Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP4665417B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

方向性電磁鋼板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4665417B2
JP4665417B2 JP2004095383A JP2004095383A JP4665417B2 JP 4665417 B2 JP4665417 B2 JP 4665417B2 JP 2004095383 A JP2004095383 A JP 2004095383A JP 2004095383 A JP2004095383 A JP 2004095383A JP 4665417 B2 JP4665417 B2 JP 4665417B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
hot
annealing
oriented electrical
grain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004095383A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005279689A (ja
Inventor
哲矢 荒川
智睦 小野
克浩 竹林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2004095383A priority Critical patent/JP4665417B2/ja
Publication of JP2005279689A publication Critical patent/JP2005279689A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4665417B2 publication Critical patent/JP4665417B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)

Description

本発明は方向性電磁鋼板の製造方法に係り、特に最終冷間圧延をタンデム圧延機により行なう工程を含む磁気特性に優れた方法性電磁鋼板の製造方法に関する。
方向性電磁鋼板は、その磁気特性が優れていること、すなわちB値により代表される透磁率が高くかつ、W17/50により代表される鉄損値が低いことが要求されている。そのため、結晶粒を極力ゴス方位すなわち(110)[001]に集積させる手段が多岐にわたって提案されている。
そのような提案は熱延板焼鈍工程から脱炭焼鈍に至る工程においても数多くなされており、たとえば、特許文献1には、圧延中に冷延板を低温で熱処理(以後、時効処理という)することにより、磁気特性を向上させる手段が提案されている。この手段は、侵入型固溶元素であるC,Nを低温で拡散させて圧延により発生した転位に固着させて転位の移動を妨げ、冷間圧延中にさらなるせん断変形を進行させ圧延集合組織を改善させようとするものである。また、特許文献2には、熱延板焼鈍または仕上冷延(最終冷延)前焼鈍時の冷却速度を30℃/s以上とし、さらに仕上冷延中に板温150〜300℃で2分間以上のパス間時効を2回以上行なう技術が開示されている。
上記手段はいずれも冷間圧延のパス間で時効処理を行なう静的な時効処理手段であるが、これらと異なり、圧延中の鋼板温度を高温とすることにより圧延変形で発生した転位に直ちにC,Nを固着させる動的時効効果を利用する手段も提案されている。たとえば、特許文献3、特許文献4にはタンデム圧延機による冷間圧延過程において、少なくとも1パスでワークロール対に噛み込む圧延板の温度を300〜500℃(特許文献3)、100〜500℃(特許文献4)とする提案がなされている。これらの手段は、特に生産性の高いタンデム圧延機を用いて方向性電磁鋼板を製造するのに有効な手段とされている。
特開昭50-16610号公報 特開平8-253816号公報 特開平1-215925号公報 特開平1-218705号公報
しかしながら、特許文献1又は2に記載の提案を、タンデム圧延機を利用した方向性電磁鋼板の製造方法に適用しようとすると、タンデム圧延においては圧延過程におけるスタンド間の距離が短くまた、通板速度も大きいために到底2分間以上という加熱保持時間が得られず、C,Nの拡散が不十分となり、そのため磁気特性の十分な改善が得られないことになる。
一方、特許文献3又は4に開示されている手段は、その効果を十分に得ようとすると、圧延温度を高くする必要がある。すなわち、鋼板の動的時効の最適温度が歪速度に依存し、圧延速度が速くなるほど最適温度も高くなるために、タンデム圧延機のような圧延速度が大きい圧延機を使用すると、必然的に動的時効の最適温度も高くなり、またタンデム圧延機ではスタンド間距離が短いためパス間時効があまり期待できず、そのためさらに圧延温度を高める必要がある。しかしながら、圧延温度が高温側にシフトして300℃を超えると、圧延中に圧延油が鋼板表面に局所的に焼き付き、圧延時の摩擦係数が不安定となって仕上げ板厚にばらつきを生じてしまう等の問題を生ずる。さらに、圧延油が焼き付いた部分では、その後の脱炭・一次再結晶焼鈍工程において生成する表面酸化膜(サブスケール)が不均一となり、製品の被膜の形成不良や模様の発生により外観が劣化し、被膜の密着性不良により磁気特性が劣化するという問題も生ずる。
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、特に生産性のよいタンデム圧延機を使用して最終圧延を行ないながら、圧延油の焼き付き等の品質上有害になる事象の発生を回避して安定して優れた磁束密度が得られる方向性電磁鋼板の製造方法を提案することを目的とする。
本発明者は、タンデム圧延機により最終冷間圧延を行なう際、まず静的時効を発現させた後、ただちに所定の温度、かつ所定の圧下率で圧延加工を施すと、鋼板内での変形帯の生成形態が変化し、それにより静的時効による転位固着と相俟って集合組織の改善効果が助長されるとの知見を得て本発明を完成した。
本発明は、質量比で、C:0.005〜0.10%、Si:2.0〜4.5%を含有する方向性電磁鋼板用スラブを熱間圧延した後、得られた熱延板に対し、熱延板焼鈍および1回のタンデム圧延機による冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、これに脱炭焼鈍および最終仕上げ焼純を行なって方向性電磁鋼板を製造するに当たり、(1)前記熱延板焼鈍後の冷却速度を700〜150℃間において10℃/s以上となし、(2)前記タンデム圧延機の最終スタンドに至るまでのいずれかのスタンド間において鋼板温度T(K)とスタンド間滞留時間t(s)とが下記(1)式を満足するようにしかつ、(3)前記タンデム圧延機の前記スタンド間以降のいずれかのスタンドの圧延材噛み込み温度を80℃以上300℃以下、圧下率を20%以上として圧延することとするものである。

t≧2×10-9×exp(10568/T)・・・(1)
また、本発明は、質量比で、C:0.005〜0.10%、Si:2.0〜4.5%を含有する方向性電磁鋼板用スラブを熱間圧延した後、得られた熱延板に対し、中間焼鈍を挟んで2回以上のタンデム圧延機による冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、これに脱炭焼鈍および最終仕上げ焼純を行なって方向性電磁鋼板を製造するに当たり、(1)前記中間焼鈍のうち最終中間焼鈍の冷却速度を700〜150℃間において10℃/s以上となし、(2)前記タンデム圧延機の最終スタンドに至るまでのいずれかのスタンド間において鋼板温度T(K)とスタンド間滞留時間t(s)とが前記(1)式を満足するようにしかつ、(3)前記タンデム圧延機の前記最終スタンド間以降のいずれかのスタンドの圧延材噛み込み温度を80℃以上300℃以下、圧下率を20%以上として圧延することとするものである。この場合において、前記熱延板に対し、熱延板焼鈍が行なわれることとすることができる。
本発明により、生産性のよいタンデム圧延機を使用して最終圧延を行ないながら、圧延油の焼き付き等の品質上有害になる事象の発生を回避して安定して優れた磁束密度が優れた方向性電磁鋼板の製造することができる。
出発素材として用いるスラブは、方向性電磁鋼板を製造するために用いられるものを特に制限なく利用できる。典型的な組成を示すと、質量比でC:0.005〜0.10%、Si:2.0〜4.5%を含有し、必要に応じてAl、N、S、Se、Mn等の析出型のインヒビタ成分、もしくはCu,Sn,Sb,Mo,Te,Bi,P等の粒界偏析型のインヒビタ成分を含有する。その基本成分系および好適成分系を示すと以下のとおりとなる(成分含有量の単位はいずれも質量比による)。
(基本成分系)
C:0.005〜0.10%、Si:2.0〜4.5%
Cは、熱間圧延時のγ−α変態により熱延板の結晶組織を改善し、かつ最終冷間圧延時に生じた転位に固溶・拡散して固着し、静的時効効果を生じさせるのに必要な元素である。その含有量が0.005%未満では上記効果に乏しく、一方、0.10%を超えると、後の脱炭焼鈍で十分な脱炭が困難になるので、出発素材における含有量は0.005〜0.10%とする。
Siは、電気抵抗を高めることにより、鉄損特性を改善する有用な成分であるが、含有量が2.0%未満では効果が小さく、良好な鉄損特性が得られない。しかし、4.5%を超えると冷間圧延が困難になる。そのため、Siの含有量は2.0〜4.5%の範囲とする。
(インヒビタ成分)
本発明における出発素材は、上記基本成分の他は、公知の工程、すなわち熱間圧延、必要に応じて行なう熱延板焼鈍および/又は中間焼鈍を挟む1回又は2回以上のタンデム圧延機による冷間圧延、脱炭焼鈍(一次再結晶焼鈍を兼ねる)および最終仕上げ焼純(二次再結晶焼鈍および純化焼鈍を兼ねる)を順次行なって一方向性電磁鋼板を得られる成分系であればよく、インヒビタ成分の種類、含有量等による制限はない。下記のようにインヒビタ成分を利用して二次再結晶粒を発達させることも可能であり、また特開2000-129856号公報等に示されているように、析出型のインヒビタ(AlN、MnS、MnSe等)を用いることなく二次再結晶粒を発達させることも可能である。インヒビタ成分の種類にしたがい、その好適含有量について説明すると以下のとおりである。
AlN系インヒビタを用いる場合
Sol.Al:0.01〜0.05%、N:0.004〜0.012%
Sol.Alは、含有量が0.01%未満では磁束密度が低下し、0.05%を超えると二次再結晶が不安定となる。したがって、AlN系インヒビタを用いる場合には、その含有量は0.01〜0.05%の範囲とする。
Nは、含有量が0.004%に満たないと、AlNインヒビタ量が不足して磁束密度が低下する。また、NはCとともに80℃以上で行なわれる最終冷間圧延時に転位に固着して静的時効を高める効果がある。しかし、その含有量が0.012%を超えるとブリスタとよばれる表面欠陥が多発する原因になる。したがって、その含有量は0.004〜0.012%の範囲とする。
MnSe及び/又はMnS系インヒビタを用いる場合
Mn:0.03〜0.30%、Se及び/又はS(合計で):0.01〜0.05%
Mnは、含有量が0.03%未満ではインヒビタ成分として絶対量が不足し、一方、0.30%を超えるとインヒビタ粒子径が粗大化して結晶粒成長抑制力が低下する。したがって、MnSe及び/又はMnS系インヒビタを用いる場合には、その含有量は0.03〜0.30%の範囲とする。
SeおよびSは、これらの合計含有量が0.01%に満たないとインヒビタ成分として絶対量が不足し、一方、0.05%を超えると仕上げ焼鈍での純化を困難にする。したがって、これらの含有量は合計量で0.01〜0.05%の範囲とする。なお、S及びSeは、それぞれMnS、又はMnSeとしてインヒビタとして利用することもできれば、これらの複合物、Mn(S,Se)として利用することもできる。なお、AlN系インヒビタとMnSe及び/又はMnS系インヒビタは共存させることができ、それによる相乗効果を得ることもできる。
析出型インヒビタ成分を含有しない場合
この場合は析出型インヒビタ形成元素であるAl、N、Se及びSの含有量がきわめて低く制限される。具体的には、Al:100ppm未満、S:50ppm以下、Se:50ppm以下に制限される。これらの量を超えると、テクスチャーインヒビションの作用による二次再結晶組織を得ることが困難になる。なお、Nについては純化焼鈍後のSi窒化物の生成を防止するために50ppm以下にすることが望ましい。また、窒化物形成元素であるTi、Nb、B、Ta、Vもそれぞれ50ppm以下に低減することが望ましい。テクスチャーインヒビションの作用を妨害しないようにして鉄損の劣化を防ぐためである。
インヒビタ成分の含有量及び制限は上記のとおりであるが、これらに加えて粒界偏析型のインヒビタとして、Cu,Sn,Sb,Mo,Te,Bi,P等をそれぞれ0.005〜0.3%の範囲で含有させることができる。これらの元素は単独または複合して併用することができそれにより鉄損を向上させることができる。また、熱延板組織を改善して磁気特性を向上させる目的で、Niを0.005〜1.50%の範囲で含有させることもできる。
(熱間圧延)
上記組成を有する出発素材であるスラブは、成分系にしたがい適正な温度でスラブ加熱され、次いで粗圧延、仕上圧延を含む熱間圧延により熱延板とされる。スラブ加熱温度は析出型インヒビタ成分を含有する場合はAl、Se、Sなどを完全に固溶させるため1350〜1450℃の温度域に加熱される。一方、析出型インヒビタ成分を含有しない成分系の場合はスラブ加熱温度が高温にすぎると、加熱時に固溶したインヒビタ形成成分が熱延中に不均一に微細析出し、それにより、粒界移動が局所的に抑制されて粒径分布が極めて不均一になり、ゴス方位への二次再結晶粒の発達が阻害されるので、比較的低温のたとえば1250℃以下の加熱温度を採用するのがよい。熱延条件は特に制限を設ける必要がなく、通常方向性電磁鋼板の製造のために採用されている条件で行なえばよい。
(熱延板焼鈍、中間焼鈍)
このようにして得られた熱延板は、熱延板焼鈍後あるいは熱延板焼鈍を施すことなく直接に冷間圧延に供され、最終板厚の冷延板とされる。本発明では、この冷間圧延をタンデム圧延機によって行なうこととし、さらに最終的に製品板厚まで圧下する圧延段階(「最終圧延段階」という)の直前に加熱後の冷却速度を700〜150℃間において10℃/s以上とする焼鈍工程を行なう。これは最終圧延段階の前にC等の元素を固溶させ、続く最終圧延段階で静的時効とその後の温間圧下の効果を相乗的に発現させるための事前処理としての意義を有する。
この最終圧延段階直前の焼鈍は、熱延板に対して熱延板焼鈍を行なって直ちに最終板厚への冷延を行なういわゆる1回法を採用する場合には、熱延板焼鈍がこれに相当し、一方、冷間圧延が中間焼鈍を挟んで複数回の圧延によって行なわれるいわゆる2回法等の場合には最終的に行なわれる冷間圧延の直前の中間焼鈍がこれに当たる。
この最終圧延段階直前の焼鈍のための加熱温度は、C等の侵入型元素を完全に固溶させるために1150℃以上とし、保持時間は30s以上とすればよい。一方、その冷却速度は、700〜150℃間において10℃/s以上としなければならない。冷却速度がこれより小さいときには、冷却過程においてCが炭化物として析出し、続く圧延工程において時効処理の効果を十分得ることができなくなるからである。
(最終圧延段階)
上記のようにして、C等の侵入型元素が固溶状態におかれた鋼板(熱延板又は中間冷延板)は最終板厚とするための最終冷間圧延に付される。この最終冷間圧延はタンデム圧延機を用いて行なわれ、そのため以下に記載する条件を適用して静的時効とその後の温間圧下による効果の相乗的発現による磁気特性の改善と操業の安定を図る。なお、冷間圧延はいわゆる1回法、2回法を問わず、すべてタンデム圧延機を用いて行なわれるものである。
まず、タンデム圧延機の最終スタンドに至るまでのいずれかのスタンド間の鋼板温度T(K)とスタンド間滞留時間t(s)との間に
t≧2×10-9×exp(10568/T)・・・(1)
の関係をおく。
この関係式はタンデム圧延機のスタンド間において静的時効の効果が発生するのに必要な最低限の時間として以下のようにして算定されたものである。
(1)静的時効が発現するためには、CやN原子が拡散により転位まで移動、到達することが必要となる。鋼板における平均転位密度は予め存在する歪みや温度により依存するものであるが、通常1010個/cm程度であることが知られており、これより転位間距離を求めることができる。
(2)Cの拡散係数はSmithら(Trans. AIME(1962), vol.224, p105)により実測され、表1のとおり与えられており、この拡散係数を用いて、Cが前記転位間距離を移動するに必要な時間t(s)を求めることができる。
(3)この時間は鋼板温度T(K)に依存し、図1に示す曲線となる。
(4)したがって、スタンド間で静的時効により拡散して転位を固着するためには、スタンド間の鋼板温度T(K)とスタンド間滞留時間t(s)との間に
t≧2×10-9×exp(10568×1/T)・・・(1)
の関係を維持しなければならない。
Figure 0004665417
上記静的時効条件に加えて、本発明では、タンデム圧延機の前記スタンド間直後のスタンドの圧延材噛み込み温度を80℃以上、圧下率を20%以上として圧延することとする。これは上記により静的時効を発現させた後、ただちに温間で圧下を加えるものであり、鋼板内での変形帯の生成形態に影響を与え、それにより前記静的時効による転位固着と相俟って集合組織の改善効果が助長されるのである。よって、前記(1)式を満足した直後のスタンドで上記噛み込み温度と圧下率の圧延を行なうこととする
この圧延材噛み込み温度が80℃未満のとき、もしくは圧下率が20%未満のいずれかのときには、静的時効の変形帯の生成が不十分であり、前記の集合組織改善効果も不十分となる。したがって、この圧延材噛み込み温度を80℃以上かつ、圧下率を20%以上としなければならない。
ここに圧延材噛み込み温度とは、鋼板がスタンドのロールに噛み込む直前の温度をいう。圧延材がスタンドに噛み込む際には、スタンド入側のロール冷却スプレーにより圧延材の温度が降下するので、これを例えば圧延材を別途走行させて冷却スプレーによる温度降下量を測定しておく。その際、冷却前圧延温度、冷却液種類、流量、圧延材搬送速度、圧延材板厚等を種々変更して圧延材の温度降下量とこれら操業条件のテーブルを作成しておく。そして実操業時の条件により前記テーブルを参照して圧延材噛み込み温度を求めるのである。
なお、この圧延材噛み込み温度が300℃を超えると、圧延油の焼付き等の問題が生ずるので、上記温度は300℃以下とする。
上記の条件下でタンデム圧延機により圧延された冷延板は、脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布して最終仕上げ焼鈍を施し製品板とする。これらの手段は、方向性電磁鋼板の製造のため広く採用されている手段を特に制限なく利用することがでる。また、このようにして得られた製品板に対し、りん酸系の絶縁被膜を被成することや鏡面化処理により鉄損の低減を図ることも自由であり、さらに方向性電磁鋼板の製造過程において磁区細分化処理を行なうことも可能である。
C:0.074%、Si:3.26%、Mn:0.068%、Al:0.025%、Se:0.021%およびN:0.0081%を含有する鋼スラブを板厚2.7mmに熱間圧延して複数枚の熱延板を得た。1000℃で1分間の加熱後、表2に示す種々の冷却速度により冷却する熱延板焼鈍を施した(No.1〜24)。また、一部の熱延板については、(a)熱延板焼鈍を施さず1000℃、1分間の中間焼鈍を挟んだ冷間圧延を施し(No.25)、あるいは(b)熱延板焼鈍を施した後、1000℃、1分間の中間焼鈍を挟んだ冷間圧延を施した(No.26)。
最終冷間圧延は全4スタンドのタンデム圧延機により行なった。その際、第3スタンド(最終スタンドのひとつ前)と第4スタンド(最終スタンド)との間の滞留時間t(s)と、第4スタンドでの圧下率を変更して表2に示すとおりとした。スタンド間温度の変更は、第1スタンド〜第3スタンドでの圧延油の流量変更によって行った。スタンド間滞留時間の変更は圧延速度を変更して行った。また、噛み込み温度の変更は、第4スタンド入り側においてスプレーする圧延油の流量を調節することにより行なった。
得られた冷延板に対し、湿水素中で840℃、2分間の脱炭焼鈍を施したのち、質量比で5%のTiO2を含むMgOを焼鈍分離剤として塗布した後、1200℃で10時間の最終仕上げ焼鈍を行なって製品板とした。得られた製品板について、JIS C2550に定められるエプスタイン法により鉄損W17/50(W/kg)を測定した結果を表2に示す。表2より、本発明に従う条件で製造した場合、タンデム圧延においても、十分な磁気特性を得ることができることが分かる。
Figure 0004665417
Cが転位間距離を移動するための必要時間−温度曲線である。

Claims (3)

  1. 質量比で、C:0.005〜0.10%、Si:2.0〜4.5%を含有する方向性電磁鋼板用スラブを熱間圧延した後、得られた熱延板に対し、熱延板焼鈍および1回のタンデム圧延機による冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、これに脱炭焼鈍および最終仕上げ焼純を行って方向性電磁鋼板を製造するに当たり、
    前記熱延板焼鈍後の冷却速度を700〜150℃間において10℃/s以上となし、前記タンデム圧延機の最終スタンドに至るまでのいずれかのスタンド間において鋼板温度T(K)とスタンド間滞留時間t(s)とが下記(1)式を満足するようにしかつ、
    前記タンデム圧延機の前記スタンド間直後のスタンドの圧延材噛み込み温度を80℃以上300℃以下、圧下率を20%以上として圧延することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。

    t≧2×10-9×exp(10568/T)・・・(1)
  2. 質量比で、C:0.005〜0.10%、Si:2.0〜4.5%を含有する方向性電磁鋼板用スラブを熱間圧延した後、得られた熱延板に対し、中間焼鈍を挟んで2回以上のタンデム圧延機による冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、これに脱炭焼鈍および最終仕上げ焼純を行って方向性電磁鋼板を製造するに当たり、
    前記中間焼鈍のうち最終中間焼鈍の冷却速度を700〜150℃間において10℃/s以上となし、前記タンデム圧延機の最終スタンドに至るまでのいずれかのスタンド間において鋼板温度T(K)とスタンド間滞留時間t(s)とが下記(1)式を満足するようにしかつ、
    前記タンデム圧延機の前記スタンド間直後のスタンドの圧延材噛み込み温度80℃以上300℃以下、圧下率を20%以上として圧延することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。

    t≧2×10-9×exp(10568/T)・・・(1)
  3. 質量比で、C:0.005〜0.10%、Si:2.0〜4.5%を含有する方向性電磁鋼板用スラブを熱間圧延した後、得られた熱延板に対し、熱延板焼鈍が行われることを特徴とする請求項2記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
JP2004095383A 2004-03-29 2004-03-29 方向性電磁鋼板の製造方法 Expired - Fee Related JP4665417B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004095383A JP4665417B2 (ja) 2004-03-29 2004-03-29 方向性電磁鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004095383A JP4665417B2 (ja) 2004-03-29 2004-03-29 方向性電磁鋼板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005279689A JP2005279689A (ja) 2005-10-13
JP4665417B2 true JP4665417B2 (ja) 2011-04-06

Family

ID=35178623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004095383A Expired - Fee Related JP4665417B2 (ja) 2004-03-29 2004-03-29 方向性電磁鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4665417B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4568875B2 (ja) * 2004-03-16 2010-10-27 Jfeスチール株式会社 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP5835557B2 (ja) * 2011-02-17 2015-12-24 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法
JP5991484B2 (ja) * 2011-12-06 2016-09-14 Jfeスチール株式会社 低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法
EP4414464A1 (en) 2021-10-15 2024-08-14 JFE Steel Corporation Aging treatment method and oriented electromagnetic steel sheet manufacturing method
CN115446113B (zh) * 2022-09-28 2024-04-26 湖南宏旺新材料科技有限公司 一种改进硅钢板面油烧缺陷的冷轧工艺

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS621458B2 (ja) * 1982-03-24 1987-01-13 Nippon Steel Corp
JPH07268471A (ja) * 1994-03-31 1995-10-17 Kawasaki Steel Corp 磁束密度が高い方向性電磁薄鋼板の製造方法
JPH08157964A (ja) * 1994-12-06 1996-06-18 Kawasaki Steel Corp 磁気特性に優れる一方向性珪素鋼板の製造方法
JPH0970602A (ja) * 1995-06-30 1997-03-18 Kawasaki Steel Corp 方向性電磁鋼板の製造方法
JPH09157744A (ja) * 1995-11-30 1997-06-17 Kawasaki Steel Corp 一方向性けい素鋼板の製造方法
JPH10121213A (ja) * 1996-10-21 1998-05-12 Kawasaki Steel Corp 高磁場に比し低磁場の鉄損特性に優れる方向性電磁鋼板とその製造方法
JPH10226819A (ja) * 1996-12-13 1998-08-25 Kawasaki Steel Corp 鉄損特性に優れた一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH10259422A (ja) * 1997-03-21 1998-09-29 Kawasaki Steel Corp 鉄損特性の良好な方向性電磁鋼板の製造方法
JPH11199933A (ja) * 1998-01-09 1999-07-27 Kawasaki Steel Corp 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2001107145A (ja) * 1999-10-05 2001-04-17 Kawasaki Steel Corp 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP2003193142A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Jfe Steel Kk 磁気特性の優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP2003253341A (ja) * 2002-03-05 2003-09-10 Jfe Steel Kk 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP2005262217A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Jfe Steel Kk 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS621458B2 (ja) * 1982-03-24 1987-01-13 Nippon Steel Corp
JPH07268471A (ja) * 1994-03-31 1995-10-17 Kawasaki Steel Corp 磁束密度が高い方向性電磁薄鋼板の製造方法
JPH08157964A (ja) * 1994-12-06 1996-06-18 Kawasaki Steel Corp 磁気特性に優れる一方向性珪素鋼板の製造方法
JPH0970602A (ja) * 1995-06-30 1997-03-18 Kawasaki Steel Corp 方向性電磁鋼板の製造方法
JPH09157744A (ja) * 1995-11-30 1997-06-17 Kawasaki Steel Corp 一方向性けい素鋼板の製造方法
JPH10121213A (ja) * 1996-10-21 1998-05-12 Kawasaki Steel Corp 高磁場に比し低磁場の鉄損特性に優れる方向性電磁鋼板とその製造方法
JPH10226819A (ja) * 1996-12-13 1998-08-25 Kawasaki Steel Corp 鉄損特性に優れた一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH10259422A (ja) * 1997-03-21 1998-09-29 Kawasaki Steel Corp 鉄損特性の良好な方向性電磁鋼板の製造方法
JPH11199933A (ja) * 1998-01-09 1999-07-27 Kawasaki Steel Corp 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2001107145A (ja) * 1999-10-05 2001-04-17 Kawasaki Steel Corp 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP2003193142A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Jfe Steel Kk 磁気特性の優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP2003253341A (ja) * 2002-03-05 2003-09-10 Jfe Steel Kk 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP2005262217A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Jfe Steel Kk 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005279689A (ja) 2005-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2880190B1 (en) Method of production of grain-oriented silicon steel sheet grain oriented electrical steel sheet and use thereof
KR101433492B1 (ko) 방향성 전기 강판의 제조 방법
KR100957911B1 (ko) 자성이 우수한 방향성 전기강판 및 그 제조방법
US10907231B2 (en) Grain-oriented electrical steel sheet and manufacturing method therefor
KR101707451B1 (ko) 방향성 전기강판 및 그 제조방법
JP4665417B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP6879341B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP6146582B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP5920387B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
EP0798392A1 (en) Production method for grain oriented silicon steel sheet having excellent magnetic characteristics
KR101053321B1 (ko) 자성이 우수한 방향성 전기강판 및 그 제조방법
EP0551141B1 (en) Oriented magnetic steel sheets and manufacturing process therefor
KR101528283B1 (ko) 방향성 전기강판 및 그의 제조방법
KR101053304B1 (ko) 자성이 우수한 방향성 전기강판 및 그 제조방법
KR101053281B1 (ko) 자성이 우수한 방향성 전기강판 및 그 제조방법
JP7276502B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法及び設備列
KR101053382B1 (ko) 자성이 우수한 방향성 전기강판 및 그 제조방법
KR101053283B1 (ko) 자성이 우수한 방향성 전기강판 및 그 제조방법
KR101053270B1 (ko) 자성이 우수한 방향성 전기강판 및 그 제조방법
KR101053362B1 (ko) 자성이 우수한 방향성 전기강판 및 그 제조방법
JP4151443B2 (ja) 打抜き後の平坦度に優れる薄鋼板およびその製造方法
KR101053294B1 (ko) 자성이 우수한 방향성 전기강판 및 그 제조방법
JP2574583B2 (ja) 鉄損の良好な方向性けい素鋼板の製造方法
JPH1036914A (ja) 磁気特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法
JP3858280B2 (ja) 磁気特性に優れる一方向性けい素鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091112

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100423

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100708

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100713

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100928

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101227

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4665417

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees