 円盤部
62 羽根
63 シャフト
74 回転し得るタービン部
75 固定化されたステータ部
81 分散物を収納する容器
82 循環用ポンプ
83 限外ろ過モジュール
84 補充純粋計測用流量計
85 透過水計測用流量計
86 逆方向洗浄用ポンプ
Claims (12)
- C.I.ピグメントイエロー139又はC.I.ピグメントイエロー185からなるイソインドリン構造を有する顔料を良溶媒に溶解させた顔料溶液と、前記良溶媒と相溶性でありかつ前記顔料に対しては貧溶媒となる溶媒とを混合して、前記イソインドリン構造を有する顔料を平均粒径1〜200nmの顔料微粒子として生成させ分散液を調製し、該分散液を濃縮し、これを有機溶媒中で再分散化させるに当たり、前記顔料溶液及び貧溶媒の少なくともいずれか一方に分散剤を含有させておくことを特徴とするイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。
- 前記分散剤が、下記一般式(I)で表される化合物、下記一般式(III)で表される化合物、および下記一般式(6)で表されるモノマーと下記一般式(2)で表されるモノマーと下記一般式(1)で表されるモノマーとを少なくとも重合させたグラフト共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。
- 良溶媒がスルホキシド系溶媒、アミド系溶媒、またはその混合溶媒であることを特徴とする請求項1又は2に記載のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。
- 良溶媒に前記分散剤を含有させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。
- 前記有機顔料溶液と貧溶媒の比(良溶媒/貧溶媒)が体積比で1/50〜2/3であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。
- 前記貧溶媒が水系溶媒であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。
- 前記分散液の濃縮及び再分散化を、
(i)前記分散液中の顔料微粒子を有機溶媒に抽出して、バインダーを添加する工程、または
(ii)前記分散液中の顔料微粒子を、バインダーを含む抽出溶媒に抽出する工程
を含む操作により行う請求項1〜6のいずれか1項に記載のイソインドリン構造を有する顔料微粒子の製造方法。 - C.I.ピグメントイエロー139又はC.I.ピグメントイエロー185からなるイソインドリン構造を有する顔料の微粒子を有機溶媒に含有する分散物であって、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法で製造された、平均粒径1〜200nmの粒子であるイソインドリン構造を有する顔料微粒子を含有する分散物。 - 少なくとも、(a)請求項8に記載の分散物、(b)バインダー、(c)モノマーもしくはオリゴマー、および(d)光重合開始剤もしくは光重合開始系を含む着色感光性樹脂組成物。
- 仮支持体上に少なくとも、請求項9に記載の感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を設けたことを特徴とする感光性樹脂転写材料。
- 請求項9に記載の前記(c)モノマーもしくはオリゴマーを重合させた着色感光性樹脂組成物の重合膜を有するカラーフィルタ。
- 請求項11に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
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