以下に添付図面を参照して、本発明にかかるドアロック装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1〜図3は、本発明の実施の形態1であるドアロック装置を概念的に示したものである。ここで例示するドアロック装置は、図4に示すように、四輪自動車の車両本体Bにおいて後席右側に配置された前方ヒンジのドアDに設けられるもので、図1に示すように、本体ケース10に装着されたラッチケース21の内部にラッチ機構20を備えている。
ラッチ機構20は、図4及び図5に示すように、車両本体Bに設けたストライカSを噛合保持するためのもので、図5に示すように、ラッチ22とラチェット23とを備えて構成してある。
ラッチ22は、ラッチケース21に形成したストライカ進入溝21aよりも上方となる位置に、車両本体Bの前後方向に沿って略水平に延在するラッチ軸24を介して回転可能に配設したものである。このラッチ22には、噛合溝22a、フック部22b及び係止部22cが設けてある。噛合溝22aは、ラッチ22の外周面からラッチ軸24に向けて形成したもので、ストライカSを収容することのできる幅に形成してある。フック部22bは、噛合溝22aを下方に向けて開口させた場合に噛合溝22aよりも室内側に位置する部分である。このフック部22bは、図5の実線で示すように、ラッチ22を最大限反時計回りに回転させた場合にラッチケース21のストライカ進入溝21aを横切る位置で停止する一方、図5中の二点鎖線で示すように、ラッチ22を最大限時計回りに回転させた場合にストライカ進入溝21aを開放する位置で停止するように構成してある。係止部22cは、噛合溝22aを下方に向けて開口させた場合に噛合溝22aよりも室外側に位置する部分である。この係止部22cは、図5中の二点鎖線で示すように、ラッチ22を最大限時計回りに回転させた場合にストライカ進入溝21aを横切り、かつこのストライカ進入溝21aの奥方(室外側)に向けて漸次上方に傾斜する状態で停止するように構成してある。尚、図には明示していないが、ラッチ22とラッチケース21との間には、図5においてラッチ22を常時時計回りに向けて付勢するラッチバネが設けてある。
ラチェット23は、ラッチケース21のストライカ進入溝21aよりも下方、かつラッチ軸24よりも室内側となる位置に、車両本体Bの前後方向に沿って略水平に延在するラチェット軸25を介して回転可能に配設したものである。このラチェット23には、係合部23a及び作用部23bが設けてある。係合部23aは、ラチェット軸25から室外側に向けて径外方向に延在する部分であり、ラチェット軸25を中心として回転することによりその突出端面を介して上述したラッチ22のフック部22b及び係止部22cに着脱可能に係合することが可能である。作用部23bは、ラチェット軸25から室内側に向けて径外方向に延在する部分である。このラチェット23には、車両前側となる位置にラチェット23とともに一体となってラチェット軸25の軸心回りに回転するラチェットレバー26が設けてある。ラチェットレバー26は、ラチェット軸25からラチェット23の作用部23bと同一方向に向けて延在した当接部26aを有したものである。尚、図には明示していないが、ラチェット23とラッチケース21との間には、図5においてラチェット23を常時反時計回りに向けて付勢するラチェットバネが設けてある。
上記のように構成したラッチ機構20では、図4中の二点鎖線で示すように、ドアDが車両本体Bに対して開成状態にある場合、図5中の二点鎖線で示すように、ラッチ22がストライカ進入溝21aを開放する位置に配置されることになる。この状態から図4の実線で示すように、ドアDを閉位置に移動させると、車両本体Bに設けたストライカSが、図5に示すように、ラッチケース21のストライカ進入溝21aに進入し、やがてストライカSがラッチ22の係止部22cに当接することになる。この結果、ラッチ22がラッチバネ(図示せず)の弾性力に抗して図5において反時計回りに回転する。この間、ラチェット23は、ラチェットバネ(図示せず)の弾性力によって係合部23aの突出端面がラッチ22の外周面に摺接することになり、ラッチ22の外周面形状に応じて適宜ラチェット軸25の軸心回りに回転する。上述した状態からさらにドアDを閉方向に移動させると、ストライカ進入溝21aに対するストライカSの進入量が漸次増大し、やがてラチェット23の係合部23aがラッチ22の噛合溝22aに至り、その後、図5中の実線で示すように、ラッチ22のフック部22bがラチェット23の係合部23aに当接することになるため、ラッチバネ(図示せず)の弾性復元力に抗してラッチ22の時計回りの回転が阻止されることになる。この状態においては、ラッチ22のフック部22bがストライカ進入溝21aを横切るように配置されるため、フック部22bによってストライカSがストライカ進入溝21aの奥方(室外側)から離脱する方向へ移動する事態が阻止されるようになり、結局、ドアDが車両本体Bに対して閉じた状態に維持される(ラッチ状態)。
一方、上述したラッチ状態からラチェットバネ(図示せず)の弾性力に抗してラチェットレバー26の当接部26aを図5の上方に回転させると、ラッチ22のフック部22bとラチェット23の係合部23aとの当接係合状態が解除され、ラッチ22がラッチバネ(図示せず)の弾性復元力により図5において時計回りに回転する。この結果、図5中の二点鎖線で示すように、ストライカ進入溝21aが開放され、ストライカSがストライカ進入溝21aから離脱する方向に移動可能となり、ドアDを車両本体Bに対して開成移動させることができるようになる。
また、上記ドアロック装置には、図1に示すように、本体ケース10の内部にオープンレバー11、インサイドハンドルレバー12、ロック機構30が設けてある。
オープンレバー11は、図には明示していないが、車両本体Bの前後方向に沿って略水平に延在するオープンレバー軸を介して回転可能に配設したもので、動作端部11a及び受圧部11bを有している。オープンレバー11の動作端部11aは、ラチェットレバー26における当接部26aの下方域に配置してある。オープンレバー11の受圧部11bは、本発明の第1入力部を構成するもので、動作端部11aよりも下方に延在した後、上方に向けて湾曲した部分である。このオープンレバー11は、ドアDの外表面に設けたアウトサイドドアハンドルODH(図4参照)が開扉操作された場合に適宜リンクを介して回転し、動作端部11a及び受圧部11bが図1において上方に動作するものである。尚、図には明示していないが、オープンレバー11と本体ケース10との間には、図1において動作端部11a及び受圧部11bを常時下方に向けて付勢するオープンレバーバネが設けてある。
インサイドハンドルレバー12は、オープンレバー11よりも車両前方となる部位に、車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するインサイドレバー軸13を介して揺動可能に配設したもので、作用端部12a及びインハンロック連係部12bを有している。作用端部12aは、インサイドレバー軸13から下方に向けて延在する部分であり、その先端部に適宜リンクを介してインサイドドアハンドルIDH(図4参照)が連係してある。この作用端部12aは、インサイドドアハンドルIDHを開扉操作した場合に、インサイドハンドルレバー12が図1において時計回りに揺動するように構成してある。インハンロック連係部12bは、インサイドレバー軸13から車両後方に向けて延在した部分である。
ロック機構30は、アウトサイドドアハンドルODHの開扉操作によるオープンレバー11の回転動作をラッチ機構20に伝達するアンロック状態と、アウトサイドドアハンドルODHの開扉操作によるオープンレバー11の回転動作をラッチ機構20に伝達しないロック状態とに切り替わるように構成したもので、ウォームホイール31、セクタレバー32、第1リンクレバー(ダブルアクション機構)33、第2リンクレバー(ダブルアクション機構)39を備えている。
ウォームホイール31は、オープンレバー11とインサイドハンドルレバー12との間に位置する部位に、車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するホイール軸34を介して回転可能に配設したもので、電動モータ(ロックアクチュエータ)35の出力軸35aに固着したウォーム36に歯合している。このウォームホイール31には、同一軸心上に間欠ギアホイール37が固着してある。間欠ギアホイール37は、後述するセクタレバー32の間欠ドリブンギア32bに対して一方向のみの間欠動力伝達手段を構成するものである。尚、図には明示していないが、ウォームホイール31と本体ケース10との間には、ウォームホイール31を所定の中立状態に維持するための中立復帰バネが設けてある。
セクタレバー32は、ウォームホイール31よりも上方となる位置に、車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するセクタレバー軸38を介して回転可能に配設したもので、下方に向けて漸次拡開するセクタ状に形成してある。このセクタレバー32には、連結ピン32a及び間欠ドリブンギア32bが設けてある。連結ピン32aは、セクタレバー32において室内側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起である。間欠ドリブンギア32bは、セクタレバー32の円弧状を成す外周面に形成した歯車であり、ウォームホイール31の間欠ギアホイール37に歯合している。
図には明示していないが、これらセクタレバー32の間欠ドリブンギア32bとウォームホイール31の間欠ギアホイール37との間に構成される間欠動力伝達手段は、ウォームホイール31を適宜任意の方向に回転させることによってセクタレバー32を任意の方向に揺動させることができる一方、間欠ドリブンギア32bからの間欠ギアホイール37への動力伝達がなく、ウォームホイール31を回転させることなくセクタレバー32を任意の方向に揺動させることができるように構成してある。
第1リンクレバー33は、リンク本体33aの下端部に装着軸33iを有したレバー部材である。この装着軸33iは、リンク本体33aにおいて室内側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起であり、装着孔33bを有している。この第1リンクレバー33は、装着孔33bにオープンレバー11の動作端部11aを挿通保持させることにより、動作端部11a及び受圧部11bと共に上下動可能、かつ動作端部11aに対して車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに揺動可能に支承させてある。また、第1リンクレバー33には、セクタ連結部33c及び第2リンクレバー当接部33dが設けてある。セクタ連結部33cは、リンク本体33aにおいて車両前方側となる部位から上方に向けて延在した部分であり、連結用溝孔33eを有している。連結用溝孔33eは、上下方向に沿って延在するスリット状の開口であり、その内部にセクタレバー32の連結ピン32aを移動可能に嵌合支承している。第2リンクレバー当接部33dは、リンク本体33aにおいて車両後方側縁部から室内側に向けて凸設した部分である。
また、この第1リンクレバー33には、ロックレバー部33fが設けてある。ロックレバー部33fは、本発明の第2入力部を構成するもので、連結用溝孔33eを略鉛直に沿って延在させるよう配置した場合に装着孔33bよりも下方に向けて延在する部分である。このロックレバー部33fには、操作当接面33gおよび受圧面33hが設けてある。操作当接面33gは、ロックレバー部33fにおいて車両前方側に位置する部分であり、リンク本体33aを装着孔33bの鉛直上方に配置した場合にほぼ鉛直に沿って延在するように構成してある。受圧面33hは、ロックレバー部33fにおいて車両後方側に位置する部分であり、リンク本体33aを装着孔33bの鉛直上方に配置した場合に、当該ロックレバー部33fの下端面から車両後方に向けて漸次上方に向けて傾斜延在するように構成してある。
第2リンクレバー39は、第1リンクレバー33に重ね合わせる態様で第1リンクレバー33と本体ケース10との間に、第1リンクレバー33の装着軸33iを介して揺動可能に配設したレバー部材であり、レバー本体39aの車両後方側に位置する端面が第1リンクレバー33の第2リンクレバー当接部33dに当接している。この第2リンクレバー39は、第1リンクレバー33の装着軸33iと共に上下動可能に構成してある。レバー本体39aは、第1リンクレバー33の装着孔33bの鉛直上方に配置した場合に、ラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向するように構成してある。
また、第2リンクレバー39には、スプリング当接ピン39bおよびブロック体当接部39cが設けてある。スプリング当接ピン39bは、レバー本体39aにおいて室内側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起である。ブロック体当接部39cは、本体ケース10の内表面に設けたブロック体15に当接するための部分であり、レバー本体39aにおいて上方となる部位の車両前方側縁部から室内側に向けて凸設してある。ブロック体15は、図1において、ブロック体当接部39cよりも上方、かつブロック体当接部39cよりも車両前方側となる位置に有したブロック面15aを介してブロック体当接部39cと当接するためのものである。このブロック面15aは、僅かに前傾延在するように構成してある。図1からも明らかなように、ブロック面15aの下端部は、ラチェットレバー26における当接部26aよりも下方となる位置まで延在してある。
また、第2リンクレバー39と本体ケース10との間には、図1に示すように、レバー本体39aのスプリング当接ピン39bを、第1リンクレバー33の装着軸33iを中心とした時計回りに向けて常時付勢するパニックスプリング51が設けてある。パニックスプリング51は、上述した第1リンクレバー33の装着軸33iに支持させてある。
上記のように構成したロック機構30では、図1に示した状態がアンロック状態であり、第2リンクレバー39のレバー本体39aが装着孔33bの鉛直上方に配置されるため、レバー本体39aがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになる。従って、この状態からアウトサイドドアハンドルODHを開扉操作し、オープンレバー11の回転動作によって第1リンクレバー33のリンク本体33aが上動すれば、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接してこれを上動させることになる。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にもこれが解除されるため、車両本体Bに対してドアDを開成移動させることができるようになる。
図1に示したアンロック状態から、電動モータ35の駆動によってウォームホイール31を反時計回りに回転させると、セクタレバー32がセクタレバー軸38を中心として時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン32aを介して係合した第1リンクレバー33および第2リンクレバー当接部33dに当接する第2リンクレバー39が装着孔33bを中心として反時計回りに揺動し、図8に示すロック状態となる。
このロック状態では、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対向する位置から逸脱するため、アウトサイドドアハンドルODHを開扉操作し、オープンレバー11の回転動作によって第1リンクレバー33のリンク本体33aが上動した場合にも、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することがない。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にはこれが維持されるため、車両本体Bに対してドアDが閉位置に維持されることになる。
図8に示すロック状態から、電動モータ35の駆動によってウォームホイール31を時計回りに回転させると、セクタレバー32がセクタレバー軸38を中心として反時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン32aを介して係合した第1リンクレバー33およびパニックスプリング51により付勢された第2リンクレバー39が装着孔33bを中心として時計回りに揺動し、再び図1に示したアンロック状態に復帰する。
さらに、上記ドアロック装置には、図1に示すように、本体ケース10の内部にコネクトレバー41を備えている。コネクトレバー41は、インサイドハンドルレバー12と第1リンクレバー33との間となる部位に、車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するコネクトレバー軸43を介して揺動可能に配設したもので、伝達ピン収容部41a及び伝達端部41bを有している。伝達ピン収容部41aは、コネクトレバー軸43から車両前方に向けて延在した部分であり、ピン収容孔41cを有している。ピン収容孔41cは、伝達ピン収容部41aの延在方向に沿って形成したスリット状の開口である。図1からも明らかなように、伝達ピン収容部41aに形成したピン収容孔41cは、上述したインサイドハンドルレバー12のインハンロック連係部12bがインサイドレバー軸13を中心として揺動した場合の揺動域に対して車両前方側に位置する端部がこれに含まれる一方、車両後方側に位置する端部が揺動域から逸脱するように構成してある。伝達端部41bは、コネクトレバー軸43から車両後方に向けて僅かに下方に向けて傾斜延在する部分であり、オープン駆動部41dおよびリンク駆動部41eを有している。オープン駆動部41dは、伝達端部41bにおいて車両前方側に位置する部分であり、オープンレバー11における受圧部11bの下方域に配置されている。リンク駆動部41eは、伝達端部41bにおいて車両後方側の延在端部から室内側に向けて略直角に屈曲した部分であり、第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fの下方域に配置されている。
また、リンク駆動部41eには、摺接面41fおよび押圧面41gが設けてある。摺接面41fは、リンク駆動部41eにおいて車両前方側に位置する部分であり、伝達端部41bを水平方向に延在させるように配置した場合にほぼ鉛直に延在するように構成してある。押圧面41gは、リンク駆動部41eにおいて上方に位置する部分であり、伝達端部41bを水平方向に延在させるように配置した場合にほぼ水平に延在するように構成してある。
また、上記ドアロック装置には、図1に示すように、本体ケース10の内部にチャイルドロック機構40が設けてある。チャイルドロック機構40は、インサイドドアハンドルIDHとコネクトレバー41とを連係する伝達状態と、インサイドドアハンドルIDHとコネクトレバー41とを連係しない非伝達状態とに切り替わるように構成したもので、チャイルドレバー42を備えている。
チャイルドレバー42は、コネクトレバー41に重ね合わせる態様でコネクトレバー41と本体ケース10との間に、車両本体Bの前後方向に沿ってスライド可能に配設してある。このチャイルドレバー42には、スライド溝42a、伝達ピン支承溝42b、ノッチ係合部42c、手動操作部42d、ロック操作部42eを有している。
スライド溝42aは、上述したコネクトレバー41のコネクトレバー軸43が挿通するためのスリット状の開口であり、車両本体Bの前後方向に沿って延設してある。このスライド溝42aの長さは、チャイルドレバー42のスライド量を決定するものであり、後述する作用を具現化するように設定してある。
伝達ピン支承溝42bは、スリット状の開口であり、伝達ピン44をスライド可能に支承している。伝達ピン44は、チャイルドレバー42から室外に向けて突設した柱状部材である。この伝達ピン44は、図6に示すように、コネクトレバー41のピン収容孔41cを貫挿した後、その突出端部がインサイドハンドルレバー12の室外側端面を超える位置に達している。この伝達ピン44は、図1及び図3に示すように、チャイルドレバー42をスライドさせることにより、コネクトレバー41に形成したピン収容孔41cの車両前方側に位置する端部から車両後方側に位置する端部までの間を移動することが可能である。
ノッチ係合部42cは、本体ケース10の内表面に設けたノッチ14に係合する凹溝であり、チャイルドレバー42の上縁に3箇所設けてある。車両後方に位置するノッチ係合部42cは、図1及び図7に示すように、ノッチ14が係合した場合に本体ケース10に対するチャイルドレバー42の前端位置を規定するものである。同様に、車両前方に位置するノッチ係合部42cは、図3及び図7に示すように、ノッチ14が係合した場合に本体ケース10に対するチャイルドレバー42の後端位置を規定するものであり、中央に配置するノッチ係合部42cは、図2及び図7に示すように、ノッチ14が係合した場合に本体ケース10に対するチャイルドレバー42の中間位置を規定するものである。チャイルドレバー42が前端位置に配置された場合には、図1に示すように、伝達ピン44がインサイドハンドルレバー12におけるインハンロック連係部12bの揺動域に配置されることになる。これに対してチャイルドレバー42が中間位置及び後端位置に配置された場合には、図2及び図3に示すように、いずれも伝達ピン44がインハンロック連係部12bの揺動域外に配置されることになる。
手動操作部42dは、図6に示すように、チャイルドレバー42において車両後方側に位置する端部から室内側に向けて屈曲延在する部分である。この手動操作部42dは、本体ケース10に設けた操作孔10a及びドアDのパネルDPに設けた操作開口DPOを通じて外部に突出しており、ドアDの外部からチャイルドレバー42をスライド操作することが可能である。但し、本実施の形態1では、図4に示すように、ドアDの内側面であって、しかもドアDを閉位置に配置した場合には塞がれる位置に手動操作部42dを設けるようにしている。図7に示すように、手動操作部42dが外部に露出するパネルDPの操作開口DPOには、それぞれの操作位置に対応した表示が設けてある。
ロック操作部42eは、図6に示すように、チャイルドレバー42において車両後方側に位置する端部から室外側に向けて屈曲延在し、上述したロック機構30におけるロックレバー部33fの操作当接面33gに対向する部分である。このロック操作部42eは、図1及び図2に示すように、チャイルドレバー42が前端位置及び中間位置に配置された場合、装着孔33bから鉛直下方に延在するロックレバー部33fの操作当接面33gに対して離隔した位置に配置される一方、図3に示すように、チャイルドレバー42を後端位置に配置させた場合、操作当接面33gを介して第1リンクレバー33を反時計回りに回転させ、ロック機構30をロック状態に切り替えることのできる位置に設けてある。
ところで、図8に示すロック状態では、チャイルドレバー42の伝達ピン44がインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域に配置される。この状態からインサイドドアハンドルIDHを開扉操作すると、インハンロック連係部12bが伝達ピン44を下方に向けて移動させることになる。インサイドドアハンドルIDHの開扉操作を一度行うと、図8に示す状態から図9、図10、図11に示す状態へと順に伝達ピン44が移動することになる。以下、この動作について詳細に説明する。
伝達ピン44が伝達ピン支承溝42bに沿って下方に移動すると、図9に示すように、伝達ピン44が貫挿されたコネクトレバー41が図8において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bのオープン駆動部41dが上方に移動するため、上方に向けた力がオープンレバー11の受圧部11bに入力され、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39が上動することになる。このとき、伝達端部41bのリンク駆動部41eは、摺接面41fが第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fの受圧面33hに摺接することになる。
図9に示す状態から、さらに伝達ピン44が伝達ピン支承溝42bに沿って下方に移動すると、図10に示すように、伝達ピン44が貫挿されたコネクトレバー41が図9において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bのオープン駆動部41dがさらに上方に移動するため、上方に向けた力がオープンレバー11の受圧部11bに入力され、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39がさらに上動することになる。図10からも明らかなように、この状態においては、第2リンクレバー39におけるブロック体当接部39cの車両後方側端面がブロック体15のブロック面15aに当接することになる。このとき、伝達端部41bのリンク駆動部41eは、押圧面41gが第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fの受圧面33hに当接することになる。また、このとき、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラチェットレバー26の当接部26aの車両前方側に近接することになるが、当接することはない。
図10に示す状態から、さらに伝達ピン44が伝達ピン支承溝42bに沿って下方に移動すると、図11に示すように、伝達ピン44が貫挿されたコネクトレバー41が図10において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bのオープン駆動部41dがさらに上方に移動するため、上方に向けた力がオープンレバー11の受圧部11bに入力され、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39がさらに上動することになる。このとき、コネクトレバー41におけるリンク駆動部41eの押圧面41gが第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fの受圧面33hを車両前方側に押圧することによって、この押圧する力が第1リンクレバー33のロックレバー部33fに入力されることになる。さらにこのとき、図11に示すように、第2リンクレバー39におけるブロック体当接部39cの車両後方側端面がブロック体15のブロック面15aに当接しているため、第1リンクレバー33が第2リンクレバー39のレバー本体39aとの当接状態を解除し、図10において時計回りに揺動することになる。そして、第1リンクレバー33の揺動に伴い、連結用溝孔33eも図10において時計回りに揺動するため、セクタレバー32が図10において反時計回りに揺動することになる。
図11に示す状態からインサイドドアハンドルIDHの開扉操作力を除去すると、オープンレバー11がオープンレバーバネ(図示せず)の弾性復元力により、動作端部11a及び受圧部11bを下動するとともに、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39も下動することになる。動作端部11a及び受圧部11bが下動すると、図1に示すように、オープンレバー11の受圧部11bを介してコネクトレバー41の伝達端部41bが下方に移動され、再びチャイルドレバー42の伝達ピン44がインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域に配置されることになる。一方、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39が下動すると、図1に示すように、やがて第2リンクレバー39におけるブロック体当接部39cの車両後方側端面とブロック体15のブロック面15aとの当接状態が解除され、第2リンクレバー39が、パニックスプリング51の弾性復元力により、再びレバー本体39aを第1リンクレバー33の第2リンクレバー当接部33dと当接するよう移動することになる。このとき、第2リンクレバー39は、ラチェットレバー26における当接部26aに当接することがない。そして、第2リンクレバー39の移動に伴い、図1に示すように、第2リンクレバー39のレバー本体39aが第1リンクレバー33の装着孔33bの鉛直上方に配置されるため、レバー本体39aがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになり、ロック機構30がアンロック状態となる。以上説明したように、図8に示すロック状態では、オープンレバー11の受圧部11bへの入力が無効であり、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対向する位置から逸脱した状態である。すなわち、この状態においては、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作の操作力が、インサイドハンドルレバー12、伝達ピン44、コネクトレバー41の順に伝達され、オープンレバー11の受圧部11bに入力されるが、この入力された操作力がラッチ機構20に伝達されることがない。一方、図8に示すロック状態では、第1リンクレバー33のロックレバー部33fへの入力が有効であり、第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fの操作当接面33gが僅かに前傾延在する状態である。すなわち、この状態においては、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作の操作力が、インサイドハンドルレバー12、伝達ピン44、コネクトレバー41の順に伝達され、これが第1リンクレバー33のロックレバー部33fに入力されると、ロック機構30がアンロック状態に切り替えられることになる。
図1に示す状態においては、インサイドドアハンドルIDHを開扉操作すると、インハンロック連係部12bが伝達ピン44を下方に向けて移動させることになる。伝達ピン44が伝達ピン支承溝42bに沿って下方に移動すると、伝達ピン44が貫通されたコネクトレバー41が図1において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bのオープン駆動部41dが上方に移動するため、上方に向けた力がオープンレバー11の受圧部11bに入力され、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39が上動することになる。また、このとき、伝達端部41bのリンク駆動部41eは、第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fに操作力を入力することがない。従って、第2リンクレバー39がラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することになり、ラッチ状態を解除することができる。つまり、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってドアDを開成移動させることができるようになる(いわゆるダブルアクション機構)。以上説明したように、図1に示すアンロック状態では、オープンレバー11の受圧部11bへの入力が有効であり、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向する状態である。すなわち、この状態においては、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作の操作力が、インサイドハンドルレバー12、伝達ピン44、コネクトレバー41の順に伝達され、オープンレバー11の受圧部11bに入力されると、この入力された操作力が第1リンクレバー33および第2リンクレバー39を介してラッチ機構20に伝達されることになる。一方、図1に示すアンロック状態では、第1リンクレバー33のロックレバー部33fへの入力が無効であり、第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fの操作当接面33gがほぼ鉛直に延在する状態である。すなわち、この状態においては、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作の操作力が、インサイドハンドルレバー12、伝達ピン44、コネクトレバー41の順に伝達されるが、これが第1リンクレバー33のロックレバー部33fに入力されることがない。
ところで、図11に示すように、第2リンクレバー39におけるブロック体当接部39cの車両後方側端面がブロック体15のブロック面15aに当接する状態は、例えば、図8に示すロック状態において、アウトサイドドアハンドルODHを開扉操作するとともに、電動モータ35を駆動してロック機構30をアンロック状態に切り替える場合にも起こりうる。図8に示すロック状態において、アウトサイドドアハンドルODHを開扉操作すると、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することなく、オープンレバー11の回転動作によって第1リンクレバー33および第2リンクレバー39が上動することになる。この状態で、電動モータ35を駆動してウォームホイール31を時計回りに回転させると、セクタレバー32がセクタレバー軸38を中心として反時計回りに揺動することになる。このとき、セクタレバー32の連結ピン32aを介して係合した第1リンクレバー33が、装着孔33bを中心として時計回りに揺動することになる。さらにこのとき、ブロック体当接部39cの車両後方側端面がブロック体15のブロック面15aに当接することになるため、第2リンクレバー39が、パニックスプリング51の弾性復元力に抗して第1リンクレバー33の第2リンクレバー当接部33dとの当接状態を解除し、図11に示す状態となる。
この状態においては、アウトサイドドアハンドルODHの開扉操作力を除去すると、オープンレバー11がオープンレバーバネ(図示せず)の弾性復元力により、動作端部11a及び受圧部11bを下動するとともに、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39も下動することになる。第1リンクレバー33および第2リンクレバー39が下動すると、図1に示すように、やがて第2リンクレバー39におけるブロック体当接部39cの車両後方側端面とブロック体15のブロック面15aとの当接状態が解除され、第2リンクレバー39が、パニックスプリング51の弾性復元力により、再びレバー本体39aを第1リンクレバー33の第2リンクレバー当接部33dと当接するよう移動することになる。このとき、第2リンクレバー39は、ラチェットレバー26における当接部26aに当接することがない。そして、第2リンクレバー39の移動に伴い、図1に示すように、第2リンクレバー39のレバー本体39aが第1リンクレバー33の装着孔33bの鉛直上方に配置されるため、レバー本体39aがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになり、ロック機構30がアンロック状態となる。
図1に示す状態から再びアウトサイドドアハンドルODHを開扉操作し、オープンレバー11の回転動作によって第1リンクレバー33のリンク本体33aが上動すれば、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接してこれを上動させることになる。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にもこれが解除されるため、車両本体Bに対してドアDを開成移動させることができるようになる。
上記のように構成したチャイルドロック機構40では、図1に示した状態が伝達状態であり、チャイルドレバー42の伝達ピン44がインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域に配置される。この状態からインサイドドアハンドルIDHを開扉操作すると、インサイドドアハンドルIDHとコネクトレバー41を連係させるべく、インハンロック連係部12bが伝達ピン44を下方に向けて移動させることになる。伝達ピン44が伝達ピン支承溝42bに沿って下方に移動すると、伝達ピン44が貫挿されたコネクトレバー41が図1において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bのオープン駆動部41dが上方に移動するため、上方に向けた力がオープンレバー11の受圧部11bに入力され、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39が上動することになる。従って、ロック機構30がアンロック状態であれば、第2リンクレバー39がラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することになり、ラッチ状態を解除することができる。つまり、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってドアDを開成移動させることができるようになる。
これに対してチャイルドレバー42を車両後方側にスライドさせ、図2に示す状態、もしくは図3に示す状態に切り替えると、チャイルドロック機構40が非伝達状態となる。この非伝達状態では、インサイドドアハンドルIDHとコネクトレバー41とを連係させることのないように、チャイルドレバー42の伝達ピン44がインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域外に配置されるため、インサイドドアハンドルIDHを開扉操作してもインハンロック連係部12bと伝達ピン44とが当接することはなく、コネクトレバー41が揺動することもない。この結果、ロック機構30のロック/アンロック状態に関わらず、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってはドアDを開成移動させることができないことになる。
上記のようにロック機構30及びチャイルドロック機構40を備えたドアロック装置では、通常の使用時において電動モータ35を駆動すれば、ロック機構30をロック状態とアンロック状態とに容易に切り替えることができる。
一方、電動モータ35に不具合が発生したり、図示せぬバッテリの充電電圧が低下する等して電動モータ35が駆動しない場合には、ドアDを開成した状態から手動操作部42dを介してチャイルドレバー42を車両後方側にスライド移動させ、図7に示す「エマージェンシON」の位置に配置させれば良い。すなわち、チャイルドレバー42が「エマージェンシON」の位置に配置されると、チャイルドレバー42のロック操作部42eを介して第1リンクレバー33が揺動し、ロック機構30が図3に示すロック状態に切り替えられることになる。従って、室内のロック操作部材を省略した場合に上述した状態が発生したとしても、車両の防盗性を確保することができる。
さらに、チャイルドレバー42は、ドアDを閉めた場合に塞がれる位置に設けてある。従って、仮に悪意のあるものがウィンドウガラスを破ったとしても、チャイルドレバー42を操作することが困難となる。しかも、チャイルドレバー42を「チャイルドロックON」あるいは「エマージェンシON」の位置に配置すれば、チャイルドロック機構40が非伝達状態となるため、仮にウィンドウガラスが破られた後にインサイドドアハンドルIDHが開扉操作されても、この開扉操作の操作力によってコネクトレバー41が揺動することがなく、ロック状態にあるロック機構がアンロック状態に切り替わることがない。これにより、車両の防盗性を著しく向上することが可能となる。しかも、コネクトレバー41は、ロック機構30がアンロック状態においてインサイドドアハンドルIDHが開扉操作された場合に、この操作力をオープンレバー11の受圧部11bに入力する一方、ロック機構30がロック状態においてインサイドドアハンドルIDHが開扉操作された場合には、この操作力を第1リンクレバー33のロックレバー部33fに入力してオープンレバー11の受圧部11bを介したラッチ機構20の解除操作を有効化するように構成してある。したがって、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作の操作力を第1リンクレバーのロックレバー部33fおよびオープンレバー11の受圧部11bに入力する部材がコネクトレバー41のみでよいため、複数の部材を用いる場合と比較して部品点数を削減することができる。
バッテリを交換することにより電動モータ35が再び駆動できるようになった場合には、ロック機構30をアンロック状態に切り替えれば、ロックレバー部33fの操作当接面33gを介してチャイルドレバー42を中間位置に復帰させることができる。
尚、上述した実施の形態1では、チャイルドレバーと本体ケースとの間にノッチ及びノッチ係合部を設けるようにしているため、チャイルドレバーを操作する場合に節度感を与えることができ、誤操作を防止することができるようになるが、本発明は必ずしもチャイルドレバーと本体ケースとの間にノッチ及びノッチ係合部を設ける必要はない。また、ノッチ及びノッチ係合部を設ける場合であっても、必ずしも個別に設ける必要はない。
(実施の形態2)
図12〜図14は、本発明の実施の形態2であるドアロック装置を概念的に示したものである。この実施の形態2におけるドアロック装置は、上述した実施の形態1に対して、インサイドハンドルレバー112およびチャイルドレバー142の構成のみが異なるもので、他の構成は実施の形態1と同様である。以下、この差異の詳細について説明する。なお、実施の形態2において実施の形態1と同様の構成に関しては、同一の符号を付してそれぞれの説明を省略する。
インサイドハンドルレバー112は、オープンレバー11よりも車両前方となる部位に、車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するインサイドレバー軸13を介して揺動可能に配設したもので、作用端部112a及びインハンロック連係部112bを有している。作用端部112aは、インサイドレバー軸13から下方に向けて延在する部分であり、その先端部に適宜リンクを介してインサイドドアハンドルIDHが連係してある。この作用端部112aは、インサイドドアハンドルIDHを開扉操作した場合に、インサイドハンドルレバー112が図12において時計回りに揺動するように構成してある。インハンロック連係部112bは、インサイドレバー軸13から車両後方に向けて延在した幅広部分である。このインハンロック連係部112bには、連係溝112cが設けてある。連係溝112cは、車両後方側に位置する狭幅溝部112caと車両前方側に位置する広幅溝部112cbとを一体に形成したスリット状の開口である。図12からも明らかなように、これら狭幅溝部112caの下縁及び広幅溝部112cbの下縁は、互いに一直線上となり、かつインサイドレバー軸13から径外方向に向けて延在する態様で形成してある。さらに図12からも明らかなように、インハンロック連係部112bに形成した連係溝112cの狭幅溝部112caおよび広幅溝部112cbは、コネクトレバー41の伝達ピン収容部41aに形成したピン収容孔41cが水平方向に車両前方に向けて延在した場合に、このピン収容孔41cに重ね合わさるように構成してある。
チャイルドレバー142は、コネクトレバー41に重ね合わせる態様でコネクトレバー41と本体ケース10との間に、車両本体Bの前後方向に沿ってスライド可能に配設してある。このチャイルドレバー142には、スライド溝142a、伝達ピン支承溝142b、手動操作部142dを有している。
スライド溝142aは、上述したコネクトレバー41のコネクトレバー軸43が挿通するためのスリット状の開口であり、車両本体Bの前後方向に沿って延設してある。このスライド溝142aの長さは、チャイルドレバー142のスライド量を決定するものであり、後述する作用を具現化するように設定してある。
伝達ピン支承溝142bは、スリット状の開口であり、伝達ピン44をスライド可能に支承している。伝達ピン44は、チャイルドレバー142から室外に向けて突設した柱状部材である。この伝達ピン44は、図15に示すように、コネクトレバー41のピン収容孔41cを貫通した後、その突出端部がインサイドハンドルレバー112の連係溝112cの内部を貫挿している。この伝達ピン44は、図12及び図14に示すように、チャイルドレバー142をスライドさせることにより、コネクトレバー41に形成したピン収容孔41cの車両前方側に位置する端部から車両後方側に位置する端部までの間を移動することが可能である。チャイルドレバー142が後端位置に配置された場合には、図12に示すように、伝達ピン44がインサイドハンドルレバー112に形成した連係溝112cの狭幅溝部112caに位置することになる。これに対してチャイルドレバー142が前端位置に配置された場合には、図13及び図14に示すように、いずれも伝達ピン44が連係溝112cの広幅溝部112cbに配置されることになる。
手動操作部142dは、図15に示すように、チャイルドレバー142において車両後方側に位置する端部から室内側に向けて屈曲延在する部分である。この手動操作部142dは、本体ケース10に設けた操作孔10a及びドアDのパネルDPに設けた操作開口DPOを通じて外部に突出しており、ドアDの外部からチャイルドレバー142をスライド操作することが可能である。但し、本実施の形態2でも、実施の形態1と同様に、ドアDの内側面であって、しかもドアDを閉位置に配置した場合には塞がれる位置に手動操作部142dを設けるようにしている。
また、図12からも明らかなように、手動操作部142dは、チャイルドレバー142が後端位置に配置された場合、本体ケース10の操作孔10a及びパネルDPの操作開口DPOを閉塞する一方、図13及び図14に示すように、チャイルドレバー142が前端位置に配置された場合、本体ケース10の操作孔10a及びパネルDPの操作開口DPOを開放するように構成してある。さらに図13からも明らかように、本体ケース10の操作孔10a及びパネルDPの操作開口DPOからは、第1リンクレバー33のロックレバー部33fが外部に露出しており、これら操作孔10a及び操作開口DPOから工具を挿入すれば操作当接面33gを押圧操作することが可能である。
この実施の形態2においても、実施の形態1と同様に構成したロック機構30では、図12に示した状態がアンロック状態であり、第2リンクレバー39のレバー本体39aが装着孔33bの鉛直上方に配置されるため、レバー本体39aがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになる。従って、この状態からアウトサイドドアハンドルODHを開扉操作し、オープンレバー11の回転動作によって第1リンクレバー33のリンク本体33aが上動すれば、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接してこれを上動させることになる。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にもこれが解除されるため、車両本体Bに対してドアDを開成移動させることができるようになる。
図12に示したアンロック状態から、電動モータ35の駆動によってウォームホイール31を反時計回りに回転させると、セクタレバー32がセクタレバー軸38を中心として時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン32aを介して係合した第1リンクレバー33および第2リンクレバー当接部33dに当接した第2リンクレバー39が装着孔33bを中心として反時計回りに揺動し、図16に示すロック状態となる。
このロック状態では、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対向する位置から逸脱するため、アウトサイドドアハンドルODHを開扉操作し、オープンレバー11の回転動作によって第1リンクレバー33のリンク本体33aが上動した場合にも、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することがない。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にはこれが維持されるため、車両本体Bに対してドアDが閉位置に維持されることになる。
図16に示すロック状態から、電動モータ35の駆動によってウォームホイール31を時計回りに回転させると、セクタレバー32がセクタレバー軸38を中心として反時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン32aを介して係合した第1リンクレバー33およびパニックスプリング51により付勢される第2リンクレバー39が装着孔33bを中心として時計回りに揺動し、再び図12に示したアンロック状態に復帰する。
ところで、図16に示すロック状態では、チャイルドレバー142が後端位置に配置されており、チャイルドレバー142の伝達ピン44がインサイドハンドルレバー112においてインハンロック連係部112bに形成した連係溝112cの狭幅溝部112caに配置される。この状態からインサイドドアハンドルIDHを開扉操作すると、インハンロック連係部112bにおいて狭幅溝部112caの内壁面が伝達ピン44を下方に向けて移動させることになる。インサイドドアハンドルIDHの開扉操作を一度行うと、図16に示す状態から図17、図18、図19に示す状態へと順に伝達ピン44が移動することになる。以下、この動作について詳細に説明する。
伝達ピン44が伝達ピン支承溝142bに沿って下方に移動すると、図17に示すように、伝達ピン44が貫挿されたコネクトレバー41が図16において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bのオープン駆動部41dが上方に移動するため、上方に向けた力がオープンレバー11の受圧部11bに入力され、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39が上動することになる。このとき、伝達端部41bのリンク駆動部41eは、摺接面41fが第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fの受圧面33hに摺接することになる。
図17に示す状態から、さらに伝達ピン44が伝達ピン支承溝142bに沿って下方に移動すると、図18に示すように、伝達ピン44が貫挿されたコネクトレバー41が図17において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bのオープン駆動部41dがさらに上方に移動するため、上方に向けた力がオープンレバー11の受圧部11bに入力され、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39がさらに上動することになる。図18からも明らかなように、この状態においては、第2リンクレバー39におけるブロック体当接部39cの車両後方側端面がブロック体15のブロック面15aに当接することになる。このとき、伝達端部41bのリンク駆動部41eは、押圧面41gが第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fの受圧面33hに当接することになる。また、このとき、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラチェットレバー26の当接部26aの車両前方側に近接することになるが、当接することはない。
図18に示す状態から、さらに伝達ピン44が伝達ピン支承溝142bに沿って下方に移動すると、図19に示すように、伝達ピン44が貫挿されたコネクトレバー41が図18において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bのオープン駆動部41dがさらに上方に移動するため、上方に向けた力がオープンレバー11の受圧部11bに入力され、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39がさらに上動することになる。このとき、コネクトレバー41におけるリンク駆動部41eの押圧面41gが第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fの受圧面33hを車両前方側に押圧することによって、この押圧する力が第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fに入力されることになる。さらにこのとき、図19に示すように、第2リンクレバー39におけるブロック体当接部39cの車両後方側端面がブロック体15のブロック面15aに当接しているため、第1リンクレバー33が、第2リンクレバー39のレバー本体39aとの当接状態を解除し、図18において時計回りに揺動することになる。そして、第1リンクレバー33の揺動に伴い、連結用溝孔33eも図18において時計回りに揺動するため、セクタレバー32も図18において反時計回りに揺動することになる。
図19に示す状態からインサイドドアハンドルIDHの開扉操作力を除去すると、オープンレバー11がオープンレバーバネ(図示せず)の弾性復元力により、動作端部11a及び受圧部11bを下動するとともに、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39も下動することになる。動作端部11a及び受圧部11bが下動すると、図12に示すように、オープンレバー11の受圧部11bを介してコネクトレバー41の伝達端部41bが下方に移動され、再びチャイルドレバー142の伝達ピン44がインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bに形成した連係溝112cの狭幅溝部112caに配置されることになる。一方、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39が下動すると、図12に示すように、やがて第2リンクレバー39におけるブロック体当接部39cの車両後方側端面とブロック体15のブロック面15aとの当接状態が解除され、第2リンクレバー39が、パニックスプリング51の弾性復元力により、再びレバー本体39aを第1リンクレバー33の第2リンクレバー当接部33dと当接するよう移動することになる。このとき、第2リンクレバー39は、ラチェットレバー26における当接部26aに当接することがない。そして、第2リンクレバー39の移動に伴い、図12に示すように、第2リンクレバー39のレバー本体39aが第1リンクレバー33の装着孔33bの鉛直上方に配置されるため、レバー本体39aがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになり、ロック機構30がアンロック状態となる。以上説明したように、図16に示すロック状態では、オープンレバー11の受圧部11bへの入力が無効であり、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対向する位置から逸脱した状態である。すなわち、この状態においては、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作の操作力が、インサイドハンドルレバー112、伝達ピン44、コネクトレバー41の順に伝達され、オープンレバー11の受圧部11bに入力されるが、この入力された操作力がラッチ機構20に伝達されることがない。一方、図16に示すロック状態では、ロックレバー部33fへの入力が有効であり、第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fの操作当接面33gが僅かに前傾延在する状態である。すなわち、この状態においては、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作の操作力が、インサイドハンドルレバー112、伝達ピン44、コネクトレバー41の順に伝達され、これが第1リンクレバー33のロックレバー部33fに入力されると、ロック機構30がアンロック状態に切り替えられることになる。
図12に示す状態においては、インサイドドアハンドルIDHを開扉操作すると、インハンロック連係部12bにおいて狭幅溝部112caの内壁面が伝達ピン44を下方に向けて移動させることになる。伝達ピン44が伝達ピン支承溝142bに沿って下方に移動すると、伝達ピン44が貫通されたコネクトレバー41が図12において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bのオープン駆動部41dが上方に移動するため、上方に向けた力がオープンレバー11の受圧部11bに入力され、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39が上動することになる。また、このとき、伝達端部41bのリンク駆動部41eは、第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fに操作力を入力することがない。従って、第2リンクレバー39がラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することになり、ラッチ状態を解除することができる。つまり、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってドアDを開成移動させることができるようになる(いわゆるダブルアクション機構)。以上説明したように、図12に示すアンロック状態では、オープンレバー11の受圧部11bへの入力が有効であり、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向する状態である。すなわち、この状態においては、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作の操作力が、インサイドハンドルレバー112、伝達ピン44、コネクトレバー41の順に伝達され、オープンレバー11の受圧部11bに入力されると、この入力された操作力が第1リンクレバー33および第2リンクレバー39を介してラッチ機構20に伝達されることになる。一方、図12に示すアンロック状態では、ロックレバー部33fへの入力が無効であり、第1リンクレバー33におけるロックレバー部33fの操作当接面33gがほぼ鉛直に延在する状態である。すなわち、この状態においては、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作の操作力が、インサイドハンドルレバー112、伝達ピン44、コネクトレバー41の順に伝達されるが、これが第1リンクレバー33のロックレバー部33fに入力されることがない。
ところで、図19に示すように、第2リンクレバー39におけるブロック体当接部39cの車両後方側端面がブロック体15のブロック面15aに当接する状態は、例えば、図16に示すロック状態において、アウトサイドドアハンドルODHを開扉操作するとともに、電動モータ35を駆動してロック機構30をアンロック状態に切り替える場合にも起こりうる。図16に示すロック状態において、アウトサイドドアハンドルODHを開扉操作すると、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することなく、オープンレバー11の回転動作によって第1リンクレバー33および第2リンクレバー39が上動することになる。この状態で、電動モータ35を駆動してウォームホイール31を時計回りに回転させると、セクタレバー32がセクタレバー軸38を中心として反時計回りに揺動することになる。このとき、セクタレバー32の連結ピン32aを介して係合した第1リンクレバー33が、装着孔33bを中心として時計回りに揺動することになる。さらにこのとき、ブロック体当接部39cの車両後方側端面がブロック体15のブロック面15aに当接することになるため、第2リンクレバー39が、パニックスプリング51の弾性復元力に抗して第1リンクレバー33の第2リンクレバー当接部33dとの当接状態を解除し、図19に示す状態となる。
この状態においては、アウトサイドドアハンドルODHの開扉操作力を除去すると、オープンレバー11がオープンレバーバネ(図示せず)の弾性復元力により、動作端部11a及び受圧部11bを下動するとともに、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39も下動することになる。第1リンクレバー33および第2リンクレバー39が下動すると、図12に示すように、やがて第2リンクレバー39におけるブロック体当接部39cの車両後方側端面とブロック体15のブロック面15aとの当接状態が解除され、第2リンクレバー39が、パニックスプリング51の弾性復元力により、再びレバー本体39aを第1リンクレバー33の第2リンクレバー当接部33dと当接するよう移動することになる。このとき、第2リンクレバー39は、ラチェットレバー26における当接部26aに当接することがない。そして、第2リンクレバー39の移動に伴い、図12に示すように、第2リンクレバー39のレバー本体39aが第1リンクレバー33の装着孔33bの鉛直上方に配置されるため、レバー本体39aがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになり、ロック機構30がアンロック状態となる。
図12に示す状態から再びアウトサイドドアハンドルODHを開扉操作し、オープンレバー11の回転動作によって第1リンクレバー33のリンク本体33aが上動すれば、第2リンクレバー39のレバー本体39aがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接してこれを上動させることになる。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にもこれが解除されるため、車両本体Bに対してドアDを開成移動させることができるようになる。
上記のように構成したチャイルドロック機構140では、図12に示した状態、つまりチャイルドレバー142が後端位置に配置された場合が伝達状態であり、チャイルドレバー142の伝達ピン44がインサイドハンドルレバー112においてインハンロック連係部112bに形成した連係溝112cの狭幅溝部112caに配置される。この状態からインサイドドアハンドルIDHを開扉操作すると、インサイドドアハンドルIDHとコネクトレバー41を連係させるべく、インハンロック連係部112bにおいて狭幅溝部112caの内壁面が伝達ピン44を下方に向けて移動させることになる。伝達ピン44が伝達ピン支承溝142bに沿って下方に移動すると、伝達ピン44が貫挿されたコネクトレバー41が図12において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bのオープン駆動部41dが上方に移動するため、上方に向けた力がオープンレバー11の受圧部11bに入力され、第1リンクレバー33および第2リンクレバー39が上動することになる。従って、ロック機構30がアンロック状態であれば、第2リンクレバー39がラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することになり、ラッチ状態を解除することができる。つまり、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってドアDを開成移動させることができるようになる。
これに対してチャイルドレバー142を車両前方側にスライドさせ、図13示す状態、もしくは図14に示す状態に切り替えると、チャイルドロック機構140が非伝達状態となる。この非伝達状態では、インサイドドアハンドルIDHとコネクトレバー41とを連係させることのないように、チャイルドレバー142の伝達ピン44がインサイドハンドルレバー112においてインハンロック連係部112bに形成した連係溝112cの広幅溝部112cbに配置されるため、インサイドドアハンドルIDHを開扉操作してもインハンロック連係部112bと伝達ピン44とが当接することはなく、コネクトレバー41が揺動することもない。この結果、ロック機構30のロック/アンロック状態に関わらず、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってはドアDを開成移動させることができないことになる。
上記のようにロック機構30及びチャイルドロック機構140を備えたドアロック装置では、通常の使用時において電動モータ35を駆動すれば、ロック機構30をロック状態とアンロック状態とに容易に切り替えることができる。
一方、電動モータ35に不具合が発生したり、図示せぬバッテリの充電電圧が低下する等して電動モータ35が駆動しない場合には、ドアDを開成した状態から手動操作部42dを介してチャイルドレバー142を車両前方側にスライド移動させ、図13に示す状態に配置させれば良い。すなわち、チャイルドレバー142が前端位置に配置されると、チャイルドレバー142の手動操作部142dが本体ケース10の操作孔10a及びパネルDPの操作開口DPOを開放するため、これら操作孔10a及び操作開口DPOから工具を挿入して操作当接面33gを押圧操作すれば、図14に示すように、ロック機構30をロック状態に切り替えられることができるようになる。従って、室内のロック操作部材を省略した場合に上述した状態が発生したとしても、車両の防盗性を確保することができる。
さらに、チャイルドレバー142は、ドアDを閉めた場合に塞がれる位置に設けてある。従って、仮に悪意のあるものがウィンドウガラスを破ったとしても、チャイルドレバー142を操作することが困難となる。しかも、チャイルドレバー142を前端位置に配置すれば、チャイルドロック機構140が非伝達状態となるため、仮にウィンドウガラスが破られた後にインサイドドアハンドルIDHが開扉操作されても、この開扉操作の操作力によってコネクトレバー41が揺動することがなく、ロック状態にあるロック機構がアンロック状態に切り替わることがない。これにより、車両の防盗性を著しく向上することが可能となる。しかも、コネクトレバー41は、ロック機構30がアンロック状態においてインサイドドアハンドルIDHが開扉操作された場合に、この操作力をオープンレバー11の受圧部11bに入力する一方、ロック機構30がロック状態においてインサイドドアハンドルIDHが開扉操作された場合には、この操作力を第1リンクレバー33のロックレバー部33fに入力してオープンレバー11の受圧部11bを介したラッチ機構20の解除操作を有効化するように構成してある。したがって、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作の操作力を第1リンクレバーのロックレバー部33fおよびオープンレバー11の受圧部11bに入力する部材がコネクトレバー41のみでよいため、複数の部材を用いる場合と比較して部品点数を削減することができる。