JP4526019B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような電磁誘導加熱方式を用いた定着装置は、少ないエネルギー消費で短い立ち上げ時間にて、定着ベルトの表面温度(定着温度)を所望の温度まで昇温できることが知られている。
詳しくは、第1磁性体コアは幅方向の両端に固定され、第2磁性体コアは軸方向の中央に回動可能に支持されている。そして、通常サイズの記録媒体を通紙する場合には中央部の第2磁性体コアを励磁コイルから離して、小サイズの記録媒体を通紙する場合には中央部の第2磁性体コアを励磁コイルに近づけて、定着部材の幅方向の温度分布を調整する。
詳しくは、磁束遮蔽板は、誘導コイルの上半分を覆う円弧曲面を有するとともに、回転自在に構成されている。そして、記録媒体のサイズに応じて磁束遮蔽板を回転させることで、非通紙部における磁束を遮蔽して、非通紙部昇温を調整する。
一般的な画像形成装置は、幅方向のサイズが異なる数種類の記録媒体に対して、画像形成ができるように構成されている。ここで、幅方向サイズの異なる記録媒体とは、JIS寸法のA列やB列における種々の定形サイズの記録媒体の他に、不定形サイズの記録媒体も含まれる。また、同一サイズ(例えば、A4サイズである。)の記録媒体であっても、長手方向を搬送方向にした場合と、短手方向(長手方向に直交する方向である。)を搬送方向にした場合とでは、幅方向サイズの異なる記録媒体を扱っていることになる。
図1〜図6にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのレーザープリンタの装置本体、3は画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム18上に照射する露光部、4は装置本体1に着脱自在に設置される作像部としてのプロセスカートリッジ、7は感光体ドラム18上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部、10は出力画像が載置される排紙トレイ、11、12は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、13は記録媒体Pを転写部7に搬送するレジストローラ、15は主として給紙部11、12の記録媒体Pとは異なるサイズの記録媒体Pを搬送する際に用いる手差し給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置を示す。
まず、露光部3(書込部)から、画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、プロセスカートリッジ4の感光体ドラム18上に向けて発せられる。感光体ドラム18は図中の反時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム18上に画像情報に対応したトナー像が形成される。
その後、感光体ドラム18上に形成されたトナー像は、転写部7で、レジストローラ13により搬送された記録媒体P上に転写される。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部11、12、15のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部11が選択されたものとする。)。なお、複数の給紙部11、12には、それぞれ、異なるサイズの記録媒体Pや、搬送方向の異なる同一サイズの記録媒体Pが、収納されている。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2に示すように、定着装置20は、主として、定着補助ローラ21、定着ベルト22、加熱ローラ23、誘導加熱部24、加圧ローラ30、サーモスタット37、オイル塗布ローラ34、ガイド板35、分離板36等で構成される。
加熱ローラ23は、SUS304等の非磁性材料からなる円筒体であって、図の反時計方向に回転する。加熱ローラ23の内部には、フェライト等の強磁性体からなる内部コア28(コア部)が設置されている。コア部としての内部コア28は、定着ベルト22を介してコイル部25に対向している。内部コア28の回転駆動は、加熱ローラ23の回転駆動とは別におこなわれる。加熱ローラ23及び内部コア28の構成・動作については、後で詳しく説明する。
定着ベルト22の基材は、耐熱樹脂材料からなり、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PES(ポリエーテルスルフォン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、フッ素樹脂等を用いることができる。発熱層としては、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、コバルト、クロム、アルミニウム、金、白金、銀、スズ、パラジウム、これらのうち複数の金属からなる合金、等を用いることができる。弾性層としては、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム等を用いることができる。離型層としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(FEP)等のフッ素樹脂、又はこれらの樹脂の混合物等を用いることができる。
ここで、コイル部25は、支持ローラ23に巻装された定着ベルト22の外周面を覆うように、細線を束ねたリッツ線を巻回して幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に延設したものである。コイルガイド27は、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、コイル部25を保持するとともに、誘導加熱部24のフレームとして機能する。コア26は、比透磁率が2500程度のフェライト等の強磁性体からなり、センターコア26aやサイドコア26bが設けられている。コア26は、幅方向に延設されたコイル部25に対向するように設置される。センターコア26aは、コイル部25の周方向のほぼ中央位置にある。コイル部25は、不図示の高周波電源部に接続されていて、高周波電源部から10k〜1MHzの交番電流が印加される。
定着ベルト22と加圧ローラ30との当接部の出口側には、記録媒体Pの搬送を案内するとともに定着ベルト22に対する記録媒体Pの分離を促進する分離板36が配設されている。
定着補助ローラ21の回転駆動によって、定着ベルト22は図2中の矢印方向に周回するとともに、加熱ローラ23も反時計方向に回転して、加圧ローラ30も矢印方向に回転する。定着ベルト22は、誘導加熱部24との対向位置で加熱される。詳しくは、コイル部25に高周波の交番電流を流すことで、コア26と内部コア28との間に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このとき、加熱ローラ23表面と定着ベルト22の発熱層とに渦電流が生じて、加熱ローラ23及び発熱層の電気抵抗によってジュール熱が発生する。こうして、定着ベルト22は、発熱した加熱ローラ23から受ける熱と、自身の発熱層の発熱と、によって加熱される。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、ガイド板35に案内されながら定着ベルト22と加圧ローラ30との間に送入される(矢印Yの搬送方向の移動である。)。そして、定着ベルト22から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ベルト22と加圧ローラ30との間から送出される。
図3は、図2の定着装置20に設置された加熱ローラ23を誘導加熱部24側から幅方向にみた図であって、加熱ローラ23の内部を示す図である。図4は、加熱ローラ23内に設置された内部コア28を示す斜視図である。
詳しくは、図4を参照して、コア部としての内部コア28は、円柱体の外周面の一部を欠切した柱状部材であって、その両端には軸部28bが挿設されている。すなわち、コア部28は、外周面が欠切されていない非欠切部28a1(幅方向中央部である。)と、外周面が欠切された欠切部28a2(幅方向両端部である。)と、を備えている。欠切部28a2は、円柱体の両端において円弧曲面を切り取るように形成されたものである。
ここで、コイル部25に対向する対向範囲とは、特に、コイル部25の中央位置になるセンターコア26aに対向する内部コア28の外周面の幅方向長さである。
図5(A)の状態は、幅L1の記録媒体Pを連続的に定着する場合に適している。具体的に、画像形成装置で扱う最大幅(例えば、297mm)の記録媒体Pを定着する場合には、内部コア28のコイル部25に対向する外周面長さを上述の状態に固定して、図2で説明した定着工程をおこなう。
図5(B)の状態は、中間幅の記録媒体Pを連続的に定着する場合に適している。具体的に、画像形成装置で扱う中間幅(例えば、210mm)の記録媒体Pを定着する場合には、内部コア28のコイル部25に対向する外周面長さを上述の状態に固定して、図2で説明した定着工程をおこなう。
図5(C)の状態は、幅L2の記録媒体Pを連続的に定着する場合に適している。具体的に、画像形成装置で扱う最小幅(例えば、148mm)の記録媒体Pを定着する場合には、内部コア28のコイル部25に対向する外周面長さを上述の状態に固定して、図2で説明した定着工程をおこなう。
図6において、横軸は定着ベルト22における幅方向の位置を示し、縦軸は定着ベルト22表面の温度(定着温度)を示す。ここで、横軸の幅方向位置の「0」は、定着ベルト22の幅方向中央位置を示す。実線R1は、内部コア28における対向範囲を最大として定着ベルト22の加熱範囲を最大とした場合(図5(A)の状態である。)の温度分布を示す。実線R2は、内部コア28における対向範囲を最小として定着ベルト22の加熱範囲を最小とした場合(図5(C)の状態である。)の温度分布を示す。
図7にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図7は、実施の形態2における定着装置を示す断面図である。本実施の形態2の定着装置は、定着部材として定着ローラ31を用いている点が、定着部材として定着ベルトを用いている前記実施の形態1のものとは相違する。
定着ローラ31は、発熱層31a、シリコーンゴム等からなる弾性層、フッ素化合物等からなる離型層、等で構成される。定着ローラ31の内部は、中空構造になっていて、内部コア28が回転自在に設置されている。定着ローラ31に内設された内部コア28は、前記実施の形態1のものと同様に、円柱体の外周面の一部を欠切してなる柱状部材である。
上記各実施の形態では、コア部としての内部コア28を、対向範囲が可変できるように構成することで、定着部材の加熱範囲を調整した。これに対して、コア部としてのコア26について、コイル部25に対する対向範囲を可変できるように構成して、定着部材の加熱範囲を調整することもできる。
7 転写部、 10 排紙トレイ、 11、12 給紙部、
20 定着装置、 21 定着補助ローラ、 22 定着ベルト(定着部材)、
23 加熱ローラ、 24 誘導加熱部、 25 コイル部、
26 コア、 26a センターコア、 26b サイドコア、
28 内部コア(コア部)、 28a1 非欠切部、 28a2 欠切部、
28b 軸部、 30 加圧ローラ、
31 定着ローラ(定着部材)、 P 記録媒体。
Claims (6)
- トナー像を加熱して当該トナー像を記録媒体に定着させるとともに、加熱ローラと定着補助ローラとに張架された定着ベルトと、
前記加熱ローラに前記定着ベルトを介して対向するように幅方向に延設されるとともに、周方向の中央位置にセンターコアを具備したコイル部と、
前記コイル部に前記定着ベルトを介して対向する位置であって前記加熱ローラの内部に配設されるとともに、回転自在に構成されるとともに回転にともない前記コイル部の前記センターコアに対向する外周面の幅方向の長さが漸増又は漸減するように円柱体の外周面の一部が欠切された柱状の内部コアと、
を備え、
前記内部コアの回転にともない前記コイル部の前記センターコアに対向する前記内部コアの外周面の幅方向の長さを漸増又は漸減させて、前記コイル部による電磁誘導によって加熱される前記定着ベルトの幅方向の加熱範囲を調整することを特徴とする定着装置。 - 前記定着補助ローラは、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに対して前記定着ベルトを介して対向する位置に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- トナー像を加熱して当該トナー像を記録媒体に定着させるとともに、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接する定着ローラと、
前記定着ローラの外周面に対向するように幅方向に延設されるとともに、周方向の中央位置にセンターコアを具備したコイル部と、
前記コイル部に前記定着ローラを介して対向する位置であって前記定着ローラの内部に配設されるとともに、回転自在に構成されるとともに回転にともない前記コイル部の前記センターコアに対向する外周面の幅方向の長さが漸増又は漸減するように円柱体の外周面の一部が欠切された柱状の内部コアと、
を備え、
前記内部コアの回転にともない前記コイル部の前記センターコアに対向する前記内部コアの外周面の幅方向の長さを漸増又は漸減させて、前記コイル部による電磁誘導によって加熱される前記定着ローラの幅方向の加熱範囲を調整することを特徴とする定着装置。 - 前記記録媒体の幅方向の大きさに応じて前記内部コアの前記幅方向の長さを漸増又は漸減させて前記加熱範囲を調整することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記内部コアは、フェライトからなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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