JP4489273B2 - 車体パネルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は金属の板材を用いた車体パネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車体パネルは板材を所望の形状に成形したもので、その製造方法には、例えば、特開平6−238378号公報「薄板材の成形装置および薄板成形体の離型方法」に示されたものがある。同公報の段落番号[0019]〜[0021]によれば、この薄板成形体の離型方法は次の通りである。ただし、以下の説明は原文の要約である。
【0003】
まず、同公報の図1の金型容器4(符号は公報記載のものを流用した。以下同様。)と天板6との間にアルミニウム合金製の薄板材2を配置するとともに、金型容器4と天板6とで薄板材2の周縁部2aを挟持する。そして、金型容器4と天板6とで薄板材2を500℃前後に加熱し、薄板材2と天板6との間にガスを供給して薄板材2を金型容器4に押圧し、成形加工を施す。その後、天板6とヘッド10とで周縁部2aを挟持しながら薄板材2を金型容器4から離型させる。
このように、従来の技術は、薄板材2の周縁部2aを挟持しながら離型するようにしたので、離型用のフォークを用いる必要がなく、作業性を高めることができるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の技術では、成形した薄板材2を金型容器4から押し出すとともに、離型し、薄板材2を取り出した。この場合、成形した薄板材2の温度は、500℃前後、若しくは500℃前後からの降温途中にあり、まだ塑性変形しやすい温度である。この状態で取り出すと、成形した薄板材2が変形する場合がある。
【0005】
この変形を抑える目的で同公報の段落番号[0028](図4)の冷却手段13(吹出口11…、12…)を設け、成形した薄板材2を冷却するという考えがある。しかし、金型容器4及び天板6の温度はともに500℃前後を保持しており、500℃前後の雰囲気下にある薄板材2の冷却には時間がかかる。また、冷却手段13によって金型容器4及び天板6の温度は下り、2サイクル目の昇温に時間がかかる。
さらに、冷却手段13の作動が終了するまでの間、金型容器4と天板6との間に薄板材2を保持し、成形を長時間止めると、薄板成形体の成形サイクルタイムが長くなり、生産効率が低下する。
【0006】
また、薄板材2の周縁部2aは、最終製品としては使用しない部分であり、使用済みとなった時点で、除去され、廃棄処分となる。高価なアルミニウム合金製板材の廃棄量が多くなると、生産コストが嵩むため、板材の歩留りを高める必要がある。
さらに、薄板材2の周縁部2aを除去するトリミング(縁切り)工程を設ける必要があり、加工時間が増加して生産効率が低下する。
【0007】
そこで、本発明の目的は、成形精度がよく、生産効率を向上させることができ、板材の歩留りを向上させることができる車体パネルの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、固定金型並びに可動金型と、固定金型の周囲に配置した少なくとも3個の位置規制部材と、車体パネルのためのブランク材と、加熱手段と、整形用金型とを用い、加熱手段で所定の温度に加熱した状態のブランク材を位置規制部材にて位置決めしつつ固定金型に載せ、この状態で可動金型を固定金型に合せることで、ブランク材の周縁部を非拘束で絞り成形する熱間絞り成形工程と、得られた絞り成形品が焼戻し温度まで下がった段階で整形用金型にて絞り成形品の形状を整える整形工程と、からなる。
【0009】
熱間絞り成形工程で得られた絞り成形品を次工程の整形工程で整形するので、成形精度を向上させることができ、熱間絞り成形工程において絞り成形品を冷却するための特別な冷却時間を設定する必要はない。従って、成形サイクルタイムは短く、生産効率は向上する。
【0010】
また、熱間絞り成形工程では、加熱した状態のブランク材を位置規制部材にて位置決めしつつブランク材の周縁部を押えることなしに非拘束で絞り成形するので、ブランク材に周縁部を設けて挟む必要はない。その結果、板材の廃棄量が減少し、板材の歩留りは向上する。
【0011】
整形工程では、絞り成形品が焼戻し温度まで下がった段階で整形用金型にて絞り成形品の形状を整えるので、細部の鋭い曲げ形状が仕上り、成形精度が向上する。同時に、整えた後の仕上り成形品は温度による変形の影響を受けずに整えた後の成形形状を保持する。従って、成形精度が向上する。
また、絞り成形品が焼戻し温度まで下がった段階で成形品の形状を整えるので、焼戻しのための設備を設置する必要がなく、且つ昇温時間も発生せず、生産コストを抑えることができる。
【0012】
請求項2は、整形工程では、絞り成形品を矯正するとともに、絞り成形品の端部を加工することを特徴とする。
絞り成形品を矯正するので、熱間絞り成形工程で発生した変形部を元に戻すことができ、成形精度を維持することができる。
整形工程で絞り成形品の端部を加工することにより、より複雑な形状を整形工程の1工程に含めて加工することができる。また、熱間絞り成形工程の加熱温度より低い温度で塑性変形を行うので、成形精度を確保しやすい。
【0013】
請求項3は、整形工程では、焼戻し温度を200〜250℃の範囲に設定したことを特徴とする。
焼戻し温度が200℃未満になると、塑性変形の抵抗が大きくなり、成形精度及び生産効率は低下する。
焼戻し温度が250℃を超えると、温度が高過ぎて焼戻しの効果は期待できない。同時に、機械的性質が低下し、変形の心配がある。
整形後の変形を抑えて成形精度の向上を図りつつ、ブランク材の焼戻しを実施するには、焼戻し温度を200〜250℃の範囲に設定することが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車体パネルの製造方法のフローチャートであり、STはステップを示す。
【0015】
ST01:ブランクホルダを有しないプレス機、位置規制部材を配置した固定金型、可動金型、ブランク材、加熱手段、及び整形用金型を準備する。
ST02:加熱した状態のブランク材を位置規制部材にて位置決めしつつ固定金型に載せる。
ST03:可動金型を固定金型に合せ、ブランク材の周縁部を押えることなしに絞り成形する。
【0016】
ST04:得られた絞り成形品を焼戻し温度まで下げる。
ST05:焼戻し温度まで下がった段階で絞り成形品を整形用金型にセットする。
ST06:整形用金型にて絞り成形品の形状を整える。その際に、絞り成形品を矯正するとともに、絞り成形品の端部も加工する。
ST07:離型し、車体パネルを得る。
次に、ST01〜ST07を具体的に説明する。
【0017】
図2は本発明に係る熱間絞り成形工程の第1説明図である。
予めブランクホルダを有しないプレス機11、絞り成形用金型12(固定金型13、可動金型14)、ブランク材15と、図に示していない加熱手段と、整形用金型50(図6参照)とを準備する。
【0018】
固定金型13は、凸状の型21と、周囲に配置した少なくとも3個の位置規制部材22,22(1個は図に示していない)と、第1カム機構23と、第2カム機構24と、を備えたものである。
可動金型14は、内型26と、外型27と、この外型27の下方に形成した駆動部28とを備えたものである。
【0019】
ブランク材15は、車体パネルを成形するためのもので、縁31には周縁部32を設けずに、縁31を仕上り寸法に形成したもので、アルミニウム合金製素材からブランキングで打ち抜いたものである。アルミニウム合金としては、例えば、Al−Mg−Si系合金(6000系)の板材を用いた。
【0020】
準備後、まず、このブランク材15を加熱手段で所定の温度に加熱する。加熱温度は500〜550℃の範囲に設定した。その次に、この温度に加熱した状態のブランク材15を位置規制部材22・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)にて位置決めしつつ固定金型13の型21上に想像線の如く載せる。なお、ブランク材15は加熱した状態にあり、機械的性質は低下し、そのため、縁31は自重で下がる。
その後で、可動金型14の圧下を矢印▲1▼の如く開始する。
【0021】
図3は本発明に係る熱間絞り成形工程の第2説明図である。
可動金型14を固定金型13に合せ、且つ第1段目の荷重F1で加圧し、ブランク材15の周縁部を挟んで押えることなしに非拘束で絞り成形する。その際、ブランク材15の温度が500〜550℃の範囲内になるように温度を保つ。
【0022】
図に示すように、ブランク材15の周縁部32(図2参照)を挟んで押えることなしに非拘束で絞り成形するので、アルミニウム合金製素材の廃棄量を少なくすることができ、板材の歩留りを向上させることができる。
【0023】
図4(a),(b)は本発明に係る熱間絞り成形工程の第3説明図である。
(a):引続き、可動金型14を第2段目の荷重F2(F2>F1)で加圧し、外型27のみを矢印▲2▼の如く圧下し、一方の端部34をL形に曲げ成形する。そして、一旦、可動金型14の下降を停止する。
【0024】
(b):一方、荷重F2の加圧の完了〜下降の一旦停止の間に、第1カム機構23を矢印の如く駆動し、他方の端部35をZ形に曲げ成形する。その後、可動金型14の下降を再開し、下降する駆動部28で第1カム機構23のポンチ36を矢印▲3▼方向に駆動し、穴開け(ピアシング工程)を実施する。これで、ブランク材15(図2参照)から絞り成形品37を得る。
可動金型14による加圧完了後、絞り成形品37を冷却せずに可動金型14を矢印▲4▼の如く後退させ、型開を行う。
【0025】
なお、図2で500℃に達した時点〜図4の型開の時点までに要する所要時間をP1とし、溶体化処理に必要な保持時間をK1としたときに、この所要時間P1と保持時間K1は、例えば、60秒程度に設定するのが望ましい。
【0026】
図3、図4に示す熱間絞り成形工程では、ブランク材15の温度を500〜550℃の範囲に保持するので、塑性変形の抵抗は極めて小さく、且つ伸びは大きく、ブランク材15のスプリングバックはほとんど発生しない。従って、絞り成形品37の寸法精度を向上させることができる。
また、ブランク材15を500〜550℃の範囲の温度で、保持時間K1だけ保持するので、溶体化処理を実施することができる。
【0027】
図5は本発明に係る熱間絞り成形工程の第4説明図である。
型開後、成形品を取り出し、絞り成形品37が完成するとともに、熱間絞り成形工程の1サイクル目が完了する。続けて、図2に戻って2サイクル目を開始する。
熱間絞り成形工程では、絞り成形用金型12内で絞り成形品37を冷却するための冷却時間を設定することなく、絞り成形品37を取り出すので、冷却による停止時間が発生せず、成形サイクルタイムの短縮を図ることができるとともに、生産効率の向上を図ることができる。
【0028】
また、絞り成形用金型12内で絞り成形品37を冷却しないので、絞り成形用金型12の温度は低下し難く、2サイクル目のブランク材15を500〜550℃の範囲に保持するための温度管理は容易になる。従って、成形サイクルタイムを短くすることができる。
【0029】
次に整形工程を説明する。
得られた絞り成形品37を焼戻し温度まで下げる。この場合、急冷するのが望ましい。
焼戻し温度は、200〜250℃の範囲に設定した。
焼戻し温度が200℃未満になると、塑性変形の抵抗が大きくなり、成形精度及び生産効率は低下する。
一方、焼戻し温度が250℃を超えると、温度が高過ぎて焼戻しによる所望の効果は小さくなり、好ましくない。また、機械的性質は温度の上昇に比例して低下するため、次工程の整形工程で変形が起きる心配がある。
成形精度の向上を図り、ブランク材の焼戻しを実施するには、焼戻し温度を200〜250℃の範囲に設定することが望ましい。
【0030】
図6は本発明に係る整形工程の第1説明図である。
絞り成形品37の温度が焼戻し温度まで下がった段階で、整形用金型50に絞り成形品37をセットする。具体的には、整形用金型50は、固定金型51と、可動金型52とからなる。固定金型51は、中央に設けた中央整形型53と、この中央整形型53の一方に移動可能に配置した第1移動整形型54と、他方に移動可能に配置した第2移動整形型55と、第1移動整形型54に取付けた端部整形型56と、第2移動整形型55に取付けた第3カム機構57とを備えたものである。なお、中央整形型53、第1、第2移動整形型54,55で一体的な固定整形型58を形成する。
【0031】
可動金型52は、内側の可動整形型61と、外型62と、この外型62の下方に形成した駆動部63とを備えるものである。
図に示すように、可動金型52を上限で待機させ、且つ固定金型51の第1、第2移動整形型54,55を後退限で止め、固定整形型58へ絞り成形品37を矢印▲5▼の如く搬入するとともに、想像線のように被せてセットする。そして、可動金型52の圧下を矢印▲6▼の如く開始する。
【0032】
図7(a),(b)は本発明に係る整形工程の第2説明図である。
(a):可動金型52を固定金型51に合せ、且つ第1段目の荷重F3で加圧し、固定整形型58と可動整形型61とで絞り成形品37の中央部の形状を整える。この後、他方の端部35を整え、さらに一方の端部34を加工する。
【0033】
(b):可動金型52が下限に達した型閉状態において、端部整形型56をシリンダ64で矢印▲7▼の如く前進させ、他方の端部35のZ形曲げの形状を整える。この工程で絞り成形品37の形状を整える工程は終了し、仕上り成形品66を得る。なお、整形後、端部整形型56はシリンダ64で後退限まで戻る。
【0034】
図のように熱間絞り成形工程で得られた絞り成形品37の形状を整形工程で整えるので、絞り成形後に特別な冷却時間を設定することなく、絞り成形品37を取り出すことができる。その結果、成形サイクルタイムを短く設定することができ、生産効率の向上を図ることができる。
【0035】
この整形工程では、絞り成形品37が所望の焼戻し温度(200〜250℃)まで下がった段階で整形用金型50にて絞り成形品37の形状を整えるので、細部の鋭い曲げ形状が仕上り、成形精度が向上する。同時に、整えた後の仕上り成形品66は温度による変形の影響を受けずに整えた後の成形形状を保持する。従って、成形精度が向上する。
【0036】
また、図7(a),(b)の整形工程では、同時に絞り成形品37を矯正する。すなわち、固定整形型58と可動整形型61とで絞り成形品37の中央部の形状を矯正し、端部整形型56で他方の端部35のZ形曲げの形状を矯正し、仕上り成形品66を得る。
【0037】
絞り成形品37を矯正するので、熱間絞り成形工程で発生した変形部を元に戻すことができ、成形精度を維持することができる。同時に、矯正した後の仕上り成形品66は温度による変形の影響を受けずに矯正した後の成形形状を保持する。従って、成形精度を維持することができる。
【0038】
その上、絞り成形品37が焼戻し温度まで下がった段階で絞り成形品37の形状を整えるので、焼戻しのための加熱設備を設置する必要がなく、且つ昇温時間も発生せず、生産コストを抑えることができる。
【0039】
図8(a)〜(c)は本発明に係る整形工程の第3説明図である。
(a):絞り成形品37の一方の端部34を加工する。具体的には、型閉状態で、第3カム機構57のシリンダ67で型68を前進(矢印方向)させ、型68で端部34をZ形に曲げる。
【0040】
(b):引続き、可動金型52を第2段目の荷重F4(F4>F3)で加圧し、外型62のみを矢印▲8▼の如く下降させ、下降する駆動部63で第3カム機構57のポンチ71を矢印▲9▼方向に駆動し、穴開け(ピアシング工程)を実施する。(c)は穴開けの詳細を示し、端部34の曲げ加工に続いて、端部34にポンチ71で穴72を加工したことを示す。その後、型開を行うと、ポンチ71はリターンスプリング73で戻る。
【0041】
なお、焼入れで250℃に達した時点〜図8の型開の時点までに要する所要時間をP2とし、焼戻しに必要な保持時間をK2としたときに、この所要時間P2と保持時間K2は、例えば、60秒程度に設定するのが望ましい。
【0042】
このように、整形工程で絞り成形品の端部34を加工することにより、より複雑な形状を整形することができるとともに、より複雑な形状を整形工程の1工程に含めて加工することができる。従って、生産効率の向上を図ることができる。
【0043】
また、熱間絞り成形工程の加熱温度500〜550℃より低い温度200〜250℃で塑性変形を行うので、成形精度を確保しやすい。
さらに、熱間絞り成形工程の加熱温度500〜550℃より低い温度200〜250℃で塑性変形を行うと、曲げ成形後の表面肌は荒くならず、仕上りをよくすることができる。
【0044】
その上、絞り成形品37を200〜250℃の範囲の温度で、保持時間K2だけ保持するので、焼戻しを実施することができる。
【0045】
図9(a),(b)は本発明に係る整形工程の第4説明図である。
(a):成形した車体パネル76を取り出す。具体的には、型開後、第1移動整形型54をシリンダ74で前進させ、第1移動整形型54を離型する。同時に、第2移動整形型55をシリンダ75で前進させ、第2移動整形型55を離型する。
(b):最後に、中央整形型53から取り外し、車体パネル76を得る。
【0046】
次に、本発明に係る車体パネルの製造方法を線図で補足説明する。
図10は本発明に係る車体パネルの製造方法の熱処理要領を示した線図であり、横軸を時間とし、縦軸を温度とした加熱線図である。
まず、ブランク材15(図2参照)を所望の昇温速度で昇温し、昇温開始から時間M1で、温度を温度T1(例えば、500℃)〜温度T2(例えば、550℃)の範囲内まで上げる。そのブランク材15を固定金型13に載せ(時間M2)、絞り成形し、時間M3で型開を実施する。この間において、温度T1〜温度T2の範囲内の温度を保持時間K1だけ保ち、溶体化処理を実施する。
【0047】
型開後、急冷し、温度T4(例えば、250℃)まで降温して焼入れを行う。焼入れ後、整形用金型50(図6参照)にセット(時間M5)し、整形し、時間M6で型開を実施する。この間において、温度T3(例えば、200℃)〜温度T4の範囲内の温度を保持時間K2だけ保ち、焼戻しを実施する。
【0048】
このように、成形加工(整形含む)と、アルミニウム合金の熱処理とを同時並行的に実施するので、工程を集約することができ、成形精度の向上を図るとともに、生産効率の向上を図ることができる。
【0049】
尚、本発明の実施の形態に示した図2の絞り成形用金型12、及び図6の整形用金型50は一例であって、これに限定するものではない。例えば、絞り成形用金型12及び整形用金型50に各々加熱手段を設けてもよい。この場合、絞り成形用金型12の加熱手段でブランク材15の昇温、及び温度保持を実施してもよく、整形用金型50の加熱手段でブランク材15の温度保持を実施してもよい。
【0050】
また、本発明の実施の形態に示した車体パネルの形状は一例であり、車体の位置によって車体パネルの形状は異なり、当然、絞り成形用金型12、及び整形用金型50の型は異なる。同様に、端部の曲げ形状は一例であり、これに限定しない。
【0051】
ここでは、ブランクホルダをプレス機の一部としたが、ブランクホルダを金型の一部として構成した場合は、「ブランクホルダを有しない金型」を準備し、且つ使用するということになる。
【0052】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、所定の温度に加熱した状態のブランク材を位置規制部材にて位置決めしつつ固定金型に載せ、ブランク材の周縁部を非拘束で絞り成形する熱間絞り成形工程と、得られた絞り成形品が焼戻し温度まで下がった段階で整形用金型にて絞り成形品の形状を整える整形工程と、からなる。
整形工程で絞り成形品を整形するので、成形精度を向上させることができる。その結果、熱間絞り成形工程の際に、絞り成形品を冷却するための特別な冷却時間を設定する必要はなく、成形サイクルタイムを短縮することができるとともに、生産効率の向上を図ることができる。
【0053】
また、熱間絞り成形工程では、加熱した状態のブランク材を位置規制部材にて位置決めしつつブランク材の周縁部を押えることなしに非拘束で絞り成形するので、ブランク材に周縁部を設けて挟む必要はない。その結果、板材の廃棄量が減少し、板材の歩留りを向上させることができる。
【0054】
請求項2の整形工程では、絞り成形品を矯正するとともに、絞り成形品の端部を加工する。絞り成形品を矯正するので、熱間絞り成形工程で発生した変形部を元に戻すことができ、成形精度を維持することができる。
また、絞り成形品の端部を加工することにより、より複雑な形状を整形工程の1工程に含めて加工することができ、成形の範囲を拡大することができるとともに、生産効率の向上を図ることができる。
さらに、熱間絞り成形工程の加熱温度より低い温度で塑性変形を行うので、成形精度を確保しやすい。
【0055】
請求項3の整形工程では、焼戻し温度を200〜250℃の範囲に設定したので、所望の機械的性質を確保して変形を抑えることができ、成形精度の向上を図ることができる。また、同時並行的に、ブランク材の焼戻しを実施することができ、生産効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車体パネルの製造方法のフローチャート
【図2】本発明に係る熱間絞り成形工程の第1説明図
【図3】本発明に係る熱間絞り成形工程の第2説明図
【図4】本発明に係る熱間絞り成形工程の第3説明図
【図5】本発明に係る熱間絞り成形工程の第4説明図
【図6】本発明に係る整形工程の第1説明図
【図7】本発明に係る整形工程の第2説明図
【図8】本発明に係る整形工程の第3説明図
【図9】本発明に係る整形工程の第4説明図
【図10】本発明に係る車体パネルの製造方法の熱処理要領を示した線図
【符号の説明】
11…プレス機、2…絞り成形用金型、13…固定金型、14…可動金型、15…ブランク材、22…位置規制部材、31…縁、32…周縁部、34…絞り成形品の端部(一方の端部)、37…絞り成形品、50…整形用金型、76…車体パネル。
Claims (3)
- 固定金型並びに可動金型と、固定金型の周囲に配置した少なくとも3個の位置規制部材と、車体パネルのためのブランク材と、加熱手段と、整形用金型とを用い、
前記加熱手段で所定の温度に加熱した状態のブランク材を前記位置規制部材にて位置決めしつつ固定金型に載せ、この状態で可動金型を固定金型に合せることで、ブランク材の周縁部を非拘束で絞り成形する熱間絞り成形工程と、
得られた絞り成形品が焼戻し温度まで下がった段階で前記整形用金型にて絞り成形品の形状を整える整形工程と、からなる車体パネルの製造方法。 - 前記整形工程では、絞り成形品を矯正するとともに、絞り成形品の端部を加工することを特徴とする請求項1記載の車体パネルの製造方法。
- 前記整形工程では、焼戻し温度を200〜250℃の範囲に設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体パネルの製造方法。
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