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JP4529866B2 - ハイブリッド式建設機械 - Google Patents

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Description

本発明はエンジン動力と蓄電装置の蓄電力を併用するハイブリッド式建設機械に関するものである。
ハイブリッド式建設機械において、所謂シリーズ方式と呼ばれるシステムが公知である(特許文献1参照)。
このシリーズ方式における駆動系及び制御系のブロック構成を図4に簡単に示す。
図示のようにエンジン1で発電機2を駆動し、この発電機2の発電力で蓄電装置3に充電するとともに、発電機2と蓄電装置3によって電動機4を駆動し、この電動機4で油圧ポンプ5を駆動する。
この油圧ポンプ5には、制御弁6を介して油圧アクチュエータ(たとえばショベルの場合はブーム、アーム、バケット各シリンダ、左、右両走行用油圧モータ等)が接続され、油圧ポンプ5から供給される圧油によってこれら油圧アクチュエータが駆動される。
このようなシリーズ方式のハイブリッドシステムにおいては、作業負荷と蓄電装置3の充電量の少なくとも一方を決定要素としてその値がエンジン停止設定値に達したときにエンジンを自動停止させて蓄電装置の蓄電力のみによる無エンジン作業を行い、上記決定要素の値がエンジン再始動設定値に達したときにエンジンを自動的に再始動させるように構成されている。
代表的な例でいうと、
(i) 作業負荷が設定値以下(軽負荷)でかつ蓄電装置3の充電量が設定値以上(大充電量。たとえば満充電状態の65%以上)の条件が整うと、エンジン1を自動的に停止させて、蓄電装置3の蓄電力のみで電動機4を駆動する無エンジン作業に移行させ、
(ii) この無エンジン作業中に、作業負荷が設定値以上、または充電量が設定値以下(小充電量。たとえば50%以下)となるとエンジン1を自動的に再始動させてハイブリッド作業に戻る
という制御を行う。
これにより、エンジン1を高効率域で安定稼働させ、作業負荷に対するエンジン出力の不足分を蓄電装置3で補って省エネルギー運転を行いいつつ、蓄電装置3の充電量を一定範囲に保つこととしている。
特開2000−283107号公報
ところが、無エンジン作業状態からのエンジン再始動はオペレータの意思とは無関係に自動的に行われ、唐突なエンジン再始動はオペレータ及び周囲の作業員にとって意表を突かれるものであり、精神衛生上好ましくなかった。
また、精神を集中して微操作作業を行っている最中にエンジン1が再始動すると、オペレータが動揺して手元が狂う等、作業性を損なうという弊害もあり、この点の改善が求められていた。
そこで本発明は、エンジン再始動をオペレータ等に予告することができるハイブリッド式建設機械を提供するものである。
請求項1の発明は、エンジンによって発電機を駆動し、この発電機の出力により電動機を駆動してアクチュエータを作動させる一方、余剰電力を蓄電装置に蓄電し、かつ、作業負荷と蓄電装置の充電量の少なくとも一方についてエンジン停止/再始動の決定要素としてその値を検出手段によって検出し、この検出値がエンジン停止設定値に達したときにエンジンを自動停止させて蓄電装置の蓄電力のみによる無エンジン作業を行い、上記検出値がエンジン再始動設定値に達したときにエンジンを自動的に再始動させるように構成されたハイブリッド式建設機械において、上記エンジンの自動停止後、上記検出値が上記エンジン停止設定値と上記エンジン再始動設定値の中間値である予告設定値となったときに、表示手段によってエンジン再始動の予告表示を行うように構成したものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成において、表示手段は、予告表示として予告音を発するように構成したものである。
請求項3の発明は、請求項1この構成において、表示手段は、予告表示として予告灯を点灯または点滅させるように構成したものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、表示手段により、エンジン停止中に無エンジン作業中であることを知らせる警報表示を行い、この警報表示を変化させてエンジン再始動の予告表示とするように構成したものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの構成において、表示手段の作動/作動停止を選択する選択手段を設けたものである。
本発明によると、エンジンの自動停止後(無エンジン作業中)、作業負荷及び蓄電装置の充電量の少なくとも一方(エンジン停止/再始動の決定要素)の値がエンジン停止設定値と再始動設定値の中間値である予告設定値となったときに、表示手段によってエンジン再始動の予告表示を行うため、オペレータ及び周囲の作業員にエンジン再始動を直前に認識させることができる。
このため、唐突なエンジン再始動によってオペレータの精神衛生を害したり、精神的動揺を与えて作業に悪影響を及ぼしたりする弊害を防止することができる。
とくに、音で予告する請求項2の発明によると、文字や光等の視覚に訴える予告法と比較して、予告効果が高くて、しかも視線の移動が不要なことから操作の邪魔にならず、操作性の点でも好ましいものとなる。
一方、請求項3の発明によると、予告灯を点灯または点滅させることによってエンジン再始動を予告するため、夜間作業時や、住宅街及びその近隣での作業時のような静粛が求められる作業環境で騒音問題となるおそれがない。
なお、上記予告音と予告灯を作業環境に応じて任意に選択できるようにしてもよい。
また、請求項4の発明によると、エンジン停止中に無エンジン作業中であることを知らせる警報表示を行い、この警報表示を変化させてエンジン再始動を予告するため、この表示の変化、たとえば音で表示する場合に警報音を断続的なチャイム音とし、これをブザー音に変化させて予告音とすること等によってエンジン再始動の予告効果を一層高めることができる。
さらに、無エンジン作業中であること、すなわち、エンジンは停止しているが機械は作動中である旨の警報を発することにより、とくに周囲の作業員に対して注意を促し、安全を確保できるという効果がある。
請求項5の発明によると、表示手段の作動/作動停止を選択手段によって選択できるため、たとえばエンジン再始動の予告をとくに必要としない場合等、表示の必要性やオペレータの所望に応じて表示/非表示を任意に選択することができる。
図1は実施形態にかかるハイブリッド式建設機械の駆動系及び制御系のブロック構成を示す。なお、図1において、図4に示す部分と同一部分には同一符号を付して示し、その重複説明を省略する。
図1に示すように、発電機2の出力が発電機制御器7を介して蓄電装置3に送られる。
また、発電機出力及び蓄電装置3の出力は電動機制御器8を介して電動機4に送られ、これにより電動機4が回転して油圧ポンプ5が駆動される。
蓄電装置3の充電量は充電状態管理装置9によって検出され、コントローラ10に送られる。
このコントローラ10には、充電量のほか、発電機制御器7と電動機制御器8とを結ぶ直流回路に設けられた電圧センサ11及び電流センサ12で検出される直流電圧及び直流電流、発電機電圧がそれぞれ入力され、これら入力情報に基づいて、ガバナ13に対するエンジン1の稼働/停止及び回転数の指令、発電機制御器7に対する発電機電流指令が出力される。
一方、電動機制御器8にレバー操作量を検出するレバー操作検出器14が接続され、レバー操作量に応じて電動機4の運転/停止と回転速度(油圧ポンプ5の吐出量=アクチュエータ速度)が制御される。
この実施形態においては、コントローラ10に表示装置15が接続されている。
この表示装置15は、ブザー、チャイム等の音を発する発音体を備え、コントローラ10からの指令信号イ,ロに基づいて、この表示装置15から警報またはエンジン再始動の予告音が発せられる。
図2を併用して具体的に説明する。
この実施形態では、作業負荷と蓄電装置充電量の双方をエンジン停止/再始動の決定要素とし、この両者の値に基づいてエンジン1を停止または再始動させる構成をとっている。
すなわち、コントローラ10で直流電圧と直流電流の情報から作業負荷が検出され、この作業負荷の検出値が設定値以下(軽負荷)で、かつ、充電状態管理装置9によって検出された充電量の検出値が設定値i(たとえば満充電状態の65%)以上のときに、レバー操作の有無に関係なく、エンジン1が停止して蓄電力のみによって電動機4を駆動する無エンジン作業状態に入る。
ここでは、作業負荷は、終始、設定値以下を保っているものとして図2から除外している。
この無エンジン作業状態に入ると同時に、コントローラ10から表示装置15に向けて指令信号イが送られ、この指令信号イに基づいて表示装置15から、無エンジン作業状態に入ったこと、つまり『エンジン音はしないが機械は作動中である』旨の警報音(たとえば断続的なチャイム音やブザー音)が発せられる。
この警報音により、とくに周囲の作業員に無エンジン作業中であることを伝えて注意を促し、作業員の安全を確保することができる。
この無エンジン作業への移行後も充電状態管理装置9及びコントローラ10によって充電量が検出され、この検出値が設定値iよりも低い設定値ii(たとえば50%)以下まで下がると、コントローラ10からガバナ13に信号が送られてエンジン1が自動的に再始動する。
この実施形態においては、このエンジン再始動の直前、すなわち、充電量の検出値が設定値i,iiの中間である予告設定値iii(たとえば55%)以下に低下したときに、コントローラ10から表示装置15への指令信号が、それまでの指令信号イから指令信号ロに切換わる。
これにより、表示装置15から、それまでの無エンジン作業中であることを告げる警報音に代えてエンジン再始動を予告する再始動予告音がエンジン再始動まで出される。
この再始動予告音は、たとえば断続的なチャイム音である警報音に対してブザー音とする等、警報音とは別の音源によって種類が全く異なる音として出すようにしてもよいし、たとえば断続的なチャイム音である警報音の間隔を小さくして予告音とする等、共通の音源の音質やパターン、音量を変化させた音として出すようにしてもよい。
このように、エンジン再始動の予告表示を行うため、オペレータ及び周囲の作業員にエンジン再始動を直前に認識させることができる。
このため、唐突なエンジン再始動によってオペレータの精神衛生を害したり、精神的動揺を与えて作業に悪影響を及ぼしたりする弊害を防止することができる。
とくに、音で予告するため、文字や光等の視覚に訴える予告法と比較して、予告効果が高くて、しかも視線の移動が不要なことから操作の邪魔にならず、操作性の点でも好ましいものとなる。
また、この実施形態では、エンジン停止中にも警報音を出し、この警報音を変化させてエンジン再始動の予告音とするため、予告音のみをいきなり出す場合と比較して、オペレータの動揺が少ないこと、及び音の変化をエンジン再始動の予告と認識し易いことによってエンジン再始動の予告効果を一層高めることができる。
ところで、無エンジン作業中の警報及びエンジン再始動の予告をとくに必要としない場合等には、警報音や予告音は無駄となり、却って耳ざわりとなる可能性もある。
そこでこの実施形態では、図1に示すようにコントローラ10に選択手段(たとえばスイッチ)16が接続され、この選択手段16によりコントローラ10から表示装置15に向けて指令信号イ,ロの一方または双方を出力するか否か、すなわち表示装置15から無エンジン作業時の警報音及びエンジン再始動の予告音の一方または双方を出すか否かをオペレータが任意に選択できるようにしている。
一方、作業負荷を基準にした場合のエンジン停止・再始動のタイミングと、警報音及び再始動予告音を出すタイミングを図3に示す。
ここでは、作業負荷が設定値A以下となるとエンジン1が停止して無エンジン作業に入り、設定値B(>設定値A)以上となるエンジン1が再始動する場合を例示している。
このケースでは、無エンジン作業中に警報音が出され、作業負荷が設定値A以上でB以下である予告設定値Cに達すると、警報音が停止し、代わりにエンジン再始動の予告音が出される。
なお、蓄電装置充電量は無エンジン作業中に減少の一途をたどるのに対し、作業負荷の場合は増減するため、エンジン再始動予告のタイミングをつかみづらいという問題がある。
この問題に対しては、たとえばショベルでいうと掘削、均し等の作業の種類ごとに作業負荷の変化に関する標準的な一つまたは代表的な複数のパターンと、このパターンごとのエンジン再始動の予告設定値を求めてデータベース化しておき、コントローラ10でパターンを判別してエンジン再始動予告音を出す等の対処法をとることができる。
また、予告音を出した後、作業負荷が低下してエンジン再始動が行なわれなかった場合でも、予告が無駄になるだけで作業及び操作に実害はない。
ところで、無エンジン作業中の警報、及びエンジン再始動の予告は、上記実施形態のように音として表示するのが表示効果の点で望ましいが、夜間作業時や、昼間でも住宅街やその近隣での作業時のように静粛を求められる作業環境では音で表示すると騒音問題となる場合がある。
そこで、この音の表示に代えて他の表示法を用いてもよい。
たとえば無エンジン作業中の警報表示、及びエンジン再始動の予告表示として、図1中に破線で示すように表示装置15により警報灯または予告灯を点灯または点滅させてもよい。
この場合、警報灯と予告灯を別々に設け、それぞれ独立して点灯または点滅させるようにしてもよい。この場合、違いを明確にするために、灯火を色違いとする等、表示を変化させるのが望ましい。
あるいは、一つの表示灯を警報用と予告用とに兼用し、たとえば無エンジン作業中には点灯させ、エンジン再始動の直前にこれを点滅に変化させる方法や、点滅の周期を警報灯として長く、予告灯として短くする方法等、表示を変化させることによって区別するようにしてもよい。
また、表示灯以外の表示(たとえばディスプレー画面での文字表示)を用いてもよい。
さらに、音による表示と他の表示を作業環境に応じて任意に選択できるようにしてもよい。
あるいは、作業環境によっては、表示効果をさらに高めるために音の表示と他の表示を併用するようにしてもよい。
上記表示灯(警報灯、予告灯)や他の表示手段は運転室内に設置してもよいし機械の外部に設置してもよい。あるいは運転室内と機械外部の双方に設置してもよい。
本発明の実施形態にかかるハイブリッド式建設機械の駆動系及び制御系の構成を示すブロック図である。 同実施形態において蓄電装置の充電量を基準にしてエンジン再始動とその予告音を出す場合のタイムチャートである。 作業負荷を基準にしてエンジン再始動とその予告音を出す場合のタイムチャートである。 ハイブリッド式建設機械の駆動系及び制御系の構成を簡単に示すブロック図である。
1 エンジン
2 発電機
3 蓄電装置
4 電動機
5 油圧ポンプ
9 充電量検出手段を構成する充電状態管理装置
10 コントローラ
11 負荷検出手段を構成する電圧センサ
12 同電流センサ
15 表示装置
16 選択手段

Claims (5)

  1. エンジンによって発電機を駆動し、この発電機の出力により電動機を駆動してアクチュエータを作動させる一方、余剰電力を蓄電装置に蓄電し、かつ、作業負荷と蓄電装置の充電量の少なくとも一方についてエンジン停止/再始動の決定要素としてその値を検出手段によって検出し、この検出値がエンジン停止設定値に達したときにエンジンを自動停止させて蓄電装置の蓄電力のみによる無エンジン作業を行い、上記検出値がエンジン再始動設定値に達したときにエンジンを自動的に再始動させるように構成されたハイブリッド式建設機械において、上記エンジンの自動停止後、上記検出値が上記エンジン停止設定値と上記エンジン再始動設定値の中間値である予告設定値となったときに、表示手段によってエンジン再始動の予告表示を行うように構成したことを特徴とするハイブリッド式建設機械。
  2. 表示手段は、予告表示として予告音を発するように構成したことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド式建設機械。
  3. 表示手段は、予告表示として予告灯を点灯または点滅させるように構成したことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド式建設機械。
  4. 表示手段により、エンジン停止中に無エンジン作業中であることを知らせる警報表示を行い、この警報表示を変化させてエンジン再始動の予告表示とするように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のハイブリッド式建設機械。
  5. 表示手段の作動/作動停止を選択する選択手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のハイブリッド式建設機械。
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