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JP4521904B2 - 車両用盗難防止制御装置、及び車両用盗難防止システム - Google Patents

車両用盗難防止制御装置、及び車両用盗難防止システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用盗難防止制御装置、及び車両用盗難防止システムに関し、より詳細には、不正な手段による車室内への侵入があったときに警報を発したり、車両の走行機能を停止させたりする車両用盗難防止制御装置、及び車両用盗難防止システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の盗難事件は世界中で多発の傾向にあり、その対応策として、車両用盗難防止システムの開発/改良が行われている。
図5は、従来の車両用盗難防止システムの要部を概略的に示したブロック図であり、図中1は盗難防止制御手段を示している。盗難防止制御手段1には、イグニッションキー3に内蔵されたリモート送信回路5cからの電波信号をアンテナ2を介して受信する受信回路1aが装備されると共に、盗難防止制御手段1の各入力端子には、イグニッションキー3がエンジンのキーシリンダに挿入されているか否かを検出するキーインサートスイッチ6、ドアの開閉状態を検出するドアカーテシスイッチ7、及びドアのロック状態を検出するロックポジションスイッチ8が接続されている。
【0003】
イグニッションキー3は、キー溝が形成されたキープレート4とこのキープレート4を支持するキーグリップ部5とから構成され、キーグリップ部5にはロックスイッチ5a、アンロックスイッチ5b、及び旋錠/解錠信号を電波信号として送信するリモート送信回路5cが設けられ、このリモート送信回路5cは、対象とする車両に対応して設定された識別コードを含んだ旋錠/解錠信号を、ロックスイッチ5a、アンロックスイッチ5bの操作に応じて送信するようになっている。
【0004】
ドアの旋錠/解錠を行うドアロック機構12を電気的に駆動制御可能なドアロック制御手段10は、運転席側ドアのキーシリンダの回動操作に応じて切り換わるキー連動スイッチ9からの信号や、リモート送信回路5cから送信された電波信号に応じた盗難防止制御手段1からの信号に応じて、モータ11に通電して全ドアのドアロック機構12を電気的に駆動し旋錠/解錠動作を行わせるものである。
【0005】
盗難防止制御手段1は、キーインサートスイッチ6からの検出信号によりイグニッションキー3がエンジンのキーシリンダから抜き出されたことが検出され、ドアカーテシスイッチ7からの検出信号により全てのドアが閉じられていることが検出され、そして、ロックポジションスイッチ8からの検出信号によりドアロック機構12が旋錠状態になっていることが検出されると、車室内への不正侵入を監視し警戒する警戒モードに設定するようになっている。
【0006】
該警戒モードに設定されると、侵入検出手段13が待機状態になり、侵入検出手段13は正規の方法以外でドアが開けられたり、車室内への侵入があったことを検出すると、その検出結果を盗難防止制御手段1へ出力するようになっている。例えば、ドアが開けられたときに点灯する室内灯等の電気部品の作動の有無をみたり、車室内へ超音波を張りめぐらせておき、ガラスが割られたり、車室内で人が動いたりしたときの音波の乱れを検出したり、人が車室内へ乗り込んだり、車両をトーイングするために車両を傾けたりしたときの車両の動きを検出したりする。
【0007】
侵入検出手段13によって車室内への不正侵入等が検出されると、盗難防止制御手段1は、警報装置14に警報出力を与えて警報動作を行わせるようになっている。例えば、ホーンやサイレン等を断続的に鳴動させたり、ヘッドライトやテールライト等を点滅させたり、スタータ回路や燃料噴射回路を遮断してエンジンの始動を不能にしたり、電波を送信して離れたところにいる持ち主へ警報を送ったりする。
【0008】
また、盗難防止制御手段1は、前記警戒モードに設定されているときに、リモート送信回路5cあるいはキー連動スイッチ9から解錠信号を受けると、前記警戒モードを解除するようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したような従来の車両用盗難防止システムにおいては、イグニッションキー3をドアのキーシリンダに挿入して回動操作することにより、機械的に解錠動作を行うことができる構成であるため、例えば、ドライバー等を使った不正行為によりドアのキーシリンダが回動操作された場合でも、前記警戒モードの解除が行われてしまい、盗難に対する安全性が損なわれるといった問題がある。
【0010】
また、最近の泥棒の手口は巧妙になってきており、車両に対応して設定された識別コードが解読される虞れも十分にあり、前記識別コードが解読されてしまうと、前記警戒モードも容易に解除されるといった問題がある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、盗難に対する安全性の向上を図ることのできる車両用盗難防止制御装置、及び車両用盗難防止システムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成するために本発明に係る車両用盗難防止制御装置(1)は、車室内への不正侵入を監視し、該不正侵入が検出されると警報出力を行う警戒モードに設定する警戒モード設定手段と、前記警戒モードを解除するための解除信号を受けると、前記警戒モードを解除する警戒モード解除制御手段とを備えた車両用盗難防止制御装置において、操作手段を介して使用者により入力された情報に基づいて、所望日時を設定登録するための日時設定登録手段と、前記所望日時になるまでは、前記警戒モードを解除させないように前記警戒モード解除制御手段を制御する禁止制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0012】
上記車両用盗難防止制御装置(1)によれば、使用者が所望日時を設定登録することができるようになっており、その設定登録された前記所望日時までは、前記警戒モード解除手段は前記警戒モードを解除するための前記解除信号を受けたとしても、前記警戒モードを解除できないようになっている。
【0013】
すなわち、前記所望日時(例えば、○○年△△月□□日××時☆☆分)までは前記警戒モードを保つことができるので、不正行為等により前記警戒モード解除手段が前記解除信号を受けたとしても、前記警戒モードは解除されない。従って、車両の盗難に対する安全性の向上を図ることができる。
【0014】
また、本発明に係る車両用盗難防止制御装置(2)は、車室内への不正侵入を監視し、該不正侵入が検出されると警報出力を行う警戒モードに設定する警戒モード設定手段と、前記警戒モードを解除するための解除信号を受けると、前記警戒モードを解除する警戒モード解除制御手段とを備えた車両用盗難防止制御装置において、操作手段を介して使用者により入力された情報に基づいて、所望時間を設定登録するための時間設定登録手段と、前記警戒モード設定手段による警戒モード設定後、又は時間設定登録後から前記所望時間が経過するまでは、前記警戒モードを解除させないように前記警戒モード解除制御手段を制御する禁止制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0015】
上記車両用盗難防止制御装置(2)によれば、使用者が所望時間を設定登録することができるようになっており、その設定登録された前記所望時間が経過するまでは、前記警戒モード解除手段は前記警戒モードを解除するための前記解除信号を受けたとしても、前記警戒モードを解除できないようになっている。
【0016】
すなわち、前記所望時間(例えば、2日間、8時間、30分間)が経過するまでは前記警戒モードを保つことができるので、不正行為等により前記警戒モード解除手段が前記解除信号を受けたとしても、前記警戒モードは解除されない。従って、車両の盗難に対する安全性の向上を図ることができる。
【0019】
また、本発明に係る車両用盗難防止制御装置)は、上記車両用盗難防止制御装置(2)において、前記時間設定登録手段が、ドアのキーシリンダ又はドアのロックノブの旋錠/解錠方向への操作回数を検出する検出手段を含んで構成され、前記キーシリンダ又は前記ロックノブの旋錠/解錠方向への操作回数に応じて、前記所望時間が設定登録されるようになっていることを特徴としている。
【0020】
上記車両用盗難防止制御装置)によれば、使用者がドアのキーシリンダの回動操作を行うことによって、前記所望時間を設定登録することができる。例えば、所定時間内における旋錠方向への操作回数をカウントし、カウント1回につき30分、2回で60分に設定する。
【0022】
また上記車両用盗難防止制御装置)によれば、使用者がドアのロックノブの操作を行うことによって、前記所望時間を設定登録することができる。例えば、所定時間内における旋錠方向への操作回数をカウントし、カウント1回につき30分、2回で60分に設定する。
【0023】
また、本発明に係る車両用盗難防止制御装置)は、上記車両用盗難防止制御装置(1)〜()のいずれかにおいて、ドアのキーシリンダに挿入されたキーの回動操作によって得られるドアロックの解錠信号、及び/又は遠隔操作によってドアロックの解錠を行うためのリモート操作手段からの解錠信号が、前記警戒モードを解除するための前記解除信号として採用されていることを特徴としている。
【0025】
上記車両用盗難防止制御装置)によれば、イグニッションキーをドアのキーシリンダに挿入して回動操作したり、前記リモート操作手段を操作したりすることによって、すなわち既存の操作手段を用いることによって前記警戒モードを解除することができる。
【0027】
また、本発明に係る車両用盗難防止制御装置)は、上記車両用盗難防止制御装置(1)〜()のいずれかにおいて、前記警戒モードを強制的に解除するために用いる解除コードを記憶する解除コード記憶手段と、コード入力手段を介して使用者により入力された入力コードと前記解除コードとが一致しているか否かを判定するコード判定手段と、該コード判定手段により前記入力コードと前記解除コードとが一致していると判定された場合には、前記禁止制御手段による前記警戒モードの解除禁止制御を行わせないようにする解除禁止制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0028】
上記車両用盗難防止制御装置(1)〜()のいずれかでは、前記所望日時になるまで、又は前記所望時間が経過するまでに、例えば、不正行為によりドアのキーシリンダが回動操作されたりしても、前記警戒モードを解除しないようにすることは当然であるが、正規の行為であったとしても、前記警戒モードを解除することができない。すなわち、持ち主であったとしても、前記所望日時以降、又は前記所望時間の経過後でなければ、車室内へ乗り込むことができない。
【0029】
そこで、上記車両用盗難防止制御装置)によれば、使用者によって入力された入力コードと前記解除コードとが一致した場合には、前記禁止制御手段による前記警戒モードの解除禁止制御を行わせないようにすることができる。
【0030】
すなわち、使用者が前記解除コードと一致するコードを入力することによって、前記所望日時になっていなかったとしても、又は前記所望時間が経過していなかったとしても、前記警戒モードを解除することができ、車室内へ乗り込むことができる。
【0035】
また、本発明に係る車両用盗難防止制御装置)は、上記車両用盗難防止制御装置)において、ドアのキーシリンダの回動を検出する検出手段を備え、前記キーシリンダの回動操作に応じて、前記コードが決定されるようになっていることを特徴としている。
【0036】
上記車両用盗難防止制御装置)によれば、使用者がドアのキーシリンダの回動操作を行うことによって、前記コードを入力することができる。例えば、コード「35」を入力する手順としては、イグニッションキーをドアのキーシリンダに挿入し、まず上の桁の数字「3」に対応して旋錠方向への回動操作を3回行い、次に一旦イグニッションキーをキーシリンダから抜いた後、再びイグニッションキーをキーシリンダに挿入し、下の桁の数字「5」に対応して旋錠方向への回動操作を5回行い、この後イグニッションキーをキーシリンダから抜き取って終了する。
【0037】
また、本発明に係る車両用盗難防止制御装置)は、上記車両用盗難防止制御装置(1)〜()のいずれかにおいて、前記警戒モードを設定するための設定条件が満たされてから所定時間が経過するまでは、前記警戒モードが設定されないように前記警戒モード設定手段を制御する設定禁止制御手段を備えていることを特徴としている。
【0038】
上記車両用盗難防止制御装置)によれば、前記警戒モードの設定条件が満たされてから前記所定時間(例えば、10秒)が経過するまでは、前記警戒モードが設定されないようになっているので、例えば、車室内へ忘れ物をした場合に、前記所定時間内に気付いた場合には、ドアを解錠して忘れ物を取り出すことができる。
また、本発明に係る車両用盗難防止システム(1)は、車室内への不正侵入を監視し、該不正侵入が検出されると警報出力を行う警戒モードに設定する警戒モード設定手段と、前記警戒モードを解除するための解除信号を受けると、前記警戒モードを解除する警戒モード解除制御手段と、使用者が所望日時を入力するための操作手段と、該操作手段を介して使用者により入力された情報に基づいて、前記所望日時を設定登録するための日時設定登録手段と、前記所望日時になるまでは、前記警戒モードを解除させないように前記警戒モード解除制御手段を制御する禁止制御手段とを備えていることを特徴としている。
上記車両用盗難防止システム(1)によれば、上記車両用盗難防止制御装置(1)と同様の効果を得ることができるシステムを実現することができる。
また、本発明に係る車両用盗難防止システム(2)は、車室内への不正侵入を監視し、該不正侵入が検出されると警報出力を行う警戒モードに設定する警戒モード設定手段と、前記警戒モードを解除するための解除信号を受けると、前記警戒モードを解除する警戒モード解除制御手段と、使用者が所望時間を入力するための操作手段と、該操作手段を介して使用者により入力された情報に基づいて、前記所望時間を設定登録するための時間設定登録手段と、前記警戒モード設定手段による警戒モード設定後、又は時間設定登録後から前記所望時間が経過するまでは、前記警戒モードを解除させないように前記警戒モード解除制御手段を制御する禁止制御手段とを備えていることを特徴としている。
上記車両用盗難防止システム(2)によれば、上記車両用盗難防止制御装置(2)と同様の効果を得ることができるシステムを実現することができる。
また、本発明に係る車両用盗難防止システム(3)は、上記車両用盗難防止システム(2)において、前記時間設定登録手段が、ドアのキーシリンダ又はドアのロックノブの旋錠/解錠方向への操作回数を検出する検出手段を含んで構成され、前記キーシリンダ又は前記ロックノブの旋錠/解錠方向への操作回数に応じて、前記所望時間が設定登録されるようになっていることを特徴としている。
上記車両用盗難防止システム(3)によれば、上記車両用盗難防止制御装置(3)と同様の効果を得ることができるシステムを実現することができる。
また、本発明に係る車両用盗難防止システム(4)は、上記車両用盗難防止システム(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記警戒モードを設定するための設定条件が満たされてから所定時間が経過するまでは、前記警戒モードが設定されないように前記警戒モード設定手段を制御する設定禁止制御手段を備えていることを特徴としている。
上記車両用盗難防止システム(4)によれば、上記車両用盗難防止制御装置(7)と同様の効果を得ることができるシステムを実現することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用盗難防止制御装置、及び車両用盗難防止システムの実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、実施の形態(1)に係る車両用盗難防止システムの要部を概略的に示したブロック図である。但し、ここでは図5に示した従来の車両用盗難防止システムと同様の構成部品については同符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
図中21は盗難防止制御手段(本発明の車両用盗難防止制御装置に対応)を示している。盗難防止制御手段21には、イグニッションキー3に内蔵されたリモート送信回路5cからの電波信号をアンテナ2を介して受信する受信回路21aが装備されると共に、盗難防止制御手段21の各入力端子には、キーインサートスイッチ6、ドアカーテシスイッチ7、及びロックポジションスイッチ8が接続されている。
【0041】
また、盗難防止制御手段21は、ドアの旋錠/解錠を行うドアロック機構12を電気的に駆動制御可能に構成され、運転席側ドアのキーシリンダの回動操作に応じて切り換わるキー連動スイッチ9からの信号や、リモート送信回路5cから送信された電波信号に応じて、モータ11に通電して全ドアのドアロック機構12を電気的に駆動し旋錠/解錠動作を行わせるようになっている。
【0042】
また、盗難防止制御手段21は、キーインサートスイッチ6からの検出信号によりイグニッションキー3がエンジンのキーシリンダから抜き出されたことが検出され、ドアカーテシスイッチ7からの検出信号により全てのドアが閉じられていることが検出され、そして、ロックポジションスイッチ8からの検出信号によりドアロック機構12が旋錠状態になっていることが検出されると、車室内への不正侵入を監視し警戒する警戒モードに設定するようになっている。
【0043】
該警戒モードに設定されると、侵入検出手段13が待機状態になり、侵入検出手段13は正規の方法以外でドアが開けられたり、車室内への侵入があったことを検出するようになっている。侵入検出手段13によって車室内への不正侵入等が検出されると、盗難防止制御手段21は、警報装置14に警報出力を与えて警報動作を行わせるようになっている。
【0044】
また、盗難防止制御手段21の入力端子には、表示部22aと操作部22bとを含んで構成される操作装置22が接続され、操作装置22を用いて使用者が所望する時間を入力することができるようになっている。
【0045】
実施の形態(1)に係る車両用盗難防止システムにおける盗難防止制御手段21の動作を図2に示したフローチャートに基づいて説明する。但し、ここではリモート送信回路5c又はキー連動スイッチ9からのドアの解錠信号を警戒モードを解除するための解除信号として採用している。
【0046】
まず、操作装置22から所望時間t0 (例えば、3時間)の入力があったか否かを判断する(S1)。所望時間t0 の入力があったと判断すれば、その所望時間t0 をメモリ内に記憶しておく(S2)。一方、所望時間t0 の入力がなかったと判断すれば、S1へ戻る。
【0047】
次に、警戒モード設定条件を満たしているか否か、すなわちイグニッションキー3がエンジンのキーシリンダから抜き出され、全てのドアが閉じられ、ドアロック機構12が旋錠状態になっているか否かを判断する(S3)。なお、これら条件を満たしているか否かは、キーインサートスイッチ6、ドアカーテシスイッチ7、及びロックポジションスイッチ8からの検出信号から判断することができる。
【0048】
警戒モード設定条件を満たしていると判断すれば、前記警戒モードに設定し(S4)、そしてタイマtを起動する(S5)。一方、警戒モード設定条件を満たしていないと判断すれば、S3へ戻る。その後、リモート送信回路5c又はキー連動スイッチ9からドアの解錠信号(すなわち、前記警戒モードの解除信号)の入力があったか否かを判断する(S6)。前記解錠信号の入力があったと判断すれば、タイマtが所望時間t0 を超えているか否かを判断する(S17)。
【0049】
タイマtが所望時間t0 を超えていると判断すれば、すなわち警戒モード設定から所望時間t0 が経過していれば、前記警戒モードを解除すると共に(S8)、モータ11に通電して全ドアのドアロック機構12を電気的に駆動し解錠動作を行わせる(S9)。一方、タイマtが所望時間t0 を超えていないと判断すれば、すなわち警戒モード設定から所望時間t0 が経過していなければ、警報装置14に警報出力を与えて警報動作を行わせる(S11)。
【0050】
S6の判断で、前記解錠信号の入力がなかったと判断すれば、次に、侵入検出手段13により不正侵入が検出されたか否かを判断する(S10)。不正侵入が検出されたと判断すれば、警報装置14に警報出力を与えて警報動作を行わせる(S11)。一方、不正侵入が検出されていないと判断すれば、S6へ戻る。
【0051】
上記実施の形態(1)に係る車両用盗難防止システムによれば、使用者が所望時間t0 を設定登録することができるようになっており、その設定登録された所望時間t0 が経過するまでは、前記警戒モードを解除するための前記解除信号を受けたとしても、前記警戒モードを解除できないようになっている。
【0052】
すなわち、所望時間t0 (例えば、3時間)が経過するまでは前記警戒モードを保つことができるので、不正行為等により前記解除信号を受けたとしても、前記警戒モードは解除されない。従って、車両の盗難に対する安全性の向上を図ることができる。
【0053】
次に、実施の形態(2)に係る車両用盗難防止システムを説明する。実施の形態(2)に係る車両用盗難防止システムのハード的構成は、図1に示した実施の形態(1)に係る車両用盗難防止システムと同じであるのでここではその説明を省略し、異なる構成の盗難防止制御手段31(本発明の車両用盗難防止制御装置に対応)についてのみ異なる符号を付しておく。
【0054】
実施の形態(2)に係る車両用盗難防止システムにおける盗難防止制御手段31の動作を図3に示したフローチャートに基づいて説明する。
まず、操作装置22から所望時間t0 の入力があったか否かを判断する(S21)。所望時間t0 の入力があったと判断すれば、その所望時間t0 をメモリ内に記憶しておく(S22)。一方、所望時間t0 の入力がなかったと判断すれば、S21へ戻る。
【0055】
次に、警戒モード設定条件を満たしているか否か、すなわちイグニッションキー3がエンジンのキーシリンダから抜き出され、全てのドアが閉じられ、ドアロック機構12が旋錠状態になっているか否かを判断する(S23)。
【0056】
警戒モード設定条件を満たしていると判断すれば、タイマtを起動する(S24)。一方、警戒モード設定条件を満たしていないと判断すれば、S23へ戻る。その後、リモート送信回路5c又はキー連動スイッチ9からドアの解錠信号の入力があったか否かを判断する(S25)。前記解錠信号の入力があったと判断すれば、タイマtを0にし(S26)、モータ11に通電して全ドアのドアロック機構12を電気的に駆動し解錠動作を行わせて(S27)、S23へ戻る。一方、前記解錠信号の入力はなかったと判断すれば、タイマtが10秒を超えているか否かを判断する(S28)。タイマtが10秒を超えていないと判断すれば、S25へ戻る。
【0057】
S28の判断で、タイマtが10秒を超えていると判断すれば、前記警戒モードに設定し(S29)、その後、リモート送信回路5c又はキー連動スイッチ9からドアの解錠信号(すなわち、前記警戒モードの解除信号)の入力があったか否かを判断する(S30)。前記解錠信号の入力があったと判断すれば、タイマtが所望時間t0 を超えているか否かを判断する(S31)。
【0058】
タイマtが所望時間t0 を超えていると判断すれば、すなわち、警戒モード設定から所望時間t0 が経過していれば、前記警戒モードを解除すると共に(S32)、モータ11に通電して全ドアのドアロック機構12を電気的に駆動し解錠動作を行わせる(S33)。一方、タイマtが所望時間t0 を超えていないと判断すれば、すなわち、警戒モード設定から所望時間t0 が経過していなければ、警報装置14に警報出力を与えて警報動作を行わせる(S35)。
【0059】
S30の判断で、前記解錠信号の入力がなかったと判断すれば、次に、侵入検出手段13により不正侵入が検出されたか否かを判断する(S34)。不正侵入が検出されたと判断すれば、警報装置14に警報出力を与えて警報動作を行わせる(S35)。一方、不正侵入が検出されていないと判断すれば、S30へ戻る。
【0060】
上記実施の形態(2)に係る車両用盗難防止システムによれば、使用者が所望時間t0 を設定登録することができるようになっており、その設定登録された所望時間t0 が経過するまでは、前記警戒モードを解除するための前記解除信号を受けたとしても、前記警戒モードを解除できないようになっている。
【0061】
すなわち、所望時間t0 が経過するまでは前記警戒モードを保つことができるので、不正行為等により前記解除信号を受けたとしても、前記警戒モードは解除されない。従って、車両の盗難に対する安全性の向上を図ることができる。
【0062】
さらに、前記警戒モードの設定条件が満たされてから所定時間(ここでは、10秒)が経過するまでは、前記警戒モードが設定されないようになっているので、例えば、車室内へ忘れ物をした場合に、前記所定時間内に気付いた場合には、ドアを解錠して忘れ物を取り出すことができる。
【0063】
次に、実施の形態(3)に係る車両用盗難防止システムを説明する。実施の形態(3)に係る車両用盗難防止システムのハード的構成は、図1に示した実施の形態(1)に係る車両用盗難防止システムと同じであるのでここではその説明を省略し、異なる構成の盗難防止制御手段41(本発明の車両用盗難防止制御装置に対応)についてのみ異なる符号を付しておく。
【0064】
実施の形態(3)に係る車両用盗難防止システムにおける盗難防止制御手段41の動作を図4に示したフローチャートに基づいて説明する。
まず、操作装置22から所望時間t0 の入力があったか否かを判断する(S41)。所望時間t0 の入力があったと判断すれば、その所望時間t0 をメモリ内に記憶しておく(S42)。一方、所望時間t0 の入力がなかったと判断すれば、S41へ戻る。
【0065】
次に、警戒モード設定条件を満たしているか否か、すなわちイグニッションキー3がエンジンのキーシリンダから抜き出され、全てのドアが閉じられ、ドアロック機構12が旋錠状態になっているか否かを判断する(S43)。
【0066】
警戒モード設定条件を満たしていると判断すれば、前記警戒モードに設定し(S44)、そしてタイマtを起動する(S45)。一方、警戒モード設定条件を満たしていないと判断すれば、S43へ戻る。その後、キー連動スイッチ9から旋錠信号、すなわちドアのキーシリンダの回動操作を利用した前記警戒モードを解除させるためのコードの入力があったか否かを判断する(S46)。前記コードの入力があったと判断すれば、前記回動操作によるコードが、予め記憶しておく前記警戒モードを強制的に解除するために利用する解除コードと一致するか否かを判断する(S47)。
【0067】
入力されたコードと前記解除コードとが一致したと判断すれば、リモート送信回路5c又はキー連動スイッチ9からドアの解錠信号(すなわち、前記警戒モードの解除信号)の入力があったか否かを判断する(S48)。前記解錠信号の入力があったと判断すれば、前記警戒モードを解除すると共に(S49)、モータ11に通電して全ドアのドアロック機構12を電気的に駆動し解錠動作を行わせる(S50)。一方、前記解錠信号が入力なかったと判断すれば、S48へ戻る。
【0068】
S46の判断でコード入力がなかったと、あるいはS47の判断でコードが一致していなかったと判断すれば、リモート送信回路5c又はキー連動スイッチ9からドアの解錠信号(すなわち、前記警戒モードの解除信号)の入力があったか否かを判断する(S51)。前記解錠信号の入力があったと判断すれば、タイマtが所望時間t0 を超えているか否かを判断する(S52)。
【0069】
タイマtが所望時間t0 を超えていると判断すれば、すなわち警戒モード設定から所望時間t0 が経過していれば、前記警戒モードを解除すると共に(S49)、モータ11に通電して全ドアのドアロック機構12を電気的に駆動し解錠動作を行わせる(S50)。一方、タイマtが所望時間t0 を超えていないと判断すれば、すなわち警戒モード設定から所望時間t0 が経過していなければ、警報装置14に警報出力を与えて警報動作を行わせる(S54)。
【0070】
S51の判断で、前記解錠信号の入力がなかったと判断すれば、次に、侵入検出手段13により不正侵入が検出されたか否かを判断する(S53)。不正侵入が検出されたと判断すれば、警報装置14に警報出力を与えて警報動作を行わせる(S54)。一方、不正侵入が検出されていないと判断すれば、S46へ戻る。
【0071】
上記実施の形態(3)に係る車両用盗難防止システムによれば、使用者が所望時間t0 を設定登録することができるようになっており、その設定登録された所望時間t0 が経過するまでは、前記警戒モードを解除するための前記解除信号を受けたとしても、前記警戒モードを解除できないようになっている。
【0072】
すなわち、所望時間t0 が経過するまでは前記警戒モードを保つことができるので、不正行為等により前記解除信号を受けたとしても、前記警戒モードは解除されない。従って、車両の盗難に対する安全性の向上を図ることができる。
【0073】
さらに、使用者が前記解除コードと一致するコードを入力することによって、所望時間t0 が経過していなかったとしても、前記警戒モードを解除することができ、車室内へ乗り込むことができる。また、ここではドアのキーシリンダの回動操作を利用してコードを入力するようにしているが、別の実施の形態ではイグニッションキー3にテンキー等の操作部を設けて、該操作部から入力されたコードを送信回路5cを介して盗難防止制御手段41へ送信するようにしても良い。
【0074】
上記実施の形態(1)〜(3)に係る車両用盗難防止システムでは、操作装置22を用いて所望時間t0 を設定登録する場合についてのみ説明しているが、別の実施の形態ではドアのキーシリンダやドアのロックノブ等の旋錠/解錠方向への信号を取り込むようにして、その操作回数に応じて、所望時間t0 が設定登録できるようにしても良い。例えば、所定時間内における旋錠方向への操作回数をカウントし、カウント1回につき30分、2回で60分に設定する。
【0075】
また、上記車両用盗難防止システムでは、所望時間t0 を設定登録する場合についてのみ説明しているが、別の実施の形態では所望時間t0 ではなく所望日時を設定登録するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態(1)〜(3)に係る車両用盗難防止システムの要部を概略的に示したブロック図である。
【図2】実施の形態(1)に係る車両用盗難防止システムにおける盗難防止制御手段の動作について示したフローチャートである。
【図3】実施の形態(2)に係る車両用盗難防止システムにおける盗難防止制御手段の動作について示したフローチャートである。
【図4】実施の形態(3)に係る車両用盗難防止システムにおける盗難防止制御手段の動作について示したフローチャートである。
【図5】従来の車両用盗難防止システムの要部を概略的に示したブロック図である。
【符号の説明】
1、21、31、41 盗難防止制御手段
3 イグニッションキー
9 キー連動スイッチ
12 ドアロック機構
13 侵入検出手段
14 警報装置
22 操作装置

Claims (11)

  1. 車室内への不正侵入を監視し、該不正侵入が検出されると警報出力を行う警戒モードに設定する警戒モード設定手段と、
    前記警戒モードを解除するための解除信号を受けると、前記警戒モードを解除する警戒モード解除制御手段とを備えた車両用盗難防止制御装置において、
    操作手段を介して使用者により入力された情報に基づいて、所望日時を設定登録するための日時設定登録手段と、
    前記所望日時になるまでは、前記警戒モードを解除させないように前記警戒モード解除制御手段を制御する禁止制御手段とを備えていることを特徴とする車両用盗難防止制御装置。
  2. 車室内への不正侵入を監視し、該不正侵入が検出されると警報出力を行う警戒モードに設定する警戒モード設定手段と、
    前記警戒モードを解除するための解除信号を受けると、前記警戒モードを解除する警戒モード解除制御手段とを備えた車両用盗難防止制御装置において、
    操作手段を介して使用者により入力された情報に基づいて、所望時間を設定登録するための時間設定登録手段と、
    前記警戒モード設定手段による警戒モード設定後、又は時間設定登録後から前記所望時間が経過するまでは、前記警戒モードを解除させないように前記警戒モード解除制御手段を制御する禁止制御手段とを備えていることを特徴とする車両用盗難防止制御装置。
  3. 前記時間設定登録手段が、ドアのキーシリンダ又はドアのロックノブの旋錠/解錠方向への操作回数を検出する検出手段を含んで構成され、
    前記キーシリンダ又は前記ロックノブの旋錠/解錠方向への操作回数に応じて、前記所望時間が設定登録されるようになっていることを特徴とする請求項2記載の車両用盗難防止制御装置。
  4. ドアのキーシリンダに挿入されたキーの回動操作によって得られるドアロックの解錠信号、及び/又は遠隔操作によってドアロックの解錠を行うためのリモート操作手段からの解錠信号が、
    前記警戒モードを解除するための前記解除信号として採用されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の車両用盗難防止制御装置。
  5. 前記警戒モードを強制的に解除するために用いる解除コードを記憶する解除コード記憶手段と、
    コード入力手段を介して使用者により入力された入力コードと前記解除コードとが一致しているか否かを判定するコード判定手段と、
    該コード判定手段により前記入力コードと前記解除コードとが一致していると判定された場合には、前記禁止制御手段による前記警戒モードの解除禁止制御を行わせないようにする解除禁止制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の車両用盗難防止制御装置。
  6. ドアのキーシリンダの回動を検出する検出手段を備え、
    前記キーシリンダの回動操作に応じて、前記コードが決定されるようになっていることを特徴とする請求項5記載の車両用盗難防止制御装置。
  7. 前記警戒モードを設定するための設定条件が満たされてから所定時間が経過するまでは、前記警戒モードが設定されないように前記警戒モード設定手段を制御する設定禁止制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の車両用盗難防止制御装置。
  8. 車室内への不正侵入を監視し、該不正侵入が検出されると警報出力を行う警戒モードに設定する警戒モード設定手段と、
    前記警戒モードを解除するための解除信号を受けると、前記警戒モードを解除する警戒モード解除制御手段と、
    使用者が所望日時を入力するための操作手段と、
    該操作手段を介して使用者により入力された情報に基づいて、前記所望日時を設定登録するための日時設定登録手段と、
    前記所望日時になるまでは、前記警戒モードを解除させないように前記警戒モード解除制御手段を制御する禁止制御手段とを備えていることを特徴とする車両用盗難防止システム。
  9. 車室内への不正侵入を監視し、該不正侵入が検出されると警報出力を行う警戒モードに設定する警戒モード設定手段と、
    前記警戒モードを解除するための解除信号を受けると、前記警戒モードを解除する警戒モード解除制御手段と、
    使用者が所望時間を入力するための操作手段と、
    該操作手段を介して使用者により入力された情報に基づいて、前記所望時間を設定登録するための時間設定登録手段と、
    前記警戒モード設定手段による警戒モード設定後、又は時間設定登録後から前記所望時間が経過するまでは、前記警戒モードを解除させないように前記警戒モード解除制御手段を制御する禁止制御手段とを備えていることを特徴とする車両用盗難防止システム。
  10. 前記時間設定登録手段が、ドアのキーシリンダ又はドアのロックノブの旋錠/解錠方向への操作回数を検出する検出手段を含んで構成され、
    前記キーシリンダ又は前記ロックノブの旋錠/解錠方向への操作回数に応じて、前記所望時間が設定登録されるようになっていることを特徴とする請求項9記載の車両用盗難防止システム。
  11. 前記警戒モードを設定するための設定条件が満たされてから所定時間が経過するまでは、前記警戒モードが設定されないように前記警戒モード設定手段を制御する設定禁止制御手段を備えていることを特徴とする請求項8〜10のいずれかの項に記載の車両用盗難防止システム。
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