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JP4519291B2 - 打栓式合成樹脂製容器蓋 - Google Patents

打栓式合成樹脂製容器蓋

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JP4519291B2
JP4519291B2 JP2000244097A JP2000244097A JP4519291B2 JP 4519291 B2 JP4519291 B2 JP 4519291B2 JP 2000244097 A JP2000244097 A JP 2000244097A JP 2000244097 A JP2000244097 A JP 2000244097A JP 4519291 B2 JP4519291 B2 JP 4519291B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、打栓式、即ち容器の口頸部に被嵌して軸線方向下方に押圧することによって口頸部に装着される形式、の合成樹脂製容器蓋、更に詳しくは、容器の内容物が消費された後には容器から容易に分離せしめて容器とは別個に所謂分別回収することができる合成樹脂製容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
頂面が開口された円筒状口頸部を有し、この口頸部の外周面には環状係止突条が形成されている容器のための容器蓋として、ポリエチレン又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から成形された容器蓋が広く実用に供されている。容器蓋は円筒状スカート壁を有し、このスカート壁の内周面には半径方向内方に突出する環状突条でよい係止手段が形成されている。容器の口頸部に容器蓋を装着する際には、口頸部に容器蓋を被嵌して軸線方向下方に押圧し、これによって容器蓋の係止手段を口頸部の環状係止突条に係合せしめる。
【0003】
而して、近時においては、所謂分別収集のために、容器の内容物を消費した後に容器及び容器蓋を破棄する際には容器の口頸部から容器蓋を分離することが望まれている。かような要望を充足する容器蓋は、分別収集のために容器の口頸部から容器蓋を分離する前の通常状態においては、容器の口頸部に容器蓋が充分確実に保持され、口頸部から容器蓋が偶発的に離脱されることが確実に回避されることが重要であると共に、分別回収のために口頸部から容器蓋を離脱せしめる際には、栓抜きの如き特別な工具等を必要とすることなく充分容易に口頸部から容器蓋を離脱することができることが重要である。
【0004】
実用新案登録第2559266号公報には、上記要望に対する合成樹脂製容器蓋として、円筒状スカート壁に周方向に延びる周方向破断ラインとこの周方向破断ラインからスカート壁の下端まで延びる破断開始ラインとを形成し、上記係止手段を周方向破断ラインよりも上方に配設した形態の容器蓋が開示されている。周方向破断ラインは残留肉厚が低減せしめられたスコアから構成することができ、破断開始ラインはスリットから構成することができる。容器の口頸部に容器蓋が所要とおりに装着されている通常状態においては、スカート壁には周方向破断ラインよりも下方を延在する裾部が存在することに起因して、スカート壁の周方向破断ラインよりも上方の部位、即ち係止手段が配設されている部位が半径方向外方に変位することが阻止乃至抑制され、これによって容器の口頸部に容器蓋が充分確実に保持される。一方、容器の口頸部から容器蓋を離脱せしめる際には、破断開始ラインに続いて周方向破断ラインを破断せしめて、係止手段の直ぐ下方にてスカート壁を周方向に少なくとも大部分に渡って破断せしめる。かくすると、係止手段が半径方向外方に変位することが可能になり、容器の口頸部から容器蓋を離脱せしめることが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
而して、上述した形態の従来の容器蓋には、周方向破断ラインを破断せしめた後においても、係止手段を半径方向外方に変位せしめることが不可能ではないにしても容易ではなく、特別な工具を使用することなく容器蓋を容器の口頸部から離脱せしめることが相当困難であった。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、容器の口頸部に容器蓋が装着されている通常状態においては、容器の口頸部から容器蓋が離脱することが充分確実に阻止乃至抑制されるにもかかわず、分別回収のために容器の口頸部から容器蓋を離脱する際には特別な工具等を必要とすることなく、容器の口頸部から充分容易に容器蓋を離脱せしめることができる、新規且つ改良された容器蓋を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する打栓式容器蓋として、円筒状スカート壁を有し、該スカート壁には5乃至15度の角度範囲に渡る非破断領域を残留せしめて周方向に延びる周方向破断ラインと該周方向破断ラインの片端から該スカート壁の下端まで延びる破断開始ラインとが形成されており、該スカート壁の内周面には該周方向破断ラインよりも上方において半径方向内方に突出する係止手段が形成されている、打栓式合成樹脂製容器蓋において、
該スカート壁には、更に、該周方向破断ラインから軸線方向上方に該係止手段を越えて延びる軸線方向弱化ラインが周方向に等間隔をおいて複数個形成されており、
該軸線方向弱化ラインは該周方向破断ラインの両端に対して周方向に変位して位置せしめられていて該非破断領域以外に位置し、
該周方向破断ライン及び該軸線方向弱化ラインは共に該スカート壁の内周面に刻設された溝によって規定されたスコアから構成されており、該周方向破断ラインを構成するスコアの残留肉厚と該軸線方向弱化ラインを構成するスコアの残留肉厚は同一である、
ことを特徴とする容器蓋が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0011】
図1を参照して説明すると、全体を番号2で示す容器蓋は、ポレエチレン又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から一体に成形されている。かかる容器蓋2は、実質上水平に延在せしめられている円形主壁4を有する。主壁4は環状主部6、中央部に配置されている円形没入部8、及び主部6と没入部8との間に介在せしめられている円錐台筒状部10を有する。主部6には平面図において円形或いは方形等の適宜の形状でよい破断ライン12が形成されており、かかる破断ライン12によって除去領域が規定されている。図示の実施形態における破断ライン12は残留肉厚を低減せしめることによって形成されるスコアから構成されている。主壁4における主部6の上面には、破断ライン12の直ぐ内側にて上方に延びる連結柱14が形成され、この連結柱14の上端にはリング16が接続されている。主壁4における主部6の上面には、更に、破断ライン12の外側において上方に突出する略円筒形状の注出案内筒18と、この注出案内筒18の外側において上方に突出する円筒形状の装着筒20が形成されている。注出案内筒18の先端部即ち上端部は半径方向外方に湾曲せしめられている。装着筒20の外周面には雌螺条22が形成されている。
【0012】
主壁4における主部6の下面には、上記破断ライン12よりも外側において下方に垂下する略円筒形状の内側シール壁24が形成されている。主壁4における主部6の下面には、更に、その周縁から下方に垂下する外側スカート壁26も形成されている。このスカート壁26には周方向に延びる周方向破断ライン28が形成されている。図1と共に図2を参照することによって理解される如く、周方向破断ライン28は、スカート壁26の内周面に溝を刻設せしめて残留肉厚を低減せしめることによって形成されるスコアから構成されている。また、周方向破断ライン28は周方向全周に渡っては延在せしめられておらず、5乃至15度程度でよい角度範囲に渡る非破断領域30には周方向破断ライン28が存在しない。図2に明確に図示する如く、スカート壁26には、周方向破断ライン28からスカート壁26の下端まで延びる破断開始ライン32も形成されている。この破断開始ライン32は、円弧状に延びるスリットから構成することができる。かかる破断開始ライン32に隣接してその片側、即ち後述するとおりにして周方向破断ライン28を破断する際の破断進行方向流側には、軸線方向に延びる3個の突条34が形成されている。スカート壁26には、更に、周方向破断ライン28の直ぐ上方にて半径方向内側に突出する係止手段36も形成されている。図示の実施形態における係止手段36は、後述する軸線方向弱化ラインが形成されている部位を除いて周方向全周に渡って連続して延びる突条から構成されている。係止手段36を構成する突条の横断面形状は略半円形状でよい。
【0013】
本発明に従って構成された容器蓋2においては、スカート壁26には、更に、周方向に間隔をおいて軸線方向に延びる複数個の軸線方向弱化ライン38が形成されていることが重要である。図示の実施形態においては、周方向に等間隔をおいて6個の軸線方向弱化ライン38が形成されており、軸線方向弱化ライン38の各々は上記周方向破断ライン28から実質上鉛直に軸線方向上方に係止手段36を越えて延びている。軸線方向弱化ライン38の各々はスカート壁26の内周面に溝を刻設せしめて残留肉厚を低減せしめることによって形成されるスコアから構成されている。従って、上記係止手段36を構成している突条は軸線方向スコア38の各々によって中断されている。
【0014】
上述した容器蓋2の使用様式について説明すると、容器蓋2は図1に二点鎖線で示す口頸部40を有する容器に適用される。ガラス或いはポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂から形成することができる容器は、頂面が開口された円筒形状の口頸部40を有する。この口頸部40の外周面にはその全周に渡って連続して延びる環状係止突条42が形成されている。口頸部40に容器蓋2を装着して口頸部40を密封する際には、口頸部40に容器蓋2を被嵌し、更に詳しくは容器蓋2のスカート壁26を口頸部40に被嵌し、そして容器蓋2を下方に押圧する。かくすると、スカート壁26の内周面に形成されている係止手段36が口頸部40の外周面に形成されている環状係止突条42を弾性的に乗り越えてこれに係止せしめられ、これによって容器蓋2が口頸部40に係止せしめられる。かくして口頸部40に容器蓋2を装着すると、容器蓋2は口頸部40に充分確実に保持される。更に詳述すると、係止手段36はスカート壁26の下端部ではなく、スカート壁26は係止手段36よりも下方に存在する部分、即ち周方向破断ライン28以下の部分を含んでいる故に、係止手段36が半径方向外方に変位することは充分確実に阻止乃至抑制され、それ故に容器蓋2は口頸部40に充分確実に保持される。容器蓋2には、更に、図1に二点鎖線で示す如く、外蓋44が装着される。この外蓋44は円形天面壁46とこの天面壁46の周縁から垂下する円筒状スカート壁48とを有する。スカート壁48の内周面には雌螺条50が形成されている。かような外蓋44はその雌螺条50を容器蓋2の装着壁20に形成されている雄螺条22に螺合せしめることによって容器蓋2に着脱自在に装着される。
【0015】
容器の内容物を消費する際には、容器蓋2から外蓋44を離脱せしめる。次いで、容器蓋2の主壁4に付設されているリング16に指を掛けて引っ張り、破断ライン12を破断せしめて破断ライン12内に規定されている除去領域を除去し、主壁4に排出開口を生成する。しかる後においては、例えば容器を傾動せしめることによって、排出開口を通して容器の内容物、例えば液体調味料、を排出することができる。注出案内筒18は排出される内容物の流出を案内する。
【0016】
容器の内容物の全てを消費した後に、容器及び容器蓋2を破棄する場合には、所謂分別収集のために、容器の口頸部40から容器蓋2を離脱せしめることが望まれる。この際には、スカート壁26の下端部における突条34が形成されている部分を指で把持して図2において右方に引っ張って破断開始ライン32に次いで周方向破断ライン28を破断せしめる。図3に図示する如く、図示の実施形態においては、周方向破断ライン28は周方向全周に渡っては延在せしめられてはおらず、非破断領域30が存在する。従って周方向破断ライン28を破断せしめても、スカート壁26の周方向破断ライン28よりも下方の部分は非破断領域30を介して周方向破断ライン28よりも上方の部分に接続され続ける。しかる後に、スカート壁26における周方向破断ライン28よりも下方の、帯状に延在する部分を適宜に把持して上方に引っ張る。かくすると、スコアから構成されている軸線方向弱化ライン38の各々においてスカート壁26が周方向に伸張され、或いは必要に応じて複数個の軸線方向弱化ライン38の少なくとも一部において軸線方向弱化ライン38がその下端から少なくとも部分的に破断される。それ故に、スカート壁26に形成されている係止手段36は比較的容易に半径方向外方に変位することができ、容器の口頸部40に形成されている環状係止突条42から離脱せしめられる。従って、スカート壁26における周方向破断ライン28よりも下方の、帯状に延在する部分を更に上方に引っ張ることによって容器蓋2の全体を容器の口頸部40から比較的容易に離脱せしめるこができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明に従って構成された容器蓋によれば、容器の口頸部に容器蓋が装着されている通常状態においては、容器の口頸部から容器蓋が離脱することが充分確実に阻止乃至抑制されるにもかかわず、分別回収のために容器の口頸部から容器蓋を離脱する際には特別な工具等を必要とすることなく、容器の口頸部から充分容易に容器蓋を離脱せしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を示す断面図。
【図2】図1に示す容器蓋の正面図。
【図3】図1に示す容器蓋の、周方向破断ラインを破断せしめた状態を示す正面図。
【符号の説明】
2:容器蓋
26:スカート壁
28:周方向破断ライン
32:破断開始ライン
36:係止手段
38:軸線方向弱化ライン
40:容器の口頸部

Claims (1)

  1. 円筒状スカート壁を有し、該スカート壁には5乃至15度の角度範囲に渡る非破断領域を残留せしめて周方向に延びる周方向破断ラインと該周方向破断ラインの片端から該スカート壁の下端まで延びる破断開始ラインとが形成されており、該スカート壁の内周面には該周方向破断ラインよりも上方において半径方向内方に突出する係止手段が形成されている、打栓式合成樹脂製容器蓋において、
    該スカート壁には、更に、該周方向破断ラインから軸線方向上方に該係止手段を越えて延びる軸線方向弱化ラインが周方向に間隔をおいて複数個形成されており、
    該軸線方向弱化ラインは該周方向破断ラインの両端に対して周方向に変位して位置せしめられていて該非破断領域以外に位置し、
    該周方向破断ライン及び該軸線方向弱化ラインは共に該スカート壁の内周面に刻設された溝によって規定されたスコアから構成されており、該周方向破断ラインを構成するスコアの残留肉厚と該軸線方向弱化ラインを構成するスコアの残留肉厚は同一である、
    ことを特徴とする容器蓋。
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