JP4533262B2 - 付着量変換方法、画像形成装置 - Google Patents
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Description
そのセンサ構成としては、(A)図2に示すように、正反射光のみを検出するタイプ(特開2001−324840号公報等参照)、(B)図3に示すように、拡散反射光のみを検出するタイプ(特開平5−249787号公報、特許第3155555号公報等参照)、(C)図4に示すように、両者を検出するタイプ(特開2001−194843号公報等参照)の3つのタイプがある。図2、図3、図4において、符号50A、50B、50Cは素子ホルダを、51はLEDを、52は正反射受光素子を、53は検知対象面を、54は検知対象面上のトナーパッチを、55は拡散反射受光素子をそれぞれ示している。
ここで安定させるべき画像濃度とは「出力画像の画像濃度」であるため、従来のモノクロ画像形成装置が感光体上で濃度検知を行っていたのに対し、カラー画像形成装置では、用紙に転写される直前の転写ベルト上で行うことが望ましく、また、画像濃度制御の狙いは最大目標付着量が狙いの値となるように制御することであるため、高付着量域まで正確に検知できることが望ましい。
しかしながら、従来の検知手法では付着量全域に亘って常に安定した正確な付着量検知を行うことは困難であった。
すなわち、中付着領域において、拡散反射光出力を付着量に対して多項式近似化するアルゴリズムである。
ここで、正規化値について換言すると、正反射光、拡散反射光を同時に検出可能な光学的検知手段により検知した結果得られる階調ないしトナーパターンの正反射光出力電圧と拡散反射光出力電圧との出力比(正反射/拡散反射)の最小値ないしは発光手段消灯時の各出力値との差分より得られる正反射光出力電圧増分、拡散光出力電圧増分との出力比(正反射光出力電圧増分/拡散光出力電圧増分)の最小値に、拡散光出力電圧ないしは拡散光出力電圧増分に乗じた値を、正反射光出力電圧ないしは正反射光出力電圧増分より引くことにより得られる値(=正反射光の正反射光成分)の、検知対象面の正反射光出力電圧ないしは正反射光出力電圧増分との比である。
すなわち、中付着領域において、拡散反射光出力を付着量に対して多項式近似化するアルゴリズムである。
すなわち、全付着領域において、拡散反射光出力を付着量に対して一義的に決まる値に変換するアルゴリズムである。
すなわち、拡散反射光出力を付着量に変換するアルゴリズムである。
まず、本実施形態における構成及び機能を説明する前に、本発明を具現化するに到った考察の経緯を説明する。
〔光学的検知手段の選定及びその機能についての考察〕
検知対象面としての転写ベルト上の濃度パターン検知にどのタイプのセンサを用いるかを考えた場合、(A)の正反射光のみのタイプでは高付着量域まで検知できないという欠点がある。(B)の拡散反射光のみのタイプでは、もし仮に転写ベルトが黒であった場合(多くの場合、転写ベルトには抵抗調整剤としてカーボンを用いるために黒である場合が多い)、黒トナーを検知できないといった致命的な欠点、及び転写ベルト地肌部での拡散反射光出力はほぼゼロであるためにセンサ感度校正ができないという欠点がある。
このような問題に対処するために、(C)、(D)の両者併用タイプを用いて2つの受光センサの出力の差分を取ったり(特許第3155555号公報、特開2001−194843号公報等参照)、または比を取る(特開平10−221902号公報等参照)ことにより付着量を検知する手法が多く提案されるようになってきたものと思われる。
(1)発光素子出力、受光素子出力のロットばらつきが考慮されていない。・・・(センサばらつき)
(2)発光素子出力、受光素子出力の温度特性、及び経時劣化が考慮されていない。・・・(センサの変動)
(3)検知対象面である転写ベルトの経時劣化による影響が考慮されていない。・・・(ベルトの変動)
この点について以下に詳述する。
センサの素子ばらつきがどのくらいあるのかを調べるために、LED(発光素子)、PTr(フォトトランジスタ)をそれぞれ数ロット(1ロット=197個)ずつ、以下の方法による出力測定により、ばらつき幅の評価を行った。
[発光素子側]
図2に示すセンサヘッドを用い、Vcc=5V、LED電流:If=14.2mA、受光素子固定とした条件で、発光素子を順次入れ替えていき、ある基準板に光を照射した時の受光素子の光電流:ILの測定を行い、発光出力の大小を判定。
[受光素子側]
図2に示すセンサヘッドを用い、Vcc=5V、LED電流:If=14.2mA、発光素子固定とした条件で、受光素子を順次入れ替えていき、ある基準板に光を照射した時の受光素子の光電流:ILの測定を行い、受光感度の大小を判定。測定結果を表1に示す。
素子ばらつきの大きさは、素子の種別(トップビュータイプ、サイドビュータイプ)、及び製造メーカにより異なると思われるが、少なくとも調整が必要となるレベルでのばらつきはどの素子を用いた場合でもあるはずである。
この点について、上記各従来技術においては何ら言及されていない。これは当然のことだという認識からであると思われるが、従来技術に記載されているような手法で正確な付着量検知を行うためには、センサ(素子)の出荷検査段階で厳密な出力調整が必要である。
図6は、図4に示すセンサを用いて、転写ベルト上のカラートナー付着量を測定した結果であり、横軸:付着量に対し、縦軸に正反射光出力電圧、及び拡散反射光出力電圧をプロットしたものである。
ここで、発光素子、正反射光受光素子、拡散反射光素子それぞれに素子ばらつきがあった場合でも、少なくとも正反射光出力については、ベルト地肌部にて出力が最大となる特性を持つことから、ベルト地肌部での出力がある値(この場合は3.0V)となるようにLED電流を調整すれば、発光素子、正反射光受光素子ばらつきによる出力ばらつきを吸収することができるために、付着量に対するセンサ出力としてほぼ一義的な出力特性が得られる。
また、図7に示すように、付着量ゼロの点では2条件の値が一致していて、高付着量域ではこれがずれている場合には、従来より知られている正反射光出力の正規化処理のような演算を行ったとしても決して一義的に決めることはできない。
以上より、「正反射光出力」と「拡散反射光出力」との差分、あるいは比データを元に付着量変換を行う場合には、「正反射光出力」と「拡散反射光出力」の関係が常にある関係を満足する必要があり、そのためには例えばセンサの出荷検査段階で、ある基準板に対する正反射光出力と拡散反射光出力との関係を厳密に調整する等のばらつき補正が必要となる。
(3)についての説明
画像出力時、転写ベルトは常にシート状記録媒体としての転写紙と接触しているために、摩耗により経時的にベルト表面が荒れてきてしまう。また、白色剤が多く含まれる転写紙を連続的に通紙した場合には、経時的にベルト表面が白色化してきてしまう。
これについての実験結果を示す前に、正反射光出力、及び拡散反射光出力の状態変化要因について説明する。
正反射光出力とは、検知対象面で鏡面反射する光(入射角と反射角とが等しい)のことであり、検知対象面がつるつる(=鏡面光沢度が高い)の場合、図8に示すように、照射された光61は検知対象面53で僅かに拡散されるのみで、殆どが正反射光62として鏡面反射される。図8において、符号63は正反射光感度を、64は拡散反射光感度をそれぞれ分布領域的に示している。
つまり、正反射光は検知対象物体の「表面性状特性(光沢度、表面粗さ等)の状態変化」により出力が変化し、拡散反射光出力は検知対象物体の「色特性(明度等)の状態変化」により出力が変化するという具合に、互いに全く独立した要因によって出力が変化するものなのである。
<転写ベルト(検知対象面)>
黒色ベルト・・・鏡面光沢度:Gs(60)=57、 明度:L*=10
茶色ベルト・・・鏡面光沢度:Gs(60)=27、 明度:L*=25
灰色ベルト・・・鏡面光沢度:Gs(60)=5、 明度:L*=18
<検知センサ(光学的検知手段)> 図4に示したセンサの詳細仕様
発光側
素子:GaAs赤外発光ダイオード(ピーク発光波長:λp=950nm)、トップビュータイプ
スポット径:φ1.0mm
受光側
素子:Siフォトトランジスタ(ピーク分光感度:λp=800nm)、トップビュータイプ
スポット径:
正反射光受光側:φ1.0mm
拡散反射光受光側:φ3.0mm
検出距離:5mm(センサ上部〜検知対象面までの距離)
LED電流:25mA固定
<線速>
125mm/sec
<サンプリング周波数>
500Sampling/sec(=2msec毎)
注1:鏡面光沢度測定値は、日本電色製の光沢度計PG−1を使い、測定角度60°で測定した値である。
注2:明度は、X−Rite社製の分光測色計:X−Rite938を使い、光源:D50、視野角:2°で測定した値である。
この実験ではセンサ側入力条件を固定(LED電流:If=25mA固定)として行っているので、ベルト地肌部の影響が及ばない高付着量域(M/A=0.4mg/cm2以上)では3種類のベルトで正反射光出力(電圧)が略一致するが、ベルト地肌部の影響を受ける低付着量域(M/A=0.4mg/cm2以下)では一致しない。
この結果から判る通り、経時的に転写ベルトの鏡面光沢度が低下、すなわち表面粗さが悪化した場合、付着量がゼロのベルト地肌部が露出している低付着量域では矢印で示すように正反射光出力(電圧)が低下してしまうことが判る。
上記実験事実により、もし正反射出力のみしかもたないタイプ(A)のセンサにて付着量検知を行った場合の最大の難点は、カラー付着量検知において、付着量検知可能範囲が転写ベルトの光沢度低下に伴い経時的に狭くなってしまうということである。
その理由は、従来技術ではカラー付着量の付着量検知を以下のような付着量検知アルゴリズムで行うため、付着量に対するセンサ出力特性が図11に示される変曲点(極小値)以上の付着量は検知できないからである。
<従来の正反射光出力タイプの付着量変換式>
(パターン部出力電圧−Vmin)/(地肌部出力電圧−Vmin)
Vmin:複数のパターン部出力の最小値
図11で、各ベルトの出力最小値を近似曲線の変曲点計算により求めると、経時的にベルトが劣化するに従い、検知可能な最大付着量が0.36(57)、0.30(27)、0.17(5)という具合に狭くなっていることが判る。( )内は光沢度値を示す。付着量検知可能範囲は出力値と最小値となる付着量までである。
なお、黒トナー付着量検知については、単に出力SN比が低下するだけで、多少の検知精度の低下が生じるものの検知可能な最大付着量はほとんど変わることなく検知することができる。
拡散反射光出力もベルト地肌部の影響を受けない高付着量域では3種類のベルトでは出力がほぼ一致するが、ベルト地肌部の明度変化の影響を受ける低付着量域では、明度変化の影響により出力が一致しない。
つまり、経時的に転写ベルトが白色化してきた場合、転写ベルト地肌部の拡散反射光出力が上昇することが判る。
上記実験事実により、拡散反射光出力のみしかもたないタイプ(B)のセンサにて付着量検知を行った場合の最大の難点は、まず第1に、検知対象面の経時的な特性変化を補正する手段を持たないこと、第2に、特には検知対象面が明度:L*<20のような黒色であった場合において、センサ感度の校正を検知対象面で行えないこと、が挙げられる。
明度:L*<20で感度校正ができなくなる理由は、地肌部からの拡散反射光出力がほぼゼロとなってしまうからである。
参考までに、本出願人が従来機に対して行っていたセンサの感度校正方法について述べると、工場にて画像形成装置に対しセンサを取り付けた後、ある白色基準板に対するセンサ出力がある値となるようにセンサ発光側LED電流調整を行っていた。ただ、このようにすれば初期的には調整できたとしても、センサの温度特性、経時のLED劣化等による感度変化に対する補正手段を持たないために、経時品質に対する確かなる保証が得られない。
図14は、「光沢度」と「明度」とがそれぞれ異なる42種類の転写ベルトを、図4に示した反射型フォトセンサを用いて、LED電流:20mA固定としたときの正反射光出力を横軸:60°光沢度に対してプロットしたものである。
横軸の光沢度測定値は、日本電色製の光沢度計PG−1を使い、測定角度60°で測定した値である。
図9に示すように、正反射光出力には拡散反射光成分が含まれるため、結果を明度の範囲毎にソートすれば、正反射光出力電圧は光沢度にほぼ直線的に比例する関係が得られることが判る。
このように直線的な比例関係が得られるのは、鏡面光沢度に対しては正に正反射光そのものを測定している関係にあるからである。(JISZ8741 鏡面光沢度−測定方法を参照)
横軸の明度は、X−Rite社製の分光測色計:X−Rite938を使い、光源:D50、視野角:2°で測定した値である。
両者の関係は光源、測定角度等の違いがあるために直線的な関係とはならないが、光沢度の影響を受けることなく、ほぼ同一カーブ上にプロットされることから、拡散反射光出力は正反射光出力に対し独立であることが判る。
故に、これに基づいて付着量変換を行っても、決して初期と同じ結果を得ることはできない。また、付着量変換までせず、この結果を直接濃度制御にフィードバックしても、初期とずれた結果となるだけである。
それのみならず、拡散反射光出力電圧も受光光量の増加に伴い出力が上昇するため、その結果として得られる差分出力は、図17に示されるように、低着量域ではなんとか初期と合わせられても、高付着量域ではずれが生じるため、やはり初期と同じ結果を得ることはできない。これは、差分出力ではなく、比を取った場合でも同じことである。
上記のような経時変動が全くなかったとしても、周囲温度の上昇により半導体である発光素子、受光素子の出力特性に変化が生じた場合には、やはり同様にして初期に定めた状態とは出力結果が異なってしまう。
つまり、如何にして拡散反射光出力の感度調整ができない黒ベルト上で、(a)センサロットばらつきによる出力ばらつき、(b)濃度検知センサの経時、環境変動、(c)検知対象面(転写ベルト)の経時変動の何れの要因にも左右されず、常に安定した高付着量域のトナー付着量検知を如何に行うかが解決すべき技術課題として浮かび上がってくる。
(1)センサ側(ハードウエア側)での「正反射光出力」と「拡散反射光力」との出力関係の厳密な調整を不要とし、すなわち、出荷段階での自由度を大きくして製造コストの低減に寄与し、
(2)上記3つの要因の存在に拘わらずソフトウエア側の特徴によって自動補正可能とし、黒ベルト上での高付着領域のトナー、粉体の付着量変換方法及び該方法を実施する画像形成装置の提供を実現しようとするものである。
本発明の上記狙いは、以下に説明する本発明に係る付着量変換方法(付着量変換アルゴリズム)、及びそれを用いた画像形成装置等にて達成される。
具体的には、階調パターンを(C)、(D)のタイプである「正反射光出力」、「拡散反射光出力」の2出力を持つ反射型光センサにて読み取り、正反射光による付着量検知が可能な付着量域で、この2つの出力を付着量に対して線形関係を持つ値に変換し、付着量に対し一義的な関係が得られる正反射光出力の変換値を基に、拡散反射光出力変換値の感度補正を行うことにより、拡散反射光出力についても付着量に対して一義的に決まる値に変換するアルゴリズムにより達成される。
まず、図1に示すように、画像形成装置としての且つ粉体付着量検出装置としての4連タンデム直接転写方式のカラーレーザプリンタの概略構成を説明する。
カラーレーザプリンタは、1つの手差しトレイ36、2つの給紙カセット34(第1給紙トレイ)、34(第2給紙トレイ)の3つの給紙トレイを有しており、手差しトレイ36より給紙されたシート状記録媒体としての図示しない転写紙は給紙コロ37により最上のものから順に1枚ずつ分離され、レジストローラ対23へ向けて搬送される。第1給紙トレイ34又は第2給紙トレイ34から給紙された転写紙は、給紙コロ35により最上のものから順に1枚ずつ分離され、搬送ローラ対39を介してレジストローラ対23へ向けて搬送される。
給紙された転写紙は、レジストローラ対23で一旦停止され、スキューを修正された後、後述する最上流に位置する感光体ドラム14Y上に形成された画像の先端と転写紙の搬送方向の所定位置とが一致するタイミングで、図示しないレジストクラッチのオン制御によるレジストローラ対23の回転動作により転写ベルト18へ向けて搬送される。
転写紙は、転写ベルト18とこれに当接した紙吸着ローラ41とで構成される紙吸着ニップを通過する際、紙吸着ローラ41に印加されるバイアスにより転写ベルト18に静電力で吸着され、プロセス線速125mm/secにて搬送される。
各色の転写工程を経た転写紙は、下流側の駆動ローラ19部位で転写ベルト18から曲率分離され、定着装置24へ搬送される。定着装置24における定着ベルト25と加圧ローラ26により構成される定着ニップを通過することにより、トナー像が熱と圧力により転写紙に定着される。定着がなされた転写紙は、片面印刷モードの場合には、装置本体上面に形成されたFD(フェイスダウン)トレイ30へと排出される。
予め両面印刷モードが選択されている場合には、定着装置24を出た転写紙は、図示しない反転ユニットへ送られ、該ユニットにて表裏を反転されてから転写ユニット下部に位置する両面搬送ユニット33に搬送される。転写紙は該両面搬送ユニット33から再給紙され、搬送ローラ対39を経てレジストローラ対23へ搬送される。以降は、片面印刷モード時と同様の動作を経て定着装置24を通過し、FDトレイ30へと排出される。
画像形成部は、各色共に同様の構成及び動作を有しているのでイエロー画像を形成する構成及び動作を代表して説明し、その他については各色に対応する符号を付して説明を省略する。
転写紙搬送方向の最上流側に位置する感光体ドラム14Yの周囲には、帯電ローラ42Y、クリーニング手段43Yを有する作像ユニット12Yと、現像ユニット13Y、光書き込みユニット16等が設けられている。
画像形成時、感光体ドラム14Yは図示しないメインモータにより時計回り方向に回転駆動され、帯電ローラ42Yに印加されたACバイアス(DC成分はゼロ)により除電され、その表面電位が略−50vの基準電位となる。
プリント画像として図示しないコントローラ部より送られてきたデジタル画像情報は、各色毎の2値化されたLD発光信号に変換され、シリンダレンズ、ポリゴンモータ、fθレンズ、第1〜第3ミラー、及びWTLレンズ等を有する光書き込みユニット16により感光体ドラム14Y上に露光光16Yが照射される。
照射された部分のドラム表面電位が略−50vとなり、画像情報に対応した静電潜像が形成される。
作像された各色の感光体ドラム14B、14C、14M、14Y上のトナー画像は、転写ベルト18上に吸着された転写紙上に上記転写バイアスにより転写される。
このプロコン動作では、各色複数の階調パターンとしての濃度検知用パッチ(以下Pパターンと略す)を、帯電バイアス、現像バイアスとを適当なタイミングで順次切り替えることにより転写ベルト上に作像し、これらPパターンの出力電圧を、駆動ローラ19の近傍における転写ベルト18の外部に配置された光学的検知手段としての濃度検知センサ(以下Pセンサと略す)40により検知し、その出力電圧を本発明の付着量変換アルゴリズム(粉体付着量変換方法)により付着量変換して、現在の現像能力を表す(現像γ、Vk)の算出を行い、この算出値に基づき、現像バイアス値及びトナー濃度制御目標値の変更をする制御を行っている。
ここでは受光素子としてPTr(フォトトランジスタ)を用いたが、PD(フォトダイオード)などの受光素子を用いても良い。
(1)階調パターンの正反射光出力、拡散反射光出力をサンプリング(図11、図13参照)し、
(2)正反射光出力を[正反射光成分]と[拡散反射光成分]とに成分分解することにより、[正反射光成分]のみを抽出し、
(3)拡散反射光出力から[ベルト地肌部からの拡散反射光成分]を除去することにより、[トナーからの拡散光成分]を抽出し、
(4)(2)、(3)により求めた互いに独立する(交差する)2つの出力変換値の付着量に対する1次線形関係を利用し、正反射光による付着量検知が可能な付着量範囲(低付着量域)において、ある正反射光出力変換値(または付着量)の拡散反射光出力変換値がある値となるように、拡散反射光出力変換値を感度補正することにより、付着量に対する拡散反射光出力(補正値)を一義的に定め、
(5)予め求めた「付着量」と「拡散反射光出力補正値」の関係から、付着量変換処理を行っている。
(1)についての説明
図11、図13は、転写ベルト18に作像した図18に示す濃度検知用のPパターン70を、図4に示すPセンサ40により検出した「正反射光出力電圧」及び「拡散反射光出力電圧」を電子天秤により精密に測定したカラートナー付着量[mg/cm2]に対しプロットしたものである。階調パターン70はベルト移動方向上流側がトナーの付着量が多くなる。
転写ベルト18としては、上述のように、鏡面光沢度、明度がそれぞれ異なる3種類のものを用いている。
ここで、図10に示した黒トナー付着量に対する正反射光出力特性と、図11に示したカラートナー付着量に対する正反射光出力特性とを比較すると、図11では正反射光出力がある付着量(この場合には0.2〜0.4mg/cm2)以上で単調減少から単調増加に転じているのが判るが、これは図19、図20に示す通り、正反射光として正反射光受光素子52で受光される光には、純粋な[正反射光成分]に加え、[ベルト面からの拡散反射光成分]、[トナー層からの拡散反射光成分]が含まれているからである。図19(b)において、符号54はシアンのベタ部を示す。
LED51からの照射光が、図19に示す通り、検知対象面で均等拡散していることを考えると、正反射光受光素子52に受光される拡散反射光成分と拡散光受光素子55に入る拡散反射光との間にはn倍の関係が成り立つはずである。
ここで用いたn倍の値は、各受光素子52、55の受光径及び配置等の光学的レイアウトによって決まる値である。
この様な係数αを求めることができれば、正反射光出力を「正反射成分」と「拡散反射成分」とに成分分解できるものと考える。
ここで、係数αをどう求めるかについて考えてみると、Bkトナーについては拡散反射成分がほぼゼロに等しいほど小さいので、図10に示されるBkの正反射光出力特性がカラートナーの拡散反射光成分を除去した正反射成分出力特性とほぼ等しいと考えられる。
図10に示されるように、Bkトナーの正反射光出力特性は付着量の増加に従い、出力値ほぼゼロ、あるいは僅かにプラスの値となり、決してマイナスとはならないことから、カラートナーの各Pパターン毎に正反射光出力と拡散反射光出力の比の最小値を求め、この比の最小値を拡散反射光出力に乗じて、正反射光出力から引いてやれば、狙い通りの正反射成分のみ出力特性を取り出すことができるはずである。
Vsg・・・転写ベルト18の地肌部の出力電圧
Vsp・・・各パターン部の出力電圧
Voffset・・・オフセット電圧(LED51のオフ時の出力電圧)
_reg.・・・正反射光出力(Regular Reflectionの略)
_dif.・・・拡散反射光出力(Diffuse Reflectionの略、JISZ8105 色に関する用語参照)
[n] ・・・要素数:nの配列変数
(STEP1):データサンプリング:ΔVsp、ΔVsgの算出(図21、図22参照)
まず、はじめに、正反射光出力、拡散反射光出力ともに、全ポイント[n]についてオフセット電圧との差分を計算する。
これは、最終的には「センサ出力の増分をカラートナーの付着量の変化による増分」のみで表したいためである。
STEP1にて求めたΔVsp_reg.[n]、ΔVsp_dif.[n]から、各ポイント毎にΔVsp_reg.[n]/ΔVsp_dif.[n]を算出し、STEP3で正反射光出力の成分分解を行う際に、拡散反射光出力(ΔVsp_dif.[n])に乗ずる係数αの算出を行う。
(STEP3):正反射光の成分分解(図23参照)
以下の式により、正反射光出力の成分分解を行う。
この処理により、図23に示す通り、正反射光出力が[正反射光成分]と[拡散反射光成分]に成分分解される。
(STEP4):正反射光出力_正反射成分の正規化(図24参照)
次に、3種類のベルトの地肌部の正反射光出力の違いを補正するために、各パターン部出力のベルト地肌部出力との比を取り、0〜1までの正規化値へ変換する。
このように、正反射光を成分分解することにより、正反射光成分のみを抽出し、これを正規化値に変換することにより、正反射光成分と付着量との関係を一義的に求めることができる。なお、この値はベルト地肌部の露出率を表しており、付着量ゼロ〜1層形成までの付着量範囲においては、この正規化値(=ベルト地肌部の露出率)は付着量に対して1次線形の関係にある。
もし仮に、M/A}=0〜0.4mg/cm2までの低付着量域のトナー付着量を求めたいのであれば、図23に示すような付着量と正規化値との関係を、予め数式あるいはテーブルデータとして実験的に求めておけば、これを逆変換、あるいはテーブル参照することにより付着量変換が可能となる。
これに対し、本実施形態においては、所定係数として正反射光及び拡散反射光のセンサ出力を基に計算される係数を乗じているため、光学的検知手段の特性ばらつきが考慮された高精度の検知を行うことができる。
次に、[拡散反射光出力電圧]から[ベルト地肌部からの拡散反射光出力成分]を除去する処理について説明する。
本実施形態における付着量変換アルゴリズムで最終的に求めたいのは、トナー付着量に対する拡散反射光出力との一義的な関係である。
しかしながら、図20に示す通り、拡散反射光受光素子55に入る光にはトナー層からの拡散反射光に加え、ベルト地肌部からの拡散反射光(ノイズ成分)が含まれているために、元出力からこの成分を除去する必要がある。
図20において、正反射成分の「地肌部出力」と「パターン部出力」との比は、付着量に対し一義的に決まる(付着量検出可能範囲:0〜0.4mg/cm2)。
また、トナー層からの拡散反射成分において、検知対象面への照射光が一定であれば、付着量に対する関係は一義的に決まる(付着量検出可能範囲:0〜1・0mg/cm2)。
STEP4の続きとして、図13に示した茶色ベルト(Gs=27、L*=25)の出力結果を基に処理フローについて説明する。
図13の結果が示す通り、ベルト地肌部からの拡散反射光出力は、トナーが付着していないベルト地肌部で最大となり、トナーが付着するに従い、徐々にその成分は減少する。
ベルト地肌部からダイレクトに拡散反射光受光素子55に入る光による拡散反射光出力電圧増分の付着量との関係は、転写ベルト18の露出比率、すなわち先に求めた正反射光出力の正反射成分の正規化値(図24参照)に比例するために、[拡散反射光出力電圧]から[ベルト地肌部からの拡散反射光出力成分]を除去する処理は以下の通りとなる。
(STEP5):拡散反射光出力の地肌部変動補正(図25参照)
このような処理を行うことにより、付着量ゼロ〜1層形成までの付着量範囲における補正後の拡散反射光出力は、原点を通り付着量に対し1次線形関係のある値へと変換される。
これに対し、拡散反射光は、LED51より照射されてトナー層内部まで入り込んだ光が多重反射される光であるため、図13に示す通り、トナー層が100%以上覆われた高付着量領域でもセンサ出力は単調増加する特性を持つ。
よって、ベルト地肌部から反射されてくる光も、図26に示す通り、ベルト地肌部から直接反射される1次成分と、トナー層を透過して反射されてくる2次、3次成分とがある。
本実施形態では、STEP5において1次成分のみの補正しかしていないが、この補正のみでも少なくとも感度補正を行う低付着量域に限ってはほぼ正確にベルト地肌部の影響を除去できており、2次、3次成分は1次成分に比して十分に小さいものであるから、1次成分のみの補正でも実用上十分な精度を得ることができる。
以上の処理により、正反射光出力が感度を持つ低付着量域において、(2)で、正反射光よりトナー付着量との関係が一義的に表せる[正反射光成分]のみを抽出し、(3)で、拡散反射光から、[ベルト地肌部から直接反射されてくる拡散反射光成分]を除去することができたので、これらを基に拡散反射光出力の感度補正を行う。
ここで、感度補正を行う理由は、先に述べた通り、以下に対する補正を行うためである。
(1)発光素子出力及び受光素子出力のロットばらつきに対する補正
(2)発光素子出力及び受光素子出力の温度特性及び経時劣化特性に対する補正
この処理における最大のポイントは、トナー層が1層までしか形成されていない低付着量域においては、
(a)正反射光出力(正反射成分)の正規化値、すなわち、転写ベルト地肌部の露出率はトナー付着量に対し、1次線形関係にある。
(b)[トナー層からの拡散反射成分]は、トナー付着量に対し原点を通る1次線形関係にある。
という正反射光、拡散反射光の2つの補正後出力がともにトナー付着量に対し1次の関係にあることを利用して、拡散反射光出力の感度補正を行う点である。
この感度補正のやり方は幾つかの方法が考えられるが、ここでは実施例として2つの方法について説明する。
<第1の方法による処理式>
図27に示すように「正反射光(正反射成分)の正規化値」に対し、地肌部変動補正後の拡散反射光出力をプロットし、低付着量域における直線関係から、拡散反射光出力の感度を求め、この感度が予め定めた狙いの感度となるように、補正を行う。
ここで、拡散反射光出力の感度と述べているのは、図27に示す直線の傾きであり、ある正規化値の地肌部変動補正後の拡散反射光出力がある値(ここでは0.3のとき1.2)となるように、現状の傾きに対して乗じる補正係数を算出し、補正する。
(1)直線の傾きを最小二乗法により求める。
(2)こうして求められた感度から計算されるある正規化値aがある値bとなるような感度補正係数γを求める。
図24で求められた付着量(測定値)と正反射光(正反射成分)の正規化値との関係から求められた逆変換式、または変換テーブル参照により、「正反射光(正反射成分)の正規化値」を付着量(変換値)に変換し、この付着量(変換値)に対して地肌部変動補正後の拡散反射光出力をプロットし、低付着量域における直線関係から拡散反射光出力の感度を求め、この感度が予め定めた狙いの感度となるように補正を行う。
先の第1の方法との相違点は、横軸を「正反射光(正反射成分)の正規化値」から「付着量(変換値)」に変更したことである。ここで、拡散反射光出力の感度と述べているのは図28に示す直線の傾きであり、ある付着量(変換値)の地肌部変動補正後の拡散反射光出力がある値(ここでは0.175のとき1.2)となるように、現状の傾きに対して乗じる補正係数を算出して補正する。
(1)直線の傾きを最小二乗法により求める。
(2)こうして求められた感度から計算されるある正規化値aがある値bとなるような感度補正係数γを求める。
さらに、前述の方法で求めた「正反射成分の出力値」と「地肌部の正反射成分」との相対出力値と拡散反射光出力値の関係を低付着量領域で線形近似し、線形近似によって得られた「正反射成分の出力値」と「地肌部の正反射成分」との相対出力値と拡散光出力値の関係を基に拡散光出力を補正し、補正された拡散反射光出力変換値に基づき、付着量を変換することを特徴としている。
このようなことに鑑み、本実施形態では、中付着量領域で拡散反射光出力の補正を行って、補正精度を向上させることを目的としている。
以下にその補正方法を説明する。
図29に示すように「正反射光(正反射成分)の正規化値」に対し、地肌部変動補正後の拡散反射光出力をプロットし、中付着量域における関係から、拡散反射光出力の感度を求め、この感度が予め定めた狙いの感度となるように補正を行う。
ある正規化値の地肌部変動補正後の拡散反射光出力がある値となるように補正係数を算出し、補正する。
(1)正反射光の正規化値と拡散反射光出力の関係を下記のように最小二乗法により求める(ここでは2次式近似とした)。
(2)こうして求められた感度から計算されるある正規化値aがある値bとなるような感度補正係数γを求める。
ここで、補正前の拡散反射光出力電圧は図13に示される通りであるため、以上の処理により、本発明の目的の一つである、
(1)発光素子出力、及び受光素子出力のロットばらつきに対する補正
(2)発光素子出力、及び受光素子出力の温度特性、及び経時劣化特性に対する補正が十分にできていることが確認できた。
このような処理により、トナー付着量に対して感度補正後の拡散反射光出力を一義的に表すことができるため、予め数式あるいはテーブルデータとして実験的に求めておけば、これを逆変換、あるいは変換テーブルを参照することにより高付着量域まで正確な付着量変換が可能となる。
図31に示す通り、高付着量域までほぼ正確に付着量変換できることが確認できる。高付着量域まで正確な付着量検知が可能となることにより、画像濃度制御における最大目標付着量を精度よく制御することができるようになるため、経時、環境、及びセンサのロットばらつきに拘わらず、常に安定した画質を得ることができる。
この結果により、本発明のアルゴリズムを用いることにより、上述したような光学的検知手段における種々の要因による受光素子の出力ばらつきを、ハードウエア側の厳密な調整を要することなく、アルゴリズム側、すなわちソフトウエア側で自動的に且つ高精度に補正することが可能となる。
また、上記説明では、検知対象面を転写体としての転写ベルト18としたが、各感光体ドラムを検知対象面としてもよい。この場合、Pセンサ40は各感光体ドラムに対向して設けられる。
この場合、図18に示す濃度検知用のPパターンが中間転写体としての中間転写ベルト2上に形成され、これを支持ローラ2Bの近傍に配置されたPセンサ40により検出する。すなわち、中間転写ベルト2を検知対象面としている。検知方式、動作(検知データの等取り扱い等)は最初の例と同様である。
画像形成部1Aには、水平方向に延びる転写面を有する転写体としての中間転写ベルト2が配置されており、該中間転写ベルト2の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体ドラム3Y、3M、3C、3Bが中間転写ベルト2の転写面に沿って並置されている。
中間転写ベルト2は、複数のローラ2A〜2Cに掛け回されて感光体ドラム3Y、3M、3C、3Bとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を備えている。転写面を支持するローラ2A、2Bとは別のローラ2Cは、中間転写ベルト2を挟んで2次転写装置9に対向している。図34中、符号10は中間転写ベルト2を対象としたクリーニング装置を示している。
印加電圧部材15Yは感光体ドラム3Yの回転方向における転写バイアスローラ7Yの上流側に設けられている。印加電圧部材15Yにより、中間転写ベルト2に感光体ドラム3Yの帯電極性と同極性で且つ絶対値がベタ時VLより大きい電圧を印加し、転写領域にトナー像が入る以前に感光体ドラム3Yから中間転写ベルト2へトナーが転写することを防止して、感光体ドラム3Yから中間転写ベルト2へのトナーの転写時のチリによる乱れを防止する。
転写後感光体ドラム3上に残留したトナーはクリーニング装置8により除去され、また、転写後図示しない除電ランプにより感光体ドラム3の電位が初期化され、次の作像工程に備えられる。
2次転写装置9は、帯電駆動ローラ9A及び従動ローラ9Bに掛け回されて中間転写ベルト2と同方向に移動する転写ベルト9Cを有している。転写ベルト9Cを帯電駆動ローラ9Aにより帯電させることで、中間転写ベルト2に重畳された多色画像あるいは担持されている単一色の画像をシート状記録媒体としての用紙28に転写することができる。
給紙カセット1B1から給紙された用紙28は、レジストローラ対1B4で一旦停止され、斜めずれ等を修正された後、中間転写ベルト2上のトナー像の先端と搬送方向先端部の所定位置とが一致するタイイングでレジストローラ対1B4により2次転写位置に送られる。装置本体の右側には起倒可能に手差しトレイ29が設けられており、該手差しトレイ29に収容された用紙28は給紙コロ31により給送された給紙カセット1B1からの用紙搬送路と合流する搬送路によりレジストローラ対1B4に向けて送られる。
画像読取部1Cは、自動原稿給送装置1C1と、原稿載置台としてのコンタクトガラス80を有するスキャナ1C2等を有している。自動原稿給送装置1C1は、コンタクトガラス80上に繰り出される原稿を反転可能な構成を有し、原稿の表裏各面での走査が行えるようになっている。
光書込装置5により形成された感光体ドラム3上の静電潜像は現像装置6によって可視像処理され、中間転写ベルト2に1次転写される。中間転写ベルト2に対して各色毎のトナー像が重畳転写されると、2次転写装置9により用紙28上に一括して2次転写される。2次転写された用紙28は定着装置11へ送られ、ここで熱と圧力により未定着画像を定着される。2次転写後の中間転写ベルト2上の残留トナーは、クリーニング装置10により除去される。
中間転写ベルト2に転写されたトナー像は、単一画像の場合にはそのまま給紙部1Bから繰り出された用紙28に転写される。多色画像の場合には1次転写が繰り返されることにより重畳された後、用紙28に一括して2次転写される。
2次転写後の用紙28は定着装置11により未定着画像を定着された後、排紙トレイ27に排出され、あるいは反転されて両面画像形成のために再度レジストローラ対1B4に向けて送られる。
本例では、検知対象面を転写体としての中間転写ベルト2としたが、各感光体ドラムを検知対象面としてもよい。この場合、Pセンサ40は各感光体ドラムに対向して設けられる。
この場合、図18に示す濃度検知用のPパターンが中間転写体としての中間転写ベルト426上に形成され、これを駆動ローラ444の近傍に配置されたPセンサ40により検出する。すなわち、中間転写ベルト426を検知対象面としている。検知方式、動作(検知データの取り扱い等)は最初の例と同様である。
カラー複写機において、露光手段としての書き込み光学ユニット400は、カラースキャナ200からのカラー画像データを光信号に変換して原稿画像に対応した光書き込みを行い、像担持体である感光体ドラム402上に静電潜像を形成する。
該書き込み光学ユニット400は、レーザーダイオード404、ポリゴンミラー406とその回転用モータ408、fθレンズ410や反射ミラー412等により構成されている。
感光体ドラム402は、矢印で示すように反時計回りの向きに回転され、その周囲には、感光体クリーニングユニット414、除電ランプ416、電位センサ420、回転式現像装置422のうちの選択された現像器、現像濃度パターン検知器424、中間転写体としての中間転写ベルト426等が配置されている。
待機状態では、回転式現像装置422は、ブラック現像の位置にセットされており、コピー動作が開始されると、カラースキャナ200で所定のタイミングからブラック画像のデータの読み取りがスタートし、この画像データに基づいてレーザ光による光書き込み・静電潜像(ブラック潜像)の形成が始まる。
そして、以後、ブラック潜像領域の現像動作を続けるが、潜像後端部がブラック現像位置を通過した時点で、速やかにブラックのための現像位置から次の色の現像位置まで、回転式現像装置422が回転する。当該動作は、少なくとも、次の画像データによる潜像先端部が到達する前に完了させる。
像形成サイクルが開始されると、まず、感光体ドラム402は矢印で示すように反時計回りの向きに、中間転写ベルト426は時計回りの向きに、図示しない駆動モータによって回転させられる。中間転写ベルト426の回転に伴って、ブラックトナー像形成、シアントナー像形成、マゼンタトナー像形成、イエロートナー像形成が行われ、最終的にブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に、中間転写ベルト426上に重ねられ(1次転写)、トナー像が形成される。
感光体ドラム402に順次形成されるブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像が中間転写ベルト426上で正確に順次位置合わせされ、これによって4色重ねのベルト転写画像が形成される。このベルト転写画像は2次転写対向ローラ446により用紙に一括転写される。
像形成が開始される時期に、用紙は上記いずれかのカセットの給紙口から給送され、レジストローラ対470のニップ部で待機する。そして、2次転写対向ローラ446に中間転写ベルト426上のトナー像の先端がさしかかるときに、丁度用紙先端がこの像先端に一致するようにレジストローラ対470が駆動され、用紙と像のレジスト合わせが行われる。
中間転写ベルト426から4色重ねトナー像を一括転写された用紙は、紙搬送ベルト472によりベルト定着方式の定着装置470へ搬送され、この定着装置470で熱と圧力によりトナー像を定着される。定着を終えた用紙は排出ローラ対480で機外へ排出され、図示しないトレイにスタックされる。これにより、フルカラーコピーが得られる。
本例では、検知対象面を転写体としての中間転写ベルト426としたが、感光体ドラム402を検知対象面としてもよい。この場合、Pセンサ40は感光体ドラム402に対向して設けられる。
また、上記各例では、粉体付着量検出装置として画像形成装置を例示したが、トナー以外の粉体を扱う付着量検出分野においても同様の処理方式により同様の検知機能を得ることができる。
従来技術では、上述した通り、検知対象面の経時的な光沢度低下によりカラー付着量検知可能範囲が徐々に狭まっていくために、経時での検知対象面の摩耗劣化が寿命の律速要因となっていたが、上記のような変換処理を行うことにより、従来の正反射光検知に比べ、付着量検知可能範囲が広がり、光沢度に依存することなく、正確な付着量検知が行うことができる。
また、上記各例では検知対象面の摩耗劣化に依存しないために、検知対象面の寿命を伸ばすことができる。
正反射光出力変換アルゴリズムを、カラー画像形成装置における像担持体又は転写体を検知対象面とした付着量検出に適用することにより、従来技術では濃度検知困難と言われている光沢度の低いベルトのような検知対象面でも何ら問題なく付着量変換でき、その付着量変換値に基づき濃度制御を行うことができる。
また、上記変換処理(拡散光出力感度の自動補正機能)を行うことにより、濃度検知センサの発光素子、受光素子の出力ばらつきに起因する拡散光出力ばらつき(ハードウエア側)を、付着量変換アルゴリズム側(ソフトウエア側)により補正できるようになるため、従来行われてきたようなセンサ出荷検査時におけるセンサ側(ハードウエア側)での調整作業は不要、もしくは調整幅を大幅に広げることが可能となる。
因みに、本出願人が従来機に搭載していた拡散反射型センサでは、出力調整時間がセンサ1個につき約2分近く要していたのに対し、公差幅を広くできた結果、10秒弱で調整可能となった。
これにより、センサ製造における生産性を飛躍的に改善でき、センサのコストダウン、ひいては画像形成装置のコストダウンを実現できる。
従来技術では、拡散反射光出力のみのセンサ(タイプ(B))では感度校正が困難であった、検知対象面が黒色である場合においても、正確な感度校正及び付着量検知を行うことができる。
また、従来では、正反射光出力と拡散反射光出力併用タイプのセンサ(タイプ(C)、(D))では、検知対象面の経時劣化による特性変化により、経時的に付着量検出精度が低下してしまっていたが、拡散反射光出力感度の自動補正機能により、検知対象面の経時的な特性変化をアルゴリズム側(ソフトウエア側)で吸収することができるため、検知対象面の光沢度が非常に低い場合であっても光沢度に関係無く、また黒色であっても高付着量域に亘って、拡散反射光出力を正確に付着量に変換することができる。これにより、検知対象面の長寿命化、ひいてはランニングコストの低下を実現できる。
拡散反射光出力変換アルゴリズムを、カラー画像形成装置における像担持体又は転写体を検知対象面とした付着量検出に適用することにより、従来技術では濃度検知が困難と言われている光沢度の低いベルトであっても、また検知対象面が黒のベルトであっても何ら問題なく高付着量域まで付着量検知を高精度に行うことができる。これにより、最大付着量目標値であるベタ付着量を検知でき、経時、環境の変動に拘わらず、常に安定した画像濃度制御を行うことができる。
正反射光出力と拡散反射光出力との比の最小値が得られる付着量近傍において、少なくとも1つ以上、望ましくは3つ以上の付着量パターン(付着量パッチ数)を持つこととすることにより、より精度の高い付着量変換が可能となる。
また、発光手段オフ時の各出力値との差分より得られる正反射光出力増分と拡散反射光出力増分との比の最小値が得られる付着量近傍において、少なくとも1つ以上、望ましくは3つ以上の付着量パターンを持つこととすることにより、より精度の高い付着量変換が可能となる。
また、正反射光出力変換値が付着量に対し一次線形関係にある付着量範囲内において、少なくとも1つ以上、望ましくは3つ以上の付着量パターンを持つこととすることにより、より精度の高い付着量変換が可能となる。
18 検知対象面としての転写ベルト
51 発光手段としてのLED
52 受光手段としての正反射光受光素子
55 受光手段としての拡散反射光受光素子
70 階調パターン
Claims (8)
- 検知対象面、及び検知対象面上に連続的に複数個形成された付着量の異なる階調パターンを、検知対象面に対向する位置に配置された正反射光、拡散反射光を同時に検出可能な光学的検知手段により検知した結果得られる階調パターンの正反射光出力電圧と拡散反射光出力電圧の、正反射光出力より抽出した正反射成分の地肌部の正反射成分との相対出力比(=正規化値)に、検知対象面の拡散反射光出力電圧ないしは上記光学的検知手段の発光手段点灯時の拡散反射光出力値と消灯時の拡散反射光出力値との差分より得られる拡散反射光出力電圧増分を乗じた値を、拡散反射光出力電圧ないし拡散反射光出力電圧増分より引くことにより、拡散反射光出力変換値を求め、この拡散光出力変換値を中付着領域における正反射成分の正規化値との関係において多項式近似化することを特徴とする付着量変換方法。
- 検知対象面、及び検知対象面上に連続的に複数個形成された付着量の異なるトナーパターンを、検知対象面に対向する位置に配置された正反射光、拡散反射光を同時に検出可能な光学的検知手段により検知した結果得られるトナーパターンの正反射光出力電圧と拡散反射光出力電圧の、正反射光出力より抽出した正反射成分の地肌部の正反射成分との相対出力比(=正規化値)に、検知対象面の拡散反射光出力電圧ないしは上記光学的検知手段の発光手段点灯時の拡散反射光出力値と消灯時の拡散反射光出力値との差分より得られる拡散反射光出力電圧増分を乗じた値を、拡散反射光出力電圧ないし拡散反射光出力電圧増分より引くことにより、拡散反射光出力変換値を求め、この拡散光出力変換値を中付着領域における正反射成分の正規化値との関係において多項式近似化することを特徴とする付着量変換方法。
- 請求項1又は2記載の付着量変換方法において、
付着量に対し線形関係にある正反射光出力変換値(=正反射光正反射成分の正規化値)と、上記拡散反射光出力変換値との多項式近似式の関係に基づき、ある正反射光出力変換値に対応した拡散反射光出力変換値が、ある値となるような補正係数を乗じることにより、拡散反射光出力変換値を付着量との関係において一義的に決まる値に変換することを特徴とする付着量変換方法。 - 請求項1又は2記載の付着量変換方法において、
付着量に対し線形関係にある正反射光出力変換値(=正反射光正反射成分の正規化値)と、上記拡散反射光出力変換値との多項式近似式の関係に基づき、ある正反射光出力変換値に対応した拡散反射光出力変換値が、ある値となるような補正係数を乗じることにより得られた拡散反射光出力変換値を、予め求められている付着量と拡散反射光出力変換値との関係式ないしは参照テーブルに基づき付着量に変換することを特徴とする付着量変換方法。 - 請求項1乃至4のうちの何れかに記載の付着量変換方法において、
上記検知対象面の明度が20以下であることを特徴とする付着量変換方法。 - 請求項3又は4記載の付着量変換方法において、
感度補正を行う際の基準点(=ある正反射光出力変換値に対応した拡散反射光出力変換値が、ある値となるような補正係数を乗じる際のある正反射光出力変換値)は、正反射光による付着量検知が可能な領域であることを特徴とする付着量変換方法。 - 請求項3又は4記載の付着量変換方法において、
感度補正を行う際の基準点(=ある正反射光出力変換値に対応した拡散反射光出力変換値が、ある値となるような補正係数を乗じる際のある正反射光出力変換値)は、正規化値がほぼゼロとなる付着量の4/5以下の付着量範囲であることを特徴とする付着量変換方法。 - 請求項1乃至7のうちの何れかに記載の付着量変換方法を実施する画像形成装置。
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