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JP4517666B2 - 走行支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走行中の車両の走行支援を行う走行支援装置に関し、特に運転者の脳の活動状況を判定し、判定結果から推定される運転者の走行状況の認識状態に基づき適切な走行支援を行う走行支援装置に関する。
走行中において運転者の脳の活動状況を計測することで、運転者の状態を監視する発明が開示されている。当該発明では、局在化している脳機能を測定して外部装置へ入力することで、情報の伝達を行い乗り物の警報等を制御する(例えば特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献1記載の発明は、車両運転中の運転手の身体状態を検出し、環境を制御する等の制御に関して充分な開示が行われているものではない。そこで、走行中の運転者の脳の活動状況を計測し、計測結果に基づき車両内の機器を制御する発明が開示されている。当該発明は、運転に支障をきたす身体状態を判定して、警報を発するなど車両内の各種の機器を制御する(例えば、特許文献2参照。)。
特開平9−149894号公報 特開2002−224092号公報
しかしながら、特許文献2記載の発明は、例えば図1に記載されているように、頭部の額部のみに照射光を照射するものであるため、局在化した脳の活動状況を計測するには充分でない。このため、特許文献2記載の発明においては、運転者の身体状態を検出できるが、これらの身体状態は運転の適・不適を知ることができるものに過ぎないという問題がある。すなわち当該発明は、例えば、運転者が覚醒している状態は検出できても、障害物や走行経路などの走行状態を認識しているか否かなどを検出することはできないため、運転者の認識状態に基づく走行支援を行うことができない。また、特許文献1記載の発明においても、脳の活動状況から走行状態を認識しているか否かを推定する点についてはなんら開示されていない。
また、特許文献1及び特許文献2記載の発明は、走行中の運転者における脳の活動状況を計測する必要があるため、運転者の身体の一部を拘束する必要がある。運転者の頭部に計測プローブなどを装着した場合には、運転者の自由な頭部移動が制約され、安全確認作業などが制約されるおそれがある。運転者の身体を拘束しないように、光ビームなどを用いて非接触に脳の活動状況を計測する場合には、光ビームが頭部の所定の位置に照射されなければならないため、運転者の運転操作が制限されるか又は光ビームの照射位置から外れてしまうという不都合がある。
また、脳の活動状況を計測プローブなどにより計測し、計測結果から運転者の身体状態を同定するまでには時間がかかるため、運転中に脳の活動状況を計測するのでは、適切な応答の早さで支援ができない。
本発明は上記問題に鑑み、走行中の運転者の脳の活動状況を計測せずに、運転者が走行状態を認識しているか否かを推定し、運転者の認識状態に基づいた走行支援を行う走行支援装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、頭部に装着されたセンサにより計測された脳表面の酸素状態から求めた脳の活動状況と、走行中の運転者の車両操作との関係を予め記憶した脳内活動状況記憶装置と、走行中の車両の状況を監視する走行状況監視手段と、走行状況監視手段により監視された車両の状況に基づき、車両がとるべき動作を推定する車両動作推定手段と、運転者の車両操作を監視する車両操作監視手段と、車両動作推定手段により推定された車両が取るべき動作と、車両操作監視手段により監視された車両操作とに基づき、脳内活動状況記憶装置を参照し、脳の活動状況を推定する脳内活動状況推定手段と、脳内活動状況推定手段により推定された脳内活動状況に基づき、運転者に警告し又は車両を制御する走行支援手段と、を有することを特徴とする車両の走行支援装置を提供する。
本発明によれば、走行中の運転者の脳の活動状況を計測せずに、運転者が走行状態を認識しているか否かを推定し、運転者の認識状態に基づいた走行支援を行う走行支援装置を提供することができる。
本発明の一局面において、車両動作推定手段は、経路案内を行うカーナビゲーションシステムからの経路データに基づき当該車両の経路を推定する、ことを特徴とする。車両動作推定手段が、経路データに基づき右左折など車両の動作を推定するので、多様な走行状態において、脳内活動状況に基づき、運転者に警告し又は車両を制御する走行支援を行うことができる。
また、本発明の一局面において、脳内活動推定手段は、車両動作推定手段により推定された車両が取るべき動作と、車両操作監視手段により監視された車両操作に基づき、前頭前葉諸領域の活動状況を推定する、ことを特徴とする。走行状況に対応して活動する脳の部位の活動状況を推定することで、当該走行状況を認識しているか否かを推定できる。なお、前頭葉諸領域は、例えば運動前野又は前頭前野であり、走行状況に対して活動するいかなる部位の脳の活動状況を推定してもよい。
走行中の運転者の脳の活動状況を計測せずに、運転者が走行状態を認識しているか否かを推定し、運転者の認識状態に基づいた走行支援を行う走行支援装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本実施例では、被験者(運転者)に運転課題を課し、予め運転課題を遂行中の脳の活動状況を、運転課題を遂行する被験者の操作と共に計測し記録する。実際の走行中は、走行状況及び走行状況に対する運転者の車両操作を検出することで、運転者の脳の活動状況を判定する。判定結果に基づき、走行中の車両が置かれた状況を運転者が認識しているか否かが推定される。運転者が車両状況を認識していないと推定されたら、適切に車両の走行を支援する。
〔運転課題の遂行時における脳の活動状況の計測及び記録〕
図1は、運転者の認識状態を推定するための判定値を提供する判定値提供装置の一例を示す。認識状態推定のための判定値提供装置は、運転者の運転操作と脳内の活動状況から、運転者が走行状況を認識しているか否かを推定するための判定値を提供する。認識状態推定の判定値提供装置は、運転者に運転課題を提供する運転課題提供手段15、運転課題を遂行中の運転者の運転操作を検出する運転操作検出手段19、運転課題を遂行中の運転者の脳の活動状況を計測する脳内活動状況計測手段16及び判定値提供手段17を有するように構成される。
運転課題提供手段15は、いわゆるドライビングシミュレータのように、日常の走行場面で遭遇する一時停止、右左折などの運転課題を被験者に課すことができる。運転課題は、スクリーン11に表示され、被験者は、ステアリング12、アクセル13及びブレーキ14を操作して、運転課題を遂行する。被験者による操作は運転操作検出手段19により検出され、当該運転課題を遂行中の運転者の、例えばアクセル13やブレーキ14の操作や操作量等が入力される。脳内活動状況計測手段16は、被験者の頭部に装着する装着部18を介して被験者の脳の活動状況を計測する。運転課題提供手段15により提供された運転課題に対し、被験者の運転操作の検出及び脳の活動状況の計測は同期している。判定値提供手段17は、被験者の運転操作及び脳の活動状況に基づき、被験者が走行状況を認識しているか否かを推定するための判定値を提供する。
脳内活動状況計測手段16について詳細に説明する。大脳皮質は、異なる細胞構築で領域分割されており、各領域において異なる機能を分担している。例えば、脳を横から見ると、自発的な運動(手、指、足等)に関与する領域は頂上部、感覚、視覚等に関与する領域は後頭部、言語に関与する領域は左半分の所定部で、それぞれ分担している。運動に関する脳の機能については、大脳皮質の運動野から運動に関係する情報が発信されている。
脳は、血流や酸素代謝を行い活動する臓器であるので、血流や酸素代謝を測ると、脳の全般的な活動状態を知ることができる。すなわち、脳は活動状態に応じて、血流や代謝を変化させるので、ある運転課題を遂行したときに脳の血流がどのように変化するかを計測すると、当該課題に対応した大脳皮質の各部位で分担された脳の機能を調べることができる。また、当該課題に対応して活動する大脳皮質の各部位が同定されたら、当該部位が活動しているか否かで、運転者が当該走行状況を認識しているか否かを推定できる。
本実施例では、脳の活動状況を計測するため、脳表面の酸素状態を計測する。脳内活動状況計測手段16は、装着部18の光ファイバから微弱な近赤外線を放出して頭部に照射し、脳表面から反射される光を検出する。装着部18は、少なくとも前頭部(前頭連合野、運動前野、捕捉運動野、一時運動野などを含む)の脳表面を計測できるよう運転者の頭部に装着される。なお、脳内活動状況計測手段16としては、例えば、株式会社島津製作所製のマルチチャンネル酸素モニタを使用できる。
血液中の酸素代謝を司るヘモグロビンは、酸素と結合した酸素化ヘモグロビンと還元された脱酸素化ヘモグロビンとで、吸収する光の波長帯が異なるため、脳表面から反射される光を検出することで、脳の活動状況を計測できる。装着部18は、近赤外線を放出する光ファイバと脳表面からの反射光を検出する受光部を複数備えており、これらをマトリックス状に配置することで、複数の部位の血流状態を同時に計測できる。光ファイバの数及び位置は自在に設計できるので、大脳皮質の各部位の機能を目的に応じ計測できる。なお、脳の機能を測定するため、代謝変化を放射線で測定する「ポジトロン画像診断装置」や血流変化を磁場変化で測定する「機能的磁気共鳴画像計測装置」、神経電流を磁場変化で測定する「脳磁場計測装置」などを用いてもよい。
図2(a)は、赤信号に合わせて停止する運転課題における、脳内活動状況計測手段16で計測された脳の活動状況の一例を示す。図2(a)は、走行前、走行中、停止、停止後における脳の血流状態を示す。図2(a)では、血流状態の変化が、酸素化ヘモグロビン(Ox)、脱酸素化ヘモグロビン(De)、及び、酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンを加えた総ヘモグロビン(To)の量の変化で表されている。例えば、走行前の初期状態を緑色で表し、酸素化ヘモグロビン又は総ヘモグロビンが増加したら、計測された部位を赤色で表示し、脱酸素化ヘモグロビンが増加したら、計測された部位を青色で表示するように画像処理される。したがって、血流状態を酸素代謝から計測し、それを色の変化として検出することにより、大脳皮質のどの部位の活動が活発となったか検出できる。なお、血流の変化と画像の色については、設計事項でありこの色に限定されるものではない。
図2(a)の脳内活動状況の計測結果によれば、赤信号を意識することで、走行中に、運動前野と呼ばれる部位21の酸素化ヘモグロビンが増加する(図中、赤色)。運動前野の活動は、運転課題において車両を停止させるまで持続し、停止後は走行前と同じ血流状態となる。図2(b)は、被験者が赤信号を意識しないとき急に停止する運転における、脳内活動状況計測手段16で計測された脳の活動状況の一例を示す。図2(b)は、図2(a)と同じように、走行前、走行中、停止、停止後における脳の血流状態を示す。図2(b)に示された脳の活動状況では、運動前野の部位21に血流の変化が見られない。図2(a)及び(b)から、赤信号で停止するという運転課題においては、走行中に被験者が赤信号を認識すると、運動前野の活動状態が高まることが分かる。
本実施例では、脳内活動状況計測手段16により脳の活動状況を計測すると共に、運転操作検出手段19により被験者の運転操作を検出する。図2(c)は、赤信号で停止する場合に、赤信号に到達するまでの時間に対する被験者の操作の早さ(タイミング)と運動前野の活動状態の対応を示す。運転課題提供手段15により赤信号で停止する運転課題が与えられた場合、被験者は、正常状態では、赤信号を意識しアクセル13から足を離し、停止線で停止する。かかる運転課題を複数回行うことでプロット点23の集合25が得られる。なお、図2(c)では、アクセルから足を離した時を操作のタイミングとしてプロットした。
同様にして、被験者に赤信号を意識せずに急に停止する運転課題を複数回行うことでプロット点26の集合27が得られる。赤信号で急に停止することになるプロット点26の集合27は、集合25よりもアクセルを離すタイミングが遅い領域に分布する。また、赤信号を意識していない場合は、図2(b)に示したように運動前野の活動状態が低いため、集合27は集合25よりも運動前野の活動状態が低い領域に分布する。
図3(a)及び(b)は、別の運転課題として、交差点で左折する運転課題における、脳内活動状況計測手段16で計測された脳の活動状況の一例を示す。図3(a)は、走行前と走行中における、酸素化ヘモグロビン(Ox)及び脱酸素化ヘモグロビン(De)脳の血流状態を示す。図3(a)は、予め被験者に右左折する交差点を指示しておき、被験者が右左折する交差点を意識した状態における血流状態を示す。交差点を右左折するという運転課題においては、前頭前野と呼ばれる部位22において、脱酸素化ヘモグロビンが減少する(図中、青色)。図3(b)は、被験者に交差点を指示しないで、例えば直前に右左折を指示させる運転課題における、脳内活動状況計測手段16で計測された脳の活動状況の一例を示す。図3(b)は、図3(a)と同じように、走行前、走行中における脳の血流状態を示す。図3(b)に示された脳の活動状況では、前頭前野の部位22に血流の変化が見られない。すなわち、交差点で右左折するという運転課題においては、右左折すべき交差点を認識すると(走行に安心感があると推定できる)、前頭前野の活動状態が高まることが分かる。
図3(c)は、交差点で左折する場合に、交差点に到達するまでの時間に対する被験者の操作の早さ(タイミング)と前頭前野の活動状態の対応を示す。運転課題提供手段15により交差点で左折する運転課題が与えられた場合、被験者は、正常状態では、交差点で左折するという動作を認識しウィンカを出す。かかる運転課題を複数回行うことでプロット点23の集合25が得られる。なお、図3(c)では、ウィンカを出した時を操作のタイミングとしてプロットした。
同様にして、被験者に予め左折すべき交差点を通知せず(左折する交差点の記憶がない状態)に左折を指示する運転課題を複数回行うことでプロット点26の集合27が得られる。左折する交差点の記憶がない状態で左折するプロット点26の集合27は、集合25よりもウィンカを出すタイミングが遅い領域に分布する。また、交差点の記憶がない場合は、図3(b)に示したように前頭前野の活動状態が低いため、集合27は集合25よりも運動前野の活動状態が低い領域に分布する。
したがって、図2及び図3のような、被験者の操作のタイミングと脳の活動状況の関係が運転課題により得られれば、実走行中において、運転者の操作のタイミングを検出することで運転者の脳の活動状況を推定できる。すなわち、操作のタイミングが遅くなれば脳の活動状況が低いもの(赤信号や交差点を認識していない)と推定し、運転者に注意を促すことができる。図2及び図3のような、被験者の操作と脳の活動状況との関係を、種々の運転課題において計測しておけば、脳の活動状況を推定できるので、実走行時に運転者の走行支援を行うことが可能となる。
次いで、判定値提供手段17について説明する。判定値提供手段17は、領域25と領域27を形成するプロットから、周知の判別関数分析を行う。判別関数分析などを行うことで、脳が活動しているか否かを判定する閾値βを求めることができる。閾値βが求められたら、操作した時の脳の活動状況が、閾値βよりも高いと判定できる操作のタイミングにおける閾値TTCαを求めることができる。
図2(d)及び図3(d)は、図2(c)及び図3(c)を、閾値TTCα及び閾値βにより4つの領域に分割した図を示す。閾値TTCαを判定値として運転者の操作を検出し、操作のタイミングがTTCαよりも早いか遅いかにより脳の活動状況を推定できるので、走行中の脳の活動状況を計測しなくとも走行支援を行うことができる。なお、図2(d)及び図3(d)では、大脳皮質の一部(前頭葉諸領域のうち、運動前野又は前頭前野)のみを用いているが、計測されている大脳皮質の他の部位の活動状態とを併せて、運転者の操作のタイミングと対応づけてもよい。また、被験者の顔をCCDカメラなどで撮影し、被験者の表情や瞬きの回数などと対応づけて脳の活動状況を計測してもよい。
以上で、運転者の運転操作と脳内の活動状況から、運転者が走行状況を認識しているか否かを推定するための判定値が提供された。続いて、当該判定値を用いて、走行中の運転者を支援する走行支援装置について説明する。
〔脳の活動状況を推定した走行支援装置〕
図4は、走行支援装置の概略構成図の一例を示す。図4の走行支援装置は、車両制御装置41、ドライバモニタ装置42、走行状況認識手段45、警報・情報提供手段46、及び、運転支援エージェント55、を有するように構成される。また、運転支援エージェント55は、走行状況モデル化手段48、最適支援選択・指示手段52、運転行動モデル化手段51、ドライバ状態推定手段50、を有するように構成される。ドライバ状態推定手段50は、上述した運転者の運転操作と脳内の活動状況から、運転者が走行状況を認識しているか否かを推定するための判定値が記録された判定値データベース(以下、単に判定値DBという)49を有する。
走行状況認識手段45は、走行中、変化する走行状況40を監視する。走行状況認識手段45は、例えば、VICS(Vehicle Information and Communication
System)やETC(Electronic Toll Collection System)、交通情報標識(電光掲示板)などのインフラ設備から、信号の存在や信号の状態、道路標識が指示する一時停止などの信号を受信する。また、走行状況40を監視するためのカメラを車両に搭載し、信号の存在や信号の状態、道路標識などを認識してもよい。また、走行状況認識手段45は、インフラ設備からの信号を受信すると共に、例えば赤信号までの距離が分かるような走行位置を示す信号を受信する。赤信号と自車両との間に、他の車両が存在する場合には、レーダセンサなどにより先行する他の車両との距離を計測する。走行状況認識手段45が認識した走行状況は、運転支援エージェント55に入力される。なお、走行状況認識手段45は、車両の走行状況を監視する走行状況監視手段として機能する。
ドライバモニタ装置42は、操作機器43やカメラ類44を介して運転者の運転操作や身体状態を監視する。運転者は、アクセルやステアリングなどの操作機器43を介して車両を走行させる。ドライバモニタ装置42は、操作機器43が運転者から操作されることで、走行状況認識手段45により認識された走行状況40に対する運転者の操作を検出する。カメラ類44は、運転者の表情や瞬きの回数などを監視し、眠気、意識状態などの身体状態を監視する。車両制御装置41は、運転者が操作した操作機器43から制御信号が入力され、ブレーキアクチュエータやアクセル開度などを制御する。なお、ドライバモニタ装置42は、運転者の車両操作を監視する車両操作監視手段として機能する。
ドライバモニタ装置42が監視した運転操作や身体状態は、運転支援エージェント55のドライバ状態推定手段50に入力される。ドライバ状態推定手段50は、入力された運転操作に基づき判定値DB49を参照し、脳の活動状況を判定し、判定結果から運転者の走行状況の認識状態を推定する。なお、ドライバ状態推定手段50は、脳内活動状況推定手段として機能し、判定値DB49は、脳の活動状況と走行中の運転者の車両操作との関係を予め脳内活動状況記憶装置となる機能を有する。
運転支援エージェント55に入力された走行状況47は、走行状況モデル化手段48により、例えば赤信号までの距離や走行速度、先行する他車両との距離に応じて、走行状況モデルにモデル化される。モデル化された走行状況、及び、ドライバ状態推定手段50により推定された運転者の認識状態は、運転行動モデル化手段51に入力される。なお、走行状況モデル化手段48は、走行状況に基づき車両が取るべき動作を推定する車両動作推定手段として機能する。
運転行動モデル化手段51は、モデル化された走行状況と運転者の認識状態に基づき、運転者が取るべき運転行動をモデル化する。例えば、赤信号との距離や走行速度に応じて、アクセルから足を離すべきであるとか、ブレーキ操作に入るべきである、など運転者が取るべき運転行動モデルを定める。すなわち、運転行動モデル化手段51は、推定された運転者の認識状態に応じて適切にモデル化される。定められた運転行動モデルは、最適支援選択・指示手段52に入力され、例えば複数定められた運転行動モデルから最適な運転行動を指示したり、赤信号や先行車両に近づくにつれて最適な運転指示を選択し指示する。
最適支援選択・指示手段52は、インターフェイス53を介して、選択した最適な支援を車両制御装置41に指示する。例えば、スロットルバルブを閉じたり、自動制動を加えるような指示が送られる。また、運転者に注意を促す場合には、インターフェイス54を介して、警報/情報提供手段46からメッセージや警報を発する。なお、最適支援選択・指示手段52は、運転者に警告し又は車両を制御する走行支援手段として機能する。
次に、脳の活動状況を推定した走行支援装置の動作を図5(a)及び図6(a)に基づき説明する。図5(a)は、自車両52が赤信号51により停止線53で停止する走行状況を示す。車両52は、速度Vで走行しており、停止線53までの距離はLである。図6(a)は、走行支援装置により自車両52が赤信号で停止するまでのフローチャート図を示す。
ステップS101では、自車両52の走行状況認識手段45が、赤信号51を認識する。また、走行状況認識手段45は、インフラ設備などから停止線53までの距離Lを検出すると共に、自車両52の走行速度Vを検出する。認識又は検出された走行状況は走行状況モデル化手段48に入力される。走行状況モデル化手段48は、現在の走行状況が、赤信号において停止すべきであるというモデルに走行状況をモデル化する。モデル化された走行状況はドライバ状態推定手段50へ入力される。
ステップS102では、ドライバモニタ装置42が、運転操作を検出する。本実施例では、運転者がアクセルに足を載せている状態を示す信号を検出する。アクセルを離せば当該信号が検出されなくなるので、運転者がアクセルを離したことが検出できる。すなわち、運転者がアクセルから足を離す又は離さないという操作を検出できる。
ステップS103では、ドライバ状態推定手段50が運転者の認識状態を推定する。ドライバ状態推定手段50は、モデル化された走行状況に基づき判定値DB49を参照する。図5(b)は、判定値DB49から抽出した、赤信号で停止する走行状況における操作のタイミングと運動前野の活動状態の関係を示す。上述したように、運転者の操作が遅くなるにつれて、運転者の脳の活動状況が低下している蓋然性が高まる。
自車両52が停止線53に到達する到達時間TTCは、距離Lを走行速度Vで除算することで求められる。ドライバ状態推定手段50は、運転者がアクセルから足を離した時の距離L及び走行速度Vから到達時間TTCを算出する。判定値DB49は、操作のタイミング(この場合は赤信号までの到達時間に対し運転者がアクセルから足を離すタイミング)における閾値TTCαを有するので、閾値TTCαと運転者の操作のタイミングの関係により、運転者の脳の活動状況を推定する。
ステップS104では、運転行動モデル化手段51が、運転者が取るべき運転行動をモデル化する。例えば、TTCがTTCαよりも大きい場合は、運転者の脳の活動状況が高く、赤信号を認識していると推定できるので、引き続き運転者の操作を監視する。また、TTCがTTCαよりも小さい場合は、運転者の脳の活動状況が低く、赤信号を認識していないと推定できるので、アクセルから足を離すべきであるとか、ブレーキ操作に入るべきである、など運転者が取るべき運転行動モデルを定める。
ステップS105では、最適支援選択・指示手段52が、運転者に最適な運転支援を行う。運転行動モデルが定められたら、警報・情報提供手段46や車両制御装置41に、警報を発する又は車両制御を行うなどを指示する。以上で、赤信号で停止すべき走行状況において、運転者がアクセルから足を離すタイミングから脳の活動状況を推定し、適切な運転支援を行う処理が終了する。なお、図5では、赤信号で停止する場合について説明したが、本実施例はT字路や一時停止などで停止する走行状況においても適用できる。
次に、カーナビゲーションシステムを用いた、脳の活動状況を推定し走行を支援する走行支援装置について説明する。図7は、経路案内を行うカーナビゲーションシステム(以下、単にカーナビという)を用いた、走行支援装置の概略構成図の一例を示す。図7の走行支援装置は、走行状況認識手段45が地図情報56を有する点で図4と異なる。カーナビとは、人工衛星からの電波を車上で受信し、地図上に当該車両の位置を表示する装置である。カーナビでは、目的地を指定することで地図上に目的地までの経路が設定される。カーナビは、進路を変更すべき交差点に近づくと、車両のスピーカなどから、右左折や進路変更の指示を運転者に与える。運転者がウィンカを出すなど右左折すべき動作を行うタイミングが遅い場合には、脳の活動状況が低い、すなわちカーナビから指示があったものの右左折すべき交差点を認識していない推定して、再度右左折すべき交差点を通知するなどの運転支援を行う。
地図情報を用いた、脳の活動状況を推定した走行支援装置の動作を図8(a)及び図6(b)に基づき説明する。図8(a)は、人工衛星61の電波を受信した自車両52が、地図情報に基づき交差点で左折する走行状況を示す。車両52は、速度Vで走行しており、交差点までの距離はLである。図6(b)は、走行支援装置により自車両52が交差点で左折するまでのフローチャート図を示す。
ステップS201では、自車両52の走行状況認識手段45が、カーナビから左折すべき交差点を認識する。交差点までの距離はカーナビから通知されてもよいし、インフラ設備などから検出してもよい。また、走行状況認識手段45は、自車両52の走行速度Vを検出する。認識又は検出された走行状況は走行状況モデル化手段48に入力される。走行状況モデル化手段48は、現在の走行状況が、交差点において左折すべきであるというモデルに走行状況をモデル化する。モデル化された走行状況はドライバ状態推定手段50へ入力される。
ステップS102では、ドライバモニタ装置42が、運転操作を検出する。本実施例では、カーナビから運転者に交差点を左折すべき指示があった後に、運転者がウィンカを出す信号を検出する。
ステップS103では、ドライバ状態推定手段50が運転者の認識状態を推定する。ドライバ状態推定手段50は、モデル化された走行状況に基づき判定値DB49を参照する。図8(b)は、判定値DB49から抽出した、交差点で左折する走行状況における操作のタイミングと前頭前野の活動状態の関係を示す。図8(b)は、脳の活動状況として前頭前野が用いられている点で図5(b)と異なる。図3(a)及び(b)で説明したように、交差点で右左折する場合に交差点を認識しているか否かは、前頭前野の活動状態で推定される。実際の走行においては、カーナビからの指示があっても、先行車両や複雑な地形により右左折する交差点を認識できない場合も多い。本実施例では、カーナビからの指示後、ウィンカを出すという運転者の操作が遅い場合には、前頭前野の活動状態が低く、運転者が交差点を認識していない蓋然性が高いと推定する。
運転者が、ウィンカを出した時の自車両52の交差点までの到達時間TTCは、距離Lを走行速度Vで除算することで算出できる。判定値DB49は、ウィンカを出すタイミングにおける閾値TTCαを有するので、閾値TTCαと運転者の操作のタイミングの関係により、運転者の脳の活動状況を推定する。
ステップS104では、運転行動モデル化手段51が、運転者が取るべき運転行動をモデル化する。例えば、TTCがTTCαよりも大きい場合は、運転者の脳の活動状況が高く、交差点を認識していると推定できるので、引き続き運転者の操作を監視する。また、TTCがTTCαよりも小さい場合は、運転者の脳の活動状況が低く、交差点を認識していないと推定できるので、左折すべき交差点が近づいているのでウィンカを出すべき等の運転者が取るべき運転行動モデルを定める。
ステップS105では、最適支援選択・指示手段52が、運転者に最適な運転支援を行う。運転行動モデルが定められたら、警報・情報提供手段46や車両制御装置41に、警報を発するなどを指示する。以上で、交差点で左折すべき走行状況において、運転者のウィンカを出すタイミングから脳の活動状況を推定し、適切な運転支援を行う処理が終了する。なお、図5では、左折する場合について説明したが、本実施例は進路変更や高速道路の出入り口などで運転者を支援する走行状況においても適用できる。
本実施例によれば、走行中の運転者の脳の活動状況を計測せずに、脳の活動状況を判定できる。当該判定の結果に基づき、運転者が走行状況を認識しているか否かを推定し、推定結果に基づいて運転者に適切な走行支援を行うことができる。また、車両に脳内活動状況計測手段16を設置する必要がないのでコストを低減できる。
〔実走行中に脳の活動状況を計測して走行を支援する走行支援装置〕
実施例1では、走行中の運転者の脳の活動状況を計測せずに、運転者に適切な走行支援を行う走行支援装置について説明した。実施例2では、走行中の運転者の脳の活動状況を計測しながら、運転者に適切な走行支援を行う走行支援装置について説明する。
図9は、実施例2における走行支援装置の概略構成図の一例を示す。図9の走行支援装置は、運転者の脳の活動状況を計測する点で実施例1と異なる。走行中の運転者の頭部には図1で説明した装着部18が装着されており、脳の活動状況が脳内活動状況計測手段16で計測される。計測された脳の活動状況は、ドライバ状態推定手段50に入力される。装着部18と脳内活動状況計測手段16との間は、運転者の運転確認作業などに支障をきたさないよう無線で電気的に接続することが好適である。
また、図9の走行支援装置では、ドライバ状態推定手段50が判定値DB49を有していない点で実施例1と異なる。判定値DB49は、脳の活動状況を計測せずに運転者の脳の活動状況を推定するためのものであるので、本実施例にように走行中に脳の活動状況を計測する場合には使用しなくともよい。なお、図9の走行支援装置においてその他の機能については図7と同じであるので説明を省略する。
図10(a)は、停止または減速すべき走行状況において、走行中に脳の活動状況を計測し運転を支援する処理のフローチャート図を示す。ステップS301では、自車両52の走行状況認識手段45が、赤信号又は先行車両を認識する。走行状況認識手段45は、カーナビやレーダセンサにより停止線又は先行車両に接触しないように減速すべき走行状況であることを認識する。また、走行状況認識手段45は、インフラ設備やカーナビなどから停止線53までの距離、又は、レーダセンサによる先行車両との距離を検出すると共に、自車両52の走行速度Vを検出する。認識又は検出された走行状況は走行状況モデル化手段48に入力される。走行状況モデル化手段48は、現在の走行状況が、減速すべきであるというモデルに走行状況をモデル化する。モデル化された走行状況はドライバ状態推定手段50へ入力される。
ステップS302では、ドライバモニタ装置42が、運転操作を検出する。本実施例では、運転者がアクセルに足を載せている状態を示す信号を検出する。アクセルを離せば当該信号が検出されないので、運転者がアクセルを離したことが検出できる。すなわち、運転者がアクセルから足を離す又は離さないという操作を検出できる。
ステップS303では、ドライバ状態推定手段50が運転者の認識状態を推定する。ドライバ状態推定手段50は、計測された脳の活動状況に応じて、運転者が赤信号や先行車両を認識しているか否かを推定する。例えば、図2(a)のように運動前野の部位21の活動が検出されれば、運転者は減速すべき走行状況であることを認識していると推定する。
ステップS304では、運転行動モデル化手段51が、脳の活動状況の計測結果及び運転操作の検出結果に応じて、運転行動をモデル化する。脳の活動状況の計測結果及び運転操作の検出結果の組み合わせにより、一例として以下の4つのモデルを示す。
a.「運転者が減速行動を取らない」かつ「運転者の運動前野前部の活動状態が所定値よりも低い」
b.「運転者が減速行動を取らない」かつ「運転者の運動前野前部の活動状態が所定値よりも高い」
c.「運転者が減速行動を取ろうとしている」かつ「運転者の運動前野前部の活動状態が所定値よりも低い」
d.「運転者が減速行動を取とうとしている」かつ「運転者の運動前野前部の活動状態が所定値よりも高い」
ステップS305では、最適支援選択・指示手段51が、aないしdの状態に応じて運転者を支援する。例えばaの場合には、当該運転者は、自車両が減速すべきことを認識していないものと推定し、警報・情報提供手段46により警報を発し運転者に注意を促す。また、車両制御装置41に、自車両の速度を自動制御するよう指示してもよい。bの場合には、運転者は減速行動を取っていないものの、自車両が減速すべきことは認識していると推定し、引き続き運転者の操作を検出する。また、停止線や先行車両と接近している場合には、自動制動を行う。この場合には、引き続き運転者の操作を検出する余裕があるので、不必要な警報を防ぐことができ、また、必要な場合には自動制動により衝突を回避できる。cの場合には、運転者は、漫然と減速行動を取っており、停止すべき位置を正しく認識していないと推定できる。最適支援選択・指示手段51は、警報・情報提供手段46を介し、警報等により注意を促し、また、車両制御装置41を介し、自車両の速度を自動制御するよう指示する。この場合には、減速行動が検出されても、脳の活動状況が低下していることが計測されるので、脳の活動状況に基づき適切な運転支援を行うことができる。dの場合には、運転者は停止すべき位置を正しく認識しつつ減速行動を取っていると推定し、支援を行わない。
続いて、右左折の指示を受け右左折すべき走行状況において、走行中に脳の活動状況を計測し運転を支援する処理を図10(b)のフローチャート図に基づき説明する。ステップS401では、自車両52の走行状況認識手段45が、カーナビから右左折の指示を検出する。走行状況認識手段45は、カーナビなどから交差点までの距離を検出すると共に、自車両52の走行速度Vを検出する。認識又は検出された走行状況は走行状況モデル化手段48に入力される。走行状況モデル化手段48は、現在の走行状況が、交差点で右左折すべきであるというモデルに走行状況をモデル化する。モデル化された走行状況はドライバ状態推定手段50へ入力される。
ステップS402では、ドライバ状態推定手段50が運転者の認識状態を推定する。ドライバ状態推定手段50は、計測された脳の活動状況に応じて、運転者が右左折すべき交差点を認識しているか否かを推定する。例えば、図3(a)のように前頭前野の活動が検出されれば、運転者は右左折すべき交差点を認識していると推定する。
ステップS403では、運転行動モデル化手段51が、脳の活動状況の計測結果に応じて、運転行動をモデル化する。脳の活動状況の計測結果により、一例として以下の2つのモデルを示す。
e.「カーナビなどから右左折の指示がある」かつ「運転者の前頭前野の活動状態が所定値よりも低い」
f.「カーナビなどから右左折の指示がある」かつ「運転者の前頭前野の活動状態が所定値よりも高い」
ステップS404では、最適支援選択・指示手段51が、e又はfの状態に応じて運転者を支援する。例えばeの場合には、当該運転者は、カーナビ等からの右左折の指示を認識していないと推定し、警報・情報提供手段46により、再度情報提供を行うなどの支援を行う。また、fの場合には、当該運転者は、カーナビ等からの右左折の指示を認識していると推定し、支援を行わない。したがって、図10(b)のフローチャートによる走行支援では、運転者の操作の検出を待たずに走行支援することが可能である。
本実施例によれば、走行中の脳の活動状況を計測して運転支援を行うので、図10(a)のフローチャート図で説明したように、脳の活動状況が高い場合には警報を発するまで引き続き運転者の操作を検出したり、脳の活動状況が低い場合には減速操作があっても警告を行うなど、よりきめ細かい運転の支援が可能である。また、図10(b)のフローチャート図で説明したように、運転者の操作が検出されなくとも、脳の活動状況に応じて運転の支援を行うことができる。
実施例3では、脳の活動状況を計測して運転の能力試験を行う運転能力試験装置について説明する。図11は、運転能力試験装置の概略構成図の一例を示す。図11の運転能力試験装置は、運転課題提供手段15、運転操作検出手段19、脳内活動状況計測手段16、脳内活動状況比較手段71、模範データ記憶手段72及び試験結果出力手段73を有するように構成される。
運転課題提供手段15は、いわゆるドライビングシミュレータのように、日常の走行場面で遭遇する一時停止、右左折などの運転課題を被験者に課すことができる。運転課題は、スクリーン11に表示され、被験者は、ステアリング12、アクセル13及びブレーキ14を操作して、運転課題を遂行する。被験者による操作は運転操作検出手段19により検出され、当該運転課題を遂行中の運転者の、例えばアクセル13やブレーキ14を操作するタイミングや操作量等が入力される。なお、運転課題提供手段15は、実際に車両を走行させることで運転課題を提供してもよい。
脳内活動状況計測手段16は、被験者の頭部に装着する装着部18を介して被験者の脳の活動状況を計測する。脳内活動状況計測手段16については実施例1で説明したので省略する。計測された脳の活動状況は脳内活動状況比較手段71に入力される。
模範データ記憶手段72は、例えば教習所における運転の指導員など、被験者との比較において模範となる者の脳の活動状況が記録されている。模範データ記憶手段72には、日常の運転場面で遭遇する一時停止、右左折などの運転課題を遂行したときの、模範的な脳の活動状況が、活動した脳の部位と血流の酸素化状態などとの関係として記録されている。例えば、一時停止課題の場合は、運動前野前部の酸素化ヘモグロビンと総ヘモグロビンが増加するという関係が記録されており、また、事前の指示に基づく右左折課題の場合は、前頭前野、運動前野の脱酸素化ヘモグロビンが減少するという関係が記録されている。
脳内活動状況比較手段71は、脳内活動状況計測手段16により計測された被験者の脳の活動状況、及び、模範データ記憶手段72に記録された模範データを比較する。被験者の運転課題遂行前(安静時)における脳の酸素状態に対する運転課題遂行時の酸素状態の変化量と、模範データ記憶手段72に記録された模範的な運転者の脳の酸素状態とを比較する。
比較の結果、例えば一時停止の場合は、運動前野前部の酸素状態に着目し、酸素化ヘモグロビンと総ヘモグロビンの変化量(増加量)と模範的な運転者の運動前野前部の酸素状態とを比較する。酸素化ヘモグロビンと総ヘモグロビンの変化量(増加量)が、模範データと比較して小さい場合には、一時停止すべき場所など周辺に対する注意配分を適切に行うことができないと推定する。また、事前の指示に基づく右左折課題の場合は、前頭前野、運動前野の酸素状態に着目し、脱酸素化ヘモグロビンの変化量(減少量)と模範的な運転者の前頭前野、運動前野の酸素状態とを比較する。脱酸素化ヘモグロビンの変化量(減少量)が模範データと比較して小さい場合には、指示された空間情報を適切に記憶・処理できないと推定する。模範データとの比較結果に応じて、例えば当該被験者には運転適正がないと判定してもよいし、酸素化ヘモグロビン等の変化量の大小に応じて、点数やランク付けをしてもよい。
試験結果出力手段73は、模範データと比較の結果得られた試験結果を、CRTや紙面などに出力する。営業用自動車の運転手などに定期的に試験を課す場合にはICカードなどに出力してもよい。また、試験結果出力手段73は、試験の結果をアナログやデジタル信号により、外部装置などに入力できる信号出力手段であってもよい。
本実施例によれば、車両を運転する際の脳の活動状況を模範となる指導員等と比較できるので、被験者の運転適正や運転能力を、車両を運転する際に要求される脳の活動状況という観点から判定できる。また、模範データを、F1レースなど競技用自動車レースの競技者、大型車など特殊車両の運転指導員などから記録すれば、特殊な車両の運転能力を判定することができる。また、本実施例の運転能力試験装置は、車両に限られず航空機など種々の乗り物の運転者についても適用できる。
認識状態を推定するための判定値を提供する判定値提供装置の一例である。 一時停止の運転課題を遂行中の脳の活動状況の一例を示す図である。 右左折の運転課題を遂行中の脳の活動状況の一例を示す図である。 走行支援装置の概略構成図の一例である。 赤信号で停止する走行状況における被験者の操作のタイミングと脳の活動状況の関係の一例を示す図である。 走行支援装置により自車両の走行が支援される処理を示すフローチャート図の一例である。 地図情報を用いた、走行支援装置の概略構成図の一例である。 交差点で左折する走行状況における被験者の操作のタイミングと脳の活動状況の関係の一例を示す図である。 実施例2における走行支援装置の概略構成図の一例である。 走行中に脳の活動状況を計測し、自車両の走行を支援する処理を示すフローチャート図の一例である。 運転能力試験装置の概略構成図の一例である。
符号の説明
15 運転課題提供手段
16 脳内活動状況計測手段
17 判定値提供手段
18 装着部
19 運転操作検出手段
40 走行状況
41 車両制御装置
42 ドライバモニタ装置
45 走行状況認識手段
46 警報・情報提供手段
48 走行環境モデル化手段
49 判定値DB
50 ドライバ状態推定手段
51 運転行動モデル化手段
52 最適支援選択・指示手段
55 運転支援エージェント
56 地図情報
71 脳内活動状況比較手段
72 模範データ記憶手段

Claims (3)

  1. 頭部に装着されたセンサにより計測された脳表面の酸素状態から求めた脳の活動状況と、走行中の運転者の車両操作との関係を予め記憶した脳内活動状況記憶装置と、
    走行中の車両の状況を監視する走行状況監視手段と、
    前記走行状況監視手段により監視された車両の状況に基づき、車両がとるべき動作を推定する車両動作推定手段と、
    運転者の車両操作を監視する車両操作監視手段と、
    前記車両動作推定手段により推定された車両が取るべき動作と、前記車両操作監視手段により監視された車両操作と、に基づき、前記脳内活動状況記憶装置を参照し、脳の活動状況を推定する脳内活動状況推定手段と、
    前記脳内活動状況推定手段により推定された脳内活動状況に基づき、運転者に警告し又は車両を制御する走行支援手段と、
    を有することを特徴とする車両の走行支援装置。
  2. 前記車両動作推定手段は、経路案内を行うカーナビゲーションシステムからの経路データに基づき当該車両の経路を推定する、ことを特徴とする請求項1記載の車両の走行支援装置。
  3. 前記脳内活動推定手段は、前記車両動作推定手段により推定された車両が取るべき動作と、前記車両操作監視手段により監視された車両操作に基づき、前頭葉諸領域の活動状況を推定する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の車両の走行支援装置。
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