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JP4523338B2 - 眼科測定装置 - Google Patents

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JP4523338B2
JP4523338B2 JP2004165372A JP2004165372A JP4523338B2 JP 4523338 B2 JP4523338 B2 JP 4523338B2 JP 2004165372 A JP2004165372 A JP 2004165372A JP 2004165372 A JP2004165372 A JP 2004165372A JP 4523338 B2 JP4523338 B2 JP 4523338B2
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Description

本発明は被検眼の眼軸長と屈折力を非接触にて測定する眼科測定装置に関する。
従来、被検眼の眼軸長と屈折力とを光学的に非接触にて測定する眼科測定装置が知られている。このような被検眼の眼軸長と屈折力とを非接触にて測定する装置としては、眼底からの反射光と、装置内に設けられた参照面からの反射光との合成によって生じる干渉を用いて、基準位置からの被検眼眼底までの距離を求めておき、さらに別の光学系にて基準位置から被検眼の角膜までの距離を求めることによって、被検眼の眼軸長を算出するものとし、被検眼の屈折力は、干渉信号の強度変化に基づいて、眼内対象物への光束の集光状態を変化させて被検眼の屈折力補正を行い、この屈折力補正に基づいて被検眼の屈折力測定を行う装置が知られている(特許文献1参照)。
特開平7−255674号公報
しかしながら、前述したような従来の眼科測定装置においては、参照光生成のための光学部材を装置内に配置するため、部品点数の増大や装置の大型化を招くこととなる。また、屈折力測定においては、干渉信号の強度変化を用いるため、正確な測定結果が得られ難いといった問題を有する。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、簡単な構成で被検眼の眼軸長と屈折力の測定を短時間で同時に行うことができる眼科測定装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 被検眼の屈折力と眼軸長を非接触にて測定する眼科測定装置において、被検眼に向けて低コヒーレント長の測定光を照射する測定光照射光学系と、前記測定光による被検眼眼底からの反射光を受光する受光光学系と、受光光学系にて受光した前記反射光の受光状態に基づいて被検眼の屈折力を求める屈折力測定手段と、被検眼に向けて低コヒーレンスな光を被検眼に照射するとともに該照射によって得られる前記被検眼の角膜の反射光を参照光とし,該参照光と前記測定光照射光学系によって得られる前記被検眼眼底からの反射光とを合成して干渉させ,その干渉光を受光する干渉光学系と、該干渉光学系にて得られる干渉信号に基づいて被検眼の眼軸長を測定する眼軸長測定手段と、を備えることを特徴とする。
(2) (1)の眼科測定装置において、前記屈折力測定手段にて求められた被検眼の屈折力に基づいて前記被検眼に照射される前記測定光の眼底における結像状態を補正するための補正手段を備えることを特徴とする。
(3) (2)の眼科測定装置において、前記受光光学系は受光素子の受光面に前記眼底からの反射光を集光させるためのリングレンズを有することを特徴とする。
(4) (3)の眼科測定装置は、前記干渉光学系内に前記被検眼の乱視成分を打ち消すための乱視補正用光学部材を有することを特徴とする。
(5) 屈折力測定光*学系を持ち被検眼の屈折力を測定する屈折力測定手段と、被検眼に向けて測定光を照射するとともに該照射によって得られる前記被検眼の角膜の反射光を参照光とし,該参照光と前記被検眼眼底からの測定光の反射光とを合成して干渉させ,その干渉光を受光する干渉光学系と、前記屈折力測定手段によって測定された前記被検眼の屈折力に基づいて前記被検眼に照射される前記測定光の眼底における結像状態を補正する補正手段と、該補正手段にて前記測定光の眼底における結像が補正された状態で前記干渉光学系にて得られる干渉信号に基づいて被検眼の眼軸長を測定する眼軸長測定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、簡単な構成で被検眼の眼軸長と屈折力の測定を短時間に行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態で用いる眼科測定装置の1種である屈折力測定機能を有した眼軸長測定装置の光学系の概略構成を示す図である。図1に示す光学系は、測定光投光光学系、屈折力測定光学系、参照光投光光学系、干渉信号検出光学系、視標投影光学系、観察光学系からなる。なお、本実施形態の眼科測定装置は被検眼に対して装置を所定の関係に位置させるためのアライメント光学系も有しているが、従来、他覚的眼屈折力装置等に用いられている既知のアライメント光学系と同様の光学系を用いればよいため、その説明は割愛する。
<測定光投光光学系>
図1に示す測定光投光光学系100は、光源1、コリメーターレンズ2、ビームスプリッタ3、集光レンズ4、リレーレンズ5、絞り6、ホールミラー7、ビームスプリッタ8、対物レンズ9、ビームスプリッタ10にて構成されている。
光源1は、SLD(Super luminescent Diode)等の低コヒーレント長の赤外光を発する光源である。光源1から出射された低コヒーレント光は、コリメーターレンズ2にて平行光束とされた後、ビームスプリッタ3を透過する。ビームスプリッタ3を透過した光束は、集光レンズ4により光軸L1上に中間像(集光点A)を形成した後、リレーレンズ5、ホールミラーの開口部を通過して、一旦集光し、ビームスプリッタ8、対物レンズ9、ビームスプリッタ10を経て、被検眼Eの眼底に集光する。
<屈折力測定光学系>
図1に示す屈折力測定光学系200は、被検眼Eの前方からビームスプリッタ10、対物レンズ9、ビームスプリッタ8、ホールミラー7、リレーレンズ11、ミラー12、絞り13、コリメータレンズ14、ビームスプリッタ15、リングレンズ16、赤外域に感度を有する受光素子17にて構成されている。なお、測定光投光光学系100とは、ホールミラー7からビームスプリッタ10までを共有する。
測定光投光光学系100によって被検眼Eの眼底に集光された光束の反射光(測定光)は、ビームスプリッタ10、対物レンズ9、ビームスプリッタ8を経て、ホールミラー7にて反射する。なお、ホールミラー7は、被検眼Eにおける眼底反射光を反射し、不要な角膜反射光は開口部を通過させるようになっている。
ホールミラー7にて反射した眼底反射光は、リレーレンズ11を経た後、ミラー12にて折り曲げられた後、絞り13の位置にて一旦集光(集光点B)する。その後、反射光はコリメーターレンズ14によって平行光束とされた後、ビームスプリッタ15にて反射光の一部が反射し、リングレンズ16を経て、受光素子17に受光される。
なお、測定光投光光学系100の集光レンズ4による集光点Aと、コリメータレンズ14の前側焦点位置である絞り13位置の集光点Bは、対物レンズ9及びリレーレンズ5,11を介して被検眼Eの眼底と共役になっている。また、図1に示す集光レンズ4、絞り13、コリメーターレンズ14、ビームスプリッタ15、リングレンズ16、受光素子17の、測定光投光光学系100及び屈折力測定光学系200の一部の光学部材は、駆動可能なステージ18上に設置されている。ステージ18は、図2に示す駆動手段43によって光軸方向に移動可能となっている。
また、リングレンズ16は、コリメーターレンズ14の後ろ側焦点位置に置かれ、駆動手段19によるステージ18の移動位置によらず被検眼Eの瞳と共役な関係が保たれている。さらに受光素子17は、リングレンズ16の焦点位置にあり、被検眼Eの眼底と共役な関係が成り立っている。なお、リングレンズ16は、平板上に円筒レンズをリング状に形成したものであり、リング部以外は遮光のためのコーティングが施されている。このリングレンズ16に平行光束が入射すると、焦点位置(受光素子17の受光面)には、リングレンズ16と略同じサイズのリング像が集光する。
<参照光投光光学系>
図1に示す参照光学系300は、光源側から、光源1、コリメーターレンズ2、ビームスプリッタ3、ミラー19、ビームスプリッタ20、集光レンズ21、ミラー22、ビームスプリッタ8、対物レンズ9、ビームスプリッタ10にて構成されている。なお、測定光投光光学系100とは、光源1からビームスプリッタ3までと、ビームスプリッタ8からビームスプリッタ10までを共有する。
光源1から出射した低コヒーレント光は、コリメーターレンズ2を通過した後、ビームスプリッタ3にて一部の光束が反射し、光軸L2上に配置されているミラー19に向かう。ミラー19にて反射した光束は、ビームスプリッタ20を透過した後、集光レンズ21により、光軸L2上に一旦集光する。光軸L2上にて集光した光束は、ミラー22により反射した後、ビームスプリッタ8にて反射することにより光軸L1と同軸になり、対物レンズ9、ビームスプリッタ10を経て、被検眼Eの角膜に集光する。
<干渉信号検出光学系>
図1に示す干渉信号検出光学系400は、被検眼Eの眼底からの反射光(測定光)を受光するための光学系と被検眼Eの角膜からの反射光(参照光)を受光するための光学系とから構成される。
眼底からの反射光を受光する光学系は、被検眼Eの前方からビームスプリッタ10、対物レンズ9、ビームスプリッタ8、ホールミラー7、リレーレンズ11、ミラー12、絞り13、コリメータレンズ14、ビームスプリッタ15、ビームスプリッタ26、集光レンズ27、赤外域に感度を有する受光素子28にて構成されている。なお、測定光投光光学系100とは、ビームスプリッタ10からビームスプリッタ15までを共有する。
測定光投光光学系100によって被検眼Eの眼底に集光された光束の反射光は、前述したように、屈折力測定光学系200各種光学部材を経た後、ビームスプリッタ15によって、一部の反射光が透過する。ビームスプリッタ15を透過した反射光は、さらに光軸L3上に配置されるビームスプリッタ26、集光レンズ27を経て、受光素子28の受光面に集光する。
また、被検眼Eの角膜からの反射光(以下、参照光と記す)を受光するための光学系は、被検眼Eの前方からビームスプリッタ10、対物レンズ9、ビームスプリッタ8、ミラー22、集光レンズ21、ビームスプリッタ20、プリズム23、ミラー24,25、ビームスプリッタ26、集光レンズ27、受光素子28にて構成されている。なお、プリズム23は、図2に示す駆動手段44により、図示する矢印方向に移動可能となっており、参照光が通る光路長を変更することができるようになっている。
参照光は、ビームスプリッタ10、対物レンズ9を経た後、ビームスプリッタ8にてその一部が反射される。ビームスプリッタ8にて反射した参照光は、ミラー22、集光レンズ22を経た後、ビームスプリッタ20により反射され、プリズム23に向かう。プリズム23にて折り返された参照光は、ミラー24,25を経てビームスプリッタ26に向かう。ビームスプリッタ26にて反射した参照光は光軸L3と同軸とされ、集光レンズ27を経て、受光素子28の受光面に集光する。なお受光素子28の受光面は、被検眼Eの眼底と角膜とに共役な関係となっている。
<視標投影光学系・観察光学系>
図1に示す視標投影光学系は、可視光を照射するLED等の光源30、所定の視標が形成された視標板31、リレーレンズ32、ビームスプリッタ33、対物レンズ34、ビームスプリッタ10からなる。光源30から出射された可視光の光束は、視標板31を背面から照明する。視標板31を通過した光束は、リレーレンズ32、ビームスプリッタ33、対物レンズ34、ビームスプリッタを経て、被検眼Eの眼底に集光する。なお、本装置が被検眼Eに対して所定の位置関係になるようにアライメントされたとき、視標板31と被検眼Eの眼底とは共役な関係となる。また、光源30と視標板31は駆動手段45によって光軸方向に移動可能となっており、被検眼の固視や、視標板の位置を変更させて眼屈折力測定時に被検眼に雲霧をかけたり、調節負荷を与える。
また、観察光学系は、被検眼前方から、ビームスプリッタ10、対物レンズ34、ビームスプリッタ33、結像レンズ35、赤外域に感度を有する受光素子36から構成される。なお、被検眼Eの瞳位置と受光素子36とは共役な位置関係となっている。なお、被検眼Eを照明するために、また、37は被検眼を照明するための赤外LEDである。
図2は本実施形態で用いる眼科測定装置における制御系を示したブロック図である。
40は本実施形態の装置の駆動制御を行う制御部である。制御部40には、受光素子17,受光素子28,受光素子36、モニタ41、演算処理部42、駆動手段43〜45、記憶部46等が接続される。なお、駆動手段43〜45はパルスモータ等を用いており、各駆動手段による駆動量を検出できるようになっている。また、演算処理部42は、受光素子や駆動手段等によって得られた情報を基に、被検眼Eの屈折力や眼軸長を演算により求めるために用いられる。また、記憶部46には求められた測定値が記憶される。
以上のような、構成を備える装置について、以下にその動作を説明する。
検者は、図1に示すモニタ41を見ながら、図示なきジョイスティック等の操作手段を用いて、装置を上下左右及び前後方向に移動させ、装置を被検眼Eに対して所定の位置関係に置く。本実施形態では、受光素子36の受光面と被検眼Eの瞳位置とが共役な関係になるようにする。検者は図1に示す視標投影光学系にて投影される視標を被検者に固視させるとともに、図示なき測定ボタンを使用して、屈折力と眼軸長を測定する。
測定ボタンが押されると、制御部40は、駆動手段45を駆動させて、光源30及び視標板31を光軸方向に移動させ、雲霧がかかる状態とし、被検眼Eの調節をなくすようにする。また、制御部40は、光源1から低コヒーレント光を出射させる。光源1から出射した低コヒーレント光は、図1に示すビームスプリッタ3により2方向に分けられた後、前述した測定光投光光学系100及び参照光投光光学系300を経て、被検眼Eの眼底及び角膜に各々集光する。
被検眼Eの眼底に集光した光束の反射光は、図1に示すビームスプリッタ10、対物レンズ9、ビームスプリッタ8を経た後、ホールミラー7により反射される。ホールミラー7にて反射した眼底反射光は、リレーレンズ11、ミラー12、絞り13、コリメーターレンズ14を経た後、ビームスプリッタ15にてその一部が下方に折り曲げられ、リングレンズ16を経て受光素子17に受光される。
図3は眼底からの反射光が、リングレンズ16を経て受光素子17に受光される状態を示した概略図である。例えば、被検眼Eが正視眼の場合、コリメータレンズ14を通った反射光は、図3(a)に示すような平行光束となってリングレンズ16を透過する。このときリングレンズ16を経て受光素子17に受光されるリング像R1は、リングレンズ16と略同じサイズとなる。また、被検眼Eが近視眼の場合には、コリメータレンズ14を通った反射光は、図3(b)に示すような収束光となってリングレンズ16を透過する。このとき、リングレンズ16を経て受光素子17に受光されるリング像R2は、図3(a)に示したリング像R1よりも太くなるとともに、小さな径となる。また、被検眼Eが遠視眼の場合には、コリメータレンズ14を通った反射光は、図3(c)に示すような収束光となってリングレンズ16を透過する。このとき、リングレンズ16を経て受光素子17に受光されるリング像R3は、図3(a)に示したリング像R1よりも太くなるとともに、大きな径となる。
演算処理部42は、被検眼が正視眼であるときの受光状態と、実際に受光素子17によって検出された受光状態との変化量に基づいて演算処理を行い、被検眼Eの屈折力を求める。また、演算処理部42は、算出した屈折力値または受光素子17の受光状態から、眼底に向けて投光する測定光が、被検眼Eの眼底において最も集光(ベストフォーカス)するためのステージ18の位置を算出する。演算処理部42は算出したベストフォーカスとなるステージ18の位置情報を制御部40に送る。制御部40は受け取った位置情報を基に駆動手段43を駆動してステージ18を移動させ、被検眼Eに対する屈折力補正を行う。このように被検眼Eに対する屈折力補正を行うことにより、屈折力に応じた前記測定光の眼底における集光状態を補正することができ、S/N比の良い干渉信号が得られることとなる。
なお、本実施の形態では受光素子17に受光されたリング像の受光状態に基づいて被検眼Eの屈折力を求めるものとしているが、これに限るものではなく、眼底に測定光を集光させるための、ベストフォーカス位置とされるステージ18の位置と、そのときのリング像の受光状態とを考慮して、被検眼Eの屈折力を求めるようにすることもできる。また、受光素子17に受光されるリング像の受光状態の情報は、ベストフォーカスを得るためのステージ18の位置情報を算出するのに用いておき、基準位置からのステージの移動量に基づいて屈折力を求めることもできる。得られた被検眼Eの屈折力値は、記憶部46に記憶されるとともに、モニタ41に表示される。
ステージ18の移動によって被検眼Eの屈折力補正が行われることにより、測定光は被検眼Eの眼底に効率よく集光することとなる。眼底からの反射光は、図1に示した干渉信号検出光学系400における測定光を受光するための光学系によって最終的に受光素子28に集光される。また、参照光(被検眼Eの角膜反射光)は、干渉信号検出光学系400における参照光を受光するための光学系によって最終的に受光素子28に集光される。演算処理部42は、受光素子28にて受光される測定光と参照光と干渉強度をモニタする。
一方、制御部40は、駆動手段44を用いて図1に示すプリズム23を実線で示す基準位置(ここでは参照光路が最も短くなる位置)から移動させ、参照光が通る光学系の光路長を変化させていく。なお、本実施形態では眼軸長測定の間、プリズム23を一秒間に数回〜十数回程度往復運動をさせるものとしている。本実施形態で用いる測定光及び参照光は、低コヒーレント光を用いているため、測定光の光路長と参照光の光路長が等しくなったときに、測定光と参照光との合成にて得られる干渉光の強度が最も強くなることとなる。演算処理部42は、受光素子28からの検出信号を基に、受光される測定光と参照光との合成による干渉光の強度が最も強くなった時点におけるプリズム23の移動量、または駆動手段44の駆動量を基に被検眼Eの眼軸長を求める。求められた眼軸長の値は、記憶部46に記憶されるとともに、モニタ41に表示される。なお、本実施の形態における測定光と参照光は、同一光源から出射した光束を分離することにより得るものとしているが、これに限るものではなく、測定光用の光束と参照光用の光束とを別々に出射するための2つの光源を用いることもできる。
また、さらに正確に眼軸長を求めたい場合には、図1に示す光学系において、コリメータレンズ14と集光レンズ27の間であって被検眼Eの瞳と共役な位置、あるいは対物レンズとホールミラーの間における被検眼Eの瞳とほぼ共役な位置に複数のシリンダレンズの組み合わせからなる乱視補正用光学部材を配置すればよい。この乱視補正用光学部材は、例えば、2枚のシリンダレンズの組み合わせからなるストークスのクロス円柱等を用いることができる。被検眼Eが乱視を有している場合、リングレンズ16を経て受光素子17に受光されるリング像は楕円形状となるため、演算処理部42を用いて、このリング像の受光状態を解析することにより、乱視度数及び乱視軸角度を求めることができる。求めた被検眼Eの乱視度数及び乱視軸角度を基に、被検眼Eの乱視成分を打ち消すように前述した乱視補正用光学部材を配置する。このような構成により、被検眼が乱視成分を持っていても眼底からの反射光は、効率よく受光素子28に集光し、測定の精度を高めることが可能となる。
以上の実施形態の装置では、参照光を角膜に集光させるための光学系を備えているものとしているが、これに限るものではない。以下に第2の実施形態として、測定光光束の角膜反射光を参照光として用いることで、別に参照光を角膜に集光させる光学系を備えず、被検眼の屈折力と眼軸長を測定する眼科測定装置を示す。
図4は第2の実施形態に用いる眼科測定装置の光学系を示した図である。図1に示した光学部材と同機能を有するものには同じ符号を付し、その説明は省略する。
40はビームスプリッタであり、図4に示す集光レンズ4とリレーレンズ5の間に配置され、光源1から被検眼Eに向けて照射された低コヒーレント光の角膜での反射光の一部を平行光にてプリズム41に向けて反射させる役目を果たす。プリズム41は図1に示すプリズム23と同様に図示なき駆動手段により、図示する矢印方向に移動可能となっており、角膜反射光(参照光)が通る光路長を変更することができるようになっている。プリズム41にて折り返された参照光は、干渉信号検出光学系の光軸L3上に配置されるビームスプリッタ42により光軸L3と同軸とされ、集光レンズ43を経て、受光素子44の受光面に集光する。なお、受光素子44の受光面は、被検眼Eの眼底と瞳とに共役な関係となっている。
また、光源1から被検眼Eに向けて出射された低コヒーレント光の眼底での反射光は、図1に示したようにビームスプリッタ10からビームスプリッタ15を経た後、ビームスプリッタ42にて参照光と合成され、集光レンズ43を経て受光素子44の受光面に集光する。図1に示した光学系と同様に、得られた被検眼Eの屈折力を基にステージ18を移動させて、被検眼Eの屈折力補正を行い、眼底に測定光がより集光できるようにした状態にしておく。その後、測定光と参照光との合成による干渉信号のピークが得られるように、図4に示すプリズム41を移動させて参照光の光路長を変化させる。干渉信号のピークが得られたときのプリズム41の基準位置からの移動量が被検眼Eの眼軸長となる。また、被検眼の屈折力測定は、前述した図1の光学系と同様に被検眼Eの眼底反射光をリングレンズ16を介して受光素子17にて受光し、受光面のリング像の状態から屈折力測定を行う。
図4に示す光学系では、被検眼Eにおける角膜での反射光の光量が大きいことを利用し、図1に示したような参照光を角膜に集光させるための光学系を備えず、角膜反射光を受光素子に受光させているため、光学部品を少なくさせることができ、図1の光学系に比べより簡単な構成で、被検眼の屈折力と眼軸長とを測定することができる。
本実施形態における眼科測定装置の光学系を示した図である。 本実施形態における眼科測定装置の制御系を示したブロック図である。 リングレンズを透過した測定光の集光状態を示した図である。 第2の実施形態における眼科測定装置の光学系を示した図である。
符号の説明
1 光源
4 集光レンズ
7 ホールミラー
9 対物レンズ
14 コリメータレンズ
16 リングレンズ
17 受光素子
18 ステージ
23 プリズム
27 集光レンズ
28 受光素子
40 制御部
41 モニタ
42 演算処理部







Claims (5)

  1. 被検眼の屈折力と眼軸長を非接触にて測定する眼科測定装置において、被検眼に向けて低コヒーレント長の測定光を照射する測定光照射光学系と、前記測定光による被検眼眼底からの反射光を受光する受光光学系と、受光光学系にて受光した前記反射光の受光状態に基づいて被検眼の屈折力を求める屈折力測定手段と、被検眼に向けて低コヒーレンスな光を被検眼に照射するとともに該照射によって得られる前記被検眼の角膜の反射光を参照光とし,該参照光と前記測定光照射光学系によって得られる前記被検眼眼底からの反射光とを合成して干渉させ,その干渉光を受光する干渉光学系と、該干渉光学系にて得られる干渉信号に基づいて被検眼の眼軸長を測定する眼軸長測定手段と、を備えることを特徴とする眼科測定装置。
  2. 請求項1の眼科測定装置において、前記屈折力測定手段にて求められた被検眼の屈折力に基づいて前記被検眼に照射される前記測定光の眼底における結像状態を補正するための補正手段を備えることを特徴とする眼科測定装置。
  3. 請求項2の眼科測定装置において、前記受光光学系は受光素子の受光面に前記眼底からの反射光を集光させるためのリングレンズを有することを特徴とする眼科測定装置。
  4. 請求項3の眼科測定装置は、前記干渉光学系内に前記被検眼の乱視成分を打ち消すための乱視補正用光学部材を有することを特徴とする眼科測定装置。
  5. 屈折力測定光学系を持ち被検眼の屈折力を測定する屈折力測定手段と、被検眼に向けて測定光を照射するとともに該照射によって得られる前記被検眼の角膜の反射光を参照光とし,該参照光と前記被検眼眼底からの測定光の反射光とを合成して干渉させ,その干渉光を受光する干渉光学系と、前記屈折力測定手段によって測定された前記被検眼の屈折力に基づいて前記被検眼に照射される前記測定光の眼底における結像状態を補正する補正手段と、該補正手段にて前記測定光の眼底における結像が補正された状態で前記干渉光学系にて得られる干渉信号に基づいて被検眼の眼軸長を測定する眼軸長測定手段と、を備えることを特徴とする眼科測定装置。
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