JP4513625B2 - 楽音発生装置および楽音発生処理のプログラム - Google Patents
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Description
ただし、音楽的に重要なパート、例えばメロディパートについては、他のパートのチャンネルが不足した場合でも、メロディパートのチャンネルを一時的に不足したチャンネルとして使用しないように、ポートごとに優先順位を設定するように構成されている。すなわち、優先順位の高いパートに対して新たに発音が要求された場合に、そのパートに空きチャンネルがない場合には、優先順位の低いパートで発音中のチャンネルのジェネレータを消音して空きチャンネルとし、その空きチャンネルを優先順位の高いパートに対する新たに発音に割り当てる。
さらに近年においては、携帯電話機のような移動通信端末の内部に楽音発生装置を設けて、着信音のメロディ(着メロ)、ゲームの擬似音、ネットワークからダウンロードした曲の再生音などを発音させることが行われている。携帯電話機は年々進化しているので、近い将来においては、電子楽器と同じ程度の音楽的な性能が要求されるようになることが予想される。
なお、特許文献1においては、1つの優先順位に複数のパートあるいはMIDIチャンネルが割り当てられていてもよいと記載され、同じ優先順位内においては最も発音数の多いパートの中から消音チャンネルを選択してもよいし、各パートのチャンネルを順番に選択するようにしてもよいと記載されている。しかしながら、この構成は、1つの優先順位に1つのパートあるいはMIDIチャンネルが割り当てられている構成と実質的に同じであり、1つの優先順位に複数のパートあるいはMIDIチャンネルを割り当てても、優先順位が低く設定されているパートが常に犠牲になってしまう状態は同じである。
本発明は、このような従来の課題を解決するためのものであり、複数のポートの各々に用途が設定されている場合に、あるポートに対して新しい発音の要求があったときに、そのポートのチャンネルだけでは不足する場合でも、他のポートが犠牲になる確率を低くしながら、新しい発音の要求に応えるようにすることを目的とする。
図1は、実施形態における楽音発生楽器の構成を示すブロック図である。CPU1は、システムバスを介して、ROM2、RAM3、スイッチ部(Switch)4、表示部(Display)5、音源6に接続され、これら各部との間でコマンドおよびデータの授受を行って、この楽音発生を制御する。例えば、音源6は、CPU1の発音指示に応じて、波形ROM7から波形データを読み出して楽音信号を生成し、D/A変換器(DAC)8によってアナログのオーディオ出力信号に変換して、サウンドシステム(図示せず)に送出するとともに、CPU1から消音指示があると消音処理を行う。
MAX_PORT個のポートにおける最大同時発音数の変数配列をmax_poly[ ]とすると、0からMAX_PORT−1までの各ポートの変数配列は、max_poly[0]〜max_poly[MAX_PORT−1]で表わされる。各ポートに対する用途としては、例えば、携帯電話機の場合には、発信元に応じてメロディが変化する複数種類の着信音の用途、ゲームの複数種類の擬似音の用途、音楽再生の用途、スイッチの操作音の用途などがある。
また、MAX_PORT個のポートにおける現在発音中のチャンネル数の変数配列をcrnt_poly[ ]とすると、0からMAX_PORT−1までの各ポートの変数配列は、crnt_poly[0]〜crnt_poly[MAX_PORT−1]で表わされる。
さらに、MAX_PORT個のポートにおける優先順位の変数配列をpriority[ ]とすると、0からMAX_PORT−1までの各ポートの変数配列は、priority[0]〜priority[MAX_PORT−1]で表わされる。
図2は、CPU1のメインルーチンのフローチャートである。まず、初期化処理を行う(ステップSA1)。初期化処理においては、各ポートにおける最大同時発音数の変数配列max_poly[0]〜max_poly[MAX_PORT−1]のすべてにMAX_GENをセットし、各ポートの現在発音中のチャンネル数の変数配列crnt_poly[0]〜crnt_poly[MAX_PORT−1]のすべてに0をセットし、各ポートの優先順位の変数配列priority[0]〜priority[MAX_PORT−1]に0をセットする。
max_poly[0]=32
max_poly[1]=32
max_poly[2]=32
max_poly[3]=8
priority[0]=0
priority[1]=0
priority[2]=1
priority[3]=2
この例のように、複数のポートに同じ優先順位を設定してもよい。
一方、MIDI INポートpの全てのチャンネルに割り当てられているジェネレータが最大発音数に達してなく、ジェネレータを割り当てていない空きチャンネルが存在する場合には、他のジェネレータのサーチ処理を実行する(ステップSD3)。すなわち、ポートpの空きチャンネルを含め、新しい発音に対して必要数分のチャンネルをサーチする。
一方、ステップSE1において、ポートpに発音していないチャンネルが必要数ない場合には、ポートpのpriority[p]よりも低い優先順位のpriority[n]を満たすポートnを全て求める(ステップSE4)。ポートnのチャンネルで発音中のジェネレータがない場合には、そのポートnを除外する(ステップSE5)。残りのポートnの中で、priority[i]が最大(優先順位が最低)のポートiを求める(ステップSE6)。そして、ポートiの発音をしているチャンネルのジェネレータを必要数だけ消音して、新しい発音のために割り当てる(ステップSE7)。そして、メインルーチンに戻る。
一方、合算した発音中のジェネレータ数が最大発音数に達してない場合には、単ポート時のジェネレータ割り当ての場合と同様に、図6に示した他のジェネレータのサーチ処理を実行する(ステップSF5)。そして、メインルーチンに戻る。
したがって、複数のポートの各々に用途が設定されている場合に、あるポートに対して新しい発音の要求があったときに、そのポートのチャンネルだけでは不足する場合でも、他のポートが犠牲になる確率を低くしながら、新しい発音の要求に応えることができる。
したがって、あるポートに対して新しい発音の要求があったときに、そのポートのチャンネルだけでは不足する場合に、同じ優先順位のポート同士でチャンネルを融通し、低い優先順位他のポートがやみくもに犠牲になるような事態を回避する。
したがって、あるポートに対して新しい発音の要求があったときに、そのポートに空きチャンネルが全くない場合には、他のポートを犠牲にしてまでそのポートをバックアップする必要性はないので、そのポートだけでチャンネルを融通して新しい発音に対処する。
したがって、あるポートに対して新しい発音の要求があったときに、そのポートの空きチャンネルと同じ優先順位の他のポートの空きチャンネルを合算しても、新しい発音の要求に応えることができない状況は、発生する頻度も少なく、優先順位が低い他のポートを一時的に犠牲にしても特に支障がないので、優先順位が低い他のポートのチャンネルで不足するチャンネルを補う。
複数のポートの各々に対して楽音発生の用途を設定するステップAと、前記ステップAによって設定された用途に対して優先順位を設定するステップBと、各ポートに対して複数種類の音源の中から任意の音源を割り当てて発音するチャンネルの最大数を設定するステップCと、任意のポートに対して新たに発音を増加する要求があったときに、当該発音の増加によって発音すべきチャンネルが不足した場合には、前記ステップBによって同じ優先順位の用途が設定されている他のポートにおける発音中でないチャンネルを不足するチャンネルに割り当てるステップDと、を実行させる。
2 ROM
3 RAM
4 スイッチ
5 表示部
6 音源
7 波形メモリ
8 D/A変換器
9 MIDIインターフェース
Claims (5)
- 複数のポートの各々に対して楽音発生の用途を設定する用途設定手段と、
前記用途設定手段によって設定された用途に対して優先順位を設定する順位設定手段と、
各ポートに対して複数種類の音源の中から任意の音源を割り当てて発音するチャンネルの最大数を設定するチャンネル設定手段と、
任意のポートに対して新たに発音を増加する要求があったときに、当該任意のポートに設定されている用途の優先順位と同じ優先順位の他の用途が設定されているポートが存在するか否か判別する第1の判別手段と、
この第1の判別手段によりポートが存在しないと判別された場合は、前記任意のポートに含まれる発音中のチャンネルの数と、当該任意のポートに設定されたチャンネルの最大数とが一致するか否かを判別する第2の判別手段と、
この第2の判別手段により一致すると判別された場合に、前記任意のポートの発音中のチャンネルの発音を停止して新たな発音を割り当てる第1の割り当て手段と、
前記第1の判別手段により前記ポートが存在すると判別された場合は、前記同じ優先順位の用途が設定されているポート夫々における発音中のチャンネルの総数と当該ポート夫々に設定されたチャンネルの最大数の総数とが一致するか否かを判別する第3の判別手段と、
この第3の判別手段により一致すると判別された場合に、前記同じ優先順位の用途が設定されているポートに含まれる発音中のチャンネルを停止して新たな発音を割り当てる第2の割り当て手段と、
前記第2の判別手段あるいは第3の判別手段にて一致しないと判別された場合に前記同じ優先順位の用途が設定されているポートに含まれる発音中でないチャンネルのいずれかに新たな発音を割り当てる第3の割り当て手段と、
を備えた楽音発生装置。 - 前記第3の割り当て手段は、前記同じ優先順位の用途が設定されているポートに含まれる発音中でないチャンネルの数が新たに増加する発音の数より少ない場合に、当該同じ優先順位よりも低い優先順位の他の用途が設定されているポートを求め、当該ポートにおけるチャンネルに前記新たに増加する発音を割り当てる第4の割り当て手段を有する請求項1に記載の楽音発生装置。
- 前記第4の割り当て手段は、前記同じ優先順位よりも低い優先順位の用途の中で最も低い優先順位の用途が設定されているポートを求める請求項2に記載の楽音発生装置。
- 前記第4の割り当て手段は、当該同じ優先順位よりも低い優先順位の用途が設定されている他のポートを求める場合に、発音中のチャンネルを含まないポートを除外する請求項2に記載の楽音発生装置。
- コンピュータに、
複数のポートの各々に対して楽音発生の用途を設定するステップAと、
前記ステップAによって設定された用途に対して優先順位を設定するステップBと、
各ポートに対して複数種類の音源の中から任意の音源を割り当てて発音するチャンネルの最大数を設定するステップCと、
任意のポートに対して新たに発音を増加する要求があったときに、当該任意のポートに設定されている用途の優先順位と同じ優先順位の他の用途が設定されているポートが存在するか否か判別するステップDと、
このステップDによりポートが存在しないと判別された場合は、前記任意のポートに含まれる発音中のチャンネルの数と、当該任意のポートに設定されたチャンネルの最大数とが一致するか否かを判別するステップEと、
このステップEにより一致すると判別された場合に、前記任意のポートの発音中のチャンネルの発音を停止して新たな発音を割り当てるステップFと、
前記ステップDにより前記ポートが存在すると判別された場合は、前記同じ優先順位の用途が設定されているポート夫々における発音中のチャンネルの総数と当該ポート夫々に設定されたチャンネルの最大数の総数とが一致するか否かを判別するステップGと、
このステップGにより一致すると判別された場合に、前記同じ優先順位の用途が設定されているポートに含まれる発音中のチャンネルを停止して新たな発音を割り当てるステップHと、
前記ステップEあるいはステップGにて一致しないと判別された場合に前記同じ優先順位の用途が設定されているポートに含まれる発音中でないチャンネルのいずれかに新たな発音を割り当てるステップIと、
を実行させる楽音発生処理のプログラム。
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