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JP4578860B2 - 風損を減少させたロータ本体格納シェル - Google Patents

風損を減少させたロータ本体格納シェル Download PDF

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Description

本発明は、高速発電機の構造に関し、具体的には風損を減少させるように設計したロータ格納シェルに関する。
より具体的には、高速発電機は、典型的にはロータとステータとロータ支持システムとその他の構成部品とを含む。ロータは、典型的には磁場を発生する永久磁石又は巻線形界磁巻線と組合せた鍛造体を含む。永久磁石又は界磁巻線の外側には、遠心力に抗してロータ構成部品を格納するために、典型的には有機繊維強化材料と組合せた金属材料(又は両者の複合材料)から作製した格納シェルを必要とする。
ロータ周速が475フィート/秒を超えるような高速電動機及び発電機における主冷却媒体として空気を使用する場合、風損は、電気的損失に匹敵するか又はそれ以上にさえなる(滑らかなロータ表面を使用した時)。風損が大きいほど、ロータ本体の温度及びエアギャップ内の冷却ガスの温度はより高くなる。風損の注意深い管理は、空気冷却式機械の成功を保障する上で重要である。過去においては、風損が高すぎて効率目標を満たさないという理由で、多くの場合空気冷却式構成は採用されなかった。そのような場合には、空気冷却は、典型的にはよりコストが高い水冷構成で置き替えられた。小型機械においては、ロータとステータとの間の空間を脱気して風損を減少させる。しかし、これは、分散形発電で使用される非常に小さい出力定格の水冷式機械の場合にのみ実用可能である。
軸方向流は、風損を著しく増大させる。研究により、軸方向流が増大するにつれて、旋回速度分布は同じままであるが軸方向の速度勾配が増大することが判明した。このことは、風損の増大をもたらす。
本発明は、空気冷却式高速電動機及び発電機における風損の減少と熱伝達の強化に焦点を当てている。本発明は、永久磁石ロータ又は界磁巻線ロータのいずれかを有する構成に適用される。ロータ本体格納シェルは、複数の環状又は軸方向の陥凹部(又は他の表面変形部)を特徴とする。本発明の1つの例示的な実施形態では、円筒状シェル外表面には、ロータの長手方向に沿って互いに軸方向に間隔をおいて配置した環状のタービュレータ溝の形態で複数の陥凹部が形成される。別の構成では、陥凹部は、ロータの周りで周方向に間隔をおいて配置した軸方向に延びる溝の形態とすることができる。他の形状及び/又は形状のパターンを使用することができ、それについては後で詳細に説明するが、目標はシェル外表面上の平坦な円筒状表面積量を減少させることであることを認識されたい。
従って、そのより広い様態では、本発明はロータ本体組立体に関し、本ロータ本体組立体はロータと該ロータを囲む格納シェルとを含み、格納シェルが、風損を減少させるための複数の表面変形部を備えた外周表面を有する。
他の様態では、本発明は発電機に関し、本発電機は、ロータと該ロータを囲むステータと該ステータ内で回転するようにロータを支持するための支持システムとを含み、ロータが界磁巻線と外側格納シェルとを備え、外側格納シェルが複数の表面変形部を備えた外周表面を有する。
次ぎに、図面と関連させて本発明をより詳細に説明する。
まず図1を参照すると、高速発電機10は、典型的にはロータ12とステータ14とロータ支持システム16とを含む。ロータ12は、鍛造体18と磁場を発生する永久磁石(又は界磁巻線)20とを含む。永久磁石又は界磁巻線の半径方向外側には、ロータを囲む格納シェル22が設けられる。典型的には、ロータ12(格納シェルを含む)とステータ14との間の半径方向ギャップ24内に冷却空気を流す。
発電機ロータ格納シェル22は、好適な金属材料(例えば、アルミニウム又はインコネル)、有機繊維強化材料又は両者の複合材料で形成することができる。図2に移ると、格納シェル22は、有機繊維強化マトリックス材料ジャケット28で囲まれた、応力分散及び電磁気遮蔽のための半径方向内側アルミニウム(又は他の好適な金属)構成部品26によって形成することができる。全ての場合において、シェルは、作動中にロータの回転により生じる遠心力に抗してロータ構成部品を格納するのに十分な強度を有しなくてはならない。
本発明では、また図3を参照すると、格納シェル22の外表面28は、環状のタービュレータ溝又は以下に述べるような他の好適な表面変形部のような複数の表面陥凹部を備えることができる。1つの実施形態(図3)では、これらの陥凹部は、ロータの長手方向に沿って軸方向に間隔をおいて配置した環状溝30の形状である。溝30は、局所的な空気混合を強化し、軸方向の熱伝達を改善し、風損を減少させ、また風損により発生した熱のロータ本体内への熱貫入を減少させることになる。この構成又は図7に関連して以下に説明する類似の構成は、ロータを横切る流れの方向が主として軸方向、即ちロータの回転軸線に平行である場合に特に利点がある。溝の最適深さは、接線方向運動に対する抵抗の増大と軸方向流に対する抵抗の減少とのトレードオフによって決まる。
図4は別の構成を示し、この構成では、シェル32は、該シェルの周りで周方向に間隔をおいて配置した複数の長手方向に延びる凹形溝36が形成された外表面34を有する。
図5は、ほぼ図3に類似したさらに別の構成を示すが、この構成では、シェル42の外表面40内の環状溝38は各々、平坦なテーパ側面44、46と平坦な底面48とを含む。
図6はさらに別の構成を示し、この構成では、シェル50は波状又は正弦波形状断面をもつように形成されて、それによってほぼ環状の狭い間隔の凹形表面変形部又は溝52を形成する。図3及び図5の構成と類似したこの構成は、流れの方向が主として軸方向である場合に最も効果的である。
図7は、図5のシェル42の拡大詳細図であり、シェル42は、固定ステータ54との間に半径方向ギャップ56を有する状態で該固定ステータ54に隣接して設置されている。テーパ溝38は、ステータ54に半径方向に密に近接しており、この例におけるロータとステータとの間の流れは主として軸方向である。シェル42の外表面上にそのような変形部(溝)38を設けることによって、溝38内部に捕捉された空気ポケット58が、ギャップ56が単にステータ54上の平坦な円筒状対向表面60と格納シェル42上の平坦な円筒状対向表面40とにより画成された場合に比べて該ギャップを通る空気流に対する抵抗すなわち摩擦をより少なくすることになるので、風損が減少することを発明者は発見した。換言すれば、風損又は摩擦損失は、格納シェルの平坦な円筒状外表面積に比例する。このことは、滑らかな円筒状表面積を減少させるほど風損も減少することを意味する。もちろん、表面変形部はシェルの健全性に悪影響を与えるほど大きくすることはできない。しかしながら、シェルの外表面上の変形部形状及び形状のパターンを最適化して最良の結果を得ることは当業者には容易であることが理解されるであろう。さらにこの点に関して、凹形ディンプルなどのような他の表面変形部も、風損を減少させるために効果的に使用することができる。
現在最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関して本発明を説明してきたが、本発明は開示した実施形態に限定されるものではなく、また、特許請求の範囲に記載された符号は、理解容易のためであってなんら発明の技術的範囲を実施例に限縮するものではない。
高速発電機の概略側面図。 ロータを囲む典型的な格納シェルを示す、図1から取ったロータの部分断面図。 本発明の例示的な実施形態によってその外表面内に形成された複数の環状凹形溝を有する発電機ロータ格納シェルの概略側面図。 本発明の別の例示的な実施形態による軸方向に延びる凹形溝を有する発電機ロータ格納シェルの概略端面図。 本発明のさらに別の例示的な実施形態による複数の軸方向に間隔をおいて配置した環状テーパ溝を示す、発電機ロータ格納シェルの部分断面図。 本発明のさらに別の例示的な実施形態による正弦波状のロータ壁断面形状を示す、発電機ロータ格納シェルの部分断面図。 ステータと図5に示すのと同様のテーパ環状リングを有するロータとの間における軸方向流の循環を詳細に示す部分断面図。
符号の説明
10 ロータ本体組立体
12 ロータ
14 ステータ
16 ロータ支持システム
20 界磁巻線
22 ロータ格納シェル
24 半径方向ギャップ
28 外周表面
30、36、38、52 表面変形部

Claims (3)

  1. ロータ(12)と前記ロータを囲むステータ(14)と前記ステータ内で回転するように前記ロータを支持するための支持システムとを含む発電機(10)であって、
    前記ロータが永久磁石ロータ又は界磁巻線(20)と外側格納シェル(50)とを備え、
    前記外側格納シェル(50)が、前記ロータの回転中の遠心力に抗して前記永久磁石ロータ又は界磁巻線(20)を格納するのに十分な強度を有し、
    前記外側格納シェル(50)は、前記ロータの長手方向に沿って軸方向に間隔をおいて配置された複数の溝(52)が設けられた外周表面(28)を含み、
    前記外周表面の前記複数の溝は、正弦波形状断面を有して前記ロータの回転中の風損を減少させる
    ことを特徴とする空気冷却式発電機。
  2. 前記外周表面(28)が風損をさらに減少させるために研磨されている、請求項1記載のロータ本体組立体。
  3. 前記ロータが超伝導ロータである、請求項1または2記載のロータ本体組立体。
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