JP4567912B2 - データ放送用ヘッドエンド装置及びcatvシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のコンテンツからなるデータ放送を行う放送局からの放送信号を受信し、その放送信号の中からコンテンツの一つを選局・復調した後、CATV用伝送信号に変換することで、選局・復調したコンテンツをCATVシステム内で再送信するデータ放送用ヘッドエンド装置、及び、このヘッドエンド装置を備えたCATVシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
BSデジタル放送や地上波デジタル放送では、アナログ放送とは異なり、一つの放送局から、テレビやラジオ等の基本放送に加えて、ニュース、気象情報、…といった各種情報(コンテンツ)を配信するデータ放送を同時に行うことができる。
【0003】
このため、既に実用化されているBSデジタル放送を受信する受信機には、利用者が付属のリモートコントロール装置(以下、単にリモコン装置ともいう)を操作することにより、所望のコンテンツを指定すると、その指定されたコンテンツを選局・復調して、テレビ表示用の画像信号を生成する、データ放送受信機能を有するものがある。
【0004】
また、こうしたデータ放送の受信機能は、受信機が、放送信号に含まれるメニュー画像表示用のデータに基づき、図6(a),(b)に例示するようなメニュー画像を生成することにより実現される。つまり、受信機は、図6(a),(b)に例示するようなメニュー画像を生成してテレビ表示用の画像信号として出力することにより、テレビ受像機にメニュー画像を表示させ、その表示画面上で、利用者がリモコン装置を操作することにより任意のコンテンツを指定すると、そのコンテンツを選局・復調するようにされている。
【0005】
従って、利用者は、テレビ受像機の表示画面を見ながらリモコン操作を行うことにより、表示させたいコンテンツを極めて簡単に指定ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、CATVシステムにおいて、上述したデータ放送を端末側で見ることができるようにするには、BSデジタル放送等の受信信号をそのまま所望チャンネルのCATV伝送信号に変換して端末側に伝送するようにすればよいが、この場合、端末側でデータ放送を見るには、各端末毎に、上述したデータ放送の受信機能を有する受信機を設置する必要がある。
【0007】
このため、CATVシステム、特に、ホテルや病院等に構築されるCATVシステムにおいては、各端末毎に上述した受信機を設置することなく、各端末側でデータ放送を見ることができるようにするために、ヘッドエンド装置に、データ放送の受信機能を有する受信機を設けて、特定のコンテンツを選局・復調させ、その復調された画像信号を、他のテレビ放送用の伝送信号と同じ伝送信号で且つ他のテレビ放送とは異なる伝送チャンネルのCATV用伝送信号に変換して、端末側に再送信することが考えられている。
【0008】
つまり、このようにすれば、CATVシステムの端末側では、データ放送の受信機能を有する高価な受信機を設置することなく、データ放送を見ることができるようになり、特に、CATVシステムを運用している管理者側で各端末の受信機を設置しなければならない、ホテルや病院等のCATVシステムでは、少ない設備投資で、データ放送のサービスを実現できることになる。
【0009】
しかしながら、データ放送を行う放送局は、コンテンツの種類やメニュー画像を必要に応じて変更することから、上記のように、CATVシステムのヘッドエンド装置にデータ放送の受信機能を有する受信機を設けて、特定のコンテンツを端末側に再送信するようにすると、実際に端末側に伝送されるコンテンツが、設定したコンテンツから変化してしまうことがある。
【0010】
例えば、図6(a)に示すように、通常、メニュー画像の1番目(最上部)のコンテンツがニュース、2番目のコンテンツが気象情報、3番目のコンテンツがスポーツ、4番目のコンテンツが交通情報、…となるように、複数のコンテンツをメニュー画像上で優先順位を付けて送信してくる放送局において、選挙期間中だけは、図6(b)に示すように、メニュー画像の1番目のコンテンツを選挙速報として、通常行っていない選挙速報のコンテンツを通常のデータ放送に追加するとか、或いは、台風シーズンだけは、メニュー画像の1番目のコンテンツが気象情報、2番目のコンテンツがニュースとなるように、データ放送のメニュー画像上でコンテンツの順番を入れ替える、といったことが行われる。
【0011】
一方、データ放送の受信機能を有する受信機は、利用者のリモコン操作等によって指定されたメニュー画像上での順番に従い、所望のコンテンツを指定するように構成されており、各コンテンツの内容は把握できないことから、例えば、図6(a)に示すように、初期設定で、メニュー画像上で2番目のコンテンツである「気象情報」を受信するように設定された受信機においては、放送局から送信されてくるデータ放送の内容や順番が変化しても、メニュー画像上で2番目のコンテンツ(例えば、図6(b)に示す「ニュース」)を選局することになり、端末側に伝送されるデータ放送の内容(つまりコンテンツ)が初期設定時のものから変化してしまうのである。
【0012】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、複数のコンテンツからなるデータ放送を行う放送局からの放送信号を受信し、所定のコンテンツを選局・復調して端末側に再送信するCATVシステムにおいて、放送局が提供するコンテンツの数や順番が変化しても、常に同一のコンテンツを端末側に伝送できるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載のデータ放送用ヘッドエンド装置においては、受信手段が、複数のコンテンツからなるデータ放送を行う放送局からの放送信号を受信し、その放送信号の中からコンテンツの一つを選局・復調して、テレビ表示用の画像信号を生成する。すると、その生成された画像信号は、変調手段にて、所定チャンネルのCATV用伝送信号に変換され、他チャンネルのCATV用伝送信号と共に、CATVシステムの伝送線上に送出される。
【0014】
また、本発明のデータ放送用ヘッドエンド装置には、受信手段が受信した放送局からの放送信号の中から、現在放送中のコンテンツの種別を表す種別情報及び各コンテンツを指定するのに必要な受信機操作情報を、周期的に取得するデータ放送情報取得手段が備えられ、制御データ生成手段が、その取得した各コンテンツの種別情報及び受信機操作情報に基づき、受信手段に予め設定された特定コンテンツを選局・復調させるのに必要な制御データを生成し、受信制御手段が、その生成された制御データに基づき受信手段を制御することにより、受信手段に特定コンテンツを選局・復調させる。
【0015】
従って、本発明のデータ放送用ヘッドエンド装置によれば、放送局からの送信信号に含まれるコンテンツの数や順番が変化したとしても、その変化に対応して受信手段の受信動作が受信制御手段により制御されて、受信手段が選局・復調するコンテンツは、常に、予め設定された特定コンテンツとなる。
【0016】
よって、本発明のヘッドエンド装置を用いてCATVシステムを構築すれば、端末側に対して、常に特定のコンテンツが伝送されることになり、放送局側の都合によって、CATVシステムで伝送されるデータ放送の内容(つまりコンテンツ)が変化するのを防止できる。
【0017】
ここで、本発明を実現するには、現在放送中のデータ放送のコンテンツの種別を表す種別情報と、受信機を操作して各コンテンツを選局・復調させるのに必要な受信機操作情報との2種類の情報を、放送局側から送信する必要があるが、既存のBSデジタル放送や近い将来実現される地上波デジタル放送等のデジタル放送では、送信信号を構成するデータ放送用のパケット内に、コメントタグとして所望の情報を追加できることから、そのコメントタグに上述した種別情報や受信機操作情報を書き込むことにより、本発明を容易に実現できることになる。また、デジタル放送においては、このようなコメントタグを付与しても、データ放送の内容に悪影響を与えることはないため、端末側では、データ放送をテレビ受像機等の表示装置に問題なく表示できる。
【0018】
一方、本発明の受信手段としては、従来技術の項で説明したようなデータ放送受信機能を有する受信機をそのまま利用することができる。そして、データ放送情報取得手段、制御データ生成手段、及び、受信制御手段については、これら各手段の機能を受信機に組み込むことで実現することもできるし、受信機とは別体で構成したマイクロコンピュータ等からなる制御装置の機能として実現することもできる。
【0019】
また、特に、現在実用化されているBSデジタル放送の受信機を利用する場合には、従来技術の項で説明した受信機をそのまま受信手段として用い、データ放送情報取得手段、制御データ生成手段、及び、受信制御手段については、受信機とは別体で構成した制御装置にて構成し、受信制御手段による受信機の制御は、受信機に付属のリモコン装置を駆動制御するか、或いは、リモコン装置が外部操作によって発生する信号(一般にパルス幅変調された光信号)を発生可能な発光素子等からなる発信器を設けて、これを駆動制御するように構成するとよい。
【0020】
つまり、このようにすれば、既存のBSデジタル受信機をそのまま利用して本発明のヘッドエンド装置を実現できることになり、本発明を極めて簡単に実現できるようになる。
次に、本発明のヘッドエンド装置を実際に構成する場合、制御データ生成手段を、データ放送情報取得手段がデータ放送の種別情報及び受信機操作情報を取得する度に制御データを生成するように構成し、受信制御手段を、制御データ生成手段にて制御データが生成される度に受信手段を制御するように構成してもよいが、このようにすると、データ放送情報取得手段、制御データ生成手段、及び、受信制御手段が、放送局からのデータ放送の内容が変化したか否かに関わらず、所定周期で繰り返し動作してしまうことになる。
【0021】
従って、本発明のヘッドエンド装置を実際に構成する場合には、請求項2に記載のように、データ放送情報取得手段が各コンテンツの種別情報及び受信機操作情報を取得する度に、その情報が変化したか否か(換言すれば放送局から提供されるコンテンツの数や順番が変化したか否か)を判定する放送内容変化判定手段を設け、この判定手段が、情報が変化したと判定したときにだけ、制御データ生成手段を動作させるように構成するとよい。
【0022】
このようにすれば、放送局からのデータ放送の内容(詳しくはコンテンツの数や順番)が固定されている間は、制御データ生成手段の動作を停止させることができるため、制御データ生成手段による不要な演算動作を禁止して、演算動作に伴う消費電力の増加を抑制できる。
【0023】
尚、この場合、受信手段に対して、一つのコンテンツを選局させる際には、受信制御手段についても、放送内容変化判定手段が情報が変化したと判定したときにだけ、動作させるようにするとよい。
つまり、このようにすれば、放送局からのデータ放送の内容が固定されている間は、受信手段が同一のコンテンツを選局し続けることになり、その間、受信手段から出力される画像信号が周期的に変化するのを防止できる。
【0024】
即ち、受信制御手段が周期的に動作して、受信手段の制御を周期的に実行すると、その制御の実行の度に、受信手段から出力される画像信号が一時的に上述したメニュー画像の画像信号に変化してしまうことになるが、上記のように放送内容変化判定手段を設けて、放送局からのデータ放送の内容(コンテンツの数や順番)が変化したときにだけ、受信制御手段を動作させるようにすれば、受信手段から出力される画像信号がメニュー画像の画像信号に変化するのを必要最小限に抑えて、端末側でデータ放送を見ている利用者に対し違和感を与えるのを防止できる。
【0025】
次に、本発明のヘッドエンド装置では、受信制御手段が、制御データ生成手段にて生成された制御データに従い、受信手段を制御することから、受信手段に選局・復調させるコンテンツを複数設定しておき、各コンテンツを時分割で端末側に伝送させることもできる。そして、このためには、制御データ生成手段を、請求項3に記載のように構成すればよい。
【0026】
即ち、請求項3に記載のヘッドエンド装置において、制御データ生成手段は、受信手段に選局・復調させる特定コンテンツとして、外部から複数のコンテンツを設定できるように構成され、特定コンテンツとして複数のコンテンツが設定された際には、その設定された複数のコンテンツを順に選局・復調させるのに必要な制御データを生成する。この結果、受信制御手段は、複数のコンテンツを順に(換言すれば時分割で)選局・復調するように受信手段を制御することになり、端末側では、端末装置を所定チャンネルに固定しておくだけで、複数のコンテンツを順に見ることができるようになる。また、この場合、一つのチャンネルで複数のコンテンツを伝送できるので、CATVシステムにおける伝送チャンネルの有効利用を図ることができる。
【0027】
また本発明のヘッドエンド装置においては、上述したように、受信制御手段が受信手段を制御しているときに(換言すればコンテンツの選局若しくは切換中に)、一時的に、コンテンツ選択用のメニュー画像等の画像信号が端末側に伝送されることになる。
【0028】
そこで、本発明のヘッドエンド装置は、コンテンツの選局若しくは切換中に不要な画像信号が端末側に伝送されるのを防止するために、請求項4に記載のように、受信手段から変調手段に至る画像信号の伝送経路に、この経路を遮断するスイッチ手段を設け、受信制御手段が受信手段の受信動作を変化させる制御期間中には、受信制御手段がスイッチ手段をオフして受信手段から変調手段への画像信号の伝送経路を遮断させるように、制御データ生成手段が制御データを生成するよう構成するとよい。
【0029】
つまり、受信手段から変調手段に至る画像信号の伝送経路にスイッチ手段を設けて、制御データ生成手段を上記のように構成すれば、受信制御手段が受信手段の受信動作を変化させる制御期間中に、受信手段から出力されるメニュー画像等の不要な画像信号が端末側に伝送されるのを防止し、端末側でデータ放送(特定コンテンツ)を見ている利用者に対し違和感を与えるのを防止できる。
【0030】
尚、このようにスイッチ手段をオフして、受信手段から変調手段に至る画像信号の伝送経路を遮断させる場合、単に端末側へ画像信号が伝送されるのを禁止するようにしても良いが、例えば、スイッチ手段をオフする前のコンテンツの画像をラッチするラッチ回路を設けて、スイッチ手段をオフした際には、そのラッチ回路にラッチされた静止画の画像信号を変調手段に入力して、その静止画を端末側に伝送するようにしてもよい。
【0031】
次に、本発明は、データ放送再送信用の受信手段を一つ備えたヘッドエンド装置であっても、データ放送再送信用の受信手段を複数備えたヘッドエンド装置であっても適用できる。そして、請求項5に記載のように、受信手段として、一又は複数の放送局からの放送信号を各々受信し、その放送信号の中から互いに異なるコンテンツを選局・復調して、テレビ表示用の画像信号を生成する複数の受信手段を備えたヘッドエンド装置であれば、受信手段を除く各手段(つまり、変調手段、データ放送情報取得手段、制御データ生成手段、及び、受信制御手段、更には、放送内容変化判定手段、若しくはスイッチ手段)を、複数の受信手段の各々に対応して設けるようにすればよい。
【0032】
一方、請求項6に記載の発明は、上述した本発明のヘッドエンド装置を用いて構築されるCATVシステムに関するものであり、このCATVシステムにおいては、ヘッドエンド装置から伝送線上に送出されるデータ放送のチャンネルを含む多チャンネルの伝送信号を、伝送線を介して、複数の端末まで伝送する。
【0033】
従って、このCATVシステムによれば、端末側にデータ放送の受信機能を有する受信機を設けることなく、端末側で、システムから提供されるデータ放送(特定コンテンツ)を見ることができる。
そして、特に本発明のCATVシステムは、ホテル等の宿泊施設の部屋や病院の入院患者用の部屋に各種放送信号を配信する特定施設用のCATVシステムに適用すれば、その施設の各部屋にデータ放送の受信機能を有する受信機を設置することなく(換言すれば少ない設備投資で)、利用者に対するデータ放送の配信サービスを実現できることになる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された実施例のCATVシステム全体の構成を表す構成図である。
【0035】
本実施例のCATVシステムは、ホテル等の宿泊施設で、各部屋にラジオやテレビ放送の放送信号を再送信するものであり、図1に示すように、ヘッドエンド装置10側に、VHFテレビ放送(アナログ放送)を行う地上局からの放送電波を受信するVHFアンテナ2、UHFテレビ放送(アナログ放送)を行う地上局からの放送電波を受信するUHFアンテナ4、CS放送用の通信衛星(CS)からの放送電波を受信し、その受信信号を所定の中間周波数帯のCS受信信号に周波数変換して出力するCSアンテナ6、及び、BSデジタル放送を行う放送衛星(BS)からの放送電波を受信し、その受信信号を所定の中間周波数帯のBS受信信号に周波数変換して出力するBSアンテナ8を備える。
【0036】
そして、これら各アンテナからの受信信号は、夫々、ヘッドエンド装置10に設けられた送出装置12にて、信号レベルが適正レベルとなるように調整されると共に、必要に応じて予め設定されたチャンネル(周波数帯)の伝送信号に周波数変換されて、同軸ケーブルからなる伝送線L上に送出される。
【0037】
また、伝送線L上には、ヘッドエンド装置10(詳しくは送出装置12)から送出された各チャンネルの伝送信号を所定レベルまで増幅する増幅器14が設けられ、更に、この増幅器14よりも端末側には、伝送線Lを流れる伝送信号を各部屋に分岐若しくは分配する分岐器16や分配器18が設けられている。また、各部屋には、受信端末として、宿泊施設専用の料金徴収可能なチューナ19a、及び、テレビ受像機19bが設置されている。
【0038】
一方、ヘッドエンド装置10には、BSアンテナ8から入力されるBS受信信号を複数に分配する分配器11が設けられており、この分配器11にて分配されたBS受信信号の一つが送出装置12に直接入力される。また、他のBS受信信号は、ヘッドエンド装置10に設けられた複数のデータ放送選局部20に夫々入力される。
【0039】
データ放送選局部20は、分配器11を介して入力されるBS受信信号の中から、予め設定された放送局からの放送信号(換言すれば所定チャンネルの放送信号)を抽出し、その抽出した放送信号に含まれるデータ放送のコンテンツの一つを選局・復調して、データ放送表示用の画像信号を生成するBSデジタル受信機(本発明の受信手段に相当する)22と、BSデジタル受信機22で生成された画像信号を所定チャンネルのCATV用伝送信号に変換して、送出装置12に出力する変調器(本発明の変調手段に相当する)24と、を備える。
【0040】
尚、BSデジタル受信機(以下単に受信機という)22は、従来技術の項で説明したデータ放送の受信機能を有する既存の受信機であり、利用者は、付属のリモコン装置を操作して、データ放送のメニュー画像を表示させ、更に、そのメニュー画像上でコンテンツを指定することにより、所望のコンテンツを選局させることができる。
【0041】
ところで、受信機22は、付属のリモコン装置を操作して、選局・復調すべきコンテンツを予め設定しておいても、放送局から送信されてくるデータ放送の内容(コンテンツの数や順番)が変化すると、設定したコンテンツを選局・復調できなくなることがある。
【0042】
このため、データ放送選局部20には、受信機22から、現在受信中の放送信号に含まれるTS(Transport Stream)信号を取り込み、これを解読することにより、受信機22に対して所望のコンテンツを選局させるのに必要なデータ放送選局用データを取得し、その取得したデータに基づき受信機22を制御するマイクロコンピュータ(以下単にマイコンという)30と、マイコン30から出力される制御信号に従い、受信機22に対して、付属のリモコン装置と同じ形態の指令信号を送信するリモコン送信機32とが設けられている。
【0043】
尚、受信機22から変調器24に至る画像信号の伝送経路には、この経路を遮断するためのスイッチ(SW:本発明のスイッチ手段に相当する)26が設けられ、マイコン30は、受信機22が選局・復調するデータ放送を切り換えているときに、このスイッチ26をオフして、画像信号の伝送経路を遮断させる。
【0044】
次に、図2は、マイコン30がTS信号を解読することにより取得するデータ放送選局用データの一例を表す説明図である。
このデータ放送選局用データは、放送局が現在放送しているデータ放送のコンテンツの種別を表す種別情報としてのアイコン−情報名対応データ(図2(b)参照)と、受信機22に付属のリモコン装置を操作して受信機22に所望のコンテンツを選局させるのに必要な、受信機操作情報としてのリモコン操作−アイコン・情報選択遷移データ(図2(a)参照)とからなる。
【0045】
ここで、図2(a)に示すリモコン操作−アイコン・情報選択遷移データ(以下単に遷移データという)は、利用者がテレビ受像機の表示画面を見ながら受信機22のリモコン装置を操作することにより所望のコンテンツを選択する際のリモコン装置の操作手順を表すデータであり、図2(b)に示すアイコン−情報名対応データ(以下単に情報名データという)は、利用者がメニュー画像を利用して選択可能なコンテンツのアイコンの番号と各アイコンに対応するコンテンツの情報名を表すデータである。
【0046】
つまり、従来技術の項で説明したように、受信機22は、利用者がリモコン操作によって複数のコンテンツの中から所望のコンテンツを選択する際には、まず、放送局から送信されてきたメニュー画像表示用のデータに基づき、コンテンツ選択用のメニュー画像を生成し、これを、テレビ表示用の画像信号として出力することで、テレビ受像機にメニュー画像を表示させ、その後、利用者がリモコン操作によってメニュー画像上の特定のアイコンを指定すると、そのアイコンに対応したコンテンツを選局・復調するように構成されているが、こうしたデータ放送の選局操作は、利用者がテレビ受像機に表示されたメニュー画像を確認しながらリモコン装置を操作することにより実現できるものであり、マイコン30単体の動作では実現することができない。
【0047】
そこで、本実施例では、利用者がメニュー画像を確認しながらリモコン装置を操作した場合と同様の選局操作を、マイコン30のリモコン制御によって実現できるようにするために、放送局側から、利用者がデータ放送の各コンテンツを選択する際に行うリモコン操作の手順を表す遷移データ(受信機操作情報)と、そのリモコン操作によって選択されるコンテンツの種別を表す情報名データ(種別情報)とを提供するようにされているのである。
【0048】
この結果、マイコン30は、放送局側から提供される上記2種類のデータに基づきリモコン送信機32を駆動することにより、受信機22に対して、所定のコンテンツを自動で選局・復調させることができるようになる。
尚、図2に示す遷移データ(受信機操作情報)及び情報名データ(種別情報)は、利用者のリモコン操作によってテレビ受像機の表示画面が図3に示すように遷移する場合に設定されたデータである。
【0049】
即ち、図3に示す画面遷移図では、利用者のリモコン操作によって、テレビ受像機の表示画面が以下のように遷移する。
まず、受信機22がテレビ放送を選局・復調している際(換言すればテレビ放送画像表示中)に、リモコン装置の「データ」キーを押下すると、テレビ受像機の表示画面が、コンテンツの種別(本実施例では、「ニュース」、「気象情報」、スポーツ」からなる3種類)を表すアイコンK1、K2、K3を用いて所望のコンテンツを選択するためのメインメニュー(図3参照)に切り替えられ、更に、メインメニューの中の1番目のアイコン(本実施例では「ニュース」を表すアイコン)K1を選択して、リモコン装置の「決定」キーを押下すると、テレビ受像機の表示画面が、「ニュース」に属する3種類のコンテンツ(本実施例では、「政治・経済」、「社会」、「国際」)を表すアイコンK4、K5、K6を用いて所望のコンテンツを選択するためのサブメニューに切り替えられる。
【0050】
また、メインメニューの中の2番目のアイコン(本実施例では「気象情報」を表すアイコン)K2を選択して、リモコン装置の「決定」キーを押下すると、テレビ受像機の表示画面が、「気象情報」に属する3種類のコンテンツ(本実施例では、「全国の天気」、「全国の気温」、「各地の天気」)を表すアイコンK7、K8、K9を用いて所望のコンテンツを選択するためのサブメニューに切り替えられ、メインメニューの中の3番目のアイコン(本実施例では「スポーツ」を表すアイコン)K3を選択して、リモコン装置の「決定」キーを押下すると、受信機22が「スポーツ」のコンテンツを選局・復調するようになって、テレビ受像機に、その放送内容を表す情報Gが表示され、更に、情報Gの表示中にリモコン装置の「戻る」キーを押下すると、テレビ受像機の表示画面が、メインメニューに切り替えられる。
【0051】
また次に、アイコンK1に対応する(換言すれば「ニュース」に属する)サブメニューの表示中に、サブメニューの中の1番目のアイコンK4を選択して、リモコン装置の「決定」キーを押下すると、受信機22が「政治・経済」ニュースのコンテンツを選局・復調するようになって、テレビ受像機に、その放送内容を表す情報Aが表示され、同じく2番目のアイコンK5を選択して、リモコン装置の「決定」キーを押下すると、受信機22が「社会」ニュースのコンテンツを選局・復調するようになって、テレビ受像機に、その放送内容を表す情報Bが表示され、同じく3番目のアイコンK6を選択して、リモコン装置の「決定」キーを押下すると、受信機22が「国際」ニュースのコンテンツを選局・復調するようになって、テレビ受像機に、その放送内容を表す情報Cが表示され、同じくリモコン装置の「戻る」キーを押下すると、テレビ受像機の表示画面が、メインメニューに切り替えられる。また、情報A、情報B、若しくは情報Cの表示中に、リモコン装置の「戻る」キーを押下すると、テレビ受像機の表示画面が、「ニュース」に属するサブメニューに切り替えられる。
【0052】
一方、アイコンK2に対応する(換言すれば「気象情報」に属する)サブメニューの表示中に、サブメニューの中の1番目のアイコンK7を選択して、リモコン装置の「決定」キーを押下すると、受信機22が「全国の天気」のコンテンツを選局・復調するようになって、テレビ受像機に、その放送内容を表す情報Dが表示され、同じくアイコンK8を選択して、リモコン装置の「決定」キーを押下すると、受信機22が「全国の気温」のコンテンツを選局・復調するようになって、テレビ受像機に、その放送内容を表す情報Eが表示され、同じくアイコンK9を選択して、リモコン装置の「決定」キーを押下すると、受信機22が「各地の天気」のコンテンツを選局・復調するようになって、テレビ受像機に、その放送内容を表す情報Fが表示され、同じくリモコン装置の「戻る」キーを押下すると、テレビ受像機の表示画面が、メインメニューに切り替えられる。また、情報D、情報E、若しくは情報Fの表示中に、リモコン装置の「戻る」キーを押下すると、テレビ受像機の表示画面が、「気象情報」に属するサブメニューに切り替えられる。
【0053】
また、テレビ受像機にメインメニュー、サブメニュー、若しくはコンテンツ(情報A〜情報Gの何れか)が表示されているときに、リモコン装置の「データ」キーを押下すると、受信機22がテレビ放送を選局・復調するようになって、テレビ受像機にテレビ放送画像が表示される。
【0054】
このため、図2(a)に示す遷移データ(受信機操作情報)には、テレビ放送受信中にメインメニューを表示させて、所望のアイコンK1〜K3を選択するためのリモコン操作や、メインメニューから上記2種類のサブメニューを表示させて所望のアイコンK4〜K9を選択するためのリモコン操作、或いは、アイコンK3〜K9の何れかを選択した後、各アイコンK3〜K9に対応する情報G,A〜Fを表示させるためのリモコン操作等が記述され、図2(b)に示す情報名データ(種別情報)には、上述した各アイコンK1〜K9と、これに対応するコンテンツの情報名、即ち、「ニュース」、「気象情報」、「スポーツ」、「政治・経済」、「社会」、「国際」、「全国の天気」、「全国の気温」、「各地の天気」が記述されている。
【0055】
次に、図4は、マイコン30において実行されるデータ放送選局制御処理を表すフローチャートである。尚、この処理を実行するに当たって、マイコン30のメモリ(ROM又はバックアップRAM)には、受信機22に選局・復調させるべきコンテンツの数m、コンテンツの情報名、及び、各コンテンツの連続再送信時間T1〜Tmからなるコンテンツ再送信条件が、予め記憶されているものとする。
【0056】
図4に示すように、このデータ放送選局制御処理では、まずS110(Sはステップを表す)にて、受信機22からTS信号を取り込み、これを解析することにより、上述したデータ放送選局用データを取得し、続くS120にて、メモリから、予め設定されたコンテンツ再送信条件を読み込む。
【0057】
そして、続くS130では、S120で読み込んだコンテンツ再送信条件と、S110で取得したデータ放送選局用データとに基づき、受信機22に対して、コンテンツ再送信条件に従い1又は複数のコンテンツを所定時間毎に順に選局・復調させるための制御データを生成する。
【0058】
ここで、制御データは、例えば、図5に示す如く生成される。尚、図5は、コンテンツ再送信条件が、「政治・経済」ニュースと、「社会」ニュースと、「全国の天気」との3種類のコンテンツを、夫々、連続再送信時間T1、T2、T3で順に再送信させるように設定されている場合に、図2に示したデータ放送選局用データに基づき生成される制御データを表す。
【0059】
そして、この制御データは、受信機22に対して、上記3種類のコンテンツを以下の手順で選局・復調させて、これら各コンテンツを順に再送信させるように生成される。
つまり、制御データは、1番目のコンテンツ(「政治・社会」ニュース)を連続再送信時間T1の間再送信するために、まず、リモコン装置を「データ」キー、「決定」キー、「決定」キーの順で操作したときと同様の指令信号をリモコン送信機32から送信させて、受信機22側で選択されるアイコン若しくは情報を、K1→K4→情報Aの順で遷移させ、その後、スイッチ26を所定の再送信時間T1だけオンして、受信機22で生成された情報Aの画像信号(つまり「政治・経済」ニュースの画像信号)を、変調器24に出力させるように生成される。
【0060】
この結果、ヘッドエンド装置10から伝送線上には、連続再送信時間T1の間、「政治・経済」ニュースの画像をテレビ受像機に表示させるための信号が、所定チャンネルの伝送信号として送出されることになり、このとき、端末側のチューナ19aで、このチャンネルが選局されていれば、テレビ受像機19bに、「政治・経済」ニュースの画像(情報A)が表示されることになる。
【0061】
また、次に、制御データは、2番目のコンテンツ(「社会」ニュース)を連続再送信時間T2の間再送信するために、リモコン装置を「戻る」キー、「↓」キー、「決定」キーの順で操作したときと同様の指令信号をリモコン送信機32から送信させて、受信機22側で選択されるアイコン若しくは情報を、K4→K5→情報Bの順で遷移させ、その後、スイッチ26を連続再送信時間T2だけオンして、受信機22で生成された情報Bの画像信号(つまり「社会」ニュースの画像信号)を、変調器24に出力させるように生成される。
【0062】
この結果、ヘッドエンド装置10から伝送線上には、連続再送信時間T2の間、「社会」ニュースの画像をテレビ受像機に表示させるための信号が、所定チャンネルの伝送信号として送出されることになり、このとき、端末側のチューナ19aで、このチャンネルが選局されていれば、テレビ受像機19bに、「政治・経済」ニュースの画像(情報B)が表示されることになる。
【0063】
また次に、制御データは、最後(3番目)のコンテンツ(「全国の天気」)を連続再送信時間T3の間再送信させるために、リモコン装置を「戻る」キー、「戻る」キー、「↓」キー、「決定」キー、「決定」キーの順で操作したときと同様の指令信号をリモコン送信機32から送信させて、受信機22側で選択されるアイコン若しくは情報を、K5→K1→K2→K7→情報Dの順で遷移させ、その後、スイッチ26を所定の再送信時間T3だけオンして、受信機22で生成された情報Dの画像信号(つまり「全国の天気」の画像信号)を、変調器24に出力させ、その後、最後の連続再送信時間T3が経過して、スイッチ26をオフすると、リモコン装置の「データ」キーを押下したときと同様の指令信号をリモコン送信機32から送信させて、受信機22に対して、テレビ放送を選局させるように生成される。
【0064】
この結果、ヘッドエンド装置10から伝送線上には、連続再送信時間T3の間、「全国の天気」の画像をテレビ受像機に表示させるための信号が、所定チャンネルの伝送信号として送出されることになり、このとき、端末側のチューナ19aで、このチャンネルが選局されていれば、テレビ受像機19bに、「全国の天気」の画像(情報D)が表示されることになる。
【0065】
次に、上記のようにS130にて制御データが生成されると、今度はS140に移行し、カウンタnを値「1」に初期設定する。そして、続くS150では、S130で生成した制御データに従いリモコン送信機32及びスイッチ26をオンすることにより、受信機22から変調器24に、カウンタnの値に対応したn番目のコンテンツの画像信号を連続再送信時間Tnだけ出力させ、その後、続くS160にて、カウンタnの値をインクリメント(n←n+1)する。
【0066】
そして、続くS170では、カウンタnの値が、再送信すべきコンテンツの数mに値「1」を加えた値「m+1」に達したか否かを判断することにより、再送信すべきm個のコンテンツの再送信が完了したか否かを判断し、n<「m+1」で、m個のコンテンツの再送信が完了していなければ、再度S150に移行して、受信機22に対して、次に再送信すべきコンテンツを選局させ、そのコンテンツの画像信号を連続再送信時間だけ変調器24に出力させる。
【0067】
一方、S170にて、n=「m+1」であると判断された場合、つまり、m個のコンテンツの再送信が完了した場合には、S180に移行し、S110と同様の手順で、上述したデータ放送選局用データを取得する。
そして、続くS190では、S180で取得したデータ放送選局用データが、S110若しくはS180で前回取得したデータ放送選局用データから変化しているか否かを判断し、データ放送選局用データが変化していれば、放送局から送信されてくるデータ放送のコンテンツの数若しくは順番が変更されたと判断して、S120に移行し、S120,S130の処理によって、今回取得した最新のデータ放送選局用データとメモリに格納されたコンテンツ再送信条件とに基づき、再送信すべきコンテンツを所定の連続再送信時間で順に再送信するための制御データを再度生成して、S140以降の処理を実行する。
【0068】
一方、S190にて、データ放送選局用データは変化していないと判断されると、制御データを生成し直す必要はないので、S140に移行し、上述したS140以降の処理を再度実行する。
尚、本実施例において、S110及びS180の処理は、本発明のデータ放送情報取得手段に相当し、S130の処理は、本発明の制御データ生成手段に相当し、S140〜S170の一連の処理は、本発明の受信制御手段に相当し、S190の判定処理は、本発明の放送内容変化判定手段に相当する。
【0069】
以上説明したように、本実施例のCATVシステムにおいては、ヘッドエンド装置10に、BSデジタル放送を受信するBSアンテナ8からのBS受信信号の中から、予め設定された放送局からの放送信号を抽出し、その抽出した放送信号に含まれる複数のコンテンツの内の一つを選局・復調して、データ放送表示用の画像信号を生成する受信機22を備えた、複数のデータ放送選局部20が設けられている。
【0070】
そして、データ放送選局部20では、マイコン30が、受信機22が受信している放送信号(詳しくはTS信号)から、データ放送選局用データ(コンテンツの種別を表す種別情報としての情報名データ、及び、受信機操作情報としての遷移データ)を取得し、このデータ放送選局用データと、端末側に再送信すべきコンテンツの数,情報名、及びその連続再送信時間を表すコンテンツ再送信条件とに基づき、受信機22を制御するための制御データを生成し、この制御データに従い、リモコン送信機32を駆動することにより、受信機22に対して、コンテンツ再送信条件に対応した1又は複数のコンテンツを順に選局・復調させる。
【0071】
このため、本実施例のCATVシステムによれば、BSデジタル放送を行う放送局からの放送信号に含まれるコンテンツの数や順番が変化したとしても、その変化に対応して、受信機22の受信動作が制御されて、受信機22は、常に、コンテンツ再送信条件を満足するように、コンテンツを選局・復調することになる。
【0072】
よって、本実施例のCATVシステムによれば、端末側には、常に所望のコンテンツが再送信されることになり、放送局側の都合によって、CATVシステムで伝送されるコンテンツが変化するのを防止できる。
また、本実施例では、受信機22の選局動作を制御するための制御データは、S180にて、TS信号からデータ放送選局用データを取得する度に生成するのではなく、データ放送選局用データが変化したときにだけ、生成するようにされている。このため、本実施例によれば、TS信号から取得したデータ放送選局用データが変化していないにも関わらず、制御データ更新用の演算動作が実行されるのを防止することができる。
【0073】
また、本実施例では、マイコン30のメモリに、複数のコンテンツを順に再送信するためのコンテンツ再送信条件を記憶しておけば、一つのデータ放送選局部20を用いて、複数のコンテンツを時分割で再送信することができるようになり、端末側では、受信チャンネルをそのデータ放送のチャンネルに固定しておけば、複数のコンテンツを順に見ることができるようになる。また、この場合、一つのチャンネルで複数のコンテンツを伝送できるので、CATVシステムにおける伝送チャンネルの有効利用を図ることができる。
【0074】
一方、本実施例では、受信機22から変調器24に至る画像信号の伝送経路にスイッチ26を設けて、受信機22が選局するコンテンツを切り替えているときには、このスイッチ26をオフすることで、受信機22の選局動作中のメニュー画像(メインメニューやサブメニュー)が端末側に伝送されるのを防止している。従って、本実施例によれば、こうしたデータ放送のコンテンツ以外の不要な画像が端末側のテレビ受像機に表示されて、利用者に違和感を与えるのを防止できる。
【0075】
また、本実施例では、データ放送選局部20に設けられる受信手段としての受信機22に、従来より市販されている既存のBSデジタル受信機を使用しており、本発明を適用するために、特別な仕様の受信機を別途準備する必要がないため、本発明のヘッドエンド装置10を容易に実現できる。
【0076】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、受信機22が生成したデータ放送選局用のメニュー画像が端末側に伝送されるのを防止するために、スイッチ26をオフするものとして説明したが、スイッチ26をオフした際には、端末側のテレビ受像機に何も表示されなくなるので、スイッチ26をオフしている間、所定の静止画を端末側に伝送するようにしてもよい。
【0077】
また、上記実施例のCATVシステムは、ホテル等の宿泊施設にて構築されるものとして説明したが、本発明は、契約している加入者宅にテレビ放送等を再送信するCATVシステムであっても、或いは、自主放送を含む放送信号を加入者宅に配信するCATVシステムであっても、上記実施例と同様に適用して、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のCATVシステムの概略構成を表す説明図である。
【図2】 実施例のマイコンがTS信号から取得するデータ放送選局用データを表す説明図である。
【図3】 利用者がリモコン操作によってBSデジタル受信機を制御した際の表示画面の遷移を表す説明図である。
【図4】 実施例のマイコンにおいて実行されるデータ放送選局制御処理を表すフローチャートである。
【図5】 制御データの構成例及びこの制御データに対応したアイコン・情報の選択状態並びに表示画像の遷移を表す説明図である。
【図6】 BSデジタル受信機だけでデータ放送の特定コンテンツを選局するようにした場合の問題点を説明する説明図である。
【符号の説明】
8…BSアンテナ、10…ヘッドエンド装置、11…分配器、12…送出装置、14…増幅器、16…分岐器、18…分配器、19a…チューナ、19b…テレビ受像機、20…データ放送選局部、22…受信機(BSデジタル受信機)、24…変調器、26…スイッチ、30…マイコン、32…リモコン送信機。
Claims (6)
- 複数のコンテンツからなるデータ放送を行う放送局からの放送信号を受信し、該放送信号の中から前記コンテンツの一つを選局・復調して、テレビ表示用の画像信号を生成する受信手段と、
該受信手段にて生成された画像信号を所定チャンネルのCATV用伝送信号に変換する変調手段と、
を備え、該変調手段からのCATV用伝送信号を他チャンネルのCATV用伝送信号と共にCATVシステムの伝送線上に送出するデータ放送用ヘッドエンド装置であって、
所定周期で動作し、前記受信手段が受信した前記放送局からの放送信号の中から、現在放送中のコンテンツの種別を表す種別情報及び各コンテンツを指定するのに必要な受信機操作情報を取得するデータ放送情報取得手段と、
該データ放送情報取得手段が取得した前記各コンテンツの種別情報及び受信機操作情報に基づき、前記受信手段に予め設定された特定コンテンツを選局・復調させるのに必要な制御データを生成する制御データ生成手段と、
該制御データ生成手段にて生成された制御データに基づき前記受信手段を制御することにより、前記受信手段に前記特定コンテンツを選局・復調させる受信制御手段と、
を備えたことを特徴とするデータ放送用ヘッドエンド装置。 - 前記データ放送情報取得手段が前記各コンテンツの種別情報及び受信機操作情報を取得する度に、該情報が変化したか否かを判定し、該情報が変化したときに、前記制御データ生成手段を動作させる放送内容変化判定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のデータ放送用ヘッドエンド装置。
- 前記制御データ生成手段は、受信手段に選局・復調させる特定コンテンツとして、外部から複数のコンテンツを設定可能に構成され、前記特定コンテンツとして複数のコンテンツが設定された際には、該設定された複数のコンテンツを順に選局・復調させるのに必要な制御データを生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデータ放送用ヘッドエンド装置。
- 前記受信手段から前記変調手段に至る画像信号の伝送経路に、該経路を遮断するスイッチ手段を備え、
前記制御データ生成手段は、少なくとも前記受信制御手段が前記受信手段の受信動作を変化させる制御期間中には、前記受信制御手段が前記スイッチ手段をオフして前記受信手段から前記変調手段への画像信号の伝送経路を遮断させるように、前記制御データを生成することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のデータ放送用ヘッドエンド装置。 - 前記受信手段として、一又は複数の放送局からの放送信号を各々受信し、該放送信号の中から互いに異なるコンテンツを選局・復調して、テレビ表示用の画像信号を生成する複数の受信手段を備え、
前記受信手段を除く各手段は、該複数の受信手段の各々に対応して設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4何れか記載のデータ放送用ヘッドエンド装置。 - 請求項1〜請求項5の何れかに記載のデータ放送用ヘッドエンド装置を備え、該ヘッドエンド装置から伝送線上に送出された多チャンネルの伝送信号を、該伝送線を介して、複数の端末まで伝送することを特徴とするCATVシステム。
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