JP4411859B2 - POLYESTER SHORT FIBER AND CENTERED COTTON COMPRISING THE SAME - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来品に比べて太さ斑や断面異常、融着等の異常糸が極めて少ない高品位な短繊維及びそれからなる中入れ綿に関するものである。また、糸切れや濾圧上昇が抑制され、製糸性に優れたポリエステル短繊維の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル短繊維はその機能性の有用さから多目的に用いられており、例えば、衣料用、資材用、医療用に用いられている。その中でも、汎用性、実用性の点でポリエチレンテレフタレート短繊維が優れ、好適に使用されている。
【0003】
一般にポリエチレンテレフタレート短繊維を構成するポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールから製造されるが、高分子量のポリマーを製造する商業的なプロセスでは、重縮合触媒としてアンチモン化合物が広く用いられている。しかしながら、アンチモン化合物を含有するポリマーは以下に述べるような幾つかの好ましくない特性を有している。
【0004】
例えば、アンチモン触媒を使用して得られたポリマーを溶融紡糸して繊維化する際に、アンチモン触媒の残渣が口金孔周りに堆積することが知られている。この堆積によって、得られる繊維は、その太さ斑が増大したり、中空や異形断面糸において所望の断面形状とならない、即ち断面異常が発生する等、異常糸の発生を招く場合があった。また、この堆積が進行すると口金面での糸切れ発生の原因となり、このようにして糸切れした糸端では冷却前に紡糸応力が緩和されるために極端に大きく膨らむ等、太さ斑が著しく増大したり、冷却される前に他の糸と干渉し融着する等、異常糸が頻発するという問題が発生するため、品位の良い短繊維を安定生産するには口金修正によってこの堆積物を頻繁に除去する必要があった。特に、このようにして得られた短繊維は、必然的に上記のような太さ斑や断面異常、融着といった異常糸が含まれるため、風合いが硬化し、また、開繊性や滑り性が悪く、物性斑や染色斑を引き起こすこともあった。さらには、得られた短繊維を中入れ綿に使用した場合には、風合いの硬化や開繊不良に加えて、断面異常によって、所望の中空糸が得られず、保温性や軽量性が不足する等、高品位な繊維製品が得られないという問題もあった。
【0005】
また、ポリマー中のアンチモン触媒残渣は比較的大きな粒子状となりやすく、異物となって溶融紡糸時のフィルターの濾圧上昇を招くため、パックライフが短く、操業性を低下させる場合もあった。加えて、口金修正やパック交換の際には必然的に製品とならない繊維屑が発生するため、それらの作業頻度が高くなるに伴って繊維屑が増大し、生産性が大きく低下する等の問題を引き起こしていた。
【0006】
アンチモン触媒残渣の堆積が生じるのは、ポリマー中のアンチモン化合物が口金近傍で変成し、一部が気化、散逸した後、アンチモンを主体とする成分が口金に残るためであると考えられている。そこで、上記のような問題を解決するために、アンチモン化合物を重合触媒としてポリエチレンテレフタレートを製造する際に、スルホン酸ホスホニウム塩を少量添加することが提案されている(特許文献1,2参照)。しかしながら、この方法によっても、紡糸時におけるアンチモン化合物の気化をある程度抑制できるものの、その効果は十分ではなく、得られる短繊維には、依然として、太さ斑や断面異常、融着といった異常糸が相当量含まれるものであった。また、この方法によっては、パック内での異物の発生を抑制する効果は少ないため、根本的にフィルターの濾圧上昇を防ぐことはできなかった。
【0007】
以上のことから、アンチモン含有量が少ないか、あるいは含有しないポリエステルが求められている。そこで、重縮合触媒の役割をアンチモン系化合物以外の化合物に求める場合ゲルマニウム化合物が知られているが、ゲルマニウム化合物は非常に高価であり汎用的に用いることは困難であった。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−51439号公報(第1〜3頁)
【0009】
【特許文献2】
特開平6−9767号公報(第1〜3頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記従来の問題を解消し、従来品に比べて太さ斑や断面異常、融着等の異常糸が極めて少ない高品位な短繊維及びそれからなる中入れ綿を提供することにある。また、糸切れや濾圧上昇が抑制され、製糸性に優れたポリエステル短繊維の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、次のような構成を有する。
【0012】
即ち、ポリエステル短繊維であって、短繊維を構成するポリエステルが、クエン酸キレートチタン化合物、乳酸キレートチタン化合物より選ばれるチタン化合物(二酸化チタン粒子を除く)を主たる触媒として製造されたポリエステルであって、かつゲルマニウム化合物およびアンチモン化合物を含まないかあるいはポリエステルに対するゲルマニウム原子およびアンチモン原子の総含有率が30ppm以下であるポリエステルであることを特徴とするポリエステル短繊維である。
【0013】
また、チタン化合物(二酸化チタン粒子を除く)を主たる触媒として製造されたポリエステルであって、かつゲルマニウム化合物およびアンチモン化合物を含まないかあるいはポリエステルに対するゲルマニウム原子およびアンチモン原子の総含有率が30ppm以下であるポリエステルを用いることを特徴とするポリエステル短繊維の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエステル短繊維を構成するポリエステルは、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマーである。
【0015】
このようなポリエステルとして具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト、ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等が挙げられる。中でもPETまたは主としてエチレンテレフタレート単位を含むポリエステル共重合体において好適である。
【0016】
また、これらのポリエステルには、ジエチレングリコール以外に共重合成分としてアジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体、ポリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオキシ化合物、p−(β−オキシエトキシ)安息香酸等のオキシカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体等が共重合されていてもよい。
【0017】
本発明のポリエステル短繊維において、ポリエステルの触媒として用いることができるチタン化合物は、チタン化合物の置換基が下記一般式1で表される官能基からなる群より選ばれる少なくとも1種であるチタン化合物、チタン酸化物等が挙げられる。
【0018】
【化2】
(式1中、R1〜R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基、アルコキシ基または水酸基またはカルボニル基またはアセチル基またはカルボキシル基またはエステル基またはアミノ基を有する炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)
本発明の式1としては、乳酸、クエン酸等のヒドロキシ多価カルボン酸系化合物からなる官能基が挙げられる。
【0024】
式1が含まれていることがポリマーの熱安定性及び色調の観点から好ましい。
【0026】
また、本発明ではチタン化合物がチタン酸化物であっても良く、チタン酸化物としては、主たる金属元素がチタン及びケイ素からなる複合酸化物等が挙げられる。
【0027】
なお、本発明の触媒とは、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマーにおいて、以下の(1)〜(3)の反応全てまたは一部の素反応の反応促進に実質的に寄与する化合物を指す。
(1)ジカルボン酸成分とジオール成分との反応であるエステル化反応
(2)ジカルボン酸のエステル形成性誘導体成分とジオール成分との反応であるエステル交換反応
(3)実質的にエステル反応またはエステル交換反応が終了し、得られたPET低重合体を脱ジオール反応にて高重合度化せしめる重縮合反応
従って、短繊維の艶消し剤等に無機粒子として一般的に用いられている二酸化チタン粒子は上記の反応に対して実質的に触媒作用を有しておらず、本発明の触媒として用いることができるチタン化合物とは異なる。
【0028】
主たる金属元素がチタン及びケイ素からなる複合酸化物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、チタンのアルコキシド化合物を原料として、加水分解反応により製造する方法において、この加水分解の速度を制御することによって得られる。具体的には、例えば主原料であるチタンアルコキシド化合物に対して、ケイ素アルコキシド化合物や多価アルコール化合物を共存させ、両者の共沈法、部分加水分解法、配位化学ゾル・ゲル法等によって合成することができる。また、ジルコニウム等の少量の他の金属を併用することができる。ここで共沈法とは2種あるいはそれ以上の成分を含有する所定の組成の溶液を調製し、その組成のまま加水分解反応を進行させる方法である。また、部分加水分解法とは、一方の成分をあらかじめ加水分解した状態としておき、そこへもう一方の成分を加えさらに加水分解を進行させる方法である。また、配位化学ゾル・ゲル法とは、チタンアルコキシド原料とともに分子内に官能基を複数持つ多価アルコール化合物等を共存させ、両者の間であらかじめ反応物を形成させることによって、その後の加水分解反応の速度を制御しようとするものである。以上のような化合物の合成方法は、例えば、上野ら、「金属アルコキシドを用いる触媒調製」、第321頁第1行〜第353頁第16行、(アイピーシー、1993年8月10日発行)等に記載されている。
【0029】
本発明におけるチタン化合物(二酸化チタン粒子を除く)は得られるポリマーに対してチタン原子換算で0.5〜150ppm含有されていることが好ましい。1〜100ppmであるとポリマーの熱安定性や色調がより良好となり好ましく、更に好ましくは3〜50ppmである。
【0030】
本発明のポリエステル短繊維を構成するポリエステルは、チタン化合物と共にリンがポリエステルに対してリン原子換算で0.1〜400ppm含有されていることが好ましい。なお、製糸時におけるポリエステルの熱安定性や色調の観点からリン含有量は、1〜200ppmが好ましく、さらに好ましくは3〜100ppmである。
【0031】
なお、本発明のポリエステル短繊維を構成するポリエステルに含有されるリンは、ポリエステルの製造過程でリン化合物として添加される。このようなリン化合物としてはリン酸系、亜リン酸系、ホスホン酸系、ホスフィン酸系、ホスフィンオキサイド系、亜ホスホン酸系、亜ホスフィン酸系、ホスフィン系のいずれか1種または2種であることが好ましい。具体的には、例えば、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル等のリン酸系、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル等の亜リン酸系、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アントリルホスホン酸、2−カルボキシフェニルホスホン酸、3−カルボキシフェニルホスホン酸、4−カルボキシフェニルホスホン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、メチルホスホン酸ジエチルエステル、エチルホスホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジフェニルエステル、ベンジルホスホン酸ジメチルエステル、ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、ベンジルホスホン酸ジフェニルエステル、リチウム(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、ナトリウム(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、マグネシウムビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、カルシウムビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、ジエチルホスホノ酢酸、ジエチルホスホノ酢酸メチル、ジエチルホスホノ酢酸エチル等のホスホン酸系化合物、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、メチルホスフィン酸、エチルホスフィン酸、プロピルホスフィン酸、イソプロピルホスフィン酸、ブチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、トリルホスフィン酸、キシリルホスフィン酸、ビフェニリルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジプロピルホスフィン酸、ジイソプロピルホスフィン酸、ジブチルホスフィン酸、ジトリルホスフィン酸、ジキシリルホスフィン酸、ジビフェニリルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アントリルホスフィン酸、2−カルボキシフェニルホスフィン酸、3−カルボキシフェニルホスフィン酸、4−カルボキシフェニルホスフィン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,6−トリカルボキフェニルホスフィン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、ビス(2−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(4−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3−ジカルボキルシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,6−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,4−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,5−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,6−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,4,5−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、及びビス(2,4,6−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、メチルホスフィン酸メチルエステル、ジメチルホスフィン酸メチルエステル、メチルホスフィン酸エチルエステル、ジメチルホスフィン酸エチルエステル、エチルホスフィン酸メチルエステル、ジエチルホスフィン酸メチルエステル、エチルホスフィン酸エチルエステル、ジエチルホスフィン酸エチルエステル、フェニルホスフィン酸メチルエステル、フェニルホスフィン酸エチルエステル、フェニルホスフィン酸フェニルエステル、ジフェニルホスフィン酸メチルエステル、ジフェニルホスフィン酸エチルエステル、ジフェニルホスフィン酸フェニルエステル、ベンジルホスフィン酸メチルエステル、ベンジルホスフィン酸エチルエステル、ベンジルホスフィン酸フェニルエステル、ビスベンジルホスフィン酸メチルエステル、ビスベンジルホスフィン酸エチルエステル、ビスベンジルホスフィン酸フェニルエステル等のホスフィン酸系、トリメチルホスフィンオキサイド、トリエチルホスフィンオキサイド、トリプロピルホスフィンオキサイド、トリイソプロピルホスフィンオキサイド、トリブチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系、メチル亜ホスホン酸、エチル亜ホスホン酸、プロピル亜ホスホン酸、イソプロピル亜ホスホン酸、ブチル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸等の亜ホスホン酸系、メチル亜ホスフィン酸、エチル亜ホスフィン酸、プロピル亜ホスフィン酸、イソプロピル亜ホスフィン酸、ブチル亜ホスフィン酸、フェニル亜ホスフィン酸、ジメチル亜ホスフィン酸、ジエチル亜ホスフィン酸、ジプロピル亜ホスフィン酸、ジイソプロピル亜ホスフィン酸、ジブチル亜ホスフィン酸、ジフェニル亜ホスフィン酸等の亜ホスフィン酸系、メチルホスフィン、ジメチルホスフィン、トリメチルホスフィン、メエルホスフィン、ジエチルホスフィン、トリエチルホスフィン、フェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン系が挙げられ、これらのいずれか1種または2種であることが好ましい。特に熱安定性及び色調改善の観点から、リン酸系及び/またはホスホン酸系であることが好ましい。
【0032】
本発明のポリエステル短繊維を構成するポリエステルは、ゲルマニウム化合物およびアンチモン化合物を含まないかあるいはポリエステルに対するゲルマニウムおよび/またはアンチモン原子として30ppm以下含有することが必要である。この範囲とすることで、成形加工時の口金汚れの発生等が少なく、かつ比較的安価なポリマーを得ることができる。より好ましくは、10ppm以下、特には実質的に含有しないことが好ましい。
【0033】
また、チタン化合物のチタン原子に対してリン原子としてモル比率でTi/P=0.1〜20であるとポリエステルの熱安定性や色調が良好となり好ましい。より好ましくはTi/P=0.2〜10であり、さらに好ましくはTi/P=0.3〜5である。
【0034】
本発明で用いるチタン化合物及びリン化合物は、ポリエステルの反応系にそのまま添加してもよいが、予めエチレングリコールやプロピレングリコール等のポリエステルを形成するジオール成分を含む溶媒と混合し、溶液またはスラリーとし、必要に応じてチタン化合物またはリン化合物合成時に用いたアルコール等の低沸点成分を除去した後、反応系に添加すると、ポリマー中での異物生成がより抑制されるため好ましい。添加時期はエステル化反応触媒やエステル交換反応触媒として、原料添加直後に触媒を添加する方法や、原料と同伴させて添加する方法がある。また、重縮合反応触媒として添加する場合は、実質的に重縮合反応開始前であればよく、エステル化反応やエステル交換反応の前、あるいは反応終了後、重縮合反応触媒が開始される前に添加してもよい。この場合、チタン化合物とリン化合物が接触することによる触媒の失活を抑制するために、異なる反応槽に添加する方法や、同一の反応槽においてチタン化合物とリン化合物の添加間隔を1〜15分とする方法や添加位置を離す方法がある。
【0035】
また、本発明においてチタン化合物を予めリン化合物と反応させたものを触媒として用いることもできる。この場合には、(1)チタン化合物を溶媒に混合してその一部または全部を溶媒中に溶解し、この混合溶液にリン化合物を原液または溶媒に溶解希釈させ滴下する。(2)ヒドロキシカルボン酸系化合物や多価カルボン酸系化合物等のチタン化合物の配位子を用いる場合は、チタン化合物または配位子化合物を溶媒に混合してその一部または全部を溶媒中に溶解し、この混合溶液に配位子化合物またはチタン化合物を原液または溶媒に溶解希釈させ滴下する。また、この混合溶液にさらにリン化合物を原液または溶媒に溶解希釈させ滴下すると、熱安定性及び色調改善の観点から好ましい。上記の反応条件は0〜200℃の温度で1分以上、好ましくは20〜100℃の温度で2〜100分間加熱することによって行われる。この際の反応圧力には特に制限はなく、常圧でも良い。また、ここで用いる溶媒としては、チタン化合物、リン化合物及びカルボニル基含有化合物の一部または全部を溶解し得るものから選択することができるが、好ましくは、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ベンゼン、キシレンから選ばれる。
【0036】
本発明のポリエステル短繊維を構成するポリエステルは、その製造方法において任意の時点でマンガン化合物をポリエステルに対するマンガン原子換算で1〜400ppm含有し、マンガン化合物とリン化合物の比率がマンガン原子とリン原子のモル比率としてMn/P=0.1〜200となるように添加すると重合活性の低下を抑制することができ、それにより得られるポリマーの色調が良好となり好ましい。この場合に用いるマンガン化合物としては特に限定はないが、具体的には、例えば、塩化マンガン、臭化マンガン、硝酸マンガン、炭酸マンガン、マンガンアセチルアセトネート、酢酸マンガン四水塩、酢酸マンガン二水塩等が挙げられる。
【0037】
また、本発明のポリエステル短繊維を構成するポリエステルは、その製造方法において任意の時点でさらにコバルト化合物を添加すると得られるポリマーの色調が良好となり好ましい。この場合に用いるコバルト化合物としては特に限定はないが、具体的には、例えば、塩化コバルト、硝酸コバルト、炭酸コバルト、コバルトアセチルアセトネート、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト四水塩等が挙げられる。
【0038】
また、得られるポリマーの色調やポリマーの耐熱性を向上させる目的で、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、スズ化合物等を添加してもよい。
【0039】
さらに、二酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、カーボンブラック等の粒子のほか、着色防止剤、安定剤、抗酸化剤、末端封鎖剤等の添加剤を含有しても差支えない。
【0040】
本発明のポリエステル短繊維は、チタン化合物(二酸化チタン粒子を除く)を主たる触媒として製造されたポリエステルであって、かつゲルマニウム化合物およびアンチモン化合物を含まないかあるいはポリエステルに対するゲルマニウム原子およびアンチモン原子の総含有率が30ppm以下であるポリエステルを溶融紡糸延伸、捲縮付与の後、カットすることを特徴とするポリエステル短繊維の製造方法で製造できる。具体例としてPETの例を記載するがこれに限定されるものではない。
【0041】
PETは通常、次のいずれかのプロセスで製造される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低重合体を得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリマーを得るプロセス、(2)ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低重合体を得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリマーを得るプロセスである。ここでエステル化反応は無触媒でも反応は進行するが、前述のチタン化合物を触媒として添加してもよい。また、エステル交換反応においては、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム等の化合物や前述のチタン化合物を触媒として用いて反応を進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、該反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加することが行われる。
【0042】
本発明のポリエステル短繊維を構成するポリエステルの製造方法は、(1)または(2)の一連の反応の任意の段階、好ましくは(1)または(2)の一連の反応の前半で得られた低重合体に、艶消し剤として二酸化チタン粒子や、コバルト化合物等の添加物を添加した後、重縮合触媒として前述のチタン化合物を添加し重縮合反応を行い、高分子量のPETを得るというものである。
【0043】
また、上記の反応は回分式、半回分式あるいは連続式等の形式に適応し得る。
【0044】
本発明のポリエステル短繊維を構成するポリエステルは、溶融重縮合に引き続いて固相重縮合を行って高分子量のポリエステルを製造する方法も好ましく採用できる。固相重合を行うことは、ポリエステルの高分子量化と共にCOOH末端基濃度を低減できるため好適である。
【0045】
本発明のポリエステル短繊維は、脂肪酸エステル、多価アルコールエステル、エーテルエステル、ポリエーテル、シリコーン、鉱物油から選ばれる平滑剤を少なくとも1種類含有する油剤が付与されていることが好ましい。また、上記のような油剤は、紡出後に付与されても良いし、紡糸・延伸工程後に仕上げ剤として付与されても良い。ポリエステル短繊維に上記のような平滑剤を含有した油剤を付与することによって、ポリエステル短繊維の滑り性が向上し、紡糸、延伸での工程通過性、および得られる短繊維の捲縮斑や毛羽等を抑制できる。さらには、短繊維の開繊性が良くなるため、例えば、中入れ綿として用いた場合には、短繊維の分散性が向上することによって、側地(布団カバー、枕カバー、クッションカバー等)内での短繊維の偏りが極めて少ない、高品位な繊維製品を得ることが可能となる。また、上記のような繊維間での滑り性を向上させる観点から、油剤としては、脂肪酸エステルまたはシリコーン系の平滑剤を主成分とすることが好ましい。
【0046】
本発明では、油剤を構成する成分は平滑剤に加えて、油剤を水に乳化させ、低粘度化して糸条への付着、浸透性を向上させる乳化剤、また必要に応じて帯電防止剤、イオン性界面活性剤、集束剤、防錆剤、防腐剤、酸化防止剤を適宜配合したものを使用することができる。
【0047】
本発明のポリエステル短繊維は、染色が前提となるような衣料用途等の色調が重要視される用途でも幅広く使用するために、黄味の色調の指標であるb*値が−1〜5であることが好ましく、−1〜3であることがより好ましい。
【0048】
本発明のポリエステル短繊維は、捲縮数が6山/25mm以上であり、そして捲縮率が10%以上であると、嵩高で軽量感のある良好な風合いを達成することができる。また、捲縮数が多すぎたり、捲縮率が大きすぎると、嵩高性が逆に低下してしまうことがあるため、捲縮数、捲縮率はそれぞれ20山/25mm以下、50%以下であることが好ましい。捲縮数は8〜15山/25mmがより好ましく、捲縮率は15〜30%がより好ましい。
【0049】
また、本発明のポリエステル短繊維では、工程通過性や製品の力学的強度を十分高く保つためには、強度は2.0cN/dtex以上であることが好ましい。また、本発明のポリエステル短繊維の伸度は10〜80%であると、繊維製品にする際の工程通過性が向上する。さらに本発明のポリエステル短繊維では、沸収が0〜30%であれば繊維および繊維製品の寸法安定性が良好である。
【0050】
本発明でいうポリエステル短繊維とは、ポリエステルからなる繊維であって、その繊維長が2〜150mmの繊維を意味する。本発明のポリエステル短繊維の繊維長は、好ましくは3〜100mmの範囲であり、用途に応じて適宜選択される。また、本発明のポリエステル短繊維の単繊維繊度は、好ましくは0.1〜100dtexであり、より好ましくは0.3〜50dtexである。
【0051】
また、本発明のポリエステル短繊維の断面形状は、丸断面、中空断面または三葉断面等の多葉断面、およびその他の異形断面についても自由に選択することが可能である。特に、中入れ綿等の軽量性やソフト性、保温性が重要視されるような用途では、中空断面形状のポリエステル短繊維が好ましい。この場合の中空率は、15〜45%であることが好ましい。中空率を15%以上とすることで軽量性、ソフト性および保温性が達成され、また、中空率を45%以下とすることで捲縮加工時に中空が潰れたり、繊維にクラックが入ることが抑制され、繊維の物性や品位を保つことができる。ここで言う中空率とは、繊維断面の外形から求めた面積に対する中空部分の面積比を百分率で表したものである。
【0052】
また、本発明のポリエステル短繊維は、少なくともポリエステルを成分に含んだ芯鞘型、偏心芯鞘型、サイドバイサイド型または割繊維分割型など、あるいは海島型などの1成分を溶出するタイプの複合繊維であっても良い。
【0053】
本発明のポリエステル短繊維の製造方法は、チタン化合物(二酸化チタン粒子を除く)を主たる触媒として製造されたポリエステルであって、かつゲルマニウム化合物およびアンチモン化合物を含まないかあるいはポリエステルに対するゲルマニウム原子およびアンチモン原子の総含有率が30ppm以下であるポリエステルを用いることを特徴とする。
【0054】
上記のようなポリエステルを用いて、ポリエステル短繊維を製造した場合には、溶融紡糸時において、触媒の残渣が口金孔周りに堆積することが殆どないため、口金修正の頻度を少なくしても、糸切れや吐出曲がりが発生せず、安定的に高品位なポリエステル短繊維の生産が可能となる。さらには、パック内で触媒残渣が凝集することがないため、フィルターの濾圧上昇が少なく、パックライフを長くできることによって、優れた操業性が可能となる。
【0055】
本発明のポリエステル短繊維は、上記のようなポリエステルを用いていれば良く、その繊維化については、溶融紡糸、延伸、捲縮付与およびカットの各工程からなる従来公知の溶融紡糸法を採用することができる。
【0056】
溶融紡糸はプレッシャーメルター型やエクストルーダー型等の従来公知の紡糸機を用いることができる。溶融紡糸された糸条には、冷却、油剤付与、引き取りの後、引き揃え、延伸、熱固定が施される。引き揃えは、巻き取った糸を複数本合糸することによって行い、得られたトウは液浴にて延伸を行うことができる。
【0057】
次いで、延伸糸に捲縮を付与し、所望の繊維長にカットする。捲縮付与方法は、特に限定されないが、例えばスタッフィングボックス法、押し込み加熱ギア法、高速エアー噴射押し込み法等が挙げられる。また、必要に応じて、油剤を仕上げ剤として延伸後や捲縮付与後に付与することもできる。
【0058】
本発明のポリエステル短繊維の好ましい製造方法を以下に例示する。まず、溶融紡糸における紡糸温度は、用いるポリエステルの共重合比率や分子量によって異なるが、220〜330℃とすることが望ましい。紡糸温度が220℃未満では溶融押し出しが困難であり、330℃を超えるとポリエステルの分解が顕著となり、捲縮特性に優れた高強度のポリエステル短繊維を得ることが困難となる。
【0059】
溶融紡糸された糸条は、引き取り速度を400〜2,000m/分、延伸倍率を1.5〜6倍とすると、ポリエステル短繊維を繊維構造体として用いた場合に適切な強度を備えたポリエステル短繊維が得られる。引き揃えは、最終的に総繊度が5〜100万dtexのトウとなるように行えば良い。また、トウを均一に延伸するためには、60〜100℃の温水を用いた液浴延伸を行うことが好ましい。次いで、延伸糸にスタッフィングボックス法等によって、捲縮数6山/25mm以上、捲縮度10%以上となるように捲縮を付与し、3〜100mmの繊維長にカットする。
【0060】
また、溶融紡糸後の繊維糸条には、脂肪酸エステル、多価アルコールエステル、エーテルエステル、ポリエーテル、シリコーン、鉱物油から選ばれる平滑剤を少なくとも1種類含有する油剤を付与することが好ましい。上記のような油剤は、紡出後に付与されても良いし、紡糸・延伸工程後に仕上げ剤として付与されても良い。ポリエステル短繊維に上記のような平滑剤を含有した油剤を付与することによって、ポリエステル短繊維の滑り性が向上し、紡糸、延伸での工程通過性が良くなり、さらには、短繊維の開繊性が良くなるため、この短繊維を紡績糸、不織布、中入れ綿、バインダー繊維といった繊維構造体に加工する際の工程通過性も良好となる。
【0061】
本発明のポリエステル短繊維は、太さ斑や断面異常、融着等の異常糸が極めて少なく、従来品に比べて高品位であることが特徴である。本発明のポリエステル短繊維は、風合いや開繊性、滑り性、均一染色性といった諸特性において優れた特性を有するものである。つまり、従来のポリエステル短繊維では、上記のような異常糸が多いために、風合いが硬化し、また開繊性や滑り性が悪いことによって、得られる繊維に物性斑や染色斑が生じる等の問題が頻発していたが、本発明のポリエステル短繊維では、異常糸が極めて少ないため、これらの問題を全て解消することができるのである。また、本発明のポリエステル短繊維は、その優れた特性によって、紡績糸、不織布、中入れ綿、バインダー繊維等の種々の繊維構造体に好適に用いることができる。これらの繊維構造体は、ポリエステル短繊維を少なくともその一部に用いていれば特に限定されず、ポリエステル以外の繊維、例えば、ポリ乳酸やポリグリコール酸やポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等の生分解性繊維や、綿、絹、麻、羊毛等の天然繊維、レーヨンやアセテート等の再生繊維、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリオレフィン、ポリウレタン等の合成繊維との混用品等でも良い。
【0062】
特に、本発明のポリエステル短繊維を少なくとも一部に用いてなる中入れ綿は、短繊維に太さ斑や繊維間での融着、中空断面異常が極めて少ないために、風合いや保温性に優れた高品位な繊維製品となるため、より好ましい形態である。
【0063】
本発明のポリエステル短繊維を少なくとも一部に用いてなる中入れ綿は、嵩高性が50cm3/g以上であることが好ましい。嵩高性が50cm3/g未満の場合は、例えば、布団に用いた場合には空隙率が低く、布団としての保温性が低くなり布団として満足できるものとはならない。布団としての保温性の面から嵩高性は好ましくは60cm3/g以上、特に好ましくは100cm3/g以上である。嵩高性は高ければ高い程、軽量性と保温性が優れたものとなる。
【0064】
繊維の捲縮形態については機械捲縮でもスパイラル捲縮でも良いが、嵩高性をより高めるためにはスパイラル捲縮の方が好ましい。スパイラル捲縮を付与する手段は多くあるが、例えば、繊維を断面方向に非対称性を持たせ、延伸時の配向差によるスパイラル捲縮を発現させる方法、および延伸後のリラックス熱処理時に生じる収縮率差によってスパイラル捲縮を発現させる方法等がある。
【0065】
また、本発明のポリエステル短繊維を少なくとも一部に用いてなる中入れ綿は、その圧縮率が45%以上であることが好ましい。ここで圧縮率とは、中入れ綿の圧縮時の嵩高性を表す指標である。圧縮率が低い場合には、小さな圧縮荷重でも嵩高特性が低下し、前述した保温性が低下してしまうことがある。この観点からより好ましい圧縮率は50%以上、特に好ましい圧縮率は60%以上である。また、逆に、圧縮率が高すぎると、中入れ綿の弾力が不足し、硬い触感になる場合があるため、圧縮率は90%以下が好ましい。
【0066】
中入れ綿が圧縮に耐えるため、単繊維繊度について好ましい範囲が存在する。圧縮特性を向上させる目的から好ましい単繊維繊度は3dtex以上、特に好ましくは5dtex以上である。但し、繊度が大きすぎると粗硬感が強くなり好ましくない。本発明のポリエステル短繊維を少なくとも一部に用いてなる中入れ綿において、好ましい単繊維繊度は50dtex以下、特に好ましくは20dtex以下である。
【0067】
また、本発明のポリエステル短繊維を少なくとも一部に用いてなる中入れ綿は、その回復率が70%以上であると、弾力のある触感が得られるため好ましい。回復率は好ましくは85%以上であり、大きいほど好ましい。回復率とは、中入れ綿に荷重を乗せて圧縮した後、その荷重を取り除いたときの嵩高の回復度合いを表す指標である。本発明のポリエステル短繊維は、平滑剤を少なくとも1種類含有する油剤が付与されることによって、滑り性が大幅に向上し、圧縮時に短繊維間でのからまりやひっかかりが少なくなるため、回復率が高い値となる。これによって、弾力のある中入れ綿が可能となるため、より好ましい形態である。
【0068】
本発明のポリエステル短繊維を少なくとも一部に用いてなる中入れ綿は、布団、枕等の寝装用途をはじめとして、クッション材やぬいぐるみ等の中入れ綿としても好適に用いられる。
【0069】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の特性値は以下に述べる方法で測定した。
(1)PET中のチタン元素、リン元素、アンチモン元素等の含有量
蛍光X線元素分析装置(堀場製作所社製、MESA−500W型)により求めた。なお、ポリエステルに二酸化チタン粒子が含有されている際には、次の前処理をした上で蛍光X線分析を行った。すなわち、ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解(溶媒100gに対してポリマー5g)し、このポリマー溶液と同量のジクロロメタンを加えて溶液の粘性を調製した後、遠心分離器(回転数18000rpm、1時間)で粒子を沈降させる。その後、傾斜法で上澄み液のみを回収し、上澄み液と同量のアセトンを添加することによりポリマーを再析出させ、そのあと3G3のガラスフィルター(IWAKI社製)で濾過し、濾上物をさらにアセトンで洗浄した後、室温で12時間真空乾燥してアセトンを除去した。以上の前処理を施して得られたポリマーについてチタン元素、リン元素、アンチモン元素等の分析を行った。
【0070】
一方、二酸化チタン粒子が含有されていない場合は、前処理を行う必要がないので、ポリマーをそのまま分析すればよい。
(2)ポリマーの色調
色差計(スガ試験機社製、SMカラーコンピュータ型式SM−3)を用いて、ハンター値(L、a、b値)として測定した。
(3)短繊維の色調(b*値)
カットする前の繊維サンプルを透明プレートに、下地の色がほぼ無視できる程度まで密に積層して巻き付け、ミノルタ社製「スペクトロフォトメーターCM−3700d」を用いて測定した。このとき、光源としてはD65(色温度6504K)を用い、10°視野で測定を行った。
(4)短繊維の強度、伸度、沸収、捲縮数および捲縮率
JIS L 1015に準拠した。
(5)短繊維の品位
短繊維100万本に相当する重量の原綿を、0.02wt%染料(Diaselliton Fast Rubine-3B)水溶液を使用し、98℃15分の条件で染色し、水洗、乾燥した。この原綿をハンドカードでよく開繊した後、ルーペで検鏡し、濃染糸(濃く染まっている糸で濃染部が10mm以上の糸)および融着糸の数から次の指標で評価した。
○:濃染糸と融着糸の総数が10本未満
△:濃染糸と融着糸の総数が10本以上20本未満
×:濃染糸と融着糸の総数が20本以上
(6)製糸性
紡糸を行う紡糸錘の内任意に5錘を選び、各錘における短繊維の製造開始から最初に糸切れが発生するまでの時間の平均値から次の指標で評価した。
○:40時間以上
△:25時間以上40時間未満
×:25時間未満
(7)中入れ綿の嵩高性、圧縮率および回復率
JIS L 1097に準拠した。
(8)中入れ綿の風合い
10人の試験者によって次の指標で官能評価を行った。
○:ソフト感、軽量感が極めて優れている。
△:ソフト感、軽量感が優れている。
×:ソフト感、軽量感がもの足りない。
(9)中入れ綿の滑り性
原綿を手で解した時の解れ易さを次の指標で評価した。
○:極めて容易に解れる。
△:容易に解れる。
×:解れにくい。
【0071】
なお、以下に実施例で使用した触媒A〜Iの合成方法を記す。
<触媒A.クエン酸キレートチタン化合物(リン酸混合)の合成方法>
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中に温水(371g)にクエン酸・一水和物(532g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を真空下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして真空下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。この混合溶液に対し、リン酸の85重量/重量%水溶液(114g、1.00モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量2.49重量%、pH=5.0)。
<触媒B.クエン酸キレートチタン化合物(フェニルホスホン酸混合)の合成方法>
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中に温水(371g)にクエン酸・一水和物(532g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を真空下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして真空下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。この混合溶液に対し、フェニルホスホン酸(158g、1.00モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量2.49重量%、pH=5.5)。
<触媒C.クエン酸キレートチタン化合物(フェニルホスホン酸、リン酸混合)の合成方法>
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中に温水(371g)にクエン酸・一水和物(532g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を真空下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして真空下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。この混合溶液に対し、フェニルホスホン酸(158g、1.00モル)及びリン酸の85重量/重量%水溶液(39.9g、0.35モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量3.36重量%、pH=4.6)。
<触媒D.乳酸キレートチタン化合物(リン酸混合)の合成方法>
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(218g、3.51モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応混合物を15分間撹拌し、そしてその反応フラスコに乳酸アンモニウム(252g、2.00モル)の85重量/重量%水溶液を加えると、透明な淡黄色の生成物(Ti含有量6.54重量%)を得た。この混合溶液に対し、リン酸の85重量/重量%水溶液(114g、1.00モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量4.23重量%、pH=5.0)。
<触媒E.乳酸キレートチタン化合物(フェニルホスホン酸混合)の合成方法>
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(218g、3.51モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応混合物を15分間撹拌し、そしてその反応フラスコに乳酸アンモニウム(252g、2.00モル)の85重量/重量%水溶液を加えると、透明な淡黄色の生成物(Ti含有量6.54重量%)を得た。この混合溶液に対し、フェニルホスホン酸(158g、1.00モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量4.23重量%、pH=5.4)。
<触媒F.乳酸キレートチタン化合物(フェニルホスホン酸、リン酸混合)の合成方法>
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(218g、3.51モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応混合物を15分間撹拌し、そしてその反応フラスコに乳酸アンモニウム(252g、2.00モル)の85重量/重量%水溶液を加えると、透明な淡黄色の生成物(Ti含有量6.54重量%)を得た。この混合溶液に対し、フェニルホスホン酸(158g、1.00モル)及びリン酸の85重量/重量%水溶液(39.9g、0.35モル)を加えることで、リン化合物を含有するチタン化合物を得た(P含有量5.71重量%、pH=4.0)。
【0072】
[製造例1]
高純度テレフタル酸(三井化学社製)100kgとエチレングリコール(日本触媒社製)45kgのスラリーを予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート(以下、BHTと略称する)約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×105Paに保持されたエステル化反応槽に4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行い、このエステル化反応生成物の123kgを重縮合槽に移送した。
【0073】
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された前記重縮合反応槽に、酸化チタン粒子のエチレングリコールスラリーを得られるポリマーに対して0.3重量%添加した。クエン酸キレートチタン化合物及びリン酸からなるpH=5.0のエチレングリコール溶液(触媒A)を得られるポリマーに対してチタン原子換算で12ppm、リン原子換算で7.2ppmとなるように添加し、その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から280℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてPETのペレットを得た。得られたPETの〔η〕は0.660であった。色調はL=77、a=−1.0、b=2.5であり良好なものであった。また、ポリマーから測定したチタン触媒由来のチタン原子の含有量は12ppm、リン原子の含有量は7.2ppmであり、Ti/P=1であることを確認した。
【0074】
該PETペレットを、ロータリー式の固相重合装置に仕込み、温度220℃、圧力1torrにて38時間減圧固相縮合を行い固相重合PET(P1)を得た、該固相重合PETは、〔η〕が0.938であった。
【0075】
[製造例2]
触媒にクエン酸キレートチタン化合物とフェニルホスホン酸からなる触媒B(pH=5.5)を用いる以外は製造例1と同様に溶融重合と固相重合を行い、〔η〕が0.930の固相重合PET(P2)を得た。
【0076】
[製造例3]
触媒にクエン酸キレートチタン化合物とフェニルホスホン酸及びリン酸からなる触媒C(pH=4.6)を用いる以外は製造例1と同様に溶融重合と固相重合を行い、〔η〕が0.935の固相重合PET(P3)を得た。
【0077】
[製造例4]
触媒に乳酸キレートチタン化合物とリン酸からなる触媒D(pH=5.0)を用いる以外は製造例1と同様に溶融重合と固相重合を行い、〔η〕が0.940の固相重合PET(P4)を得た。
【0078】
[製造例5]
触媒に乳酸キレートチタン化合物とフェニルホスホン酸からなる触媒E(pH=5.4)を用いる以外は製造例1と同様に溶融重合と固相重合を行い、〔η〕が0.940の固相重合PET(P5)を得た。
【0079】
[製造例6]
触媒に乳酸キレートチタン化合物とフェニルホスホン酸及びリン酸からなる触媒F(pH=4.0)を用いる以外は製造例1と同様に溶融重合と固相重合を行い、〔η〕が0.940の固相重合PET(P6)を得た。
【0083】
[製造例10]
製造例1におけクエン酸キレートチタン化合物及びリン酸からなるる触媒加えて三酸化アンチモン(以下、Sb2O3と略称する)(住友金属鉱山社製)をアンチモン元素として15ppm併用した以外は製造例1と同様に溶融重合と固相重合を行い、〔η〕が0.960の固相重合PET(P10)を得た。
【0084】
[製造例11]
製造例10においてクエン酸キレートチタン化合物及びリン酸からなるる触媒と併用したSb2O3をGeO2に変更した以外は製造例10と同様に溶融重合と固相重合を行い、〔η〕が0.962の固相重合PET(P11)を得た。
【0085】
[製造例12]
触媒にSb2O3(住友金属鉱山社製)を、得られるポリマーに対してアンチモン原子換算で400ppm、リン酸を得られるポリマーに対してリン原子換算で10ppm添加したこと以外は製造例1と同様にして溶融重合と固相重合を行い、〔η〕が0.940の固相重合PET(P12)を得た。
【0086】
[製造例13]
テレフタル酸ジメチル100kg、エチレングリコール60kg、酢酸マンガン4水塩0.03kg(テレフタル酸ジメチルに対して0.024モル%)、色剤として酢酸コバルト4水塩0.009kg(テレフタル酸ジメチルに対して0.007モル%)、及びジエチレングリコール0.15kgをエステル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下3時間かけて140℃から220℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留去しながらエステル交換反応させた。続いて得られた生成物に3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラn−ブチルホスホニウム塩(テレフタル酸ジメチルに対して0.025モル%)を20%加熱エチレングリコール溶液の状態で添加した。
【0087】
その後220℃で20分間攪拌した後、安定剤として正リン酸の56%水溶液0.03部(テレフタル酸ジメチルに対して0.033モル%)を添加し、同時に過剰エチレングリコールの昇温追出しを開始した。10分後重縮合触媒として三酸化アンチモン0.04kg(テレフタル酸ジメチルに対して0.027モル%)を添加した。内温が240℃に到達した時点でエレチングリコールの追出しを終了し反応生成物を重合缶に移した。
【0088】
次いで昇温しながら常圧反応させた後、1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけて内温を280℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧下、重合温度280℃で更に2時間重合した時点で窒素ガスで真空を破って重合反応を終了し、窒素ガス加圧下に280℃で冷水中にポリマーの吐出を行ない、カッティングしてPETのペレットを得た。得られたPET(P13)の〔η〕は、0.620であった。
【0089】
実施例1
P1を乾燥後、エクストルーダー型紡糸機に供して、約290℃で3分間混練した溶融ポリマを紡糸パック内の絶対濾過精度10μmの金属不織布を使用した濾過層を通して、185ホールを有する中空断面糸用口金から吐出量355g/分で紡出し、紡糸速度1000m/分で引き取った。同様に紡糸した複数の糸条を合糸し、キャンに受けた。そして、この未延伸糸をさらに合糸して70万dtexのトウとし、90℃の水槽中で3.2倍に延伸した後、スタッファーボックスで機械捲縮(ニップ圧2kg/cm2、押し込み圧1kg/cm2)を付与した。次いで、130℃でリラックス熱処理を行い、脂肪酸エステルを主成分(65重量%)とする油剤を付与した後カットし、単繊維繊度6dtex、繊維長64mm、中空断面(中空率34%)のPET短繊維(SF1)を得た。このPET短繊維の特性は表1に示す通り、強度5.0cN/dtex、伸度38%、沸収8%、b*値2.6と良好な糸物性を示し、また、捲縮数10山/25mm、捲縮率26%と良好な捲縮特性を示した。この短繊維には、異常糸が極めて少なく、良好な品位を示すものであった。加えて、製造時の糸切れ回数は極めて少なく、製糸性は良好であり、短繊維100kg製造後の口金吐出孔周辺の付着堆積物は極微少であった。また、パック内の濾圧は終始安定しており、紡糸開始から30時間後もパック交換する必要がなかった。
【0090】
実施例2〜6、10〜11
P1の代わりにP2〜6、P10〜11を用いたこと以外は実施例1と同様にして、PET短繊維(SF2〜6、SF10〜11)を得た。これらPET短繊維の特性は表1に示す通りであり、良好な糸物性と捲縮特性を示した。加えて、品位や製糸性は良好であり、短繊維100kg製造後の口金吐出孔周辺の付着堆積物は極微少であった。また、パック内の濾圧は終始安定しており、紡糸開始から30時間後もパック交換する必要がなかった。
【0091】
比較例1
P1の代わりにP12を用いたこと以外は実施例1と同様にして、PET短繊維(SF12)を得た。このPET短繊維の特性は表1に示す通りであり、糸物性と捲縮特性については良好であったが、異常糸がやや多いために品位が不十分であり、また、製造時の糸切れ回数がやや多く、製糸性についても満足いくものではなかった。加えて、短繊維100kg製造後の口金吐出孔周辺には、付着堆積物が目立ち、引き続き短繊維を安定製造するには口金修正が必要な状況であった。また、パック内の濾圧が経時的に増大し、30時間毎にパック交換する必要があった。
【0092】
比較例2
P1の代わりにP13を用いたこと以外は実施例1と同様にして、PET短繊維(SF13)を得た。このPET短繊維の特性は表1に示す通りであり、糸物性と捲縮特性については良好であったが、異常糸がやや多いために品位が不十分であり、また、製造時に糸切れ回数がやや多く、製糸性についても満足いくものではなかった。加えて、短繊維100kg製造後の口金吐出孔周辺には、付着堆積物が存在し、引き続き短繊維を安定製造するには口金修正が必要な状況であった。また、パック内の濾圧が経時的に増大し、30時間毎にパック交換する必要があった。
【0093】
【表1】
【0094】
実施例12
SF1を中入れ綿として布団を作製した。この中入れ綿の特性は表2に示す通りであり、嵩高性120cm3/g、圧縮率62%、回復率93%と非常に嵩高性に優れるものであり、これらの特性によって、ソフト感や軽量感が存在するとともに保温性にも優れたものであった。また、この中入れ綿は滑り性が良好であり、布団カバー内での短繊維の分散性が良いため、この中入れ綿によって、綿の粗密斑が極めて少ない高品位な布団製品を製造することが可能であった。
【0095】
実施例13,14
SF1の代わりにSF5又はSF10を用いたこと以外は実施例12と同様にして布団を作製した。これらの中入れ綿の特性は表2に示す通りであり、嵩高性に優れ、また、品位や滑り性も良好であり、高品位な布団製品を製造することが可能であった。
【0096】
実施例15
脂肪酸エステルを主成分とする油剤の代わりに、シリコーン系化合物を主成分(80重量%)とする油剤を使用したこと以外は実施例1と同様にしてPET短繊維(SF13)を得た。このSF13をSF1の代わりに用いたこと以外は実施例12と同様にして布団を作製した。これらの中入れ綿の特性は表2に示す通りであり、嵩高性に優れ、また、品位や滑り性も良好であり、高品位な布団製品を製造することが可能であった。
【0097】
実施例16
脂肪酸エステルを主成分とする油剤の代わりに、ポリエーテルを主成分(75重量%)とする油剤を使用したこと以外は実施例1と同様にしてPET短繊維(SF14)を得た。このSF14をSF1の代わりに用いたこと以外は実施例12と同様にして布団を作製した。これらの中入れ綿の特性は表2に示す通りであり、嵩高性に優れ、また、品位や滑り性も良好であり、高品位な布団製品を製造することが可能であった。
【0098】
【表2】
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリエステル短繊維の製造時において、製糸性が良好であり、かつ従来品に比べて高品位な短繊維を提供することができる。さらに、本発明のポリエステル短繊維は、捲縮特性や品位、滑り性に優れるため、布団、枕等の寝装用途をはじめとして、クッション材やぬいぐるみ等の中入れ綿としても好適に用いられる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a high-quality short fiber that has very few abnormal yarns such as thick spots, cross-sectional abnormalities, and fusion as compared with conventional products, and an interlining cotton made of the same. Further, the present invention relates to a method for producing a polyester short fiber which is suppressed in yarn breakage and increase in filtration pressure and has excellent yarn-making properties.
[0002]
[Prior art]
Polyester short fibers are used for various purposes because of their useful functionality. For example, they are used for clothing, materials, and medical use. Among them, polyethylene terephthalate short fibers are excellent in terms of versatility and practicality and are preferably used.
[0003]
In general, polyethylene terephthalate constituting the polyethylene terephthalate short fiber is produced from terephthalic acid or an ester-forming derivative thereof and ethylene glycol. However, in a commercial process for producing a high molecular weight polymer, an antimony compound is widely used as a polycondensation catalyst. It is used. However, polymers containing antimony compounds have some undesirable properties as described below.
[0004]
For example, it is known that when a polymer obtained using an antimony catalyst is melt-spun and fiberized, residues of the antimony catalyst are deposited around the die holes. Due to this accumulation, the obtained fiber may have increased thickness, or may not have a desired cross-sectional shape in a hollow or deformed cross-section yarn, that is, an abnormal cross-section may be generated. Further, as this deposition progresses, it causes thread breakage on the die surface, and the thread end where the thread breaks in this way is markedly thickened, such as extremely large swelling because the spinning stress is relaxed before cooling. The problem is that abnormal yarns frequently occur, such as increasing or interfering with other yarns before being cooled. It had to be removed frequently. In particular, the short fibers obtained in this way inevitably contain abnormal yarns such as thick spots, cross-sectional abnormalities, and fusions as described above, so that the texture is cured, and the opening and slipping properties are also improved. However, it sometimes caused physical spots and stained spots. In addition, when the obtained short fibers are used for filling cotton, the desired hollow fiber cannot be obtained due to the abnormal cross section in addition to the hardening of the texture and poor opening, and the heat retention and light weight are insufficient. For example, there is a problem that a high-quality fiber product cannot be obtained.
[0005]
In addition, the antimony catalyst residue in the polymer tends to be relatively large particles and becomes a foreign substance, leading to an increase in the filtration pressure of the filter during melt spinning, so that the pack life is short and the operability is sometimes reduced. In addition, fiber waste that does not necessarily become a product is generated at the time of base correction or pack replacement, and as the frequency of such operations increases, fiber waste increases and productivity decreases greatly. Was causing.
[0006]
It is believed that the accumulation of the antimony catalyst residue occurs because the antimony compound in the polymer is transformed near the die, and after a part is vaporized and dissipated, a component mainly composed of antimony remains in the die. In order to solve the above problems, it has been proposed to add a small amount of phosphonium sulfonate when producing polyethylene terephthalate using an antimony compound as a polymerization catalyst (see Patent Documents 1 and 2). However, although this method can suppress the vaporization of the antimony compound to some extent during spinning, the effect is not sufficient, and the obtained short fibers still have abnormal yarns such as thick spots, cross-sectional abnormalities, and fusion. The amount was included. In addition, this method has little effect of suppressing the generation of foreign matter in the pack, and thus it has not been possible to fundamentally prevent the increase in the filter pressure.
[0007]
In view of the above, there is a demand for polyesters with low or no antimony content. Thus, germanium compounds are known when the role of a polycondensation catalyst is required for compounds other than antimony compounds, but germanium compounds are very expensive and difficult to use for general purposes.
[0008]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 5-51439 (pages 1 to 3)
[0009]
[Patent Document 2]
JP-A-6-9767 (pages 1 to 3)
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to solve the above-mentioned conventional problems and to provide high-quality short fibers with extremely few abnormal yarns such as thickness unevenness, cross-sectional abnormalities, and fusion as compared with conventional products, and a cored cotton comprising the same. is there. It is another object of the present invention to provide a method for producing polyester short fibers that are suppressed in yarn breakage and increase in filtration pressure and are excellent in yarn production.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present invention has the following configuration.
[0012]
That is, polyester short fiber, the polyester constituting the short fiber,Selected from citrate chelate titanium compounds and lactate chelate titanium compoundsA polyester produced using a titanium compound (excluding titanium dioxide particles) as a main catalyst, and does not contain a germanium compound and an antimony compound, or a total content of germanium atoms and antimony atoms with respect to the polyester is 30 ppm or less. It is a polyester short fiber characterized by being.
[0013]
Further, it is a polyester produced using a titanium compound (excluding titanium dioxide particles) as a main catalyst and does not contain a germanium compound and an antimony compound, or the total content of germanium atoms and antimony atoms with respect to the polyester is 30 ppm or less. A method for producing a polyester staple fiber, characterized in that polyester is used.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The polyester constituting the polyester staple fiber of the present invention is a polymer synthesized from a dicarboxylic acid or an ester-forming derivative thereof and a diol or an ester-forming derivative thereof.
[0015]
Specific examples of such polyester include polyethylene terephthalate (hereinafter abbreviated as PET), polytrimethylene terephthalate, polytetramethylene terephthalate, polycyclohexylene dimethylene terephthalate, polyethylene-2,6-naphthalenedicarboxylate. And polyethylene-1,2-bis (2-chlorophenoxy) ethane-4,4′-dicarboxylate. Of these, PET or polyester copolymers mainly containing ethylene terephthalate units are preferred.
[0016]
In addition to diethylene glycol, these polyesters include dicarboxylic acids such as adipic acid, isophthalic acid, sebacic acid, phthalic acid, naphthalenedicarboxylic acid, 4,4′-diphenyldicarboxylic acid, and cyclohexanedicarboxylic acid, and esters thereof. Formable derivatives, dioxy compounds such as polyethylene glycol, hexamethylene glycol, neopentyl glycol, polypropylene glycol and cyclohexanedimethanol, oxycarboxylic acids such as p- (β-oxyethoxy) benzoic acid and ester-forming derivatives thereof It may be polymerized.
[0017]
In the polyester short fiber of the present invention, the titanium compound that can be used as a catalyst for the polyester has a substituent of the titanium compound represented by the following general formula 1soExamples thereof include titanium compounds and titanium oxides which are at least one selected from the group consisting of the functional groups represented.
[0018]
[Chemical 2]
[0019]
(Formula 1During ~, R1~ R3Each independently represents hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms, an alkoxy group, a hydroxyl group, a carbonyl group, an acetyl group, a carboxyl group, an ester group or an amino group, and a hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms. )
As Formula 1 of the present invention,,Lactic acid,Examples thereof include functional groups composed of hydroxy polyvalent carboxylic acid compounds such as citric acid.
[0024]
formula1ButIt is preferable from the viewpoint of thermal stability and color tone of the polymer.
[0026]
In the present invention, the titanium compound may be a titanium oxide, and examples of the titanium oxide include composite oxides in which main metal elements are titanium and silicon.
[0027]
The catalyst of the present invention is a polymer synthesized from a dicarboxylic acid or an ester-forming derivative thereof and a diol or an ester-forming derivative thereof. All or some of the following reactions (1) to (3) Refers to a compound that substantially contributes to the promotion of the reaction.
(1) Esterification reaction that is a reaction between a dicarboxylic acid component and a diol component
(2) Transesterification reaction, which is a reaction between an ester-forming derivative component of dicarboxylic acid and a diol component
(3) A polycondensation reaction in which the ester reaction or transesterification reaction is substantially completed, and the resulting PET low polymer is highly polymerized by a dediol reaction.
Therefore, titanium dioxide particles generally used as inorganic particles in matting agents for short fibers do not substantially have a catalytic action for the above reaction and can be used as the catalyst of the present invention. It is different from the titanium compound that can be made.
[0028]
The method for producing a composite oxide whose main metal element is composed of titanium and silicon is not particularly limited. For example, in the method of producing by a hydrolysis reaction using an alkoxide compound of titanium as a raw material, the rate of hydrolysis is controlled. Obtained by. Specifically, for example, a silicon alkoxide compound or a polyhydric alcohol compound coexists with a titanium alkoxide compound, which is a main raw material, and synthesized by a coprecipitation method, a partial hydrolysis method, a coordination chemical sol / gel method, or the like. can do. Moreover, a small amount of other metals such as zirconium can be used in combination. Here, the coprecipitation method is a method in which a solution having a predetermined composition containing two or more components is prepared, and the hydrolysis reaction proceeds with the composition. The partial hydrolysis method is a method in which one component is preliminarily hydrolyzed, and the other component is added thereto to further proceed hydrolysis. The coordination chemical sol-gel method is a method in which a polyhydric alcohol compound having a plurality of functional groups in the molecule is coexisted together with a titanium alkoxide raw material, and a reaction product is formed between the two in advance, thereby allowing subsequent hydrolysis. It is intended to control the rate of reaction. For example, Ueno et al., “Catalyst Preparation Using Metal Alkoxide”, page 321 line 1 to page 353 line 16 (IPC, issued on August 10, 1993). Etc. are described.
[0029]
The titanium compound (excluding titanium dioxide particles) in the present invention is preferably contained in an amount of 0.5 to 150 ppm in terms of titanium atom with respect to the obtained polymer. When it is 1 to 100 ppm, the thermal stability and color tone of the polymer become better, and it is more preferably 3 to 50 ppm.
[0030]
The polyester constituting the polyester short fiber of the present invention preferably contains 0.1 to 400 ppm of phosphorus together with the titanium compound in terms of phosphorus atoms with respect to the polyester. The phosphorus content is preferably 1 to 200 ppm, more preferably 3 to 100 ppm from the viewpoint of thermal stability and color tone of the polyester during yarn production.
[0031]
In addition, the phosphorus contained in the polyester which comprises the polyester staple fiber of this invention is added as a phosphorus compound in the manufacturing process of polyester. Examples of such phosphorus compounds include one or two of phosphoric acid, phosphorous acid, phosphonic acid, phosphinic acid, phosphine oxide, phosphonous acid, phosphinic acid, and phosphine compounds. It is preferable. Specifically, for example, phosphoric acid, trimethyl phosphate, triethyl phosphate, triphenyl phosphate and the like phosphoric acid series, phosphorous acid, trimethyl phosphite, triethyl phosphite, triphenyl phosphite and the like. Phosphate, methylphosphonic acid, ethylphosphonic acid, propylphosphonic acid, isopropylphosphonic acid, butylphosphonic acid, phenylphosphonic acid, benzylphosphonic acid, tolylphosphonic acid, xylylphosphonic acid, biphenylphosphonic acid, naphthylphosphonic acid, anthryl Phosphonic acid, 2-carboxyphenylphosphonic acid, 3-carboxyphenylphosphonic acid, 4-carboxyphenylphosphonic acid, 2,3-dicarboxyphenylphosphonic acid, 2,4-dicarboxyphenylphosphonic acid, 2,5-dicarboxy Phenylphosphonic acid, 2,6-dicarboxyl Nylphosphonic acid, 3,4-dicarboxyphenylphosphonic acid, 3,5-dicarboxyphenylphosphonic acid, 2,3,4-tricarboxyphenylphosphonic acid, 2,3,5-tricarboxyphenylphosphonic acid, 2,3 , 6-tricarboxyphenylphosphonic acid, 2,4,5-tricarboxyphenylphosphonic acid, 2,4,6-tricarboxyphenylphosphonic acid, methylphosphonic acid dimethyl ester, methylphosphonic acid diethyl ester, ethylphosphonic acid dimethyl ester, ethyl Phosphonic acid diethyl ester, phenylphosphonic acid dimethyl ester, phenylphosphonic acid diethyl ester, phenylphosphonic acid diphenyl ester, benzylphosphonic acid dimethyl ester, benzylphosphonic acid diethyl ester, benzylphosphonic acid diester Phenyl ester, lithium (ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate), sodium (ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate), magnesium bis (3 Ethyl 5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate), calcium bis (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate), diethylphosphonoacetic acid, methyl diethylphosphonoacetate, Phosphonic acid compounds such as ethyl diethylphosphonoacetate, hypophosphorous acid, sodium hypophosphite, methylphosphinic acid, ethylphosphinic acid, propylphosphinic acid, isopropylphosphinic acid, butylphosphinic acid, phenylphosphinic acid, tolylphosphinic acid Xylylphosphinic acid, Biphenylylphosphinic acid, diphenylphosphinic acid, dimethylphosphinic acid, diethylphosphinic acid, dipropylphosphinic acid, diisopropylphosphinic acid, dibutylphosphinic acid, ditolylphosphinic acid, dixylphosphinic acid, dibiphenylylphosphinic acid, naphthylphosphinic acid, Anthrylphosphinic acid, 2-carboxyphenylphosphinic acid, 3-carboxyphenylphosphinic acid, 4-carboxyphenylphosphinic acid, 2,3-dicarboxyphenylphosphinic acid, 2,4-dicarboxyphenylphosphinic acid, 2,5- Dicarboxyphenylphosphinic acid, 2,6-dicarboxyphenylphosphinic acid, 3,4-dicarboxyphenylphosphinic acid, 3,5-dicarboxyphenylphosphinic acid, 2,3,4-trica Boxyphenylphosphinic acid, 2,3,5-tricarboxyphenylphosphinic acid, 2,3,6-tricarboxyphenylphosphinic acid, 2,4,5-tricarboxyphenylphosphinic acid, 2,4,6-tricarboxy Phenylphosphinic acid, bis (2-carboxyphenyl) phosphinic acid, bis (3-carboxyphenyl) phosphinic acid, bis (4-carboxyphenyl) phosphinic acid, bis (2,3-dicarboxylphenyl) phosphinic acid, bis ( 2,4-dicarboxyphenyl) phosphinic acid, bis (2,5-dicarboxyphenyl) phosphinic acid, bis (2,6-dicarboxyphenyl) phosphinic acid, bis (3,4-dicarboxyphenyl) phosphinic acid, Bis (3,5-dicarboxyphenyl) phosphinic acid, bis (2,3 4-tricarboxyphenyl) phosphinic acid, bis (2,3,5-tricarboxyphenyl) phosphinic acid, bis (2,3,6-tricarboxyphenyl) phosphinic acid, bis (2,4,5-tricarboxyphenyl) ) Phosphinic acid and bis (2,4,6-tricarboxyphenyl) phosphinic acid, methylphosphinic acid methyl ester, dimethylphosphinic acid methyl ester, methylphosphinic acid ethyl ester, dimethylphosphinic acid ethyl ester, ethylphosphinic acid methyl ester, Diethylphosphinic acid methyl ester, ethylphosphinic acid ethyl ester, diethylphosphinic acid ethyl ester, phenylphosphinic acid methyl ester, phenylphosphinic acid ethyl ester, phenylphosphinic acid phenyl ester, diphenyl Nylphosphinic acid methyl ester, diphenylphosphinic acid ethyl ester, diphenylphosphinic acid phenyl ester, benzylphosphinic acid methyl ester, benzylphosphinic acid ethyl ester, benzylphosphinic acid phenyl ester, bisbenzylphosphinic acid methyl ester, bisbenzylphosphinic acid ethyl ester, Phosphinic acids such as bisbenzylphosphinic acid phenyl ester, trimethylphosphine oxide, triethylphosphine oxide, tripropylphosphine oxide, triisopropylphosphine oxide, tributylphosphine oxide, phosphine oxides such as triphenylphosphine oxide, methylphosphonous acid, ethyl Phosphonous acid, propylphosphonous acid, isopropyl phosphite Phosphonic acid series such as phonic acid, butylphosphonous acid, phenylphosphonous acid, methylphosphinic acid, ethylphosphinic acid, propylphosphinic acid, isopropylphosphinic acid, butylphosphinic acid, phenylphosphinic acid, dimethyl Phosphinic acid, diethylphosphinic acid, dipropylphosphinic acid, diisopropylphosphinic acid, dibutylphosphinic acid, diphenylphosphinic acid and other phosphinic acid systems, methylphosphine, dimethylphosphine, trimethylphosphine, methylphosphine, diethylphosphine, Examples include phosphines such as triethylphosphine, phenylphosphine, diphenylphosphine, and triphenylphosphine, and any one or two of these are preferable. In particular, from the viewpoints of thermal stability and color tone improvement, phosphoric acid and / or phosphonic acid are preferable.
[0032]
The polyester constituting the polyester staple fiber of the present invention does not contain a germanium compound and an antimony compound, or contains 30 ppm or less as germanium and / or antimony atoms with respect to the polyester. By setting it within this range, it is possible to obtain a polymer that is less likely to cause contamination of the die during molding and is relatively inexpensive. More preferably, it is preferably 10 ppm or less, and particularly not substantially contained.
[0033]
Further, when the molar ratio of Ti / P is 0.1 to 20 as phosphorus atoms with respect to the titanium atoms of the titanium compound, the thermal stability and color tone of the polyester are favorable, which is preferable. More preferably, it is Ti / P = 0.2-10, More preferably, Ti / P = 0.3-5.
[0034]
The titanium compound and phosphorus compound used in the present invention may be added to the polyester reaction system as they are, but are mixed in advance with a solvent containing a diol component that forms a polyester such as ethylene glycol or propylene glycol to form a solution or slurry. If necessary, it is preferable to remove low-boiling components such as alcohol used in the synthesis of the titanium compound or phosphorus compound and then add to the reaction system, since foreign matter formation in the polymer is further suppressed. The addition time includes an esterification reaction catalyst and a transesterification reaction catalyst, a method of adding the catalyst immediately after the addition of the raw material, and a method of adding it together with the raw material. Further, when added as a polycondensation reaction catalyst, it may be substantially before the start of the polycondensation reaction, before the esterification reaction or transesterification reaction, or after completion of the reaction, before the polycondensation reaction catalyst is started. It may be added. In this case, in order to suppress the deactivation of the catalyst due to the contact between the titanium compound and the phosphorus compound, a method of adding to a different reaction tank, or the addition interval of the titanium compound and the phosphorus compound in the same reaction tank is 1 to 15 minutes. And a method of separating the addition position.
[0035]
In the present invention, a titanium compound previously reacted with a phosphorus compound can also be used as a catalyst. In this case, (1) a titanium compound is mixed with a solvent, a part or all of the titanium compound is dissolved in the solvent, and the phosphorus compound is dissolved and diluted in the stock solution or the solvent and added dropwise to the mixed solution. (2) In the case of using a ligand of a titanium compound such as a hydroxycarboxylic acid compound or a polyvalent carboxylic acid compound, the titanium compound or the ligand compound is mixed in a solvent, and a part or all thereof is mixed in the solvent. Dissolve, and dissolve and dilute the ligand compound or titanium compound in the stock solution or solvent in this mixed solution. Moreover, it is preferable from the viewpoint of thermal stability and color tone improvement that a phosphorus compound is further dissolved and diluted in a stock solution or a solvent and added dropwise to the mixed solution. Said reaction conditions are performed by heating at the temperature of 0-200 degreeC for 1 minute or more, Preferably it is 2-100 minutes at the temperature of 20-100 degreeC. The reaction pressure at this time is not particularly limited, and may be normal pressure. The solvent used here can be selected from those capable of dissolving a part or all of the titanium compound, phosphorus compound and carbonyl group-containing compound, preferably water, methanol, ethanol, ethylene glycol, propane. It is selected from diol, butanediol, benzene and xylene.
[0036]
The polyester constituting the polyester staple fiber of the present invention contains 1 to 400 ppm of manganese compound in terms of manganese atom relative to polyester at any point in the production method, and the ratio of manganese compound to phosphorus compound is the mole of manganese atom and phosphorus atom. When the ratio is added so that Mn / P = 0.1 to 200, a decrease in polymerization activity can be suppressed, and the resulting polymer has a favorable color tone. The manganese compound used in this case is not particularly limited. Specifically, for example, manganese chloride, manganese bromide, manganese nitrate, manganese carbonate, manganese acetylacetonate, manganese acetate tetrahydrate, manganese acetate dihydrate Etc.
[0037]
In addition, the polyester constituting the polyester short fiber of the present invention is preferable because the color tone of the polymer obtained becomes good when a cobalt compound is further added at any point in the production method. The cobalt compound used in this case is not particularly limited, and specific examples include cobalt chloride, cobalt nitrate, cobalt carbonate, cobalt acetylacetonate, cobalt naphthenate, and cobalt acetate tetrahydrate.
[0038]
Moreover, you may add an alkali metal compound, an alkaline-earth metal compound, an aluminum compound, a zinc compound, a tin compound, etc. in order to improve the color tone of the polymer obtained, and the heat resistance of a polymer.
[0039]
In addition to particles such as titanium dioxide, silicon oxide, calcium carbonate, silicon nitride, clay, talc, kaolin, and carbon black, it contains additives such as anti-coloring agents, stabilizers, antioxidants, and end-capping agents. It doesn't matter.
[0040]
The polyester short fiber of the present invention is a polyester produced using a titanium compound (excluding titanium dioxide particles) as a main catalyst and does not contain a germanium compound and an antimony compound, or contains a total amount of germanium atoms and antimony atoms in the polyester. Polyester having a rate of 30 ppm or less can be produced by a method for producing a polyester short fiber, which is characterized by cutting after melt spinning drawing and crimping. Although a PET example is described as a specific example, the present invention is not limited to this.
[0041]
PET is usually manufactured by one of the following processes. (1) A process in which terephthalic acid and ethylene glycol are used as raw materials, a low polymer is obtained by direct esterification reaction, and a high molecular weight polymer is obtained by subsequent polycondensation reaction, and (2) dimethyl terephthalate and ethylene glycol are used as raw materials. In this process, a low polymer is obtained by a transesterification reaction, and a high molecular weight polymer is obtained by a subsequent polycondensation reaction. Here, the esterification reaction proceeds even without a catalyst, but the aforementioned titanium compound may be added as a catalyst. In the transesterification reaction, the reaction is allowed to proceed using a compound such as manganese, calcium, magnesium, zinc, lithium or the above-described titanium compound as a catalyst, and after the transesterification reaction is substantially completed, In order to inactivate the catalyst used, a phosphorus compound is added.
[0042]
The method for producing the polyester constituting the polyester staple fiber of the present invention was obtained at any stage of the series of reactions (1) or (2), preferably at the first half of the series of reactions (1) or (2). After adding additives such as titanium dioxide particles and cobalt compound as matting agent to low polymer, the above titanium compound is added as a polycondensation catalyst and polycondensation reaction is performed to obtain high molecular weight PET It is.
[0043]
Further, the above reaction can be applied to a batch, semi-batch, or continuous system.
[0044]
As the polyester constituting the polyester short fiber of the present invention, a method of producing a high molecular weight polyester by performing solid-phase polycondensation subsequent to melt polycondensation can be preferably employed. Performing solid-phase polymerization is preferable because the COOH end group concentration can be reduced with increasing the molecular weight of the polyester.
[0045]
The polyester short fiber of the present invention is preferably provided with an oil containing at least one smoothing agent selected from fatty acid esters, polyhydric alcohol esters, ether esters, polyethers, silicones, and mineral oils. Further, the oil agent as described above may be applied after spinning, or may be applied as a finishing agent after the spinning / drawing step. By adding an oil agent containing a smoothing agent as described above to the polyester short fibers, the slip properties of the polyester short fibers are improved, the processability in spinning and drawing, and the crimped spots and fluff of the obtained short fibers. Etc. can be suppressed. Furthermore, since the openability of the short fibers is improved, for example, when used as a filling cotton, the dispersibility of the short fibers is improved, so that the side fabric (duvet cover, pillow cover, cushion cover, etc.) It is possible to obtain a high-quality fiber product in which the bias of short fibers is extremely small. Further, from the viewpoint of improving the slipping property between the fibers as described above, the oil agent is preferably composed mainly of a fatty acid ester or a silicone-based smoothing agent.
[0046]
In the present invention, in addition to the smoothing agent, the component constituting the oil agent is an emulsifier that emulsifies the oil agent in water and lowers the viscosity to improve the adhesion to the yarn and the permeability, and if necessary, an antistatic agent, an ion Can be used in which an appropriate surfactant, bundling agent, rust inhibitor, preservative, and antioxidant are blended.
[0047]
The polyester short fiber of the present invention is an index of yellowish color tone for use in a wide range of applications where color tone is important, such as apparel applications where dyeing is a prerequisite.*The value is preferably -1 to 5, and more preferably -1 to 3.
[0048]
When the number of crimps of the polyester short fiber of the present invention is 6 ridges / 25 mm or more and the crimp rate is 10% or more, a good texture with a bulky and light feeling can be achieved. In addition, if the number of crimps is too large or the crimp rate is too large, the bulkiness may decrease, so the number of crimps and the crimp rate are 20 peaks / 25 mm or less and 50% or less, respectively. It is preferable that The number of crimps is more preferably 8-15 peaks / 25 mm, and the crimp rate is more preferably 15-30%.
[0049]
Moreover, in the polyester short fiber of this invention, in order to keep process passability and the mechanical strength of a product sufficiently high, it is preferable that intensity | strength is 2.0 cN / dtex or more. Moreover, the process passability at the time of making a fiber product improves that the elongation of the polyester staple fiber of this invention is 10 to 80%. Furthermore, in the polyester short fiber of the present invention, if the boiling yield is 0 to 30%, the dimensional stability of the fiber and the fiber product is good.
[0050]
The polyester short fiber as used in the field of this invention means the fiber which consists of polyester, and the fiber length is 2-150 mm. The fiber length of the polyester short fiber of the present invention is preferably in the range of 3 to 100 mm, and is appropriately selected according to the application. Moreover, the single fiber fineness of the polyester staple fiber of this invention becomes like this. Preferably it is 0.1-100 dtex, More preferably, it is 0.3-50 dtex.
[0051]
Moreover, the cross-sectional shape of the polyester short fiber of the present invention can be freely selected for a round cross-section, a hollow cross-section, a multi-leaf cross-section such as a trilobal cross-section, and other irregular cross-sections. In particular, polyester short fibers having a hollow cross-sectional shape are preferred for uses in which lightweightness, softness, and heat retention are regarded as important, such as filling cotton. The hollowness in this case is preferably 15 to 45%. By setting the hollow ratio to 15% or more, lightness, softness, and heat retention can be achieved, and by setting the hollow ratio to 45% or less, the hollow can be crushed or the fiber can be cracked during crimping. It is suppressed and the physical properties and quality of the fiber can be maintained. The hollow ratio here refers to the area ratio of the hollow portion to the area obtained from the outer shape of the fiber cross section, expressed as a percentage.
[0052]
The polyester short fiber of the present invention is a composite fiber of a type that elutes one component such as a core-sheath type, an eccentric core-sheath type, a side-by-side type, a split fiber split type, or a sea-island type containing at least polyester as a component. There may be.
[0053]
The polyester staple fiber production method of the present invention is a polyester produced using a titanium compound (excluding titanium dioxide particles) as a main catalyst and does not contain a germanium compound and an antimony compound, or a germanium atom and an antimony atom with respect to the polyester. A polyester having a total content of 30 ppm or less is used.
[0054]
When the polyester short fiber is produced using the polyester as described above, the catalyst residue hardly accumulates around the die hole at the time of melt spinning, so even if the frequency of the die correction is reduced, There is no occurrence of yarn breakage or discharge bending, and stable production of high-quality polyester short fibers becomes possible. Furthermore, since the catalyst residue does not aggregate in the pack, the filter pressure rises little and the pack life can be extended, so that excellent operability can be achieved.
[0055]
The polyester short fiber of the present invention is not limited as long as the polyester as described above is used, and for the fiberization, a conventionally known melt spinning method consisting of melt spinning, stretching, crimping and cutting steps is adopted. be able to.
[0056]
For melt spinning, a conventionally known spinning machine such as a pressure melter type or an extruder type can be used. The melt-spun yarn is subjected to cooling, application of oil, take-up, drawing, drawing, and heat setting. The drawing is performed by combining a plurality of wound yarns, and the obtained tow can be stretched in a liquid bath.
[0057]
Next, the drawn yarn is crimped and cut into a desired fiber length. The crimping method is not particularly limited, and examples thereof include a stuffing box method, an indentation heating gear method, and a high-speed air jet indentation method. Moreover, it can also be provided after extending | stretching or crimping after using an oil agent as a finishing agent as needed.
[0058]
The preferable manufacturing method of the polyester staple fiber of this invention is illustrated below. First, the spinning temperature in melt spinning varies depending on the copolymerization ratio and molecular weight of the polyester to be used, but is preferably 220 to 330 ° C. When the spinning temperature is less than 220 ° C., melt extrusion is difficult. When the spinning temperature exceeds 330 ° C., the polyester is significantly decomposed, and it becomes difficult to obtain high-strength polyester short fibers having excellent crimp characteristics.
[0059]
The melt-spun yarn is a polyester having an appropriate strength when a polyester short fiber is used as a fiber structure when the take-up speed is 400 to 2,000 m / min and the draw ratio is 1.5 to 6 times. Short fibers are obtained. The alignment may be performed so that the final fineness becomes a tow with a total fineness of 5 to 1 million dtex. Moreover, in order to extend | stretch a tow | bowl uniformly, it is preferable to perform the liquid bath extending | stretching using 60-100 degreeC warm water. Next, the stretched yarn is crimped by a stuffing box method or the like so that the number of crimps is 6 or more / 25 mm and the degree of crimp is 10% or more, and is cut into a fiber length of 3 to 100 mm.
[0060]
In addition, it is preferable to apply an oil agent containing at least one smoothing agent selected from fatty acid esters, polyhydric alcohol esters, ether esters, polyethers, silicones, and mineral oils to the fiber yarn after melt spinning. The oil as described above may be applied after spinning, or may be applied as a finishing agent after the spinning / drawing step. By adding an oil agent containing the above-mentioned smoothing agent to the polyester short fiber, the slipping property of the polyester short fiber is improved, the process passability in spinning and drawing is improved, and further, the opening of the short fiber is improved. Therefore, processability when this short fiber is processed into a fiber structure such as spun yarn, non-woven fabric, filled cotton, and binder fiber is also improved.
[0061]
The polyester short fibers of the present invention are characterized by extremely few abnormal yarns such as thickness spots, cross-sectional abnormalities, and fusion, and are of higher quality than conventional products. The polyester staple fiber of the present invention has excellent properties such as texture, spreadability, slipperiness, and uniform dyeability. In other words, in the conventional polyester short fiber, since there are many abnormal yarns as described above, the texture is cured, and the resulting fiber has physical and dyeing spots due to poor opening and slipping properties. Although problems frequently occurred, the polyester short fibers of the present invention have very few abnormal yarns, and thus all of these problems can be solved. Moreover, the polyester short fiber of this invention can be used suitably for various fiber structures, such as a spun yarn, a nonwoven fabric, a filling cotton, and a binder fiber, with the outstanding characteristic. These fiber structures are not particularly limited as long as polyester short fibers are used as at least a part thereof, and fibers other than polyester, such as polylactic acid, polyglycolic acid, polyhydroxybutyrate, polybutylene succinate, poly It may be a biodegradable fiber such as caprolactone, a natural fiber such as cotton, silk, hemp, or wool, a recycled fiber such as rayon or acetate, or a mixed product with synthetic fibers such as nylon, acrylic, vinylon, polyolefin, or polyurethane.
[0062]
In particular, the center-filled cotton comprising at least a part of the polyester staple fiber of the present invention has excellent texture and heat retention because the staple fiber has very little thickness unevenness, fusion between fibers, and hollow section abnormality. Therefore, it is a more preferable form.
[0063]
Filled cotton made of at least a part of the polyester staple fiber of the present invention has a bulkiness of 50 cm.Three/ G or more is preferable. Bulkiness is 50cmThreeIn the case of less than / g, for example, when used in a futon, the porosity is low, the heat retention as the futon is lowered, and the futon is not satisfactory. The bulkiness is preferably 60 cm from the aspect of heat retention as a futon.Three/ G or more, particularly preferably 100 cmThree/ G or more. The higher the bulkiness, the better the lightness and heat retention.
[0064]
The crimped form of the fiber may be mechanical crimping or spiral crimping, but spiral crimping is more preferable in order to increase bulkiness. There are many means for imparting spiral crimps, for example, a method of making fibers have asymmetry in the cross-sectional direction to develop spiral crimps due to orientation difference during stretching, and a difference in shrinkage rate that occurs during relaxation heat treatment after stretching There is a method for developing spiral crimps.
[0065]
Moreover, it is preferable that the compression ratio of the center-filled cotton made of the polyester short fiber of the present invention is at least 45%. Here, the compression rate is an index representing the bulkiness of the center-filled cotton when compressed. When the compression rate is low, the bulkiness characteristic is lowered even with a small compressive load, and the above-described heat retention may be lowered. From this viewpoint, a more preferable compression rate is 50% or more, and a particularly preferable compression rate is 60% or more. On the other hand, if the compression rate is too high, the elasticity of the center-filled cotton is insufficient, and a hard tactile sensation may occur. Therefore, the compression rate is preferably 90% or less.
[0066]
There is a preferred range for the single fiber fineness because the filled cotton resists compression. For the purpose of improving the compression characteristics, the preferred single fiber fineness is 3 dtex or more, particularly preferably 5 dtex or more. However, if the fineness is too large, the coarseness is increased, which is not preferable. In the center-filled cotton using at least a part of the polyester short fibers of the present invention, the preferred single fiber fineness is 50 dtex or less, particularly preferably 20 dtex or less.
[0067]
In addition, it is preferable that the center-filled cotton using at least a part of the polyester short fiber of the present invention has a recovery rate of 70% or more because an elastic feel can be obtained. The recovery rate is preferably 85% or more, and the larger the better. The recovery rate is an index that represents the degree of recovery of bulkiness when the load is removed after the inner cotton pad has been loaded and compressed. Since the polyester short fiber of the present invention is provided with an oil containing at least one kind of smoothing agent, the slipperiness is greatly improved, and the entanglement and the catch between the short fibers during compression are reduced, so the recovery rate is high. High value. Since this makes it possible to insert elastic cotton, it is a more preferable form.
[0068]
The insert cotton using at least a part of the polyester staple fiber of the present invention is suitably used as insert cotton for cushion materials and stuffed animals as well as for bedding such as futons and pillows.
[0069]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. In addition, the characteristic value in an Example was measured by the method described below.
(1) Content of titanium element, phosphorus element, antimony element, etc. in PET
It calculated | required with the fluorescent-X-ray elemental-analysis apparatus (The Horiba Ltd. make, MESA-500W type | mold). When the polyester contains titanium dioxide particles, fluorescent X-ray analysis was performed after the following pretreatment. That is, polyester is dissolved in orthochlorophenol (5 g of polymer per 100 g of solvent), and after adding the same amount of dichloromethane as this polymer solution to adjust the viscosity of the solution, a centrifuge (rotation speed 18000 rpm, 1 hour) To settle the particles. Thereafter, only the supernatant liquid is collected by the gradient method, and the polymer is reprecipitated by adding the same amount of acetone as the supernatant liquid, and then filtered through a 3G3 glass filter (manufactured by IWAKI). After washing with acetone, the acetone was removed by vacuum drying at room temperature for 12 hours. The polymer obtained by the above pretreatment was analyzed for titanium element, phosphorus element, antimony element and the like.
[0070]
On the other hand, when the titanium dioxide particles are not contained, it is not necessary to perform a pretreatment, and the polymer may be analyzed as it is.
(2) Color tone of polymer
Using a color difference meter (SM color computer model SM-3, manufactured by Suga Test Instruments Co., Ltd.), it was measured as a Hunter value (L, a, b value).
(3) Color of short fiber (b*value)
The fiber sample before cutting was densely laminated and wound on a transparent plate to such an extent that the color of the ground was almost negligible, and measured using “Spectrophotometer CM-3700d” manufactured by Minolta. At this time, the light source is D65Using (color temperature 6504K), the measurement was performed in a 10 ° field of view.
(4) Strength, elongation, boiling yield, number of crimps and crimp rate of short fibers
Conforms to JIS L 1015.
(5) Quality of short fibers
A raw cotton having a weight equivalent to 1 million short fibers was dyed using a 0.02 wt% dye (Diaselliton Fast Rubine-3B) aqueous solution at 98 ° C. for 15 minutes, washed with water and dried. After opening this raw cotton well with a hand card, it was examined with a magnifying glass, and evaluated with the following index from the number of dark dyed yarn (dense dyed yarn with a thick dyed portion of 10 mm or more) and fused yarn. .
○: The total number of the dyed yarn and the fused yarn is less than 10
Δ: The total number of thick dyed yarns and fused yarns is 10 or more and less than 20
X: The total number of thick dyed yarns and fused yarns is 20 or more
(6) Spinnability
Five spindles were arbitrarily selected from the spinning spindles for spinning, and the average value of the time from the start of the production of short fibers to the first occurrence of yarn breakage in each spindle was evaluated by the following index.
○: 40 hours or more
Δ: 25 hours or more and less than 40 hours
X: Less than 25 hours
(7) Bulkiness, compression rate and recovery rate of filled cotton
Conforms to JIS L 1097.
(8) Texture of filling cotton
Sensory evaluation was performed by 10 testers using the following indices.
○: The soft feeling and light weight feeling are extremely excellent.
Δ: Excellent softness and lightness.
X: A feeling of softness and lightness are not enough.
(9) The slipperiness of filling cotton
The ease of unraveling when the raw cotton was unwound by hand was evaluated using the following indicators.
○: It can be solved very easily.
Δ: Easy to understand.
X: Difficult to understand
[0071]
In addition, the synthesis | combining method of catalyst AI used in the Example below is described.
<Catalyst A. Synthesis Method of Citric Acid Chelate Titanium Compound (Phosphate Mixed)>
Citric acid monohydrate (532 g, 2.52 mol) was dissolved in warm water (371 g) in a 3 L flask equipped with a stirrer, condenser and thermometer. To this stirred solution was slowly added titanium tetraisopropoxide (288 g, 1.00 mol) from the addition funnel. The mixture was heated to reflux for 1 hour to produce a cloudy solution from which the isopropanol / water mixture was distilled under vacuum. The product was cooled to a temperature below 70 ° C., and a 32 wt / wt% aqueous solution of NaOH (380 g, 3.04 mol) was slowly added via a dropping funnel to the stirred solution. The resulting product was filtered and then mixed with ethylene glycol (504 g, 80 mol) and heated under vacuum to remove isopropanol / water and a slightly cloudy light yellow product (Ti content 3 .85% by weight). To this mixed solution, an 85 wt / wt% aqueous solution of phosphoric acid (114 g, 1.00 mol) was added to obtain a titanium compound containing a phosphorus compound (P content 2.49 wt%, pH = 5.0).
<Catalyst B. Synthesis Method of Citric Acid Chelate Titanium Compound (Phenylphosphonic Acid Mixed)>
Citric acid monohydrate (532 g, 2.52 mol) was dissolved in warm water (371 g) in a 3 L flask equipped with a stirrer, condenser and thermometer. To this stirred solution was slowly added titanium tetraisopropoxide (288 g, 1.00 mol) from the addition funnel. The mixture was heated to reflux for 1 hour to produce a cloudy solution from which the isopropanol / water mixture was distilled under vacuum. The product was cooled to a temperature below 70 ° C., and a 32 wt / wt% aqueous solution of NaOH (380 g, 3.04 mol) was slowly added via a dropping funnel to the stirred solution. The resulting product was filtered and then mixed with ethylene glycol (504 g, 80 mol) and heated under vacuum to remove isopropanol / water and a slightly cloudy light yellow product (Ti content 3 .85% by weight). To this mixed solution, phenylphosphonic acid (158 g, 1.00 mol) was added to obtain a titanium compound containing a phosphorus compound (P content: 2.49 wt%, pH = 5.5).
<Catalyst C. Synthesis Method of Citric Acid Chelate Titanium Compound (Phenylphosphonic Acid and Phosphoric Acid Mixed)>
Citric acid monohydrate (532 g, 2.52 mol) was dissolved in warm water (371 g) in a 3 L flask equipped with a stirrer, condenser and thermometer. To this stirred solution was slowly added titanium tetraisopropoxide (288 g, 1.00 mol) from the addition funnel. The mixture was heated to reflux for 1 hour to produce a cloudy solution from which the isopropanol / water mixture was distilled under vacuum. The product was cooled to a temperature below 70 ° C., and a 32 wt / wt% aqueous solution of NaOH (380 g, 3.04 mol) was slowly added via a dropping funnel to the stirred solution. The resulting product was filtered and then mixed with ethylene glycol (504 g, 80 mol) and heated under vacuum to remove isopropanol / water and a slightly cloudy light yellow product (Ti content 3 .85% by weight). To this mixed solution, phenylphosphonic acid (158 g, 1.00 mol) and an aqueous 85 wt / wt% phosphoric acid solution (39.9 g, 0.35 mol) were added to obtain a titanium compound containing a phosphorus compound. Obtained (P content 3.36% by weight, pH = 4.6).
<Catalyst D. Synthesis Method of Lactic Acid Chelate Titanium Compound (Phosphoric Acid Mixture)>
Ethylene glycol (218 g, 3.51 mol) was added from a dropping funnel to titanium tetraisopropoxide (285 g, 1.00 mol) stirred in a 2 L flask equipped with a stirrer, condenser and thermometer. . The rate of addition was adjusted so that the heat of reaction warmed the flask contents to about 50 ° C. The reaction mixture was stirred for 15 minutes and an 85 wt / wt% aqueous solution of ammonium lactate (252 g, 2.00 mol) was added to the reaction flask to give a clear pale yellow product (Ti content 6.54 wt. %). To this mixed solution, an 85 wt / wt% aqueous solution of phosphoric acid (114 g, 1.00 mol) was added to obtain a titanium compound containing a phosphorus compound (P content 4.23 wt%, pH = 5.0).
<Catalyst E. Synthesis Method of Lactic Acid Chelate Titanium Compound (Phenylphosphonic Acid Mixed)>
Ethylene glycol (218 g, 3.51 mol) was added from a dropping funnel to titanium tetraisopropoxide (285 g, 1.00 mol) stirred in a 2 L flask equipped with a stirrer, condenser and thermometer. . The rate of addition was adjusted so that the heat of reaction warmed the flask contents to about 50 ° C. The reaction mixture was stirred for 15 minutes and an 85 wt / wt% aqueous solution of ammonium lactate (252 g, 2.00 mol) was added to the reaction flask to give a clear pale yellow product (Ti content 6.54 wt. %). By adding phenylphosphonic acid (158 g, 1.00 mol) to this mixed solution, a titanium compound containing a phosphorus compound was obtained (P content 4.23 wt%, pH = 5.4).
<Catalyst F. Synthesis Method of Lactic Acid Chelate Titanium Compound (Phenylphosphonic Acid, Phosphoric Acid Mixed)>
Ethylene glycol (218 g, 3.51 mol) was added from a dropping funnel to titanium tetraisopropoxide (285 g, 1.00 mol) stirred in a 2 L flask equipped with a stirrer, condenser and thermometer. . The rate of addition was adjusted so that the heat of reaction warmed the flask contents to about 50 ° C. The reaction mixture was stirred for 15 minutes and an 85 wt / wt% aqueous solution of ammonium lactate (252 g, 2.00 mol) was added to the reaction flask to give a clear pale yellow product (Ti content 6.54 wt. %). To this mixed solution, phenylphosphonic acid (158 g, 1.00 mol) and an aqueous 85 wt / wt% phosphoric acid solution (39.9 g, 0.35 mol) were added to obtain a titanium compound containing a phosphorus compound. Obtained (P content 5.71 wt%, pH = 4.0).
[0072]
[Production Example 1]
About 123 kg of bis (hydroxyethyl) terephthalate (hereinafter abbreviated as BHT) was charged in advance in a slurry of 100 kg of high-purity terephthalic acid (manufactured by Mitsui Chemicals) and 45 kg of ethylene glycol (manufactured by Nippon Shokubai Co., Ltd.). 1.2 × 10FiveThe esterification reaction tank maintained at Pa was sequentially supplied over 4 hours, and after the completion of the supply, the esterification reaction was further performed over 1 hour, and 123 kg of this esterification reaction product was transferred to the polycondensation tank.
[0073]
Subsequently, 0.3% by weight was added to the polycondensation reaction tank to which the esterification reaction product had been transferred with respect to the polymer from which an ethylene glycol slurry of titanium oxide particles was obtained. To the polymer from which a pH = 5.0 ethylene glycol solution (catalyst A) comprising a citric acid chelate titanium compound and phosphoric acid is obtained, 12 ppm in terms of titanium atoms and 7.2 ppm in terms of phosphorus atoms are added, Thereafter, while stirring the low polymer at 30 rpm, the reaction system was gradually heated from 250 ° C. to 280 ° C. and the pressure was reduced to 40 Pa. The time to reach the final temperature and final pressure was both 60 minutes. When the predetermined stirring torque was reached, the reaction system was purged with nitrogen, returned to normal pressure, the polycondensation reaction was stopped, discharged into cold water as a strand, and immediately cut to obtain PET pellets. [Η] of the obtained PET was 0.660. The color tone was good with L = 77, a = −1.0, and b = 2.5. Further, it was confirmed that the content of titanium atoms derived from the titanium catalyst measured from the polymer was 12 ppm, the content of phosphorus atoms was 7.2 ppm, and Ti / P = 1.
[0074]
The PET pellets were charged into a rotary solid-phase polymerization apparatus and subjected to reduced-pressure solid-phase condensation at a temperature of 220 ° C. and a pressure of 1 torr for 38 hours to obtain solid-phase polymerization PET (P1). η] was 0.938.
[0075]
[Production Example 2]
Melt polymerization and solid phase polymerization were carried out in the same manner as in Production Example 1 except that catalyst B (pH = 5.5) consisting of a citric acid chelate titanium compound and phenylphosphonic acid was used as the catalyst, and [η] was 0.930. Phase polymerization PET (P2) was obtained.
[0076]
[Production Example 3]
Melt polymerization and solid phase polymerization were performed in the same manner as in Production Example 1 except that a catalyst C (pH = 4.6) composed of a citric acid chelate titanium compound, phenylphosphonic acid and phosphoric acid was used as the catalyst. 935 solid-phase polymerization PET (P3) was obtained.
[0077]
[Production Example 4]
Solid state polymerization in which melt polymerization and solid phase polymerization are performed in the same manner as in Production Example 1 except that catalyst D (pH = 5.0) composed of a lactic acid chelate titanium compound and phosphoric acid is used as the catalyst, and [η] is 0.940. PET (P4) was obtained.
[0078]
[Production Example 5]
A solid phase polymerization in which melt polymerization and solid phase polymerization are carried out in the same manner as in Production Example 1 except that catalyst E (pH = 5.4) composed of a lactic acid chelate titanium compound and phenylphosphonic acid is used as the catalyst, and [η] is 0.940. Polymerized PET (P5) was obtained.
[0079]
[Production Example 6]
Melt polymerization and solid phase polymerization were performed in the same manner as in Production Example 1 except that a catalyst F (pH = 4.0) composed of a lactic acid chelate titanium compound, phenylphosphonic acid and phosphoric acid was used as the catalyst, and [η] was 0.940. Solid phase polymerization PET (P6) was obtained.
[0083]
[Production Example 10]
In Production Example 1, a catalyst comprising a citrate chelate titanium compound and phosphoric acid was added to antimony trioxide (hereinafter referred to as Sb).2OThreeSolid state polymerization PET (P10) in which melt polymerization and solid phase polymerization are carried out in the same manner as in Production Example 1 except that 15 ppm as an antimony element is used together (manufactured by Sumitomo Metal Mining). Got.
[0084]
[Production Example 11]
Sb used in combination with a catalyst comprising a citric acid chelate titanium compound and phosphoric acid in Production Example 102OThreeGeO2Except for the above, melt polymerization and solid phase polymerization were performed in the same manner as in Production Example 10 to obtain solid phase polymerization PET (P11) having [η] of 0.962.
[0085]
[Production Example 12]
Sb in the catalyst2OThree(Sumitomo Metal Mining Co., Ltd.) was melt polymerized in the same manner as in Production Example 1 except that 400 ppm in terms of antimony atoms was added to the resulting polymer and 10 ppm in terms of phosphorus atoms was added to the polymer from which phosphoric acid was obtained. Solid phase polymerization was performed to obtain solid phase polymerized PET (P12) having [η] of 0.940.
[0086]
[Production Example 13]
100 kg of dimethyl terephthalate, 60 kg of ethylene glycol, 0.03 kg of manganese acetate tetrahydrate (0.024 mol% with respect to dimethyl terephthalate), 0.009 kg of cobalt acetate tetrahydrate as a colorant (0 with respect to dimethyl terephthalate) .007 mol%) and 0.15 kg of diethylene glycol were charged into a transesterification vessel and the temperature was raised from 140 ° C. to 220 ° C. over 3 hours in a nitrogen gas atmosphere, and the produced methanol was distilled out of the system to transesterify the reaction. I let you. Subsequently, 3,5-dicarboxybenzenesulfonic acid tetra-n-butylphosphonium salt (0.025 mol% based on dimethyl terephthalate) was added to the obtained product in the form of a 20% heated ethylene glycol solution.
[0087]
After stirring at 220 ° C. for 20 minutes, 0.03 part of a 56% aqueous solution of normal phosphoric acid (0.033 mol% with respect to dimethyl terephthalate) was added as a stabilizer, and at the same time, the temperature of the excess ethylene glycol was removed. Started. Ten minutes later, 0.04 kg of antimony trioxide (0.027 mol% based on dimethyl terephthalate) was added as a polycondensation catalyst. When the internal temperature reached 240 ° C., the purge of eletin glycol was finished and the reaction product was transferred to a polymerization can.
[0088]
Next, the reaction was carried out at normal pressure while raising the temperature, and then the pressure was reduced from 760 mmHg to 1 mmHg over 1 hour, and the internal temperature was raised to 280 ° C. over 1 hour 30 minutes. When the polymerization was continued for 2 hours at a polymerization temperature of 280 ° C under a reduced pressure of 1 mmHg or less, the polymerization reaction was terminated by breaking the vacuum with nitrogen gas, and the polymer was discharged into cold water at 280 ° C under nitrogen gas pressurization and cutting. PET pellets were obtained. [Η] of the obtained PET (P13) was 0.620.
[0089]
Example 1
A hollow cross-section yarn having 185 holes is passed through a filtration layer using a metal nonwoven fabric having an absolute filtration accuracy of 10 μm in a spinning pack of a melt polymer kneaded at about 290 ° C. for 3 minutes after being dried in an extruder type spinning machine after P1 is dried Spinning from the base was carried out at a discharge rate of 355 g / min and taken up at a spinning speed of 1000 m / min. Similarly, a plurality of spun yarns were combined and received in a can. This undrawn yarn is further combined to make a 700,000 dtex tow, drawn 3.2 times in a 90 ° C. water bath, and then mechanically crimped (nip pressure 2 kg / cm 2) in a stuffer box.2, Indentation pressure 1kg / cm2). Next, relax heat treatment is performed at 130 ° C., and after applying an oil agent containing a fatty acid ester as a main component (65% by weight), it is cut, and a PET short having a single fiber fineness of 6 dtex, a fiber length of 64 mm, and a hollow cross section (hollow ratio of 34%). A fiber (SF1) was obtained. As shown in Table 1, the properties of this PET short fiber are strength 5.0 cN / dtex, elongation 38%, boiling yield 8%, b*The value 2.6 was a good yarn property, and the crimp number was 10/25 mm, and the crimp rate was 26%, showing good crimp characteristics. This short fiber had very few abnormal yarns and exhibited good quality. In addition, the number of yarn breaks during production was extremely small, the yarn production was good, and the deposits around the nozzle discharge holes after production of 100 kg of short fibers were extremely small. Further, the filtration pressure in the pack was stable from beginning to end, and it was not necessary to replace the pack even 30 hours after the start of spinning.
[0090]
Example 26, 1011
P2 instead of P16, P10Except that 11 was used, the PET short fibers (SF2-6, SF1011) was obtained. The properties of these PET short fibers are as shown in Table 1, and showed good yarn properties and crimp properties. In addition, the quality and yarn-making property were good, and the deposits around the nozzle discharge holes after the production of 100 kg of short fibers were extremely small. Further, the filtration pressure in the pack was stable from beginning to end, and it was not necessary to replace the pack even 30 hours after the start of spinning.
[0091]
Comparative Example 1
A PET short fiber (SF12) was obtained in the same manner as in Example 1 except that P12 was used instead of P1. The properties of this PET short fiber are as shown in Table 1. The yarn physical properties and crimp properties were good, but the quality was insufficient due to the somewhat large number of abnormal yarns, and the yarn breakage during production The number of times was slightly high, and the yarn-making property was not satisfactory. In addition, deposits were conspicuous in the periphery of the die discharge hole after the production of 100 kg of short fibers, and it was necessary to correct the die in order to stably produce the short fibers. Further, the filtration pressure in the pack increased with time, and it was necessary to replace the pack every 30 hours.
[0092]
Comparative Example 2
A PET short fiber (SF13) was obtained in the same manner as in Example 1 except that P13 was used instead of P1. The properties of this PET short fiber are as shown in Table 1. The yarn properties and crimp properties were good, but the quality was insufficient due to the somewhat large number of abnormal yarns. However, the yarn production was not satisfactory. In addition, adhering deposits exist around the die discharge hole after the production of 100 kg of short fibers, and it was necessary to correct the die for stable production of the short fibers. Further, the filtration pressure in the pack increased with time, and it was necessary to replace the pack every 30 hours.
[0093]
[Table 1]
[0094]
Example 12
A futon was produced using SF1 as the inner cotton. The properties of the inner cotton pad are as shown in Table 2, and the bulkiness is 120 cm.Three/ G, compression rate of 62%, recovery rate of 93%, and very high bulkiness. Due to these characteristics, softness and lightness were present and heat retention was excellent. In addition, since this interlining cotton has good slipperiness and good dispersibility of short fibers in the duvet cover, it is necessary to produce a high-quality futon product with extremely low density of cotton. Was possible.
[0095]
Examples 13 and 14
A futon was produced in the same manner as in Example 12 except that SF5 or SF10 was used instead of SF1. The properties of these cotton inserts are as shown in Table 2. The bulkiness is excellent, and the quality and slipperiness are also good, making it possible to produce high-quality futon products.
[0096]
Example 15
PET short fibers (SF13) were obtained in the same manner as in Example 1 except that an oil containing a silicone compound as the main component (80% by weight) was used instead of the oil containing the fatty acid ester as a main component. A futon was produced in the same manner as in Example 12 except that SF13 was used instead of SF1. The properties of these cotton inserts are as shown in Table 2. The bulkiness is excellent, and the quality and slipperiness are also good, making it possible to produce high-quality futon products.
[0097]
Example 16
PET short fibers (SF14) were obtained in the same manner as in Example 1 except that an oil agent containing a polyether as a main component (75% by weight) was used instead of the oil agent mainly containing a fatty acid ester. A futon was produced in the same manner as in Example 12 except that this SF14 was used instead of SF1. The properties of these cotton inserts are as shown in Table 2. The bulkiness is excellent, and the quality and slipperiness are also good, making it possible to produce high-quality futon products.
[0098]
[Table 2]
[0099]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide short fibers having good yarn-making properties and higher quality than conventional products when producing polyester short fibers. Furthermore, since the polyester staple fiber of the present invention is excellent in crimp characteristics, quality, and slipperiness, it can be suitably used as an inlay cotton for cushion materials and stuffed animals, as well as for bedding such as futons and pillows.
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