JP4580998B2 - 車両用エアバッグ装置のカバー体 - Google Patents
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言い換えると、脆弱部を形成するために切り込みを設けた皮革の厚さを0.6mm、ピッチを4mmに設定する必要があり、0.6mm超、4mm超の場合には、脆弱部の破断の抵抗力が大きくなるおそれがあるという問題がある。
また、表皮材の全面に接着層を形成して、凹凸部に重ねて貼り付けることができ、接着作業は容易になる。
図1は、本発明の車両用エアバッグ装置のカバー体(第1実施の形態)を採用した車室の斜視図である。
車両用エアバッグ装置のカバー体(第1実施の形態)11は、車両12の助手席13用のエアバッグ装置(車両用エアバッグ装置)14に採用されている。具体的には後述する。
インストルメントパネル24には、皮革31が採用され、貼り付けられている。
図3は、図1の3−3線断面図である。
助手席13用のエアバッグ装置14は、インストルメントパネル24のインストルメントパネル本体(基材)32に形成された略矩形の開口部33に配置され、車体21に取付けられているケース部材35と、ケース部材35内に配置したインフレータ(ガス発生装置)36と、エアバッグであるところのバッグ37と、ケース部材35の上に取付けた開放自在なリッド38と、リッド38及びインストルメントパネル24の基材(インストルメントパネル本体)32に貼り付けた表層部41と、基材(インストルメントパネル本体)32の開口部33に連ねて設けた接着力調節部42と、を備える。
ケース部材35には、インストルメントパネル24側に掛止する掛止凸部61が形成されている。
カバー体(第1実施の形態)11を主体に説明する。
カバー体(第1実施の形態)11は、リッド38と表層部41とからなり、表層部41は、リッド38上の表皮材接着層63と、表皮材64と、接着力調節部42と、からなる。
表皮材64は、皮革31に皮革接着層65で貼ったスペースファブリック66を有する。
そして、リッド38上に位置している縫製部68の糸76の破断で表皮開口部77(図6参照)が形成され、表皮開口部77のうちリッド38の一端(第3端点)86から所定の距離Lsまでが縫製部68の第1表皮剥離部81で、表皮開口部77のうちリッド38の他方の端点(第3端点)86から所定の距離Lsまでが縫製部68の第2表皮剥離部82である。
一端の外方には、平面視、第1端点84、第2端点85、第3端点86を通る線分で形成された三角領域内の部位に設けられ、三角領域内に弱接着層87が形成されている。
第2端点85は、第1ヒンジ部44の一端部から外側(矢印a3の方向)へ距離L1だけ離した端点、及び第2ヒンジ部47の一端部から外側(矢印a4の方向)へ距離L1だけ離した端点である。
第3端点86は、第1自由端56又は第2自由端57の一端角部に設定した端点である。
このような三角領域内には、表皮材接着層63と同じ接着剤を用いるが、塗布の形態が異なる弱接着層87を形成している。
縫製部68の長さLm(図1参照)は、Lm>Leで、表皮開口部77の長さLeより長く、インストルメントパネル24の中央24aから左端24bまでの長さである。
弱接着層87は、接着剤を、リッド38の両端(第1側部ティアライン53)に略平行にピッチP、幅Wsで配列したもので、接着剤の塗布面積を他の接着領域(表皮材接着層63)に比べ、減じているので、表皮材接着層63に比べ、単位面積当たりの接着力が小さいものである。列の長さは前述の三角領域内で、端が線分S1、S2に達している。
「他の接着領域」とは、三角領域を除いた表皮材接着層63で接着している部位である。
なお、ピッチP、幅Wsは目安であり、所望の範囲(公差)であればよい。
まず、基材(インストルメントパネル本体)32を治具で支持し、基材(インストルメントパネル本体)32に形成した開口部33に助手席13用のエアバッグ装置14を嵌合する。その次に、基材(インストルメントパネル本体)32に、接着力調節部42を除いて、全面に接着剤を塗布することで表皮材接着層63を形成する。続けて、接着力調節部42を設ける三角領域内に塗布治具を載せ塗布治具の上に接着剤を塗布し、塗布治具を取り外すことで、配列した弱接着層87を形成する。
図6は、カバー体の開放の機構を説明する図である。図1〜図5を併用して説明する。
車両用エアバッグ装置(助手席用のエアバッグ装置)14は、車両前面に衝撃が加わると、前面衝撃情報に基づいて、情報が処理された後、インフレータ作動情報に基づいてインフレータ(ガス発生装置)36が作動する。
その際、縫製部68の表皮開口部77に位置する糸76もほぼ同時に破断するので、表皮開口部77が開き始める。
その際、接着力調節部42の基材(インストルメントパネル本体)32から表皮材64が剥離し始め、縫製部68の第1表皮剥離部81の糸が破断し、第2表皮剥離部82の糸が破断するので、第1表皮剥離部81及び第2表皮剥離部82が矢印a6のように開き始める。
接着力調節部42では、接着剤を、所定のピッチP、幅Wsで糸状に配列したので、接着力が小さく、表皮材64を剥離・開放する際の抵抗力を減少させることができる。従って、バッグ37の展開性能への悪影響を小さくすることができる。
図7は、第2実施の形態を説明する図であり、図6に対応している。上記図1〜図6に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
第2実施の形態の車両用エアバッグ装置のカバー体11Bは、接着力調節部42Bを備えていることを特徴とする。
接着力調節部42Bには、三角領域内に弱接着層87Bが形成され、弱接着層87Bは、接着剤がピッチP1で点状に配置されていることを特徴とする。
第3実施の形態の車両用エアバッグ装置のカバー体11Cは、接着力調節部42Cを備えていることを特徴とする。
接着力調節部42Cは、三角領域内のインストルメントパネル本体(基材)32に凹凸部91が形成されていることを特徴とする。そして、接着層93が表皮材接着層63と同様に形成されている。
リッド38の中央ティアライン52は、まっすぐに形成したが、曲線でもよい。その際には縫製部も曲線に略一致させた曲線とする。
第3実施の形態では、凹凸部91の長さ(三角領域の線分S1、S2間)をピッチP1で複数に分割してもよい。
Claims (2)
- エアバッグ(37)の膨張によって開放するリッド(38)が、基材(32)に形成された略矩形の開口部(33)に配置されている車両用エアバッグ装置であって、
前記リッド(38)及び前記基材(32)を接着層(63)を介して覆っている表皮材(64)と、該表皮材(64)が縫い合わされて、前記リッド(38)の自由端(56、57)と略一致するように配置され、前記リッド(38)の外側へ連なるように延出している縫製部(68)と、前記自由端(56、57)に重なる前記縫製部(68)に設定され前記リッド(38)の開放とともに前記自由端(56、57)および前記リッド(38)の外側へ連なる領域の少なくとも一部を開放する表皮開口部(77)と、前記開口部(33)の外側へ連なり、前記基材(32)との接着力が小さくなるように調節された接着力調節部(42)と、を備え、前記開口部(33)の外側において、前記表皮開口部(77)がエアバッグ(37)の膨張により前記自由端(56、57)から外側に連続的に開放するとともに、前記接着力調節部(42)が基材(32)から剥離伸張することにより前記自由端(56、57)の揺動を許容するよう構成され、
前記接着力調節部(42)は、平面視、三角領域内に設けられ、前記三角領域が、前記リッド(38)の一端から所望の距離だけ離して前記縫製部(68)の線上に設定した第1端点(84)、前記リッド(38)の前記一端近傍で且つ前記リッド(38)のヒンジ部(44)から外方へ所望の距離だけ離した第2端点(85)、前記リッド(38)の前記一端と前記自由端(56、57)とで形成される角に設定した第3端点(86)を通る線分で形成され、
前記表皮材(64)と前記基材(32)の間の接着剤の塗布面積を他の接着領域に比べ、減じていることを特徴とする車両用エアバッグ装置のカバー体。 - エアバッグ(37)の膨張によって開放するリッド(38)が、基材(32)に形成された略矩形の開口部(33)に配置されている車両用エアバッグ装置であって、
前記リッド(38)及び前記基材(32)を接着層(63)を介して覆っている表皮材(64)と、該表皮材(64)が縫い合わされて、前記リッド(38)の自由端(56、57)と略一致するように配置され、前記リッド(38)の外側へ連なるように延出している縫製部(68)と、前記自由端(56、57)に重なる前記縫製部(68)に設定され前記リッド(38)の開放とともに前記自由端(56、57)および前記リッド(38)の外側へ連なる領域の少なくとも一部を開放する表皮開口部(77)と、前記開口部(33)の外側へ連なり、前記基材(32)との接着力が小さくなるように調節された接着力調節部(42)と、を備え、前記開口部(33)の外側において、前記表皮開口部(77)がエアバッグ(37)の膨張により前記自由端(56、57)から外側に連続的に開放するとともに、前記接着力調節部(42)が基材(32)から剥離伸張することにより前記自由端(56、57)の揺動を許容するよう構成され、
前記接着力調節部(42)は、平面視、三角領域内に設けられ、前記三角領域が、前記リッド(38)の一端から所望の距離だけ離して前記縫製部(68)の線上に設定した第1端点(84)、前記リッド(38)の前記一端近傍で且つ前記リッド(38)のヒンジ部(44)から外方へ所望の距離だけ離した第2端点(85)、前記リッド(38)の前記一端と前記自由端(56、57)とで形成される角に設定した第3端点(86)を通る線分で形成され、
前記基材(32)に凹凸部(91)が形成され、該凹凸部(91)の凹凸によって接着層(93)に対する前記基材(32)の接触面積を減じていることを特徴とする車両用エアバッグ装置のカバー体。
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