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JP4403270B2 - 半導体ナノ粒子を分散した蛍光性ガラスとその製造方法 - Google Patents

半導体ナノ粒子を分散した蛍光性ガラスとその製造方法 Download PDF

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JP4403270B2 JP2004094220A JP2004094220A JP4403270B2 JP 4403270 B2 JP4403270 B2 JP 4403270B2 JP 2004094220 A JP2004094220 A JP 2004094220A JP 2004094220 A JP2004094220 A JP 2004094220A JP 4403270 B2 JP4403270 B2 JP 4403270B2
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Description

本発明は、蛍光(フォトルミネッセンス)を発する半導体ナノ粒子をガラスマトリックス内に分散した蛍光性ガラス粒子及びその製造方法に関する。
近年、高輝度で高精細、かつ、駆動に要するエネルギー(消費電力)が小さい高性能なディスプレイが必要となっている。このようなディスプレイを実現する鍵となるのは高性能な蛍光体である。また、蛍光体は、照明にも不可欠な材料である。このため、従来の希土類イオンや遷移金属イオンを用いる蛍光体を凌ぐ高輝度の蛍光体が要望されており、それを実現する可能性が高い新しい高性能蛍光体として、紫外線照射により、粒径に依存した波長の蛍光を発する半導体ナノ粒子が注目されている。
このような蛍光体となる半導体は、主にII-VI族半導体(硫化カドミウム(CdS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化カドミウム(CdTe)等)であり、これらの半導体は直接遷移を示し、発光寿命が約10ナノ秒と、従来の希土類イオンや遷移金属イオンを用いた蛍光体よりも約5桁短く、励起光の吸収と蛍光の放
出を著しく急速に繰り返すことができるので、はるかに高輝度の蛍光が得られる。発光寿命が短いことは、励起光のON、OFFに対する応答も速いことを意味する。
これまでに、このような半導体ナノ粒子については、水溶液中で合成する方法と非水溶液中で合成する方法が開発されている。しかしながら、溶液中で合成した半導体ナノ粒子は、合成した直後から、次第に粒子の凝集等が起こって発光特性が劣化し、また、特に非水溶液中で合成したナノ粒子は、水分に弱く、微量の水分の共存によって蛍光が急速に衰え、さらに、ナノ粒子の溶液のままでは材料として工学的に応用しにくいという問題があった。そのため、半導体ナノ粒子を透明なガラス等のマトリックス中に分散固定する形で閉じ込め、種々の環境下で長期にわたって高輝度発光特性を示す工学的応用に適した固体材料とする必要がある。
ナノ粒子を固定化する固体マトリックスとしては、ガラスや透明な有機高分子材料がある。ガラスは、有機高分子と比較して透明性が良く、紫外線にも強く、また、水分や酸素等を通しにくいためマトリックス中に分散したナノ粒子の化学変化による劣化を長期にわたって防ぐことができる等の利点があるので、透明固体マトリックスとして優れている。ガラスの生成にはゾル−ゲル法が有利である。ゾル−ゲル法では、常温常圧という穏やかな条件下でガラス化が進むので、半導体ナノ粒子が、水溶液法で合成された直後の粒径と高い発光効率を保持したまま、透明なガラス中に分散固定され固体材料となり、一旦固体となれば、ナノ粒子の凝集や酸化劣化も進むことがなく、高輝度の蛍光を長期にわたり安定に発する材料ができる。
従来、半導体ナノ粒子をゾル−ゲル法でガラス中に分散固定した蛍光性ガラス、及び、その作製方法が以下のようにいくつか試みられている。
非水溶液中で合成した非水溶性のセレン化カドミウム半導体ナノ粒子をガラス中に分散させる試みが行われたが、ゲル状のものしか得られず、固体状の高輝度発光ガラスは得られなかった(非特許文献1)。
そこで、固体状の半導体ナノ粒子分散ガラスを得るため、発明者らは、水溶液中で合成した水溶性の半導体ナノ粒子をゾル−ゲル法によってガラス中に分散固定する2つの方法
を開発している。
まず第1の方法は、水に分散したCdTeナノ粒子を合成し、次に、そのナノ粒子分散水溶液を、ガラスの原料となる有機アルコキシシラン及びアルコキシドを溶解した溶液中に加えてゾル−ゲル反応を進行させることにより、最終的に、ナノ粒子を均一に分散固定したガラスを作製する方法である(特許文献1及び非特許文献2)。この方法によれば、ナノ粒子を分散固定したガラスを作製することができるが、反応溶液中でのナノ粒子の濃度を上げると、ナノ粒子がうまく分散せず凝集し易いという問題があった。
そのため、ナノ粒子の凝集を抑制しながらガラス中に分散固定するために第2の方法を試みた。この方法は、疎水性の有機溶媒中で界面活性剤の逆ミセルを生成させ、次にその溶液にナノ粒子分散水溶液を添加して、ナノ粒子水溶液を内包した逆マイクロエマルジョンを生成させ、その後、反応溶液中にガラス生成のための反応物としてテトラエトキシシラン(TEOS)等のアルコキシドを加えて、逆マイクロエマルジョンの状態でゾル−ゲル反応を進行させることにより、最終的に、ナノ粒子を分散固定したガラス粒子を作製する方法である(特許文献2及び非特許文献3)。
この第2の方法によれば、ナノ粒子は1個1個の逆マイクロエマルジョン中に分かれて存在するので、ゾル−ゲル反応によるガラス生成過程において、ナノ粒子の凝集を抑制することが期待された。実際には、この方法を適用して、ナノ粒子を分散固定化したガラス粒子を作製することができたが、半導体ナノ粒子がガラス粒子の内部ではなく外表面付近に固定されたものであった。半導体ナノ粒子がガラス粒子の外表面付近で固定された場合、ガラス内部への固定と比較して、半導体ナノ粒子の大気からの遮断が不十分であるため、蛍光特性の長期安定性が不十分になり易いという問題があった。
国際公開第2004/000971号パンフレット 特開2002-211935号公報 セルバン、ムルバニーら、アドバンスド マテリアルズ、13巻、985頁(2001) 李、安藤、村瀬、フィジカ ステータス ソリディ シー、4号、1250頁) セルバン、李、安藤、村瀬、ケミストリー レタース、33巻、4号、434頁(2004)
本発明は、半導体ナノ粒子がマトリックスであるガラスの内部に分散固定されており、蛍光特性の長期安定性に優れた蛍光性ガラス粒子及びその製造方法を提供することを目的とする。
背景技術で述べたように、第2の方法で得られるガラス粒子は、ガラス粒子の内部ではなく外表面付近に半導体ナノ粒子が固定されているため、蛍光特性の安定性に問題があった。
本発明者は、このように半導体ナノ粒子がガラス粒子の外表面に偏在するのは、次の理由によるものであると考えた。すなわち、テトラエトキシシラン(TEOS)のようなアルコキシドは、半導体ナノ粒子に強く吸着し得る官能基をもたないため、半導体ナノ粒子との間の吸着力が弱く、そのためゾル−ゲル反応の進行過程でシリカの網目構造が発達する際に、半導体ナノ粒子がシリカの網目構造から排除され易い。その結果、ゾル−ゲル反応が完了してガラス化した後に、半導体ナノ粒子は生成したガラス粒子の内部ではなく外表面付
近に固定されてしまう。
本発明者は、上記の点を考慮し鋭意研究を行った結果、逆ミセル法と、ガラスの前駆体として分子の末端に半導体ナノ粒子への吸着性が良い有機官能基を有する有機アルコキシシランとアルコキシドの混合物を用いたゾル−ゲル法とを組み合わせることにより、半導体ナノ粒子を内部に分散固定したガラス蛍光体を製造し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の半導体ナノ粒子分散ガラス蛍光体の製造方法、及び該製造方法により製造される半導体ナノ粒子分散蛍光性ガラス粒子を提供する。
項1.疎水性の有機溶媒に界面活性剤を加えて逆ミセル溶液を生成させる第1工程、その逆ミセル溶液に半導体ナノ粒子分散水溶液を添加して、半導体ナノ粒子分散水溶液を内包した逆マイクロエマルジョンを生成させる第2工程、その逆マイクロエマルジョン中に、ガラスの前駆体として一般式(I):
X n −Si(OR) 4-n (I)
(式中、Xは、ビニル基を含む基、エポキシ基を含む基、アミノアルキル基、アクリロイ
ルアルキル基、メタクリロイルアルキル基、メルカプトアルキル基、又はフェニル基を示し、Rは低級アルキル基を示し、nは1,2又は3を示す)
で表される有機アルコキシシランと、一般式(II):
R 1 r -Si(OR 2 ) 4-r (II)
(式中、R 1 及びR 2 は同一又は異なって、いずれも低級アルキル基を示し、rは0,1,2又は3
を示す)
で表されるアルコキシドを含む混合物を加え、ゾル−ゲル反応を進行させて、内部に半導体ナノ粒子を分散含有した蛍光性ガラス粒子を作製する第3工程を含むことを特徴とする半導体ナノ粒子分散蛍光性ガラス粒子の製造方法。
.有機アルコキシシランとアルコキシドの混合モル比が50:50〜1:99の混合物であ
る項1に記載の製造方法。
.半導体ナノ粒子分散水溶液が、硫化カドミウム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、テルル化亜鉛、及びテルル化カドミウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の半導体ナノ粒子が分散した水溶液である項1に記載の製造方法。
.半導体ナノ粒子がテルル化カドミウムである項に記載の製造方法。
.疎水性の有機溶媒が炭素数4〜12の炭化水素である項1に記載の製造方法。
.疎水性の有機溶媒がイソオクタン(2,2,4-トリメチルペンタン)である項1に記載の製造方法。
.界面活性剤がビス(2-エチルヘキシル)スルホこはく酸ナトリウム(エーロゾルOT)である項1に記載の製造方法。
項8.有機アルコキシシランが3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APS)、メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン(MPS)、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメ
トキシシラン、及びγ-クロロプロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれた少な
くとも1種である項1に記載の製造方法。
.有機アルコキシシランが3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APS)又はメル
カプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)である項1に記載の製造方法。
10.項1〜のいずれかに記載の製造方法より製造される半導体ナノ粒子分散蛍光性ガラス粒子。
項11.一般式(I):
Xn−Si(OR)4-n (I)
(式中、Xは、ビニル基を含む基、エポキシ基を含む基、アミノアルキル基、アクリロイ
ルアルキル基、メタクリロイルアルキル基、メルカプトアルキル基、又はフェニル基を示し、Rは低級アルキル基を示し、nは1,2又は3を示す)
で表される有機アルコキシシラン、及び一般式(II):
R1 r-Si(OR2)4-r (II)
(式中、R1及びR2は同一又は異なって、いずれも低級アルキル基を示し、rは0,1,2又は3
を示す)
で表されるアルコキシドの加水分解生成物を含む平均粒径50ナノメートル以下のガラス粒子中に、半導体ナノ粒子が分散されてなる、項10に記載の蛍光性ガラス粒子。
以下、本発明を詳述する。
本発明の半導体ナノ粒子分散蛍光性ガラス粒子の製造方法は、疎水性の有機溶媒に界面活性剤を加えて逆ミセル溶液を生成させる第1工程、その逆ミセル溶液に半導体ナノ粒子分散水溶液を添加して、半導体ナノ粒子分散水溶液を内包した逆マイクロエマルジョンを生成させる第2工程、その逆マイクロエマルジョン中に、ガラスの前駆体として有機アルコキシシランとアルコキシドを含む混合物を加え、ゾル−ゲル反応を進行させて、内部に半導体ナノ粒子を分散含有したガラス粒子を作製する第3工程を含むことを特徴とする。
以下、これら3つの工程について順次説明する。
第1工程
第1工程では、疎水性の有機溶媒中に界面活性剤を加えて逆ミセル溶液を生成させる。
第1工程で用いられる疎水性の有機溶媒としては、炭素数4〜12の炭化水素が挙げられ、具体的には、炭素数4〜12の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族炭化水素、或いは炭素数6〜12の芳香族炭化水素が挙げられる。上記脂肪族炭化水素は、融点及び沸点が10〜35℃の範囲になく常温で液体であれば、飽和又は不飽和のいずれであってもよく、炭素数5〜10の直鎖状、分岐状又は環状の飽和脂肪族炭化水素が好ましい。より具体的には、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン等が挙げられ、特にイソオクタンが好ましい。上記芳香族炭化水素は、単環又は2環の芳香族炭化水素であり、該芳香環上に脂肪族炭化水素基を有していてもよい。より具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
第1工程で用いられる界面活性剤としては、疎水性有機溶媒に溶解し、溶解した状態において、界面活性剤の疎水基側が外側に配向し、界面活性剤の親水基側が内側に配向した、いわゆる逆ミセルを生成することができるものであれば特に限定されない。好適なものとしては、ビス(2-エチルヘキシル)スルホこはく酸ナトリウム(エーロゾルOT)(以下、「AOT」とも表記する)、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(商標名:トリトンX-100、ロームアンドハース社製)等が挙げられる。
逆ミセルは、疎水性の有機溶媒中に界面活性剤を加えて撹拌することにより製造される。界面活性剤の使用量は、疎水性有機溶媒1モルに対し、0.001〜0.1モル程度、好ましくは0.005〜0.02モル程度であればよい。撹拌時の温度は、特に限定はないが、通常、10〜35℃程度であればよい。なお、均一なサイズの逆ミセルを生成するために、溶液を激しく
撹拌することが必要である。これにより平均径(外径)が5〜20ナノメートル程度の逆ミ
セルが形成される。
第2工程
第2工程では、第1工程で得られる逆ミセル溶液に半導体ナノ粒子分散水溶液を添加して、半導体ナノ粒子分散水溶液を内包した逆マイクロエマルジョンを生成させる。
第2工程で用いられる半導体ナノ粒子分散水溶液としては、蛍光(フォトルミネッセンス)を発する半導体ナノ粒子が均一に分散(単分散)した水溶液を意味する。
半導体ナノ粒子としては、直接遷移を示すII-VI族半導体であって可視領域で発光する
ものが挙げられる。II-VI族半導体としては、硫化カドミウム、セレン化亜鉛、セレン化
カドミウム、テルル化亜鉛、テルル化カドミウムなどを例示でき、特にテルル化カドミウムが好適である。
この半導体ナノ粒子は、蛍光発光効率が3%以上のものを用いることが好ましい。蛍光発光効率が3%未満であると、一定の輝度を得るために必要な励起光の強度が極端に大きくなるため実用的には不向きである。ここで、蛍光発光効率とは、吸収された光子(フォトン)数(ΦA)に対する蛍光(フォトルミネッセンス)として発光される光子(フォト
ン)数(ΦPL)の割合(ΦPL/ΦA)として定義される。
II-VI族半導体ナノ粒子は、例えば、ロガチら、ベリヒテ デア ブンゼン−ゲゼルシ
ャフト フュア フィジカーリッシェ ヒェミー、100巻、1772頁(1996)に記載されてい
る水溶液法に準じて作製できる。例えば、テルル化カドミウムの場合、pHを11〜12(特に、11.4)に調整した過塩素酸カドミウム水溶液に、界面活性剤としてチオグリコール酸を加え、不活性雰囲気下でテルル化水素ガスまたはテルル化水素ナトリウムを導入し、その後還流することでテルル化カドミウムのナノ粒子を作製することができる。
II-VI族半導体ナノ粒子は、或いは、国際公開WO 00/17655号公報、WO/17656号公報、WO2004/000971号公報等に記載されている方法に準じて製造することもできる。
この方法で作製した半導体ナノ粒子の発光色は粒径によって決まり、平均粒径が小さいほど短波長の発光を示す。通常、平均粒径は2〜8ナノメートル程度(特に、3〜7ナノメートル程度)の範囲にあることが好ましい。粒径は還流時間によって制御することができる。単色の発光を得るためには、還流時間を一定に制御し、半導体ナノ粒子の粒径分布の分散の標準偏差が、平均粒径に対して20%以下となるようにすればよい。粒径分布の分散の標準偏差が20%を超えると、各種の発光が混ざり合ってしまい、表示材料で求められる色調を得難くなるので、好ましくない。
第2工程で用いられる半導体ナノ粒子分散水溶液における半導体ナノ粒子の濃度は、通常5x10-7〜5x10-4モル/リットル程度、好ましくは1x10-6〜2x10-4モル/リットル程度である。
上記の半導体ナノ粒子分散水溶液及び必要に応じて水を、第1工程で得られる逆ミセル溶液に添加し、撹拌することにより、半導体ナノ粒子分散水溶液を内包した逆マイクロエマルジョンが製造される。撹拌時の温度は、特に限定はないが、通常、10〜35℃程度であればよい。これにより平均径(外径)が8〜30nm程度の逆マイクロエマルジョンが形成
される。均一なサイズをもち、均一な量の半導体ナノ粒子を内包する逆マイクロエマルジョンを得るために、逆ミセル溶液中に半導体ナノ粒子の分散水溶液を添加する際には、溶液を激しく撹拌することが必要である。
ここで、第2工程で製造される逆マイクロエマルジョン中の、界面活性剤、疎水性の有機溶媒、及び水の配合モル比は、第1工程において逆ミセルが生成され、第2工程におい
て逆マイクロエマルジョンが生成される範囲で選択することができる。
水の配合比率が低すぎると逆マイクロエマルジョンが生成し難くなり、一方、高すぎると逆マイクロエマルジョンのサイズが大きくなりすぎ、1個の逆マイクロエマルジョン中に取り込まれる半導体ナノ粒子の数が過大となり、その結果、半導体ナノ粒子が凝集し易くなり蛍光発光効率の低下を招いてしまう。
また、疎水性の有機溶媒の配合比率が高すぎると、界面活性剤の溶解に必要以上の疎水性の有機溶媒を用いることになるので好ましくなく、疎水性有機溶媒の配合比率が低すぎると、添加した界面活性剤を完全に溶解することができず、逆ミセルを生成し難くなる。
本発明において、逆マイクロエマルジョンの平均粒径は、8-30ナノメートル程度が好ましく、それよりも平均粒径が小さ過ぎると、逆マイクロエマルジョン中への半導体ナノ粒子の取り込みやガラス化に困難が生じる傾向がある。一方、その平均粒径が大きすぎると、逆マイクロエマルジョン中において半導体ナノ粒子が凝集し易いので望ましくない。
ここで、界面活性剤のモル数を[界面活性剤]と、疎水性の有機溶媒のモル数を[疎水性有機溶媒]と、そして水のモル数を[水]と表記する。
上述した好適な平均粒径を有する逆マイクロエマルジョンを得るためには、本発明の第1工程及び第2工程で用いられる[界面活性剤]/[水]のモル比、及び[疎水性有機溶媒]/[水]のモル比を、所定の範囲で選択することが有効である。通常、[界面活性剤]/[水]のモル比は、0.008〜0.06程度、好ましくは0.015〜0.04程度から選択すればよい。また、[疎水性有機溶媒]/[水]のモル比は、0.1〜5程度、好ましくは0.2〜4程度から選択すればよい。但し、上記の範囲のうち、[界面活性剤]/[水]のモル比が、0.009〜0.013であり、かつ、[疎水性有機溶媒]/[水]のモル比が、0.2〜2である範囲は、逆マイクロエマルジョンの平均粒子径が増大するため除かれるのが好ましい。これにより、上記した好適な平均粒径を有する、半導体ナノ粒子内包逆マイクロエマルジョンを製造することができる。
さらに、図2を用いて、この点を詳細に説明する。図2は、疎水性有機溶媒としてイソオクタンを、界面活性剤としてAOTを用いた場合に、[界面活性剤]/[水]のモル比、
及び[疎水性有機溶媒]/[水]のモル比を種々変えたときの、イソオクタン(疎水性有機溶媒)中のAOT(界面活性剤)から生成する逆マイクロエマルジョンの平均粒径を示し
たものである。図2中の曲線は、平均粒径の等高線を示す。図2中の等高線が8〜30(逆
マイクロエマルジョンの平均粒子径)の範囲にある[界面活性剤]/[水]のモル比、及び[疎水性有機溶媒]/[水]のモル比が好適となる。
図2より、界面活性剤としてAOT、疎水性有機溶媒としてイソオクタンを用いる場合に
は、[界面活性剤]/[水]のモル比の好適な範囲は0.008-0.06、好ましくは0.01-0.05
、より好ましくは0.015〜0.04であり、[疎水性有機溶媒]/[水]のモル比の好適な範
囲は0.1-5、好ましくは0.15-4.5、より好ましくは0.2〜4である。但し、上記の範囲のう
ち、[界面活性剤]/[水]のモル比が、0.009〜0.013であり、かつ、[疎水性有機溶媒]/[水]のモル比が、0.2〜2である範囲は除かれる。
このように、[界面活性剤]/[水]及び[疎水性有機溶媒]/[水]を、上記のモル比率範囲にすることにより、平均粒径が8-30ナノメートル程度の逆マイクロエマルジョンを製造することができ、これを続く第3工程のゾル−ゲル反応に供すると、半導体ナノ粒子を内部に分散固定した、所望の粒径(平均粒径10-50ナノメートル程度)を有するの蛍
光性ガラス粒子を製造することができる。
第3工程
第3工程では、第2工程で得られる逆マイクロエマルジョン中に、ガラスの前駆体として有機アルコキシシランとアルコキシドを含む混合物を加えゾル−ゲル反応を進行させて、内部に半導体ナノ粒子を分散含有したガラス粒子を作製する。
第3工程で用いられる有機アルコキシシランは、いわゆるシランカップリング剤と称される化合物であり、ケイ素を有する骨格構造をもち、そのケイ素が有する4つの結合手のうち少なくとも1つが、炭素原子と結合する化合物であり、一般式(I):
Xn−Si(OR)4-n (I)
(式中、Xは、ビニル基を含む基、エポキシ基を含む基、アミノアルキル基、アクリロイ
ルアルキル基、メタクリロイルアルキル基、メルカプトアルキル基、又はフェニル基を示し、Rは低級アルキル基を示し、nは1,2又は3を示す)
で表されるものである。
この一般式(I)で表される化合物の中でも、n=1又は2、特にn=1のものが好適に用いられる。
Xで示されるビニル基を含む基としては、例えば、CH2=CH-、-CH2=CH-Ph(Phはフェニル基)で示される基が挙げられる。
Xで示されるエポキシ基を含む基としては、例えば、CCO-(CH2)k-OC3H6-(CCOはエポキ
シ基を示す、kは1〜6の整数)で示される基が挙げられる。kが1〜4、特に1又は2が好ましい。
Xで示されるアミノアルキル基としては、例えば、NH2-CmH2m-(mは1〜6の整数)で
示される基が挙げられる。mが2〜4、特に3が好ましい。中でも、直鎖のNH2-(CH2)m-
(mが2〜4の整数)で示される基が好ましく、特に3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APS)が好ましい。
Xで示されるアクリロイルアルキル基としては、例えば、CH2=C(CH3)CO-OCpH2p-(pは
1〜5の整数)で示される基が挙げられる。pが2〜4、特に3が好ましい。
Xで示されるメタアクリロイルアルキル基としては、例えば、CH2=CHCO-O-CjH2j-(jは1〜5の整数)で示される基が挙げられる。jが2〜4、特に3が好ましい。
Xで示されるメルカプトアルキル基としては、例えば、HS-CqH2q-(qは1〜10の整数)で示される基が挙げられる。qが2〜4、特に3が好ましい。中でも、直鎖のHS-(CH2)q-(qが2〜4の整数)で示される基が好ましく、特にメルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)が好適である。
Rで示される低級アルキル基としては、炭素数1−6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が
あげられ、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等が挙げられ、特にメチル、エチルが好ましい。
有機アルコキシシランの好ましいものとしては、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APS)、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)、γ-メタクリロキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエ
チル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン等が例示され、特にAPS、MPSが好ましい。
また、第3工程で用いられるアルコキシドとしては、一般式(II):
R1 r-Si(OR2)4-r (II)
(式中、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキル基を示し、rは0,1,2又は3を示す)
で表されるものである。
この一般式(II)で表される化合物の中でも、r=0,1又は2、特にr=0又は1のものが好適に用いられる。
R1及びR2で示される低級アルキル基としては、炭素数1−6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基があげられ、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等が挙げられ、特にメチル、エチルが好ましい。
アルコキシドの好ましいものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等が例示され、特に、テトラエトキシシランが好ましい。
上記の有機アルコキシシランとアルコキシドを含む混合物をガラスの前駆体として用い、これを第2工程で得られる逆マイクロエマルジョンに加えてゾル−ゲル反応を進行させて、内部に半導体ナノ粒子を分散含有したガラス粒子を作製する。
逆マイクロエマルジョンに、有機アルコキシシランとアルコキシドの混合物を均一に反応させるために、溶液を激しく撹拌することが必要である。これにより、該混合物は、逆マイクロエマルジョンの界面活性剤(AOT等)膜内部に浸潤し、エマルジョン内でゾル−
ゲル反応が進行する。
有機アルコキシシランは、半導体ナノ粒子の表面に強く吸着するので、ゾル−ゲル反応過程においても、半導体ナノ粒子をシリカの網目構造に取り込んだまま、ガラス化することができる。
特に、半導体ナノ粒子分散水溶液が、チオグリコール酸などのチオール基及びカルボキシル基を有する界面活性剤を用いて製造されている場合には、有機アルコキシシランとしては、アミノアルキル基を含有するトリアルコキシシランが好適に用いられる。具体的には、一般式(I)で表される有機アルコキシシランにおいて、XがH2N-(CH2)m-(mが2〜
4の整数)で示されるものが挙げられる。このような有機アルコキシシランに含まれるアミノアルキル基は、半導体ナノ粒子の表面に吸着した界面活性剤に含まれるカルボキシル基との親和性が高く、該有機アルコキシシランが半導体ナノ粒子の表面により強く吸着するので、半導体ナノ粒子をシリカの網目構造内部に取り込みやすくなる。
また、有機アルコキシシランは、水との反応性が高くゾル−ゲル反応の速度が非常に速いため、有機アルコキシシランのみを逆マイクロエマルジョン中に添加した場合には、1個1個の逆マイクロエマルジョンと均一に反応させることが難しい。本発明においては、この有機アルコキシシランに、水との反応性が有機アルコキシシランと比較して低い(ゾル−ゲル反応の速度が遅い)アルコキシドを混合して用いることにより、反応速度を制御している。
有機アルコキシシランとアルコキシドの混合物における、両成分の混合比率(モル比)は、通常、50:50〜1:99程度であり、好ましくは40:60〜5:95程度であり、より好ましくは
30:70〜10:90程度である。このような混合比率を選ぶと、有機アルコキシシランの半導体ナノ粒子への吸着の強さを保ちながら、ゾル−ゲル反応の速度を好適な範囲に制御することができる。これにより、溶液中の1個1個の逆マイクロエマルジョンを均等にガラス化することができ、半導体ナノ粒子の凝集を抑制して、発光強度を長期間維持できる半導体ナノ粒子分散ガラス微粒子を製造できる。
有機アルコキシシランとアルコキシドの混合物と水の混合比率(モル比)は、通常、1:5〜1:60程度であり、好ましくは1:8〜1:40程度であり、より好ましくは1:10〜1:30程度である。このような混合比率を選ぶと、加水分解のための水が十分な量あるため有機アルコキシシランとアルコキシドをゾル−ゲル反応で全てガラス化することができ、また、ゾル−ゲル反応によるガラス化の速度が適切となるため好ましい。
なお、第3工程のゾル−ゲル反応は、有機アルコキシシランとアルコキシドを添加した後、通常10〜35℃程度の温度で10-50時間程度撹拌すればよい。
その後、反応が完了すると、疎水性有機溶媒中に、半導体ナノ粒子が内部に固定された蛍光性ガラス粒子が分散した状態となる。これから溶媒を除去すれば、半導体ナノ粒子が内部に固定された球形の蛍光性ガラス粒子の粉末が得られる。得られる蛍光性ガラス粒子の平均粒子径は、50ナノメートル以下、特に10〜50ナノメートル程度となる。
このように、逆ミセル法とゾル−ゲル法を組み合わせ、ゾル−ゲルガラスの前駆体として、有機アルコキシシランとアルコキシドの混合物を用いる本発明の方法は、半導体ナノ粒子をガラス粒子内部に固定するために非常に有効な手段である。
さらに、この半導体ナノ粒子を分散固定した蛍光性ガラス粒子は、その粉末を所定の形状に成形し、必要に応じて加熱処理(焼成)することによって、半導体ナノ粒子を分散固定した蛍光性ガラス材料を得ることもできる。
本発明の製造方法によれば、半導体ナノ粒子がマトリックスであるガラスの内部に分散固定されており、蛍光特性の長期安定性に優れた蛍光性ガラス粒子を製造することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
ロガチら、ベリヒテ デア ブンゼン−ゲゼルシャフト フュア フィジカーリッシェ
ヒェミー、100巻、1772頁(1996)による方法に従って、II-VI族半導体であるテルル化カドミウムナノ粒子を合成した。すなわち、アルゴンガス雰囲気下、界面活性剤としてのチオグリコール酸(HOOCCH2SH)の存在下でpH 11.4に調整した過塩素酸カドミウム水溶液を激しく撹拌しながら、テルル化水素ガスを反応させた。これにより、テルル化カドミウムのクラスターが生成し、この水溶液を大気雰囲気下で6日間還流することにより、紫外線励
起での発光ピーク波長が640ナノメートルで赤色の発光を示す、平均粒径6ナノメートルのテルル化カドミウムナノ粒子を得た。
このようにして合成した半導体ナノ粒子を、以下のように逆ミセル法とゾル−ゲル法を組み合わせた方法で、ガラスマトリックス中に分散固定することができた。
まず、疎水性有機溶媒としてのイソオクタン(2,2,4-トリメチルペンタン)25ミリリットルに、逆ミセル(逆マイクロエマルジョン)を形成させるために必要な界面活性剤AOT 1.1115グラムを溶解し、次に、この溶液を撹拌しながら、水0.74ミリリットルと、上記のテルル化カドミウムナノ粒子分散水溶液0.3ミリリットルを加えて溶解した。
この操作により、内部にテルル化カドミウムナノ粒子を包含すると考えられる逆マイクロエマルジョンが溶液中に生成した。この逆マイクロエマルジョンの平均粒径は、光散乱式粒径測定装置(マイクロトラック社製 ナノトラック150型)で測定した結果、約10ナ
ノメートルと見積もられた。
次に、この溶液を撹拌しながら、ゾル−ゲルガラスの前駆体として、アルコキシドであるTEOS 0.399ミリリットル、および、有機アルコキシシランであるAPS 0.079ミリリット
ルを加えた。この反応条件では、[AOT]/[水]=0.0433、[イソオクタン]/[水]=2.62、([APS]+[TEOS])/[水]=0.0388、[APS]:[TEOS]=2:8であった。[]は、各成分のモル数を意味する。以下同じ。
この操作により、テルル化カドミウムナノ粒子を内部に取り込んだ逆マイクロエマルジョンにおいて、ゾル−ゲル反応が進行しガラスが生成した。この溶液を2日間撹拌した後
、テルル化カドミウムナノ粒子と複合したゾル−ゲルシリカガラスの微粒子が分散した溶液が得られた。得られた微粒子分散溶液は、紫外線励起によって、ガラスと複合前の分散水溶液と同様に赤色の発光を示した。溶液中のテルル化カドミウムナノ粒子分散ガラス微粒子の直径は、上記した光散乱式粒径測定装置により約20ナノメートルと見積もられた。SEM観察で見積もった平均粒径も同程度であった。
さらに、このガラス微粒子分散溶液の溶媒を蒸発乾固させることにより粉末が得られた。このテルル化カドミウムナノ粒子分散ガラス微粒子の粉末は、紫外線励起によって溶媒の蒸発乾固前と同様に赤色の発光を示した。
実施例2
また、実施例1と同様な方法を用い、[APS]:[TEOS]=1:9とした場合にも上記と同様の結果を得た。[AOT]/[水]=0.0225、[イソオクタン]/[水]=2.72とした場合には、
生成した逆マイクロエマルジョンの平均粒径は約20ナノメートル、最終的に得られた半導体ナノ粒子分散ガラス微粒子の平均粒径は約30ナノメートルとなり、上記と同様に赤色の蛍光を示した。
実施例3
実施例1に示したテルル化カドミウムナノ粒子の合成方法において、反応溶液の還流時間を15分間とすることにより、紫外線励起での発光ピーク波長が550ナノメートルで緑色
の発光を示す、平均粒径3ナノメートルのテルル化カドミウムナノ粒子を得た。
このようにして合成した半導体ナノ粒子を、実施例1と同様に処理することにより、ガラスマトリックス中に分散固定することができた。
ゾル−ゲル法の反応条件は、[AOT]/[水]=0.0433、[イソオクタン]/[水]=2.62、([APS]+[TEOS])/[水]=0.0388、[APS]:[TEOS]=2:8であった。
得られた微粒子分散溶液は、紫外線励起によって、ガラスと複合前の分散水溶液と同様に緑色の発光を示した。溶液中のテルル化カドミウムナノ粒子分散ガラス微粒子の直径は、上記した光散乱式粒径測定装置により約20ナノメートルと見積もられた。SEM観察で見
積もった平均粒径も同程度であった。さらに、このガラス微粒子分散溶液の溶媒を蒸発乾
固させることにより粉末が得られた。このテルル化カドミウムナノ粒子分散ガラス微粒子の粉末は、紫外線励起によって溶媒の蒸発乾固前と同様に緑色の発光を示した。
実施例4
また、実施例3と同様な方法を用い、[APS]:[TEOS]=1:9とした場合にも上記と同様の結果を得た。[AOT]/[水]=0.0225、[イソオクタン]/[水]=2.72とした場合には、
生成した逆マイクロエマルジョンの平均粒径は約20ナノメートル、最終的に得られた半導体ナノ粒子分散ガラス微粒子の平均粒径は約30ナノメートルとなり、上記と同様に緑色の蛍光を示した。
実施例5
実施例1と同じ方法により、紫外線励起での発光ピーク波長が640ナノメートルで赤色
の発光を示す、平均粒径6ナノメートルのテルル化カドミウムナノ粒子を得た。
このようにして合成した半導体ナノ粒子を、以下のように逆ミセル法とゾル−ゲル法を組み合わせた方法で、ガラスマトリックス中に分散固定することができた。
まず、疎水性有機溶媒としてのイソオクタン(2,2,4-トリメチルペンタン)25ミリリットルに、逆ミセル(逆マイクロエマルジョン)を形成させるために必要な界面活性剤AOT 1.1115グラムを溶解し、次に、この溶液を撹拌しながら、水0.44ミリリットルと、上記のテルル化カドミウムナノ粒子分散水溶液0.6ミリリットルを加えて溶解した。
この操作により、内部にテルル化カドミウムナノ粒子を包含すると考えられる逆マイクロエマルジョンが溶液中に生成した。この逆マイクロエマルジョンの平均粒径は、光散乱式粒径測定装置(マイクロトラック社製 ナノトラック150型)で測定した結果、約10ナ
ノメートルと見積もられた。
次に、この溶液を撹拌しながら、ゾル−ゲルガラスの前駆体として、アルコキシドであるTEOS 0.399ミリリットル、および、有機アルコキシシランであるAPS 0.079ミリリット
ルを加えた。この反応条件では、[AOT]/[水]=0.0433、[イソオクタン]/[水]=2.62、([APS]+[TEOS])/[水]=0.0388、[APS]:[TEOS]=2:8であった。
この操作により、テルル化カドミウムナノ粒子を内部に取り込んだ逆マイクロエマルジョンにおいて、ゾル−ゲル反応が進行しガラスが生成した。この溶液を2日間撹拌した後
、テルル化カドミウムナノ粒子と複合したゾル−ゲルシリカガラスの微粒子が分散した溶液が得られた。ガラス中におけるテルル化カドミウムの分散濃度は、実施例1のものに比して2倍である。得られた微粒子分散溶液は、紫外線励起によって、ガラスと複合前の分散水溶液と同様に赤色の発光を示した。溶液中のテルル化カドミウムナノ粒子分散ガラス微粒子の直径は、上記した光散乱式粒径測定装置により約20ナノメートルと見積もられた。SEM観察で見積もった平均粒径も同程度であった。
さらに、このガラス微粒子分散溶液の溶媒を蒸発乾固させることにより粉末が得られた。このテルル化カドミウムナノ粒子分散ガラス微粒子の粉末は、紫外線励起によって溶媒の蒸発乾固前と同様に赤色の発光を示した。
実施例6
また、実施例5と同様な方法を用い、[APS]:[TEOS]=1:9とした場合にも上記と同様の結果を得た。[AOT]/[水]=0.0225、[イソオクタン]/[水]=2.72とした場合には、
生成した逆マイクロエマルジョンの平均粒径は約20ナノメートル、最終的に得られた半導体ナノ粒子分散ガラス微粒子の平均粒径は約30ナノメートルとなり、上記と同様に赤色の
蛍光を示した。
実施例7
実施例3と同じ方法により、紫外線励起での発光ピーク波長が550ナノメートルで緑色
の発光を示す、平均粒径3ナノメートルのテルル化カドミウムナノ粒子を得た。
このようにして合成した半導体ナノ粒子を、以下のように逆ミセル法とゾル−ゲル法を組み合わせた方法で、ガラスマトリックス中に分散固定することができた。まず、疎水性有機溶媒としてのイソオクタン(2,2,4-トリメチルペンタン)25ミリリットルに、逆ミセル(逆マイクロエマルジョン)を形成させるために必要な界面活性剤AOT 1.1115グラムを溶解し、次に、この溶液を撹拌しながら、水0.44ミリリットルと、上記のテルル化カドミウムナノ粒子分散水溶液0.6ミリリットルを加えて溶解した。
この操作により、内部にテルル化カドミウムナノ粒子を包含すると考えられる逆マイクロエマルジョンが溶液中に生成した。この逆マイクロエマルジョンの平均粒径は、光散乱式粒径測定装置(マイクロトラック社製 ナノトラック150型)で測定した結果、約10ナ
ノメートルと見積もられた。
次に、この溶液を撹拌しながら、ゾル−ゲルガラスの前駆体として、アルコキシドであるTEOS 0.399ミリリットル、および、有機アルコキシシランであるAPS 0.079ミリリット
ルを加えた。この反応条件では、[AOT]/[水]=0.0433、[イソオクタン]/[水]=2.62、([APS]+[TEOS])/[水]=0.0388、[APS]:[TEOS]=2:8であった。
この操作により、テルル化カドミウムナノ粒子を内部に取り込んだ逆マイクロエマルジョンにおいて、ゾル−ゲル反応が進行しガラスが生成した。この溶液を2日間撹拌した後
、テルル化カドミウムナノ粒子と複合したゾル−ゲルシリカガラスの微粒子が分散した溶液が得られた。ガラス中におけるテルル化カドミウムの分散濃度は、実施例3のものに比して2倍である。得られた微粒子分散溶液は、紫外線励起によって、ガラスと複合前の分散水溶液と同様に緑色の発光を示した。溶液中のテルル化カドミウムナノ粒子分散ガラス球の直径は、上記した光散乱式粒径測定装置により約20ナノメートルと見積もられた。SEM観察で見積もった平均粒径も同程度であった。
さらに、このガラス微粒子分散溶液の溶媒を蒸発乾固させることにより微粒子粉末が得られた。このテルル化カドミウムナノ粒子分散ガラス微粒子の粉末は、紫外線励起によって溶媒の蒸発乾固前と同様に緑色の発光を示した。
実施例8
また、実施例7と同様な方法を用い、[APS]:[TEOS]=1:9とした場合にも上記と同様の結果を得た。[AOT]/[水]=0.0225、[イソオクタン]/[水]=2.72とした場合には、
生成した逆マイクロエマルジョンの平均粒径は約20ナノメートル、最終的に得られた半導体ナノ粒子分散ガラス微粒子の平均粒径は約30ナノメートルとなり、上記と同様に緑色の蛍光を示した。
比較例1
特許文献2(特開2002-211935号公報)の実施例1に記載に従い、テルル化カドミウム
超微粒子を分散したガラスを作製した。
試験例1
実施例1〜8の半導体ナノ粒子分散ガラス微粒子と比較例1のガラスについて、発光強度の経時安定性を評価した。
実施例1〜8の半導体ナノ粒子分散ガラス微粒子は、いずれも、作製後5ヶ月経過後でも蛍光発光効率が80%以上であった。
一方、比較例1のガラスは、作製後2〜3週間で蛍光発光効率が80%以下に低下した。
上記の結果より、本発明の製造方法により得られる半導体ナノ粒子は、マトリックスであるガラスの内部に分散固定されているため、蛍光特性の長期安定性に優れていることが分かった。
図1は、半導体ナノ粒子を分散含有するガラス蛍光体微粒子の作製方法を示す模式図である。 図2は、[AOT]/[水]の比率、および、[イソオクタン]/[水]の比率を種々変えた場合のイソオクタン中においてAOTから生成する逆マイクロエマルジョンの粒径を示す。図中の曲線は粒径の等高線を示す。

Claims (11)

  1. 疎水性の有機溶媒に界面活性剤を加えて逆ミセル溶液を生成させる第1工程、その逆ミセル溶液に半導体ナノ粒子分散水溶液を添加して、半導体ナノ粒子分散水溶液を内包した逆マイクロエマルジョンを生成させる第2工程、その逆マイクロエマルジョン中に、ガラスの前駆体として一般式(I):
    Xn−Si(OR)4-n (I)
    (式中、Xは、ビニル基を含む基、エポキシ基を含む基、アミノアルキル基、アクリロイ
    ルアルキル基、メタクリロイルアルキル基、メルカプトアルキル基、又はフェニル基を示し、Rは低級アルキル基を示し、nは1,2又は3を示す)
    で表される有機アルコキシシランと、一般式(II):
    R1 r-Si(OR2)4-r (II)
    (式中、R1及びR2は同一又は異なって、いずれも低級アルキル基を示し、rは0,1,2又は3
    を示す)
    で表されるアルコキシドを含む混合物を加え、ゾル−ゲル反応を進行させて、内部に半導体ナノ粒子を分散含有した蛍光性ガラス粒子を作製する第3工程を含むことを特徴とする半導体ナノ粒子分散蛍光性ガラス粒子の製造方法。
  2. 有機アルコキシシランとアルコキシドの混合モル比が50:50〜1:99の混合物である請求項
    1に記載の製造方法。
  3. 半導体ナノ粒子分散水溶液が、硫化カドミウム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、テルル化亜鉛、及びテルル化カドミウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の半導体ナノ粒子が分散した水溶液である請求項1に記載の製造方法。
  4. 半導体ナノ粒子がテルル化カドミウムである請求項3に記載の製造方法。
  5. 疎水性の有機溶媒が炭素数4〜12の炭化水素である請求項1に記載の製造方法。
  6. 疎水性の有機溶媒がイソオクタン(2,2,4-トリメチルペンタン)である請求項1に記載の製造方法。
  7. 界面活性剤がビス(2-エチルヘキシル)スルホこはく酸ナトリウム(エーロゾルOT)である請求項1に記載の製造方法。
  8. 有機アルコキシシランが3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APS)、メルカプトプロピ
    ルトリメトキシシラン(MPS)、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-
    メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピ
    ルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン
    、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシ
    シラン、及びγ-クロロプロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれた少なくとも
    1種である請求項1に記載の製造方法。
  9. 有機アルコキシシランが3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APS)又はメルカプトプロ
    ピルトリメトキシシラン(MPS)である請求項1に記載の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法により製造される半導体ナノ粒子分散蛍光性ガラス粒子。
  11. 一般式(I):
    Xn−Si(OR)4-n (I)
    (式中、Xは、ビニル基を含む基、エポキシ基を含む基、アミノアルキル基、アクリロイ
    ルアルキル基、メタクリロイルアルキル基、メルカプトアルキル基、又はフェニル基を示し、Rは低級アルキル基を示し、nは1,2又は3を示す)
    で表される有機アルコキシシラン、及び一般式(II):
    R1 r-Si(OR2)4-r (II)
    (式中、R1及びR2は同一又は異なって、いずれも低級アルキル基を示し、rは0,1,2又は3
    を示す)
    で表されるアルコキシドの加水分解生成物を含む平均粒径50ナノメートル以下のガラス粒子中に、半導体ナノ粒子が分散されてなる、請求項10に記載の蛍光性ガラス粒子。
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