JP4570127B2 - ヒートポンプ装置 - Google Patents
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Description
従って、エンジンの駆動力を用いて発電を行って、その電力を電動式の補機に供給する際に、外部電源の充放電を組み合わせる場合、ヒートポンプ装置の効率が高くなるような充放電制御が行われるヒートポンプ装置が提供されることになる。
また、エンジンの余力を利用して補機に電力を供給すべく発電するように設けた発電手段を力行運転させてエンジンのスタータとして兼用するようにすることで、エンジンの始動用のスタータを別個に設ける必要がないようにしている。
具体的には、ヒートポンプ装置が冷房運転されるときに、冷却水が排ガス用熱交換器8、冷却水ジャケット2j、放熱器10を記載順に順次巡って、冷却水の保有熱を放熱器10にて放熱させる放熱用循環経路を形成するように、排ガス用熱交換器8、冷却水ジャケット2j、放熱器10を冷却水流路19の主流路部分19mにて接続すると共に、その主流路部分19mの排ガス用熱交換器8の上流側におけるその排ガス用熱交換器8と放熱器10との間の箇所に、冷却水ポンプ7を設けてある。
そして、冷媒加熱用熱交換器9において、蒸発器として機能する室外用熱交換器3からアキュムレータ5へ戻る冷媒を冷却水にて加熱して、効率を向上させている。
そしてメインコントローラ14の制御によって、発電手段Gから出力される電力及びバッテリ41から受電する電力の少なくとも一方を電動式の補機に供給するか、又は、発電手段Gから出力される電力を電動式の補機に供給及びバッテリ41に給電するように構成されている。更に、メインコントローラ14が、電動機側インバータ33が出力する励磁用交流電圧の周波数を、誘導電動機30を発電機能させることが可能な周波数に調節制御する状態で、ガスエンジン2にて誘導電動機30を圧縮機1と同時に駆動し且つ発電手段Gにて発電された直流電力を、その直流出力電圧が設定電圧になるように制御して、直流電動式の補機に供給するべく運転制御するように構成してある。つまり、運転を制御する運転制御手段は、メインコントローラ14を用いて構成してある。
ガスエンジン2の回転軸と圧縮機1の回転軸と誘導電動機30の回転軸とを、ベルト31にて伝動連結してある。ガスエンジン2には、その回転速度を検出するエンジン回転速度センサ38eを設け、誘導電動機30には、その回転速度を検出する電動機回転速度センサ38gを設けてある。
リモコン操作部Rから暖房運転の運転開始が指令されると、室内機側コントローラ17は、暖房運転の運転開始指令の信号をメインコントローラ14に送信すると共に、室内用送風機16の運転を開始させ、暖房運転中は、室温センサ36の検出温度とリモコン操作部Rから送信される暖房目標温度との偏差に応じて送風量を調整するように、室内用送風機16の運転を制御する。
まず、運転開始指令があると、運転を開始すべき室外用送風機12に対応するスイッチ35、エンジンルーム用送風機13に対応するスイッチ35及び冷却水ポンプ7に対応するスイッチ35をオンにした後、充放電制御手段42を制御して、室外用送風機12、エンジンルーム用送風機13及び冷却水ポンプ7に対してバッテリ41から電力を漸増させる状態で給電して、それら室外用送風機12、エンジンルーム用送風機13及び冷却水ポンプ7を所謂ソフトスタートさせる(ステップ#1〜#3)。
以上のようにして運転開始制御が完了すると、通常運転制御を実行する(#5)。
メインコントローラ14は、以下の表1から表3に記載するようなエンジン回転数とエンジン出力との関係を示すエンジン効率データ、エンジン回転数と発電手段Gにとっての負荷電力(発電機駆動補機Sgの消費電力、バッテリ41の充放電電力)との関係を示す発電変換効率データ及びバッテリ41へ充電するとき又はバッテリ41を放電させるときの損失を考慮した充放電効率データに関する情報を記憶している。
同様に、例えば、空調負荷によりエンジン回転数が2200rpm(第1エンジン回転数)、エンジン軸出力が5000W(第1エンジン出力)であったとすると、表1より現在のエンジン効率は30%(第1エンジン効率)となる。また、負荷電力が800W(第1エンジン回転数において発電手段に発生させる任意の電力)であったとすると、これを全て発電により賄うとした場合、表2より発電効率は82%(発電変換効率)であるので、エンジン軸出力の増分は976W(第2エンジン出力)となり、空調負荷と併せて要求されるエンジン軸出力は5976W(合算エンジン出力)となり、表1よりエンジン効率が32%(合算エンジン効率)に増加し、発電効率としては800W÷(5976W÷0.32−5000W÷0.30)=40%(ヒートポンプ装置発電効率)となる。
この計算結果例から分かるように、現在のエンジン回転数と負荷電力との割合によって発電効率が大きく異なるため、表に示した例においては回転数が高い場合には放電するよりも発電する方が効率が良く、回転数が低い場合には放電する方が良いことが分かる。
そしてメインコントローラ14は、以上のようにして決定されたガスエンジン2の運転指令、発電手段Gへの発電指令及びバッテリ41への充放電指令を使って、上述のステップ#102からステップ#114の処理を行う。
<1>
上記実施形態では外部電源として図2に例示したバッテリ14を用いた場合について説明したが外部電源として他の電源や発電機などを用いてもよく、図5に示すように商用電源26であってもよい。この場合、商用電源26は整流手段43を介して発電手段G及び発電機駆動補機Sgと接続され、上記実施形態において説明したバッテリ41と同様に機能する。そして、上記実施形態において説明したバッテリ41にとっての充電制御は商用電源26への給電制御に相当し、バッテリ41にとっての放電制御は商用電源26からの受電制御に相当する。そして表3に例示した充放電効率データは整流手段43の電力変換損失を考慮した電力変換効率データで置き換えられる。また、バッテリ41による充電量の制約は、この場合、商用電源26への給電量の制約と置き換えて考えることができる。
上記実施形態では、誘導電動機30と電動機側インバータ33とを用いて発電手段Gを構成した場合について説明したが、同期電動機(永久磁石式を含む)と整流器(永久磁石式の場合は昇降圧機能を含む)とを用いた構成など、他の構成の発電手段Gを用いてもよい。
上記実施形態では、具体的な数値を用いて本発明のヒートポンプ装置を説明したが、用いた数値はあくまでも例示的なものであり、他の数値を用いてもよい。
2 ガスエンジン
14 運転制御手段
26 商用電源
30 誘導電動機
32 整流手段
33 電動機側インバータ
41 外部電源
G 発電手段
HP ヒートポンプ
Sg 発電機駆動補機(直流電動式の補機)
Claims (2)
- ヒートポンプにおける圧縮機がエンジンにて駆動されるヒートポンプ装置であって、
前記エンジンにて駆動される発電手段が設けられ、
運転を制御する運転制御手段が、
前記エンジンにて前記発電手段を前記圧縮機と同時に駆動し、且つ、
前記ヒートポンプに対する負荷に応じて前記エンジンの出力を増減調整すると共に、前記発電手段から出力される電力及び外部電源から受電する電力の少なくとも一方を前記ヒートポンプにおける電動式の補機に供給するとき、又は、
前記ヒートポンプに対する負荷に応じて前記エンジンの出力を増減調整すると共に、前記発電手段から出力される電力を前記ヒートポンプにおける電動式の補機及び前記外部電源の夫々に供給及び給電するとき、
エンジン回転数とエンジン出力とをパラメータとするエンジン効率データと、
エンジン回転数と発電出力とをパラメータとする発電変換効率データとに基づいて、
前記ヒートポンプに対する負荷に応じる第1エンジン回転数および第1エンジン出力から、当該第1エンジン出力を発生する場合の第1エンジン効率を求め、
当該第1エンジン回転数において任意の電力を前記発電手段により発生する場合の発電変換効率を求めることにより、当該電力を得るために必要となる第2エンジン出力を求め、
当該第1エンジン回転数において前記第1エンジン出力と前記第2エンジン出力との合算エンジン出力、及び当該合算エンジン出力を発生する場合の合算エンジン効率を求め、
前記合算エンジン出力を得るために必要な合算エネルギ量と、前記第1エンジン出力を前記第1エンジン効率で得るために必要な第1エネルギ量との差に対する、前記発電手段から出力される電力の割合を、ヒートポンプ装置発電効率とし、
前記任意の電力である各発電量に対応する前記ヒートポンプ装置発電効率を相互に比較することにより、発電量とバッテリとの充放電量との割合、発電量と商用電源との受電量あるいは供給量との割合を決定し、
前記発電手段から出力される電力の前記外部電源への充電量あるいは給電量及び前記外部電源からの受電量を制御して、前記発電手段における発電効率の最適化を計るように構成されているヒートポンプ装置。 - 前記運転制御手段は、運転開始指令に基づいて、先ず、前記補機に対して前記外部電源から電力を漸増させる状態で給電して前記補機の運転を開始し、続いて、前記発電手段を前記外部電源にて力行運転させて前記エンジンを始動させるように構成されている請求項1に記載のヒートポンプ装置。
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