JP4585020B2 - 車体構造 - Google Patents
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Description
クロスメンバーに作業用の開口部を形成すると、クロスメンバーの剛性を確保することが難しい。
さらに、作業用の開口部を通して溶接装置をナットまで導くために、溶接装置の移動が作業用の開口部に規制され、作業性に影響を受けることが考えられる。
これにより、ナットにボルトをねじ結合することで、シートをクロスメンバーに取り付けることができる。
よって、クロスメンバーの内部にナットを直接溶接する必要がないので、ナットを溶接する溶接装置をクロスメンバー内に導く必要がない。
これにより、クロスメンバー内に溶接装置を導く作業用の開口部をクロスメンバーから除去できるので、クロスメンバーの剛性を確保することができる。
これにより、溶接装置の移動が作業用の開口部で規制される虞がなく、ナットを溶接する際の作業性を高めることができる。
そして、接合片に隣接してシート取付片を設け、シート取付片をクロスメンバーに沿って張り出した。
よって、隔壁部からシート取付片を比較的離した場合でも、シート取付片に隣接させて近傍に備えた接合片をクロスメンバーに接合して、シート取付片をクロスメンバーに沿わせた状態に確実に保持できる。
したがって、隔壁部をクロスメンバーの剛性を確保する位置に配置し、かつ、シート取付片をシート取付位置に配置することが可能になり、設計の自由度を高めることができる。
車体構造10は、左右の側部に車体前後方向に向いて設けられた左右のサイドシル12,13と、左右のサイドシル12,13間に設けられたフロアパネル15と、フロアパネル15に沿って設けられたクロスメンバーユニット16と、右サイドシル(サイドシル)13にクロスメンバーユニット16を連結するガセット18と、クロスメンバーユニット16に取り付けられた左右のシート(シート)21,22とを備えている。
インナパネル25にフロアパネル15の右側部(側部)15bが接合(支持)されている。
右サイドシル13の前端部にフロントピラー26が立設され、右サイドシル13の中央部にセンタピラー27が立設されている。
左サイドシル12は、右サイドシル13と同様に、インナパネル29にフロアパネル15の左側部15aが接合(支持)されている。
左サイドシル12には、クロスメンバーユニット16の左端部(具体的には、クロスメンバー31の左端部(シートを取り付ける部位))31aが設けられている。
クロスメンバーユニット16は、フロアパネル15に沿って設けられたクロスメンバー31と、クロスメンバー31の右端部(シートを取り付ける部位)31bに設けられた外側右バルクヘッド(バルクヘッド)34と、クロスメンバー31の中央右寄り部(シートを取り付ける部位)31cに設けられた内側右バルクヘッド(バルクヘッド)35と、クロスメンバー31の左端部31aに設けられた外側左バルクヘッド(バルクヘッド)36と、クロスメンバー31の中央左寄り部(シートを取り付ける部位)31dに設けられた内側左バルクヘッド(バルクヘッド)37とを備えている。
このクロスメンバー31は、上面壁部41、前壁部42および後壁部43で断面略逆U字状(すなわち、断面下向きコ字状)に形成された部材である。
上面壁部41は、フロアパネル15に対して略平行に配置された平坦な上面である。
前後の壁部42,43は、各上辺間の間隔に対して各下辺間の間隔が大きくなるように略ハ字状に形成されている。
この前壁部42は、右端部42aにガセット18を取り付ける前第1ガセット取付孔45が形成され、前第1ガセット取付孔45の上方に外右第1シート取付孔(第1取付孔)51が形成されている。
前折曲部56は、右端部56aにフロアパネル前取付孔57(図4も参照)が形成されている。フロアパネル前取付孔57はボルト58を差込可能な孔である。
この前折曲部56は、右端部56aがボルト58でフロアパネル15(図2参照)に取り付けられ、その他の部位がスポット溶接でフロアパネル15に接合されている。
この後壁部43は、右端部43aにガセット18を取り付ける後第1ガセット取付孔46が形成されている。
後折曲部61は、右端部61aにフロアパネル後取付孔62が形成されている。フロアパネル後取付孔62はボルト58を差込可能な孔である。
この後折曲部61は、右端部61aがボルト58でフロアパネル15(図2参照)に取り付けられ、その他の部位がスポット溶接でフロアパネル15に接合されている。
このクロスメンバー31を断面略逆U字状に形成することで、クロスメンバー31の内部に空間64が形成されている。
クロスメンバーの空間64に、外側右バルクヘッド34、内側右バルクヘッド35、外側左バルクヘッド36および内側左バルクヘッド37が設けられている。
外側右バルクヘッド34は、クロスメンバー31の右端部31bに設けられた補強用の部材である。
当接部85は、上辺71aに沿って直線状に形成されるとともに、図7、図9に示すように、ガセット18に向けて突出された部位である。
折曲部72は、上折曲部位72a、前折曲部位72bおよび後折曲部位72cで略逆U字状に形成された部位である。
前折曲部位72bは、隔壁部71の前辺71bからクロスメンバー31の前壁部42に沿って車体中心88側に折り曲げられた部位である。
後折曲部位72cは、隔壁部71の後辺71cからクロスメンバー31の後壁部43に沿って車体中心88側に折り曲げられた部位である。
具体的には、上接合片73は、上折曲部位72aからクロスメンバー31の上面壁部41(具体的には、上面壁部41の内面)に沿って張り出された突片である。
この上接合片73は上面壁部41にスポット溶接で接合されている(図6参照)。
この前上接合片74は、クロスメンバー31の前壁部42(具体的には、前壁部42の内面)にスポット溶接で接合されている(図6参照)。
この前下接合片75は、クロスメンバー31の前壁部42(具体的には、前壁部42の内面)にスポット溶接で接合されている(図6参照)。
この後上接合片76は、前上接合片74と同様に、クロスメンバー31の後壁部43(具体的には、後壁部43の内面)にスポット溶接で接合されている。
この後下接合片77は、前下接合片75と同様に、クロスメンバー31の後壁部43(具体的には、後壁部43の内面)にスポット溶接で接合されている。
シート取付片81は、前上接合片74の先端部74aからクロスメンバー31の前壁部42に沿って前上接合片74と平行に張り出された突片である。
このシート取付片81は、クロスメンバー31の外右第1シート取付孔51と同軸上に第2シート取付孔(第2取付孔)91が形成されている。
シート取付片81には、第2シート取付孔91と同軸上で、かつクロスメンバー31の前壁部42と反対側の面81aにシートナット(ナット)93が設けられている(溶接されている)。
これにより、クロスメンバー31内に溶接装置を導く作業用の開口部(図示せず)をクロスメンバー31から除去できるので、クロスメンバー31の剛性を確保することができる。
これにより、溶接装置の移動が作業用の開口部で規制される虞がなく、シートナット93を溶接する際の作業性を高めることができる。
具体的には、外取付ブラケット95の取付孔95a、クロスメンバー31の外右第1シート取付孔51および第2シート取付孔91にシートボルト94が順次差し込まれる。
第2シート取付孔91から突出されたねじ部94aがシートナット93にねじ結合され、外取付ブラケット95がクロスメンバー31の右端部31bに取り付けられている。
すなわち、シートナット93にシートボルト94をねじ結合することで、シート取付片81がシート締結手段92に連結されている。
そして、前上接合片74からシート取付片81をクロスメンバー31に沿って張り出した。
したがって、隔壁部71をクロスメンバー31の剛性を確保する位置に配置し、かつ、シート取付片81を右シート22の取付位置に配置することが可能になり、設計の自由度を高めることができる。
これにより、図7に示すガセット18に干渉させることなく、右シート22をクロスメンバー31に取り付けることができる。
前ガセット取付片82は、前折曲部位72bの略中央部からクロスメンバー31の前壁部42に沿って張り出された突片である。
この前ガセット取付片82は、クロスメンバー31の前第1ガセット取付孔45と同軸上に前第2ガセット取付孔97が形成されている。
前ガセット取付片82には、前第2ガセット取付孔97と同軸上で、かつクロスメンバー31の前壁部42と反対側の面に前ガセットナット98が設けられている(溶接されている)。
この後ガセット取付片83は、クロスメンバー31の後第1ガセット取付孔46と同軸上に後第2ガセット取付孔101が形成されている。
後ガセット取付片83には、後第2ガセット取付孔101と同軸上で、かつクロスメンバー31の後壁部43と反対側の面に後ガセットナット102が設けられている(溶接されている)。
これにより、クロスメンバー31内に溶接装置を導く作業用の開口部(図示せず)をクロスメンバー31から除去できるので、クロスメンバー31の剛性を確保することができる。
これにより、溶接装置の移動が作業用の開口部で規制される虞がなく、前後のガセットナット98,102を溶接する際の作業性を高めることができる。
内側右バルクヘッド35は、外側右バルクヘッド34に類似した補強用の部材で、クロスメンバー31の中央右寄り部31c(図3参照)に設けられている。
隔壁部131の外周(上辺、前辺および後辺)には折曲部132が設けられている。
折曲部132は、上折曲部位132a、前折曲部位132bおよび後折曲部位132cで略逆U字状に形成された部位である。
前折曲部位132bは、隔壁部131の前辺からクロスメンバー31の前壁部42に沿って車体中心88(図3参照)側に折り曲げられた部位である。
後折曲部位132cは、隔壁部131の後辺からクロスメンバー31の後壁部43に沿って車体中心88(図3参照)側に折り曲げられた部位である。
図3に示すように、上接合片133は上面壁部41にスポット溶接で接合されている。
また、前上接合片134および前下接合片135は、クロスメンバー31の前壁部42にスポット溶接でそれぞれ接合されている。
さらに、後上接合片76および後下接合片77は、クロスメンバー31の後壁部43にスポット溶接でそれぞれ接合されている。
シート取付片138は、前上接合片134の上方に設けられ、前上接合片134と一体に張り出された突片である。
シート取付片138には、第2シート取付孔141と同軸上で、かつクロスメンバー31の前壁部42(図3参照)と反対側の面138aにシートナット93が設けられている(溶接されている)。
この内右第1シート取付孔52に、図2に示す右シート22の内取付ブラケット147の取付孔147aが同軸上に配置されている。
これにより、クロスメンバー31内に溶接装置を導く作業用の開口部(図示せず)をクロスメンバー31から除去できるので、クロスメンバー31の剛性を確保することができる。
これにより、溶接装置の移動が作業用の開口部で規制される虞がなく、シートナット93を溶接する際の作業性を高めることができる。
シートボルト94およびシートナット93で、内取付ブラケット147がクロスメンバー31の中央右寄り部31cに取り付けられている。
この外側左バルクヘッド36は、隔壁部151の外周に折曲部152が設けられ、折曲部152に接合片154…およびシート取付片158が設けられ、シート取付片158にシートナット93が設けられている。
この外左第1シート取付孔53に、図2に示す左シート21の外取付ブラケット148の取付孔148aが同軸上に配置されている。
さらに、溶接装置でシートナット93を溶接する際に、溶接装置の移動が作業用の開口部で規制される虞がなく、シートナット93を溶接する際の作業性を高めることができる。
シートボルト94およびシートナット93で、外左第1シート取付孔53がクロスメンバー31の左端部31aに取り付けられている。
この内側左バルクヘッド37は、隔壁部161の外周に折曲部162が設けられ、折曲部162に接合片164…およびシート取付片168が設けられ、シート取付片168にシートナット93が設けられている。
この内左第1シート取付孔54に、図2に示す左シート21の内取付ブラケット149の取付孔149aが同軸上に配置されている。
さらに、溶接装置でシートナット93を溶接する際に、溶接装置の移動が作業用の開口部で規制される虞がなく、シートナット93を溶接する際の作業性を高めることができる。
シートボルト94およびシートナット93で、内取付ブラケット149がクロスメンバー31の中央左寄り部31dに取り付けられている。
クロスメンバー31の右端部31bがガセット18で右サイドシル13に連結されている。
ガセット18は、右サイドシル13から外側右バルクヘッド34まで延出されたガセット本体105と、外端部18aに設けられた前後の取付部106,107と、内端部18bに設けられた前後のアーム部108,109とを備えている。
ガセット立上部112は、当接部85に対向するように配置されている。
立上ビード部115および傾斜ビード部116は連続的に一体形成されている。
この立上ビード部115は、ビード幅Wが下端部から上端部に向かうにつれて徐々に大きくなるように、下端部のビード幅W1、上端部のビード幅W2に形成されている。
前取付部106には、右サイドシル13に取り付けるための前取付孔106aが形成されている。
後取付部107には、右サイドシル13に取り付けるための後取付孔107aが形成されている。
このナット122は、前取付孔13aに同軸に配置された状態で右サイドシル13(インナパネル25の上面壁部25a)に溶接されている。
このナット122は、後取付孔13bに同軸に配置された状態で右サイドシル13(インナパネル25の上面壁部25a)に溶接されている。
前アーム部108には、前第3ガセット取付孔124が形成されている。
前第3ガセット取付孔124は、クロスメンバー31の前第1ガセット取付孔45に対して同軸上に配置可能な孔である。
後アーム部109には、後第3ガセット取付孔125が形成されている。
後第3ガセット取付孔125は、クロスメンバー31の後第1ガセット取付孔46(図4参照)に対して同軸上に配置可能な孔である。
よって、前後のアーム部108,109が、クロスメンバー31の前後の壁部42,43を挟み込んだ状態で前後のガセットボルト127に回動自在に支持されている。
すなわち、ガセット18は、内端部18bがクロスメンバー31の右端部31bにガセット締結手段126で回動自在に連結されている。
ガセット18が前後のガセットボルト127を軸にして反時計回り方向に僅かに回動することで、ガセット18の立上ビード部115が当接部85に当接する。
ガセット18の回動を阻止することで、右サイドシル13がガセット18で支えられる。
これにより、右サイドシル13に作用した衝撃荷重Fは、ガセット18を経てクロスメンバー31に伝えられ、クロスメンバー31で良好に支えられる。
図8(a),(b)は本発明に係るクロスメンバーに外側右バルクヘッドを取り付ける例について説明する図である。
(a)において、外側右バルクヘッド34の前第2ガセット取付孔97に対して前ガセットナット98を同軸上に位置合わせし、前ガセット取付片82に前ガセットナット98を溶接する。
さらに、第2シート取付孔91に対してシートナット93を同軸上に位置合わせして、シート取付片81にシートナット93とを溶接する。
前第2ガセット取付孔97をクロスメンバー31の前第1ガセット取付孔45に対して同軸上に位置合わせする。
さらに、第2シート取付孔91をクロスメンバー31の外右第1シート取付孔51に対して同軸上に位置合わせする。
また、前上接合片74および前下接合片75をクロスメンバー31の前壁部42にスポット溶接でそれぞれ接合する。
さらに、後上接合片76および後下接合片77をクロスメンバー31の後壁部43にスポット溶接でそれぞれ接合する。
同様に、後ガセット取付片83に後ガセットナット102を設けたので、クロスメンバー31の内部(すなわち、後壁部43の内面)に後ガセットナット102を備えることができる。
さらに、シート取付片81にシートナット93を設けたので、クロスメンバー31の内部(すなわち、前壁部42の内面)にシートナット93を備えることができる。
(a)において、クロスメンバー31の上面壁部41に右シート22の外取付ブラケット95を載せる。外取付ブラケット95の取付孔95aをクロスメンバー31の外右第1シート取付孔51に対して同軸上に位置合わせする。
つぎに、取付孔95a、外右第1シート取付孔51および第2シート取付孔91にシートボルト94を順次差し込む。
これにより、外取付ブラケット95をクロスメンバー31の右端部31bに取り付ける。
これにより、クロスメンバー31の右半部に右シート22を取り付けることができる。
これにより、クロスメンバー31内に溶接装置を導く作業用の開口部(図示せず)をクロスメンバー31から除去できるので、クロスメンバー31の剛性を確保することができる。
これにより、溶接装置の移動が作業用の開口部で規制される虞がなく、各ナット98,102,93を溶接する際の作業性を高めることができる。
また、一対のシート取付片81をクロスメンバー31の前後の壁部42,43に沿ってそれぞれ張り出すことも可能である。
Claims (1)
- フロアパネル上に車体幅方向を向いて断面略逆U字状のクロスメンバーが設けられ、前記クロスメンバーの内部に補強用のバルクヘッドが設けられ、前記クロスメンバーにシートが設けられた車体構造において、
前記クロスメンバーのうち、前記シートを取り付ける部位に第1取付孔が設けられ、
前記第1取付孔の近傍に前記バルクヘッドが設けられ、
前記バルクヘッドは、
前記クロスメンバーの内部に、前記クロスメンバーの長手方向に対して直交するように設けられた隔壁部と、
前記隔壁部の上辺、前辺および後辺から上折曲部位、前折曲部位および後折曲部位がそれぞれ前記クロスメンバーに沿って折り曲げられ、前記上折曲部位、前記前折曲部位および前記後折曲部位で略逆U字状に形成された折曲部と、
前記折曲部からクロスメンバーに沿って張り出され、前記クロスメンバーに接合可能な接合片と、
前記接合片に隣接して設けられ、前記クロスメンバーに沿って前記第1取付孔まで張り出されたシート取付片と、を備え、
前記シート取付片に前記第1取付孔と同軸上に第2取付孔が形成され、
前記シート取付片のうち、前記第2取付孔と同軸上で、かつ前記クロスメンバーと反対側の面にナットが設けられ、
前記シートを前記クロスメンバーに取り付けるボルトが、第1取付孔および第2取付孔を経て前記ナットにねじ結合されたことを特徴とする車体構造。
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