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JP4420999B2 - Fluorine-containing silane compound, antifouling composition and antifouling article - Google Patents

Fluorine-containing silane compound, antifouling composition and antifouling article Download PDF

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JP4420999B2 JP05551299A JP5551299A JP4420999B2 JP 4420999 B2 JP4420999 B2 JP 4420999B2 JP 05551299 A JP05551299 A JP 05551299A JP 5551299 A JP5551299 A JP 5551299A JP 4420999 B2 JP4420999 B2 JP 4420999B2
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【0001】
【発明の属する技術分野】
基材表面に汚れが付着しにくく、かつ汚染物の除去が容易な性質を付与する高耐久性の含フッ素シラン化合物および同化合物を主成分にする防汚性組成物、ならびに透明基材表面にその防汚性組成物を被覆した防汚性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示装置などに使用される反射防止処理した表面などの透明基材は指紋などの汚れが付着しやすく、透明性や反射性を損なうため、表面に撥水・撥油性の塗膜を形成させる方法で防汚性を改善する試みがなされている。このような防汚層を得る方法として含フッ素化合物を使用して撥水撥油膜を得る試みが知られており、近年、例えば特開平2−22372のようにパーフルオロアルキル基を有するシラン化合物を溶媒に溶解した後、基板にコーティングして撥水撥油層を形成する方法が知られるようになった。しかし、これらの含フッ素被膜は撥水撥油性には優れるが、指紋の付着しやすさや指紋の除去性に問題があり、また、膜自体の強度が弱く被膜の耐久性にも問題があるため表示画面表面に使用するには満足し得ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
表示装置などに用いられる透明基材は人が使用するに際し、指紋、サインペン、化粧、汗などの汚れが付着しやすく、一度付着するとその汚れは除去しにくい。そのため本発明では、上記従来技術の欠点を解消した非常に簡便な手法により合成することができる含フッ素シラン化合物および同化合物を主成分にする防汚性組成物、ならびに透明基材表面にその防汚性組成物を被覆した、汚れが付着しにくく、かつ汚染物の除去が容易で、膜強度、耐磨耗性に優れた防汚性物品を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達するために本発明の防汚性組成物は、下記構成を有する。
「(1)下式で表される化合物Aと多官能性アミンとイソシアネートシランまたはエポキシシランとの反応物であり、化合物Aとイソシアネートシランまたはエポキシシランが、化学構造的に多官能性アミンを介して結合していることを特徴とする含フッ素シラン化合物。
【0005】
Rf(COOH)m
(式中、Rfは含フッ素オキサアルキル基、含フッ素アルキル基、含フッ素オキサアルキレン基および含フッ素アルキレン基から選ばれる少なくとも一種を含む有機基、mは1〜4の整数)
(2)化合物Aと多官能性イソシアネートとヒドロキシシランまたはアミノシランまたはカルボキシシランとの反応物であり、化合物Aとヒドロキシシランまたはアミノシランまたはカルボキシシランが、化学構造的に多官能性イソシアネートを介して結合していることを特徴とする含フッ素シラン化合物。
(3)化合物Aとイソシアネートシランが結合していることを特徴とする含フッ素シラン化合物。
(4)化合物Aとアミノシランが結合していることを特徴とする含フッ素シラン化合物。
(5)同上の含フッ素シラン化合物を主成分とする防汚性組成物。
(6)透明基材上に同上の防汚性組成物が被覆されてなることを特徴とする防汚性物品。」
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の上記化合物Aは、含フッ素カルボン酸として具体的には以下のものが挙げられる。
【0007】
Af-(CH2)k-COOH
HOOC-(CH2)k-Bf-(CH2)k-COOH
式中、kは0〜4の整数であり、 l,mは1〜15の整数である。Afは、F(CF2)n(nは2以上12以下の整数)で表されるパーフルオロアルキレンあるいは(CF2CF(CF3)O)、(CF2CF2O)、(CF2O)、(CF(CF3)O)を主成分として含む1価の有機基が挙げられる。Bfとしては、(CF2)n(nは2以上12以下の整数)で表されるパーフルオロアルキレンあるいは(CF2CF(CF3)O)、(CF2CF2O)、(CF2O)、(CF(CF3)O)を主成分として含む二価の有機基が挙げられる。
【0008】
より高い防汚性を得るためには、Af、Bfは主鎖が屈曲性を有し、分子量が大きく、フッ素含率が高い後者のパーフルオロポリエーテルを含む構造が好ましい。なかでも上記含フッ素ポリエーテル基をランダムに分布した配列よりなるものが主鎖の屈曲性から高い防汚性が得られる。
本発明の化合物Aとして、さらに具体的には、下記の物が挙げられる。
【0009】
F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)COOH
F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)CH2OCOCF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2COOH
HOOCCF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2COOH
式中、pとqは、1以上、好ましくは2〜200の整数である。
【0010】
化合物Aのカルボキシル基に関しては、1分子当たり1個または2個である場合が好ましい。カルボキシル基が3個を越えると、化合物Aと多官能性アミンとが反応してアミド結合を形成する際、副生物が多量に発生する傾向がある。
【0011】
化合物Aの分子量としては、500以上20000以下が好ましく、より好ましくは1000以上15000以下である。分子量が500未満だと防汚性が低下し、20000を越えると、防汚膜の膜強度が低下しやすいのと、合成の際の反応性が低下する傾向がある。
【0012】
本発明の請求項1について説明する。含フッ素シラン化合物を合成するために使用する多官能性アミンの例としては、アミノ基を二つ以上含む脂肪族、脂環族および芳香族系化合物が挙げられる。具体的にはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノベンゼンなどが挙げられる。
【0013】
本発明の含フッ素シラン化合物は、化合物Aとイソシアネートシランまたはエポキシシランとが、化学構造的に多官能性アミンを介して結合している化合物である。この場合、化合物Aと多官能性アミンとを先に反応させて末端アミン体を合成し、続いて末端アミノ基へイソシアネートシランまたはエポキシシランを反応させるか、多官能性アミンとイソシアネートシランまたはエポキシシランを先に反応させて片末端アミン体を合成し、引き続き化合物Aと反応させる方法で本発明の化合物を合成することが可能である。
【0014】
カルボキシル基とアミノ基の反応は、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミドなどの縮合剤を使用する方法が一般に良く知られている。
【0015】
このような方法で得られる、本発明に適する化合物Aと多官能性アミンの反応物の例を下記する。
【0016】
F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)CONH(CH2CH2)q(CH2CH2NH)r(NH)sH
(式中、pは1以上、好ましくは2〜120の整数。qは0か、1〜10の整数。rは0か、1〜6の整数。sは0か1である。qとrは同時にいずれかが0であり、qが0ならsは0、rが0ならsは1である)
H2NCH2CH2HNHOCCF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2CONHCH2CH2NH2
(式中、pとqは、1以上、好ましくは2〜200の整数である)
本発明で使用するイソシアネートシランとしては、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシランなどがある。
【0017】
これらのイソシアネートシランと上記化合物A、多官能性アミンの反応物との反応、即ちイソシアネート基とアミノ基の反応は一般的に知られている方法で容易に起こる。
【0018】
また、本発明で使用するエポキシシランとしては、エポキシ基、グリシジル基あるいは脂環式エポキシ基を一つ以上とクロロシラン基、アルコキシシラン基あるいはアミノシラン基などの加水分解性のシラン基を一つ以上有する化合物が挙げられる。具体的には3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3ーグリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、N−グリシジル−N,N−ビス[3−(メイルジメトキシシリル)プロピル]アミン、N−グリシジル−N,N−ビス「3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミンなどがある。
【0019】
これらのエポキシシランと上記化合物A、多官能性アミンの反応物との反応、即ちエポキシ基とアミノ基の反応は一般的に知られている方法で容易に起こる。
【0020】
本発明の含フッ素シラン化合物は、化合物Aと多官能性アミンとイソシアネートシランまたはエポキシシランとの反応物であり、イソシアネートシランとエポキシシランが混合されて用いられても良い。なお、上記したシラン類は、加水分解性に関して三官能性のタイプが、防汚膜にした時の膜強度を高くしやすいので好ましい。
【0021】
本発明においては多官能性アミンを使用するため、オリゴマーやポリマーが副生しやすい。そのため、各合成段階において、必要に応じ蒸留などの精製を行い、目標化合物の分離を行うことが好ましい。
【0022】
本発明の請求項2について説明する。含フッ素シラン化合物を合成するために使用する多官能性イソシアネートの例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどを挙げられるが、副生物の生成をできるだけ少なくするために、2官能性イソシアネートが好ましい。なかでも、トリレンジイソシアネートが分子量が低く、反応後の副生物の精製分離をしやすいため、好ましい。
【0023】
カルボニル基とイソシアネート基の反応は比較的容易であり、一般的に知られている方法で化合物Aと多官能性イソシアネートとを結合することができる。本発明に使用できる化合物の例を下記する。
【0024】
F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)COHNC6H3(CH3)NCO
(式中、pは1以上、好ましくは2〜120の整数である)
OCNC6H3(CH3)NHOCCF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2COHNC6H3(CH3)NCO(式中、pとqは、1以上、好ましくは2〜200の整数である)
また、ヒドロキシシランとしては、ヒドロキシ基を一つ以上とクロロシラン基、アルコキシシラン基あるいはアミノシラン基などの加水分解性のシラン基を一つ以上有する化合物が挙げられる。具体的にはヒドロキシメチルトリエトキシシラン、同化合物の縮合オリゴマーなどがある。
【0025】
また、アミノシランの例としては、アミノ基を一つ以上とクロロシラン基、アルコキシシラン基あるいはアミノシラン基などの加水分解性のシラン基を一つ以上有する化合物が挙げられる。具体的には4−アミノブチルトリエトキシシラン、n−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げられる。
【0026】
また、カルボキシシランの例としては、カルボキシ基を一つ以上とクロロシラン基、アルコキシシラン基あるいはアミノシラン基などの加水分解性のシラン基を一つ以上有する化合物が挙げられる。具体的にはカルボキシメチルトリエトキシシランなどがある。
【0027】
なお、上記したシラン類は、加水分解性に関して三官能性のタイプが、防汚膜にした時の膜強度を高くしやすいので好ましい。
【0028】
本発明の含フッ素シラン化合物は、化合物Aと多官能性イソシアネートとヒドロキシシランまたはアミノシランまたはカルボキシシランとの反応物であり、これらは混合して用いることができる。含フッ素シラン化合物は、化合物Aとヒドロキシシランまたはアミノシランまたはカルボキシシランとが、化学構造的に多官能性イソシアネートを介して結合している化合物である。この場合、化合物Aと多官能性イソシアネートとを先に反応させて末端イソシアネート体を合成し、続いて末端イソシアネートへヒドロキシシランまたはアミノシランまたはカルボキシシランを反応させるか、多官能性イソシアネートとヒドロキシシランまたはアミノシランまたはカルボキシシランを先に反応させて片末端イソシアネート体を合成し、引き続きる化合物Aと反応させる方法で本発明の化合物を合成することが可能である。いずれの反応も、比較的容易に起こり、一般に知られている方法を用いることができる。
【0029】
多官能性イソシアネートを使用するため、上記どちらの合成プロセスをとるにしても、オリゴマーやポリマーが副生しやすい。そのため、各合成段階において、必要に応じ蒸留などの精製を行い、目標化合物の分離を行うことが好ましい。
【0030】
次に、本発明の請求項3について説明する。含フッ素シラン化合物を合成するために使用するイソシアネートシランの例としては、イソシアネート基を一つ以上とクロロシラン基、アルコキシシラン基あるいはアミノシラン基などの加水分解性のシラン基を一つ以上有する化合物が挙げられる。具体的には3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
【0031】
化合物Aのカルボキシル基とイソシアネートシランのイソシアネート基との反応は比較的容易に起こり、一般に知られている方法を用いることができる。
【0032】
次に、本発明の請求項4について説明する。含フッ素シラン化合物を合成するために使用するアミノシランの例としては、アミノ基を一つ以上とクロロシラン基、アルコキシシラン基あるいはアミノシラン基などの加水分解性のシラン基を一つ以上有する化合物が挙げられる。具体的には4−アミノブチルトリエトキシシラン、n−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げられる。上記したシラン類は、加水分解性に関して三官能性のタイプが、防汚膜にした時の膜強度を高くしやすいので好ましい。
【0033】
化合物Aのカルボキシル基とアミノシランのアミノ基との反応は、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミドなどの縮合剤を使用する方法が一般に良く知られている。
【0034】
上記の請求項1、2、3、4に対応する含フッ素シラン化合物は、加水分解せずにそのまま用いても本発明を達成できるが、事前に加水分解または加水分解縮合したものを用いても良い。 加水分解または加水分解縮合する場合は、上記化合物を溶媒に溶解した状態または溶解しない状態で、純水または塩酸、酢酸、リン酸、硝酸あるいは硫酸などの酸性水溶液を添加、撹拌することによって達成される。さらに純水、あるいは酸性水溶液の添加量を調節することによって加水分解の度合をコントロ―ルすることも可能である。加水分解に際しては、加水分解性基と等モル以上、3倍モル以下の純水または酸性水溶液の添加が硬化促進の点で特に好ましい。
【0035】
本発明では、膜強度を高めるような目的で、請求項1、2、3、4に対応する上記の含フッ素シラン化合物以外に、メチルシリケ―ト、エチルシリケ―ト、n−プロピルシリケ―ト、i−プロピルシリケ―ト、n−ブチルシリケ―ト、sec−ブチルシリケ―トおよびt−ブチルシリケ―トなどのテトラアルコキシシラン類、さらにはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランなどのシラン化合物を配合することも可能である。これらの多官能有機珪素化合物あるいはその加水分解物は、本発明の含フッ素シラン化合物あるいはその加水分解物100重量部に対し、1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部添加しても良い。添加量が1重量部未満では、膜強度の改善効果が少なく、100重量部を越えると防汚性能が低下する傾向がある。
【0036】
このようにして含フッ素シラン化合物を主成分にする防汚性組成物が形成される。この防汚性組成物そのものあるいは溶媒に溶解したもの、分散媒に分散したものを透明基材上に被覆すれば防汚性の透明物品が得られる。被覆方法としてはウエットプロセスとドライプロセスが挙げられる。
【0037】
ウエットプロセスとしては特に限定するものではないが、スピンコート、ディップコート、ダイコート、スプレーコート、バーコート、ロールコート、カーテンフローコート、グラビアコートなどの溶液コート法により含フッ素シラン化合物を含む塗料を塗布し、溶媒を除去し、必要に応じて室温あるいは加熱して硬化する。使用する溶媒としては一般の極性溶媒あるいはパーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、トリフルオロキシレン等のフッ素系の溶媒が好ましい。
【0038】
また、分子内のアルコキシシラン基を加水分解し、シロキサン結合による縮合を促進するために、純水または塩酸、酢酸、リン酸、硝酸あるいは硫酸などの酸性水溶液あるいは硬化促進のためアルミニウムアセチルアセトナートなどの金属アルコキシドを添加していても構わない。その他に、防汚性能、光学性能、表面性能を改質するためにフッ素系界面活性剤あるいはシリコン系界面活性剤などの界面活性剤を添加しても良い。
【0039】
また、被膜の硬度を向上させるために防汚性組成物100重量部に対して、シリカ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムから選ばれる無機化合物微粒子あるいは有機化合物の球状微粒子を1〜200重量部、好ましくは5〜100重量部添加しても良い。 また、透明基材がポリメチルメタクリレートのような樹脂である場合、表面硬度を高める目的で基材上にハードコート層を設けることが好ましい。
【0040】
ドライプロセスとしては特に限定するものではないが真空蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法などの気相成長法により透明基材上に防汚性組成物を被覆する方法が挙げられる。なかでも、真空蒸着法による反射防止膜を形成後、連続して防汚膜を形成できることから、真空蒸着法が好ましい。
【0041】
防汚性組成物の被膜の好ましい膜厚は1nmから100nm、より好ましくは10nmから50nmである。膜厚が1nmより薄いと防汚性の効果が乏しくなり、100nmより厚いと膜強度が弱くなる傾向がある。
【0042】
本発明における好ましい実施形態として上記防汚性組成物を有機または無機成分の単層または多層の反射防止膜上に設ける様態が挙げられる。通常、有機成分をバインダーとして使用する反射防止膜はウエットプロセスにより、無機成分の反射防止膜はドライプロセスにより透明基材上に形成される。なかでも反射防止膜の最表層が二酸化珪素を主体としてなる層からなり、本発明の防汚性組成物と化学的に結合できる反射防止膜が膜強度、密着性から考えて好ましい。本発明を限定するものではないが、反射防止膜としては無機酸化物、無機窒化物、フッ素含有無機化合物などを単層または多層コーティングして得られるものが好ましい。用いられる無機化合物としては、一酸化珪素、二酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化スズ、酸化チタン、ITO等の酸化物、窒化珪素などの無機窒化物、フッ化マグネシム、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化リチウム等のフッ素含有無機化合物等が挙げられる。
【0043】
無機系反射防止膜の形成方法としては、特に限定されるものではないが真空蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などにより形成される。
【0044】
さらに、本発明の好ましい実施態様としては、透明基材が樹脂である場合、基材へハードコート層を設け、その上に反射防止膜を設け、さらに本発明の防汚性組成物で被覆する方法がある。
【0045】
以上のような方法で透明基材上に、本発明の優れた防汚性、耐磨耗性、膜強度を有する含フッ素シラン化合物主成分とする防汚性組成物を被覆することにより目的とする防汚性物品を得る事ができる。
【0046】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
(合成例1)
F[CF(CF3)CF2O]nCF(CF3)COOH(n:平均18)94.6gとH2N(CH2)12NH23.5gをN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す)100ml中に溶解し、ジシクロヘキシルカルボジイミド9.3gとDMF20mlの混合溶液を氷浴中でを滴下した後氷浴を外し、10時間攪拌する。反応後、発生した尿素を濾別した後、DMFを留去し精製することによりF[CF(CF3)CF2O]nCF(CF3)CONH(CH2)12NH2(n:平均18)を得た。
(合成例2)
HOOC-CF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2-COOH(数平均分子量2000;p/q=1 )60gに窒素雰囲気下50℃においてトリエチルアミン1滴とOCN-C6H3(CH3)-NCO 25.2gを滴下し24時間攪拌した後、精製を行い、OCN-C6H3(CH3)-NHCO-CF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2-CONH-C6H3(CH3)-NCO (p/q=1 )を得た。
(合成例3)
合成例1で合成した物質F[CF(CF3)CF2O]nCF(CF3)CONH(CH2)12NH2(n:平均18)42.5gと70℃窒素雰囲気下でイソシアナートプロピロトリエトキシシラン(OCN-CH2CH2CH2-Si(OCH2CH3)3)3.7gとDBTDL(ジブチル錫ジラウレート:触媒)0.01gを滴下した後、10時間攪拌、反応させたところ黄色の粘性液体が得られた。
(合成例4)
合成例1で合成した物質F[CF(CF3)CF2O]nCF(CF3)CONH(CH2)12NH2(n:平均18)42.5gと70℃窒素雰囲気下で3−グリシドキシプルピルトリメトキシシラン(Ep-CH2OCH2CH2CH2Si(OMe)3:Epはエポキシ基を表す)3.5gとDBTDL(ジブチル錫ジラウレート:触媒)0.01gを滴下した後、10時間攪拌、反応させたところ黄色の粘性液体が得られた。
(合成例5)
合成例2で合成した物質OCN-C6H3(CH3)-NHCO-CF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2-CONH-C6H3(CH3)-NCO 30gに70℃窒素雰囲気下でヒドロキシメチルトリエトキシシラン(HOCH2Si(OEt)3)5.8gとDBTDL(触媒)0.01gを滴下した後、10時間攪拌、反応させた後、黄色粘性液体が得られた。
(合成例6)
合成例2で合成した物質OCN-C6H3(CH3)-NHCO-CF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2-CONH-C6H3(CH3)-NCO 30gに70℃窒素雰囲気下で3−アミノプロピルトリエトキシシラン(H2N(CH2)3Si(OEt)3)6.6gとDBTDL(触媒)0.01gを滴下した後、10時間攪拌、反応させた後、黄色粘性液体が得られた。
(合成例7)
合成例2で合成した物質OCN-C6H3(CH3)-NHCO-CF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2-CONH-C6H3(CH3)-NCO 30gに70℃窒素雰囲気下でカルボキシメチルトリエトキシシラン(HOOCCH2Si(OEt)3)6.7gとDBTDL(触媒)0.01gを滴下した後、10時間攪拌、反応させた後、黄色粘性液体が得られた。
(合成例8)
HOOC-CF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2-COOH(数平均分子量2000;p/q=1 )30gに70℃窒素雰囲気下でイソシアナートプロピロトリエトキシシラン(OCN-CH2CH2CH2-Si(OCH2CH3)3)7.4gとDBTDL(触媒)0.01gを滴下した後、10時間攪拌、反応させた後、淡黄色粘性液体が得られた。
(合成例9)
HOOC-CF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2-COOH(数平均分子量2000;p/q=1 )30gと3−アミノプロピルトリエトキシシラン(H2N(CH2)3Si(OEt)3)6.6gをDMF100ml中に溶解し、ジシクロヘキシルカルボジイミド3.1gとDMF20mlの混合溶液を氷浴中でを滴下した後氷浴を外し、10時間攪拌する。反応後、発生した尿素を濾別した後、DMFを留去したところ黄色粘性液体が得られた。
【0047】
それぞれの反応においてIRにより反応の進行を追跡し、合成例3,5,6,7,8については2300cm-1付近に現れるイソシアナート基に基づく特性吸収の消滅、合成例4については3000cm-1付近に現れるエポキシ基に基づく特性吸収の消滅、合成例9については1600cm-1付近に現れるカルボキシレートに基づく特性吸収の消滅と1680cm-1付近に現れるアミドに基づく特性吸収の発生により反応を確認した。
(反射防止膜の作成)
無機系反射防止膜を以下の方法により作成した。
【0048】
シリカゾル(135重量部)、γーグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(129重量部)の加水分解物、γークロロプロピルトリメトキシシラン(70部)の加水分解物を主としてなるエタノール溶液をポリカーボネート板の両面に塗布硬化して、ハードコート膜を形成したものに無機物質のZrO2/SiO2/TiO2/SiO2を真空蒸着法でこの順に最外層がSiO2になるように、それぞれλ/4(λ=540nm)の膜厚に設定し、多層被覆した。
(実施例1〜7)
上記無機系反射防止膜上に、合成例3〜9で合成した物質を真空蒸着により被覆して防汚性反射防止物品を得た。
(比較例1)
無機系反射防止膜上に合成例1で合成した物質F[CF(CF3)CF2O]nCF(CF3)CONH(CH2)12NH2の被膜を真空蒸着法により形成させた防汚性反射防止物品を得た。
(比較例2)
無機系反射防止膜上に合成例2で合成した物質OCN-C6H3(CH3)-NHCO-CF2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2-CONH-C6H3(CH3)-NCO の被膜を真空蒸着法により形成させた防汚性反射防止物品を得た。
(比較例3)
無機系反射防止膜上にパーフルオロオクチルエチルトリメトキシシランの被膜を真空蒸着法により形成させた防汚性反射防止物品を得た。
【0049】
なお、以上の実施例及び参考例で得た防汚性反射防止物品を以下の評価手段で評価した。
【0050】
a.指紋の拭き取り性:表面に指を3秒間押しつけて、指紋を付着させ、ティッシュペーパーを往復させて指紋を拭き取り、指紋の拭き取り易さを判定した。判定基準は以下の通り。
◎:10往復程度で指紋が完全に拭き取れる
○:20往復程度で指紋が完全に拭き取れる
△:30往復程度で拭き取れる
×:30往復以上で拭き残しあり
××:全くとれない
b.スチールウール(SW)硬度:スチールウール#0000番を使用し、250g/cm2荷重で往復する。判定基準は以下の通り。
◎:20往復して傷全く無し
○:10往復して傷無し
△:10往復して傷が数本ある
×:10往復して傷あり
××:10往復して表面がはがれる
c.耐擦傷性:クリーニングクロス(ベンコットM3:旭化成製)を2Kg/cm2荷重で100往復する。判定基準は以下の通り。
◎:変化無し
○:接触角に多少変化あり
△:反射率に多少変化あり
×:反射色が変化する
××:剥離
評価結果を以下の表に示す。
【0051】
【表1】

Figure 0004420999
【0052】
【発明の効果】
本発明により、優れた防汚性、耐磨耗性、膜強度を有する含フッ素化合物およびそれを被覆した防汚性物品を得る事ができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
A highly durable fluorine-containing silane compound that imparts a property that makes it difficult for dirt to adhere to the substrate surface and that can easily remove contaminants, an antifouling composition comprising the same as a main component, and a transparent substrate surface The present invention relates to an antifouling article coated with the antifouling composition.
[0002]
[Prior art]
A method of forming a water- and oil-repellent coating on the surface of transparent substrates such as anti-reflective surfaces used in display devices, etc., because dirt such as fingerprints easily adheres and impairs transparency and reflectivity. Attempts have been made to improve antifouling properties. As a method for obtaining such an antifouling layer, attempts to obtain a water- and oil-repellent film using a fluorine-containing compound are known. In recent years, for example, a silane compound having a perfluoroalkyl group as disclosed in JP-A-2-22372 is used. A method for forming a water- and oil-repellent layer by coating on a substrate after dissolving in a solvent has been known. However, these fluorine-containing coatings are excellent in water and oil repellency, but there are problems with the ease of attaching fingerprints and the removal of fingerprints, and the film itself is weak and the durability of the coatings is also problematic. Not satisfactory for use on display screen surfaces.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
When a transparent substrate used in a display device or the like is used by a person, dirt such as fingerprints, sign pens, makeup, and sweat is likely to adhere. Once attached, the dirt is difficult to remove. Therefore, in the present invention, a fluorine-containing silane compound that can be synthesized by a very simple technique that eliminates the above-mentioned drawbacks of the prior art, an antifouling composition containing the same as a main component, and an antifouling composition on the surface of a transparent substrate. It is an object of the present invention to provide an antifouling article coated with a fouling composition, in which dirt is difficult to adhere, removal of the fouling is easy, and film strength and abrasion resistance are excellent.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the antifouling composition of the present invention has the following constitution.
“(1) A reaction product of a compound A represented by the following formula, a polyfunctional amine, and an isocyanate silane or epoxy silane. The compound A and the isocyanate silane or epoxy silane are chemically structurally intercalated with the polyfunctional amine. A fluorine-containing silane compound characterized by being bonded to each other.
[0005]
Rf (COOH)m
(Wherein Rf is an organic group containing at least one selected from a fluorine-containing oxaalkyl group, a fluorine-containing alkyl group, a fluorine-containing oxaalkylene group and a fluorine-containing alkylene group, m is an integer of 1 to 4)
(2) A reaction product of a compound A, a polyfunctional isocyanate, and a hydroxysilane, aminosilane, or carboxysilane, and the compound A and hydroxysilane, aminosilane, or carboxysilane are chemically structurally bonded via a polyfunctional isocyanate. A fluorine-containing silane compound characterized by
(3) A fluorine-containing silane compound, wherein Compound A and isocyanate silane are bonded.
(4) A fluorine-containing silane compound, wherein Compound A and aminosilane are bonded.
(5) An antifouling composition mainly comprising the same fluorine-containing silane compound as above.
(6) An antifouling article, wherein the antifouling composition is coated on a transparent substrate. "
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Specific examples of the compound A of the present invention include the following as the fluorinated carboxylic acid.
[0007]
Af- (CH2) k-COOH
HOOC- (CH2) k-Bf- (CH2) k-COOH
In the formula, k is an integer of 0 to 4, and l and m are integers of 1 to 15. Af is F (CF2) n (n is an integer of 2 or more and 12 or less) or (CF2CF (CFThree) O), (CF2CF2O), (CF2O), (CF (CFThreeAnd monovalent organic groups containing O) as a main component. As Bf, (CF2) n (n is an integer of 2 or more and 12 or less) or (CF2CF (CFThree) O), (CF2CF2O), (CF2O), (CF (CFThreeAnd divalent organic groups containing O) as a main component.
[0008]
In order to obtain higher antifouling properties, Af and Bf preferably have a structure containing the latter perfluoropolyether having a main chain having flexibility, a high molecular weight, and a high fluorine content. Among them, those having an arrangement in which the fluorine-containing polyether groups are randomly distributed can provide high antifouling property due to the flexibility of the main chain.
Specific examples of the compound A of the present invention include the following.
[0009]
F [CF (CFThreeCF2O]pCF (CFThreeCOOH
F [CF (CFThreeCF2O]pCF (CFThree) CH2OCOCF2(OC2FFour)p(OCF2)qOCF2COOH
HOOCCF2(OC2FFour)p(OCF2)qOCF2COOH
In the formula, p and q are 1 or more, preferably an integer of 2 to 200.
[0010]
With respect to the carboxyl group of compound A, the number is preferably 1 or 2 per molecule. When the number of carboxyl groups exceeds 3, when a compound A and a polyfunctional amine react to form an amide bond, a large amount of by-products tend to be generated.
[0011]
The molecular weight of Compound A is preferably 500 or more and 20000 or less, more preferably 1000 or more and 15000 or less. When the molecular weight is less than 500, the antifouling property decreases, and when it exceeds 20000, the film strength of the antifouling film tends to decrease and the reactivity during synthesis tends to decrease.
[0012]
The first aspect of the present invention will be described. Examples of the polyfunctional amine used for synthesizing the fluorine-containing silane compound include aliphatic, alicyclic and aromatic compounds containing two or more amino groups. Specific examples include ethylenediamine, diethylenetriamine, triethylenetetramine, diaminobenzene and the like.
[0013]
The fluorine-containing silane compound of the present invention is a compound in which Compound A and isocyanate silane or epoxy silane are bonded via a polyfunctional amine in terms of chemical structure. In this case, the compound A and the polyfunctional amine are reacted first to synthesize a terminal amine body, and then the terminal amino group is reacted with isocyanate silane or epoxy silane, or the polyfunctional amine and isocyanate silane or epoxy silane. It is possible to synthesize the compound of the present invention by a method in which the one-terminal amine compound is synthesized by first reacting with the compound A and subsequently reacted with the compound A.
[0014]
In general, a method using a condensing agent such as dicyclohexylcarbodiimide and diisopropylcarbodiimide is well known for the reaction between a carboxyl group and an amino group.
[0015]
Examples of the reaction product of compound A and polyfunctional amine suitable for the present invention obtained by such a method will be described below.
[0016]
F [CF (CFThreeCF2O]pCF (CFThree) CONH (CH2CH2)q(CH2CH2NH)r(NH)sH
(In the formula, p is 1 or more, preferably an integer of 2 to 120. q is 0 or an integer of 1 to 10. r is an integer of 0 or 1 to 6. s is 0 or 1. q and r. Are simultaneously 0, s is 0 if q is 0, and s is 1 if r is 0)
H2NCH2CH2HNHOCCF2(OC2FFour)p(OCF2)qOCF2CONHCH2CH2NH2
(Wherein p and q are 1 or more, preferably an integer of 2 to 200)
Examples of the isocyanate silane used in the present invention include 3-isocyanatopropyltriethoxysilane and 3-isocyanatopropylmethyldiethoxysilane.
[0017]
The reaction of these isocyanate silanes with the reaction product of the above compound A and a polyfunctional amine, that is, the reaction of isocyanate groups and amino groups easily occurs by a generally known method.
[0018]
The epoxy silane used in the present invention has at least one epoxy group, glycidyl group or alicyclic epoxy group and at least one hydrolyzable silane group such as chlorosilane group, alkoxysilane group or aminosilane group. Compounds. Specifically, 3,4-epoxybutyltrimethoxysilane, 2- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane, (3-glycidoxypropyl) trimethoxysilane, (3-glycidoxypropyl) methyl Examples include dimethoxysilane, N-glycidyl-N, N-bis [3- (mailimethoxysilyl) propyl] amine, and N-glycidyl-N, N-bis “3- (trimethoxysilyl) propyl] amine.
[0019]
The reaction of these epoxy silanes with the reaction product of the above compound A and a polyfunctional amine, that is, the reaction of epoxy group and amino group easily occurs by a generally known method.
[0020]
The fluorine-containing silane compound of the present invention is a reaction product of Compound A, a polyfunctional amine, and isocyanate silane or epoxy silane, and may be used by mixing isocyanate silane and epoxy silane. In addition, the above-mentioned silanes are preferable because the trifunctional type with respect to hydrolyzability tends to increase the film strength when the antifouling film is formed.
[0021]
In this invention, since a polyfunctional amine is used, an oligomer and a polymer are easy to byproduce. Therefore, in each synthesis step, it is preferable to perform purification such as distillation as necessary to separate the target compound.
[0022]
The second aspect of the present invention will be described. Examples of polyfunctional isocyanates used to synthesize fluorine-containing silane compounds include tolylene diisocyanate, diphenylmethane diisocyanate, xylylene diisocyanate, isophorone diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, etc. For this purpose, a bifunctional isocyanate is preferred. Of these, tolylene diisocyanate is preferable because it has a low molecular weight and facilitates purification and separation of by-products after the reaction.
[0023]
The reaction between the carbonyl group and the isocyanate group is relatively easy, and the compound A and the polyfunctional isocyanate can be bonded by a generally known method. Examples of compounds that can be used in the present invention are described below.
[0024]
F [CF (CFThreeCF2O]pCF (CFThree) COHNC6HThree(CHThreeNCO
(In the formula, p is 1 or more, preferably an integer of 2 to 120)
OCNC6HThree(CHThreeNHOCCF2(OC2FFour)p(OCF2)qOCF2COHNC6HThree(CHThree) NCO (wherein p and q are 1 or more, preferably an integer of 2 to 200)
Examples of the hydroxysilane include compounds having at least one hydroxy group and at least one hydrolyzable silane group such as a chlorosilane group, an alkoxysilane group, or an aminosilane group. Specific examples include hydroxymethyltriethoxysilane and condensed oligomers of the same compound.
[0025]
Examples of aminosilanes include compounds having at least one amino group and at least one hydrolyzable silane group such as a chlorosilane group, an alkoxysilane group, or an aminosilane group. Specific examples include 4-aminobutyltriethoxysilane, n- (2-aminoethyl) -3-aminopropyltrimethoxysilane, aminophenyltrimethoxysilane, and 3-aminopropyltriethoxysilane.
[0026]
Examples of carboxysilane include compounds having at least one carboxy group and at least one hydrolyzable silane group such as a chlorosilane group, an alkoxysilane group, or an aminosilane group. Specific examples include carboxymethyltriethoxysilane.
[0027]
In addition, the above-mentioned silanes are preferable because the trifunctional type with respect to hydrolyzability tends to increase the film strength when the antifouling film is formed.
[0028]
The fluorine-containing silane compound of the present invention is a reaction product of compound A, polyfunctional isocyanate, hydroxysilane, aminosilane, or carboxysilane, and these can be used in combination. The fluorine-containing silane compound is a compound in which the compound A and hydroxysilane, aminosilane, or carboxysilane are chemically structurally bonded via a polyfunctional isocyanate. In this case, the compound A and the polyfunctional isocyanate are reacted first to synthesize a terminal isocyanate, and then the terminal isocyanate is reacted with hydroxysilane, aminosilane or carboxysilane, or the polyfunctional isocyanate and hydroxysilane or aminosilane are reacted. Alternatively, the compound of the present invention can be synthesized by a method in which carboxysilane is reacted first to synthesize a one-terminal isocyanate compound and subsequently react with compound A. Both reactions occur relatively easily, and generally known methods can be used.
[0029]
Since a polyfunctional isocyanate is used, an oligomer or a polymer is easily produced as a by-product regardless of which synthesis process is used. Therefore, in each synthesis step, it is preferable to perform purification such as distillation as necessary to separate the target compound.
[0030]
Next, claim 3 of the present invention will be described. Examples of isocyanate silanes used for synthesizing fluorine-containing silane compounds include compounds having at least one isocyanate group and at least one hydrolyzable silane group such as a chlorosilane group, an alkoxysilane group or an aminosilane group. It is done. Specific examples include 3-isocyanatopropyltriethoxysilane and 3-isocyanatopropylmethyldiethoxysilane.
[0031]
The reaction between the carboxyl group of compound A and the isocyanate group of isocyanate silane occurs relatively easily, and a generally known method can be used.
[0032]
Next, claim 4 of the present invention will be described. Examples of aminosilanes used to synthesize fluorine-containing silane compounds include compounds having one or more amino groups and one or more hydrolyzable silane groups such as chlorosilane groups, alkoxysilane groups, or aminosilane groups. . Specific examples include 4-aminobutyltriethoxysilane, n- (2-aminoethyl) -3-aminopropyltrimethoxysilane, aminophenyltrimethoxysilane, and 3-aminopropyltriethoxysilane. The above-mentioned silanes are preferable because the trifunctional type with respect to hydrolyzability is likely to increase the film strength when the antifouling film is formed.
[0033]
For the reaction between the carboxyl group of compound A and the amino group of aminosilane, a method using a condensing agent such as dicyclohexylcarbodiimide or diisopropylcarbodiimide is generally well known.
[0034]
The fluorine-containing silane compounds corresponding to the above-mentioned claims 1, 2, 3, and 4 can achieve the present invention even if they are used as they are without being hydrolyzed, but they may be hydrolyzed or hydrolyzed and condensed in advance. good. Hydrolysis or hydrolytic condensation is achieved by adding and stirring pure water or an acidic aqueous solution such as hydrochloric acid, acetic acid, phosphoric acid, nitric acid or sulfuric acid with or without dissolving the above compound in a solvent. The Furthermore, the degree of hydrolysis can be controlled by adjusting the amount of pure water or acidic aqueous solution added. In hydrolyzing, addition of a hydrolyzable group and an equimolar amount or more and a triple amount or less of pure water or an acidic aqueous solution is particularly preferable in terms of acceleration of curing.
[0035]
In the present invention, for the purpose of increasing the film strength, in addition to the above-mentioned fluorine-containing silane compounds corresponding to claims 1, 2, 3, and 4, methyl silicate, ethyl silicate, n-propyl silicate, i- Tetraalkoxysilanes such as propyl silicate, n-butyl silicate, sec-butyl silicate and t-butyl silicate, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, methyltriacetoxysilane, methyltributoxysilane, Silane compounds such as ethyltrimethoxysilane, ethyltriethoxysilane, methyltrichlorosilane, ethyltrichlorosilane, dimethyldichlorosilane, and heptadecafluorodecyltrichlorosilane can also be blended. These polyfunctional organosilicon compounds or hydrolysates thereof may be added in an amount of 1 to 100 parts by weight, preferably 5 to 50 parts by weight, per 100 parts by weight of the fluorine-containing silane compound or the hydrolyzate thereof. . When the addition amount is less than 1 part by weight, the effect of improving the film strength is small, and when it exceeds 100 parts by weight, the antifouling performance tends to be lowered.
[0036]
In this way, an antifouling composition comprising a fluorine-containing silane compound as a main component is formed. An antifouling transparent article can be obtained by coating the antifouling composition itself or a solution dissolved in a solvent or a dispersion medium on a transparent substrate. Examples of the coating method include a wet process and a dry process.
[0037]
The wet process is not particularly limited, but a coating containing a fluorine-containing silane compound is applied by a solution coating method such as spin coating, dip coating, die coating, spray coating, bar coating, roll coating, curtain flow coating, and gravure coating. Then, the solvent is removed, and curing is performed at room temperature or by heating as necessary. The solvent used is preferably a general polar solvent or a fluorine-based solvent such as perfluorohexane, perfluorooctane, or trifluoroxylene.
[0038]
In addition, hydrolyzing alkoxysilane groups in the molecule and promoting condensation by siloxane bonds, pure water or acidic aqueous solutions such as hydrochloric acid, acetic acid, phosphoric acid, nitric acid or sulfuric acid, or aluminum acetylacetonate to accelerate curing The metal alkoxide may be added. In addition, a surfactant such as a fluorine-based surfactant or a silicon-based surfactant may be added in order to improve antifouling performance, optical performance, and surface performance.
[0039]
In addition, 1 to 200 parts by weight of inorganic compound fine particles or organic compound spherical fine particles selected from silica, aluminum oxide, magnesium oxide and calcium carbonate with respect to 100 parts by weight of the antifouling composition to improve the hardness of the coating. However, preferably 5 to 100 parts by weight may be added. When the transparent substrate is a resin such as polymethyl methacrylate, it is preferable to provide a hard coat layer on the substrate for the purpose of increasing the surface hardness.
[0040]
The dry process is not particularly limited, but the antifouling composition is coated on the transparent substrate by vapor deposition such as vacuum deposition, ion beam assisted deposition, ion plating, sputtering, and CVD. The method of doing is mentioned. Of these, the vacuum deposition method is preferred because the antifouling film can be continuously formed after the antireflection film is formed by the vacuum deposition method.
[0041]
The preferred film thickness of the film of the antifouling composition is 1 nm to 100 nm, more preferably 10 nm to 50 nm. If the film thickness is less than 1 nm, the antifouling effect is poor, and if it is more than 100 nm, the film strength tends to be weak.
[0042]
As a preferred embodiment of the present invention, there is a mode in which the antifouling composition is provided on an organic or inorganic component single layer or multilayer antireflection film. Usually, an antireflection film using an organic component as a binder is formed on a transparent substrate by a wet process, and an antireflection film of an inorganic component is formed on a transparent substrate by a dry process. Among these, an antireflection film that is composed mainly of silicon dioxide as the outermost layer of the antireflection film and can be chemically bonded to the antifouling composition of the present invention is preferable in view of film strength and adhesion. Although the present invention is not limited, the antireflection film is preferably obtained by single layer or multilayer coating of inorganic oxide, inorganic nitride, fluorine-containing inorganic compound and the like. Examples of inorganic compounds used include silicon monoxide, silicon dioxide, zirconium oxide, aluminum oxide, yttrium oxide, ytterbium oxide, cerium oxide, hafnium oxide, tin oxide, titanium oxide, ITO and other oxides, and inorganic nitride such as silicon nitride And fluorine-containing inorganic compounds such as magnesium fluoride, calcium fluoride, sodium fluoride, cesium fluoride, and lithium fluoride.
[0043]
A method for forming the inorganic antireflection film is not particularly limited, and it is formed by a vacuum deposition method, an ion beam assisted deposition method, an ion plating method, a sputtering method, or the like.
[0044]
Furthermore, as a preferred embodiment of the present invention, when the transparent substrate is a resin, a hard coat layer is provided on the substrate, an antireflection film is provided thereon, and further, the antifouling composition of the present invention is coated. There is a way.
[0045]
By coating the transparent substrate with the antifouling composition comprising the fluorine-containing silane compound as a main component having the excellent antifouling property, abrasion resistance and film strength of the present invention on the transparent substrate as described above. Antifouling articles can be obtained.
[0046]
【Example】
EXAMPLES Next, the present invention will be specifically described with reference to examples, but the present invention is not limited thereto.
(Synthesis Example 1)
F [CF (CFThreeCF2O]nCF (CFThree) COOH (n: average 18) 94.6g and H2N (CH2)12NH23.5 g was dissolved in 100 ml of N, N-dimethylformamide (hereinafter abbreviated as DMF), a mixed solution of 9.3 g of dicyclohexylcarbodiimide and 20 ml of DMF was added dropwise in an ice bath, the ice bath was removed, and the mixture was stirred for 10 hours. To do. After the reaction, the generated urea was filtered off, and DMF was distilled off and purified to purify F [CF (CFThreeCF2O]nCF (CFThree) CONH (CH2)12NH2(N: average 18) was obtained.
(Synthesis Example 2)
HOOC-CF2(OC2FFour) p (OCF2qOCF2-COOH (number average molecular weight 2000; p / q = 1) to 60 g in a nitrogen atmosphere at 50 ° C. with 1 drop of triethylamine and OCN-C6HThree(CHThree) -NCO2After 5.2 g was added dropwise and stirred for 24 hours, purification was performed and OCN-C6HThree(CHThree) -NHCO-CF2(OC2FFour) p (OCF2qOCF2-CONH-C6HThree(CHThree) -NCO (p / q = 1) was obtained.
(Synthesis Example 3)
Substance F [CF (CF (CF synthesized in Synthesis Example 1)ThreeCF2O]nCF (CFThree) CONH (CH2)12NH2(N: average 18) 42.5 g and isocyanate propyltriethoxysilane (OCN-CH) under a nitrogen atmosphere at 70 ° C.2CH2CH2-Si (OCH2CHThree)Three) 3.7 g and DBTDL (dibutyltin dilaurate: catalyst) 0.01 g were added dropwise, followed by stirring and reaction for 10 hours to obtain a yellow viscous liquid.
(Synthesis Example 4)
Substance F [CF (CF (CF synthesized in Synthesis Example 1)ThreeCF2O]nCF (CFThree) CONH (CH2)12NH2(N: average 18) 42.5 g and 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane (Ep-CH under 70 ° C. nitrogen atmosphere)2OCH2CH2CH2Si (OMe)Three: Ep represents an epoxy group) 3.5 g and DBTDL (dibutyltin dilaurate: catalyst) 0.01 g were added dropwise, followed by stirring and reaction for 10 hours to obtain a yellow viscous liquid.
(Synthesis Example 5)
Substance OCN-C synthesized in Synthesis Example 26HThree(CHThree) -NHCO-CF2(OC2FFour) p (OCF2qOCF2-CONH-C6HThree(CHThree) -NCO 30g to hydroxymethyltriethoxysilane (HOCH under nitrogen atmosphere at 70 ° C)2Si (OEt)Three) 5.8 g and DBTDL (catalyst) 0.01 g were added dropwise, and after stirring and reaction for 10 hours, a yellow viscous liquid was obtained.
(Synthesis Example 6)
Substance OCN-C synthesized in Synthesis Example 26HThree(CHThree) -NHCO-CF2(OC2FFour) p (OCF2qOCF2-CONH-C6HThree(CHThree) -NCO 30 g and 3-aminopropyltriethoxysilane (H2N (CH2)ThreeSi (OEt)Three) 6.6 g and DBTDL (catalyst) 0.01 g were added dropwise, followed by stirring and reaction for 10 hours to obtain a yellow viscous liquid.
(Synthesis Example 7)
Substance OCN-C synthesized in Synthesis Example 26HThree(CHThree) -NHCO-CF2(OC2FFour) p (OCF2qOCF2-CONH-C6HThree(CHThree) -NCO 30g to carboxymethyltriethoxysilane (HOOCCH under nitrogen atmosphere at 70 ° C)2Si (OEt)Three) 6.7 g and 0.01 g of DBTDL (catalyst) were added dropwise, and after stirring and reacting for 10 hours, a yellow viscous liquid was obtained.
(Synthesis Example 8)
HOOC-CF2(OC2FFour) p (OCF2qOCF2-COOH (number average molecular weight 2000; p / q = 1) to 70 g of isocyanate propyltriethoxysilane (OCN-CH) under a nitrogen atmosphere at 70 ° C2CH2CH2-Si (OCH2CHThree)Three7.4 g and DBTDL (catalyst) 0.01 g were added dropwise, and after stirring and reaction for 10 hours, a pale yellow viscous liquid was obtained.
(Synthesis Example 9)
HOOC-CF2(OC2FFour) p (OCF2qOCF2-COOH (number average molecular weight 2000; p / q = 1) 30 g and 3-aminopropyltriethoxysilane (H2N (CH2)ThreeSi (OEt)Three) 6.6 g is dissolved in 100 ml of DMF, a mixed solution of 3.1 g of dicyclohexylcarbodiimide and 20 ml of DMF is added dropwise in an ice bath, the ice bath is removed, and the mixture is stirred for 10 hours. After the reaction, generated urea was filtered off, and DMF was distilled off to obtain a yellow viscous liquid.
[0047]
The progress of the reaction was traced by IR in each reaction, and for Synthesis Examples 3, 5, 6, 7, and 8, 2300 cm-1Disappearance of characteristic absorption based on isocyanate groups appearing in the vicinity, 3000 cm for Synthesis Example 4-1Disappearance of characteristic absorption based on epoxy group appearing in the vicinity, about 1600 cm for Synthesis Example 9-1Disappearance of characteristic absorption based on carboxylate appearing in the vicinity and 1680 cm-1The reaction was confirmed by the occurrence of characteristic absorption based on the amide appearing in the vicinity.
(Creation of antireflection film)
An inorganic antireflection film was prepared by the following method.
[0048]
An ethanol solution mainly composed of silica sol (135 parts by weight), hydrolyzate of γ-glycidoxypropyltriethoxysilane (129 parts by weight), and hydrolyzate of γ-chloropropyltrimethoxysilane (70 parts by weight) was added to the polycarbonate plate. ZrO, an inorganic substance, is applied on both sides and hardened to form a hard coat film.2/ SiO2/ TiO2/ SiO2The outermost layer is SiO in this order by vacuum evaporation.2Thus, the film thickness was set to λ / 4 (λ = 540 nm), respectively, and multilayer coating was performed.
(Examples 1-7)
On the inorganic antireflection film, the materials synthesized in Synthesis Examples 3 to 9 were coated by vacuum deposition to obtain an antifouling antireflection article.
(Comparative Example 1)
Substance F [CF (CF (CF) synthesized in Synthesis Example 1 on an inorganic antireflection filmThreeCF2O]nCF (CFThree) CONH (CH2)12NH2Thus, an antifouling antireflective article in which the above film was formed by vacuum deposition was obtained.
(Comparative Example 2)
The substance OCN-C synthesized in Synthesis Example 2 on an inorganic antireflection film6HThree(CHThree) -NHCO-CF2(OC2FFour) p (OCF2qOCF2-CONH-C6HThree(CHThreeAn antifouling antireflective article having a film of) -NCO formed by vacuum deposition was obtained.
(Comparative Example 3)
An antifouling antireflective article in which a film of perfluorooctylethyltrimethoxysilane was formed on an inorganic antireflective film by vacuum deposition was obtained.
[0049]
In addition, the antifouling antireflection articles obtained in the above Examples and Reference Examples were evaluated by the following evaluation means.
[0050]
a. Fingerprint wiping property: A finger was pressed against the surface for 3 seconds to attach the fingerprint, and the tissue paper was reciprocated to wipe the fingerprint, and the ease of fingerprint wiping was determined. Judgment criteria are as follows.
A: Fingerprints can be wiped off completely in 10 round trips
○: Fingerprints can be completely wiped off in about 20 round trips
Δ: Wipe off in about 30 round trips
×: Wipe left after 30 round trips
XX: Cannot be taken at all
b. Steel wool (SW) hardness: Use steel wool # 0000, 250g / cm2Reciprocate with load. Judgment criteria are as follows.
◎: No scratches after 20 round trips
○: 10 round trips without scratches
Δ: 10 round trips with several scratches
×: 10 round trips with scratches
XX: The surface peels after 10 reciprocations
c. Scratch resistance: 2 kg / cm of cleaning cloth (Bencot M3: manufactured by Asahi Kasei)2100 reciprocations with load. Judgment criteria are as follows.
A: No change
○: Some change in contact angle
Δ: Some change in reflectivity
×: Reflection color changes
XX: Peel
The evaluation results are shown in the following table.
[0051]
[Table 1]
Figure 0004420999
[0052]
【The invention's effect】
According to the present invention, a fluorine-containing compound having excellent antifouling properties, abrasion resistance and film strength and an antifouling article coated therewith can be obtained.

Claims (11)

下式で表される化合物Aと多官能性アミンとイソシアネートシランまたはエポキシシランとの反応物であり、化合物Aとイソシアネートシランまたはエポキシシランが、化学構造的に多官能性アミンを介して結合していることを特徴とする含フッ素シラン化合物。
Rf(COOH)m
(式中、Rfは(OC 2 4 )、(OCF 2 )および(OC 3 6 )から選ばれる少なくとも1つの含フッ素ポリエーテル基を主成分とする有機基、mは1〜4の整数)
It is a reaction product of the compound A represented by the following formula, a polyfunctional amine, and an isocyanate silane or an epoxy silane, and the compound A and the isocyanate silane or the epoxy silane are chemically structurally bonded via a polyfunctional amine. A fluorine-containing silane compound characterized by comprising:
Rf (COOH) m
(In the formula, Rf is an organic group mainly composed of at least one fluorine-containing polyether group selected from (OC 2 F 4 ), (OCF 2 ) and (OC 3 F 6 )) , and m is an integer of 1 to 4. )
上記化合物Aと多官能性イソシアネートとヒドロキシシランまたはアミノシランまたはカルボキシシランとの反応物であり、化合物Aとヒドロキシシランまたはアミノシランまたはカルボキシシランが、化学構造的に多官能性イソシアネートを介して結合していることを特徴とする請求項1に記載の含フッ素シラン化合物。It is a reaction product of the compound A, a polyfunctional isocyanate, and a hydroxysilane, aminosilane, or carboxysilane, and the compound A and hydroxysilane, aminosilane, or carboxysilane are chemically structurally bonded via a polyfunctional isocyanate. The fluorine-containing silane compound according to claim 1 . 上記化合物Aとイソシアネートシランが結合していることを特徴とする請求項1に記載の含フッ素シラン化合物。The fluorine-containing silane compound according to claim 1, wherein the compound A and isocyanate silane are bonded. 上記化合物Aとアミノシランが結合していることを特徴とする請求項1に記載の含フッ素シラン化合物。The fluorine-containing silane compound according to claim 1, wherein the compound A and aminosilane are bonded to each other. 上記化合物Aのカルボキシル基が1分子当たり1個または2個であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の含フッ素シラン化合物。The fluorine-containing silane compound according to any one of claims 1 to 4 , wherein the compound A has one or two carboxyl groups per molecule. 請求項1〜のいずれかに記載の含フッ素シラン化合物を主成分とする防汚性組成物。The antifouling composition which has as a main component the fluorine-containing silane compound in any one of Claims 1-5 . 透明基材上に請求項記載の防汚性組成物が被覆されてなることを特徴とする防汚性物品。An antifouling article obtained by coating the antifouling composition according to claim 6 on a transparent substrate. 透明基材上に有機または無機成分の単層または多層の反射防止膜を有し、さらにその上に請求項記載の防汚性組成物が被覆されてなることを特徴とする請求項記載の防汚性物品。Have a single-layer or multi-layer anti-reflection film of an organic or inorganic component on a transparent substrate, further claim 7, wherein the antifouling composition according to claim 6, wherein is characterized by comprising coated thereon Antifouling goods. 反射防止膜の最表層が二酸化珪素を主体とする層であることを特徴とする請求項記載の防汚性物品。9. The antifouling article according to claim 8 , wherein the outermost layer of the antireflection film is a layer mainly composed of silicon dioxide. 透明基材と反射防止膜の間にハードコート層を設けることを特徴とする請求項のいずれかに記載の防汚性物品。The antifouling article according to any one of claims 8 to 9 , wherein a hard coat layer is provided between the transparent substrate and the antireflection film. 真空蒸着法を用いて請求項7記載の防汚性組成物を被覆することを特徴とする請求項10のいずれかに記載の防汚性物品。The antifouling article according to any one of claims 7 to 10 , wherein the antifouling composition according to claim 7 is coated using a vacuum deposition method.
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